JP2019136234A - 敷布団 - Google Patents

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Abstract

【課題】就寝中に横向き姿勢であっても適切な高さに頭部を支えることが可能な敷布団を提供する。【解決手段】敷布団10は、全体がクッション材31a〜31cよりなり、長さ方向Xの一端部寄りに他の部位より弾性率が小さい肩支持部12を有し、肩支持部12は、上面が開口する互いに平行な複数の溝20と、隣り合う溝間に形成される少なくとも1個の突条21を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、枕上の頭部が適切な高さになるよう支持することが可能な敷布団に関するものである。
従来より、良好な睡眠を得るためには、頭部を適切な高さに支えることが重要であることが知られている。頭部が適切に支えられていないと、首や肩に体重が集中してしびれや麻痺が生じたり、頸椎が曲げられて気道が圧迫される等により無呼吸やいびきの原因となる。
就寝時は、人は寝返りを繰り返して、仰向け姿勢や横向き姿勢を取ることが多い。上半身は、仰向け姿勢時には背中が敷布団に接するのに対して、横向き姿勢時には肩が敷布団に接するため、横向き姿勢時の頭部の位置は、仰向け姿勢時の頭部の位置よりも高く、約4〜5cmの差異があると言われている。通常、枕の高さは仰向け姿勢時における頭の位置が適切な高さとなるように設定されているため、横向き姿勢の場合には、枕の高さは適切ではない。
このため、例えば、特許文献1には、人の姿勢に応じて枕の高さを調整することが可能な枕が提案されている。この枕は、就寝中の人の姿勢を検知するセンサと、ポンプ手段により流体を枕内に注入するポンプ手段を備え、人の姿勢に応じて枕内に流体を注入して枕の高さを調整している。
特開平10−113269号公報
しかし、特許文献1に記載の枕は、就寝中に頭部の直近でポンプ手段の動作音や流体が流れ込む音が発生するために就寝が妨げられるという問題がある。このため、枕ではなく敷布団において頭部の高さを調整する手段を設けることが要望されていた。
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、就寝中に横向き姿勢になっても枕上の頭部が適切な高さに支えられる敷布団を提供することを課題としている。
本発明による敷布団は、全体がクッション材よりなり、長さ方向の一端部寄りに他の部位より圧縮率が大きい肩支持部を有し、前記肩支持部は、上面が開口する互いに平行な複数の溝と、隣り合う溝間に形成される少なくとも1個の突条を備える。
枕の高さは、仰向け姿勢時に頭部が適切な高さに位置するように設定されているが、寝返りにより横向き姿勢となり、肩支持部の突条に肩が載置されたとき、突条は押圧によりその両側の溝に押し広げられるように圧縮変形するので、肩が肩支持部に沈み込み、相対的に肩の位置と枕の上面との間の距離が長くなる。このため、頭部は適切な高さで支えられる。
このように、本発明によれば、就寝時に仰向け姿勢、横向き姿勢のいずれとなっても、枕上の頭部が適切な高さに支えられる。
さらに、頭部が適切な高さに支えられることで、仰向け姿勢、横向き姿勢のいずれとなっても頸椎が略水平に保たれるため、気道が狭くなったり圧迫されたりすることがなく、無呼吸やいびきを防ぐことができる。
また、溝が、腕が入り込む程度に押し広げることが可能な幅及び深さに設定されている場合、溝に腕を入り込ませることで、肩をより敷布団に沈み込ませることができる。
好ましい実施形態においては、前記突条は、平面視の形状が真っ直ぐな帯状である。
上記の実施形態においては、前記突条は、前記幅方向に沿って形成されていてもよい。
他の実施形態においては、前記突条は、平面視の形状がV字状であって屈曲部を有していてもよい。
上記の実施形態においては、前記屈曲部が、前記幅方向の中央部に位置していてもよい。
好ましい実施形態においては、前記溝および突条は、全幅にわたって形成されている。
前記突条は、長さ方向と直交する断面形状が、矩形状、台形状、逆台形状、凸曲面状のいずれかであってもよい。
前記突条は、他の部位より圧縮率が大きいクッション材であってもよい。
本発明の敷布団によれば、就寝時に仰向け姿勢、横向き姿勢のいずれとなっても、枕上の頭部が適切な高さに支えられる。
本発明の一実施形態に係る敷布団の斜視図である。 敷布団の平面図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 (A)は人の仰向け姿勢時、(B)は横向き姿勢時の敷布団の状態を説明する図である。 溝および突条の他の例を示す平面図である。 溝および突条の他の例を示す平面図である。 突条の断面形状が、(A)は台形状、(B)は逆台形状、(C)は凸曲面状である敷布団の断面図である。 敷布団の使用状態を示す図である。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施形態の敷布団10を示す。敷布団10は、全体がクッション材31a〜31cよりなり、長さ方向Xの一端側から順に、頭部を支持する頭部支持部11と、肩を支持する肩支持部12と、背、腰、脚を支持する腰脚支持部13とに分けられる。
なお、敷布団10とは、人Pが横たわる際に体の下に敷くものであればよく、マットレスなどを含む。
肩支持部12は、敷布団10の長さ方向Xの一端部寄りに位置しており、敷布団10の頭部支持部11に連続して肩支持部12が形成されている。
敷布団10の長さ方向Xの長さをLとすると、頭部支持部11の長さ方向Xの長さL2は、L/6以上、L/3以下である。肩支持部12の長さ方向Xの長さL1は、L/30以上、L/4以下であることが好ましく、本実施形態では約L/5の長さとしている。
本実施形態においては、シングル及びダブルの敷布団10の長さ方向Xの長さLを200cmとすると、頭部支持部11の長さ方向Xの長さL2は40cmであり、肩支持部12の長さ方向Xの長さL1は40cmであり、腰脚支持部13の長さ方向Xの長さL3は120cmである。
頭部支持部11は、平面から見た形状が矩形状のクッション材31aに袋状のカバー32aを被せたものである。また、腰脚支持部13は、平面から見た形状が矩形状のクッション材31cに袋状のカバー32cを被せたものである。クッション材31a、31cの素材は、例えば、ウレタンフォームであるが、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンなどの合成繊維から構成されていてもよい。
肩支持部12は、上面が開口する互いに平行な複数の溝20と、隣り合う溝20間に形成される少なくとも1個の突条21を備えている。本実施形態では、5本の溝20と、溝20の間に4つの突条21を備えているが、溝20及び突条21の個数は限定されない。突条21は、平面視の形状が真っ直ぐな帯状であり敷布団10の全幅にわたって形成されている。突条21は、長さ方向Xと直交する断面形状が矩形状である。突条21及び溝20は、直方体のクッション材31bに袋状のカバー32bを被せたものを間隔を隔てて立設することにより形成される。突条21のクッション材31bは、頭部支持部11及び腰脚支持部13のクッション材31a、31cと同じ素材からなる。
肩支持部12は、頭部支持部11及び腰脚支持部13より圧縮率が大きく、圧縮変形しやすいが、これは、肩支持部12が突条21と溝20とから形成されているため、突条21に上方から力が加わったときに、突条21のクッション材31bが溝20に押し広げられるように圧縮変形するためである。
突条21の幅L5(敷布団10の長さ方向Xの長さ)が小さく、溝20の幅L4(敷布団10の長さ方向Xの長さ)が広ければ、突条21は圧縮変形しやすくなり肩は沈みやすくなる。突条21の幅L5と溝20の幅L4は、所望の肩位置の下げ幅に応じて選定される。突条21の幅L5は3cm以上、15cm以下が好ましく、7cm以上、8cm以下がより好ましく、本実施形態では約7.5cmとしている。溝20の幅L4は、人Pの腕がり込む程度に押し広げることが可能な幅であることが好ましく、1cm以上、3cm以下が好ましく、本実施形態では約2cmとしている。
また、溝20の深さL6は、人Pの腕が入り込む程度の深さであることが好ましく、3cm以上、10cm以下が好ましく、本実施形態では7cmとしている。
敷布団10は、1枚の布地30の上面に、頭部支持部11、腰脚支持部13、肩支持部12の突条21のカバー32a、32b、32cの下面が縫い付けられることで製造される。なお、製造方法はこれに限定されず、例えば、所望の大きさの平板状のクッション材の上面の所定位置に溝20及び突条21を形成し、クッション材の外形に沿った形状のカバーを被せることで、敷布団10を構成してもよい。
図4(A)、図4(B)は人Pの仰向け姿勢時及び横向き姿勢時の本実施形態の敷布団10を示す説明図である。図4(A)は人Pの仰向け姿勢時を示しており、背中が敷布団10の肩支持部12の突条21に接する程度の小さな押圧力のため、肩支持部12の圧縮率が頭部支持部11、腰脚支持部13よりも大きくても背中や肩はそれほど肩支持部12に沈み込まず、頭部は枕40により適切な高さh1に支持される。図4(B)は人Pの横向き姿勢を示しており、肩支持部12の突条21に肩が載置されると、突条21はその両側に溝20があるために大きく圧縮変形し、肩が肩支持部12に沈み込む。このため、仰向け姿勢時と同じ高さh1の枕40であっても、頭部は適切な高さに支えられる。
このように、本実施形態の敷布団10によれば、仰向け姿勢、横向き姿勢のいずれとなっても、枕40上の頭部が適切な高さに支えられる。
図8は、押し広げられた溝20中に腕を入れた横向き姿勢を示している。この姿勢によると、肩が沈み込む度合いをより下げることができ、頭部を適切な高さで支えることができる。また、同じ敷布団10で寝ている子供やパートナー、ペットなどに溝20に腕を入れて腕枕をする際に、腕に子供等の体重がかからず腕がしびれることがない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、溝20及び突条21を平面視の形状がV字状であって屈曲部20a、21aを有するように形成してもよい。この場合、屈曲部20a、21aが、幅方向Yの中央部に位置していてもよい。この構成によれば、就寝時に左右のいずれの方向に横向き姿勢を取っても、腕を斜め上方向に延ばして溝20に入れることができる。
さらに、図6に示すように、突条21及び溝20は敷布団10の幅方向Yの両端側には形成されておらず、中央部にのみ形成されていてもよい。
また、上記の実施形態において、図7に示すように、突条21は、長さ方向Xと直交する断面形状が、台形状(図7(A))、逆台形状(図7(B))、凸曲面状(図7(C))のいずれかであってもよい。また、同じ敷布団10において、複数の突条21の断面形状がそれぞれ異なっていてもよい。なお、凸曲面状とは、矩形状の上端部のみが丸くなった形状や、上に凸となった半円形状や半楕円形状を含む。
また、上記の実施形態において、突条21は、頭部支持部11及び腰脚支持部13より圧縮率が大きいクッション材を用いてもよい。突条21は圧縮変形しやすくなるため、肩位置をより下げることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 敷布団
12 肩支持部
20 溝
21 突条
31a〜31c クッション材
X 敷布団の長さ方向
L 敷布団の長さ方向の長さ
L1 肩支持部の長さ方向の長さ
L4 溝の幅
L5 突条の幅
P 人
Pa 肩

Claims (7)

  1. 全体がクッション材よりなり、
    長さ方向の一端部寄りに他の部位より圧縮率が大きい肩支持部を有し、
    前記肩支持部は、上面が開口する互いに平行な複数の溝と、隣り合う溝間に形成される少なくとも1個の突条を備える敷布団。
  2. 前記突条は、平面視の形状が真っ直ぐな帯状である請求項1に記載の敷布団。
  3. 前記突条は、前記幅方向に沿って形成されている請求項2に記載の敷布団。
  4. 前記突条は、平面視の形状がV字状であって屈曲部を有している請求項1に記載の敷布団。
  5. 前記溝および突条は、全幅にわたって形成されている請求項1から4のいずれかに記載の敷布団。
  6. 前記突条は、前記突条の長さ方向と直交する断面形状が、矩形状、台形状、逆台形状、凸曲面状のいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の敷布団。
  7. 前記突条は、他の部位より圧縮率が大きいクッション材よりなる請求項1から6のいずれかに記載の敷布団。
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