JP2019131573A - 臍帯組織の凍結保存方法 - Google Patents

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登紀子 長村
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有加 森
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貴久 島津
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孝一 佐瀬
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Abstract

【課題】解凍後に回収される生細胞数が良好な、臍帯組織の凍結保存方法を提供する。【解決手段】本発明に係る凍結保存方法は、臍帯組織を凍結保存する方法であって、凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、上記臍帯組織を、上記凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、臍帯組織の凍結保存方法に関する。より詳細には、解凍後に回収される生細胞数が良好な、臍帯組織の凍結保存方法に関する。
臍帯組織は、間葉系幹細胞をはじめとする、種々の組織幹細胞および前駆細胞を豊富に含んでいる。間葉系幹細胞は、骨髄、脂肪、臍帯血、臍帯、および胎盤等から分離され、付着性であり、多様な細胞に分化する能力を有する。そのため、臍帯組織は、医療または研究において、重要な細胞供給源となり得る。
このような臍帯組織由来の細胞は、臍帯組織が新鮮なうちに回収され、凍結保存されている。しかしながら、通常、臍帯組織の摘出後すぐ(例えば24時間以内)に処理を行う必要があり、臨床現場においては困難であった。また、臍帯組織から必要な細胞集団の分離を行っても、必ずしも目的とする細胞が効率良く分取できるとは限らない。さらに、目的とする細胞も将来的に変わる可能性がある。その上、臍帯組織から細胞を分離後に培養して凍結するための培養液等の費用が高い。通常、生きた細胞を凍結保存するためには、5〜10%DMSO溶液またはグリセロール溶液に入れて素早く凍結を開始する。出産後に臍帯組織から間葉系幹細胞を分離培養して得るためには最低でも2週間程度はかかり、設備、費用および技術的スタッフも必要である。
そこで、臍帯組織ごと凍結できれば、将来目的とする細胞をその時点で解凍・分離できる可能性がある。臍帯組織は出産時の産物であり、これまで医療廃棄物として廃棄されることが多かったが、これを保存することによって、将来自他の医療または研究用として利用できる可能性がある。また、現在分取できない未知の細胞も分離できる可能性もある。
臍帯組織を凍結保存する技術として、特許文献1および2には、「生存可能な細胞を含んでなる臍帯組織を、血清を含有する細胞培養培地および低温保存剤を含んでなる低温保存溶液と組み合わせ、次いでこの組み合わせ物を、低温保存剤が組織に浸透できる期間および温度で、液体として組み合わせ物が冷蔵される冷却工程に供し、冷却した組み合わせ物を凍結し、そして次に場合により凍結した組み合わせ物を極低温条件下に保存する工程を含んでなる、臍帯組織に存在する細胞の生存能を保存する方法」が記載されている。
特表2009−520466号公報(2009年5月28日公表) 特開2013−172721号公報(2013年9月5日公開)
臍帯組織の凍結保存において、解凍後に回収される生細胞数を向上させることが望まれる。
本発明は、解凍後に回収される生細胞数が良好な、臍帯組織の凍結保存方法を提供することを主な目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、凍害防御剤およびグルコースを含む溶液に、臍帯組織を浸漬して凍結を行うことにより、解凍後に良好な数の生細胞を回収できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る凍結保存方法は、臍帯組織を凍結保存する方法であって、凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、上記臍帯組織を、上記凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含む。
本発明に係る凍結保存方法において、上記凍結保存用溶液は、天然の動物由来成分を含まないことが好ましい。
本発明に係る凍結保存方法において、上記凍結保存用溶液は、増粘剤、凍害防御剤およびグルコースを含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液であることがより好ましい。
本発明に係る凍結保存方法において、上記凍結保存用溶液は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを0.1〜1.0w/v%含み、ジメチルスルホキシドを1.0〜15.0w/v%含み、グルコースを0.5〜10.0w/v%含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液であることがさらに好ましい。
本発明に係る凍結保存方法において、上記浸漬工程では、1〜6時間、上記凍結保存用溶液に上記臍帯組織を浸漬することが好ましい。
本発明に係る凍結保存方法において、上記臍帯組織は、ヒトの臍帯組織であってもよい。
本発明に係る回収方法は、凍結保存されている臍帯組織から生細胞を回収する方法であって、上記の凍結保存方法を用いて凍結保存されている臍帯組織を解凍する解凍工程と、解凍した臍帯組織から生細胞を回収する細胞回収工程と、を含む。
本発明に係る回収方法において、上記生細胞は、間葉系幹細胞であってもよい。
本発明に係る回収方法において、上記解凍工程では10〜40℃の温度で上記臍帯組織を解凍することが好ましい。
本発明に係る回収方法は、上記細胞回収工程の前に、上記解凍した臍帯組織に付着している上記凍結保存用溶液を除去する洗浄工程を含むことが好ましい。
本発明に係る回収方法は、上記細胞回収工程の前に、エクスプラント法による細胞培養を行う培養工程を含んでいてもよい。
本発明に係る作製方法は、解凍後に生細胞を回収可能な、臍帯組織の凍結物を作製する方法であって、凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、上記臍帯組織を、上記凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含む。
本発明はまた、上記作製方法を用いて作製された、臍帯組織の凍結物を提供する。
本発明に係る臍帯組織の凍結保存用溶液は、凍害防御剤およびグルコースを含む。
本発明に係る凍結保存用キットは、臍帯組織を凍結保存するためのキットであって、上記臍帯組織の凍結保存用溶液と、凍結保存用溶液および臍帯組織を格納可能な耐寒性の容器と、を備える。
本発明はまた、上記回収方法を用いて回収された生細胞またはそれを継代培養した細胞を、所望の細胞に分化させる、分化方法を提供する。
本発明の臍帯組織の凍結保存方法を用いれば、解凍後に良好な数の生細胞を回収することができる。
実施例において、回収した細胞数(種々の浸漬時間)の結果を示す図である。 実施例において、間葉系幹細胞(MSCs)の表面マーカーの結果を示す図である。 実施例において、リンパ球混合試験の結果を示す図である。 実施例において、分化能を試験した結果(顕微鏡画像)を示す図である。 実施例において、回収した細胞数(種々の凍結保存用溶液)の結果を示す図である。
〔臍帯組織の凍結保存方法〕
本発明に係る臍帯組織の凍結保存方法は、凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、当該臍帯組織を、当該凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含んでいる。
本発明に係る凍結保存方法に適用できる臍帯組織の由来は特に限定されず、有胎盤類の哺乳動物全般の臍帯組織を保存することができる。有胎盤類の哺乳動物としては、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヒトを除く霊長類等の実験動物;イヌ、ネコ等の愛玩動物(ペット);ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ等の家畜;ヒト;が挙げられる。本発明に係る凍結保存方法は、ヒトの臍帯組織に効果的に適用することが可能である。
また、臍帯組織は、組織全体であってもよいし、断片であってもよい。臍帯組織を断片化して別々に凍結保存すれば、必要な分だけその都度解凍して用いることができ、試薬等のコストを削減することができるため好ましい。断片化する場合、例えば、0.5〜5.0gに分ければよい。
凍結保存用溶液に含まれる凍害防御剤は、臍帯組織を十分に保存できる凍結保存用溶液を構成し得るものであれば、特に限定されない。凍害防御剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド(以下DMSOとする)、グリセロール、プロピレングリコール、および1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。凍害防御剤としては、DMSOおよびプロピレングリコールが好ましく、DMSOが特に好ましい。凍害防御剤は凍結保存用溶液中に1.0〜15.0w/v%含まれることが好ましく、5.0〜15.0w/v%含まれることがより好ましく、5.0〜12.0w/v%含まれることがさらに好ましく、8.0〜11.0w/v%含まれることが特に好ましい。
凍結保存用溶液に含まれるグルコースは、凍結保存用溶液中に0.5〜10.0w/v%含まれることが好ましく、1.0〜10.0w/v%含まれることがより好ましく、2.0〜8.0w/v%含まれることがさらに好ましく、2.0〜5.0w/v%含まれることが特に好ましい。
凍結保存用溶液は、さらに、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、pH調製剤、および増粘剤等が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、HEPES、およびリン酸緩衝液等が挙げられる。また、Basic Stock Solution(BSS)にリン酸緩衝液を添加しない場合には、臍帯組織に適したpH付近で緩衝能を持たせる働きを有する塩化ナトリウムを添加したものも用いることもできる。このうちリン酸緩衝液を用いることが特に好ましい。pH調整剤は凍結保存用溶液中のpHをおよそ6.5〜9.0、好ましくは7.0〜8.5に調整するために適宜用いることが好ましい。なお、本発明におけるリン酸緩衝液とは、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム(無水)、リン酸一カリウム(無水)、リン酸二ナトリウム(無水)、リン酸三ナトリウム(無水)、塩化カリウム、およびリン酸二水素カリウム(無水)等のことをいい、特に塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム(無水)、塩化カリウム、またはリン酸二水素カリウム(無水)を用いることが好ましい。pH調整剤は凍結保存用溶液中に0.01〜1.0w/v%含まれることが好ましく、0.05〜0.5w/v%含まれることがより好ましい。
凍結保存用溶液は、天然の動物由来成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。天然の動物由来成分としては、例えば、血清および基礎培地等が挙げられる。血清としては成牛血清、仔牛血清、新生仔牛血清、および牛胎児血清等が挙げられる。基礎培地としては、RPMI培地、MEM培地、HamF−12培地、およびDM−160培地等が挙げられる。凍結保存用溶液は、天然の動物由来成分を含まないことが好ましい。天然の動物由来成分を含まない凍結保存用溶液では、天然の動物由来成分のロット間での品質の違いの問題を生じることがない上、血清に含まれる各種サイトカイン、増殖因子およびホルモン等の本来細胞保存に不必要な成分による臍帯組織中の細胞の性質の変化の虞を回避でき、さらに、基礎培地に含まれる由来が不明な成分による影響も回避できる。そのため、天然の動物由来成分を含まない凍結保存用溶液は、特に臨床使用において非常に有用である。
凍結保存用溶液は、さらに、増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤は、臍帯組織を十分に保存できる凍結保存用溶液を構成し得るものであれば、特に限定されない。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(以下CMCとする)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC−Naとする)、有機酸ポリマー、アルギン酸プロピレングリコール、およびアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。増粘剤としては、CMCおよびCMC−Naが好ましく、CMC−Naが特に好ましい。また、有機酸ポリマーのうちではポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。増粘剤は凍結保存用溶液中に0.1〜1.0w/v%含まれることが好ましく、0.1〜0.5w/v%含まれることがより好ましく、0.2〜0.4w/v%含まれることがさらに好ましい。
凍結保存用溶液は、水溶液であることが好ましい。凍結保存用溶液の浸透圧は、保存液としての性能を保持するために、1000mOsm以上であることが好ましく、1000〜2700mOsmであることがより好ましい。
なお、凍結保存用溶液の組成は、細胞を十分に保存できる組成であれば上記で列挙した各成分の具体例のうちいずれの成分の組み合わせも用いることができる。また、濃度についてもそれぞれ選択して組み合わせることができる。
凍結保存用溶液は、好ましい一例において、増粘剤、凍害防御剤、およびグルコースを含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液である。凍結保存用溶液は、より好ましい一例において、CMC−Na、DMSO、およびグルコースを含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液である。凍結保存用溶液は、さらに好ましい一例において、CMC−Naを0.1〜1.0w/v%含み、DMSOを1.0〜15.0w/v%含み、グルコースを0.5〜10.0w/v%含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液である。凍結保存用溶液は、よりさらに好ましい一例において、CMC−Naを0.2〜0.3w/v%含み、DMSOを10.0w/v%含み、グルコースを2.0〜4.0w/v%含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液である。
浸漬工程では、生細胞を含む臍帯組織を凍結保存用溶液に浸漬する。浸漬する臍帯組織は、母体から採取されてからの時間が短いほど、生細胞の数が多いため、好ましい。例えば、母体から採取されてから48時間以内のものを用いることが好ましく、36時間以内のものを用いることがより好ましく、24時間以内のものを用いることがさらに好ましい。臍帯組織は、出産後の母体から採取された胎盤・臍帯から、臍帯血を採血後に胎盤から切離して得ることができる。
浸漬工程における温度は特に限定されないが、酵素活性を低く抑え、細菌感染を防止する観点から0℃〜15℃の範囲内であることが好ましく、1℃〜7℃の範囲内であることがより好ましい。浸漬時間は特に限定されないが、1時間以上であることが好ましく、細胞のエピジェネティクスへの影響を低減する観点からは18時間以下であることが好ましく、6時間以下であることがより好ましい。浸漬工程における圧力は特に限定されず、例えば、常圧で行えばよい。
浸漬工程において、凍結保存用溶液および臍帯組織を入れる容器は、特に限定されないが、例えば、耐寒性の容器内で浸漬工程を行い、容器ごと凍結工程に供すれば、手間が省けるため好ましい。耐寒性の程度は、臍帯組織を保存する温度に耐え得るものであれば特に限定されないが、例えば、−80℃に耐え得る材料であることが好ましく、−200℃に耐え得る材料であることが好ましい。耐寒性の容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、およびフッ化エチレンプロピレン等の合成樹脂製の容器が挙げられ、容器の形態としては、バッグおよびチューブ等が挙げられる。容器は、凍結保存用溶液および臍帯組織を入れた後に密封できるものが好ましく、また内部が滅菌されていることが好ましい。
凍結工程では、臍帯組織を、凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する。最終的な凍結温度は特に限定されないが、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−150℃以下、さらに好ましくは−196.5℃以下である。冷却速度は特に限定されないが、緩速で冷却することが好ましい。緩速で冷却する場合、例えば、バイセル等を用いればよい。例えば、−80℃付近で保存したい場合、0.5時間以上で5時間以下の時間をかけて当該温度まで冷却することが好ましい。また、−80℃付近で保存した臍帯組織を−180℃〜−200℃(例えば、液体窒素中)に移して保存してもよい。臍帯組織を耐寒性の容器に入れて凍結することが好ましい。
本発明に係る凍結保存方法を用いて凍結保存された臍帯組織は、解凍後に良好な数の生細胞を回収することができる(後述の実施例を参照)。生細胞の回収は、例えば、後述の〔凍結保存組織からの生細胞の回収方法〕に従って行うことができる。本発明に係る凍結保存方法を用いて凍結保存された臍帯組織は、例えば、2週間経過後において、凍結していない臍帯組織から回収される生細胞数の、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%以上の数の生細胞を回収することができる。また、本発明に係る凍結保存方法を用いて凍結保存された臍帯組織は、1ヶ月経過後、3ヶ月経過後、6ヶ月経過後、1年経過後、3年経過後、5年経過後、もしくは10年経過後において、またはそれ以上経過後において(半永久的に)、凍結していない臍帯組織から回収される生細胞数の、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%以上の数の生細胞を回収し得る。
したがって、本発明に係る凍結保存方法を用いて臍帯組織を凍結保存しておけば、将来自他の医療の際に、解凍して用いることができる。また、現在の技術では分取されていない可能性のある未知の細胞が将来的に単離可能になった際に、有効に用いることができる。例えば、現在治療法がない疾患であっても、将来的に治療法が開発された際に、凍結保存しておいた臍帯組織を利用することが可能となる。また、先天性遺伝子疾患等においては、遺伝子治療用の自家細胞ソースとして利用することもできる。本発明に係る凍結保存方法は、他の組織の凍結保存に応用され得る。
〔凍結保存組織からの生細胞の回収方法〕
本発明に係る凍結保存組織からの生細胞の回収方法は、上述の凍結保存方法を用いて凍結保存されている組織を解凍する解凍工程と、解凍した組織から生細胞を回収する細胞回収工程と、を含んでいる。
解凍工程における温度は特に限定されないが、10〜40℃であることが好ましく、30.0〜40.0℃であることがより好ましい。解凍は急速に行うことが好ましく、例えば、37〜38℃のウォーターバスを用いて解凍すればよい。凍結工程において臍帯組織を格納した容器から臍帯組織を取り出して解凍工程に供してもよいが、好ましく容器ごと解凍工程に供する。
本発明に係る凍結保存組織からの生細胞の回収方法は、細胞回収工程の前に、解凍した組織に付着している凍結保存用溶液を除去する洗浄工程を含んでいることが好ましい。洗浄工程で用いる液体はその後の処理内容および細胞の使用用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、培養培地、生理食塩水、またはPhosphate Buffered Saline(PBS)等を用いて洗浄すればよい。洗浄工程は、解凍工程後すぐに行うことが好ましい。
細胞回収工程では、解凍した臍帯組織から生細胞を回収する。細胞を回収する方法は特に限定されない。例えば、臍帯組織から細胞を回収するための公知の方法を用いることができる。その一例として、エクスプラント法による細胞培養を行う方法が挙げられる。エクスプラント法による細胞培養では、臍帯組織を細切し、細胞培養用ディッシュに組織片を張り付けて9〜21日程度培養を行う。その後、トリプシンで細胞を組織片ごと剥離してメッシュ(セルストレーナー等も用いればよい)を用いて組織片を除いてから、細胞のみを回収する。したがって、本発明に係る回収方法の一実施形態では、細胞回収工程の前に、エクスプラント法による細胞培養を行う培養工程を含んでいる。その他、コラゲナーゼ等の酵素を用いて細切した組織片を分離して細胞を得る方法も挙げられる。培養工程の前に洗浄工程を行うことが好ましい。また、上述のように本発明に係る凍結保存方法は半永久的に良好な状態で保存し得るため、将来的に開発される細胞回収方法に供され得る。
本発明に係る回収方法によって回収される生細胞は特に限定されず、例えば、間葉系幹細胞、血管構成細胞、および間質細胞等が挙げられる。回収される生細胞は、好ましくは幹細胞または前駆細胞であり、より好ましくは間葉系幹細胞である。あるいは、現在では分離できていない未知の細胞であり得る。なお、回収される生細胞は、臍帯組織に含まれるオリジナルの細胞に限らず、培養工程において増殖した細胞(すなわち、オリジナルの細胞のコピー)であってもよい。回収された生細胞は、医療または研究等に用いることができる。
本発明に係る凍結保存方法および回収方法を用いれば、幹細胞または前駆細胞のような分化の程度が低い細胞をその状態で回収し得る(後述の実施例を参照)。そのため、本発明はまた、本発明の回収方法を用いて回収された生細胞またはそれを継代培養した細胞を、所望の細胞に分化させる分化方法を提供する。継代培養および所望の細胞への分化方法は、例えば、公知の方法に従えばよい。
〔臍帯組織の凍結物の作製方法および臍帯組織の凍結物〕
本発明に係る臍帯組織の凍結物の作製方法は、解凍後に生細胞を回収可能な、臍帯組織の凍結物を作製する方法であって、凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、当該臍帯組織を、当該凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含んでいる。
浸漬工程および凍結工程の説明は、上述の〔臍帯組織の凍結保存方法〕におけるものと同じである。
本発明に係る作製方法によって作製された臍帯組織の凍結物は、解凍後に良好な数の生細胞を回収することができ(後述の実施例を参照)、例えば、2週間経過後において、凍結していない臍帯組織から回収される生細胞数の、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%以上の数の生細胞を回収することができる。また、本発明に係る作製方法によって作製された臍帯組織の凍結物は、1ヶ月経過後、3ヶ月経過後、6ヶ月経過後、1年経過後、3年経過後、5年経過後、もしくは10年経過後において、またはそれ以上経過後において(半永久的に)、凍結していない臍帯組織から回収される生細胞数の、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%以上の数の生細胞を回収し得る。
本発明に係る臍帯組織の凍結物は、上述の回収方法を用いて生細胞が回収されてもよい。回収された生細胞は、医療または研究等に用いることができる。
〔臍帯組織の凍結保存用溶液〕
本発明に係る臍帯組織の凍結保存用溶液は、凍害防御剤およびグルコースを含んでいる。凍結保存用溶液の説明は、上述の〔臍帯組織の凍結保存方法〕におけるものと同じである。
〔凍結保存用キット〕
本発明に係る臍帯組織を凍結保存するためのキットは、上述の臍帯組織の凍結保存用溶液と、凍結保存用溶液および臍帯組織を格納可能な耐寒性の容器と、を備える。
本発明に係るキットは、上述の〔臍帯組織の凍結保存方法〕および〔臍帯組織の凍結物の作製方法〕に好適に用いられる。
容器は、凍結保存用溶液および臍帯組織を格納可能であり、かつ耐寒性であれば、特に限定されない。容器の大きさは、格納する臍帯組織の大きさに応じて適宜選択すればよく、例えば、一辺が1cm〜10cmの箱型の容器であってもよいし、一辺が3cm〜15cmのバッグであってもよい。また、細胞および組織片の凍結保存時に通常使用される凍結チューブであってもよい。耐寒性の程度は、臍帯組織を保存する温度に耐え得るものであれば特に限定されないが、例えば、−80℃に耐え得る材料であることが好ましく、−200℃に耐え得る材料であることが好ましい。そのような容器としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、およびフッ化エチレンプロピレン等の合成樹脂製の容器が挙げられる。
本発明に係るキットは、さらに、キットの使用説明書を備えていてもよい。キットの使用説明書には、上記〔臍帯組織の凍結保存方法〕の欄で説明した、本発明に係る凍結保存方法の内容、および/または上記〔臍帯組織の凍結物の作製方法〕の欄で説明した、本発明に係る作製方法の内容が記録されている。また、キットの使用説明書には、さらに、上記〔凍結保存組織からの生細胞の回収方法〕の欄で説明した、本発明に係る回収方法の内容が記録されていてもよい。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔凍結保存用溶液の用意〕
凍結保存用溶液A:
CMC−Naを0.2〜0.3w/v%、DMSOを10.0w/v%、グルコースを2.0〜4.0w/v%、pH調整剤を適量含む、滅菌した水溶液を凍結保存用溶液Aとして用意した。凍結保存用溶液Aは、天然の動物由来成分を含んでいない。
凍結保存用溶液B:
CMC−Naを0.2〜0.3w/v%、FBSを37.5w/v%、DMSOを10.0w/v%、グルコースを2.0〜4.0w/v%、ダルベッコPBS(−)粉末を0.1〜0.2w/v%、pH調整剤を適量含む、滅菌した水溶液を凍結保存用溶液Bとして用意した。
凍結保存用溶液C:
DMSOを10.0w/v%、デキストラン(Dex40)を1.0w/v%、FFPを15.0w/v%、αMEMを65.0w/v%含む滅菌した水溶液を凍結保存用溶液Cとして用意した。
凍結保存用溶液D:
DMSOを10w/v%、FBSを90%含む滅菌した水溶液を凍結保存用溶液Dとして用意した。
〔臍帯組織の処理〕
異なるドナーから臍帯組織1g程度を採取した。合成樹脂製のバッグに臍帯組織および凍結保存用溶液Aを入れて密封し、所定の時間(0h、1h、3h、6h、18h)、4℃で静置した。次いで、臍帯組織を凍結保存用溶液Aに浸漬した状態でバッグをバイセルに入れて、−80℃で凍結した。−80℃まで3時間程度要した。2週間後、このバッグを37〜38℃のウォーターバスに入れて、臍帯組織を解凍した。培養培地(10%FBS/αMEM)を用いて臍帯組織を洗浄し、凍結保存用溶液Aを除去した。次いで臍帯組織をメスで細かく刻んで組織片とし、細胞培養用ディッシュに組織片を張り付け、専用の押さえ具をかぶせて、組織片が浮遊しないようにして、培養培地(10%FBS/αMEM)を注いで培養を開始した(エクスプラント法)。なお、専用の押さえ具が無い場合には、組織片がディッシュの底に張り付いたことを確認後に培養培地を注いでもよい。9〜14日後、トリプシンで細胞を組織片ごと剥離してセルストレーナーを用いて組織片を除いてから、細胞のみを回収した。対照として、凍結保存用溶液を用いずに臍帯組織を凍結および解凍したもの(「凍結保存用溶液なし」)、および、臍帯組織を凍結せずにそのまま組織を刻んだもの(「凍結なし」)からも、同様にエクスプラント法を用いて細胞を回収した。
〔回収した細胞数〕
回収した細胞数を凍結保存した組織重量で換算した結果を図1に示す。「凍結なし」の回収細胞数を1.0とし、その他の凍結保存用溶液Aに所定時間浸漬したときの回収細胞数の比を表示している。n=3である。
〔間葉系幹細胞の表面マーカー〕
凍結保存用溶液Aに3時間浸漬した臍帯組織から上述の方法で培養・回収したP2細胞を蛍光抗体で染色、フロサイトメトリー(FACS CantoII)で解析した。対照として、凍結なしの臍帯組織から上述の方法で培養・回収したP2細胞を用いた。間葉系幹細胞の表面マーカーであるCD73、CD105、CD90、HLA−DR、およびHLA−ABCについての結果を図2に示す。図2に示されるように、凍結保存した臍帯組織由来の細胞は、凍結なしの臍帯組織由来の細胞と同様の表面マーカーを呈した。
〔リンパ球混合試験〕
凍結保存用溶液Aに3時間浸漬した臍帯組織から上述の方法で培養・回収した細胞について、リンパ球混合試験を行った。リンパ球混合試験では、レスポンダー(R)のリンパ球がStimulator細胞(S)に反応して増殖するが、臍帯組織由来間葉系幹細胞(MSCs)はレスポンダー細胞の増殖を抑制する。レスポンダー細胞にはCFSE染色を、Stimulator細胞には放射線照射した同種樹状細胞(DC)を使用した。細胞数がR:DC:MSCs=10:1:1の比となるよう混合した。結果を図3に示す。レスポンダー細胞が増殖した場合には、図3の波形のピークが左にシフトするが、増殖しない場合または増殖抑制された場合には、ピークが右にとどまる。凍結した臍帯組織由来のMSCsは凍結なしの臍帯組織由来のMSCsと同様に、リンパ球混合試験におけるリンパ球増殖抑制効果を示した。
〔分化試験〕
凍結保存用溶液Aに3時間浸漬した臍帯組織から上述の方法で培養・回収した細胞について、脂肪細胞および軟骨細胞への分化能を試験した。対照として、臍帯組織を凍結せずにそのまま組織を刻んだもの(「凍結なし」)からも、同様にエクスプラント法を用いて細胞を回収し、分化能を試験した。試験においては、回収した細胞を何れもP3まで培養した後、脂肪細胞および軟骨細胞へと誘導した。
脂肪細胞への誘導は、P3の細胞を12穴プレートに2×10cells/well播種し、100μM インドメタシン(Sigma-Aldrich製)、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサチン(Sigma-Aldrich製)および10μg/mL インスリン(Sigma-Aldrich製)を添加した培養液(10%FBS+αMEM)中で培養することにより行った。培養液は3日ごとに交換し、3週間培養した。培養後、細胞を10%ホルムアルデヒドで固定し、PBS、60%イソプロパノールでリンスした後、オイルレッドOで染色した。オイルレッドOでは、脂肪細胞中の脂肪が赤色に染色される。結果を図4の(a)および(b)に示す。凍結・解凍した臍帯組織由来の細胞(図4の(b))は、新鮮な臍帯組織由来の細胞(図4の(a))と同様に染色され、脂肪細胞への分化能を示した。
軟骨細胞への誘導は、ペレット培養法を用いた。すなわち、回収した細胞2.5×10cells/wellを15mLコニカルチューブに入れ、遠心した後、ペレットにStemMACSTMChondroDiff Media(Miltenyi Biotec GmbH 製)を添加した。培養液は3日ごとに交換し、3週間培養した。培養後、細胞を4%ホルムアルデヒドで固定し、細切し、トルイジンブルー染色を行った。トルイジンブルー染色では、軟骨組織が青色に染色される。結果を図4の(c)〜(f)に示す。培養後、どちらの細胞についても、直径約1mmの弾力性の固いペレットが細胞中に観察された(図4の(c)および(d))。また、凍結・解凍した臍帯組織由来の細胞(図4の(e))は、新鮮な臍帯組織由来の細胞(図4の(f))と同様に染色され、軟骨細胞への分化能を示した。
〔異なる凍結保存用溶液での比較〕
同じドナーから臍帯組織1g程度を採取した。合成樹脂製のバッグに臍帯組織および凍結保存用溶液Aを入れて密封し、3時間、4℃で静置した。上記と同様の方法で、凍結、解凍、および培養し、細胞を回収した。また、凍結保存用溶液Bに浸漬したものからも、同様に細胞を回収した。対照として、凍結保存用溶液Cに浸漬したもの、凍結保存用溶液Dに浸漬したもの、凍結保存用溶液を用いずに臍帯組織を凍結および解凍したもの(「凍結保存用溶液なし」)、および、臍帯組織を凍結せずにそのまま組織を刻んだもの(「凍結なし」)からも、同様に細胞を回収した。
回収した細胞数を凍結保存した組織重量で換算した結果を図5の(a)に示す。「凍結なし」を1.0としたときの比を表示している。図5の(a)に示すとおり、凍結保存用溶液AまたはBを用いた場合は、凍結保存用溶液CまたはDを用いた場合よりも多くの細胞を回収することができた。また、凍結保存用溶液Aを用いた場合の方が、凍結保存用溶液Bを用いた場合よりもさらに多くの細胞を回収することができた。
また、「凍結保存用溶液なし」、「凍結なし」、および凍結保存用溶液A〜Cについて、異なるドナーから採取した臍帯組織を用いて同様の実験を行った。それぞれについての平均および標準偏差(SD)を図5の(b)に示す。凍結保存用溶液Aに3時間浸漬後の凍結・解凍群では、凍結なし群に比し、生細胞数の回収率の低下は認められず、むしろ有意に生細胞の回収率の増加を認めた。
本発明は、医療および研究等における臍帯組織の凍結保存に利用することができる。

Claims (16)

  1. 臍帯組織を凍結保存する方法であって、
    凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、
    上記臍帯組織を、上記凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含む、凍結保存方法。
  2. 上記凍結保存用溶液は、天然の動物由来成分を含まない、請求項1に記載の凍結保存方法。
  3. 上記凍結保存用溶液は、増粘剤、凍害防御剤およびグルコースを含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液である、請求項2に記載の凍結保存方法。
  4. 上記凍結保存用溶液は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを0.1〜1.0w/v%含み、ジメチルスルホキシドを1.0〜15.0w/v%含み、グルコースを0.5〜10.0w/v%含み、かつ天然の動物由来成分を含まない水溶液である、請求項3に記載の凍結保存方法。
  5. 上記浸漬工程では、1〜6時間、上記凍結保存用溶液に上記臍帯組織を浸漬する、請求項1〜4の何れか1項に記載の凍結保存方法。
  6. 上記臍帯組織は、ヒトの臍帯組織である、請求項1〜5の何れか1項に記載の凍結保存方法。
  7. 凍結保存されている臍帯組織から生細胞を回収する方法であって、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の凍結保存方法を用いて凍結保存されている臍帯組織を解凍する解凍工程と、
    解凍した臍帯組織から生細胞を回収する細胞回収工程と、を含む、回収方法。
  8. 上記生細胞は、間葉系幹細胞である、請求項7に記載の回収方法。
  9. 上記解凍工程では、10〜40℃の温度で上記臍帯組織を解凍する、請求項7または8に記載の回収方法。
  10. 上記細胞回収工程の前に、上記解凍した臍帯組織に付着している上記凍結保存用溶液を除去する洗浄工程を含む、請求項7〜9の何れか1項に記載の回収方法。
  11. 上記細胞回収工程の前に、エクスプラント法による細胞培養を行う培養工程を含む、請求項7〜10の何れか1項に記載の回収方法。
  12. 解凍後に生細胞を回収可能な、臍帯組織の凍結物を作製する方法であって、
    凍害防御剤およびグルコースを含む凍結保存用溶液に、生細胞を含む臍帯組織を浸漬する浸漬工程と、
    上記臍帯組織を、上記凍結保存用溶液に浸漬した状態で凍結する凍結工程と、を含む、作製方法。
  13. 請求項12に記載の作製方法を用いて作製された、臍帯組織の凍結物。
  14. 凍害防御剤およびグルコースを含む、臍帯組織の凍結保存用溶液。
  15. 臍帯組織を凍結保存するためのキットであって、
    請求項14に記載の臍帯組織の凍結保存用溶液と、
    凍結保存用溶液および臍帯組織を格納可能な耐寒性の容器と、を備える、凍結保存用キット。
  16. 請求項7〜11の何れか1項に記載の回収方法を用いて回収された生細胞またはそれを継代培養した細胞を、所望の細胞に分化させる、分化方法。
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