JP2019039943A - 電気光学装置、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】画素のトランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制可能な遮光層を備えた電気光学装置を提供すること。
【解決手段】電気光学装置は、透光性の基板としての基材10sに設けられた遮光層3に下地絶縁膜11aを介して画素ごとに設けられたスイッチング素子としての薄膜トランジスター30を備え、遮光層3は、基材10s側に設けられた無酸素系の金属化合物からなる第1バリア層31と、第1バリア層31上に設けられた金属からなるメタル層33と、少なくともメタル層33を覆う上記金属化合物からなる第2バリア層32と、を含み、基材10sの法線方向における平面視において、遮光層3のうち、半導体層30aの少なくともチャネル領域30cと重なる第1の部分3aと、第1の部分3a以外の第2の部分3bとでは、メタル層33の膜厚が異なり、第1の部分3aに比べて第2の部分3bの遮光性が低い。
【選択図】図6

Description

本発明は、電気光学装置、該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
電気光学装置として、例えばアクティブ駆動型の液晶装置が知られている。アクティブ駆動型の液晶装置は、画素ごとに設けられたスイッチング素子により画素電極に印加される電位を制御して表示を行わせるものである。このようなアクティブ駆動型の液晶装置を例えば投射型表示装置の光変調手段として用いる場合、光源から画素に強い光が入射することから、画素に入射した光によってスイッチング素子に光リーク電流が流れ、動作が不安定になることを防ぐ必要がある。
例えば、特許文献1には、絶縁基板上に、単結晶シリコンからなる半導体層が設けられ、半導体層に対向する位置には、高融点の金属単体または金属化合物からなるメタル層と、メタル層の少なくとも一方の面に積層された無酸素系の高融点の金属単体または金属化合物からなるバリア層とを有する遮光膜が設けられた電気光学装置用基板を備えた電気光学装置が提案されている。
上記特許文献1の電気光学装置によれば、遮光膜を形成した後に高温処理が行われても、無酸素系の高融点の金属単体または金属化合物から成るバリア層が、メタル層の酸化現象を抑制する。したがって、メタル層の酸化現象で遮光膜の遮光性能が低下することを防いで、遮光膜における遮光性を確保できるとしている。ゆえに、単結晶シリコンからなる半導体層を有する素子に入射する光を遮光膜で遮光して、光リーク電流の発生を抑制できるとしている。
特開2002−131778号公報
上記特許文献1では、透光性の絶縁基板上にメタル層とバリア層とを積層した遮光膜を形成し、当該遮光膜に対して絶縁膜を介して半導体層を形成する例が挙げられている。しかしながら、遮光膜は、金属単体または金属化合物を用いて構成されるため、遮光膜における遮光性は、入射した光を吸収したり反射したりすることで確保される。それゆえに、絶縁基板の法線方向に対して遮光膜と半導体層との間に斜め方向から入射した光が遮光膜で反射して半導体層に入射するおそれがある。画素に入射する光の強度が強いほどこのような斜め光による光リーク電流の発生を防ぐ必要があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る電気光学装置は、透光性の基板と、前記基板に設けられた遮光層と、前記遮光層に絶縁膜を介して画素ごとに設けられたスイッチング素子としてのトランジスターと、を備え、前記遮光層は、前記基板側に設けられた無酸素系の金属化合物からなる第1バリア層と、前記第1バリア層上に設けられた金属からなるメタル層と、少なくとも前記メタル層を覆う金属化合物からなる第2バリア層と、を含み、前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層のうち、前記トランジスターの半導体層の少なくともチャネル領域と重なる第1の部分と、前記第1の部分以外の第2の部分とでは、前記遮光層の層構成または前記メタル層の膜厚が異なり、前記第1の部分に比べて前記第2の部分の遮光性が低い。
トランジスターにおける光リーク電流の発生は、主にトランジスターの半導体層のチャネル領域に光が入射することで生ずる。
本適用例によれば、遮光層において、半導体層の少なくともチャネル領域と平面視で重なる第1の部分に比べて、第1の部分以外の第2の部分の遮光性を低くすることで第2の部分に入射した光の一部を透過させる。これによって、第1の部分と第2の部分とで反射率が異なることになり、第2の部分で反射してチャネル領域に入射する光を低減することができる。このように、遮光層における第2の部分の遮光性を低くすることは、遮光層の層構成やメタル層の膜厚を第1の部分と異ならせることで可能である。つまり、従来に比べて、画素に入射した光による光リーク電流の発生を抑制して、安定した駆動状態が得られる電気光学装置を提供することができる。
なお、金属からなるメタル層は、無酸素系の金属化合物からなる第1バリア層と第2バリア層とに挟まれているため、高温プロセスでトラジスターを形成する際の熱処理によって第1メタル層が酸化し、その影響で、遮光層の遮光性が低下することを防ぐことができる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層は、前記チャネル領域と、第1ソース・ドレイン領域と、第2ソース・ドレイン領域と、を含み、前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層の前記第1の部分は、前記半導体層の前記チャネル領域及び第2ソース・ドレイン領域と重なり、前記遮光層の前記第2の部分は、前記半導体層の第1ソース・ドレイン領域と重なり、前記第2の部分における前記メタル層の膜厚は、前記第1の部分における前記メタル層の膜厚よりも薄いことが好ましい。
半導体層における第2ソース・ドレイン領域をトランジスターにおけるドレインとし、半導体層における第1ソース・ドレイン領域をトランジスターのソースとするとき、ソースには電位が変化する画像信号が入力されるため、第1ソース・ドレイン領域に光が入射しても光リーク電流が生じ難い。一方、トランジスターのドレインは出力側となることから光リーク電流によって電位が変動することを避けることが好ましい。
この構成によれば、半導体層の第1ソース・ドレイン領域に重なる遮光層の第2の部分におけるメタル層の膜厚を第1の部分に比べて薄くすることで、第1の部分に比べて第2の部分の遮光性が低くなる。よって、遮光層の第1の部分における遮光性を確保しつつ、第2の部分で反射した光によるトランジスターの光リーク電流の発生を抑制することができる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層は、前記チャネル領域と、第1ソース・ドレイン領域と、第2ソース・ドレイン領域と、を含み、前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層の前記第1の部分は、前記半導体層の前記チャネル領域及び前記第2ソース・ドレイン領域と重なり、前記遮光層の前記第2の部分は、前記半導体層の前記第1ソース・ドレイン領域と重なり、前記第1の部分は前記第1バリア層と前記メタル層と前記第2バリア層とからなり、前記第2の部分は前記第1バリア層と前記第2バリア層とからなることが好ましい。
この構成によれば、遮光層の第1の部分と第2の部分とでは層構成が異なっている。具体的には、第2の部分は、メタル層を含んでいないことから、第2の部分の遮光性が低くなる。よって、遮光層の第2の部分で反射した光によるトランジスターの光リーク電流の発生を抑制することができる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層は、前記チャネル領域と、第1ソース・ドレイン領域と、第2ソース・ドレイン領域と、を含み、前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層の前記第1の部分は、前記半導体層の前記チャネル領域及び前記第2ソース・ドレイン領域と重なり、前記遮光層の前記第2の部分は、前記半導体層の前記第1ソース・ドレイン領域と重なり、前記第1の部分は、前記第1バリア層と、前記第1バリア層上に設けられた金属からなる第1メタル層と、少なくとも前記第1メタル層を覆う前記第2バリア層と、前記第2バリア層上に設けられた金属からなる第2メタル層と、少なくとも前記第2メタル層を覆う前記金属化合物からなる第3バリア層とからなり、前記第2の部分は、前記第1バリア層と、前記第1メタル層と、前記第2バリア層と、前記第2バリア層を覆う前記第3バリア層とからなり、前記第2メタル層の膜厚は、前記第1メタル層の膜厚よりも薄いことが好ましい。
この構成によれば、遮光層の第1の部分と第2の部分とで構成が異なり、第2の部分は第2メタル層を含まずに構成されている。したがって、遮光層の第1の部分に比べて第2の部分の遮光性が低くなる。また、トランジスターに近い側に配置された第2メタル層の膜厚は、第1メタル層の膜厚よりも薄いことから、遮光層にトランジスター側から入射する光は、その一部が第2メタル層を透過しやすくなる。つまり、遮光層とトランジスターとの間に入射して遮光層の第1の部分に入射した光の反射率を低下させることができるので、第1の部分の光の反射によるトランジスターの光リーク電流の発生を抑制できる。
なお、金属からなる第1メタル層は、無酸素系の金属化合物からなる第1バリア層と第2バリア層とに挟まれ、同じく金属からなる第2メタル層は、無酸素系の金属化合物からなる第2バリア層と第3バリア層とに挟まれているため、高温プロセスでトラジスターを形成する際の熱処理によって第2メタル層が酸化しても第1メタル層の遮光性は維持される。また、第2メタル層の酸化が進んで遮光性が低下すると、第2メタル層を含む遮光層の第1の部分の反射率も低下するので、第1の部分の光の反射によるトランジスターの光リーク電流の発生を抑制できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層は、前記チャネル領域と前記第2ソース・ドレイン領域との間に、前記第2ソース・ドレイン領域よりも不純物の濃度が低い低濃度領域を含み、前記第1の部分は、少なくとも前記チャネル領域及び前記低濃度領域並びに前記第2ソース・ドレイン領域と重なることが好ましい。
この構成によれば、遮光層とトランジスターとの間に入射して遮光層の第1の部分によって反射した光が半導体層のチャネル領域及び低濃度領域並びに第2ソース・ドレイン領域に入射することによるトランジスターの光リーク電流の発生を抑制できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記金属化合物は、W、Mo、Crの中から選ばれる金属のシリサイドであり、前記金属は、Ti、Zr、Hfの中から選ばれることが好ましい。
この構成によれば、Ti、Zr、HfはSiに比べて酸素(O)と結合し易い。これに対して、W、Mo、Crは酸素(O)に比べてSiと結合し易いことから、金属を金属のシリサイドで覆うことによって、金属が酸化することを抑制することができる。つまり、金属が酸化することで遮光層の透過率が向上し遮光性が低下することを防ぐことができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、画素に強い光が入射しても動作が不安定になり難い電気光学装置を備えているので、安定した表示動作が得られる電子機器を提供することができる。
第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図。 図1のH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 液晶装置の画素の構造を示す概略断面図。 画素の主要な構成と開口領域及び非開口領域との関係を示す概略平面図。 図5のA−A’線に沿った第1実施形態におけるトランジスター及び遮光層の構造を示す概略断面図。 第1実施形態のトランジスターに向かって入射する光の一例を示す概略断面図。 遮光層の形成方法を示す概略断面図。 遮光層の形成方法を示す概略断面図。 遮光層の形成方法を示す概略断面図。 遮光層の形成方法を示す概略断面図。 第2実施形態におけるトランジスター及び遮光層の構造を示す概略断面図。 第2実施形態のトランジスターに向かって入射する光の一例を示す概略断面図。 第2実施形態の遮光層の形成方法を示す概略断面図。 第3実施形態におけるトランジスター及び遮光層の構造を示す概略断面図。 第3実施形態のトランジスターに向かって入射する光の一例を示す概略断面図。 比較例の遮光層の反射分光特性を示すグラフ。 実施例1の遮光層の反射分光特性を示すグラフ。 実施例2の遮光層の反射分光特性を示すグラフ。 実施例3の遮光層の反射分光特性を示すグラフ。 第4実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、電気光学装置として、スイッチング素子である薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素ごとに備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調手段(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<電気光学装置>
まず、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1のH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図である。図3は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを備えた液晶パネル110を有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、それぞれ透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。素子基板10の基材10sは、本発明における透光性の基板の一例である。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール部40を介して間隔を置いて貼り合わされている。額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶が注入され液晶層50が構成されている。なお、上記間隔に液晶を注入する方法は、例えば、額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶を滴下して、減圧下で素子基板10と対向基板20とを貼り合わせるODF(One Drop Fill)法が挙げられる。
シール部40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤を用いることができる。本実施形態では、紫外線硬化型のエポキシ樹脂が採用されている。シール部40には、一対の基板の上記間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール部40の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域E1が設けられている。また、シール部40と表示領域E1との間に表示領域E1を取り囲んで遮光性の見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなる。なお、表示領域E1は表示に寄与する有効な画素P以外に、有効な画素Pを囲む複数のダミー画素を含んでいてもよい。
素子基板10には、複数の外部接続用端子104が配列した端子部が設けられている。該端子部に沿った第1の辺部とシール部40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール部40と表示領域E1との間に検査回路103が設けられている。さらに、第1の辺部と直交し互いに対向する第3及び第4の辺部に沿ったシール部40と表示領域E1との間に走査線駆動回路102が設けられている。第2の辺部のシール部40と検査回路103との間に、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線(図示省略)が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線(図示省略)は、第1の辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子104に接続されている。なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と表示領域E1との間のシール部40の内側に沿った位置に設けてもよい。
以降、第1の辺部に沿った方向をX方向とし、第3の辺部に沿った方向をY方向として説明する。また、対向基板20側から素子基板10側に向かう方向に沿って見ることを「平面視」または「平面的に」と言う。
図2に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15及びスイッチング素子である薄膜トランジスター(以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。素子基板10は、基材10sと、基材10s上に形成された画素電極15、TFT30、信号配線、配向膜18を含むものである。素子基板10の詳しい構成については、後述する。
素子基板10に対向配置される対向基板20は、基材20sと、基材20s上に形成された見切り部21と、これを覆うように成膜された平坦化層22と、平坦化層22を覆い、基材20sのほぼ全面に亘って設けられ共通電極として機能する対向電極23と、対向電極23を覆う配向膜24とを含むものである。
見切り部21は、図1に示すように表示領域E1を取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光を遮蔽して、これらの回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域E1に入射しないように遮蔽して、表示領域E1の表示における高いコントラストを確保している。なお、本実施形態では紫外線硬化型のエポキシ樹脂を用いてシール部40が形成されているため、見切り部21は平面視でシール部40と重ならないように配置されている。よって、素子基板10と対向基板20との貼り合わせにおける位置精度とシール部40の紫外線硬化性とを考慮して、わずかではあるが隙間がある(図1参照)。
平坦化層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18及び対向電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,24は、例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、正の誘電異方性を有する液晶分子に対して略水平配向処理が施された有機配向膜や、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最大となるノーマリーホワイトモードや、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最小となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
本実施形態では、以降、配向膜18,24として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に図3を参照して、液晶装置100(液晶パネル110)の電気的な構成について説明する。液晶装置100は、少なくとも表示領域E1において互いに絶縁されて直交する信号配線としての複数の走査線3及び複数のデータ線6と、データ線6に沿って平行に配置された容量線7とを有する。走査線3が延在する方向がX方向であり、データ線6が延在する方向がY方向である。
走査線3、データ線6及び容量線7と、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、蓄積容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3はTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6はTFT30のソースに電気的に接続されている。画素電極15はTFT30のドレインに電気的に接続されている。
データ線6はデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3は走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6に供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3に対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6から供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された対向電極23との間で一定期間保持される。画像信号D1〜Dnの周波数は例えば60Hzである。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極23との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量16が接続されている。蓄積容量16は、TFT30のドレインと容量線7との間に設けられている。
なお、図1に示した検査回路103には、データ線6が接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図3の等価回路では図示を省略している。
本実施形態における画素回路を駆動制御する周辺回路は、データ線駆動回路101、走査線駆動回路102、検査回路103を含んでいる。また、周辺回路は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6に供給するサンプリング回路、データ線6に所定電圧レベルのプリチャージ信号を上記画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
<画素の構造>
次に、本実施形態の液晶装置100(液晶パネル110)における画素Pの構造について説明する。図4は、液晶装置の画素の構造を示す概略断面図である。
図4に示すように、素子基板10の基材10s上には、まず走査線3が形成される。走査線3は、Cr(クロム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)の中から選ばれる金属の無酸素系の金属化合物としての金属シリサイドを用いて形成されたバリア層と、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)の中から選ばれる金属を用いて形成されたメタル層とを含んで構成されている。走査線3は本発明における遮光層の一例である。したがって、走査線3を遮光層3と呼ぶこともある。走査線(遮光層)3の詳しい構成については、後述する。
走査線3を覆うように例えば酸化シリコンなどからなる下地絶縁膜11aが形成され、下地絶縁膜11a上に島状に半導体層30aが形成される。半導体層30aは例えば多結晶シリコン膜からなり、不純物イオンが注入されて、第1ソース・ドレイン領域、接合領域、チャネル領域、接合領域、第2ソース・ドレイン領域を有するLDD(Lightly Doped Drain)構造が形成されている。
半導体層30aは、遮光性を有する走査線3の上方に設けられているため、基材10s側から半導体層30aに入射する光は遮光される。これにより、当該入射光によってTFT30に光リーク電流が発生し、動作が不安定になることが防止される。
半導体層30aを覆うようにゲート絶縁膜11bが形成される。さらにゲート絶縁膜11bを挟んでチャネル領域に対向する位置にゲート電極30gが形成される。
ゲート電極30gとゲート絶縁膜11bとを覆うようにして第1層間絶縁膜11cが形成され、半導体層30aのそれぞれの端部と重なる位置にゲート絶縁膜11b、第1層間絶縁膜11cを貫通する2つのコンタクトホールCNT1,CNT2が形成される。
そして、2つのコンタクトホールCNT1,CNT2を埋めると共に第1層間絶縁膜11cを覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物、不純物をドープしたポリシリコンなどの遮光性の導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT1を介して第1ソース・ドレイン領域(TFT30のソース)に繋がるデータ線6が形成される。同時にコンタクトホールCNT2を介して第2ソース・ドレイン領域(TFT30のドレイン)に繋がる第1中継電極6bが形成される。
次に、データ線6及び第1中継電極6bと第1層間絶縁膜11cを覆って第2層間絶縁膜12が形成される。第2層間絶縁膜12は、例えばシリコンの酸化物からなる。そして、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。
第1中継電極6bと重なる位置に第2層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホールCNT3が形成される。このコンタクトホールCNT3を被覆すると共に第2層間絶縁膜12を覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、第1容量電極16aと第2中継電極16dとが形成される。
第1容量電極16aのうち、後に形成される誘電体層16cを介して第2容量電極16bと対向する部分の外縁を覆うように絶縁膜13aがパターニングされて形成される。また、第2中継電極16dのうちコンタクトホールCNT4と重なる部分を除いた外縁を覆うように絶縁膜13aがパターニングされて形成される。絶縁膜13aは、この後に形成される第2容量電極16bのパターニング時に第1容量電極16aがエッチングされることを防ぐために設けられるものである。
次に、絶縁膜13aと第1容量電極16aを覆って誘電体層16cが成膜される。誘電体層16cとしては、シリコン窒化膜や、酸化ハフニュウム(HfO2)、アルミナ(Al23)、酸化タンタル(Ta25)などの単層膜、又はこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いてもよい。平面的に第2中継電極16dと重なる部分の誘電体層16cはエッチングされて除かれる。誘電体層16cを覆うように例えばTiN(窒化チタン)などの導電膜が形成され、これをパターニングすることにより、第1容量電極16aに対向配置され、第2中継電極16dに繋がる第2容量電極16bが形成される。誘電体層16cと、誘電体層16cを挟んで対向配置された第1容量電極16aと第2容量電極16bとにより蓄積容量16が構成される。
次に、第2容量電極16bと誘電体層16cとを覆う第3層間絶縁膜13bが形成される。第3層間絶縁膜13bも例えばシリコンの酸化物からなり、CMP処理などの平坦化処理が施される。第3層間絶縁膜13bの膜厚に比べて、絶縁膜13aや誘電体層16cの膜厚は薄い。また、絶縁膜13a及び誘電体層16cは、必ずしも基材10sの全面に亘って形成する必要はなく、蓄積容量16の構成に係るようにパターニングしてもよい。
第2容量電極16bのうち第2中継電極16dと接する部分に至るように第3層間絶縁膜13bを貫通するコンタクトホールCNT4が形成される。
このコンタクトホールCNT4を被覆すると共に第3層間絶縁膜13bを覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電膜が形成され、これをパターニングすることにより、配線8aと、コンタクトホールCNT4を介して第2中継電極16dに電気的に接続される第3中継電極8bとが形成される。配線8aは、平面的にTFT30の半導体層30aやデータ線6及び蓄積容量16と重なるように形成され、固定電位が与えられてシールド層として機能するものである。
配線8aと第3中継電極8bとを覆うように第4層間絶縁膜14が形成される。第4層間絶縁膜14も、例えばシリコンの酸化物を用いて形成することができる。第4層間絶縁膜14を貫通して第3中継電極8bに至るコンタクトホールCNT5が形成される。
このコンタクトホールCNT5を被覆し、第4層間絶縁膜14を覆うようにITOなどの透明導電膜(電極膜)が成膜される。この透明導電膜(電極膜)をパターニングしてコンタクトホールCNT5を介して第3中継電極8bに電気的に繋がる画素電極15が形成される。
第3中継電極8bは、コンタクトホールCNT4、第2容量電極16b、第2中継電極16d、コンタクトホールCNT3、第1中継電極6bを介してTFT30の第2ソース・ドレイン領域(ドレイン)と電気的に接続すると共に、コンタクトホールCNT5を介して画素電極15と電気的に接続している。
第1容量電極16aは複数の画素Pに跨るように形成され、等価回路(図3参照)における容量線7として機能している。第1容量電極16aには固定電位が与えられる。これにより、TFT30の第2ソース・ドレイン領域(ドレイン)を介して画素電極15に与えられた電位を第1容量電極16aと第2容量電極16bとの間において保持することができる。
画素電極15を覆うように配向膜18が形成され、液晶層50を介して素子基板10に対向配置される対向基板20の対向電極23を覆うように配向膜24が形成される。前述したように、配向膜18,24は無機配向膜であって、酸化シリコンなどの無機材料を所定の方向から例えば斜め蒸着して柱状に成長させた柱状体18a,24aの集合体からなる。このような配向膜18,24に対して負の誘電異方性を有する液晶分子LCは、配向膜面の法線方向に対して柱状体18a,24aの傾斜方向に3度〜5度のプレチルト角度θpを有して略垂直配向(VA;Vertical Alignment)する。画素電極15と対向電極23との間に交流電圧(駆動信号)を印加して液晶層50を駆動することによって液晶分子LCは画素電極15と対向電極23との間に生ずる電界方向に傾くように挙動(振動)する。
次に、画素Pにおける主要な構成の平面的な配置について、図5を参照して説明する。図5は画素の主要な構成と開口領域及び非開口領域との関係を示す概略平面図である。
図5に示すように、液晶装置100における画素Pは、例えば平面視で略四角形(略正方形)の開口領域を有する。開口領域は、X方向とY方向とに延在し格子状に設けられた遮光性の非開口領域により囲まれている。
X方向に延在する非開口領域には、図3及び図4に示した走査線3が設けられている。走査線3は遮光性の導電部材が用いられており、走査線3によって非開口領域の一部が構成されている。
同じく、Y方向に延在する非開口領域には、図3及び図4に示したデータ線6や容量線7(第1容量電極16a)が設けられている。データ線6や容量線7(第1容量電極16a)もまた遮光性の導電膜が用いられており、これらによって非開口領域の一部が構成されている。
非開口領域の交差部には、図3及び図4に示したTFT30が設けられている。本実施形態では、TFT30の半導体層30aは、非開口領域の交差部においてY方向に延在して配置されている。半導体層30aとデータ線6との接続を図るコンタクトホールCNT1や、半導体層30aと第1中継電極6bとの接続を図るコンタクトホールCNT2もまた非開口領域に設けられている。このように遮光性を有する非開口領域の交差部にTFT30を設けることにより、開口領域における開口率を確保している。交差部にTFT30を設ける関係上、交差部の非開口領域の幅は、他の部分に比べて広くなっている。なお、非開口領域の交差部において半導体層30aはY方向に延在して配置されることに限定されず、X方向に延在して配置されてもよい。したがって、非開口領域の交差部の形状は、TFT30の配置に対応したものであればよく、X方向とY方向とに均等に開口領域側にはみ出していなくてもよい。
画素Pごとに画素電極15が設けられている。画素電極15は平面視で略正方形であり、画素電極15の外縁が非開口領域と重なるようにして開口領域に設けられている。なお、図5には図示していないが、図4に示した蓄積容量16や配線8aなども非開口領域に配置されている。
本実施形態の液晶装置100は、透過型であって、対向基板20側から光が入射することを前提として、素子基板10には、画素PのTFT30に入射する光を遮光する遮光構造が取り入れられている。以降、素子基板10におけるTFT30の遮光構造について詳しく説明する。
<トランジスターの遮光構造>
図6は、図5のA−A’線に沿った第1実施形態におけるトランジスター及び遮光層の構造を示す概略断面図、図7は第1実施形態のトランジスターに向かって入射する光の一例を示す概略断面図である。図6及び図7を参照してTFT30の遮光構造について説明する。なお、図5のA−A’線は、画素Pの開口領域からTFT30の半導体層30aの第1ソース・ドレイン領域、チャネル領域、第2ソース・ドレイン領域を通過し、再び開口領域に至る線分である。
図6及び図7に示すように、素子基板10は、基材10s上に、走査線として機能する遮光層3と、遮光層3に対して下地絶縁膜11aを介して配置された半導体層30aを有するTFT30とを有している。なお、下地絶縁膜11aは、本発明における絶縁膜の一例である。
TFT30の半導体層30aは、第1ソース・ドレイン領域30s、接合領域30e、チャネル領域30c、接合領域30f、第2ソース・ドレイン領域30dを有するLDD構造となっている。半導体層30aはゲート絶縁膜11bによって覆われ、チャネル領域30cに対してゲート絶縁膜11bを介してゲート電極30gが対向配置されている。TFT30は、半導体層30aと、ゲート電極30gとを含んで構成される。なお、接合領域30e,30fは、本発明における不純物(不純物イオン)の低濃度領域の一例である。
遮光層3は、基材10s側から、第1バリア層31、メタル層33、第2バリア層32が積層された構造となっている。第1バリア層31及び第2バリア層32は、W、Mo、Crの中から選ばれる金属の無酸素系の金属化合物としての金属シリサイドが用いられている。本実施形態では、第1バリア層31及び第2バリア層32は、W−Si(タングステンシリサイド)であって、膜厚は例えば50nmである。メタル層33は、Ti、Zr、Hfの中から選ばれる金属の単体であって、本実施形態ではTiが用いられている。遮光層3のうち、平面視で半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f、並びに第2ソース・ドレイン領域30dの一部と重なる第1の部分3aのメタル層33の膜厚は例えば100nmである。これに対して、遮光層3のうち、平面視で半導体層30aの接合領域30e及び第1ソース・ドレイン領域30sと重なる第2の部分3bのメタル層33の膜厚は上記第1の部分3aよりも薄く例えば50nmである。また、上記第2ソース・ドレイン領域30dの一部を除く他の部分と重なる第3の部分3cのメタル層33の膜厚は、上記第1の部分3aよりも薄く例えば50nmである。第2の部分3b及び第3の部分3cは、メタル層33の端部を構成する部分である。遮光層3の第1の部分3a、第2の部分3b、第3の部分3cを除いた端部を構成する部分が第4の部分3dであって、第4の部分3dは、第1バリア層31により構成されている。
第2バリア層32は、メタル層33を覆うように設けられ、開口領域と非開口領域との境では、第1バリア層31と接するように設けられている。なお、メタル層33の直下に第1バリア層31を設け、メタル層33を第2バリア層32で覆うことにより、遮光層3の上記第4の部分3dを第2バリア層32により構成するとしてもよい。
第1バリア層31及び第2バリア層32の膜厚や、メタル層33の膜厚は、上述した値に限定されるものではない。遮光層3の第2の部分3bにおけるメタル層33の膜厚が第1の部分3aのメタル層33の膜厚よりも薄い状態であればよい。
W、Mo、Crは、酸化物となるよりもシリサイドになり易い金属である。一方で、Ti、Zr、Hfは、シリサイドとなるよりも酸化物となり易い金属である。本実施形態の遮光層3の詳しい形成方法については後述するが、例えば、遮光層3をメタル層33のみで構成した場合、酸化シリコンからなる下地絶縁膜11aでメタル層33を覆い、下地絶縁膜11a上にポリシリコンからなる半導体層30aを加熱温度が600℃以上の高温プロセスで形成すると、メタル層33が酸化されて金属酸化物に変化するおそれがある。メタル層33が金属の単体から金属酸化物に変化すると、光の透過率が上昇して遮光性が低下する。本実施形態のように、メタル層33を金属シリサイドである第1バリア層31と第2バリア層32とで挟むように被覆すると、メタル層33は酸化され難くなる。つまり、遮光層3は半導体層30aの形成過程で遮光性が低下し難い構造となっている。
図4に示したように、素子基板10の基材10s上において、TFT30の上層には、遮光性の導電材料を用いて形成されたデータ線6及び第1中継電極6bを含む配線層や、同じく遮光性の導電材料を用いて形成された第1容量電極16a及び第2容量電極16bを含む蓄積容量16や、配線8aが配置されて非開口領域が構成されている。つまり、本実施形態のように液晶装置100において対向基板20側から画素Pに光が入射する構成では、液晶層50を透過した光は、開口領域を透過するものの、非開口領域に配置されたTFT30には入射し難い構造となっている。
ところが、液晶装置100を後述するような投射型表示装置の光変調手段として用いる場合、画素Pの開口領域を透過して素子基板10側から射出された光(表示光)の一部が、投射型表示装置内の構造物(例えば、偏光素子など)の表面で反射して、素子基板10に入射する迷光(戻り光とも言う)となることがある。このような迷光がTFT30に入射すると光リーク電流が生ずるため、基材10sとTFT30との間に遮光層3が設けられている。
液晶装置100を上記光変調手段として用いることを考慮すると、光源から画素Pに入射する光の強度にもよるが、遮光層3のOD(Optical Density)値を少なくとも3以上、好ましくは4以上とするように、遮光層3が設計される。なお、OD値は、遮光層3の遮光性を示す値であって、透過率T(T≦1)の逆数の常用対数値(Log10(1/T))である。よって、OD値が3であることは、透過率Tが0.001(0.1%)であることを示すものである。
図7に示すように、上述した迷光のうち、基材10sに対して法線方向からチャネル領域30cや接合領域30fへ向かう光L1aは、遮光層3の第1の部分3aによって遮光される。第1の部分3aに対して第2の部分3bは、メタル層33の膜厚が薄いことから、第1の部分3aに比べて第2の部分3bの遮光性が低下し、基材10sに対して法線方向から第2の部分3bに入射した光L1bの一部は、遮光層3を透過するおそれがある。
また、対向基板20側から入射して素子基板10の画素Pにおける開口領域を透過する光は、必ずしも光軸に沿って直進するだけでなく、屈折率が異なる透光性の層の界面や非開口領域を構成する配線などの端部で反射し、光軸に対して斜め方向に進行する斜め光にもなる。
図7に示すように、例えば、半導体層30aの第2ソース・ドレイン領域30d(TFT30のドレイン)側の開口領域から遮光層3に入射する斜め光L2は、遮光層3を透過できないものの、遮光層3の第2バリア層32の表面で反射して接合領域30fやチャネル領域30cに入射するおそれがある。同様に、半導体層30aの第1ソース・ドレイン領域30s(TFT30のソース)側の開口領域から遮光層3に入射する斜め光L3は、遮光層3の第2バリア層32の表面で反射して接合領域30eやチャネル領域30cに入射するおそれがある。第2の部分3bにおけるメタル層33の膜厚が薄いため、遮光層3の第2の部分3bに入射した斜め光L3の一部は、遮光層3を透過する。
TFT30における光リーク電流の発生は、主にチャネル領域30cやチャネル領域30cに接する接合領域30e,30fに光が入射することによって励起される。一方で、TFT30の第1ソース・ドレイン領域30sには、画像情報に基づいて電位が時間の経過と共に変化する画像信号(D1,D2,・・・Dn)が印加されることから、第1ソース・ドレイン領域30sやこれに接する接合領域30eに光が入射してもTFT30のソース・ドレイン間に光リーク電流が発生し難い。つまり、TFT30の半導体層30aにおけるチャネル領域30cやこれに接する接合領域30fに光が入射したときに光リーク電流が発生し易いという傾向がある。
したがって、上述したように、基材10s側からTFT30に向かう迷光のうち、チャネル領域30cや接合領域30fに向かう光L1aを遮光層3の第1の部分3aで確実に遮光する。一方で、遮光層3の第2の部分3bにおけるメタル層33の膜厚を薄くして遮光性を低下させることで、基材10s側からTFT30に向かう光L1bの一部を透過させるものの、開口領域から遮光層3の第2の部分3bに入射する斜め光L3の反射光の強度を弱くすることにより、TFT30における斜め光や迷光に起因する光リーク電流の発生を抑制する。
また、図7には図示していないが、遮光層3の端部を構成する第4の部分3dは、メタル層33を含んで構成されていないので、第4の部分3dの遮光性は、他の部分に比べて低い。したがって、第4の部分3dに開口領域から斜め光が入射すると、当該斜め光の一部は、第4の部分3dを透過する。よって、第4の部分3dで反射してチャネル領域30cや接合領域30e,30fに向かう反射光の強度が弱くなる。つまり、遮光層3の端部である第4の部分3dで反射した光によるTFT30の光リーク電流の発生も抑制される。
上述した斜め光や迷光の強度は、液晶装置100の画素Pに入射する光の強度が強くなるほど、やはり強くなる。したがって、このような斜め光や迷光に配慮した遮光層3の構造は、画素Pに入射する光の強度が強くなるほど有効である。
<遮光層の形成方法>
次に、遮光層3の形成方法について、図8〜図11を参照して説明する。図8〜図11は遮光層の形成方法を示す概略断面図である。なお、図8〜図11は、図6の概略断面図に対応するものである。
本実施形態の遮光層3の形成方法は、まず、図8に示すように、基材10s上に、W、Mo、Crの中から選ばれる金属の金属化合物としての金属シリサイドであるバリア膜31aを成膜し、続いて、Ti、Zr、Hfの中から選ばれる金属であるメタル膜33aを成膜して積層する。本実施形態では、膜厚が例えばおよそ50nmのW−Siからなるバリア膜31aと、膜厚が例えば100nmのTiからなるメタル膜33aとを成膜する。バリア膜31aの成膜方法としては、例えば、WとSiとをターゲットとするスパッタ法や、反応ガスとして6フッ化タングステン(WF6)と、シラン(SiH4)やジクロロシラン(DCS)とを用いるCVD法などが挙げられる。メタル膜33aの成膜方法としては、例えば、Tiをターゲットとするスパッタ法や、塩化チタン(TiCl4)と水素H2とアルゴン(Ar)とを含む反応ガスを用いるプラズマCVD法などが挙げられる。
次に、図9に示すように、メタル膜33a上にレジストパターン60をフォトリソグラフィ法により形成する。レジストパターン60は、上述した遮光層3の第1の部分3aに対応する位置に形成する。そして、ドライエッチングによりメタル膜33aを部分的にエッチングして、上述した遮光層3の第2の部分3bや第3の部分3cに対応するメタル膜33aの膜厚を例えばおよそ50nmとする。なお、ドライエッチング後にレジストパターン60は剥離される。
次に、図10に示すように、ドライエッチング後のメタル膜33aを覆うようにレジストパターン70を形成する。レジストパターン70は、上述した遮光層3の第1の部分3a及び第2の部分3b並びに第3の部分3cに対応する位置に形成する。そして、ドライエッチングによりメタル膜33aをエッチングする。これにより、メタル層33が形成される。なお、ドライエッチング後にレジストパターン70は剥離される。
次に、図11に示すように、メタル層33を覆うように膜厚が例えばおよそ50nmのW−Siからなるバリア膜を成膜し、これをフォトリソグラフィ法によりパターニングして第1バリア層31と第2バリア層32とを形成する。これにより、基材10s側から順に積層された、第1バリア層31、メタル層33、第2バリア層32からなる遮光層3が形成される。
上記第1実施形態の液晶装置100によれば、以下の効果が得られる。
(1)素子基板10において、基材10sとTFT30との間に設けられた遮光層3は、無酸素系の金属化合物であるW−Si(タングステンシリサイド)を用いて形成された第1バリア層31及び第2バリア層32と、Ti(チタン)を用いて形成されたメタル層33とを含んで構成されている。メタル層33は、第1バリア層31と第2バリア層32とにより挟まれているため、半導体層30aを形成する際の高温プロセスで、メタル層33が酸化され難い。つまり、メタル層33の酸化により遮光層3の遮光性が低下することを防ぐことができる。
(2)平面視で、遮光層3の第1の部分3aは、半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f並びに第2ソース・ドレイン領域30dと重なり、遮光層3の第2の部分3bは、半導体層30aの第1ソース・ドレイン領域30s及び接合領域30eと重なり、第2の部分3bにおけるメタル層33の膜厚は、第1の部分3aにおけるメタル層33の膜厚よりも薄い。
したがって、開口領域から遮光層3の第2の部分3bに入射する斜め光L3の一部は、第2の部分3bを透過する。ゆえに、第2の部分3bにおける反射光の強度を、第1の部分3aにおける反射光の強度に比べて弱くすることができることから、遮光層3に斜め方向から入射して反射した反射光によるTFT30の光リーク電流の発生を抑制できる。
(3)遮光層3の開口領域側の端部(第4の部分3d)は、メタル層33を含まず、第1バリア層31により構成されていることから、開口領域から遮光層3の端部に入射した斜め光の一部は、遮光層3の端部を透過する。したがって、遮光層3の端部の反射光の強度を、遮光層3の第1の部分3aにおける反射光の強度よりも弱くすることができる。つまり、遮光層3の端部で反射した反射光によるTFT30の光リーク電流の発生を抑制できる。
(4)遮光層3の第1の部分3aは、平面視で半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f並びに第2ソース・ドレイン領域30dと重なるように形成され、第1の部分3aのメタル層33の膜厚は、第1の部分3a以外の第2の部分3bのメタル層33の膜厚よりも厚い。したがって、基材10s側から半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f並びに第2ソース・ドレイン領域30dに向かって入射する迷光を遮光層3の第1の部分3aにより確実に遮光することができる。つまり、当該迷光によるTFT30の光リーク電流の発生を防ぐことができる。
(5)メタル層33をTi、Zr、Hfの中から選ばれる金属を用いて形成する場合、TFT30の形成プロセスにおける熱処理などの影響でメタル層33にクラックが生じ易い。本実施形態では、メタル層33のうち第2の部分3bの膜厚を第1の部分3aに比べて薄く形成することから、上述した熱処理などによる応力が分散してクラックが生じ難くなり、素子基板10を歩留りよく形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電気光学装置について、上記第1実施形態と同様に液晶装置を例に挙げ、図12及び図13を参照して説明する。第2実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100と基本的に同じ構成を有するものであって、TFT30の下層に配置される遮光層の層構成を異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態の液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図12は第2実施形態におけるトランジスター及び遮光層の構造を示す概略断面図、図13は第2実施形態のトランジスターに向かって入射する光の一例を示す概略断面図である。なお、図12及び図13は、上記第1実施形態の図5のA−A’線に沿った概略断面図に対応するものである。
図12及び図13に示すように、素子基板10は、基材10s上に、走査線として機能する遮光層130と、遮光層130に対して下地絶縁膜11aを介して配置された半導体層30aを有するTFT30とを有している。
TFT30の半導体層30aは、第1ソース・ドレイン領域30s、接合領域30e、チャネル領域30c、接合領域30f、第2ソース・ドレイン領域30dを有するLDD構造となっている。半導体層30aはゲート絶縁膜11bによって覆われ、チャネル領域30cに対してゲート絶縁膜11bを介してゲート電極30gが対向配置されている。TFT30は、半導体層30aと、ゲート電極30gとを含んで構成される。
遮光層130は、基材10s側から、第1バリア層131、メタル層133、第2バリア層132が積層された構造となっている。第1バリア層131及び第2バリア層132は、W、Mo、Crの中から選ばれる金属の無酸素系の金属化合物である金属シリサイドであって、本実施形態ではW−Si(タングステンシリサイド)が用いられている。メタル層133は、Ti、Zr、Hfの中から選ばれる金属の単体であって、本実施形態ではTiが用いられている。遮光層130のうち、平面視で半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f並びに第2ソース・ドレイン領域30dと重なる第1の部分130aにメタル層133が設けられている。メタル層133の膜厚は例えば100nmである。これに対して、遮光層130のうち、平面視で半導体層30aの第1ソース・ドレイン領域30s及び接合領域30eと重なる第2の部分130bは、第1バリア層131と第2バリア層132とにより構成されている。すなわち、遮光層130の第1の部分130aと第2の部分130bとでは構成が異なり、第2の部分130bの遮光性は、第1の部分130aに比べて低くなる。
第1バリア層131の膜厚は例えば25nmである。第2バリア層132は、メタル層133と第1バリア層131とを覆うように設けられ、その膜厚は例えば25nmである。なお、第1バリア層131及び第2バリア層132の膜厚や、メタル層133の膜厚は上述した値に限定されるものではない。
図13に示すように、基材10s側から入射して半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30fに向かう光L1aは、遮光層130の第1の部分130aによって遮光される。基材10s側から遮光層130の第2の部分130bに入射した光L1bの一部は、第2の部分130bにメタル層133が含まれていないため、第2の部分130bを透過して、第1ソース・ドレイン領域30s及び接合領域30eに入射する。
一方で、開口領域から遮光層130の第2の部分130bに斜め方向から入射する斜め光L4の一部もまた、第2の部分130bにメタル層133が含まれていないため、第2の部分130bを透過する。これにより、開口領域から遮光層130の第2の部分130bに斜め方向から入射する斜め光L4の反射光の強度を弱くすることができる。
図14は第2実施形態の遮光層の形成方法を示す概略断面図である。本実施形態の遮光層130の形成方法としては、まず、基材10s上に膜厚が例えば25nmのW−Siからなるバリア膜131aと、膜厚が例えば100nmのTiからなるメタル膜133aとを成膜して積層する。そして、図14に示すように、前述した第1の部分130aに対応する位置にフォトリソグラフィ法によりレジストパターン80を形成し、ドライエッチングにより、メタル膜133aをエッチングする。レジストパターン80を剥離した後に、膜厚が例えば25nmのW−Siからなるバリア膜を成膜して、同じくフォトリソグラフィ法によりパターニングすることで、図13に示したような、第1バリア層131、メタル層133、第2バリア層132が積層された遮光層130を形成する。
なお、図14に示したドライエッチング工程で、バリア膜131aをエッチングして取り除いてから、膜厚が例えば50nmのバリア膜を成膜してパターニングしてもよい。これによれば、遮光層130の第2の部分130bは、第2バリア層132だけで構成されることになる。したがって、遮光層130の第2の部分130bに入射した斜め光L4は、遮光層130の端部を透過し易くなり、端部で反射され難くなる。
上記第2実施形態の遮光層130によれば、上記第1実施形態の効果(1)に加えて、以下の効果が得られる。
(6)基材10s側から半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f並びに第2ソース・ドレイン領域(TFT30のドレイン)に入射する迷光の一例である光L1aは、遮光層130の第1の部分130aによって遮光される。また、遮光層130の端部を構成する第2の部分130bに開口領域から入射した斜め光L4は、その一部が第2の部分130bを透過することから、第2の部分130bで反射し難くなる。すなわち、迷光の一例である光L1aや斜め光L4の反射光によるTFT30の光リーク電流の発生が防止あるいは抑制される。なお、基材10s側から遮光層130の第2の部分130bに入射する迷光である光L1bの一部は、第2の部分130bを透過して、半導体層30aの第1ソース・ドレイン領域30s(TFT30のソース)及び接合領域30eに入射するが、上記第1実施形態で説明したようにTFT30のソース側では光リーク電流が生じ難い。
(7)メタル層133をTi、Zr、Hfの中から選ばれる金属を用いて形成する場合、TFT30の形成プロセスにおける熱処理などの影響でメタル層133にクラックが生じ易い。本実施形態では、メタル層133を第1の部分130aに対応させて形成した。これにより、メタル層133を第1の部分130aと第2の部分130bとに亘って形成する場合に比べて、半導体層30aの直下におけるメタル層133の形成範囲を小さくすることができるので、上述した熱処理などによる応力が分散してクラックが生じ難くなり、素子基板10を歩留りよく形成することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電気光学装置について、上記第1実施形態と同様に液晶装置を例に挙げ、図15及び図16を参照して説明する。第3実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100と基本的に同じ構成を有するものであって、TFT30の下層に配置される遮光層の層構成を異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態の液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図15は第3実施形態におけるトランジスター及び遮光層の構造を示す概略断面図、図16は第3実施形態のトランジスターに向かって入射する光の一例を示す概略断面図である。なお、図15及び図16は、上記第1実施形態の図5のA−A’線に沿った概略断面図に対応するものである。
図15及び図16に示すように、素子基板10は、基材10s上に、走査線として機能する遮光層230と、遮光層230に対して下地絶縁膜11aを介して配置された半導体層30aを有するTFT30とを有している。
TFT30の半導体層30aは、第1ソース・ドレイン領域30s、接合領域30e、チャネル領域30c、接合領域30f、第2ソース・ドレイン領域30dを有するLDD構造となっている。半導体層30aはゲート絶縁膜11bによって覆われ、チャネル領域30cに対してゲート絶縁膜11bを介してゲート電極30gが対向配置されている。TFT30は、半導体層30aと、ゲート電極30gとを含んで構成される。
遮光層230は、基材10s側から、第1バリア層231、第1メタル層234、第2バリア層232、第2メタル層235、第3バリア層233が順に積層された構造となっている。第1バリア層231及び第2バリア層232並びに第3バリア層233は、W、Mo、Crの中から選ばれる金属の無酸素系の金属化合物である金属シリサイドであって、本実施形態ではW−Si(タングステンシリサイド)が用いられている。第1メタル層234及び第2メタル層235は、Ti、Zr、Hfの中から選ばれる金属の単体であって、本実施形態ではTiが用いられている。遮光層230のうち、平面視で半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30f並びに第2ソース・ドレイン領域30d(TFT30のドレイン)と重なる第1の部分230aは、第1バリア層231と、第1メタル層234と、第2バリア層232と、第2メタル層235と、第3バリア層233とにより構成されている。第1メタル層234の膜厚は例えば100nmであり、第2メタル層235の膜厚は例えば40nmである。また、第1バリア層231の膜厚は例えば50nmであり、第2バリア層232の膜厚は例えば50nmである。第3バリア層233の膜厚は例えば25nmである。
遮光層230のうち、平面視で半導体層30aの第1ソース・ドレイン領域30s(TFT30のソース)及び接合領域30eと重なる第2の部分230bは、第1バリア層231と、第1メタル層234と、第2バリア層232と、第3バリア層233とにより構成されている。遮光層230の端部を構成する第3の部分230cは、第1バリア層231と、第3バリア層233とにより構成されている。つまり、第1メタル層234は、遮光層230の第1の部分230aと第2の部分230bとに亘って設けられている。第2メタル層235は、遮光層230の第1の部分230aに設けられ、第2の部分230bには設けられていない。すなわち、遮光層230の第2の部分230bの遮光性は、第1の部分230aの遮光性に比べて低くなる。遮光層230の端部を構成する第3の部分230cは、メタル層を含んでいないため他の部分に比べて遮光性が低くなる。
なお、第1バリア層231及び第2バリア層232並びに第3バリア層233の膜厚や、第1メタル層234及び第2メタル層235の膜厚は上述した値に限定されるものではない。また、本実施形態では、第1の部分230aに2つのメタル層を平面視で重ねて配置したが、メタル層の数は、2つに限定されるものではない。基材10s上においてTFT30側に位置する最上層のメタル層の膜厚が、最下層のメタル層の膜厚よりも薄い状態であればよい。
図16に示すように、基材10s側から入射して半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30e,30fに向かう光L1は、遮光層230の第1の部分230a及び第2の部分230bによって遮光される。
開口領域から遮光層230の第1の部分230aに斜め方向から入射する斜め光L5は、第1の部分230aを透過することはできず、その一部は反射する。ところが、第1メタル層234に比べて第2メタル層235の膜厚が薄いことから、第2メタル層235に入射した光の一部は第2メタル層235を透過する。したがって、同じ強度の光が、例えば、基材10s側から斜めに第1の部分230aに入射して第1メタル層234によって反射した場合と、開口領域から入射して第2メタル層235で反射した場合とでは、第2メタル層235で反射してTFT30側に向かう光の反射率は低くなる。
また、開口領域から遮光層230の第2の部分230bに斜め方向から入射する斜め光L6の反射光は、第2の部分230bに第2メタル層235が含まれていないため、第1の部分230aで反射した斜め光L5の反射光に比べて強度が強くなる。一方で、斜め光L6の第2の部分230bにおける反射光が第1ソース・ドレイン領域30sや接合領域30eに入射したとしても、上記第1実施形態で説明したように、TFT30のソース側では光リーク電流が生じ難い。
上記第3実施形態の遮光層230によれば、以下の効果が得られる。
(8)基材10s側から半導体層30aのチャネル領域30c及び接合領域30e,30fに入射する迷光の一例である光L1は、遮光層230の第1の部分230a及び第2の部分230bによって遮光される。第1の部分230aには、第1メタル層234と第2メタル層235とが含まれているため、上記第2実施形態に比べて基材10s側から入射する光に対する遮光性は向上する。一方で、第1の部分230aに開口領域から入射した斜め光L5の一部は、第3バリア層233と第2メタル層235とを透過する。したがって、遮光層230の第1の部分230aに開口領域から斜め方向に入射して反射する反射光の強度を低くすることができる。
また、遮光層230の第2の部分230bには、第2メタル層235が設けられていないので、開口領域から第2の部分230bに入射した斜め光L6の反射率は、第1の部分230aの反射率に比べて大きくなるものの、TFT30の光リーク電流の発生には影響し難い。遮光層230の端部を構成する第3の部分230cは、第1メタル層234及び第2メタル層235を含まず、第1バリア層231と第3バリア層233とにより構成されている。すなわち、迷光の一例である光L1や斜め光L5,L6の反射光、遮光層230の端部で反射した反射光によるTFT30の光リーク電流の発生が防止あるいは抑制される。
(9)TFT30の半導体層30aに近い側の第2メタル層235の膜厚が、半導体層30aから遠い側の第1メタル層234の膜厚よりも薄いことから、半導体層30aの形成プロセスにおける高温プロセスで第2メタル層235が酸化されたとしても、第1メタル層234は酸化され難く、第1メタル層234の遮光性は確保される。そして、第2メタル層235が酸化されて遮光性が低下することは、第2メタル層235の反射率の低下に繋がるため、遮光層230の第1の部分230aに開口領域から斜めに入射して反射する反射光の強度を低下させる。すなわち、当該反射光による光リーク電流の発生を防止または抑制できる。
(10)第2メタル層235をTi、Zr、Hfの中から選ばれる金属を用いて形成する場合、TFT30の形成プロセスにおける熱処理などの影響で第2メタル層235にクラックが生じ易い。本実施形態では、第2メタル層235を第1の部分230aに対応させて形成した。これにより、第2メタル層235を第1の部分230aと第2の部分230bとに亘って形成する場合に比べて、半導体層30aの直下における第2メタル層235の形成範囲を小さくすることができるので、上述した熱処理などによる応力が分散してクラックが生じ難くなり、素子基板10を歩留りよく形成することができる。
上記各実施形態の遮光層における遮光性及び反射性は、遮光層を構成するバリア層及びメタル層の構成による。以下、比較例と実施例とを挙げて説明する。
(比較例)
比較例の遮光層における反射性(反射率)について、図17を参照して説明する。図17は比較例の遮光層の反射分光特性を示すグラフである。比較例の遮光層は、基材10sとしての石英基板上にスパッタ法でW−Siを成膜し、さらにW−Siの膜に膜厚が400nmの酸化シリコン膜を成膜して、窒素(N2)ガス雰囲気下で600℃以上、この場合は700℃で2時間の熱処理が施されている。図17のグラフは、リファレンス(REF)として単結晶シリコンウェハの反射率を100%とし、比較例の遮光層におけるW−Siの膜厚の違いによる反射率の分光特性を示したものである。W−Siの膜厚が、25nm、50nm、150nm、200nmn、250nmの5水準において、反射率を測定した。
反射率の測定方法としては、石英基板の法線方向から光を入射させ、W−Siからなる遮光層で反射した光の強度を測定して、REFと比較することで反射率を導いた。このような反射率の測定装置としては、例えば、大塚電子株式会社製のマルチチャンネル分光器MCPDシリーズなどを挙げることができる。当該測定装置の入射光のスポット径は、例えばφ2mmである。
図17に示すように、W−Siの膜厚が25nmのときは、REFに比べて可視光波長範囲(この場合、光の波長が450nm〜750nm)で100%以上の高い反射率が得られる。特に、緑色(550nm)や赤色(650nm)の波長では、160%以上の反射率となっている。反射率は光の波長が550nmよりも短い短波長域、あるいは650nmよりも長い長波長域で低くなっているが、REFと比較すれば100%よりも高い反射率となっている。
これに対して、W−Siの膜厚が50nmよりも厚くなると、可視光波長範囲で反射率は低下して行く。光の波長が上記短波長域、あるいは上記長波長域で反射率が低くなる傾向は変わらない。特に、短波長域では、反射率が急激に低下する傾向がある。短波長域では、W−Siの膜厚が50nmのときよりも、150nm、200nm、250nmのほうが反射率が高くなる。長波長域では逆に、W−Siの膜厚が50nmのときよりも、150nm、200nm、250nmのほうが反射率が低くなる。これは、反射率の分光特性が単に膜厚に依存するだけではなく、光が入射する側の表面状態にもよると考えられる。
W−Siをバリア層として用いる場合は、ある程度の膜厚が必要であるが、膜厚が50nmよりも薄くなると反射率が高くなり、膜厚が50nmよりも厚くなると、反射率が低下する。W−Siからなる遮光層における反射率が上昇すると、反射光がTFT30の半導体層30a(特にチャネル領域30cあるいはTFT30のドレイン側の接合領域30f)に入射して半導体層30aが励起され、光リーク電流が発生するおそれがある。
(実施例1)
実施例1は、上記第1実施形態における遮光層3の構成に対応するものであって、膜厚が50nmのW−Siからなる第1バリア層31と、第1バリア層31上に形成され、第1の部分3aの膜厚が100nmであり、第2の部分3bの膜厚が50nmであるTiからなるメタル層33と、メタル層33上に形成され、膜厚が50nmのW−Siからなる第2バリア層32とにより構成されている。さらに、遮光層3を覆うようにして膜厚が400nmの酸化シリコン膜を成膜し、窒素(N2)ガス雰囲気下で600℃以上、この場合は700℃で2時間の熱処理が施されている。
図18は実施例1の遮光層の反射分光特性を示すグラフである。図18のグラフは、比較例の場合と同様にして、遮光層3の第1の部分3a(WTW50/100/50nmとして示す)の反射率と、第2の部分3b(WTW50/50/50nmとして示す)の反射率とを測定したものである。図18に示すように、メタル層33の膜厚を薄くした第2の部分3bの反射率は、第1の部分3aよりも低くなっている。さらに、例えば、遮光層をすべてW−Siとした比較例において、膜厚を150nm、あるいは200nmとした場合に比べて、実施例1では、短波長域の反射率が低くなっている。短波長域における反射率を低下させる目的では、比較例に示したように、遮光層を膜厚が50nmのW−Siからなる単層とすることが考えられるが、このような比較例の構成では、半導体層30aを形成する際の高温プロセスで遮光性が低下してしまうおそれがある。
なお、測定系が異なるが、実施例1の遮光層3における第1の部分3aのOD値は4.3であり、第2の部分3bのOD値は3.8であった。
(実施例2)
実施例2は、上記第2実施形態における遮光層130の構成に対応するものであって、膜厚が25nmのW−Siからなる第1バリア層131と、第1バリア層131上に形成され、第1の部分130aの膜厚が100nmであるTiからなるメタル層133と、メタル層133及び第1バリア層131を覆うように形成され、膜厚が25nmのW−Siからなる第2バリア層132とにより構成されている。さらに、遮光層130を覆うようにして膜厚が400nmの酸化シリコン膜を成膜し、窒素(N2)ガス雰囲気下で600℃以上、この場合は700℃で2時間の熱処理が施されている。
図19は実施例2の遮光層の反射分光特性を示すグラフである。図19のグラフは、比較例の場合と同様にして、遮光層130の第1の部分130a(WTW25/100/25nmとして示す)の反射率と、第2の部分130b(WSi_50nmとして示す)の反射率とを測定したものである。
図19に示すように、第2の部分130bの反射率における分光特性は、図17に示したW−Siの膜厚が50nmの比較例の反射率とほぼ同じであり、短波長側では反射率が60%程度まで低下しているが、緑色(550nm)及び赤色(650nm)では、反射率が120%以上となっている。第1の部分130aの反射率は、第2の部分130bよりも可視光波長範囲(450nm〜750nm)で低下している。実施例2では、遮光層をすべてバリア層で構成する場合に比べて、第1の部分130aの反射率が低くなる。また、上記実施例1の第1の部分3aに比べて、実施例2の第1の部分130aの方が短波長域での反射率が低下していることが分かる。言い換えれば、Tiからなるメタル層上にW−Siからなるバリア層を形成すると、石英基板上にW−Siからなるバリア層を形成した場合に比べて、反射率が低くなる傾向がある。また、Tiからなるメタル層上にW−Siからなるバリア層を形成する場合、W−Siのバリア層の膜厚によって、短波長域での反射率が変化する。これは、Tiからなるメタル層上にW−Siからなるバリア層を形成したほうが表面におけるグレインサイズが小さくなって反射率に影響を及ぼしていると考えられる。
なお、実施例2の遮光層130における第1の部分130aのOD値は4.4であり、メタル層133を含まない第2の部分130bのOD値は0.87であった。
(実施例3)
実施例3は、上記第3実施形態における遮光層230の構成に対応するものであって、膜厚が50nmのW−Siからなる第1バリア層231と、第1バリア層231上に形成され、第1の部分230aの膜厚が100nmであるTiからなる第1メタル層234と、第1メタル層234上に形成され、膜厚が50nmのW−Siからなる第2バリア層232と、第2バリア層232上に形成され、膜厚が40nmであるTiからなる第2メタル層235と、第2メタル層235及び第1バリア層231を覆うように形成され、膜厚が25nmのW−Siからなる第3バリア層233とにより構成されている。さらに、遮光層230を覆うようにして膜厚が400nmの酸化シリコン膜を成膜し、窒素(N2)ガス雰囲気下で600℃以上、この場合は700℃で2時間の熱処理が施されている。なお、第2メタル層235をパターニングする際に、下層の第2バリア層232がエッチングされたため、遮光層230の第2の部分230bの第2バリア層232と第3バリア層233とが積層された部分の膜厚はおおよそ50nmであった。
図20は実施例3の遮光層の反射分光特性を示すグラフである。図20のグラフは、比較例の場合と同様にして、遮光層230の第1の部分230a(WT/WTW25/40/50/100/50nmとして示す)の反射率と、第2の部分230b(WTW50/100/50nmとして示す)の反射率とを測定したものである。
図20に示すように、第2の部分230bの反射率における分光特性は、図18に示した実施例1における第1の部分3a(WTW50/100/50nm)の反射率とほぼ同じであり、短波長側では反射率が60%程度まで低下しているが、緑色(550nm)及び赤色(650nm)では、反射率が100%以上となっている。第1の部分230aの反射率は、第2の部分230bよりも可視光波長範囲(450nm〜750nm)で低下している。言い換えれば、実施例3の第1の部分230aの反射率は、実施例1の第1の部分3aの反射率に比べて低下している。
なお、実施例3の遮光層230における第1の部分230aのOD値は4.5であり、第2の部分230bのOD値は4.3であった。つまり、実施例3のほうが実施例1や実施例2に比べて遮光性が向上している。
これら実施例1〜実施例3の遮光層によれば、比較例の例えば膜厚が25nmのW−Siからなる単層の遮光層に比べて、可視光波長範囲における斜め光に対する反射率を低減できる。また、比較例の例えば膜厚が200nmのW−Siからなる単層の遮光層に比べて、短波長域での斜め光に対する反射率を低減できる。さらに、迷光に対して高い遮光性を実現することができる。
(第4実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器として、投射型表示装置を例に挙げて説明する。図21は電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図21に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した第1実施形態の液晶装置100が適用されたものである。液晶パネル110の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記液晶装置100が用いられているので、画素Pに強い色光が入射したとしてもTFT30における光リーク電流の発生が抑制されるため、明るい表示が可能であると共に、安定した表示状態を実現可能な投射型表示装置1000を提供することができる。
なお、本実施形態の投射型表示装置1000では、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)のそれぞれに対応した例えばレーザー光源やLEDなどの固体光源を設けてもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記各実施形態において、平面視で半導体層30aのチャネル領域30cと重なるメタル層33,133及び第2メタル層235のソース側の端部の位置は、チャネル領域30cのソース側の端部の位置と同じであることに限定されない。平面視でメタル層33,133及び第2メタル層235は、チャネル領域30cと重なっていれば、ソース側の端部の位置は、チャネル領域30cから接合領域30eに掛かる位置であってもよい。
(変形例2)上記各実施形態の遮光層における端部の構成は、これに限定されない。例えば、上記第1実施形態では、遮光層3の端部に相当する第4の部分3dは、第1バリア層31または第2バリア層32で構成されるとしてが、第1バリア層31と第2バリア層32とで構成されるとしてもよい。同様に、上記第3実施形態では、遮光層230の端部に相当する第3の部分230cは、第1バリア層231と第3バリア層233とで構成されているが、第1バリア層231、第2バリア層232、第3バリア層233を含んで構成されるとしてもよい。これによれば、素子基板の構成に対応して様々な遮光層のパターニング形態を採用できる。
(変形例3)上記各実施形態における遮光層を適用可能な液晶装置は、透過型であることに限定されず、画素電極15が光反射性を有する反射型や、半透過反射型の液晶装置においても適用することができる。
(変形例4)上記各実施形態における遮光層を適用可能な電気光学装置は、液晶装置に限定されない。例えば、画素に有機EL素子などの発光素子を備えた表示装置にも適用することができる。
(変形例5)上記各実施形態の液晶装置が適用される電子機器は、上記第4実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置として画素に着色層を有するカラーフィルターを備える構成とすることで、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
3,130,230…遮光層としての走査線、3a,130a,230a…遮光層の第1の部分、3b,130b,230b…遮光層の第2の部分、10…素子基板、10s…透光性の基板としての基材、11a…絶縁膜としての下地絶縁膜、30…トランジスターとしての薄膜トランジスター(TFT)、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…第2ソース・ドレイン領域、30e,30f…不純物の低濃度領域としての接合領域、30s…第1ソース・ドレイン領域、31,131,231…第1バリア層、32,132,232…第2バリア層、33,133…メタル層、100…電気光学装置としての液晶装置、234…第1メタル層、235…第2メタル層、1000…電子機器としての投射型表示装置、P…画素。

Claims (7)

  1. 透光性の基板と、
    前記基板に設けられた遮光層と、
    前記遮光層に絶縁膜を介して画素ごとに設けられたスイッチング素子としてのトランジスターと、を備え、
    前記遮光層は、前記基板側に設けられた無酸素系の金属化合物からなる第1バリア層と、前記第1バリア層上に設けられた金属からなるメタル層と、少なくとも前記メタル層を覆う前記金属化合物からなる第2バリア層と、を含み、
    前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層のうち、前記トランジスターの半導体層の少なくともチャネル領域と重なる第1の部分と、前記第1の部分以外の第2の部分とでは、前記遮光層の層構成または前記メタル層の膜厚が異なり、前記第1の部分に比べて前記第2の部分の遮光性が低い、電気光学装置。
  2. 前記半導体層は、前記チャネル領域と、第1ソース・ドレイン領域と、第2ソース・ドレイン領域と、を含み、
    前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層の前記第1の部分は、前記半導体層の前記チャネル領域及び第2ソース・ドレイン領域と重なり、前記遮光層の前記第2の部分は、前記半導体層の前記第1ソース・ドレイン領域と重なり、
    前記第2の部分における前記メタル層の膜厚は、前記第1の部分における前記メタル層の膜厚よりも薄い、請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記半導体層は、前記チャネル領域と、第1ソース・ドレイン領域と、第2ソース・ドレイン領域と、を含み、
    前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層の前記第1の部分は、前記半導体層の前記チャネル領域及び前記第2ソース・ドレイン領域と重なり、前記遮光層の前記第2の部分は、前記半導体層の前記第1ソース・ドレイン領域と重なり、
    前記第1の部分は前記第1バリア層と前記メタル層と前記第2バリア層とからなり、前記第2の部分は前記第1バリア層と前記第2バリア層とからなる、請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 前記半導体層は、前記チャネル領域と、第1ソース・ドレイン領域と、第2ソース・ドレイン領域と、を含み、
    前記基板の法線方向における平面視において、前記遮光層の前記第1の部分は、前記半導体層の前記チャネル領域及び前記第2ソース・ドレイン領域と重なり、前記遮光層の前記第2の部分は、前記半導体層の前記第1ソース・ドレイン領域と重なり、
    前記第1の部分は、前記第1バリア層と、前記第1バリア層上に設けられた金属からなる第1メタル層と、少なくとも前記第1メタル層を覆う前記第2バリア層と、前記第2バリア層上に設けられた金属からなる第2メタル層と、少なくとも前記第2メタル層を覆う前記金属化合物からなる第3バリア層とからなり、
    前記第2の部分は、前記第1バリア層と、前記第1メタル層と、前記第2バリア層と、前記第2バリア層を覆う前記第3バリア層とからなり、
    前記第2メタル層の膜厚は、前記第1メタル層の膜厚よりも薄い、請求項1に記載の電気光学装置。
  5. 前記半導体層は、前記チャネル領域と前記第2ソース・ドレイン領域との間に、前記第2ソース・ドレイン領域よりも不純物の濃度が低い低濃度領域を含み、
    前記第1の部分は、少なくとも前記チャネル領域及び前記低濃度領域並びに前記第2ソース・ドレイン領域と重なる、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記金属化合物は、W、Mo、Crの中から選ばれる金属のシリサイドであり、
    前記金属は、Ti、Zr、Hfの中から選ばれる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項の電気光学装置を備えた電子機器。
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