JP2019132891A - 画像形成装置、除電光の光量調整方法 - Google Patents

画像形成装置、除電光の光量調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な部材を用いることなく、印刷画像の画質の低下を抑制可能な画像形成装置、及び除電光の光量調整方法を提供すること。【解決手段】画像形成装置は、複数の第1検出用トナー像T1及び複数の第2検出用トナー像T2を形成させて、それらのトナー像各々を転写させる像形成処理部と、第1検出用トナー像T1及び当該第1検出用トナー像T1に対応する第2検出用トナー像T2から成る組ごとに異なる光量の除電光が像形成処理部によって形成されたトナー像各々に照射されるように、除電部を制御する光量制御部と、像形成処理部によって中間転写ベルト26に転写されたトナー像各々の濃度を検出する検出処理部と、検出処理部による検出結果に基づいて、画像形成モードにおいて除電部から射出される除電光の光量を決定する決定処理部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置、当該画像形成装置で実行される除電光の光量調整方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、帯電された感光体ドラムの表面に画像データに基づく光が照射されて、当該表面に静電潜像が形成される。前記感光体ドラム上に形成された静電潜像は、現像装置から供給されるトナーによって現像される。現像された静電潜像(トナー像)は、転写部材によって中間転写ベルトなどの被転写体に転写される。
この種の画像形成装置では、前記感光体ドラムと前記転写部材とが対向する転写位置において、前記感光体ドラムの表面における非露光領域と前記被転写体との間に形成される電界の強度が、当該表面における露光領域と前記被転写体との間に形成される電界の強度よりも強くなる。これにより、前記感光体ドラムと前記被転写体との間に流れる電流の当該感光体ドラムの幅方向における単位長さ当たりの値(以下、「電流密度」という。)は、前記露光領域の方が前記非露光領域よりも低くなる。また、前記幅方向における前記露光領域の占める割合が小さいほど、当該露光領域と前記被転写体との間に流れる電流の前記電流密度は低くなる。そのため、前記幅方向におけるサイズが小さいトナー像の濃度が、前記幅方向におけるサイズが大きいトナー像の濃度よりも薄くなり、印刷画像の画質が低下することがある。これに対し、前記非露光領域と前記被転写体との間に形成される電界の強度、及び前記露光領域と前記被転写体との間に形成される電界の強度の大小関係が逆転するように、前記転写位置の直前で前記感光体ドラムの表面に照射される除電光の光量を調整可能な画像形成装置が従来技術として知られている(特許文献1参照)。
特開2010−211144号公報
前記従来技術に係る画像形成装置では、前記除電光の照射によって前記露光領域の電位及び前記非露光領域の電位の大小関係が逆転する。そのため、トナーの前記感光体ドラムに対する静電的な付着力が失われ、前記転写部材による転写前にトナーが前記感光体ドラムの表面から飛散する。これに対し、前記従来技術に係る画像形成装置では、前記転写位置の直前で前記中間転写ベルトが前記感光体ドラムの表面に巻き付けられており、当該表面における前記中間転写ベルトが巻き付いた領域に前記除電光が照射されている。しかしながら、前記従来技術に係る画像形成装置では、透明の前記中間転写ベルト及び当該中間転写ベルトを前記感光体ドラムの表面に巻き付けるための部材を用意する必要がある。
本発明の目的は、特別な部材を用いることなく、印刷画像の画質の低下を抑制可能な画像形成装置、及び除電光の光量調整方法を提供することにある。
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、像担持体と、像形成部と、除電部と、像形成処理部と、光量制御部と、検出処理部と、決定処理部とを備える。前記像担持体は、予め定められた回転方向へ回転可能に設けられ、表面が帯電される。前記像形成部は、前記像担持体の表面にトナー像を形成して、当該トナー像を被転写体に転写する。前記除電部は、前記像形成部によってトナー像が形成された後であって当該トナー像が前記被転写体に転写される前の前記像担持体の表面に向けて除電光を射出する。前記像形成処理部は、前記像形成部に予め定められた複数の第1検出用トナー像及び前記複数の第1検出用トナー像各々に対応しており前記第1検出用トナー像よりも前記像担持体の表面における前記回転方向と直交する幅方向でのトナーの不存在領域の割合が小さい複数の第2検出用トナー像を形成させるとともに、前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々を転写させる。前記光量制御部は、前記第1検出用トナー像及び当該第1検出用トナー像に対応する前記第2検出用トナー像から成る組ごとに異なる光量の前記除電光が前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々に照射されるように、前記除電部を制御する。前記検出処理部は、前記被転写体に転写された前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々の濃度を検出する。前記決定処理部は、前記検出処理部による検出結果に基づいて、複数の前記組のうち前記第1検出用トナー像の濃度が前記第2検出用トナー像の濃度未満であって且つ前記第1検出用トナー像と前記第2検出用トナー像との間の濃度差が最も小さい前記組に対応する前記除電光の光量を画像形成モードにおいて前記除電部から射出される前記除電光の光量として決定する。
本発明の他の局面に係る除電光の光量調整方法は、予め定められた回転方向へ回転可能に設けられ、表面が帯電される像担持体と、前記像担持体の表面にトナー像を形成して、当該トナー像を被転写体に転写する像形成部と、前記像形成部によってトナー像が形成された後であって当該トナー像が前記被転写体に転写される前の前記像担持体の表面に向けて除電光を射出する除電部と、を備える画像形成装置で実行され、以下の像形成ステップ、光量制御ステップ、検出ステップ、及び決定ステップを含む。前記像形成ステップでは、前記像形成部により予め定められた複数の第1検出用トナー像及び前記複数の第1検出用トナー像各々に対応しており前記第1検出用トナー像よりも前記像担持体の表面における前記回転方向と直交する幅方向でのトナーの不存在領域の割合が小さい複数の第2検出用トナー像が形成されるとともに、前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々が転写される。前記光量制御ステップでは、前記第1検出用トナー像及び当該第1検出用トナー像に対応する前記第2検出用トナー像から成る組ごとに異なる光量の前記除電光が前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々に照射されるように、前記除電部が制御される。前記検出ステップでは、前記被転写体に転写された前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々の濃度が検出される。前記決定ステップでは、前記検出ステップでの検出結果に基づいて、複数の前記組のうち前記第1検出用トナー像の濃度が前記第2検出用トナー像の濃度未満であって且つ前記第1検出用トナー像と前記第2検出用トナー像との間の濃度差が最も小さい前記組に対応する前記除電光の光量が画像形成モードにおいて前記除電部から射出される前記除電光の光量として決定される。
本発明によれば、特別な部材を用いることなく、印刷画像の画質の低下を抑制することが可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における画像形成ユニットの構成を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトに転写される第1検出用トナー像及び第2検出用トナー像を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される光量調整処理の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[画像形成装置100の構成]
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置100の構成を示す断面図である。また、図2は画像形成ユニット21の構成を示す断面図である。なお、図2では、感光体ドラム211の表面に定められる除電領域Z1が二点鎖線によって示されている。
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図1に示される画像形成装置100の左側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
画像形成装置100は、画像データに基づいて画像を形成するプリンターである。なお、本発明は、ファクシミリ装置、コピー機、及び複合機などの画像形成装置に適用可能である。
図1及び図3に示されるように、画像形成装置100は、筐体1、画像形成部2、給紙部3、及び制御部4を備える。
筐体1は、画像形成装置100の構成要素各々を収容する。筐体1は略直方体状に形成されている。図1に示されるように、筐体1の上部にはシート受け部11が設けられている。シート受け部11には、画像形成部2によって画像が印刷されたシートが排出される。
画像形成部2は、外部のパーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力される画像データに基づいて、電子写真方式でカラー又はモノクロの画像を形成することが可能である。
図1に示されるように、画像形成部2は、複数の画像形成ユニット21〜24、光走査装置(LSU)25、中間転写ベルト26、二次転写ローラー27、定着装置28、及び濃度センサ29を備える。
図1に示されるように、画像形成ユニット21〜24は、筐体1の内部において前後方向D2に沿って並設されている。画像形成ユニット21〜24には、複数の色に対応する感光体ドラム211、221、231、241が設けられている。具体的に、画像形成ユニット21には、Y(イエロー)に対応する感光体ドラム211が設けられている。画像形成ユニット22には、M(マゼンタ)に対応する感光体ドラム221が設けられている。画像形成ユニット23には、C(シアン)に対応する感光体ドラム231が設けられている。画像形成ユニット24には、K(ブラック)に対応する感光体ドラム241が設けられている。
図2に示されるように、画像形成ユニット21は、感光体ドラム211に加えて、感光体ドラム211に対応する帯電装置212、現像装置213、除電装置214、一次転写装置215、及びクリーニング装置216を備える。なお、画像形成ユニット22〜24も同様に構成されているため、ここではそれらの説明を省略する。
感光体ドラム211は、トナー像を担持する。図2に示されるように、感光体ドラム211は、回転軸211A及び感光層211Bを有する。回転軸211Aは、左右方向D3に延在している。回転軸211Aは、感光体ドラム211、帯電装置212、及びクリーニング装置216を収容する不図示のユニット筐体によって回転可能に支持されている。感光体ドラム211は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて、図2に示される回転方向D5へ回転する。感光層211Bは、感光体ドラム211の外周面を形成している。感光層211Bは、光の照射により導電性が向上する有機化合物からなる有機感光材料により形成されている。なお、感光層211Bは、有機感光材料とは異なる感光材料によって形成されていてもよい。ここに、感光体ドラム211が、本発明における像担持体の一例である。また、回転方向D5が、本発明における予め定められた回転方向の一例である。
帯電装置212は、感光体ドラム211の感光層211Bを予め定められた電位に帯電させる。図2に示されるように、帯電装置212は、帯電部材212Aを有する。帯電部材212Aは、感光層211Bに接触して設けられたローラー状の部材である。帯電装置212は、帯電部材212Aに電圧を印加することで感光層211Bを帯電させる。帯電装置212によって帯電された感光層211Bには、光走査装置25から照射される光によって静電潜像が形成される。なお、帯電部材212Aは、感光層211Bから離間して設けられたローラーとは異なる形状の部材であってもよい。
現像装置213は、感光体ドラム211の感光層211Bに形成された静電潜像を現像する。図2に示されるように、現像装置213は、撹拌部材213A、マグネットローラー213B、及び現像ローラー213Cを有する。撹拌部材213Aは、現像装置213の内部に収容されたトナー及びキャリアを含む現像剤を撹拌する。これにより、前記現像剤に含まれるトナー及びキャリアが摩擦帯電する。マグネットローラー213Bは、撹拌部材213Aによって撹拌された前記現像剤を汲み上げて、当該現像剤に含まれるトナーを現像ローラー213Cの表面に供給する。現像ローラー213Cは、感光層211Bとの間に予め定められた間隔を隔てて設けられる。現像ローラー213Cは、不図示の電源からの電圧の印加を受けて、表面に付着したトナーを感光層211Bへ供給する。具体的に、現像ローラー213Cは、電圧の印加を受けて感光体ドラム211と現像ローラー213Cとが対向する現像位置P1(図2参照)に電界を形成する。これにより、現像ローラー213Cの表面に付着したトナーが感光体ドラム211側へ引き寄せられて、感光体ドラム211の表面に形成された静電潜像が現像される。そのため、感光体ドラム211の表面にトナー像が形成される。現像装置213には、画像形成ユニット21に対応して設けられたトナーコンテナ21A(図1参照)から前記現像剤が供給される。
一次転写装置215は、現像装置213によって感光体ドラム211の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト26に転写する。図2及び図3に示されるように、一次転写装置215は、一次転写部材215A及び電源215Bを有する。図2に示されるように、一次転写部材215Aは、中間転写ベルト26を挟んで感光体ドラム211と対向する位置で、中間転写ベルト26の内周面と接触して設けられたローラー状の部材である。電源215Bは、一次転写部材215Aに電流を供給する。例えば、電源215Bは、フィードバック制御により、一次転写部材215Aに定電流を供給する。一次転写部材215Aは、電源215Bからの電流の供給を受けて感光体ドラム211の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト26に転写する。具体的に、一次転写部材215Aは、電源215Bからの電流の供給を受けて感光体ドラム211と中間転写ベルト26とが接触する転写位置P2(図2参照)に電界を形成する。これにより、感光体ドラム211の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト26側に引き寄せられて、当該トナー像が中間転写ベルト26に転写される。ここに、一次転写部材215Aが、本発明における転写部材の一例である。なお、一次転写部材215Aは、ローラーとは異なる形状の部材であってもよい。
除電装置214は、現像装置213によってトナー像が形成された後であって、そのトナー像が一次転写装置215によって中間転写ベルト26に転写される前の感光体ドラム211の表面に向けて除電光L1(図2参照)を射出する。具体的には、除電装置214は、感光体ドラム211の表面において定められた除電領域Z1(図2参照)に向けて除電光L1を射出する。ここで、除電領域Z1は、感光体ドラム211の表面において、現像装置213による現像によってトナー像が形成される現像位置P1から、一次転写装置215による転写によってトナー像が転写される転写位置P2までの領域である。
図2に示されるように、除電装置214は、現像装置213よりも感光体ドラム211の回転方向D5の下流側であって、一次転写部材215Aよりも回転方向D5の上流側に設けられる。図3に示されるように、除電装置214は、光源214A及び光源駆動制御部214Bを有する。光源214Aは、除電光L1を射出する。例えば、光源214Aは、赤色の光を射出する発光ダイオードである。光源駆動制御部214Bは、光源214Aに駆動電流を供給して光源214Aを駆動する。例えば、光源駆動制御部214Bは、除電光L1の光量を示す光量情報が格納される不図示のレジスタを有する。光源駆動制御部214Bは、光源214Aから射出されて除電領域Z1に照射される除電光L1の光量が前記レジスタに格納されている前記光量情報と一致するように、光源214Aに供給される駆動電流を制御する。ここに、除電装置214が、本発明における除電部の一例である。
クリーニング装置216は、トナー像が転写された後の感光体ドラム211の表面を清掃する。クリーニング装置216は、感光体ドラム211の表面から当該表面に付着したトナーを除去するブレード状のクリーニング部材と、前記クリーニング部材によって除去されたトナーを搬送する搬送部材とを備える。
光走査装置25は、感光体ドラム211、221、231、241各々に画像データに基づく光を走査する。これにより、感光体ドラム211、221、231、241各々に静電潜像が形成される。
画像形成装置100では、帯電装置212、光走査装置25、現像装置213、及び一次転写装置215が像形成部20(図3参照)を構成する。像形成部20は、感光体ドラム211の表面にトナー像を形成して、当該トナー像を中間転写ベルト26に転写する。
中間転写ベルト26は、感光体ドラム211、221、231、241各々の上側で感光体ドラム211、221、231、241各々に接触して設けられる。中間転写ベルト26は、左右方向D3に長尺な駆動ローラー及び複数の張架ローラーによって張架されている。前記駆動ローラーは、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて回転する。これにより、中間転写ベルト26は、図1に示される回転方向D4へ回転する。中間転写ベルト26は、画像形成ユニット21〜24各々によって表面に転写されたトナー像を二次転写ローラー27によるシートへの転写位置P3(図1参照)へ搬送する。ここに、中間転写ベルト26が、本発明における被転写体の一例である。
二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26上に転写された各色のトナー像を、給紙部3によって供給されるシートに転写する。
定着装置28は、二次転写ローラー27によってシートに転写されたトナー像を加熱して、当該トナー像をシートに定着させる。定着装置28によってトナー像が定着したシートは、シート受け部11に排出される。
濃度センサ29は、中間転写ベルト26の表面に転写されたトナー像の濃度を検出する。図1に示されるように、濃度センサ29は、二次転写ローラー27よりも中間転写ベルト26の回転方向D4の上流側であって、画像形成ユニット24よりも回転方向D4の下流側に設けられる。濃度センサ29は、発光部及ぶ受光部を有する反射型の光センサである。例えば、濃度センサ29は、中間転写ベルト26の表面におけるその幅方向(左右方向D3)の中央部に転写されたトナー像の濃度を検出する(図4参照)。
給紙部3は、画像形成部2にシートを供給する。図1に示されるように、給紙部3は、給紙カセット31、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。給紙部3は、給紙カセット31に収容されたシートを、二次転写ローラー27によるトナー像の転写位置P3(図1参照)及び定着装置28を経由して、シート受け部11へ搬送する。
制御部4は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。前記RAMは揮発性の記憶装置であり、前記EEPROMは不揮発性の記憶装置である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。制御部4では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置100が制御部4により統括的に制御される。なお、制御部4は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
ところで、画像形成装置100では、転写位置P2(図2参照)において、感光体ドラム211の表面における非露光領域と中間転写ベルト26との間に形成される電界の強度が、当該表面における露光領域と中間転写ベルト26との間に形成される電界の強度よりも強くなる。ここで、前記非露光領域は、感光体ドラム211の表面における帯電装置212によって帯電された領域のうち、光走査装置25から射出される光が照射されていない領域である。また、前記露光領域は、感光体ドラム211の表面における帯電装置212によって帯電された領域のうち、光走査装置25から射出される光が照射された領域である。これにより、感光体ドラム211と中間転写ベルト26との間に流れる電流の当該感光体ドラム211の幅方向(左右方向D3)における単位長さ当たりの値(以下、「電流密度」という。)は、前記露光領域の方が前記非露光領域よりも低くなる。また、左右方向D3における前記露光領域の占める割合が小さいほど、当該露光領域と中間転写ベルト26との間に流れる電流の前記電流密度は低くなる。そのため、左右方向D3におけるサイズが小さいトナー像の濃度が、左右方向D3におけるサイズが大きいトナー像の濃度よりも薄くなり、印刷画像の画質が低下することがある。
特に、画像形成装置100では、有機感光材料によって形成された感光層211Bを有する感光体ドラム211が用いられている。この場合、感光層211Bの経年劣化により生じることがある副走査方向(回転方向D5)に沿った筋状の異常画像の発生を抑制するために、帯電部材212Aに印加される電圧を高く設定する必要がある。そのため、画像形成装置100では、前記非露光領域と中間転写ベルト26との間に形成される電界の強度と、前記露光領域と中間転写ベルト26との間に形成される電界の強度との差が大きくなり、印刷画像の画質低下が生じやすい。
これに対し、転写位置P2の直前で感光体ドラム211の表面に照射される除電光L1の光量を調整可能な画像形成装置が従来技術として知られている。具体的に、前記従来技術に係る画像形成装置では、前記非露光領域と中間転写ベルト26との間に形成される電界の強度、及び前記露光領域と中間転写ベルト26との間に形成される電界の強度の大小関係が逆転するように、除電光L1の光量が調整される。
前記従来技術に係る画像形成装置では、除電光L1の照射によって前記露光領域の電位及び前記非露光領域の電位の大小関係が逆転する。そのため、トナーの感光体ドラム211に対する静電的な付着力が失われ、一次転写部材215Aによる転写前にトナーが感光体ドラム211の表面から飛散する。これに対し、前記従来技術に係る画像形成装置では、転写位置P2の直前で中間転写ベルト26が感光体ドラム211の表面に巻き付けられており、当該表面における中間転写ベルト26が巻き付いた領域に除電光L1が照射されている。しかしながら、前記従来技術に係る画像形成装置では、透明の中間転写ベルト26及び中間転写ベルト26を感光体ドラム211の表面に巻き付けるための部材を用意する必要がある。
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、特別な部材を用いることなく、印刷画像の画質の低下を抑制することが可能である。
具体的に、制御部4の前記ROMには、前記CPUに後述の光量調整処理(図5のフローチャート参照)を実行させるための光量調整プログラムが予め記憶されている。なお、前記光量調整プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて制御部4の前記EEPROM等の記憶装置にインストールされてもよい。
そして、制御部4は、図3に示されるように、像形成処理部41、光量制御部42、検出処理部43、及び決定処理部44を含む。具体的に、制御部4は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記光量調整プログラムを実行する。これにより、制御部4は、像形成処理部41、光量制御部42、検出処理部43、及び決定処理部44として機能する。
像形成処理部41は、像形成部20に第1検出用トナー像T1(図4参照)及び第2検出用トナー像T2(図4参照)を形成させるとともに、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々を中間転写ベルト26に転写させる。
具体的に、像形成処理部41は、予め定められた調整タイミングが到来した場合に、像形成部20に第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2を形成させる。例えば、前記調整タイミングは、画像形成装置100における累計印刷枚数が予め定められた基準数の整数倍に達するごとに到来するタイミングである。なお、前記調整タイミングは、画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時に到来するタイミングであってもよい。
ここで、第1検出用トナー像T1は、予め定められたサイズのトナー像である。また、第1検出用トナー像T1は、感光体ドラム211の表面における回転方向D5と直交する幅方向(左右方向D3)でのトナーが存在しない領域の割合が予め定められた値になるように形成されるトナー像である。
第2検出用トナー像T2は、第1検出用トナー像T1よりもサイズが大きいトナー像である。また、第2検出用トナー像T2は、第1検出用トナー像T1よりも感光体ドラム211の表面における回転方向D5と直交する幅方向(左右方向D3)でのトナーが存在しない領域の割合が小さくなるように形成されるトナー像である。
図4には、中間転写ベルト26に転写された第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の一例が示されている。なお、図4は、中間転写ベルト26の表面の状態を示す図である。また、図4に示された破線で囲まれた領域は、濃度センサ29によるトナー像の検出位置P4を示すためのものである。また、図4では、第1検出用トナー像T1及びその第1検出用トナー像T1に対応する第2検出用トナー像T2から成る一組の検出用のトナー像が点線で囲まれている。
図4に示されるように、第1検出用トナー像T1は、中間転写ベルト26の幅方向(左右方向D3)に長い矩形状に形成されたトナー像である。第1検出用トナー像T1における前記幅方向のサイズは、長さL1である。第1検出用トナー像T1は、中間転写ベルト26の表面における検出位置P4を通過する位置に形成される。例えば、第1検出用トナー像T1は、中間転写ベルト26の表面における前記幅方向の中央の位置に合わせて形成される。第1検出用トナー像T1は、前記幅方向の長さL1が、後述の第2検出用トナー像T2の長さL2よりも短いものであり、本実施形態では、第1検出用トナー像T1の長さL1は、濃度センサ29によって検出可能な最小サイズである。そのため、中間転写ベルト26上において、第1検出用トナー像T1の前記幅方向の両側それぞれには、トナー不存在領域Z2(図4参照)が存在する。
図4に示されるように、第2検出用トナー像T2は、中間転写ベルト26の幅方向(左右方向D3)に長尺な帯状に形成されたトナー像である。第2検出用トナー像T2における前記幅方向のサイズは、長さL2である。第2検出用トナー像T2は、中間転写ベルト26の表面における検出位置P4を通過する位置に形成される。例えば、第2検出用トナー像T2は、中間転写ベルト26の表面における前記幅方向の中央の位置に合わせて形成される。第2検出用トナー像T2は、前記幅方向における長さL2が、第1検出用トナー像T1の長さL1よりも大きくなるように、中間転写ベルト26に形成される。つまり、第2検出用トナー像T2の長さL2は、第1検出用トナー像T1の長さL1よりも長い。そのため、第2検出用トナー像T2の前記幅方向における両側それぞれには、トナー不存在領域Z2よりも前記幅方向の長さが短いトナー不存在領域Z3が存在する。本実施形態では、第2検出用トナー像T2の前記幅方向の長さL3は、印字可能な最大サイズである。
例えば、像形成処理部41は、予め定められた待機時間が経過するごとに、像形成部20に一つの第1検出用トナー像T1及びその第1検出用トナー像T1に対応する一つの第2検出用トナー像T2から成る一組のトナー像を形成させる。つまり、像形成処理部41は、像形成部20に複数の第1検出用トナー像T1及び複数の第1検出用トナー像T1各々に対応する複数の第2検出用トナー像T2を形成させる。言い換えると、像形成処理部41は、一つの第1検出用トナー像T1及びその第1検出用トナー像T1に対応する一つの第2検出用トナー像T2を一組の検出用のトナー像として、複数組各々の検出用のトナー像を前記待機時間が経過するごとに、順次、感光体ドラム211の表面に形成させる。なお、図4には、二組の検出用のトナー像が示されている。例えば、像形成処理部41は、帯電装置212、光走査装置25、及び現像装置213を駆動制御して、一組の検出用のトナー像を感光体ドラム211の表面に形成する像形成処理を予め定められた設定回数実行させる。ここで、前記待機時間は、像形成部20によって感光体ドラム211の表面に第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2が形成されてから当該トナー像各々が濃度センサ29の検出位置P4を通過するまでの経過時間よりも長い時間である。
また、像形成処理部41は、一次転写装置215の電源215Bに予め定められた第2電流を供給させて、一次転写部材215Aに複数の第1検出用トナー像T1各々及び複数の第2検出用トナー像T2各々を転写させる。言い換えると、像形成処理部41は、一次転写装置215を駆動制御して、前記複数組の検出用のトナー像各々を感光体ドラム211から中間転写ベルト26の表面に転写させる。ここで、前記第2電流は、画像形成モード時において一次転写部材215Aに供給される第1電流よりも少ない電流である。例えば、前記第1電流は10マイクロアンペアである。また、前記第2電流は5マイクロアンペアである。なお、前記画像形成モードは、画像形成装置100における画像データに対応する印刷物を出力する動作モードである。
検出処理部43は、中間転写ベルト26に転写された複数の第1検出用トナー像T1各々及び複数の第2検出用トナー像T2各々の濃度を検出する。具体的に、検出処理部43は、濃度センサ29を用いて、複数の第1検出用トナー像T1各々及び複数の第2検出用トナー像T2各々の濃度を検出する。
光量制御部42は、第1検出用トナー像T1及び当該第1検出用トナー像T1に対応する第2検出用トナー像T2から成る組ごとに異なる光量の除電光L1が複数の第1検出用トナー像T1各々及び複数の第2検出用トナー像T2各々に照射されるように、除電装置214を制御する。
例えば、光量制御部42は、前記調整タイミングが到来した場合に、除電装置214の光源214Aから射出される除電光L1の光量を予め定められた初期値に決定する。具体的に、光量制御部42は、前記初期値を示す前記光量情報を光源駆動制御部214Bの前記レジスタに格納する。
また、光量制御部42は、検出処理部43によって一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々の濃度が検出されるごとに、光源214Aから射出される除電光L1の光量を決定する。
例えば、光量制御部42は、検出処理部43によって検出された一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度の差に基づいて、次に形成される第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々に照射される除電光L1の光量を決定する。
例えば、画像形成装置100では、検出処理部43によって検出される一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度の差と、除電光L1の光量の増減量とが対応付けられたテーブルデータが、予め制御部4の前記ROMに格納されている。具体的に、前記テーブルデータでは、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度差が大きいほど、その濃度差に対応する除電光L1の光量の増減量が多くなるように、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度差と除電光L1の光量の増減量との対応関係が定められている。また、前記テーブルデータでは、第1検出用トナー像T1の濃度が第2検出用トナー像T2の濃度よりも薄い場合には除電光L1の光量の増加量が対応し、逆の場合には除電光L1の光量の減少量が対応するように、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度差と除電光L1の光量の増減量との対応関係が定められている。
光量制御部42は、前記テーブルデータに基づいて、検出処理部43によって検出された一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度の差に対応する除電光L1の光量の増減量を取得する。そして、光量制御部42は、現在の除電光L1の光量に、取得された除電光L1の光量の増減量を加算した値を、新たな除電光L1の光量として決定する。具体的に、光量制御部42は、新たな除電光L1の光量の値を示す前記光量情報を光源駆動制御部214Bの前記レジスタに格納する。
決定処理部44は、検出処理部43による検出結果に基づいて、以下に述べる決定条件を充足する一つの組に対応する除電光L1の光量を、前記画像形成モードにおいて除電装置214から射出される除電光L1の光量として決定する。即ち、前記決定条件は、第1検出用トナー像T1の濃度が第2検出用トナー像T2の濃度未満であって、且つ第1検出用トナー像T1と第2検出用トナー像T2との間の濃度差が最も小さいことである。
具体的に、決定処理部44は、前記画像形成モードにおいて除電装置214から射出される除電光L1の光量を決定した場合に、決定に係る光量を示す前記光量情報を光源駆動制御部214Bの前記レジスタに格納する。
[光量調整処理]
以下、図5を参照しつつ、画像形成装置100において制御部4により実行される光量調整処理の手順の一例とともに、本発明に係る除電光の光量調整方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部4により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、画像形成装置100では、画像形成ユニット21〜24各々について、前記光量調整処理が実行される。以下では、画像形成ユニット21について実行される前記光量調整処理の内容を説明するが、画像形成ユニット22〜24各々についても、以下と同様である。
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部4は、前記調整タイミングが到来したか否かを判断する。
ここで、制御部4は、前記調整タイミングが到来したと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記調整タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部4は、ステップS11で前記調整タイミングの到来を待ち受ける。
<ステップS12>
ステップS12において、制御部4は、除電装置214の光源214Aから射出される除電光L1の光量を前記初期値に決定する。ここで、ステップS12の処理は、制御部4の光量制御部42により実行される。
例えば、制御部4は、前記初期値を示す前記光量情報を光源駆動制御部214Bの前記レジスタに格納する。
<ステップS13>
ステップS13において、制御部4は、像形成部20に、第1検出用トナー像T1及び当該第1検出用トナー像T1に対応する第2検出用トナー像T2から成る一組のトナー像を形成させる。ここで、ステップS13の処理は、制御部4の像形成処理部41により実行される。
具体的に、制御部4は、像形成部20の帯電装置212、光走査装置25、及び現像装置213を駆動制御して、前記像形成処理を実行させる。
<ステップS14>
ステップS14において、制御部4は、除電装置214に除電光L1を射出させる。これにより、ステップS12又は後述のステップS18で決定された光量の除電光L1が、ステップS13で形成された第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々に照射される。ここで、ステップS14の処理は、制御部4の光量制御部42により実行される。
<ステップS15>
ステップS15において、制御部4は、像形成部20に、ステップS13で形成された第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々を中間転写ベルト26に転写させる。ここで、ステップS15の処理は、制御部4の像形成処理部41により実行される。
具体的に、制御部4は、一次転写装置215の電源215Bに前記第2電流を供給させて、一次転写部材215AにステップS13で形成された第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々を転写させる。これにより、一次転写部材215Aに前記第1電流が供給される場合と比較して、ステップS13で形成された第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の間で濃度差が生じやすくなる。そのため、除電光L1の調整精度を向上させることが可能である。
<ステップS16>
ステップS16において、制御部4は、濃度センサ29を用いて、ステップS15で中間転写ベルト26に転写された第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々の濃度を検出する。ここで、ステップS16の処理は、制御部4の検出処理部43により実行される。
<ステップS17>
ステップS17において、制御部4は、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の形成が終了したか否かを判断する。例えば、制御部4は、ステップS13の実行回数が前記設定回数に達している場合に、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の形成が終了したと判断する。
ここで、制御部4は、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の形成が終了したと判断すると(S17のYes側)、処理をステップS20に移行させる。また、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の形成が終了していなければ(S17のNo側)、制御部4は、処理をステップS18に移行させる。
<ステップS18>
ステップS18において、制御部4は、ステップS16で検出された一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度の差に基づいて、次に形成される第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2各々に照射される除電光L1の光量を決定する。ここで、ステップS18の処理は、制御部4の光量制御部42により実行される。
例えば、制御部4は、前記テーブルデータに基づいて、ステップS16で検出された一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度の差に対応する除電光L1の光量の増減量を取得する。そして、制御部4は、現在の除電光L1の光量に、取得された除電光L1の光量の増減量を加算した値を、新たな除電光L1の光量として決定する。具体的に、制御部4は、新たな除電光L1の光量の値を示す前記光量情報を光源駆動制御部214Bの前記レジスタに格納する。
<ステップS19>
ステップS19において、制御部4は、直近のステップS13の実行時から前記待機時間が経過したか否かを判断する。
ここで、制御部4は、前記待機時間が経過したと判断すると(S19のYes側)、処理をステップS13に移行させる。これにより、ステップS17で第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の形成が終了したと判断されるまでの間、ステップS13からステップS19の処理が繰り返し実行される。ここで、繰り返し実行されるステップS13及びステップS15の処理が、本発明における像形成ステップの一例である。また、ステップS12、並びに繰り返し実行されるステップS14及びステップS18の処理が、本発明における光量制御ステップの一例である。また、繰り返し実行されるステップS16の処理が、本発明における検出ステップの一例である。
また、前記待機時間が経過していなければ(S19のNo側)、制御部4は、ステップS19で前記待機時間の経過を待ち受ける。
このように、前記光量調整処理では、前記待機時間が経過するごとに、一つの第1検出用トナー像T1及びその第1検出用トナー像T1に対応する一つの第2検出用トナー像T2から成る一組のトナー像が形成される。そのため、次の組の第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2が除電光L1の照射位置に到達する前に、その一つ前の組の第1検出用トナー像T1の濃度及び第2検出用トナー像T2の濃度の検出結果に基づいて、除電光L1の光量を決定することが可能である。これにより、前記待機時間よりも短い時間間隔で一組のトナー像が形成されて、当該時間間隔ごとに除電光L1の光量が一定値ずつ増減する場合と比較して、前記設定回数内で除電光L1の光量を第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度差がより小さくなるような光量に定めることが可能となる。
<ステップS20>
ステップS20において、制御部4は、ステップS16での検出結果に基づいて、ステップS16で第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度が検出された複数の組のうち、前記決定条件を充足する一つの組に対応する除電光L1の光量を、前記画像形成モードにおいて除電装置214から射出される除電光L1の光量として決定する。即ち、制御部4は、第1検出用トナー像T1の濃度が第2検出用トナー像T2の濃度未満であって、且つ第1検出用トナー像T1と第2検出用トナー像T2との間の濃度差が最も小さい組に対応する除電光L1の光量を、前記画像形成モードにおいて除電装置214から射出される除電光L1の光量として決定する。ここで、ステップS20の処理が、本発明における決定ステップの一例であって、制御部4の決定処理部44により実行される。
具体的に、制御部4は、決定に係る除電光L1の光量の値を示す前記光量情報を光源駆動制御部214Bの前記レジスタに格納する。そして、制御部4は、処理をステップS11に移行させる。これにより、次に前記調整タイミングが到来するまでの間に実行される印刷処理では、ステップS20で決定された光量の除電光L1が除電装置214から射出される。
このように、画像形成装置100では、第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2から成るトナー像の組が複数組、感光体ドラム211に形成されて、組ごとに異なる光量の除電光L1が除電装置214から射出される。そして、中間転写ベルト26に転写された複数の第1検出用トナー像T1各々及び複数の第2検出用トナー像T2各々の濃度が検出されて、その検出結果に基づいて前記画像形成モード時における除電光L1の光量が決定される。これにより、左右方向D3におけるサイズが小さいトナー像の濃度と、左右方向D3におけるサイズが大きいトナー像の濃度との間の濃度差を低減することが可能である。従って、画像形成装置100では、特別な部材を用いることなく、印刷画像の画質の低下を抑制することが可能である。
[変形例]
なお、第1検出用トナー像T1は、中間転写ベルト26の幅方向に沿って並ぶ複数のトナー像から成る一群のトナー像であってもよい。この場合、当該一群のトナー像は、感光体ドラム211の表面における回転方向D5と直交する幅方向(左右方向D3)でのトナーが存在しない領域の割合が予め定められた値になるように形成される。
また、第2検出用トナー像T2は、中間転写ベルト26の幅方向に沿って並ぶ複数のトナー像から成る一群のトナー像であってもよい。この場合、当該一群のトナー像は、第1検出用トナー像T1よりも感光体ドラム211の表面における回転方向D5と直交する幅方向(左右方向D3)でのトナーが存在しない領域の割合が小さくなるように形成される。
また、像形成処理部41は、前記待機時間よりも短い時間間隔で像形成部20に一組のトナー像を形成させてもよい。この場合、光量制御部42は、当該時間間隔ごとに除電光L1の光量を一定値ずつ増加又は減少させてもよい。
また、像形成処理部41は、像形成部20に複数の第1検出用トナー像T1を連続して形成させた後に、像形成部20に複数の第2検出用トナー像T2を連続して形成させてもよい。
また、像形成処理部41は、一次転写装置215の電源215Bに前記第1電流を供給させて、一次転写部材215Aに複数の第1検出用トナー像T1各々及び複数の第2検出用トナー像T2各々を転写させてもよい。
また、像形成処理部41は、検出処理部43によって検出される一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度差が予め定められた閾値未満になるまでの間、前記待機時間が経過するごとに一組のトナー像を形成してもよい。この場合、前記光量調整処理のステップS17では、ステップS16で検出された一つの組に属する第1検出用トナー像T1及び第2検出用トナー像T2の濃度の差が前記閾値未満であるか否かが判断される。
また、本発明は、感光体ドラム211、221、231、241各々に形成されたトナー像が直接シートに転写される直接転写方式の画像形成装置に適用されてもよい。例えば、本発明は、シートを前後方向D2に沿って搬送する搬送ベルトを含む搬送機構と、前記搬送ベルトの上側で前記搬送ベルトによるシートの搬送方向に沿って並ぶ画像形成ユニット21〜24と、画像形成ユニット21〜24の上側に配置された光走査装置25と、を備える画像形成装置に適用可能である。この場合、本発明における被転写体は、前記搬送ベルトによって搬送されるシートであってもよい。
1 筐体
2 画像形成部
3 給紙部
4 制御部
20 像形成部
21〜24 画像形成ユニット
25 光走査装置
26 中間転写ベルト
27 二次転写ローラー
28 定着装置
29 濃度センサ
41 像形成処理部
42 光量制御部
43 検出処理部
44 決定処理部
100 画像形成装置
211 感光体ドラム
212 帯電装置
213 現像装置
214 除電装置
215 一次転写装置
216 クリーニング装置

Claims (6)

  1. 予め定められた回転方向へ回転可能に設けられ、表面が帯電される像担持体と、
    前記像担持体の表面にトナー像を形成して、当該トナー像を被転写体に転写する像形成部と、
    前記像形成部によってトナー像が形成された後であって当該トナー像が前記被転写体に転写される前の前記像担持体の表面に向けて除電光を射出する除電部と、
    前記像形成部に予め定められた複数の第1検出用トナー像及び前記複数の第1検出用トナー像各々に対応しており前記第1検出用トナー像よりも前記像担持体の表面における前記回転方向と直交する幅方向でのトナーの不存在領域の割合が小さい複数の第2検出用トナー像を形成させるとともに、前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々を転写させる像形成処理部と、
    前記第1検出用トナー像及び当該第1検出用トナー像に対応する前記第2検出用トナー像から成る組ごとに異なる光量の前記除電光が前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々に照射されるように、前記除電部を制御する光量制御部と、
    前記被転写体に転写された前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々の濃度を検出する検出処理部と、
    前記検出処理部による検出結果に基づいて、複数の前記組のうち前記第1検出用トナー像の濃度が前記第2検出用トナー像の濃度未満であって且つ前記第1検出用トナー像と前記第2検出用トナー像との間の濃度差が最も小さい前記組に対応する前記除電光の光量を画像形成モードにおいて前記除電部から射出される前記除電光の光量として決定する決定処理部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記像形成部は、電流の供給を受けて前記像担持体の表面に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する転写部材、及び前記転写部材に電流を供給する電源を含み、
    前記像形成処理部は、前記電源に前記画像形成モード時において前記転写部材に供給される第1電流よりも少ない第2電流を供給させて、前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々を転写させる、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像形成処理部は、前記像形成部によってトナー像が形成されてから前記検出処理部によって当該トナー像が検出されるまでの経過時間よりも長い待機時間が経過するごとに、前記像形成部に一つの前記組に属する前記第1検出用トナー像及び前記第2検出用トナー像を形成させ、
    前記光量制御部は、前記検出処理部によって検出された一つの前記組に属する前記第1検出用トナー像及び前記第2検出用トナー像各々の濃度の差に基づいて、前記像形成部によって次に形成される前記第1検出用トナー像及び前記第2検出用トナー像各々に照射される前記除電光の光量を決定する、
    請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記被転写体は、前記像形成部によって転写されたトナー像をシートへの転写位置へ搬送する中間転写ベルトである、
    請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、有機感光材料によって形成された感光層を有する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 予め定められた回転方向へ回転可能に設けられ、表面が帯電される像担持体と、前記像担持体の表面にトナー像を形成して、当該トナー像を被転写体に転写する像形成部と、前記像形成部によってトナー像が形成された後であって当該トナー像が前記被転写体に転写される前の前記像担持体の表面に向けて除電光を射出する除電部と、を備える画像形成装置で実行される除電光の光量調整方法であって、
    前記像形成部に予め定められた複数の第1検出用トナー像及び前記複数の第1検出用トナー像各々に対応しており前記第1検出用トナー像よりも前記像担持体の表面における前記回転方向と直交する幅方向でのトナーの不存在領域の割合が小さい複数の第2検出用トナー像を形成させるとともに、前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々を転写させる像形成ステップと、
    前記第1検出用トナー像及び当該第1検出用トナー像に対応する前記第2検出用トナー像から成る組ごとに異なる光量の前記除電光が前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々に照射されるように、前記除電部を制御する光量制御ステップと、
    前記被転写体に転写された前記複数の第1検出用トナー像各々及び前記複数の第2検出用トナー像各々の濃度を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップでの検出結果に基づいて、複数の前記組のうち前記第1検出用トナー像の濃度が前記第2検出用トナー像の濃度未満であって且つ前記第1検出用トナー像と前記第2検出用トナー像との間の濃度差が最も小さい前記組に対応する前記除電光の光量を画像形成モードにおいて前記除電部から射出される前記除電光の光量として決定する決定ステップと、
    を含む除電光の光量調整方法。
JP2018012481A 2018-01-29 2018-01-29 画像形成装置、除電光の光量調整方法 Pending JP2019132891A (ja)

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