JP2019131904A - 結束紡績糸ならびにその製造方法およびそれを含む織編物 - Google Patents

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【課題】優れた抗ピル性と良好な生地品位を同時に併せ持つ生地を製造可能にする紡績糸と、その紡績糸を含む織編物を提供する。【解決手段】糸長10mあたりの毛羽数が、長さ1mm以上が50個以上250個以下、長さ3mm以上が0.5個以上15個以下であり、かつ糸直径の変動係数(CV%)が13%以下である結束紡績糸であって、紡績糸を構成する短繊維の平均捲縮率が、0.1%以上5%以下であることを特徴とする結束紡績糸。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた抗ピル性と良好な生地品位を同時に併せ持つ生地を製造可能にする結束紡績糸、およびその結束紡績糸を用いてなる織編物に関するものである。
従来、優れた抗ピル性を発揮する紡績糸を得る方法としては、紡糸、延伸工程で樹脂や繊維の強度を低下させ、生地表面に発生する毛羽を脱落しやすくした原綿を用いる方法等がある。しかし、このような原綿による変性繊維は、一般繊維に対して繊維強度が弱いために紡績性が悪く、また生地の機械的物性も劣るという欠点がある。
また、染色仕上げ工程で繊維強度の低下を促進させて抗ピル性を発揮させる方法や、樹脂コーティングにより毛羽を発生しにくくして抗ピル性を発揮させる方法等もあるが、通常工程に加えて高温かつ長時間の工程を通す必要があるためコスト的に不利であり、特に樹脂コーティングの場合では、生地の風合いが粗硬になるという欠点がある。
近年、紡績方法による抗ピル性の改善が検討されており、結束紡績を利用する方法がある。この方法では、高速エア流体による繊維間絡合が基本構造であり、結束紡績糸を構成する短繊維の端部が該結束紡績糸内部に拘束されることになるため、毛羽が少なく抗ピル性が向上する。
しかしながら、結束紡績では、高速エア流体を糸条に付与して、該糸条を構成する短繊維によって糸条を結束させるという紡績機構上、短繊維による結束が突発的に乱れる場合があり、見かけ糸直径が大きく変動する部分を多く含む紡績糸となりやすい。このような見かけ糸直径の変動が大きい紡績糸を含む織編物、特に織物は、糸と糸との間に形成される隙間部分の大きさが変動するため、不揃いな隙間部分の連続が筋となって見え、生地品位が低下するという致命的な欠点がある。そのため、衣料用途を中心とする織編物では、優れた抗ピル性と良好な品位を同時に併せ持つ生地が要望されている。
抗ピル性向上に関して、特許文献1には、粗糸の移動方向に対して横の方向に流れる空気流の中に3本の粗糸を通しつつ交撚するリング精紡技術が開示されており、かかるリング精紡技術によれば均整度に優れた紡績糸を得ることができるということである。
しかしながら、この文献に記載の方法であっても、例えば実施例に示された衣料用途として汎用的な繊度である40番手での3mm長さの毛羽個数は97.0と非常に多く(表4)、抗ピル性が十分とはいえない。また生地品位に関して、糸の均整度に関する記載として、JIS−L−1095(2010)に従った糸の太さむら(IPI)が記載されているが、この方法は、紡績糸を構成する断面繊維本数の変動を測定する生産管理指標であり、生地品位との相関関係がある糸直径変動とは必ずしも一致しておらず、織編物の品位は十分でない。
また、特許文献2には、変性ポリエステル繊維を用いることなく、優れた抗ピル性を発揮する布帛を提供することを目的とした、高異型度短繊維や中空短繊維を含むエア交絡紡績糸が開示されており、具体的に実施例には毛羽長3mm以上の毛羽指数が1〜7のエア交絡紡績糸が開示されている。しかしながらこの文献にも、糸直径の変動係数を低減可能にすることで生地品位を向上させるという技術思想が存在せず、満足できる状態ではない。
特開2006−83476号公報 特許第4143904号公報
以上より従来技術、および従来技術の単純な組み合わせでは、優れた抗ピル性と良好な生地品位を同時に併せ持つ生地を製造可能にする紡績糸は得られないという課題があり、本発明は、優れた抗ピル性と良好な生地品位を同時に併せ持つ生地を製造可能にする紡績糸と、その紡績糸を含む織編物を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、以下のいずれかの構成を有する。
(1) 糸長10mあたりの毛羽数が、長さ1mm以上が50個以上250個以下、長さ3mm以上が0.5個以上15個以下であり、かつ糸直径の変動係数(CV%)が13%以下である結束紡績糸であって、該結束紡績糸を構成する短繊維の平均捲縮率が0.1%以上5%以下であることを特徴とする結束紡績糸。
(2) ポリアミド成分を有する繊維を含む、前記(1)に記載の結束紡績糸。
(3) 非ポリアミド成分の繊維からなり、糸直径の変動係数(CV%)が11%以下である、前記(1)に記載の結束紡績糸。
(4) 結束紡績糸を得るにあたり、ドラフトした短繊維の繊維束に圧縮空気を付与して仮撚するとともに、短繊維の平均捲縮率を0.1%以上5%以下にすることを特徴とする結束紡績糸の製造方法。
(5) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の結束紡績糸または請求項4に記載の方法によって得られた結束紡績糸を少なくとも一部に含む織編物。
本発明によれば、優れた抗ピル性を有しながら、同時に良好な生地品位を併せ持つ生地を製造可能にする結束紡績糸が得られ、この結束紡績糸を含む織編物は、低コストかつ製造が容易でありながら、高級衣料用途にも採用可能な高品位の生地となる。
まず、本発明の結束紡績糸(以下、単に「紡績糸」という)と、その紡績糸を含む織編物の形態について述べる。
本発明の紡績糸に使用される短繊維(以後、「繊維」と略す。)の種類は、特に限定されるものではなく、目的や用途により、通常のあらゆる合成繊維はもとより、セルロース系繊維、植物繊維および動物繊維などから適宜選択することができる。中でも、衣料用途としての使用頻度が高く、生地や製品にした際により高い品位が求められるポリエステル繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維、コットン、ウールから選ばれる少なくともいずれか一つを一部に含む場合、本発明による効果が著しく、より好ましい。特にナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド成分を含む繊維を含む繊維群を紡績する場合、一般的に紡績工程で静電気が発生しやすく、その静電気によるローラなど工程部品への巻きつきなどで脱落繊維が増加するため、紡績糸を構成する繊維本数の変動が大きくなり、したがって糸直径の変動係数が大きくなってしまう傾向にある。そのため、本発明の効果はポリアミド成分を含む繊維を含む場合に特に顕著で、より好ましい。
本発明の紡績糸の糸番手は、用途に応じて適宜選ぶことができる。高品位という特徴がより発揮される衣料用途として、代表的な7〜120番手(綿式)の範囲であることが好ましく、使用頻度が高いシャツやパンツ、インナー用途としては、10〜80番手(綿式)が好ましく用いられる。
また、本発明の紡績糸を得るにあたって使用される繊維の繊維長は、用途に応じて適宜選定される。例えば衣料用途として代表的に選択される20mm〜100mmが好ましく、中でも一般的に繊維長が短い方が毛羽は少なくなり抗ピル性が優れていることから、20mm〜64mmであることがより好ましい。
本発明の紡績糸を得るにあたって使用される繊維の繊度は、衣料用途に用いられる番手を考慮して、3.5dtex以下が好ましく、更に好ましくは2.8dtex以下である。3.5dtex超では紡績糸を構成する繊維の本数が減少し、紡績工程で発生する斑による紡績糸の見かけ直径の変動係数が大きくなりやすい。一方、繊度が小さいほど紡績糸の構成本数が増加し、結束紡績糸における繊維同士の収束性が向上し、より毛羽数の低減が期待できるが、原綿の製造安定性を考慮すると、0.5dtex以上が好ましい。
また、本発明の紡績糸を得るにあたって使用される繊維の捲縮率は、5%以上20%以下であることが好ましい。捲縮率とは、JIS L 0208(2010)に規定されるとおり、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、元の長さとの差の、伸ばしたときの長さに対する百分率捲縮率である。
捲縮率が5%を下回るような繊維は、その繊維の製造段階で、繊維同士の収束性が低く、カード工程通過性が悪くなるため、生産速度を落とす必要があり、結果コストが高くなる。また捲縮率が20%超のような繊維は、その繊維の製造段階で、繊維同士の収束性が必要以上に高く、開綿性が悪くなるため、混打綿工程での開綿工程数が通常以上に必要となり、結果、コストが高くなる。
本発明の紡績糸は上記のような繊維を用いて結束紡績によって得られる。この方法はリング紡績と異なり、紡績糸を構成する繊維のうち、紡績糸の糸長方向と平行方向に配置される繊維が多数を占めるため、紡績糸を構成する繊維の平均捲縮率が制御されていない場合には、それら繊維の屈曲により、紡績糸の直径変動が大きくなってしまう欠点がある。しかしながら、本発明においては、上述のような繊維を用いて結束紡績を行うことで、静電気の発生を抑制し、糸長10mあたりの毛羽数が、長さ1mm以上が50個以上250個以下、長さ3mm以上が0.5個以上15個以下であり、かつ糸直径の変動係数(CV%)が13%以下である結束紡績糸が得られる。
また、高品位の生地を得るための本発明の紡績糸は、糸直径の変動係数が小さいことが重要であり、したがって本発明においては、紡績糸を構成する繊維の平均捲縮率を適宜制御する。紡績糸を構成する繊維の平均捲縮率が0.1%以上5%以下の範囲である場合、紡績糸を構成する繊維同士に適度な絡み合いが生じるため繊維同士の収束性が向上し、糸直径の変動係数を小さくすることが可能となるため好ましく、同時に毛羽数が減少するため好ましい。
かかる平均捲縮率が0.1%未満の場合では、繊維間に働く摩擦力が小さくなるため、紡績糸全体の引っ張り強力が低下してしまい、生地を作製するための織布工程や編成工程での糸切れが多くなり、品位が低下すると同時に高コストとなる。また5%超の場合では、繊維の屈曲が大きいために毛羽数が増加し、抗ピル性が低下する。さらにその繊維の屈曲によって紡績糸に部分的に膨らみが生じるなど、糸直径の変動係数も大きくなる。
さらに、紡績糸を構成する繊維の平均捲縮率が0.1%以上3%以下である場合は、繊維の屈曲が適度に制御されるために、繊維自身が適度に直線状態にあり、その繊維からなる紡績糸も直線状態が適度に保たれる。その結果、糸直径の変動係数をより小さくすることが可能であり、より好ましい。
ここで、紡績糸を構成する繊維の平均捲縮率とは、紡績糸を分解して、破断することなく抜き出した繊維10本に対して、JIS L 1015(2010)に準拠して捲縮率を測定し、それらの値から算出した10本の平均値を指す。
平均捲縮率が0.1%以上5%以下の繊維で構成される本発明の紡績糸は、通常の結束紡績糸を得る工程の中で、練条工程や粗紡工程などの繊維捲縮が伸ばされる工程を通常よりも多い回数通過させることで、繊維が損傷することなく好ましい範囲の捲縮率を有する繊維を得ることにより達成できる。
本発明の紡績糸は、糸長10mあたりの毛羽数が、長さ1mm以上が50個以上250個以下、長さ3mm以上が0.5個以上15個以下であることで、織編物にした場合に必要な抗ピル性を発揮でき、長さ1mm以上の毛羽が200個以下、長さ3mm以上の毛羽が10個以下であることを同時に満たすことがより望ましい。長さ1mm以上の毛羽数が50個未満の場合や長さ3mm以上の毛羽数が0.5個未満の場合は、生地にした場合に生地表面の毛羽数が少なすぎるために、風合いが粗硬となり特に衣料用途として用いる場合に好ましくない。また長さ3mm以上の毛羽が15個超では、スムースやパイル組織などのルーズな組織などにおいては十分な抗ピル性が得られなくなるため好ましくない。一般的に生地の抗ピル性は、糸の拘束が弱い編物で問題になる傾向があり、JIS L 1076 A法(2012)(ICI形試験機 5時間で判定)で3級以上であれば衣料品として抗ピル性能を満足する。
また、本発明の紡績糸は、糸長100mあたりの糸直径の変動係数(CV%)が13%以下である。製造工程において静電気が発生し、糸直径の変動係数が大きくなりやすいポリアミド成分を有する繊維を含む紡績糸であっても、本発明によれば、このような変動係数とすることができる。また、ポリアミド成分を含有しない非ポリアミド成分の繊維からなる紡績糸は、上記糸直径の変動係数(CV%)を11%とすることができる。
この糸直径の変動係数(CV%)とは、走行させる糸の直径を光学式センサーで連続測定することにより得られる値である。従来から生産管理などの指標として一般的に用いられてきたJIS−L−1095に従った糸の太さむら(IPI)は、電極間に糸を走行させ、紡績糸断面の静電容量の変化を測定しており、主に紡績糸を構成する本数や素材に依存する値であり、生地品位との相関関係がある糸直径変動とは必ずしも一致しない。
一般的な衣料用途に使用される織編物では、糸と糸との間に形成される隙間部分の大きさが変動することで、不揃いな隙間部分の連続が筋となって見え、生地品位が低下する問題がある。そのため、糸直径の変動係数(CV%)を制御することが重要であり、鋭意検討の結果、糸直径の変動係数(CV%)が13%以下の紡績糸を用いた織編物では生地品位が良好となる。ポリアミド成分を含まない繊維であれば、該変動係数(CV%)が11%以下でも製造容易であり好ましく、8%以下であればシャツやブラウス、インナーやTシャツ用途など、優れた抗ピル性と良好な生地品位を同時に併せ持つ生地の製造が難しい薄地生地でも効果が発揮され、より好ましい。
次に、本発明の紡績糸を含む織編物について、具体的に説明する。
本発明の紡績糸を使用してなる織編物は、衣料用途や資材用途その用途によって選択することができる。
例えば、本発明の紡績糸を織物に用いる場合は、織物の経糸および/または緯糸として使用することができ、通常の製織工程で織物を製織することができる。特に経糸に用いる場合には、高品位である効果がより発揮されるため好ましい。また、本発明の紡績糸を編物に用いる場合は、通常の丸編や経編工程で編成することができ、生産性も問題ない。
製織編工程は、一般的に使用される工程が適用され、織機および編機の種類は特に限定されない。また、織編物の組織や密度は、求められる用途や物性および機能性により選択される。
得られた生機は、使用される素材によって選別されるが、一般的な染色工程や、条件で染色仕上げ加工され、最終の仕上げにより織編物となる。また、必要に応じて染色した原綿や製織編工程前の紡績糸の段階で染色することもできる。
また、本発明の紡績糸は、この紡績糸を織編物の一部に使うこともできるし、織編物の全体に使用することもでき、その用途や目的に沿って設計を決めることができる。
次に、本発明の紡績糸について実施例などに基づいて更に具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
単繊維繊度が1.45dtex、繊維長が38mm、捲縮率が13.5%のポリエステル短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプT403)を使用して、重量が3.55g/mの繊維束を作製し、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度350m/分で紡績し、綿番手40番手、平均捲縮率1.9%の結束紡績糸を得た。
(実施例2)
芯成分がポリエステル、鞘成分がナイロン66の、単繊維繊度が1.7dtex、繊維長が51mm、捲縮率が15.0%のポリアミド系短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプDW51)を使用して、重量が0.83g/mの繊維束を作製し、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度240m/分で紡績し、綿番手8番手、平均捲縮率2.8%の紡績糸を得た。
(実施例3)
芯成分がポリエステル、鞘成分がナイロン66の、単繊維繊度が1.7dtex、繊維長が51mm、捲縮率が15.0%のポリアミド系短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプDW51)を使用して、重量が0.83g/mの繊維束を作製し、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度240m/分で紡績し、綿番手30番手、平均捲縮率2.4%の紡績糸を得た。
(実施例4)
単繊維繊度が1.45dtex、繊維長が38mm、捲縮率が13.5のポリエステル短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプT403)と、芯成分がポリエステル、鞘成分がナイロン66の、単繊維繊度が1.7dtex、繊維長が51mm、捲縮率が15.0%のポリアミド系短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプDW51)を重量%がそれぞれ50%になるよう混打綿工程で混綿した後に、カード工程、練条工程を通して重量が1.42g/mの繊維束を作製した。村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度240m/分で紡績し、綿番手40番手、平均捲縮率2.5%の紡績糸を得た。
(比較例1)
単繊維繊度が2.8dtex、繊維長が38mm、捲縮率が13.5%のポリエステル短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプT403)を使用して、重量が0.36g/mの繊維束を2本作製し、(株)豊田自動織機製精紡機でコンパクト装置を用いて2本の繊維束を回転数15,000rpmで精紡交撚して紡績し、綿番手40番手、平均捲縮率5.2%の紡績糸を得た。
(比較例2)
単繊維繊度が1.45dtex、繊維長が38mm、捲縮率が13.5のポリエステル短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプT403)を使用して、重量が3.55g/mの繊維束を作製し、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度350m/分で紡績し、綿番手40番手、平均捲縮率8.2%の結束紡績糸を得た。
(比較例3)
単繊維繊度が2.8dtex、繊維長が38mm、捲縮率が14.0%で、中空率が30のポリエステル短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプT453)を使用して、重量が3.55g/mの繊維束を作製し、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度350m/分で紡績し、綿番手40番手、平均捲縮率9.1%の紡績糸を得た。
なお、中空率は次のように算出した。繊維軸断面を顕微鏡で撮影(倍率500倍)し、その写真から中空部分を含む繊維全体の面積(S1)および中空部分の面積(S2)を測定し、以下の式より中空率を算出した。
中空率(%)=[S2/S1]×100
10本の単繊維を任意に選び、中空率を算出、それらの平均値を中空率(%)と定義した。
(比較例4)
芯成分がポリエステル、鞘成分がナイロン66の、単繊維繊度が1.7dtex、繊維長が51mm、捲縮率が15.0%のポリアミド系短繊維(東レ株式会社製、原綿タイプDW51)を使用して、重量が2.96g/mの繊維束を作製し、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーを用いて紡出速度350m/分で紡績し、綿番手40番手、平均捲縮率8.1%の紡績糸を得た。
上記実施例、比較例で得た紡績糸それぞれについて、次に示す同条件で編物、織物を作製し、評価した。
(編物)
28Gシングル丸編機で100ウェルのループ長24.7cm、ウェル数53/2.54cmの天竺組織の編地を作製した。得られた生地を開反し、通常の精練、染色およびセット加工を施した。
(織物)
経糸および緯糸に紡績糸を用いて、密度(経×緯)106×72本/2.54cmのゾッキ織物を作製した。得られた生地に通常の精練、染色およびセット加工を施した。
本発明における測定方法および評価方法は、次のとおりである。
(1)毛羽数:計測器工業(株)製「LASERSPOT」により、以下の条件で、糸長10mあたりの長さ(糸軸に直交する方向の長さ)1mm以上、3mm以上および5mm以上の毛羽数を測定した。
・紡績糸の走行速度:25m/分
・測定時間:4分
(2)糸直径の変動係数(CV%):計測器工業(株)製「LASERSPOT」により、以下の条件で、糸直径を測定した。得られた糸直径データについて標準偏差および平均値を算出し、標準偏差を平均値で除することで、糸直径の変動係数を算出した。
・紡績糸の走行速度:25m/分
・測定時間:4分
(3)ピリング(編物):JIS L 1076 A法(2012)(ICI形試験機5時間で判定)に準拠して評価した。
(4)織物の生地品位:織物の生地品位評価として、以下の4段階で目視評価した。
◎:非常に良い、○:良い、△:普通、×:悪い
(5)平均捲縮率:紡績糸を分解して、破断することなく抜き出した繊維10本に対して、JIS L 1015(2010)に準拠して測定した捲縮率の平均値を算出した。
結果を表に示す。
Figure 2019131904
本発明の結束紡績糸によれば、優れた抗ピル性と良好な生地品位を同時に併せ持つ織編物を得ることができ、かかる織編物は高級衣料用途をはじめ一般衣料用途はもちろん、カーペットやカーテンなどの資材用途にも用いることができる。

Claims (5)

  1. 糸長10mあたりの毛羽数が、長さ1mm以上が50個以上250個以下、長さ3mm以上が0.5個以上15個以下であり、かつ糸直径の変動係数(CV%)が13%以下である結束紡績糸であって、紡績糸を構成する短繊維の平均捲縮率が、0.1%以上5%以下であることを特徴とする結束紡績糸。
  2. ポリアミド成分を有する繊維を含む、請求項1に記載の結束紡績糸。
  3. 非ポリアミド成分の繊維からなり、糸直径の変動係数(CV%)が11%以下である、請求項1に記載の結束紡績糸。
  4. 結束紡績糸を得るにあたり、ドラフトした短繊維の繊維束に圧縮空気を付与して仮撚するとともに、短繊維の平均捲縮率を0.1%以上5%以下にすることを特徴とする結束紡績糸の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の結束紡績糸または請求項4に記載の方法によって得られた結束紡績糸を少なくとも一部に含む織編物。
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