JP2019132880A - 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画素の開口領域に入射する光を有効に利用可能な電気光学装置を提供すること。【解決手段】電気光学装置としての液晶装置の液晶パネル110は、基材10s上において画素の開口領域を囲む非開口領域に設けられ、基材10s側から順に設けられ基材10sの厚み方向に間隔を置いて配置された第1遮光層としての走査線3及び第2遮光層としてのデータ線6と、走査線3とデータ線6との間に、画素ごとに設けられたトランジスターとしてのTFT30と、開口領域と非開口領域とに亘って設けられ、走査線3及びデータ線6を覆うように配置された第1絶縁層17と、開口領域に第1絶縁層17の表面17aから基材10sに亘って設けられた凹部26と、第1絶縁層17の屈折率よりも高い屈折率を有し、凹部26を埋めてなる第2絶縁層13と、を備え、凹部26の底部26aが曲面を成している。【選択図】図6

Description

本発明は、電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法に関する。
電気光学装置として、画素ごとにスイッチング素子であるトランジスターを備えたアクティブ駆動型の液晶装置が挙げられる。液晶装置は受光型であるため、見易い表示を実現するために高いコントラストを得るには画素に入射する光を有効に利用することが求められる。特に、プロジェクターなどの投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、小型であることから画素サイズが小さくなるため、直視型の液晶装置に比べて高い光の利用効率が求められる。
例えば、特許文献1には、薄膜トランジスターが設けられた非開口領域の第3層間絶縁膜の屈折率をn3とし、第3層間絶縁膜を覆うと共に開口領域を埋める第4層間絶縁膜の屈折率をn4とすると、n3<n4の関係を満たす電気光学装置が開示されている。屈折率が異なる第3層間絶縁膜と第4層間絶縁膜とがなす界面は、開口領域を囲む側壁を成しており、側壁に入射する光は反射して開口領域側に導かれる。すなわち、開口領域の光軸に沿って直進する光だけでなく、光軸に対して斜めに入射した光を拡散させずに該側壁で反射して有効に利用できるとしている。
特開2016−80956号公報
しかしながら、上記特許文献1の電気光学装置は、非開口領域において第3層間絶縁膜上に第3遮光層を有している。第3遮光層の端部に入射した光は回折して第3層間絶縁膜内に入射するため、開口領域に導くことが困難であった。そのため、開口領域に入射した光の利用効率は、まだ改善の余地があるという課題があった。また、第3遮光層の端部で回折した光が薄膜トランジスターに入射して光リーク電流が生じ、表示品質の低下を招くという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、基材上において画素の開口領域を囲む非開口領域に設けられ、基材側から順に基材の厚み方向に間隔を置いて配置された第1遮光層及び第2遮光層と、第1遮光層と第2遮光層との間に、画素ごとに設けられたトランジスターと、開口領域と非開口領域とに亘って設けられ、第1遮光層及び第2遮光層を覆うように配置された第1絶縁層と、開口領域に第1絶縁層の表面から基材に亘って設けられた凹部と、第1絶縁層の屈折率よりも高い屈折率を有し、凹部を埋めてなる第2絶縁層と、を備え、凹部の底部が曲面を成していることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、開口領域に第1絶縁層の表面から基材に亘って設けられた凹部に第1絶縁層の屈折率よりも高い屈折率を有する第2絶縁層が配置され、さらに凹部の底部が曲面を成している。そのため、凹部の側部に沿った第1絶縁層と第2絶縁層との界面に斜めに入射した光は、界面で反射されて開口領域内に導かれるので、開口領域に入射した光を有効に利用できる。また、第1絶縁層は非開口領域に設けられた第1遮光層及び第2遮光層を覆うので、第1遮光層及び第2遮光層の端部に向かう光も第1絶縁層と第2絶縁層との界面で反射される。つまり、第1遮光層及び第2遮光層の端部で光の回折が生じ難いので、回折した光がトランジスターに入射して光リーク電流が生ずることも抑制できる。
また、凹部の底部を埋めた第2絶縁層が集光レンズとして機能し、基材側から画素に入射した光は、上記集光レンズによって集光されるため、光を有効に利用することができる。つまり、基材側から画素に入射する光を有効に利用可能であって、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制可能な電気光学装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の電気光学装置であって、凹部は、基材において底部に至る側壁を有することが好ましい。
この構成によれば、凹部は基材において底部に至る側壁を有しており、基材に対し法線方向に側壁の長さを調整することで、凹部の底部を埋めた第2絶縁層からなる集光レンズの光路長を調整することができる。つまり、光透過率が最大化されるように側壁の長さ、すなわち光路長を最適化することで、入射した光をより有効に利用できる。
[適用例3]上記適用例に記載の電気光学装置であって、凹部の底部は、平面視で底部の中心を通る光軸に直交する平面部を含むことが好ましい。
この構成によれば、平面部を通過した光は、光軸に対して平行に近い状態で画素の開口領域から射出される。すなわち、上記集光レンズの集光状態に起因する明るさのムラを抑制可能である。
[適用例4]上記適用例に記載の電気光学装置であって、第2絶縁層は、基材の厚み方向に基材から遠ざかるにつれて屈折率が小さくなるように変化した層を含むことが好ましい。
この構成によれば、第2絶縁層は凹部において基材の厚み方向に基材から遠ざかるほど屈折率が小さくなるように変化した層を有していることから、例えば第2絶縁層上に第2絶縁層よりも屈折率が小さい他の絶縁層を積層しても、第2絶縁層の屈折率が小さくなった部分と他の絶縁層との界面における反射が抑制される。つまり、開口領域に入射する光の当該界面における反射を抑制し、入射した光をより有効に利用できる。
[適用例5]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本適用例の構成によれば、画素の開口領域を透過する光を表示に有効に利用可能であることから、明るく優れた表示品質を有する電子機器を提供することができる。
[適用例6]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、基材上において画素の開口領域を囲む非開口領域に、第1遮光層を形成する工程と、非開口領域における第1遮光層の上層に、画素ごとにトランジスターを形成する工程と、非開口領域におけるトランジスターの上層に、第2遮光層を形成する工程と、開口領域と非開口領域とに亘って、第1遮光層及び第2遮光層を覆うように第1絶縁層を形成する工程と、開口領域に第1絶縁層の表面から基材に亘る凹部を底部が曲面を成すように形成する工程と、凹部を埋めるように、第1絶縁層の屈折率よりも高い屈折率を有する第2絶縁層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例の製造方法によれば、開口領域に第1絶縁層の表面から基材に亘って底部が曲面を成す凹部を形成し、凹部を埋めるように、第1絶縁層の屈折率よりも高い屈折率を有する第2絶縁層を形成する。そのため、凹部の側部に沿った第1絶縁層と第2絶縁層との界面に斜めに入射した光は、界面で反射されて開口領域内に導かれるので、開口領域に入射した光を有効に利用できる。また、第1絶縁層は非開口領域において第1遮光層及び第2遮光層を覆うように形成されるので、第1遮光層及び第2遮光層の端部に向かう光も第1絶縁層と第2絶縁層との界面で反射される。つまり、第1遮光層及び第2遮光層の端部で光の回折が生じ難いので、回折した光がトランジスターに入射して光リーク電流が生ずることも抑制できる。
また、凹部の底部を埋めた第2絶縁層が集光レンズとして機能し、基材側から画素に入射した光は、上記集光レンズによって集光されるため、光を有効に利用することができる。つまり、基材側から画素に入射する光を有効に利用可能であって、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制可能な電気光学装置を製造することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の電気光学装置の製造方法であって、凹部を形成する工程では、基材をエッチングして曲面を成す底部と底部に至る側壁とを形成することが好ましい。
この製造方法によれば、基材に対し法線方向に凹部の底部に至る長さを調整して側壁を形成することで、底部を埋めた第2絶縁層による集光レンズの光路長を調整することができる。つまり、光透過率が最大化されるように側壁の長さを調整する、すなわち光路長を最適化することで、入射した光をより有効に利用できる。なお、集光レンズの光路長とは、レンズ面である底部の表面から焦点までの光軸上における長さを言う。
[適用例8]上記適用例に記載の電気光学装置の製造方法であって、第2絶縁層を形成する工程では、基材の厚み方向に基材から遠ざかるにつれて屈折率が小さくなるように変化した層を含むように第2絶縁層を形成することが好ましい。
この製造方法によれば、凹部において基材の厚み方向に基材から遠ざかるほど屈折率が小さくなるように変化した層を含むように第2絶縁層を形成することから、例えば第2絶縁層上に第2絶縁層よりも屈折率が小さい他の絶縁層を積層しても、第2絶縁層の屈折率が小さくなった部分と他の絶縁層との界面における反射が抑制される。つまり、開口領域に入射する光の当該界面における反射を抑制し、入射した光をより有効に利用できる。
第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図。 図1のH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 液晶装置の非開口領域における構造を示す概略断面図。 画素の主要な構成と開口領域及び非開口領域との関係を示す概略平面図。 図5のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示すフローチャート。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図。 第2実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。 変形例2の素子基板の構造を示す概略断面図。 変形例2の素子基板の製造方法を示す概略断面図。 変形例2の素子基板の製造方法を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、電気光学装置として、スイッチング素子である薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素ごとに備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調手段(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<電気光学装置>
まず、第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、図1のH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを備えた液晶パネル110を有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、それぞれ透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール部40を介して間隔を置いて貼り合わされている。額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶が注入され液晶層50が構成されている。なお、上記間隔に液晶を注入する方法は、例えば、額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶を滴下して、減圧下で素子基板10と対向基板20とを貼り合わせるODF(One Drop Fill)法が挙げられる。
シール部40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤を用いることができる。本実施形態では、紫外線硬化型のエポキシ樹脂が採用されている。シール部40には、一対の基板の上記間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール部40の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域E1が設けられている。また、シール部40と表示領域E1との間に表示領域E1を取り囲んで遮光性の見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属化合物などからなる。なお、表示領域E1は表示に寄与する有効な画素P以外に、有効な画素Pを囲む複数のダミー画素を含んでいてもよい。
素子基板10には、複数の外部接続用端子104が配列した端子部が設けられている。該端子部に沿った第1の辺部とシール部40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール部40と表示領域E1との間に検査回路103が設けられている。さらに、第1の辺部と直交し互いに対向する第3及び第4の辺部に沿ったシール部40と表示領域E1との間に走査線駆動回路102が設けられている。第2の辺部のシール部40と検査回路103との間に、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線(図示省略)が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線(図示省略)は、第1の辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子104に接続されている。なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と表示領域E1との間のシール部40の内側に沿った位置に設けてもよい。
以降、第1の辺部に沿った方向をX方向とし、第3の辺部に沿った方向をY方向として説明する。また、対向基板20側から素子基板10側に向かう方向に沿って見ることを「平面視」または「平面的に」と言う。
図2に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極16及びスイッチング素子であるトランジスターとしての薄膜トランジスター(以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。素子基板10は、基材10sと、基材10s上に形成された画素電極16、TFT30、信号配線、配向膜18、及び基材10s側から画素Pに入射した光を効率的に利用可能な構成を含むものである。素子基板10の詳しい構成については、後述する。
素子基板10に対向配置される対向基板20は、基材20sと、基材20s上に形成された見切り部21と、これを覆うように成膜された平坦化層22と、平坦化層22を覆い、基材20sのほぼ全面に亘って設けられ共通電極として機能する対向電極23と、対向電極23を覆う配向膜24とを含むものである。
見切り部21は、図1に示すように表示領域E1を取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光を遮光して、これらの回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域E1に入射しないように遮光して、表示領域E1の表示における高いコントラストを確保している。
なお、本実施形態では、紫外線硬化型のエポキシ樹脂を用いてシール部40が形成されているため、見切り部21は平面視でシール部40と重ならないように配置されている。よって、素子基板10と対向基板20との貼り合わせにおける位置精度とシール部40の紫外線硬化性とを考慮して、わずかではあるが隙間がある(図1参照)。
平坦化層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極16を覆う配向膜18及び対向電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,24は、例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、正の誘電異方性を有する液晶分子に対して略水平配向処理が施された有機配向膜や、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最大となるノーマリーホワイトモードや、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最小となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
本実施形態では、以降、配向膜18,24として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に図3を参照して、液晶装置100(液晶パネル110)の電気的な構成について説明する。液晶装置100は、少なくとも表示領域E1において互いに絶縁されて直交する信号配線としての複数の走査線3及び複数のデータ線6と、データ線6に沿って平行に配置された容量線7とを有する。走査線3が延在する方向がX方向であり、データ線6が延在する方向がY方向である。
走査線3、データ線6及び容量線7と、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極16と、TFT30と、蓄積容量31とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3はTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6はTFT30のソースに電気的に接続されている。画素電極16はTFT30のドレインに電気的に接続されている。
データ線6はデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3は走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6に供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3に対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6から供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極16に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極16を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極16と液晶層50を介して対向配置された対向電極23との間で一定期間保持される。画像信号D1〜Dnの周波数は、例えば60Hzである。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極16と対向電極23との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量31が接続されている。蓄積容量31は、TFT30のドレインと容量線7との間に設けられている。
なお、図1に示した検査回路103には、データ線6が接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図3の等価回路では図示を省略している。
本実施形態における画素回路を駆動制御する周辺回路は、データ線駆動回路101、走査線駆動回路102、検査回路103を含んでいる。また、周辺回路は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6に供給するサンプリング回路、データ線6に所定電圧レベルのプリチャージ信号を上記画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
<画素の構造>
次に、本実施形態の液晶装置100(液晶パネル110)における画素Pの構造について説明する。液晶装置100(液晶パネル110)は、画素Pの開口領域と、開口領域を囲む非開口領域とを有する。図4は、液晶装置の非開口領域における構造を示す概略断面図である。
図4に示すように、素子基板10の基材10s上には、まず走査線3が形成される。走査線3は、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)などの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性を有している。走査線3は、本発明における第1遮光層の一例である。
走査線3を覆うように例えば酸化シリコンなどからなる下地絶縁膜11aが形成され、下地絶縁膜11a上に島状に半導体層30aが形成される。半導体層30aは例えば多結晶シリコン膜からなり、不純物イオンが注入されて、第1ソース・ドレイン領域、接合領域、チャネル領域、接合領域、第2ソース・ドレイン領域を有するLDD(Lightly Doped Drain)構造が形成されている。
半導体層30aは、遮光性を有する走査線3の上方に設けられているため、基材10s側から半導体層30aに入射する光は遮光される。これにより、当該入射光によるTFT30の光誤動作が防止される。
半導体層30aを覆うようにゲート絶縁膜11bが形成される。さらにゲート絶縁膜11bを挟んでチャネル領域に対向する位置にゲート電極30gが形成される。
ゲート電極30gとゲート絶縁膜11bとを覆うようにして第1層間絶縁膜11cが形成され、半導体層30aのそれぞれの端部と重なる位置にゲート絶縁膜11b、第1層間絶縁膜11cを貫通する2つのコンタクトホールCNT1,CNT2が形成される。
そして、2つのコンタクトホールCNT1,CNT2を埋めると共に第1層間絶縁膜11cを覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT1を介して第1ソース・ドレイン領域に繋がるデータ線6が形成される。同時にコンタクトホールCNT2を介して第2ソース・ドレイン領域に繋がる第1中継電極6bが形成される。データ線6及び第1中継電極6bは、本発明における第2遮光層の一例である。
次に、データ線6及び第1中継電極6bと第1層間絶縁膜11cを覆って第2層間絶縁膜12が形成される。第2層間絶縁膜12は、例えばシリコンの酸化物からなる。そして、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。
第1中継電極6bと重なる位置に第2層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホールCNT3が形成される。このコンタクトホールCNT3を被覆すると共に第2層間絶縁膜12を覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、第1容量電極31aと第2中継電極31dとが形成される。
第1容量電極31aのうち、後に形成される誘電体層31cを介して第2容量電極31bと対向する部分の外縁を覆うように絶縁膜14aがパターニングされて形成される。また、第2中継電極31dのうちコンタクトホールCNT4と重なる部分を除いた外縁を覆うように絶縁膜14aがパターニングされて形成される。絶縁膜14aは、この後に形成される第2容量電極31bのパターニング時に第1容量電極31aがエッチングされることを防ぐために設けられるものである。
次に、絶縁膜14aと第1容量電極31aを覆って誘電体層31cが成膜される。誘電体層31cとしては、シリコン窒化膜や、酸化ハフニュウム(HfO2)、アルミナ(Al23)、酸化タンタル(Ta25)などの単層膜、又はこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いてもよい。平面的に第2中継電極31dと重なる部分の誘電体層31cはエッチングされて除かれる。誘電体層31cを覆うように例えばTiN(窒化チタン)などの導電膜が形成され、これをパターニングすることにより、第1容量電極31aに対向配置され、第2中継電極31dに繋がる第2容量電極31bが形成される。
誘電体層31cと、誘電体層31cを挟んで対向配置された第1容量電極31aと第2容量電極31bとにより蓄積容量31が構成される。第1容量電極31a及び第2容量電極31bは遮光性の導電膜を用いて形成されていることから、蓄積容量31は遮光性を有し、走査線3を第1遮光層とし、データ線6を第2遮光層とすると、蓄積容量31は第3遮光層に相当するものである。
次に、第2容量電極31bと誘電体層31cとを覆う第3層間絶縁膜14bが形成される。第3層間絶縁膜14bも例えばシリコンの酸化物からなり、CMP処理などの平坦化処理が施される。第3層間絶縁膜14bの膜厚に比べて、絶縁膜14aや誘電体層31cの膜厚は薄い。また、絶縁膜14a及び誘電体層31cは、必ずしも基材10sの全面に亘って形成する必要はなく、蓄積容量31の構成に係るようにパターニングしてもよい。したがって、本実施形態では、以降、蓄積容量31を覆う層間絶縁膜を第3層間絶縁膜14として扱うこととする。
第2容量電極31bのうち第2中継電極31dと接する部分に至るように第3層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホールCNT4が形成される。
このコンタクトホールCNT4を被覆すると共に第3層間絶縁膜14を覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電膜が形成され、これをパターニングすることにより、配線8aと、コンタクトホールCNT4を介して第2中継電極31dに電気的に接続される第3中継電極8bとが形成される。
配線8aは、平面的にTFT30の半導体層30aやデータ線6及び蓄積容量31と重なるように形成され、固定電位が与えられてシールド層として機能するものである。配線8a及び第3中継電極8bもまた遮光性の導電膜を用いて形成されていることから、蓄積容量31を第3遮光層とすると、配線8a及び第3中継電極8bは第4遮光層に相当するものである。
配線8aと第3中継電極8bとを覆うように第4層間絶縁膜15が形成される。第4層間絶縁膜15も、例えばシリコンの酸化物を用いて形成することができる。第4層間絶縁膜15を貫通して第3中継電極8bに至るコンタクトホールCNT5が形成される。
このコンタクトホールCNT5を被覆し、第4層間絶縁膜15を覆うようにITOなどの透明導電膜(電極膜)が成膜される。この透明導電膜(電極膜)をパターニングしてコンタクトホールCNT5を介して第3中継電極8bに電気的に繋がる画素電極16が形成される。
第3中継電極8bは、コンタクトホールCNT4、第2容量電極31b、第2中継電極31d、コンタクトホールCNT3、第1中継電極6bを介してTFT30の第2ソース・ドレイン領域と電気的に接続すると共に、コンタクトホールCNT5を介して画素電極16と電気的に接続している。
第1容量電極31aは複数の画素Pに跨るように形成され、等価回路(図3参照)における容量線7として機能している。第1容量電極31aには固定電位が与えられる。これにより、TFT30の第2ソース・ドレイン領域を介して画素電極16に与えられた電位を第1容量電極31aと第2容量電極31bとの間において保持することができる。
画素電極16を覆うように配向膜18が形成され、液晶層50を介して素子基板10に対向配置される対向基板20の対向電極23を覆うように配向膜24が形成される。前述したように、配向膜18,24は無機配向膜であって、酸化シリコンなどの無機材料を所定の方向から例えば斜め蒸着して柱状に成長させた柱状体18a,24aの集合体からなる。
このような配向膜18,24に対して負の誘電異方性を有する液晶分子LCは、配向膜面の法線方向に対して柱状体18a,24aの傾斜方向に3度〜5度のプレチルト角度θpを有して略垂直配向(VA;Vertical Alignment)する。画素電極16と対向電極23との間に交流電圧(駆動信号)を印加して液晶層50を駆動することによって液晶分子LCは画素電極16と対向電極23との間に生ずる電界方向に傾くように挙動(振動)する。
次に、画素Pにおける主要な構成の平面的な配置について、図5を参照して説明する。図5は、画素の主要な構成と開口領域及び非開口領域との関係を示す概略平面図である。
図5に示すように、液晶装置100における画素Pは、例えば平面視で略四角形(略正方形)の開口領域を有する。開口領域は、X方向とY方向とに延在し格子状に設けられた遮光性の非開口領域により囲まれている。
X方向に延在する非開口領域には、図3及び図4に示した走査線3が設けられている。走査線3は遮光性の導電部材が用いられており、走査線3によって非開口領域の一部が構成されている。
同じく、Y方向に延在する非開口領域には、図3及び図4に示したデータ線6や容量線7(第1容量電極31a)が設けられている。データ線6や容量線7(第1容量電極31a)もまた遮光性の導電膜が用いられており、これらによって非開口領域の一部が構成されている。
非開口領域の交差部には、図3及び図4に示したTFT30が設けられている。本実施形態では、TFT30の半導体層30aは、非開口領域の交差部においてY方向に延在して配置されている。半導体層30aとデータ線6との接続を図るコンタクトホールCNT1や、半導体層30aと第1中継電極6bとの接続を図るコンタクトホールCNT2もまた非開口領域に設けられている。このように遮光性を有する非開口領域の交差部にTFT30を設けることにより、開口領域における開口率を確保している。
詳しい素子基板10の構造については後述するが、交差部にTFT30を設ける関係上、交差部の非開口領域の幅は、他の部分に比べて広くなっている。なお、非開口領域の交差部において半導体層30aはY方向に延在して配置されることに限定されず、X方向に延在して配置されてもよい。したがって、非開口領域の交差部の形状は、TFT30の配置に対応したものであればよく、X方向とY方向とに均等に開口領域側にはみ出していなくてもよい。
画素Pごとに画素電極16が設けられている。画素電極16は平面視で略正方形であり、画素電極16の外縁が非開口領域と重なるようにして開口領域に設けられている。なお、図5には図示していないが、図4に示した蓄積容量31や配線8aなども非開口領域に配置されている。
本実施形態の液晶装置100は、透過型であって、素子基板10側から光が入射することを前提として、素子基板10には、TFT30に入射する光を遮光すると共に、開口領域に入射した光が素子基板10において拡散することを防いで光の利用効率を改善する構成が取り入れられている。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態の液晶装置100では、基材10sにおける画素Pの開口領域に凹部26(図6参照)が設けられている。図5に破線で示す側壁26bは、平面視における、第1絶縁層17(図6参照)と、凹部26を埋めてなる第2絶縁層13(図6参照)との界面となる部分である。以降、画素Pにおける素子基板10の構造について詳しく説明する。
図6は、図5のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図である。なお、図5のA−A’線は、画素Pの開口領域を挟んで隣り合う2つの半導体層30aの第2ソース・ドレイン領域(TFT30のドレインに相当)を横断する線分である。図6では、液晶層50に接する配向膜18,24や対向基板20の平坦化層22の図示を省略している。
図6に示すように、画素電極16を有する素子基板10と対向電極23を有する対向基板20とは液晶層50を介して対向配置されている。前述したように画素電極16は外縁が非開口領域に重なる。
基材10s上には、基材10s側から順に、第1遮光層としての走査線3、下地絶縁膜11a、TFT30の半導体層30a、ゲート絶縁膜11b、第1層間絶縁膜11c、第2遮光層としてのデータ線6、第2層間絶縁膜12、蓄積容量31、第3層間絶縁膜14、シールド層として機能する配線8a、第4層間絶縁膜15、画素電極16、が積層されている。なお、A−A’線に沿った位置ではないが、ゲート絶縁膜11bを介して半導体層30aのチャネル領域に対向するようにゲート電極30g(図6では破線で示す)が配置されている。TFT30はゲート電極30gを含むものである。
非開口領域には、遮光層として機能する、走査線3、データ線6、蓄積容量31、配線8aが配置されている。基材10s上において、走査線3とデータ線6とは基材10s側から順に基材10sの厚み方向に間隔を置いて配置され、TFT30は走査線3とデータ線6との間に配置されている。蓄積容量31を覆う第3層間絶縁膜14、及び配線8aを覆う第4層間絶縁膜15は、非開口領域と開口領域とに亘って形成されている。
本発明における第1絶縁層の一例である、下地絶縁膜11a、ゲート絶縁膜11b、第1層間絶縁膜11c、第2層間絶縁膜12は、非開口領域と開口領域とに亘って形成され、基材10s側からこの順に積層されている。本実施形態では、これらの絶縁膜(第1絶縁層)は、いずれもシリコンの酸化物(SiOx)を用いて形成されており、蒸着法、スパッタ法、CVD法などの形成方法にもよるが、その屈折率n1は、およそ1.45〜1.46である。また、基材10sは石英基板が採用されており、基材10sの屈折率はおよそ1.46である。
以下では、積層された下地絶縁膜11aとゲート絶縁膜11bと第1層間絶縁膜11cと第2層間絶縁膜12とを含めて、第1絶縁層17と表記する。
画素Pの開口領域には、凹部26が形成されている。凹部26は、第1絶縁層17の表面17aから基材10sに亘って形成されている。詳しくは、凹部26は上述した絶縁膜の積層方向に第1絶縁層17を貫通すると共に、基材10sの一部に到達するように形成されている。また、凹部26は、基材10sにおいて液晶層50と反対側に向かって凸となるように曲面状に形成された底部26aと、基材10sの厚み方向に沿った側壁26bとを有する。換言すれば、曲面を成す底部26aと、基材10sの厚み方向に沿った側壁26bとを有するように、第1絶縁層17から基材10sに掛けて凹部26が形成されている。
凹部26を埋めるように第2絶縁層13が設けられている。第2絶縁層13を構成する材料としては、例えばシリコンの酸窒化物(SiOxNy)が用いられている。第2絶縁層13の形成方法にもよるが、第2絶縁層13の屈折率をn2とすると、例えばn2は1.65〜1.85である。つまり、凹部26を埋める第2絶縁層13の屈折率n2は、第1絶縁層17及び基材10sの屈折率n1よりも大きい。
このように凹部26の底部26aが曲面を成すように形成されているため、素子基板10側から入射した光は、第2絶縁層13と基材10sとの間の屈折率の差により、平面視で第2絶縁層13の中央部側すなわち開口領域の中央部側へ屈折する。このように、凹部26の底部26aは、光を集光するマイクロレンズMLを構成している。
本実施形態の液晶装置100は、後述する投射型表示装置の光変調手段として用いられるものであって、本実施形態では、投射型表示装置の光源から発した光は、素子基板10側から入射し、素子基板10の画素電極16が配置された開口領域を通過して、対向基板20側から射出される。
図6に示すように、凹部26の底部26a(マイクロレンズML)の中心を通る光軸L0に沿って基材10sの法線方向から入射する光L1は、開口領域における、基材10s、第1絶縁層17、第2絶縁層13、第3層間絶縁膜14、第4層間絶縁膜15を透過して直進し射出される。
また、光軸L0に対して斜め方向から基材10sを透過して、素子基板10の開口領域に入射した光L2は、マイクロレンズMLにより開口領域の中央部側へ屈折される。したがって、光軸L0に対して斜め方向から基材10sを透過して、素子基板10の開口領域に入射した光L2が、TFT30の直下に配置される第1遮光層としての走査線3の端部に向かって入射したとしても、マイクロレンズMLの屈折作用により光L2の進行方向は、走査線3の端部から逸れた方向に屈折される。ゆえに、走査線3の端部で回折した光がTFT30の半導体層30aに入射して光リーク電流が生ずることが抑制される。
さらに、光軸L0に対して斜め方向から基材10sを透過して、素子基板10の開口領域に入射した光L3は、側壁26bに到達すると、側壁26bで反射して開口領域側に導かれる。これは、屈折率がn1<n2の条件を満たし、光L3が屈折率n2の第2絶縁層13から屈折率n2よりも小さい屈折率n1の第1絶縁層17に入射することで、スネルの法則に従って、第2絶縁層13との界面である側壁26bで反射することによるものである。光L3の側壁26bの法線となす入射角が臨界角θcよりも大きければ、光L3は側壁26bによって全反射される。なお、スネルの法則により、n1<n2であって、臨界角θcは、θc=arcsin(n1/n2)で表される。
したがって、光軸L0に対して斜め方向から基材10sを透過して、素子基板10の開口領域に入射した光L3が、TFT30の直下に配置される第1遮光層としての走査線3の端部に向かって入射したとしても、側壁26bで反射されるため、走査線3の端部において光の回折が生じ難い。したがって、走査線3の端部で回折した光がTFT30の半導体層30aに入射して光リーク電流が生ずることが抑制される。
走査線3の端部で回折する光を抑制する観点から、側壁26bの位置は、非開口領域から少なくとも0.1μm以上離れていることが好ましい。また、スネルの法則を利用して、側壁26bに入射する光を効率的に反射させ、且つ開口領域を透過する光を増やす観点から、側壁26bの位置は、非開口領域から0.1μm以上1.0μm以内にあることが好ましく、0.2μm以上0.5μm内にあることがより好ましい。
一方、マイクロレンズMLを成す底部26aは走査線3よりも基材10s側(下方側)となるように設定されることが好ましい。底部26aが走査線3よりも下方側にあると、第2絶縁層13と第1絶縁層17の界面である側壁26bの端が走査線3よりも下方側まで延在することとなる。そのため、素子基板10(基材10s)側からTFT30の直下に配置される第1遮光層としての走査線3の端部に向かって光が入射したとしても、側壁26bで反射される。したがって、走査線3の端部において光の回折が生じ難いので、走査線3の端部で回折した光がTFT30の半導体層30aに入射して光リーク電流が生ずることが抑制される。
換言すれば、画素Pの開口領域に設けられた凹部26が画素Pに入射する光の導光路(導波路)及びマイクロレンズMLとなり、隣り合う凹部26同士の間が実質的な非開口領域となる。
なお、後述する素子基板の製造方法によれば、容易にマイクロレンズMLを成す底部26aが走査線3よりも基材10s側(下方側)となるように、凹部26を形成することができる。
<液晶装置の製造方法>
本実施形態の液晶装置における発明の特徴部分は、上述したように、素子基板10の構造に係る。したがって、第1実施形態の液晶装置の製造方法として素子基板10の製造方法を図7〜図20を参照して説明する。図7は、第1実施形態の素子基板の製造方法を示すフローチャートである。図8〜図20は、第1実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図8〜図20は、図6に示した素子基板の構造を示す概略断面図に対応した図である。
図7に示すように、第1実施形態の素子基板10の製造方法は、走査線形成工程(ステップS01)、下地絶縁膜形成工程(ステップS02)、トランジスター形成工程(ステップS03)、第1層間絶縁膜形成工程(ステップS04)、データ線形成工程(ステップS05)、第2層間絶縁膜形成工程(ステップS06)、凹部形成工程(ステップS07)、エッチングマスク層形成工程(ステップS08)、開口部形成工程(ステップS09)を備えている。
また、素子基板10の製造方法は、ウェットエッチング処理工程(ステップS10)、エッチングマスク層除去工程(ステップS11)、第2絶縁層形成工程(ステップS12)、第2絶縁層平坦化工程(ステップS13)、蓄積容量形成工程(ステップS14)、第3層間絶縁膜形成工程(ステップS15)、シールド層形成工程(ステップS16)、第4層間絶縁膜形成工程(ステップS17)、画素電極形成工程(ステップS18)、配向膜形成工程(ステップS19)を備えている。
ステップS01からステップS05の工程には公知の方法を用いることができることから、詳細な説明を省略する。ステップS01の走査線形成工程では、図8に示すように、基材10s上の非開口領域に、第1遮光層としての走査線3を形成する。そして、ステップS02の下地絶縁膜形成工程では、図9に示すように、走査線3を覆い開口領域と非開口領域とに亘って下地絶縁膜11aを形成する。
続くステップS03のトランジスター形成工程では、図10に示すように、下地絶縁膜11a上の非開口領域にTFT30の半導体層30aを形成した後、半導体層30aを覆い開口領域と非開口領域とに亘ってゲート絶縁膜11bを形成する。ゲート絶縁膜11bは、TFT30の電気特性に影響するため膜厚が50nm〜100nm程度となるように制御される。そして、ゲート絶縁膜11b上の非開口領域にゲート電極30gを形成する。
続くステップS04の第1層間絶縁膜形成工程では、図11に示すように、ゲート電極30gを覆い開口領域と非開口領域とに亘って第1層間絶縁膜11cを形成する。第1層間絶縁膜11cは、TFT30を覆うことでその表面に凹凸が生ずることから、成膜後に例えばCMP処理などの平坦化処理を施すことが好ましい。
続くステップS05のデータ線形成工程では、図12に示すように、第1層間絶縁膜11c上の非開口領域に第2遮光層としてのデータ線6を形成する。なお、ステップS05では、第1中継電極6b(図4参照)もデータ線6と同層に形成される。そして、ステップS06の第2層間絶縁膜形成工程で、データ線6及び第1中継電極6bを覆い開口領域と非開口領域とに亘って第2層間絶縁膜12を形成する。図12に示すように、開口領域と非開口領域とに亘って形成された下地絶縁膜11aとゲート絶縁膜11bと第1層間絶縁膜11cと第2層間絶縁膜12とにより、第1絶縁層17が構成される。
続くステップS07の凹部形成工程では、第2絶縁層13の形成領域に開口を有するエッチングマスクを形成した後、第1絶縁層17及び基材10sに対してドライエッチング処理を行う。この処理により、図13に示すように、第1絶縁層17を貫通し、基材10sの一部がエッチングされて、第1絶縁層17の表面17aから基材10sに至る凹部26cが形成される。上述したように、第2絶縁層13と第1絶縁層17の界面となる側壁26bの位置(図5参照)は、非開口領域から0.1μm以上1.0μm以内にあることが好ましく、0.2μm以上0.5μm内にあることがより好ましい。
次に、ステップS08のエッチングマスク層形成工程では、図14に示すように、第2層間絶縁膜12及び凹部26cの表面を覆うように、エッチングマスク層60を形成する。このエッチングマスク層60としては、例えばp−Siや金属材料(メタルマスク)などが用いられる。
次に、ステップS09の、開口部形成工程では、図15に示すように、当該エッチングマスク層60のうち平面視で凹部26cの中央部に開口部61を形成する。当該開口部61は、例えば直径が1μm程度に形成される。
次に、ステップS10の、ウェットエッチング処理工程では、開口部61を形成した後、当該開口部61から基材10s側にエッチング溶液を浸透させ、ウェットエッチング処理を行う。この工程では、開口部61を介してエッチング溶液を供給することにより、開口部61から垂直方向に対して放射状に広がるように基材10sがエッチングされる。このため、エッチング後には、図16に示すように、基材10sの外側の表面に向かって凸となる曲面状の底部26aが形成される。
さらに、ステップS11の、エッチングマスク層除去工程では、曲面状の底部26aを形成した後、図17に示すように、エッチングマスク層60を除去する。これにより、開口領域に凹部26が形成される。なお、この後、底部26aに対してドライエッチング処理を行うことにより底部26aを掘り下げ、側壁26bの長さを調整しても構わない。
次に、ステップS12の第2絶縁層形成工程では、図18に示すように、凹部26を埋めるように、開口領域と非開口領域とに亘って、第2絶縁層13を形成する。第2絶縁層13の形成方法としては、モノシラン(SiH4)ガスと、アンモニア(NH3)ガスと、酸素(O2)ガスとを原料ガスに用いたプラズマCVD法を挙げることができる。これにより、第2絶縁層13として、屈折率が1.65〜1.85のシリコンの酸窒化物(SiOxNy)を形成することができる。
続くステップS13の第2絶縁層平坦化工程では、成膜された第2絶縁層13を平坦化する。具体的には、図19に示すように、例えばCMP処理やエッチングを組み合わせて処理することにより、非開口領域において第1絶縁層17が露出するまで第2絶縁層13を平坦化する。これにより、非開口領域に第1絶縁層17が露出すると共に、開口領域において、凹部26を埋める第2絶縁層13が形成される。
以降のステップS14〜ステップS19は、それぞれ公知の方法を用いることができる。具体的には、図20に示すように、ステップS14では非開口領域に蓄積容量31を形成し、ステップS15では蓄積容量31を覆う第3層間絶縁膜14を形成し、ステップS16では第3層間絶縁膜14上において非開口領域にシールド層として機能する配線8aを形成する。
ステップS17では配線8aを覆う第4層間絶縁膜15を形成し、ステップS18では第4層間絶縁膜15上に画素ごとに画素電極16を形成する。さらに、ステップS19では画素電極16を覆う配向膜18を形成する。なお、図20には配向膜18の図示を省略しているが、本実施形態では、酸化シリコンを斜め蒸着することにより柱状体18aの集合体である配向膜18を形成する(図4参照)。以上により、素子基板10が完成する。
第1実施形態の液晶パネル110の素子基板10の構成及び製造方法によれば、以下の効果が得られる。
開口領域において第1絶縁層17の表面17aから基材10sに亘るように形成した凹部26を埋めるように第2絶縁層13が設けられている。そのため、凹部26に沿った第1絶縁層17と第2絶縁層13との界面をなす側壁26bに斜めに入射した光は、側壁26bで反射されて開口領域内に導かれるので、開口領域に入射した光を有効に利用できる。
また、第1絶縁層17は非開口領域に形成された第1遮光層としての走査線3を覆うので、基材10s側から入射し、走査線3の端部に向かう光も側壁26bで反射される。つまり、走査線3の端部で光の回折が生じ難いので、回折した光がTFT30に入射して光リーク電流が生ずることが抑制できる。
さらに、凹部26の底部26aを埋めた第2絶縁層13が集光レンズ(マイクロレンズML)として機能し、基材10s側から画素Pに入射した光は、凹部26の曲面状の底部26aによって集光されるため、入射した光を有効に利用できる。
これらの結果、明るく優れた表示品質を有する電気光学装置としての液晶装置100を提供あるいは製造することができる。
なお、第1絶縁層17は非開口領域に形成された第2遮光層としてのデータ線6を覆うので、液晶装置100から射出した光が迷光となって対向基板20の基材20s側から入射し、データ線6の端部に向かう光もまた側壁26bで反射される。つまり、データ線6の端部で光の回折が生じ難いので、回折した光がTFT30に入射して光リーク電流が生ずることも抑制できる。
(第2実施形態)
<電気光学装置>
次に、第2実施形態の電気光学装置としての液晶装置について、図21を参照して説明する。図21は、第2実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図21は、図5のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図に相当する。第2実施形態の液晶装置の液晶パネル110Aは、第1実施形態の液晶パネル110に対して、素子基板10Aの構成が異なる。ここでは、第2実施形態の液晶パネル110Aにおける素子基板10Aの構成及びその製造方法について、第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図21に示すように、第2実施形態の液晶パネル110Aは、素子基板10Aと対向基板20との間に挟持された液晶層50を有する。素子基板10Aは、第1実施形態の素子基板10に対して、凹部26を埋める第2絶縁層13Mが凹部26の側壁26b及び底部26aに接する第1層13aと、第1層13aに対して順に積層された第2層13b及び第3層13cで構成されている点が異なる。
本実施形態における第2絶縁層13Mは、第1実施形態と同様に、例えばシリコンの酸窒化物(SiOxNy)を用いて形成されている。第2絶縁層13Mの形成方法にもよるが、側壁26b及び底部26aに接する第1層13aの屈折率をn2とすると、例えばn2は1.65〜1.85である。第1層13aに接する第2層13bの屈折率をn3とすると、例えばn3は、1.55〜1.70である。第2層13bに接する第3層13cの屈折率をn4とすると、例えばn4は1.50〜1.55である。
第3層13cの屈折率n4は、側壁26bを成す第1絶縁層17の屈折率n1に近い値である。すなわち、第2絶縁層13Mは、厚み方向に基材10sから遠ざかるほど、屈折率がn2から小さくなるように変化した部分を有している。この屈折率がn2から小さくなるように変化した部分は、本実施形態では屈折率が段階的に変化する3つの層、つまり第1層13a、第2層13b、第3層13cが積層された部分となっている。屈折率がn1の第3層間絶縁膜14は、開口領域において、第2絶縁層13Mの第1層13a(屈折率n2)、第2層13b(屈折率n3)、第3層13c(屈折率n4)と接している。
なお、第2絶縁層13Mを構成する層の積層数は3つに限定されるものではなく、第2絶縁層13Mは、屈折率が異なる少なくとも2つ以上の層からなる構成であればよい。あるいは、第2絶縁層13Mは、厚み方向に基材10sから遠ざかるにつれて屈折率がn2から連続的に小さくなる構成であってもよい。
第2実施形態の素子基板10Aにおいても第1実施形態と同様に、光軸L0に沿って基材10sの法線方向から入射する光L1は、開口領域における、基材10s、第2絶縁層13M、第3層間絶縁膜14、第4層間絶縁膜15を透過して射出される。また、光軸L0に対して斜め方向から基材10sを透過して、素子基板10の開口領域において走査線3の端部に向かって入射した光L2は、マイクロレンズMLにより開口領域の中央部側へ屈折される。
さらに、光軸L0に対して斜め方向から基材10sを透過して、素子基板10の開口領域に入射した光L3は、側壁26bに到達すると、側壁26bで反射して開口領域側に導かれる。
したがって、第2実施形態の素子基板10Aにおいても、第1実施形態と同様に、開口領域に入射した光を有効に利用でき、走査線3の端部で回折した光がTFT30に入射して光リーク電流が生ずることも抑制できる。なお、走査線3の端部で回折する光を抑制する観点から、凹部26の側壁26bに接する部分の屈折率がn2の第1層13aの厚みは1μm以上であることが好ましい。
一方、図21に示すように、例えば、基材10s及び第2絶縁層13Mの第1層13aを透過して第2層13bに入射した光L4は、第1層13aと第2層13bの屈折率の違いから、破線で示した光L5のように直進せずに、第2層13bを透過して第3層間絶縁膜14に入射する。第3層間絶縁膜14に入射した光L4は、屈折率が異なる第3層間絶縁膜14と第2絶縁層13Mとの界面で光L4の一部が破線で示すように反射し、残りが透過する。
また、例えば、基材10s、第2絶縁層13Mの第1層13a及び第2層13b並びに第3層13cを透過して第3層間絶縁膜14に入射した光は、第3層13cと第3層間絶縁膜14の屈折率の差が小さいことから、第3層間絶縁膜14と第3層13cとの界面での反射が抑制されて第3層間絶縁膜14を透過する。
言い換えれば、第3層間絶縁膜14との界面において第2絶縁層13Mは屈折率がn2から小さくなるように変化していることから、当該界面に接する第2絶縁層13Mの屈折率がn2である場合に比べて、当該界面での反射が抑えられる。すなわち、素子基板10Aの開口領域に入射した光は、開口領域を透過する際に拡散し難く、液晶層50を透過して効率よく対向基板20から射出される。当該界面での反射を抑える観点では、第3層間絶縁膜14の屈折率と第2絶縁層13Mにおける第3層13cの屈折率とが同じであることがより好ましい。
<液晶装置の製造方法>
第2実施形態の液晶装置の製造方法として、素子基板10Aの製造方法を図22及び図23を参照して説明する。図22及び図23は、第2実施形態の素子基板の製造方法を示す概略断面図である。第2実施形態の素子基板10Aの製造方法では、図7に示す第2絶縁層形成工程(ステップS12)において、屈折率が異なる層を積層して第2絶縁層13Mを形成する点が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様の工程については、その説明を省略する。
ステップS12では、図22に示すように、凹部26を埋めるように、開口領域と非開口領域とに亘って、屈折率が異なる第1層13a、第2層13b、第3層13cを順に成膜して積層することにより第2絶縁層13Mを形成する。このような第2絶縁層13Mの形成方法としては、モノシラン(SiH4)ガスと、アンモニア(NH3)ガスと、酸素(O2)ガスとを原料ガスに用いたプラズマCVD法を挙げることができる。
原料ガスの流量に占めるアンモニア(NH3)ガスの流量を変えることにより、成膜後に得られる酸窒化シリコン(SiOxNy)膜の屈折率を変えることができる。アンモニア(NH3)ガスの流量を増やすと、得られる酸窒化シリコン膜の屈折率は窒化シリコン膜の屈折率(およそ1.9)に近づき、屈折率が1.85程度となる。アンモニア(NH3)ガスの流量を「0;ゼロ」とすれば、屈折率はSiOxの屈折率の値となる。
したがって、始めに原料ガスの流量に占めるアンモニア(NH3)ガスの流量を増やして、まず屈折率がn2の第1層13aを成膜する。その後、アンモニアガスの流量を減らして、屈折率が第1層13aよりも小さい第2層13bを形成する。さらに、アンモニアガスの流量を減らして、屈折率が第2層13bよりも小さくなるように第3層13cを形成する。
各層の膜厚は、成膜時間で制御する。このような第2絶縁層13Mの総膜厚は、凹部26のアスペクト比(凹部26の深さ/凹部26の開口の大きさ)にもよるが、おおよそ1μm〜3μmである。なお、アンモニア(NH3)ガスの流量を時間と共に変化させることで、屈折率がn2から連続的に変化した第2絶縁層13Mを形成することも可能である。ただし、成膜条件の制御が難しくなったり、途中で成膜を止めるなどといった弾力的な対応ができ難くなったりすることから、本実施形態のように、第2絶縁層13Mを屈折率が異なる複数層からなるように形成することが、生産性の観点から好ましい。
続くステップS13の第2絶縁層平坦化工程では、図23に示すように、成膜された第2絶縁層13Mを平坦化することにより、非開口領域に第1絶縁層17が露出すると共に、開口領域において屈折率が異なる第1層13a、第2層13b、第3層13cで構成された第2絶縁層13Mが凹部26を埋めて形成される。
第2実施形態の液晶パネル110Aの素子基板10Aの構成及び製造方法によれば、第2絶縁層13Mが基材10sの厚み方向に基材10sから遠ざかるほど屈折率が小さくなるように変化した層(第1層13a、第2層13b、第3層13c)を有しているので、開口領域に入射する光に対して第3層間絶縁膜14と第2絶縁層13Mとの界面における反射を抑制することができる。これにより、第1実施形態と比べて、入射した光をより有効に利用できるので、より明るく優れた表示品質を有する液晶装置100を提供あるいは製造することができる。
また、第1層13a、第2層13b、第3層13cの順に屈折率が小さくなることから、例えば、図21において光L4は第1層13aと第2層13bの界面において、破線で示された光L5のように直進せず、光軸L0となす角度が小さくなる方向へ屈折される。よって、マイクロレンズMLとして機能する底部26aによる集光の光軸L0上における焦点距離が、上記第1実施形態に比べて長くなる。また、底部26aに入射した光が第1層13aを透過した後に他の層をどのように透過するかによって、透過した光の光軸L0上における焦点の位置が変化する。すなわち、上記第1実施形態の凹部26を埋めた第2絶縁層13によるマイクロレンズMLで集光された光は、光軸L0上で1つの焦点に集光されるのに対して、本実施形態のマイクロレンズMLは多焦点となることから集光状態に起因する明るさのムラを抑制可能である。
(第3実施形態)
<電子機器>
次に、第3実施形態の電子機器として、投射型表示装置を例に挙げて説明する。図24は、第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図24に示すように、第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108とを備えている。また、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した第1実施形態の液晶装置100が適用されたものである。液晶パネル110の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記液晶装置100が用いられているので、明るい表示が可能であって高いコントラストを実現できることから、優れた表示品質を有する投射型表示装置1000を提供することができる。なお、上述した第2実施形態の液晶装置を液晶ライトバルブ1210,1220,1230として用いても同様な効果を奏する。
また、本実施形態の投射型表示装置1000では、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)のそれぞれに対応した例えばレーザー光源やLEDなどの固体光源を設けてもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
素子基板10,10Aの構造は、上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、非開口領域に配置される第1遮光層は、走査線3であることに限定されず、例えば単なる遮光層であってもよい。また、TFT30の上方に配置される第2遮光層は直上に位置するデータ線6であることに限定されない。
(変形例2)
素子基板10,10Aの構造は、上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。図25は変形例2の素子基板の構造を示す概略断面図である。例えば、図25に示すように、変形例2の素子基板10Bにおいて、凹部26の底部26aは光軸L0に直交する平面部26fを含むとしてもよい。図26及び図27は変形例2の素子基板の製造方法を示す概略断面図である。変形例2の素子基板10Bにおける凹部26の形成方法としては、上記第1実施形態及び第2実施形態におけるステップS09において、図26に示すようにエッチングマスク層60における開口部62の直径を所望の大きさに形成することにより、ステップS10のウェットエッチング処理において、図27に示すように凹部26に開口部62の形状が転写された平面部26fが形成される。このようにすれば、平面部26fを通過した光はマイクロレンズMLによって屈折しても光軸L0となす角度が小さくなり、光軸L0に対して平行に近い状態で対向基板20から射出される。すなわち、マイクロレンズMLの集光状態に起因する明るさのムラを抑制可能である。
(変形例3)
上記第1実施形態及び第2実施形態の液晶装置を適用可能な電子機器は、上記第3実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置として画素に着色層を有するカラーフィルターを備える構成とすることで、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
3…第1遮光層としての走査線、6…第2遮光層としてのデータ線、10s…基材、30…薄膜トランジスター(TFT)、13,13M…第2絶縁層、17…第1絶縁層、17a…第1絶縁層の表面、26…凹部、26a…凹部の底部、26b…凹部の側壁、26f…凹部の底部における平面部、100…電気光学装置としての液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置。

Claims (8)

  1. 基材上において画素の開口領域を囲む非開口領域に設けられ、前記基材側から順に前記基材の厚み方向に間隔を置いて配置された第1遮光層及び第2遮光層と、
    前記第1遮光層と前記第2遮光層との間に、前記画素ごとに設けられたトランジスターと、
    前記開口領域と前記非開口領域とに亘って設けられ、前記第1遮光層及び前記第2遮光層を覆うように配置された第1絶縁層と、
    前記開口領域に前記第1絶縁層の表面から前記基材に亘って設けられた凹部と、
    前記第1絶縁層の屈折率よりも高い屈折率を有し、前記凹部を埋めてなる第2絶縁層と、を備え、前記凹部の底部が曲面を成していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記凹部は、前記基材において前記底部に至る側壁を有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記凹部の底部は、平面視で前記底部の中心を通る光軸に直交する平面部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第2絶縁層は、前記基材の厚み方向に前記基材から遠ざかるにつれて屈折率が小さくなるように変化した層を含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  6. 基材上において画素の開口領域を囲む非開口領域に、第1遮光層を形成する工程と、
    前記非開口領域における前記第1遮光層の上層に、前記画素ごとにトランジスターを形成する工程と、
    前記非開口領域における前記トランジスターの上層に、第2遮光層を形成する工程と、
    前記開口領域と前記非開口領域とに亘って、前記第1遮光層及び前記第2遮光層を覆うように第1絶縁層を形成する工程と、
    前記開口領域に前記第1絶縁層の表面から前記基材に亘る凹部を底部が曲面を成すように形成する工程と、
    前記凹部を埋めるように、前記第1絶縁層の屈折率よりも高い屈折率を有する第2絶縁層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 前記凹部を形成する工程では、前記基材をエッチングして前記曲面を成す前記底部と前記底部に至る側壁とを形成することを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 前記第2絶縁層を形成する工程では、前記基材の厚み方向に前記基材から遠ざかるにつれて屈折率が小さくなるように変化した層を含むように前記第2絶縁層を形成することを特徴とする請求項6または7に記載の電気光学装置の製造方法。
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WO2024040746A1 (zh) * 2022-08-26 2024-02-29 武汉华星光电技术有限公司 显示面板及显示装置

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