JP2019133922A - 二次電池、及び二次電池用多孔質セパレータ - Google Patents

二次電池、及び二次電池用多孔質セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】電池性能(例えば、繰り返し充放電における放電容量維持率が高く、インピーダンスが低く、急速充電性能が高い)に優れる二次電池、及びそれに用いられる二次電池用多孔質セパレータを提供する。【解決手段】多孔質セパレータを備える二次電池であって、前記多孔質セパレータが、所定の2種類の分子式で表される構成単位をともに含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池。また、前記ポリイミドを含む二次電池用多孔質セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、電池性能に優れる二次電池、及び二次電池用多孔質セパレータに関する。
電子機器や電気自動車等に適用可能な、高効率、高出力、高エネルギー密度、軽量等の特徴を有する優れた二次電池が求められている。
二次電池としては、リチウムイオン二次電池等が知られている。リチウムイオン二次電池の正極及び負極は、多孔質のポリマー膜よりなるセパレータによって隔てられ、電気的な直接的接触を防ぐ構造とされている。従って、二次電池用のセパレータには、膜厚(薄さ)、機械的強度、イオン伝導度(電解液含有時)、電気的絶縁性、耐電解液性、電解液に対する保液性、濡れ性等種々の特性が要求される。
このような性質を有する二次電池用セパレータには、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の多孔質フィルムが一般的に用いられている。
これらの多孔質フィルムは、ランダムな細孔を有し、その空孔率が35%以上40%以下程度で、負極にカーボンを用いたリチウムイオン二次電池用セパレータとして広く用いられている。しかし、二次電池用セパレータとしての性能には改善の余地があった。
一方、ポリイミド樹脂は、機械的強度、化学的安定性、耐熱性に優れた特性を有する。これらの優れた特性を有するポリイミド樹脂からなる多孔質のポリイミドフィルムが、種々の用途において注目されている。
例えば、特許文献1には、ポリイミド樹脂とポリイミド樹脂以外の非架橋樹脂とを含有することにより、ポリイミド樹脂のみ含む多孔質ポリイミドフィルムに比べて、亀裂の発生が抑制された多孔質ポリイミドフィルムが記載されている。
しかしながら、引用文献1に記載の多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池用セパレータとしての性能には改善の余地がある。また、引用文献1に記載の多孔質ポリイミドフィルムは、製造時の加力に脆く、枚葉でのみ製造可能であり、生産性が劣っていた。
特開2016−183273号公報
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされた発明であって、電池性能(例えば、繰り返し充放電における放電容量維持率が高く、インピーダンスが低く、急速充電性能が高い)に優れる二次電池、及びそれに用いられる二次電池用多孔質セパレータの提供を目的とする。
本発明者らは、特定構造の構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムが二次電池中の電解液に対する濡れ性に優れることにより電池性能(例えば、繰り返し充放電における放電容量維持率が高く、インピーダンスが低く、急速充電性能が高い)に寄与すること、及び多孔質であってもフィルム製造時の引張、巻き取り等の加力に対する強度に優れることにより生産性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明の第1の態様は、多孔質セパレータを備える二次電池であって、前記多孔質セパレータが、下記式(1−1)で表される構成単位及び下記式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池である。
Figure 2019133922
(上記式中、A11及びA12は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B11及びB12は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む。)
本発明の第2の態様は、多孔質セパレータを備える二次電池であって、前記多孔質セパレータが、下記式(2−1)で表される構成単位及び下記式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池である。
Figure 2019133922
(上記式中、A21及びA22は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B21及びB22は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A22及びB22は、下記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす。
(I)A22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の電子親和力が2.6eV以下である。
(II)B22を誘導する芳香族ジアミンが、B21を誘導する芳香族ジアミンとは異なる芳香族ジアミンであって、40℃の水に対する溶解度が0.1g/L以上である。)
本発明の第3の態様は、上記式(1−1)で表される構成単位及び上記式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミド又は上記式(2−1)で表される構成単位及び上記式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池用多孔質セパレータである。
本発明の二次電池は、電池性能(例えば、繰り返し充放電における放電容量維持率が高く、インピーダンスが低く、急速充電性能が高い)に優れる。
本発明の二次電池用多孔質セパレータは、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度(例えば、引張強度及び曲げ強度)及び生産性に優れ、また、上記電池性能に優れる二次電池を提供し得る。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪二次電池≫
第1及び第2の態様に係る二次電池は、多孔質セパレータを備える。
多孔質セパレータは液体及び/又はイオン分子を通過させたり、電解液の保持を行い得る。
第1及び第2の態様に係る二次電池の構成としては特に制限されるものではない。第1及び第2の態様に係る二次電池の構成は、負極と正極との間に、電解液及び多孔質セパレータが配置されている構成が好ましく、負極と正極との間に、電解液及び多孔質セパレータが配置されるように積層された電池要素に電解液が含浸され、これが外装に封入された構造となった構成がより好ましい。
第1及び第2の態様に係る二次電池の種類としても特に制限されるものではない。第1及び第2の態様に係る二次電池の種類は、リチウムイオン二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素電池、金属二次電池等が挙げられ、電池性能の観点からリチウムイオン二次電池又は金属二次電池であることが好ましい。
金属二次電池である場合、正極活物質として大気中の酸素を利用する金属空気電池であってもよい。
二次電池の負極としては、負極活物質、導電助剤及びバインダーからなる負極合剤が、集電体上に成形された構造をとることができる。例えば、負極活物質として、ニッケルカドミウム電池の場合は水酸化カドミウムを、ニッケル水素電池の場合は水素吸蔵合金を、それぞれ用いることができる。また、リチウムイオン二次電池の場合は、リチウムを電気化学的にドープすることが可能な材料が採用できる。このような、負極活物質として、例えば、炭素材料、シリコン、アルミニウム、スズ、ウッド合金等が挙げられる。
負極を構成する導電助剤は、アセチレンブラック、ケッチェンブラックといった炭素材料が挙げられる。バインダーは有機高分子からなり、例えばポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。集電体には、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることが可能である。
金属二次電池である場合の金属負極としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)及びそれらと他の金属の合金を使用することができる。
例えば、二次電池がリチウム金属二次電池の場合、負極には、リチウム(金属リチウム)のほか、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−ビスマス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウム等のリチウム合金で構成された負極を用いてもよい。具体的には、これらのリチウム又はリチウム合金を、集電体に圧着して負極とすることができる。リチウム合金の場合、リチウムの含有量が約90質量%以上であることが好ましい。
負極の厚さは、特に限定されることなく、公知の範囲で設定して使用できる。第1及び第2の態様に係る二次電池において、所定の構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む多孔質セパレータを使用した場合、負極表面が安定となるため、負極の薄膜化を行うことができ、また、正極に対する負極金属の容量利用率を増加させることが容易となる。例えば、集電体を除いた厚さとして、15μm以上700μm以下とするとよい。好ましくは600μm以下、さらに好ましくは100μ以下である。
また、正極は、正極活物質、導電助剤及びバインダーからなる正極合剤が、集電体上に成形された構造とすることができる。例えば、正極活物質としては、ニッケルカドミウム電池の場合は水酸化ニッケルを、ニッケル水素電池の場合は水酸化ニッケルやオキシ水酸化ニッケルを、それぞれ用いることができる。
また、二酸化マンガンを活物質とする正極を使用することもできる。具体的には、活物質である二酸化マンガンと、導電助剤と、バインダーとを含有する正極合剤層を、正極集電体の片面または両面に形成した構成の正極等を使用することができる。
他方、リチウムイオン二次電池又はリチウム金属二次電池の場合、正極活物質としては、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物、リチウム含有遷移金属酸化物等が挙げられる。具体的にはLiCoO、LiNiO、LiMn0.5Ni0.5、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、LiFePO、LiCo0.5Ni0.5、LiAl0.25Ni0.75等が挙げられる。
導電助剤はカーボンブラック、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、繊維状炭素等といった炭素材料が挙げられる。バインダーは有機高分子が挙げられ、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバー等が挙げられる。
集電体にはアルミ箔、ステンレス箔、チタン箔等を用いることが可能である。
電解液としては、例えば、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池の場合には、水酸化カリウム水溶液が使用される。リチウムイオン二次電池の電解液は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した構成とされる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート等が挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
第1及び第2の態様に係る二次電池が金属空気電池である場合、用いられる正極は、空気中から酸素を吸収し、これを水酸化物イオンに変換する役目をする触媒層と集電体とからなることが好ましい。触媒層は、その内部に集電体を含有する。集電体は触媒層の中央にあってもよいし、触媒層の片面に層状に存在してもよい。
正極の集電体としては、カーボンペーパー、金属メッシュ等の多孔質構造、網目状構造、繊維、不織布等、従来から集電体として用いられる形態の材料を、特に限定されず用いることができる。例えば、SUS、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン等から形成した金属メッシュを用いることができる。その他の正極集電体として、酸素供給孔を有する金属箔を用いることもできる。
上記触媒層には、空気極触媒材料が含有される。空気極触媒材料としては、負極で生成した電子を受け取り、酸素を還元する物質であれば、種々の触媒をいずれも用いることができる。例えば、La(1−x)MnO(0.05<x<0.95;A=Ca,Sr,Ba)で表されるランタンマンガナイト等のペロブスカイト型複合酸化物、Mn、Mn等のマンガン低級酸化物、あるいは活性炭、カーボン、カーボンナノチューブ等の炭素系材料は、酸素還元能と導電性を兼ね備えており好ましい。
外装材は、金属缶又はアルミラミネートパック等が挙げられる。
電池の形状は角型、円筒型、コイン型等がある。第1及び第2の態様に係る二次電池はいずれの電池の形状においても好適に適用することが可能である。
また、第1及び第2の態様に係る二次電池は、セパレータの強度(例えば、引張強度及び曲げ強度)に優れることから、積層型及び巻回型のいずれにも適用し得る。
第1及び第2の態様に係る二次電池が金属空気電池である場合、電池ケースは、大気開放型であっても、密閉型であってもよい。大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極が十分に大気と接触可能な構造を有する。一方、密閉型の場合は、正極活物質である酸素(空気)の導入管および排気管を設けることが好ましい。
第1の態様に係る二次電池は、上記多孔質セパレータとして、下記式(1−1)で表される構成単位及び下記式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む。
Figure 2019133922
(上記式中、A11及びA12は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B11及びB12は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む。)
12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つが、その構造中に2価のスペーサー基を含むことにより、二次電池中の電解液に対する良好な濡れ性、二次電池における良好な強度(例えば、引張強度及び曲げ強度)及び良好な電池性能、並びに良好な生産性(二次電池、セパレータ及び多孔質ポリイミドフィルムの生産性)を達成することができる。上記良好な濡れ性により良好な電池性能(例えば、繰り返し充放電における放電容量維持率が高く、インピーダンスが低く、急速充電性能が高い)を達成することができる。
上記濡れ性、上記強度及び上記電池性能、並びに上記生産性をより確実に達成する観点から、A12が、その構造中に2価のスペーサー基を含むことが好ましい。
11及びA12に係る4価の芳香族基を誘導する芳香族テトラカルボン酸二無水物は、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む限りにおいて、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されている芳香族テトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の好適な具体例としては、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、9,9−ビス無水フタル酸フルオレン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2,6,6−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独あるいは二種以上混合して用いることもできる。
また、B11及びB12に係る2価のジアミン残基を誘導する芳香族ジアミンは、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む限りにおいて、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されている芳香族ジアミンから適宜選択することができる。
芳香族ジアミンとしては、ベンゼン環又は2以上10以下のベンゼン環が結合及び/又は縮合した多環に2つのアミノ基が結合したジアミノ化合物を挙げることができる。芳香族ジアミン中のベンゼン環又は多環は置換基を有していてもよい。具体的には、フェニレンジアミン及びその誘導体、ジアミノビフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノジフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノトリフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノナフタレン及びその誘導体、アミノフェニルアミノインダン及びその誘導体、ジアミノテトラフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノヘキサフェニル化合物及びその誘導体、カルド型フルオレンジアミン誘導体である。
フェニレンジアミンはm−フェニレンジアミン(MDA)、p−フェニレンジアミン(PDA)等である。フェニレンジアミン誘導体としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が結合したジアミンである。フェニレンジアミン誘導体は、例えば、2,4−ジアミノトルエン、2,4−トリフェニレンジアミン等である。
ジアミノビフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基同士が結合した化合物である。ジアミノビフェニル化合物は、例えば、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等である。
ジアミノジフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基が2価の連結基を介して結合した化合物である。2価の連結基はオキシ基(−O−)、スルホニル基、チオ基(−S−)、アルキレン基又はその誘導体基、イミノ基、アゾ基(−N=N−)、ホスフィンオキシド基(−P(=O)R−、R:リン原子に結合する、水素原子、又は1価の有機基)、アミド基(−CONH−)、ウレイレン基(−NH−CO−NH−)等である。アルキレン基は炭素原子数が1以上6以下の基であり、その誘導体基はアルキレン基の水素原子の1以上がハロゲン原子等で置換された基である。
ジアミノジフェニル化合物の例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−2−ペンテン、イミノジアニリン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)ペンタン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ジアミノジフェニルアミド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
ジアミノトリフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基と1つのフェニレン基とが2価の連結基を介して結合した化合物である。連結基は、ジアミノジフェニル化合物と同様である。ジアミノトリフェニル化合物の例としては、1,3−ビス(m−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン等を挙げることができる。
ジアミノナフタレンの例としては、1,5−ジアミノナフタレン及び2,6−ジアミノナフタレンを挙げることができる。
アミノフェニルアミノインダンの例としては、5−アミノ−1−(p−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン及び6−アミノ−1−(p−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダンを挙げることができる。
ジアミノテトラフェニル化合物の例としては、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[p−(p’−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[p−(p’−アミノフェノキシ)ビフェニル]プロパン、2,2’−ビス[p−(m−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン等を挙げることができる。
カルド型フルオレンジアミン誘導体の例としては、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等を挙げることができる。
芳香族ジアミンは、これらのジアミンにおけるアミノ基以外の位置に結合する水素原子が、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基等の群より選択される少なくとも1種の置換基により置換された化合物であってもよい。
上記2価のスペーサー基としては、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基、アルキレン基、フッ化アルキレン基、スルホニル基、フルオレニレン基(フルオレンー9,9−ジイル基(フルオレンの9位の炭素原子に結合している2個の水素原子を除いてできる2価基)等が挙げられる。
上記アルキレン基としては、炭素原子数1以上5以下の直鎖状又は分岐状アルキレン基であることが好ましい。炭素原子数1以上5以下の直鎖状又は分岐状アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ジメチルメチレン基等が挙げられる。
上記フッ化アルキレン基としては、炭素原子数1以上5以下の直鎖状又は分岐状フッ化アルキレン基であることが好ましい。炭素原子数1以上5以下の直鎖状又は分岐状フッ化アルキレン基の具体例としては、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基等が挙げられる。
12が、その構造中に2価のスペーサー基を含む場合、A12は下記式(1−2−1)で表すことができる。
また、B12が、その構造中に2価のスペーサー基を含む場合、B12は下記式(1−2−2)で表すことができる。
Figure 2019133922
(上記式中、A121及びA122は各々独立に、3価の芳香族基を表し、B121及びB122は各々独立に、2価の芳香族基を表し、X及びXは各々独立に、2価のスペーサー基を表し、*は結合手を表す。)
3価の芳香族基としては、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基等が挙げられる。中でもベンゼントリイル基が好ましい。ベンゼントリイル基としては、ベンゼン−1,2,4−トリイル基が好ましい。
2価の芳香族基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。中でもフェニレン基が好ましい。フェニレン基としては、p−フェニレン基又はm−フェニレン基が好ましく、p−フェニレン基がより好ましい。
2価のスペーサー基の具体例は上述の通りである。
12が、その構造中に2価のスペーサー基を含む場合、A12に係る4価の芳香族基を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の具体例としては、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、9,9−ビス無水フタル酸フルオレン(BPAF)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(ODPA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物等が挙げられる。
12が、その構造中に2価のスペーサー基を含む場合、B12に係る2価のジアミン残基を誘導する芳香族ジアミンの具体例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−2−ペンテン、イミノジアニリン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)ペンタン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ジアミノジフェニルアミド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
上記ポリイミドにおける上記式(1−1)で表される構成単位の含有量としては、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、40モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、60モル%以上であることが更に好ましい。
上記式(1−1)で表される構成単位の含有量の上限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。式(1−1)で表される構成単位の含有量は、99モル%以下でもよく、95モル%以下でもよく、典型的には、90モル%以下でもよい。
上記ポリイミドにおける上記式(1−2)で表される構成単位の含有量としては、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、60モル%以下であることが好ましく、50モル%以下であることがより好ましく、40モル%以下であることが更に好ましい。
上記式(1−2)で表される構成単位の含有量の下限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。式(1−2)で表される構成単位の含有量は、1モル%以上でもよく、5モル%以上でもよく、典型的には、10モル%以上でもよい。
第2の態様に係る二次電池は、上記多孔質セパレータとして、下記式(2−1)で表される構成単位及び下記式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む。
Figure 2019133922
(上記式中、A21及びA22は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B21及びB22は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A22及びB22は、下記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす。
(I)A22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の電子親和力が2.6eV以下である。
(II)B22を誘導する芳香族ジアミンが、B21を誘導する芳香族ジアミンとは異なる芳香族ジアミンであって、40℃の水に対する溶解度が0.1g/L以上である。)
22及びB22が、上記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たすことにより、二次電池中の電解液に対する良好な濡れ性、二次電池における良好な強度及び良好な電池性能、並びに良好な生産性を達成することができる。上記良好な濡れ性により良好な電池性能を達成することができる。
上記濡れ性、上記強度及び上記電池性能、並びに上記生産性をより確実に達成する観点から、A22が上記(I)の条件を満たすことが好ましい。
21及びA22に係る4価の芳香族基を誘導する芳香族テトラカルボン酸二無水物は、A22及びB22が上記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす限りにおいて、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されている芳香族テトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。
21及びA22に係る4価の芳香族基を誘導する芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、A11及びA12に係る4価の芳香族基を誘導する芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例として前述した化合物と同様の化合物が挙げられる。
11及びB12に係る2価のジアミン残基を誘導する芳香族ジアミンは、A22及びB22が上記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす限りにおいて、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されている芳香族ジアミンから適宜選択することができる。
11及びB12に係る2価のジアミン残基を誘導する芳香族ジアミンの具体例としては、B11及びB12に係る2価のジアミン残基を誘導する芳香族ジアミンの具体例として前述した化合物と同様の化合物が挙げられる。
上記(I)について、A22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物のEaは文献CONSULTANTS BUREAU社POLYIMIDES Thermally Stable Polymers(M.I.Bessonov,M.M.Koton,V.V.Kudryavtsev,L.A.Laius著)、V.M.Svetlichnyi,K.K.Kalnin´sh,V.V.Kudryavtsev, and M.M.Kotton,Dokl.Akad.Nauk.,237,612−615(1977)等に記載されている。
22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の電子親和力(Ea)は2.3eV以下であることが好ましい。
Eaの下限値としては特に制限はない。Eaは、1.0eV以上でもよく、典型的には1.3eV以上でもよい。
22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の構造及びその電子親和力を以下に例示する。A22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物は以下の化合物に限定されない。
なお、下記例示において、括弧内の数値は、電子親和力である。
Figure 2019133922
上記(II)について、「40℃の水に対する溶解度が0.1g/L以上」は、B22を誘導する芳香族ジアミンが40℃の水1L(リットル)に溶解する限界量(g)を意味する。この値は、ケミカル・アブストラクトなどのデータベースに基づいた検索サービスとして知られるSciFinder(登録商標)によって容易に検索することができる。ここでは、種々の条件下での溶解度のうち、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V11.02(Copyright 1994−2011 ACD/Labs)によって算出されたpHが7における値を採用することができる。
22を誘導する芳香族ジアミンの溶解度は0.5g/L以上であることが好ましく、1.0g/L以上であることがより好ましい。
溶解度の上限値としては特に制限はない。溶解度は、500g/L以下でもよく、典型的には400g/L以下でもよい。
22を誘導する芳香族ジアミンの構造及びその40℃の水に対する溶解度を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、下記例示において、括弧内の数値は、40℃の水に対する溶解度である。
Figure 2019133922
上記ポリイミドにおける上記式(2−1)で表される構成単位の含有量としては、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、40モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、60モル%以上であることが更に好ましい。
上記式(2−1)で表される構成単位の含有量の上限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。式(2−1)で表される構成単位の含有量は、99モル%以下でもよく、95モル%以下でもよく、典型的には、90モル%以下でもよい。
上記ポリイミドにおける上記式(2−2)で表される構成単位の含有量としては、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、60モル%以下であることが好ましく、50モル%以下であることがより好ましく、40モル%以下であることが更に好ましい。
上記式(2−2)で表される構成単位の含有量の下限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。式(2−2)で表される構成単位の含有量は、1モル%以上でもよく、5モル%以上でもよく、典型的には、10モル%以上でもよい。
上記多孔質ポリイミドフィルムに含まれるポリイミドの質量平均分子量(Mw)としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。多孔質ポリイミドフィルムに含まれるポリイミドの質量平均分子量(Mw)は、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度(例えば、引張強度及び曲げ強度)及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、5000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましく、1万以上であることが更に好ましく、1万5千以上であることが特に好ましい。
また、後述するポリイミド前駆体溶液が有機溶剤を含む場合、ポリイミドのMwは、本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。ポリイミドのMwは、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、3万以上であってもよく、5万以上であることが好ましい。
ポリイミドのMwの上限値としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。ポリイミドのMwは、10万以下が好ましく、8万以下がより好ましい。
本明細書において質量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値である。
上記多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、フィルム表面に不規則に形成された複数の開口部と、フィルム裏面に不規則に形成された複数の開口部とを有する多孔質であることが好ましい。
上記多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池中の電解液に対する濡れ性、二次電池における強度及び電池性能の観点並びに生産性の観点から、フィルム表面とフィルム裏面とを連通する連通孔を備える多孔質であることが好ましい。具体的には、上記フィルム表面に形成された複数の開口部の少なくとも一部と、上記フィルム裏面に形成された複数の開口部の少なくとも一部とがポリイミドフィルム内部で連通しているのが好ましい。
上記多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池における多孔質セパレータとして用いられる。
多孔質ポリイミドフィルムは、上記二次電池用多孔質セパレータとしての連通性の観点から、空隙率が50%以上であることが好ましく、空隙率が55%以上であることがより好ましく、空隙率が60%以上であることが更に好ましく、空隙率が65%以上であることが特に好ましい。
空隙率の上限値としては特に制限はない。空隙率は、多孔質ポリイミドフィルムの強度の観点から、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
空隙率は、例えば、多孔質ポリイミドフィルムの単位体積あたりの空隙の割合を示す。空隙率は、例えば、以下の式(A)によって算出することができる。
空隙率(%)={試験片の体積(cm)−[試験片の重量(g)/ポリイミドの比重(g/cm)]}/試験片の体積(cm)×100・・・(A)
後述するように多孔質ポリイミドフィルムを製造する際に用いられる微粒子の粒径や含有量を適宜調整することにより所望の空隙率とすることができる。
多孔質セパレータに含まれる多孔質ポリイミドフィルムの厚さとしては特に制限はない。厚さは、1μm以上500μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上100μm以下が更に好ましく、7μm以上80μm以下が特に好ましい。
多孔質セパレータに含まれる多孔質ポリイミドフィルムのフィルムの長さ、幅としては特に制限はなく、適宜設定し得る。
第1及び第2の態様に係る二次電池において、多孔質セパレータとして使用される多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池における強度及び生産性の観点(例えば、ロールツーロール製法に好適に適用する観点)から、ASTM規格D638で規定される引張強度が45MPa以上であることが好ましく、70MPa以上であることがより好ましく、80MPa以上であることが更に好ましく、90MPa以上であることが特に好ましく、100MPa以上であることが最も好ましい。
上記引張強度の上限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。引張強度は、300MPa以下でもよく、典型的には200MPa以下でもよい。
第1及び第2の態様に係る二次電池において、多孔質セパレータとして使用される多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池における強度及び生産性の観点(例えば、ロールツーロール製法に好適に適用する観点)から、ASTM規格D790で規定される曲げ強度が60MPa以上であることが好ましく、70MPa以上であることがより好ましく、80MPa以上であることが更に好ましく、90MPa以上であることが特に好ましく、100MPa以上であることがとりわけ好ましく、110MPa以上であることが最も好ましい。
上記曲げ強度の上限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。曲げ強度は、400MPa以下でもよく、典型的には300MPa以下でもよい。
本発明は、二次電池用多孔質セパレータに関する発明でもある。
第3の態様に係る二次電池用多孔質セパレータは、式(1−1)で表される構成単位及び式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミド又は式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む。
<上記多孔質ポリイミドフィルムの製造方法>
上記多孔質ポリイミドフィルムの製造方法としては特に制限はないが、
ポリイミド前駆体であるポリアミド酸及び微粒子を含む組成物(以下、単に「ポリイミド前駆体溶液」ともいう。)を基材上に適用して塗膜を形成した後、上記塗膜を乾燥して上記ポリイミド前駆体及び微粒子を含む被膜を形成する被膜形成工程、及び
上記被膜を焼成する焼成工程を含み、
上記焼成工程が上記微粒子を除去する微粒子除去工程を兼ねるか、又は上記微粒子除去工程を更に含み、
上記被膜形成工程後の上記焼成工程前、上記焼成工程後、又は上記微粒子除去工程後に、上記基材から上記被膜又は製造された多孔質ポリイミドフィルムを剥離する剥離工程を含む製造方法により製造することが生産性の観点から好ましい。
多孔質ポリイミドフィルムは、生産性の観点からロールツーロールで製造することが好ましい。
(被膜形成工程)
・ポリアミド酸
上記ポリイミド前駆体は式(3−1)で表される構成単位及び式(3−2)で表される構成単位を含むポリアミド酸、又は式(4−1)で表される構成単位及び式(4−2)で表される構成単位を含むポリアミド酸であることが好ましい。
Figure 2019133922
(上記式中、A11、A12、B11及びB12は式(1−1)及び式(1−2)におけるこれらの略号と同義であり、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む。)
Figure 2019133922
(上記式中、A21、A22、B21及びB22は式(2−1)及び式(2−2)におけるこれらの略号と同義であり、A22及びB22は、上記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす。)
芳香族テトラカルボン酸二無水物は、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されている芳香族テトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。芳香族テトラカルボン酸二無水物は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、A11及びA12に係る4価の芳香族基を誘導する芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例として前述した化合物と同様の化合物が挙げられる。
芳香族ジアミンは、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されている芳香族ジアミンから適宜選択することができる。芳香族ジアミンは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジアミンの具体例としては、B11及びB12に係る2価のジアミン残基を誘導する芳香族ジアミンの具体例として前述した化合物と同様の化合物が挙げられる。
本発明で使用されるポリアミド酸を製造する手段に特に制限はなく、例えば、有機溶剤中で芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミンを反応させる方法等の公知の手法を用いることができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応は、通常、有機溶剤中で行われる。芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応に使用される有機溶剤は、芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミンを溶解させることができ、芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミンと反応しない有機溶剤であれば特に限定されない。有機溶剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応に用いる有機溶剤の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系極性溶剤;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;乳酸エチル、乳酸ブチル等の脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート等のエーテル類;クレゾール類等のフェノール系溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、上記含窒素極性溶剤とラクトン系極性溶剤の組み合わせが好ましい。有機溶剤の使用量に特に制限はない。有機溶剤の使用量は、生成するポリアミド酸の含有量が5質量%以上50質量%以下である量が望ましい。
これらの有機溶剤の中では、生成するポリアミド酸の溶解性から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤が好ましい。また、成膜性等の観点から、γ−ブチロラクトン等のラクトン系極性溶剤を添加した混合溶剤としてもよく、有機溶剤全体に対し1質量%以上20質量%以下添加されていることが好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
重合温度は一般的には−10℃以上120℃以下、好ましくは5℃以上30℃以下である。重合時間は使用する原料組成により異なるが、通常は3時間以上24時間以下である。
(微粒子)
ポリイミド前駆体溶液に含まれる微粒子の材質としては、含まれる溶剤に不溶であって、後の微粒子除去工程で多孔質ポリイミドフィルムから除去可能な材質であれば、特に限定されることはなく公知の材質を採用することができる。
微粒子の材質が無機材料である場合、化学的処理や加熱等の方法により無機微粒子を除去可能であれば、無機微粒子の材質は特に限定されない。無機微粒子の材質としては、シリカ(二酸化珪素)、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ(Al)等の金属酸化物が挙げられる。好ましい無機微粒子として、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子が挙げられる。
微粒子の材質が有機材料である場合、有機微粒子の材質としては、高分子量オレフィン系ポリマー(ポリプロピレン,ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリスチレン等の芳香族ビニルポリマー、アクリル系樹脂(アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等)、エポキシ樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリエーテル等の有機高分子が挙げられる。これらの有機高分子は、共重合体(例えば、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体、アクリル酸とスチレンとの共重合体)であってもよい。また、異なる材質の有機微粒子を組み合わせて用いてもよい。
ポリイミド前駆体溶液におけるポリアミド酸と微粒子との合計質量に対する、微粒子の質量の比率が35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
微粒子の質量の比率の上限値としては特に制限はない。微粒子の質量は、強度の観点から、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
微粒子の形状は特に限定されず、球状粒子でも、板状粒子であってもよい。微粒子としては、球状粒子が好ましく、真球率が高い球状粒子がより好ましい。
微粒子の粒径(平均直径又はメディアン直径)は、特に限定されない。例えば、平均直径又はメディアン直径は、10nm以上2000nm以下が好ましく、50nm以上1500nm以下がより好ましく、100nm以上1000nm以下がより好ましい。
上記微粒子の粒径分布指数(d25/d75)が1以上6以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましく、1以上3以下であることが更に好ましい。
ここで、d25及びd75は粒度分布の累積度数がそれぞれ25%及び75%の粒子径を表し、d25が粒子径の大きい方である。
ポリイミド前駆体溶液に含み得る溶剤としては、水、有機溶剤の水溶液、有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤の具体例としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応に用いる溶剤として例示した有機溶剤が挙げられる。有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の水溶液とする場合の有機溶剤としては、極性溶媒や水溶性溶媒が挙げられる、極性溶媒や水溶性溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1,1−ジメチルエタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。有機溶剤は、アルコール類が好ましい。
また、B22が、上記(II)を満たす場合、ポリイミド前駆体溶液に含み得る溶剤として、水又は上記有機溶剤の水溶液が好適である。
微粒子として有機微粒子を用いる場合、溶剤が、水又は上記有機溶剤の水溶液であることが好ましい。
微粒子として無機微粒子を用いる場合、ポリイミド前駆体溶液に含み得る有機溶剤としては、ポリアミド酸やポリイミド等を溶解することができ、無機微粒子を溶解しない有機溶剤であることが好ましい。
ポリイミド前駆体溶液の固形分濃度は、5質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
上記基材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)またはPEN(ポリエチレンナフタレート)などのフィルム、SUS基板が挙げられ、PETフィルムであることが好ましい。
上記基材上にポリイミド前駆体溶液を適用(例えば、塗布)して塗膜を形成した後、上記塗膜を乾燥(プリベーク)して被膜を形成する方法としては、常圧又は真空下で0℃以上120℃以下(好ましくは0℃以上90℃以下)、より好ましくは常圧10℃以上100℃以下(さらに好ましくは10℃以上90℃以下)で塗膜を乾燥して形成する方法が挙げられる。
(焼成工程)
ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を含む上記被膜を焼成する焼成工程により、ポリアミド酸を閉環してポリイミドを形成することができポリイミド膜とすることができる。
例えば、焼成工程により、式(3−1)で表される構成単位及び式(3−2)で表される構成単位を含むポリアミド酸を式(1−1)で表される構成単位及び式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミドに閉環することができ、式(4−1)で表される構成単位及び式(4−2)で表される構成単位を含むポリアミド酸を式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドに閉環することができる。
焼成温度は、120℃以上500℃以下であることが好ましく、150℃以上450℃以下の温度であることがより好ましい。
焼成条件は、例えば、室温から420℃までを3時間で昇温させた後、420℃で20分間保持させる方法や室温から20℃刻みで段階的に420℃まで昇温(各ステップ20分保持)し、最終的に420℃で20分保持させる等の段階的な乾燥−熱イミド化法を用いることもできる。
焼成時の系内の雰囲気は、大気下のような含酸素雰囲気下でもよいし、窒素雰囲気下、減圧下、真空下等の不活性雰囲気下でもよいが、ポリイミド膜特性の点から、不活性雰囲気下が好ましい。また、ポリイミド膜特性や電池特性の点から、焼成時の系内の酸素濃度は、例えば5%以下であることが好ましく、3%以下がより好ましい。酸素濃度の下限値は低いほどより好ましく特に限定されないが、例えば0.001%以上である。
(微粒子除去工程)
上記製造方法は微粒子除去工程を更に含み得る。
フッ化水素酸(HF)の水溶液等とシリカ等の無機微粒子とを接触させて無機微粒子を溶解させることにより、無機微粒子を除去することができる。無機微粒子が炭酸カルシウムである場合は、フッ化水素酸の水溶液の代わりに塩酸水溶液を用いることもできる。
微粒子が有機微粒子であって、非架橋樹脂微粒子である場合、ポリイミドフィルムを溶解せず、非架橋樹脂粒子が可溶な有機溶剤により、非架橋樹脂粒子を溶解除去することができる。このような有機溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン等の芳香族類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;が挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロフラン等のエーテル類が好ましく、テトラヒドロフランを用いることがさらに好ましい。
上記焼成工程が上記微粒子除去工程を兼ねるとき、上記微粒子が有機微粒子であることが好ましい。
有機微粒子の有機材料が、ポリイミドよりも低温で分解する材料であれば、ポリイミドに熱的なダメージを与えることなく有機微粒子のみを消失させることができる。
例えば、線状ポリマーや公知の解重合性ポリマーからなる樹脂微粒子を挙げることができる。通常の線状ポリマーは、熱分解時にポリマーの分子鎖がランダムに切断され、解重合性ポリマーは、熱分解時にポリマーが単量体に分解するポリマーである。いずれも、低分子量体、あるいは、COまで分解することによって、ポリイミド膜から消失する。使用される樹脂微粒子の分解温度は例えば、200℃以上400℃以下であることが好ましい。
(剥離工程)
上記製造方法は、上記被膜形成工程後の上記焼成工程前、上記焼成工程後、又は上記微粒子除去工程後に、上記基材から上記被膜又は製造された多孔質ポリイミドフィルムを剥離する剥離工程を含む。
また、上記製造方法において、多孔質ポリイミドフィルムのフィルム長としては特に制限はないが、生産性の観点から長尺(例えば、1m以上)であることが好ましく、5m以上であることがより好ましく、10m以上であることが更に好ましく、30m以上であることが特に好ましく、40m以上であることが最も好ましい。
フィルム長の上限値としては特に制限はないが、例えば、2000m以下であり、典型的には1000m以下である。
上記製造方法において、製造された多孔質ポリイミドフィルムを直径2.5cm(1インチ)以上25cm(10インチ)以下の巻き芯に巻き回す工程を更に含むことが好ましい。これにより、フィルム1ロール当りの巻き取り長さが長くなり、生産性が向上し、輸送保管コストが抑えられる。
巻き芯の直径としては5cm(2インチ)以上10cm(4インチ)以下が好ましい。
巻き芯の材質としては特に制限はないが、ステンレス製(例えば、SUS製)、ポリエチレンテレフタレート(PET)製等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されない。
〔ポリアミド酸の合成〕
下記表1に示した芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとを反応させ、下記表1中の組成比(モル%)で酸無水物残基及びジアミン残基を含むポリアミド酸1〜3並びに比較ポリアミド酸1及び2を得た。
下記表1中、「溶解度」は、40℃の水に対する溶解度(g/L)を示す。
Figure 2019133922
〔調製例1〕
ホモジナイザーを用いて、球状シリカ(メディアン平均粒径280nm、粒径分布指数(d25/d75)1.5以下)42gをジメチルアセトアミド(DMAC)42gに均一に分散させてシリカ分散液84gを得た。
上記得られたポリアミド酸1のDMAC溶液(ポリアミド酸1の濃度20質量%)を準備し、該溶液52.5gと、上記シリカ分散液84gと、DMAC13.5gとを混合し練太郎(商品名、シンキー社製)を用いて均一に混合して、調製例1のポリイミド前駆体溶液(組成物)を得た(質量比については、球状シリカ:ポリアミド酸=80:20であり、体積比は球状シリカ:ポリアミド酸=73:27である。)。
〔比較調製例1及び2〕
ポリアミド酸1のDMAC溶液の代わりに、比較ポリアミド酸1のDMAC溶液(比較ポリアミド酸1の濃度20質量%)、比較ポリアミド酸2のDMAC溶液(比較ポリアミド酸2の濃度20質量%)を、それぞれ用いること以外は、調製例1と同様にして比較調製例1及び2のポリイミド前駆体溶液を得た。
〔調製例2〕
ポリスチレン(PS)の球状粒子(メディアン平均粒径260nm、粒径分布指数(d25/d75)1.5以下、以下単に「ポリスチレン粒子」という。)を含むポリスチレン粒子水分散液(40質量%)と、上記得られたポリアミド酸1の水溶液(ポリアミド酸1の濃度15質量%)とを混合し、さらに純水を加えて、固形分濃度が23質量%になるように均一に混合して、調製例2のポリイミド前駆体溶液を得た。(質量比については、ポリスチレン粒子:ポリアミド酸=60:40であり、体積比については、ポリスチレン粒子:ポリアミド酸=68:32である。)
〔調製例3〕
上記得られたポリアミド酸1の水溶液(ポリアミド酸1の濃度15質量%)の代わりに、上記得られたポリアミド酸1の水/IPA(イソプロパノール)水溶液(ポリアミド酸1の濃度15質量%、水/IPA=9/1(質量比))を用いること以外は、調製例2と同様にして調製例3のポリイミド前駆体溶液を得た。
〔調製例4〕
上記得られたポリアミド酸1の水溶液(ポリアミド酸1の濃度15質量%)の代わりに、上記得られたポリアミド酸1の水/NMP(N−メチルピロリドン)水溶液(ポリアミド酸1の濃度15質量%、水/NMP=9/1(質量比))を用いること以外は、調製例2と同様にして調製例4のポリイミド前駆体溶液を得た。
〔調製例5及び6並びに比較調製例3〕
上記ポリアミド酸1の水溶液の代わりに、上記ポリアミド酸2の水溶液(ポリアミド酸2の濃度15質量%)、上記ポリアミド酸3の水溶液(ポリアミド酸3の濃度15質量%)、比較ポリアミド酸2の水溶液(比較ポリアミド酸2の濃度15質量%)を、それぞれ用いること以外は、調製例2と同様にして調製例5及び6のポリイミド前駆体溶液、並びに比較調製例3のポリイミド前駆体溶液を得た。
〔調製例7〕
平均粒径0.1μmの非架橋スチレン・アクリル共重合体(以下、単に「A/St」という。)を含む水分散液(21質量%)と、
上記得られたポリアミド酸1の水溶液(ポリアミド酸1の濃度21質量%)とを均一に混合して、調製例7のポリイミド前駆体溶液を得た(質量比については、A/St:ポリアミド酸=50:50であり、体積比については、A/St:ポリアミド酸=57:43である。)。
〔調製例8〕
後述の製法で得た炭酸カルシウム微粒子(平均粒径700nm)を含む水分散液(40質量%)と、上記得られたポリアミド酸1の水溶液(ポリアミド酸1の濃度30質量%)と、を均一に混合して、調製例8のポリイミド前駆体溶液を得た(質量比については、およそ炭酸カルシウム粒子:ポリアミド酸=73:27であり、体積比については、炭酸カルシウム粒子:ポリアミド酸=40:60である。)。
[炭酸カルシウム微粒子の分散液]
イソプロピルアルコール50gに表面未修飾の炭酸カルシウム微粒子(バテライト型、平均粒径700nm)10gを添加し、氷水で冷やしながらスターラーを用いて1時間撹拌し、炭酸カルシウム微粒子のイソプロピルアルコール懸濁液を調製した。一方、アジピン酸0.2gをイソプロピルアルコール23gに添加し、10分間撹拌して完全に溶解させてイソプロピルアルコール溶液を調製した。上記イソプロピルアルコール懸濁液と上記イソプロピルアルコール溶液とを常温で2時間撹拌し、アジピン酸が表面修飾された炭酸カルシウム微粒子とイソプロピルアルコールとを含むスラリを得た。桐山ロート(桐山製作所製)と捕集粒子径1μmのセルロース製濾紙とを用いて、上記スラリを濾過した後、濾物を120℃で1時間乾燥させて、アジピン酸が表面修飾された炭酸カルシウム微粒子を得た。その炭酸カルシウム微粒子7.2gを純水10.8gに添加し、ホモジナイザーを用いて、粉砕パワー20%で40秒間、次いで、粉砕パワー30%で40秒間均質化を行い、炭酸カルシウム微粒子分散液を得た。
(被膜形成工程及び剥離工程)
上記得られた調製例1〜8及び比較調製例1〜3のポリイミド前駆体溶液(組成物)をPETフィルム上に塗工装置を使用して最終膜厚(多孔質ポリイミドフィルム原反の膜厚)が25μmになるように塗布して塗膜を形成し、塗膜が形成されたPETフィルムをベーク炉に投入し80℃で5分間乾燥し被膜を形成した。
得られた被膜をPETフィルムから剥離した。
(剥離後の被膜の焼成工程)
焼成炉を用いて上記の被膜を炉内温度420℃で5分間(ただし、調製例7は380℃5分間)焼成してポリイミド膜を形成した。なお、焼成炉の雰囲気は窒素雰囲気であり、系内の酸素濃度は約1%であった。
調製例2〜6のポリイミド前駆体溶液から形成した被膜については、上記焼成工程が微粒子除去工程を兼ね、上記焼成によりポリスチレン粒子を焼き飛ばすことができ、これにより、膜厚25μmの調製例2〜6の多孔質ポリイミドフィルムを得た。
(微粒子除去工程)
調製例1のポリイミド前駆体溶液から形成したポリイミド膜については、10質量%のフッ化水素酸(HF)の水溶液に10分間浸漬し、シリカを溶解させて、膜厚25μmの調製例1の多孔質ポリイミドフィルムを得た。
調製例7のポリイミド前駆体溶液から形成したポリイミド膜については、10質量%のフッ化水素酸の水溶液の代わりにテトラヒドロフラン(THF)を用いること以外は同様に浸漬してA/Stを溶解させて調製例7の多孔質ポリイミドフィルムを得た。
調製例8のポリイミド前駆体溶液から形成したポリイミド膜については、10質量%のフッ化水素酸の水溶液の代わりに10質量%の塩酸を用いること以外は同様に浸漬して炭酸カルシウムを溶解させて調製例8の多孔質ポリイミドフィルムを得た。
上記得られた調製例1〜6の多孔質ポリイミドフィルムの空隙率を測定した結果、いずれのフィルムも60%以上70%以下の範囲にあった。調製例7及び調製例8は50%以上60%以下の範囲にあった。
(引張強度及び曲げ強度試験)
上記得られた調製例1〜8及び比較調製例1〜3の多孔質ポリイミドフィルムの試験片について、引張強度及び曲げ強度を以下の標準方法に準拠して測定した(引張強度測定機:EZ−TEST/CE(SHIMAZU社製))。
引張強度:ASTM D638
曲げ弾性率:ASTM D790
結果を下記表2に示す。
Figure 2019133922
上記表2に示した結果から明らかなように、「式(3−1)で表される構成単位及び式(3−2)で表される構成単位を含む」という要件及び「式(4−1)で表される構成単位及び式(4−2)で表される構成単位を含む」という要件のいずれも満たさない比較ポリアミド酸1、2を使用した比較調製例1〜3では、いずれも、引張強度は45MPaに満たさず、曲げ強度も60MPaに満たさなかった。
一方、「式(3−1)で表される構成単位及び式(3−2)で表される構成単位を含む」という要件及び「式(4−1)で表される構成単位及び式(4−2)で表される構成単位を含む」という要件の少なくとも一方を満たすポリアミド酸1〜3のいずれかを使用した調製例1〜8の多孔質ポリイミドフィルムでは、いずれも引張強度(45MPa以上)及び曲げ強度(60MPa以上)に優れていた。
式(3−2)で表される構成単位又は式(4−2)で表される構成単位の含有量が60モル%以下であるポリアミド酸1を使用した調製例1と、式(3−2)で表される構成単位又は式(4−2)で表される構成単位の含有量が60モル%を超えるポリアミド酸3を使用した調製例6との比較から、式(3−2)で表される構成単位又は式(4−2)で表される構成単位の含有量が60モル%以下である方が、引張強度及び曲げ強度に優れることが分かる。
〔参考例1用多孔質ポリイミドフィルムの調製〕
(フィルム形成用組成物の調製)
(1)第一の組成物
撹拌機、撹拌羽根、還流冷却機、窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA6.5gと、ジアミンであるODA6.7gと、DMAC30gとを投入した。窒素ガス導入管よりフラスコ内に窒素を導入し、フラスコ内を窒素雰囲気とした。次いで、フラスコの内容物を撹拌しながら、50℃で20時間、PMDAと、ODAとを反応させて、ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液に、平均粒径が300nmのシリカを、75g添加し撹拌して、ポリアミド酸とシリカ微粒子との体積比を22:78(質量比は15:85)とした第一の組成物を調製した。なお、組成物中における全有機溶剤DMACの割合は70質量%となるように調整した。
(2)第二の組成物
得られたポリアミド酸溶液に、平均粒径が700nmのシリカを53g添加するほかは、(1)と同様にしてポリアミド酸とシリカ微粒子との体積比を28:72(質量比は20:80)とした第二の組成物を調製した。
(被膜(ポリイミド−微粒子複合膜)の形成)
上記調製した第一の組成物を、剥離剤を塗布したガラス板にアプリケーターを用い成膜した。この層(約1μm)が、第一層状領域を形成する。続いて、さらに、同じく上記調製した第二の組成物を、第一層状領域上にアプリケーターを用い成膜した。この層が、第二層状領域を形成する。70℃で5分間プリベークして、膜厚20μmの未焼成複合膜を形成した。
基材から上記未焼成複合膜を剥離後、エタノールで剥離剤を除去し、320℃で15分間熱処理を施し、イミド化を完結させ被膜(ポリイミド−微粒子複合膜)とした。なお、加熱処理時の焼成炉の雰囲気は窒素雰囲気であり、系内の酸素濃度は約1%であった。
(多孔質ポリイミドフィルムの形成)
上記被膜(ポリイミド−微粒子複合膜)を、10%HF溶液中に10分間浸漬することで、膜中に含まれる微粒子を除去した。
(ケミカルエッチング)
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液をメタノール50質量%水溶液で1.04%となるように希釈して、アルカリ性のエッチング液を作成した。このエッチング液に、多孔質ポリイミドフィルムを浸漬してポリイミド表面の一部を除去して、参考例1用多孔質ポリイミドフィルムとした。
〔実施例1、参考例1及び比較例1〕
(単層ラミネートセル二次電池の作製)
アルミラミネート外装に52mm×56mmの正極、多孔質セパレータとして52mm×56mmの上記調製例2の多孔質ポリイミドフィルムを順に入れ、電解液(溶媒:エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(質量比)、電解質塩:LiPF 1mol/L)を添加した。さらに、56mm×60mmの負極(2枚)を入れて電池ケースを密閉し、実施例1のリチウムイオン二次電池を得た。
ここで、電極としては、ニッケル・コバルト・マンガン三元系の正極と、人造黒鉛系の負極を使用した。
また、上記調製した参考例1用多孔質ポリイミドフィルムを使用し、上記と同様にして単層ラミネートセル電池を得た。これを、参考例1のリチウムイオン二次電池とした。
さらに、市販のポリエチレン(PE)系セパレータ(セルガード(登録商標))を使用し、上記と同様にして単層ラミネートセル電池を得た。これを、比較例1のリチウムイオン二次電池とした。
<サイクル充放電試験>
実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置TOSCAT−3000U(東洋システム株式会社製)を用い、1サイクルがCC(定電流)/CV(定電圧)=80mA/4.2(カットオフ電流5mA)の充電、及びCC=80mA(カットオフ電圧2.7V)の放電である充放電を25℃の恒温槽内で500サイクル繰り返した。
実施例1(n数=3)及び比較例1(n数=2)のリチウムイオン二次電池各々について、500サイクル繰り返した後の放電容量維持率を測定し平均値を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2019133922
上記表3に示した結果から明らかなように、市販のPE系セパレータを使用した比較例1のリチウムイオン二次電池よりも、多孔質セパレータとして式(1−1)で表される構成単位及び式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミド又は式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む実施例1のリチウムイオン二次電池の方が放電容量維持率が高く、繰り返し充放電使用に耐性があることが分かる。
<インピーダンス測定>
実施例1、参考例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置TOSCAT−3000U(東洋システム株式会社製)を用いて、セパレータ部分に由来するインピーダンス(Ohm)を測定した。結果を下記表4に示す。
Figure 2019133922
上記表4に示したから明らかなように、比較例1のリチウムイオン二次電池における市販のPE系セパレータよりも、実施例1のリチウムイオン二次電池における上記式(1−1)及び(1−2)で表される構成単位を含むポリイミド又は式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含む多孔質セパレータの方が、インピーダンスが大幅に小さいことが分かる。
特に、参考例1のリチウムイオン二次電池における上記式(1−1)及び(1−2)で表される構成単位を含まず、式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含まない多孔質セパレータよりも、実施例1のリチウムイオン二次電池における多孔質セパレータの方が、インピーダンスが小さいことが分かる。
<急速充電(レート)試験>
実施例1、参考例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置TOSCAT−3000U(東洋システム株式会社製)を用いて急速充電(レート)試験を行った。
具体的には、各二次電池について、充電速度0.5C(2時間充電)、1C(1時間充電)、2C(30分充電)、5C(12分充電)、10C(6分充電)及び20C(3分充電)における放電容量(mAh)を測定した。結果を下記表5に示す。
Figure 2019133922
上記表5に示した結果から明らかなように、多孔質セパレータとして、市販のPE系セパレータを使用した比較例1のリチウムイオン二次電池よりも、式(1−1)で表される構成単位及び式(1−2)で表される構成単位を含む多孔質ポリイミドフィルム又は式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含む多孔質ポリイミドフィルムを含む実施例1のリチウムイオン二次電池の方が、充電速度0.5C、1C、2C、5C、10C及び20Cのいずれにおいても放電容量が大幅に大きく、急速充電性能に優れることが分かる。
特に、多孔質セパレータとして、式(1−1)で表される構成単位及び式(1−2)で表される構成単位を含まず、式(2−1)で表される構成単位及び式(2−2)で表される構成単位を含まない多孔質ポリイミドフィルムを含む参考例1のリチウムイオン二次電池よりも、実施例1のリチウムイオン二次電池の方が、充電速度0.5C、1C、2C、5C、10C及び20Cのいずれにおいても放電容量が大きく、急速充電性能に優れることが分かる。

Claims (7)

  1. 多孔質セパレータを備える二次電池であって、前記多孔質セパレータが、下記式(1−1)及び(1−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池。
    Figure 2019133922
    (上記式中、A11及びA12は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B11及びB12は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む。)
  2. 多孔質セパレータを備える二次電池であって、前記多孔質セパレータが、下記式(2−1)で表される構成単位及び下記式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池。
    Figure 2019133922
    (上記式中、A21及びA22は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B21及びB22は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A22及びB22は、下記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす。
    (I)A22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の電子親和力が2.6eV以下である。
    (II)B22を誘導する芳香族ジアミンが、B21を誘導する芳香族ジアミンとは異なる芳香族ジアミンであって、40℃の水に対する溶解度が0.1g/L以上である。)
  3. 前記ポリイミドにおける上記式(1−2)又は(2−2)で表される構成単位の含有量が60モル%以下である、請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 前記多孔質ポリイミドフィルムのASTM規格D638で規定される引張強度が45MPa以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記多孔質ポリイミドフィルムのASTM規格D790で規定される曲げ強度が60MPa以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 前記多孔質ポリイミドフィルムの空隙率が60%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。
  7. 下記式(1−1)で表される構成単位及び下記式(1−2)で表される構成単位を含むポリイミド又は下記式(2−1)で表される構成単位及び下記式(2−2)で表される構成単位を含むポリイミドを含む多孔質ポリイミドフィルムを含む二次電池用多孔質セパレータ。
    Figure 2019133922
    (上記式中、A11及びA12は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B11及びB12は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A12及びB12よりなる群から選択される少なくとも1つはその構造中に2価のスペーサー基を含む。)
    Figure 2019133922
    (上記式中、A21及びA22は各々独立に、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物から誘導される4価の芳香族基を表し、B21及びB22は各々独立に、芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を表し、A22及びB22は、下記(I)及び(II)よりなる群から選択される少なくとも1つの条件を満たす。
    (I)A22を誘導する芳香族テトラカルボン酸無水物の電子親和力が2.6eV以下である。
    (II)B22を誘導する芳香族ジアミンが、B21を誘導する芳香族ジアミンとは異なる芳香族ジアミンであって、40℃の水に対する溶解度が0.1g/L以上である。)
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