JPH05507715A - 培養上皮細胞シートの凍結保存 - Google Patents

培養上皮細胞シートの凍結保存

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 培養上皮細胞シートの凍結保存 発明の背景 本発明は、細胞の生存性とコロニー形成能力を有している、皮膚創傷の包帯とし て有用な培養上皮組織シートの凍結保存および長期間の保存に関する。
火傷や潰瘍、外科的切除などによる漿液の漏出予防と皮膚の創傷部の感染を予防 する一方で、新しい細胞の成長を促進する皮膚創傷包帯の開発が、医学界では重 要視されている。
従来の包帯は、広範囲の創傷を充分に保護することができず、幾つかの代換方法 が開発されている。これらの代換方法は、死体皮膚、ブタ皮膚の切断したものか あるいは完全な厚みのあるものを移植する方法、ヒト他家移植、ヒト自己移植な どである。免疫抑制療法を採用しない限り、自己移植以外は拒絶反応によって、 殆どの場合、成功しなかった。さらに従来の自己移植技術は広範な表面を覆うよ うな重症の火傷の場合には実施できなかった。
グリーンらは、火傷や潰瘍、および他の皮膚の創傷を治療するために何層かの細 胞の厚みをもった上皮細胞シートを培養する方法を開発した。米国特許4,01 6,036号には、上皮の層状のシートを作成するために、ケラチノサイトを連 続的に培養する方法が開示されている。米国特許4,304.866号には、ケ ラチノサイトを培養し、デスパーゼのような酵素を用いて付着支持体から細胞シ ートを剥がす移植可能な細胞シートを製造する方法が開示されている。米国特許 4,456,687号には、上皮細胞の成長を促進するのに有用な薬剤が開示さ れている。
これらの特許の開示内容は引用により、本願に組み込まれている。グリーンらに より開発された培養システムでは、上皮細胞は、組織培養用皿やフラスコ表面で 速やかに分裂し、最終的にコンフルエントで適度に層状となった、細胞相互がし っかりと結合したシート状態となる。これらのコンフルエントな培養は、例えば 酵素デスパーゼ(米国特許4,304.866号参照)を用いた処理により、結 合細胞シートとして公開することができる。培養シートは、ワセリン浸漬ガーゼ あるいは、他の非付着性支持体に付けて、手術室へ培養液中に入れたまま移送し 、患者の処置に使用する。
広い範囲の火傷はこれらの方法により調製された自己移植材料を用いてカバーす ることができる。しかし自己移植のためには、培養するための時間が必要である 。自己移植のための細胞を培養している間に、一時的な創傷包帯として有効な他 家移植によって創傷を保護することができる。他家移植の材料は慢性的な皮膚の 潰瘍と剥離皮膚移植供給者側の傷跡の治癒を促進する。グリーンらの方法により 調製された培養自己移植材料は、マサチニーセッツ州ケンブリッジに所在するバ イオサーフエース・テクノロジー有限会社から入手可能である。他家移植材料は 実験や臨床試験用として入手可能である。
培養上皮細胞移植の使用における実用上の重大な問題は、本質的に保存期間が短 いことにある。シートの生存性とコロニー形成能は、シートの成育している培地 から離れると速やかに失われて行く、これは、シートが生産設備から手術室まで 移動する時間と距離を限定している。細胞シートは並外れて脆いものである。こ の細胞シートは、ディスパーゼで剥離させた後、せいぜい、6時間から8時間足 らずの間に創傷面に処置した場合、生育とコロニー形成能の機能を維持すること ができる。時間的な制限が大量の細胞シートを確保することを阻害している。培 養シートの保存時間を延長するため凍結保存する技術が開発されれば、世界中に 移送することのできる大量の細胞シートの維持が可能となるであろう。
先行技術には凍結保存や特定の細胞培地の使用、確実な包装技術などを包含する 種々の組織保存法の説明があふれている。凍結保存は、凍結保護剤の存在下で物 質を凍結させて長期間貯蔵することを可能にする。この薬剤は、細胞の内外の水 性物質を排除し、氷の結晶の生成を予防する。凍結保護剤の性質や量及び/また は、凍結融解サイクルの後細胞の生存性を維持する試みにおける凍結工程の時間 、経過、温度などに関しての多数の開示されたプロトコールがある。例えば、米 国特許4,559,298号や4,688,387号を参照されたし。
凍結保存によって組織を保存することは、複雑で高価な工程であり、高い変動し 得る結果を生み出すことが可能となる。
しかし、これ以外の方法で、非常に短時間の間、たとえば約8時間より以上に、 動物組織の保存生存性を延長した例はない。例えば、Pittelko−他の例 U、 Invest、Dersatol、4:410−17゜413−14.1 986年)を参照されたし。長い間、スキンバンクは、一時的な他家移植の被覆 として、凍結したヒトの皮膚を火傷に使用してきた。しかし、この凍結はあまり 実用的ではない。
保存皮膚は代謝学的には活性であるが、上皮細胞が自己再生できるかどうかは確 実ではない(Hemibach、 D、、et al、+ Artificia l DerlIis for Major Burns:’ a Multi− Ceter Randos+1zed C11nical Trial”、An n、 Surg、 313−320. September 1988)。
グリーンらにより述べられているように、大規模な培養上皮自己移植の生産は、 患者自身の皮膚により、永続的に広い範囲の傷を覆うことを促進している。大量 の培養上皮は、患者のために生産されるものであるが、上皮の寿命に限界があり 、大きな問題となっている。この結果として、キャンセツダとデルツカは10% グリセロールを含んだ培養液中で、培養ケラチノサイトのコンフルエントシート を凍結する方法を開発した(EP O296475参照)。しかしながら、この 方法を用いた経験では、細胞の回復率が変動し、そして一般的に、非常に低いこ とが確認された。さらに、インキュベーション時間の幅が非常に狭く、大規模な 生産のためには、非実用的であることが判明した。その上、何らかのプロトコー ルにより凍結させ、液体窒素中で保存後融解させた移植は、しばしばヒビが入る 。創傷の被覆は可能かもしれないが、細胞レベルでは、コンフルエントシートの 活性状態については問題が残る。
高分子量の凍結保護剤を使用した初期の研究では、ポリビニールピロリドン(P VP)やデキストラン(分子量3O−100Kd)のみが凍結保存の間の赤血球 の破壊を予防することを確認している(Pegg、D、E、、”Banking  of Ce1ls、Ti5sues and Organsat Low T empratures ”、 Current Trends in Cryo biology、A。
5llith km集、 1970)。グリセロールとデキストランおよびヒド ロキシルエチル澱粉の組み合わせが羊の精子の凍結融解の自動力を部分的に維持 する(Schr@ehl et al、、”The Effects ofNo npenetrating Cryoprotectants Added t o Te5t−Yolk−Glycerol Extender on the  Post−Thaw Motility of Ram Spermatoz oa” 23 Cryobiol、 6:512−17.1986)。
生存性の指標としてトリパンブルー染料排除を行った場合、ヒドロキシルエチル 澱粉(HES)のみが、造血源である凍結保存細胞の生存性を促進することが確 認されている。しかし、凍結保護剤が添加され、その後で非常に時間のかかる方 法で、緩やかに除去されていった場合にのみ有効である(Conscience 。
Fischer、 ”An ra+proved Preservation  Technique for Ce1lsof Hemapoetic Ori gin’ 22 Cryobiol、 5: 495−98+ 1985)。
この生存性のパラメーターは短期間の膜安定性に関する情報のみを提供し、組織 の増殖潜在力や長期間の生存性に関するデータは提供していない。この文献の著 者らは、HESは、上皮性組織由来細胞の凍結保存には無効であるとのべている 。
別の研究では、細胞の長期間の生存性をより反映しているパラメーターであるが 、細胞増殖分析物により決定されるように、造血源である細胞の凍結保存にはH ESが有効であった(Wang、 et al、、 Cryobiol、 24 : 229−237.1987)。
凍結保護剤として高分子量の非浸透性(ガラス成形性)薬剤を使用した研究が、 上記した赤血球やリンパ球のような浮遊性細胞に集中している傾向にある。しか し、凍結保存の期間中に細胞の凝集性シートの完全性を保つ必要性が、生存細胞 (即ち組織再生能力をもった細胞)の回復を極端に制限するものである。
上皮細胞の生きた培養シートを保存することのできる凍結保存の手法論を提供す ることが本発明の目的である。この方法論においては、その方法とは創傷の治療 に有用な上皮組織の形成を可能にするため、シートの構造上の結合性を保ってお り、さらにシートの細胞の有糸分裂能力を維持するものである。
発明の概要 皮膚の創傷包帯としての有用性を維持できるよう、生きたままの培養上皮細胞の コンフルエントシートを凍結保存する新規な方法が発見された。本方法によれば 、シート中の細胞のコロニー形成能を維持することができる、即ち健康な上皮の 再生をすることのできるような有糸分裂が可能な形で上皮細胞シート中に有意な 数の生細胞を保存することができる。
本方法は、さらに、将来使用するだめの凍結保存状態にシートを成熟させ、保存 したとき、培養上皮シートを回収することを可能にする。
本方法は以下のステップからなる。■)少なくとも、非細胞浸透性ガラス形成剤 と好ましくは細胞浸透性ガラス形成剤を含む凍結保存溶液にシートを浸漬する。
2)少なくとも一65℃、より好ましくは一120″C(水のガラス転移温度) 以下、そしてとくに好ましくはと(に長期保存の温度である一180’C以下に シートを冷却して冷凍する。好ましい冷却方法として、液体窒素の蒸発気雰囲気 下で凡そ−180から一196°Cの範囲で冷却することが望ましい、3)さら に次の工程として、少なくとも一65°C以下から凡そ一180°Cの範囲にシ ートを保存する。4)コロニー形成能が少な(とも35%、しばしば40%で多 くの場合50%以上である細胞からなる完全なシートを調製するため融解を行う 。
凍結保護溶液は以下の成分を重量パーセントで含有している。非細胞浸透性ガラ ス形成剤約5−20%、好ましくは15%、および細胞浸透性ガラス形成剤約1 0%。細胞浸透性ガラス形成剤としてグリセロール、プロピレングリコール、エ チレングリコール、ジメチルスルフォオキシド(DMSO)あるいはそれらの混 合物もしくは誘導体を用いる。細胞浸透性ガラス形成剤としてはグリセロールが 特に好ましい。非細胞浸透性ガラス形成剤としてデキストラン、ポリビニルピロ リドン、ヒドロキシルエチル澱粉、コンドロイチン硫酸、ポリエチレングリコー ル、あるいはそれらの混合物もしくは誘導体を用いる。
デキストラン、ヒドロキシル澱粉が特に好ましい。
好ましい実施態様においては、凍結ステップは少なくともおよそ一4°Cからお よそ一80″Cまではシートをゆるやかに冷却する必要がある。次いで、液体窒 素の蒸発気温度であるおよそ一180°Cからおよそ一196°Cの範囲の温度 まで冷却する。ゆるやかな冷却は、約1°C/分の冷却率で行う、さらに好まし くは、融解ステップは空気もしくは他のガスを使用して1分から5分の間、低い 保存温度から−120”Cからおよそ一80″Cまでにシートを加温することが 必要である。つまり、加温率は約20″C/分から約20″C/分とする。さら にシートはウォーターバスで培養するか、あるいは約20°Cから約37°Cの 温度まで上昇させることができる。
皮膚創傷包帯として使用する前に、融解シートは、細胞を一時的に使用前に保存 可能とするため、凍結保護剤を使用せず、生理学的pHで、例えば等張緩新液、 好ましくは乳酸リンゲル液で濯ぐ。本方法で使用するシートの上皮細胞は好まし くは培養ケラチノサイトである。コンフルエントシートは何層かの細胞の厚みが あり、違った層から構成されている。
本発明の他の目的と特徴は以下の図説明、請求項で明らかにする。
図面の簡単な説明 図1は、デスバーゼにより培養フラスコから遊離させた層状培養ケラチノサイト シートの断面図である。本発明の方法を用いた層状培養ケラチノサイトシートの 代表的な顕微鏡写真である。
図2は、凍結保護に非細胞浸透性剤を使用した場合の効果を棒グラフで示す、培 養ケラチノサイトシートは10%グリセロールを含む凍結保存培養(CPM)中 に6分間(gly c−6) 、ついで30分間(gly c−30)平衡化さ せるか、15%デキストラン(70kd)を含む10%グリセロールを含む凍結 保存培養(CPM)中に30分間平衡化させ、その後−180″Cに冷却し、− 180℃で2−3日保存した。融解後、生存性は、全細胞回復(R)、コロニー 形成1(CFE) 、細胞シートの分解後のコロニー形成細胞(CFC)の生存 性などを評価して測定した。; CFC・回復細胞×回復細胞のCFE (非凍 結、非保存のコントロールシートをパーセントで表現した) 図3は、デキストランとへスパン(ヒドロキシルエチル澱粉)の凍結保存培養上 皮移植片の生存性に及ぼす効果を棒グラフで示す。移植片は、10%グリセロー ルに15%へスパン、15%デキストラン(70kd)または、15%デキスト ラン(500kd)のいずれかを含むCPFI中に平衡化させ、−180°Cに 冷却し、2日間保存した。融解後の生存性はR、CFE 、 CFCを評価して 測定した。非凍結、非保存コントロール移植片のパーセントで表現した。
図4は、凍結保存培養上皮移植片の生存性に及ぼす凍結前の凍結保護培地の効果 を棒グラフで示す。移植片は、室温で10%グリセロールに15%デキストラン (70kd)を含む凍結保存培地に、30.60.120分平衡化させた。融解 後、移植片の細胞はR、CFE 、 CFCを検定した。結果はコントロール移 植片のパーセントで表現した。
図5は、凍結保存培養上皮移植片の生存性に及ぼす保存温度の効果を棒グラフで 示す。移植片は、室温で10%グリセロールに15%デキストランを含む凍結保 存培地で、30分平衡化し、−85’Cで凍結し、液体窒素蒸気中で一180° Cで保存するか、−80″Cで機械式フリーザーで保存するか、固形二酸化炭素 (トドライアイス、昇華点−77℃)を用いて一65°Cで保存するかした。融 解後移植片のR、CFE 、 CFCを測定した。結果をコントロール移植片と して非凍結、非保存移植のパーセントで表現した。
図6は凍結保存培養上皮移植片の融解処理後の効果を棒グラフで示す。移植片は 、凍結前に、凍結保存培地に、60分平衡化した。−180°Cで1−3日間、 凍結保存後、移植片は速やかに融解させた。融解後0.30.60分後CPMか ら取り出し、1から2時間乳酸リンゲル液で濯いだ、処理後の移植片の細胞回復 、CFE 、 CFCを測定し、コントロール移植片として非凍結、非保存移植 片のパーセントで表現した。
詳細な説明 培養ヒト上皮細胞シートは、皮膚創傷の治療のため永久的な自己移植材料として の機能を果たすことができる。一時的な他家移植材料としても、このシートは慢 性的な皮膚潰瘍および、切除した部分の移植片提供者の治療剤として使用するこ とができるし、さらには高い有効性を有する熱傷包帯として使用できる。シート はラインワルドとグリーンにより開発された培養システムにより調製できる。こ のシステムでは連続培養上皮細胞は組織培養皿やフラスコの表面で速やかに分裂 し、最終的には、相互に強固に結合した細胞からなる、ゆるやかな層状性の極性 化したシートを形成する。培養シートの断面の顕微鏡写真を図1に示した。層状 化した上皮細胞培養は、デスパーゼのような酵素を用いて処理することにより、 結合性細胞シートとして剥がし、非付着性の材料例えばワセリンやヴアセリンを しみ込ませたガーゼにはりつけて固定し、手術室まで培養液に入れて運び、患者 へ処置する。
培養上皮細胞移植片の使用における重大な制限となる事項は、その極端な脆さと 保存期間の短さにある。移植片が8時間以上、その培養支持体から離れている場 合、最適な細胞条件の下で生育の回復とコロニー形成のための分離細胞の能力を 測定すると、移植片の細胞生存性は、実質的に低下しているという実験結果が得 られている。このため、培養上皮細胞シートの販売は地域的に限定されていた。
即ち培養施設で分離を開始するために、培養に最初にデスパーゼを添加してから 、少なくとも8時間以内に移植片をWs備し、輸送を行い、患者に投与するため に生産センター十分近い病院である必要があった。移送の実際の時間は、移植片 を調製するために時間を要するので2.3時間しかなかった。手術室のスケジュ ールと移植片の到着時間は注意深くコープイネイトされなければならなかった。
シートの保存はどのような時間であっても不可能であったし、そのために用時調 製品の在庫を保持することができなっかった。
分離した上皮細胞シートの生存性がこのように短時間である理由を説明すること は、観察によってあきらかとなる。すなわち上皮細胞は、トリプシンとEDTA 処理により培養体から分離した単細胞として、表面に再結合することを防ぐよう な条件に一時的に保持された場合に、分裂のためのポテンシャルを失い、最終的 な分化を起こすことが判明した。
8時間以上に生存性を測定する実験により以下のことが明らかとなった。即ちデ スバーゼ処理をした移植片を保持する温度は、コロニー形成能(CFE)と回復 したコロニー形成細胞の全細胞数(CFCまたは回復全細胞X CFE)によっ て測定する細胞生存性に極めてクリティカルな温度だった。生理学的温度条件と 同等かやや低い温度で培養上皮シートを保存すると、新鮮な組織のCFEを保持 することができない。同様に培地条件、pi(、二酸化炭素/酸素のバランス等 を注意深く制御しても、4°Cでの保存は明らかに確信できる効果をもたらさな かった。仮に培養シートが限界温度範囲である10°Cから25°C1好ましく は13°Cから23°Cに保持された場合には、CFEはおよそ20−30時間 以上も長(保持することができる。しがし、今のところ、創傷包帯としての有用 性を保持して、1日以上培養シートを保存する方法はない。創傷治療の適用のた め周間調製した物を保存品として保持することは出来ないことである。
凍結保存方法の歴史を見ると、特定の細胞を凍結保存するプロトコールの最適化 は、ほかのタイプの細胞を用いたり、異なる種の同じタイプの細胞を用いたり、 組織中の他の細胞を用いたりする場合には、必ずしも良い結果を示していないこ とがわかる。ケラチノサイトの浮遊液を凍結する方法では、完全なシートに適用 した場合、不満足な結果しか得られていない。実際に移植に使用するための完全 な組織を凍結するこ゛とは、我々の知る限り、どのような組織型であっても成功 しなかった(CancedaほかによるHP 0296475を参照のこと)。
ここに開示しである培養基盤から分離した後の生きた培養上皮細胞のコンフルエ ントシートを凍結保存する方法は有糸分裂能や受入れ可能なレベルで細胞の形成 能を保持するか、シートの保全性を保持する。要約すれば、本方法は4ステツプ からなる。最初に、細胞シートは、細胞内及び細胞間の水を凍結保護剤と完全に 混合するか置換するために充分な時間、凍結保護溶液中で平衡化させる。第二に 、シートは、氷晶形成と続くダメージを避けるために凍結保護された細胞を充分 にゆっくりした温度降下率で、好ましくは約−180’Cがら一196℃に冷却 する。凍結したシートは、長期間の場合的−180″Cで、短期間の場合はもっ と高温で、たとえば−65°Cで保存できる。
使用前にシートは空気もしくは他のガスを使って1−3分の内に室温にて加温し 、ついでたとえばウォーターバス中で速やかに温めて、完全に融解する。第四に 、凍結保護剤は、乳酸リンゲル溶液などの等張緩新液で培養上皮細胞シートを濯 いで除去する。
以下に詳細な工程を開示する。
1立 上 胞シートの調1■ 上皮細胞(ケラチノサイト)は10−12日でコンフルエンスに達するような比 重で7150培養フラスコ(コスタール)に播種する。数種の上皮細胞株から調 製した凍結細胞浮遊液の培養物は、他家移植用に使用できる。火傷患者からバイ オプシーにより得た細胞は自己移植用に使用できる。培養はガス気密フラスコを 使用して、37°Cで、FAD培地(アデニン添加ハムスF12培地1部、ダル ベンコ修正イーグル培地(DME) 3部、10%ウシ胎児血清(FBS)、0 .4μg / m + ヒドロコルチゾン、lXl0−”Mコレラトキシン、2 X10−”M トリイオドチロニン)で行う。さらに致命的に放射した3T3繊 維芽の存在下で生育させる。米国特許4,016,036号を参照のこと。10 ng/mlの上皮細胞成長因子は最初の接種に含まれる。
細胞培養物がコンフルエンスに達したら、その細胞培養物を移植片の調製に使用 する。上澄みの培地は吸引し、40m1のデスパーゼ■(ヘーリンガーマンハイ ム)をJl n m 度2 、5ta g / m l(約1.2U/1sl) になるようにフラスコに加え、37℃でインキュベートする。シートの端が剥離 したら(45分間)、フラスコの上部をハンダゴテで焼いて取り除く。
酵素溶液は20+m lのDME培地に置換する。次いで上皮細胞シートは2k lのDME培地でもう一度濯ぐ。第2の濯ぎ液を3−4m1残し、全溶液を吸引 し、ワセリン(Vaseline■)をしみこませた5 X 10cmのガーゼ (チーズブロー ポンズ)をガーゼ包帯に面している表面の細胞に重なるように 剥離した細胞シートの上に載せる。次いで結合性細胞シートを12−15のステ ーブル(リガクリップ エチコン/J&J)で包帯に止めておく。
シートは広めに切断し、固定し、そして移植片を上皮細胞面を上にして100n +*の皿に移す。移植片の端を浮き上がり防止のためにラバーポリスマンを使っ て、皿に押さえておく。DME12mlをゆるやかに加え、次いで皿を保存用コ ンテナーに移す。
(図1はこの方法による典型的な培養シートの断面図を示したものである。)細 胞回復(R)とコロニー形成能分析(CFE)は有糸分裂能力のある全細胞数( CFC)を確認するために行う。
この操作において、凍結保存工程の間の生存性を保護する最適条件が決定される 。その条件とは凍結保護培地の組成、凍結に先立つ凍結保護培地での平衡化時間 、凍結速度、保存温度、融解工程、濯ぎ工程、つづく保存などについてである。
コロニー形成能(CFE)分析は、凍結後1〜3日の間保存した後、以下に示す 例のように調製した移植片を対象に行う。
非凍結移植片をコントロールとして分析する。固定クリップは鉗子を用いてはず し、準備のできた細胞シートはトリプシン(0,05χ)とEDTA(0,01 χ)を含む等張緩新液の単細胞浮遊液に分離させる。酵素反応はウシ血清の添加 で停止させ、続いて0.5■l の細胞浮遊液を4.5■lのFADに加えるこ とによって10倍希釈を行い、これを2回続けて行う。最初の細胞浮遊液のアリ コートは血球計を使って数える。最終細胞密度が1000−2000個/ s  lになるように細胞浮遊液を調製し、細胞浮遊液1s+1を、放射線照射で殺し た3T3細胞を含む12■1のFAD培地をいれた100園糟皿に播く。
10−14日後、培養細胞はリン酸緩衝生理食塩中の10%フォルマリンで固定 し、1%ローダミンと1%ナイルブルーAの混合溶液で染色する。コロニーは解 剖用顕微鏡を用いてカウントし、発育しているか発育不全かスコアーをつける。
CFEは次のように計算する。
回復パーセント、CFEパーセントはそれぞれ以下のように計算する。
R1□ −xlOQ =回復% FS ここでは、FZは凍結、FSは新鮮を意味する。
コロニー形成細胞(CFC)の全回復は以下の計算による。
CFC・全回復細胞の率 × 回復コロニー形成能(CFE)の率本発明のプロ トコールを使用した場合のCFEXは通常35%を超えており、一般的には40 %を超え、しばしば50%かそれ以上に達する。
゛ プロトコール 凍結保存の方法の開発には、最終的な工程を特定するために、独立した研究を積 み重ねて、最適要素をつなぎ合わせて、工程のそれぞれの要素を最適化すること が必要である。最大の生存性の維持と適合する、最適な凍結、保存、融解、濯ぎ の工程それぞれは特定することが必要である。これらの要素は先に述べたように コロニー形成化分析によって特定する。
標準的な凍結保存培地は、ウシ血清、グリセロール、細胞浸透性ガラス形成剤を 添加した生理学的宿合塩溶液(例えば細胞培養培地)よりなっている。浮遊状態 に細胞を凍結保存することでは成功するが、細胞シートから取り出した細胞の生 存性を保存するための能力としては、よくわかっていない。
図2は標準的な凍結保存培地に付加成分、非細胞浸透性ガラス形成剤(デキスト ランなど)を補った場合の有益な効果を示す。非細胞浸透性側を細胞浸透性剤と 一緒に使った場合、細胞浸透性剤のみで使用した場合と比較して細胞の回復、従 って生存性(CFC)が大幅に向上することは注目しなければならない。
図3は非細胞浸透性ガラス形成剤を使用し、生存性が向上したことを示している 。これらの薬剤は複雑な炭水化物の高分子構造をとっている。非細胞浸透性ガラ ス形成剤は好ましくはおよそ50−500キロダルトン(kd)の高分子デキス トラン、好ましくは5O−70kdのコンドロイチン硫酸、ポロビニールピロリ ドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチル澱粉のような変異化澱粉をあ げることができる。細胞浸透性ガラス形成剤はグリセロールが好ましいが、プロ ピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルフオキシド、および先行 技術により知られた他の浸透性ガラス形成剤も使用することができる。
凍結保存工程の初めには、凍結保護培地中で凍結させるために細胞シートを、凍 結保護剤と細胞を平衡化するさせるために、充分な時間浸漬させる必要がある。
図4は、凍結前に凍結保護剤に対して培養上皮シートを長時間平衡化した場合の 生存性に対する効果を示したものである。データは、凍結保存シート中の細胞の 生存性に影響せずに、シートを凍結前に凍結保護剤に2時間まで平衡化させるこ とができることを示している。平衡化は、典型的な条件として、およそ30−6 0分間、17℃から25℃で、通常は室温で薄型保存用皿中の凍結保護溶液の中 で行う。
平衡化の次に、シートと凍結保護溶液を入れた皿は、ガス及び水を透過しないよ うにシールしておく。シールしたコンテナー中のシートは、少なくとも一65℃ (ドライアイスを使い)、好ましくは一120°Cに、さらに長期間保存するた めにはおよそ一180℃から一196°Cに冷却する。冷却速度は、0゛Cから 一80″Cまではゆっくりと行う(1°C/分以下)。これは氷結晶の形成を抑 制するために役立つ。好ましくは、冷却は、−40℃から一100°Cの温度に 、好ましくは一80″Cから一85゛Cに市販のプログラムセルフリーザー(ク リモンド社製No、 1010/2700 )のような冷却比率調整冷却装置に よって最初に行う。次いで液体窒素保存容器に移し、その温度をさらに下げるた めに液体窒素の蒸気中で維持する。
好ましい凍結プロトコールでは、組織がおおよそ4 ”Cとなるまでシールした コンテナー中のシートを冷却する。次いでそのシートは1分間に1 ’Cずつ冷 却する。シートの温度が少なくとも一65゛Cに下げた後、好ましくは一85° Cに下げた後、コンテナーは液体窒素冷凍庫に移し、約−180°C(窒素蒸気 )または−196°C(液体窒素)で保存する。
−180°Cかまたはそれ以下での組織の保存は図5に示すように、それよりも 高い温度でシートを保存するよりも細胞のコロニー形成能を維持することができ る。液体窒素蒸気を用いて一180°Cで保存することは機械式フリーザーを使 用して一80°Cで保存したり、ドライアイスを用いて一77°Cで保存したり するよりも優れていることは、データにより明らかである。
−80°Cや一77°Cでの保存では初めの2日または3日の間に生存性は劇的 に減少する。対照的に一180°Cでの生存性はより長期間安定である。移植片 は好ましくは一180°Cで輸送する。
シートを融解するためにはシールしたコンテナーを液体窒素冷凍庫から移し、空 気中で室温におよび1分間からおよそ3−5分間保持する。これは20°C/分 から100°C/分の間の加温比率を生み出す。それから、移植片は加温比率に かかわらず室温に温められる。好ましくは、最終段階では、移植片が融解するま でウォーターバスにシールしたコンテナーを沈めておく。これにより、凍結シー トがひび割れない。融解は、37°Cのウォーターバスに1.25分漬けておく ことで行うことができる。ウォーターバスの温度が25°Cであれば、融解はお よそ1.5分で行われる6ウオーターハスを省略して、かわりに室温でシートを 融解することができる。しかし、この場合は27分必要であり、しばしば細胞の 生存性を低下させる。
融解したシートは1時間以内、好ましくは可能な限り速やかに、凍結保護剤から 取り出す。一度シートが融解したら、コンテナーを開け、凍結保護剤を希釈する ために、凍結保存溶液を生理的なpH(約6.8−7.4)の等張緩新液、好ま しくはFAD培地や乳酸リンゲル液に交換する。表IAに、生理的pHの等張緩 新液のすべてが凍結保護剤の希釈に役立つとは限らないことを示す。リン酸緩衝 生理食塩と標準生理食塩はCFEで判定した場合、明らかに生存性を低下させる 。融解したシートは、好ましくは15分間緩衝液で平衡化する。また4時間まで CFEをゆるやかに低下させて放置させることができる。(表5)表IA 融解後凍結保存培養上皮移植片からの凍結保護培地の除去濯ぎ液として生理学的 pHの等張緩新液を使用量1豆 コロニーノ (%) 匹旦 FAD 9.0 35.0 移植片は凍結保護培地から取り出され、濯ぎ溶液に入れて室温に15分間静置し た。コロニー形成化分析をし、CFE回復(rCFE)は非凍結、非保存コント ロール移植片の%とじて計算した。FAD 、F12/DMEケラチノサイト増 殖培地、PBS 、リン酸緩衝生理食塩、正常生理食塩−〇、9χ生理食塩表I B 融解移植片濯ぎ時間増加の効果 片間 コロニーノ 細 (%) 匹■ 1時間 6.4 71.1 2時間 5.2 57゜8 4時間 4.5 50.0 移植片は凍結保護培地から取り出され、FAD濯ぎ溶液に入れて室温に上記に示 された一定時間静置した。コロニー形成化分析をし、CFE回復(rCFE)は 非凍結、非保存コントロール移植片の%として計算した。
凍結保存の最終工程を制限するものについては試験を行い、図6に示している。
生存しさらに正常な代謝機能の回復した完全な細胞シートの生産には、培養上皮 シートは凍結前に1時間まで凍結保護剤中で平衡化し、凍結、融解、凍結保護剤 中への残置は1時間までかけ、最終的に乳酸リンゲル溶液中の濯ぎは2時間まで おこなうことをこのデータは示している。
上に開示したようにして調製されたシートは、創傷の表面に接触する発育する層 をもち包帯としてガーゼ裏打ちを使用して、火傷や潰瘍などの清浄な皮膚創傷を 外科的に覆うことができる。他家移植シートは実際には脱落するが、拒絶の前に 、安全かつ効果的な創傷の保護に役立つ。自己移植シートは一般的には永久的で あり、完全に層状化した皮膚を形成するまで分化する。この凍結保存方法で行っ た高いCFCとCFE値は、シート中の個々の細胞の大多数が有糸分裂能があり 、多数の上皮細胞コロニーが創傷部分に形成されることを意味実施例1 回収した培養移植片を15χデキストラン(70,OOOwW)と10%グリセ ロールからなる凍結保護剤を含む培養液をいれた、浅い保存用皿にいれる。コン テナーはガスと水が透過しないようにシールし、そして充分に溶液をいれて、は とんど空間が残らないようにし、移植片を室温で30分間平衡化する。
このシートは組織片が約4°Cになるまでシールしたコンテナー中で冷却する。
シートは、次いでおよそ一85゛Cまで、1分間に1°Cずつ冷却してゆく。シ ートの温度が一85°Cに達したらコンテナーは液体窒素冷凍庫に移し、液体窒 素蒸気中で保存する(約−180”C)。
シートを融解するためには、シールしたコンテナーを液体窒素フリーザーから取 り出し、おおよそ1分間、空気中で室温に放置する。ついで37℃のウォーター バス中に約75秒間置き、融解させる。融解後、コンテナーを開け、シートを生 理学的p)Iにした乳酸リンゲル溶液に5分間つける。次いで、緩衝液を交換し 、シートを少なくとも10分間、培地中で平衡化させる。
実施例2 移植片は、15%ヒドロキシエチル澱粉(He5pan■)および10%グリセ ロールからなる凍結保護溶液に入れた浅い保存用皿中で室温、15分間平衡化す る。平衡化後、コンテナーはガス及び水が透過しないようにシールされる。
シールしたコンテナー中のシートは組織がおよそ4°Cになるまで冷却する。こ のステップに続き、シートはおよそ一85°Cまで1分間に1℃ずづ冷却してゆ く。シートが一85°Cに達したら、液体窒素冷?jlljtに移し、液体窒素 で保存する(約−196”C)。
シートを融解するためには、シールしたコンテナーを液体窒素フリーザーから取 り出し、おおよそ1分間、空気中で室温に放置する。ついでウォーターバス中に 置き、融解させる。
融解後、コンテナーを開け、シートを生理学的pHにした乳酸リンゲル溶液また は無血清DME/F12ケラチノサイト生育培地に5分間つける。5分後、緩衝 液を交換し、シートを4時間、培地中で平衡化させる。
本発明は他の特定の形態で実施できる。他の実施も次の特許請求の範囲に含まれ る。
要約書 皮膚創傷包帯としての使用において、生きている培養上皮細胞層の凍結保存の方 法について開示する。本方法は細胞層の完全性を維持しており、有糸分裂化を有 し生理的に健康な形態の、有意数の細胞を保存する。非細胞貫通性の凍結保護剤 の使用と、ある種の凍結溶解条件を包含している。
補正書の写しく翻訳文)提出書(特許法第184条の7第1項)平成4年12月 4日

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.次のステップからなる、凍結保存状態で生存する上皮細胞の結合性シートを 維持するための改良された方法。 A.非細胞浸透性ガラス形成剤からなる凍結保護溶液にシートを浸漬する。 B.凍結保護溶液の温度を約−65℃かそれ以下になるようにしてシートを冷却 する。 C.ステップBを経たシートを約−65℃かそれ以下の温度で保存する。 D.生存細胞の完全なシートを調製するために凍結保存したシートを融解する。
  2. 2.結合性シートが培養上皮細胞からなる請求項1記載の方法。
  3. 3.結合性シートがその基盤から分離されたものである請求項2記載の方法。
  4. 4.凍結保護溶液が非細胞浸透性ガラス形成剤および細胞浸透性ガラス形成剤の 両者からなる請求項1、2、3記載の方法。
  5. 5.凍結保護溶液が上記の非細胞浸透性ガラス形成剤の濃度が約5%から約20 %の溶液である請求項1、2、3、4記載の方法。
  6. 6.非細胞浸透性ガラス形成剤がデキストラン、ポリエチレングリコール、ポリ ビニールピロリドン、ヒドロキシエチル澱粉、コンドロイチン硫酸、およびこれ らの混合物および誘導体からなる群から選択されたものである請求項1、2、3 、4記載の方法。
  7. 7.非細胞浸透性ガラス形成剤がデキストラン、またはヒドロキシエチル澱粉で ある請項1、2、3、4記載の方法。
  8. 8.ガラス形成剤が分子量およそ70キロダルトンから500キロダルトンのゲ ストランである請求項7記載の方法。
  9. 9.凍結保護溶液が、グリセロール、ジメチルスルフォオキサイド、およびこら の混合物および誘導体からなる群から選択されたものである細胞浸透性ガラス形 成剤を約10重量%含む物である請求項4記載の方法。
  10. 10.細胞浸透性ガラス形成剤がグリセロールである請求項9記載の方法。
  11. 11.浸漬するステップが凍結保存溶液とシートを平衡化するために充分な時間 行われる請求項1、2、3記載の方法。
  12. 12.浸漬するステップが15分ら180分の間に行われる請求項11記載の方 法。
  13. 13.上記の凍結保護溶液に17°から−30℃で120分間シートを浸漬し、 それから60分以内、4℃に冷却する請求項12記載の方法。
  14. 14.冷却のステップが約4℃から約−80℃までシートを冷却するために1分 間に約1℃の比率で行われる請求項1、2、3記載の方法。
  15. 15.シートをゆっくりとおよそ−80℃に冷却し、次いで温度範囲を−180 ℃からそれ以下に冷却する請求項1、2、3記載の方法。
  16. 16.冷却と保存ステップが−120℃からそれ以下にする請求項1、2、3記 載の方法。
  17. 17.冷却と保存ステップが硬質、透明、無菌、ガス不透過性コンテナー中で行 われる請求項1、2、3記載の方法。
  18. 18.冷却と保存ステップが、保存期間が延長できるおよそ−180℃からそれ 以下の温度で行われる請求項1、2、3記載の方法。
  19. 19.約−180℃以下の温度でシートを冷却し、そして−120℃から−80 ℃の範囲にシートを融解させることがシートをガス中でインキュベートすること により行なわれ、ついで溶液中に浸漬することによって融解させる請求項1、2 、3記載の方法。
  20. 20.融解ステップが、約1分から5分間の間一度−80℃までシートを加温し 、次いで室温まで上げることからなる請求項1、2、3記載の方法。
  21. 21.次のステップが追加された請求項1、2、3記載の方法。 E.約4時間まで、均合塩溶液に移すことにより、上記シートの生存性を維持す るため融解シートから凍結保護剤を除去する。
  22. 22.均合塩溶液がDME/F12のような培養液であるかまたは乳酸リンゲル 液である請求項21記載の方法。
  23. 23.ステップBが液体窒素蒸気にシートを曝すことによりなされる請求項1、 2、3記載の方法。
  24. 24.上皮細胞がケラチノサイトである請求項2記載の方法。
  25. 25.生存性細胞の完全なシートが少なくとも35%のコロニー形成能で特徴づ けられる請求項1、2、3記載の方法。
  26. 26.生存性細胞の完全なシートが少なくとも40%の細胞回復で特徴づけられ る請求項1、2、3記載の方法。
  27. 27.ステップBに先立って支持体にシートを設置する追加ステップを含む請求 項3記載の方法。
  28. 28.患者への皮膚創傷包帯として適用するための準備のため、約−180℃以 下の温度で、凍結保護剤を染み込ませた上皮細胞の培養シートを処理するための 方法であって、その方法がシートの温度を1分間に20℃から1分間に100℃ の間の比率で−120℃から−80℃の範囲であげ、その後20℃から37℃の あいだの温度にあげるステップからなる方法。
  29. 29.シートをガスに曝すことにより約−80℃の温度にあげ、ついで溶液中で 20℃から37℃の間の温度に加温する請求項28記載の方法。
  30. 30.およそ4時間まで、均合塩溶液中で上記シートをインキュベートすること により、上記シートを浸漬する凍結保護剤を除去する付加ステップを含む請求項 28の方法。
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