JP7327593B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、その表面にペイント層を有するゴルフボールに関する。
ゴルフボールは、本体と、この本体のその表面に位置するペイント層とを有している。ペイント層は、ゴルフボールの美観に寄与する。ペイント層は、ゴルフボールへの汚れの付着を防止する。さらにペイント層は、本体を保護する。
特開2015-142599公報には、粗さが大きな表面を有するゴルフボールが開示されている。この粗さは、ブラスト処理等によって形成されうる。この粗さは、ディンプルとの相乗効果により、ゴルフボールの空力特性を高める。
特開2011-72776公報には、粒子を含む塗料によって形成されたコーティングを有するゴルフボールが開示されている。この粒子は、ディンプルとの相乗効果により、ゴルフボールの空力特性を高める。
特開2015-142599公報 特開2011-72776公報
ゴルフクラブで打撃されるとき、ゴルフボールはクラブフェースと衝突する。ゴルフボールが落下するとき、このゴルフボールは地面と衝突する。これらの衝突により、本体からペイントが剥離することがある。この剥離は、ゴルフボールの外観を損ねる。
本発明の目的は、ペイント層が剥離しにくいゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、本体と、この本体の外側に位置しておりかつ厚みTpが5μm以上30μm以下であるペイント層とを有する。この本体は、その表面に複数の微小突起を有する。それぞれの微小突起は、ペイント層に埋設されている。これらの微小突起の高さHの平均値Havは、0.5μm以上である。この平均値Havは、厚みTpの80%以下である。
好ましくは、全ての微小突起の面積の合計の、ゴルフボールの仮想球の表面積に対する比率Ppは、7%以上である。
好ましくは、微小突起の直径Dの平均値Davは、5μm以上50μm以下である。
好ましくは、ある微小突起とこの微小突起に隣接する他の微小突起との間の、ピッチPの平均値Pavは、100μm以下である。
好ましくは、ゴルフボールの表面の、算術平均高さSaは1.0μm以下であり、最大高さSzは0.5μm以下である。
好ましくは、微小突起の高さHの平均値Havは、ペイント層の厚みTpの50%以下である。
本発明に係るゴルフボールは、本体が微小突起を有する。従って、本体とペイント層とは、大きな面積をもって接触する。微小突起はさらに、ペイント層へのアンカーとして機能する。このペイント層は、本体から剥離しにくい。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された断面図である。 図2は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のゴルフボールの本体の表面の一部が示された拡大斜視図である。 図4は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係るゴルフボールの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4の外側に位置する中間層6と、この中間層6の外側に位置するカバー8と、このカバーの外側に位置するペイント層10とを有している。コア4、中間層6及びカバー8は、ゴルフボール2の本体12に含まれる。このゴルフボール2は、その表面に多数のディンプル14を有している。ゴルフボール2の表面のうちディンプル14以外の部分は、ランド16である。本体12が、ワンピース構造、ツーピース構造、フォーピース構造、ファイブピース構造等を有してもよい。
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下が好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。本実施形態に係るゴルフボール2では、その直径は、42.7mmである。
このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
好ましくは、コア4は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物の基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましく、特にハイシスポリブタジエンが好ましい。
コア4が、樹脂組成物から形成されてもよい。コア4が、ゴム組成物と樹脂組成物との混合物から形成されてもよい。中間層6又はカバー8に関して後述される樹脂組成物が、コア4に用いられうる。
コア4のゴム組成物は、共架橋剤を含んでいる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムである。ゴム組成物が、共架橋剤と共に有機過酸化物を含むことが好ましい。好ましい有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ-t-ブチルパーオキサイドが挙げられる。
コア4のゴム組成物が、充填剤、硫黄、加硫促進剤、硫黄化合物、老化防止剤、着色剤、可塑剤及び分散剤のような添加剤を含んでもよい。ゴム組成物が、カルボン酸又はカルボン酸塩を含んでもよい。ゴム組成物が、合成樹脂粉末又は架橋されたゴム粉末を含んでもよい。
コア4の直径は30.0mm以上が好ましく、38.0mm以上が特に好ましい。コア4の直径は42.0mm以下が好ましく、41.5mm以下が特に好ましい。コア4が、2以上の層を有してもよい。コア4が、その表面にリブを有してもよい。コア4が中空であってもよい。
中間層6は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の好ましい基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。好ましいアイオノマー樹脂として、α-オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい他のアイオノマー樹脂として、α-オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β-不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。この二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα-オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β-不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。この二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジウムイオンが例示される。
アイオノマー樹脂に代えて、又はアイオノマー樹脂と共に、中間層6の樹脂組成物が他のポリマーを含んでもよい。他のポリマーとして、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン及びポリウレタンが例示される。樹脂組成物が、2種以上のポリマーを含んでもよい。
中間層6の樹脂組成物が、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を含んでもよい。比重調整の目的で、この樹脂組成物がタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末を含んでもよい。
中間層6の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。中間層6の厚みは2.5mm以下が好ましく、2.2mm以下が特に好ましい。中間層6の比重は0.90以上が好ましく、0.95以上が特に好ましい。中間層6の比重は1.10以下が好ましく、1.05以下が特に好ましい。中間層6が、2以上の層を有してもよい。
カバー8は、熱可塑性樹脂組成物若しくは熱硬化性樹脂組成物又は両者の混合物から成形されている。好ましくは、カバー8は、熱可塑性樹脂組成物から成形される。この樹脂組成物の基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。特に、アイオノマー樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂を含むカバー8を有するゴルフボール2は、反発性能に優れる。このゴルフボール2は、ドライバーショットでの飛距離に優れる。中間層6に関して前述されたアイオノマー樹脂が、カバー8に用いられうる。
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
カバー8の樹脂組成物が、顔料を含んでもよい。樹脂組成物は、無機顔料及び有機顔料を含みうる。無機顔料として、べんがら(Fe)、鉛丹(Pb)、モリブデンレッド及びカドミウムレッドのような赤色顔料;チタンイエロー(TiO-NiO-Sb)、リサージ(PbO)、黄鉛(PbCrO)、黄色酸化鉄(FeO(OH))及びカドミウムイエローのような黄色顔料;コバルトブルー(CoO・Al)、プルシアンブルー及び群青のような青色顔料が例示される。有機顔料として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料及びペリレン系顔料が例示される。アゾ顔料が、好ましい。アゾ顔料として、ピグメントイエロー-1、ピグメントイエロー-12、ピグメントレッド3、ピグメントレッド57及びピグメントオレンジ13が例示される。
カバー8の樹脂組成物が、充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を適量含んでもよい。
カバー8の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。カバー8の厚みは2.5mm以下が好ましく、2.2mm以下が特に好ましい。カバー8の比重は0.90以上が好ましく、0.95以上が特に好ましい。カバー8の比重は1.10以下が好ましく、1.05以下が特に好ましい。カバー8が、2以上の層を有してもよい。
ペイント層10は、樹脂組成物から形成されている。この樹脂組成物の典型的な基材樹脂は、ポリウレタンである。本実施形態では、ペイント層10は無色透明である。ペイント層10が、着色剤を含んでもよい。
ペイント層10の厚みTpは、5μm以上30μm以下が好ましい。厚みTpが5μm以上であるペイント層10は、ゴルフボール2の外観に寄与する。この観点から、厚みTpは7μm以上がより好ましく、8μm以上が特に好ましい。厚みTpが30μm以下であるペイント層10を有するゴルフボール2は、ディンプル14の寸法精度に優れる。この観点から、厚みTpは25μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。
図2には、ディンプル14の中心及びゴルフボール2の中心を通過する平面に沿った、ゴルフボール2の断面が示されている。図2における上下方向は、ディンプル14の深さ方向である。図2に示されるように、本体12は、その表面に多数の微小突起18を有している。図2において二点鎖線19で示されているのは、仮想球である。仮想球19の表面は、ディンプル14及び微小突起18が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。仮想球19の直径は、ゴルフボール2の直径と同一である。ディンプル14は、仮想球19の表面から凹陥している。ランド16は、仮想球19の表面と一致している。
図2において矢印Dmで示されているのは、ディンプル14の直径である。この直径Dmは、ディンプル14の両側に共通する接線Tgが画かれたときの、一方の接点Edと他方の接点Edとの距離である。接点Edは、ディンプル14のエッジでもある。エッジEdは、ディンプル14の輪郭を画定する。
それぞれのディンプル14の直径Dmは、2.0mm以上6.0mm以下が好ましい。直径Dmが2.0mm以上であるディンプル14は、乱流化に寄与する。この観点から、直径Dmは2.5mm以上がより好ましく、2.8mm以上が特に好ましい。直径Dmが6.0mm以下であるディンプル14は、実質的に球であるというゴルフボール2の本質を損ねない。この観点から、直径Dmは5.5mm以下がより好ましく、5.0mm以下が特に好ましい。
非円形ディンプルの場合、この非円形ディンプルの面積と同じ面積を有する円形ディンプル14が仮想される。この仮想されたディンプル14の直径が、非円形ディンプルの直径と見なされる。
図2において両矢印Dpで示されているのは、ディンプル14の深さである。この深さDpは、ディンプル14の最深部と接線Tgとの距離である。全てのディンプル14の深さDpが合計され、この合計がディンプル14の総数で除されることにより、平均深さDpavが算出される。平均深さDpavは、80μm以上200μm以下が好ましい。平均深さDpavが80μm以上であるゴルフボール2では、飛行中のホップが抑制される。この観点から、平均深さDpavは100μm以上がより好ましく、110μm以上が特に好ましい。平均深さDpavが200μm以下であるゴルフボール2では、飛行中のドロップが抑制される。この観点から、平均深さDpavは180μm以下がより好ましく、160μm以下が特に好ましい。
図3は、図1のゴルフボール2の本体12の表面(換言すれば、カバー8の表面)の一部が示された拡大斜視図である。図3に示されるように、この本体12は、その表面に多数の微小突起18を備えている。それぞれの微小突起18は、おおむね円柱形状を有する。図2から明らかなように、微小突起18は、ディンプル14の表面に形成されており、かつ、ランド16の表面にも形成されている。それぞれの微小突起18は、ゴルフボール2の半径方向外向きに起立している。微小突起18が、ディンプル14の表面のみに形成されてもよい。微小突起18が、ランド16の表面のみに形成されてもよい。
図3には、第一列Iに属する複数の微小突起18aと、第二列IIに属する複数の微小突起18bとが示されている。図3において矢印Aで示される方向は、列の延在方向である。それぞれの列において、微小突起18は、等ピッチで並んでいる。換言すれば、微小突起18は規則的に並んでいる。第一列Iに属する微小突起18aと第二列IIに属する微小突起18bとは、ジグザグに並んでいる。ゴルフボール2の表面の一部において、微小突起18が不規則に並んでもよい。
図4は、図1のゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。図4には、本体12の一部であるカバー8と、ペイント層10とが示されている。図4には、微小突起18が示されている。微小突起18は、ペイント層10に覆われている。換言すれば、微小突起18は、ペイント層10に埋設されている。微小突起18は、ゴルフボール2の半径方向外向きに起立している。図4において符号24で示されているのは、微小突起18の底面である。
このゴルフボール2では、本体12が微小突起18を有するので、本体12とペイント層10とは、大きな面積をもって接触する。微小突起18はさらに、ペイント層10へのアンカーとして機能する。このペイント層10は、本体12から剥離しにくい。
このゴルフボール2がゴルフクラブで打撃されると、クラブフェースとの衝突によってクラブからボールに、エネルギーが伝達される。微小突起18は、このエネルギーのロスを抑制する。このゴルフボール2は、スピン性能に優れる。
前述の通り、微小突起18は円柱形状を有する。従って、底面24の形状は円である。図4において矢印Dで示されているのは、底面24の直径であり、微小突起18の直径である。全ての微小突起18の直径Dが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均直径Davが算出される。平均直径Davは、5μm以上50μm以下が好ましい。平均直径Davが上記範囲内であるゴルフボール2では、ペイント層10の本体12への密着性が高い。密着性の観点から、平均直径Davは15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。密着性の観点から、平均直径Davは40μm以下がより好ましく、35μm以下が特に好ましい。
微小突起18の面積は、底面24の面積として定義される。図4に示された微小突起18の面積Spは、下記の数式によって算出されうる。
Sp = (D / 2) * π
全ての微小突起18の面積Spの合計の、ゴルフボール2の仮想球19の表面積に対する比率Ppは、7%以上が好ましい。比率Ppが7%以上であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、比率Ppは15%以上が好ましく、20%以上が特に好ましい。ゴルフボール2のための金型の製造容易の観点から、この比率Ppは50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下が特に好ましい。
図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。図5には、微小突起18の底面24が示されている。図5には、第一の微小突起18cの底面24cと共に、二点鎖線にて、第二の微小突起18dの底面24dも示されている。第二の微小突起18dは、第一の微小突起18cに隣接している。図5において二点鎖線26で示されているのは、第一の微小突起18cの底面24cの重心Ocと、第二の微小突起18dの底面24dの重心Odとを通過する直線である。
図5において矢印Pで示されているのは、ピッチである。ピッチPは、第一の微小突起18cと、この第一の微小突起18cに隣接する第二の微小突起18dとの距離である。ピッチPは、第一の微小突起18cの底面24cの重心Ocと、第二の微小突起18dの底面24dの重心Odとの距離である。「第一の微小突起18cに隣接する第二の微小突起18d」とは、第一の微小突起18cの周辺に存在する微小突起18のうち、第一の微小突起18cとの距離L(後に詳説)が最も小さい微小突起18dである。
それぞれの微小突起18に、1つのピッチPが決定される。全ての微小突起18のピッチPが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均ピッチPavが算出される。平均ピッチPavは、10μm以上が好ましい。平均ピッチPavが10μm以上であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、平均ピッチPavは20μm以上がより好ましく、25μm以上が特に好ましい。平均ピッチPavは、100μm以下が好ましい。平均ピッチPavが100μm以下であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、平均ピッチPavは80μm以下がより好ましく、70μm以下が特に好ましい。
図5において矢印Lで示されているのは、第一の微小突起18cとこの第一の微小突起18cに隣接する第二の微小突起18dとの間の距離である。距離Lは、ピッチPから、第一の微小突起18cの底面24cの半径、及び第二の微小突起18dの底面24dの半径が減じられた値である。それぞれの微小突起18に、1つの距離Lが決定される。全ての微小突起18の距離Lが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均距離Lavが算出される。平均距離Lavは、5μm以上50μm以下が好ましい。平均距離Lavが5μm以上であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、平均距離Lavは10μm以上がより好ましく、15μm以上が特に好ましい。平均距離Lavが50μm以下であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、平均距離Lavは40μm以下がより好ましく、35μm以下が特に好ましい。
図4において矢印Hで示されているのは、微小突起18の高さである。高さHは、ゴルフボール2の半径方向に沿って測定される。全ての微小突起18の高さHが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均高さHavが算出される。平均高さHavは、0.5μm以上が好ましい。平均高さHavが0.5μm以上であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、平均高さHavは1.5μm以上がより好ましく、2.0μm以上が特に好ましい。
微小突起18の高さHの平均値Havの、ペイント層10の厚みTpに対する比率は、80%以下が好ましい。この比率が80%以下であるゴルフボール2では、微小突起18の直上においてペイント層10が剥離しにくい。この観点から、この比率は60%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。ペイント層10が剥離しにくいとの観点から、この比率は10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上が特に好ましい。
微小突起18の総数は、1万個以上1000万個以下が好ましい。総数が1万個以上であるゴルフボール2では、ペイント層10が本体12から剥離しにくい。この観点から、総数は2万個以上がより好ましく、5万個以上が特に好ましい。総数が1000万個以下であるゴルフボール2の金型は、製造が容易である。この観点から、総数は700万個以下がより好ましく、500万個以下が特に好ましい。
ゴルフボール2の表面の算術平均高さSaは、1.0μm以下が好ましい。算術平均高さSaが1.0μm以下であるゴルフボール2は、外観に優れる。この観点から、算術平均高さSaは0.8μm以上がより好ましく、0.6μm以上が特に好ましい。
ゴルフボール2の表面の最大高さSzは、0.5μm以下が好ましい。最大高さSzが0.5μm以下であるゴルフボール2は、外観に優れる。この観点から、最大高さSzは0.4μm以下がより好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。
算術平均高さSa及び最大高さSzは、ISO-25178の規定に準拠して、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス社の非接触式表面粗さ・形状測定器)によって測定される。この顕微鏡では、ゴルフボール2の表面にてレーザーがX方向及びY方向に走査される。この走査により、ゴルフボール2の表面の凹凸データが取得される。これによって得られた三次元画像から、算術平均高さSa及び最大高さSzが算出される。測定条件は、以下の通りである。
倍率:1000
測定範囲X:250μm
測定範囲Y:250μm
カットオフ値:λc=0.25
観察領域:X=1024ピクセル、Y=768ピクセル
総画素数:786432ピクセル
図6は、本発明の他の実施形態に係るゴルフボールの一部が示された断面図である。図6には、本体の一部であるカバー28と、ペイント層30とが示されている。カバー28は、その表面に微小突起32を有している。微小突起32は、ペイント層30に覆われている。図6において符号36で示されているのは、微小突起32の底面である。
この微小突起32は、円錐台形状を有する。このゴルフボールの、微小突起32の形状以外のスペックは、図1-5に示されたゴルフボール2のスペックと同じである。
このゴルフボールでも、微小突起32は、ペイント層30の密着性に寄与する。
ゴルフボールが、円錐、角柱、角錐台、角錐、部分球等の形状を有する微小突起を有してもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR-730」)、27.4質量部のアクリル酸亜鉛、5質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド及び0.9質量部のジクミルパーオキサイドを混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、160℃で20分間加熱して、直径が38.20mmであるコアを得た。所定の質量のコアが得られるように、硫酸バリウムの量を調整した。
26質量部のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7337」)、26質量部の他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7329」)、48質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」)、4質量部の二酸化チタン(A220)及び0.2質量部の光安定剤(城北化学工業社の商品名「JF-90」)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形法にてコアの周りに被覆し、中間層を形成した。この中間層の厚みは、1.00mmであった。
47質量部のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」)、46質量部の他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1557」)、7質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「ラバロンT3221C」)、4質量部の二酸化チタン(A220)及び0.2質量部の光安定剤光(前述の「JF-90」)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。キャビティ面に多数のピンプル及び微小凹みを有するファイナル金型に、コア及び中間層からなる球を投入した。上記樹脂組成物を射出成形法にて中間層の周りに被覆し、カバーを形成した。このカバーの厚みは、1.25mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。カバーにはさらに、微小凹みの形状が反転した形状を有する微小突起が形成された。
このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.6gである実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボールは、本体の表面に多数の微小突起を有している。これらの微小突起の仕様が、下記の表1に示されている。
[実施例2-7及び比較例1-4]
ファイナル金型を変更し、下記の表1-3に示される仕様の微小突起を形成した他は実施例1と同様にして、実施例2-7及び比較例1-4のゴルフボールを得た。比較例4に係るゴルフボールは、微小突起を有していない。
[密着性]
ゴルフボールを水に浸し、1週間保持した。このゴルフボールを、45m/sのスピードで、金属板に衝突させた。衝突回数は、50回であった。このゴルフボールにて、ゴルフプレーヤーに、3ラウンドのプレーをさせた。プレー後のゴルフボールの外観を目視で観察し、下記の基準によって格付けした。
A:ペイント層の剥離が全くない。
B:ペイント層の剥離がややある。
C:ペイント層の剥離がかなりある。
D:ペイント層が激しく剥離している。
この結果が、下記の表1-3に示されている。
Figure 0007327593000001
Figure 0007327593000002
Figure 0007327593000003
表1-3に示されるように、各実施例のゴルフボールは、ペイント層の密着性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
前述の微小突起は、スリーピースゴルフボールのみならず、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、フォーピースゴルフボール、ファイブピースゴルフボール、シックスピースゴルフボール、糸巻きゴルフボール等、様々な構造を有するゴルフボールに適用されうる。
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・中間層
8、28・・・カバー
9、30・・・ペイント層
10、28・・・本体
12・・・ディンプル
14・・・ランド
16・・・仮想球
18、32・・・微小突起
24、36・・・底面

Claims (7)

  1. 本体と、この本体の外側に位置しておりかつ厚みTpが5μm以上30μm以下であるペイント層とを備えており、
    上記本体が、その表面に複数の微小突起を有しており、
    これらの微小突起の総数が1万個以上1000万個以下であり、
    それぞれの微小突起が、上記ペイント層に埋設されており、
    これらの微小突起の高さHの平均値Havが、0.5μm以上であって、かつ上記厚みTpの80%以下であり、
    ある微小突起とこの微小突起に隣接する他の微小突起との間の、距離Lの平均値Lavが、5μm以上50μm以下であるゴルフボール。
  2. それぞれの微小突起が円柱形状又は円錐台形状を有する請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 全ての微小突起の面積の合計の、上記ゴルフボールの仮想球の表面積に対する比率Ppが、7%以上である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記微小突起の直径Dの平均値Davが、5μm以上50μm以下である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
  5. ある微小突起とこの微小突起に隣接する他の微小突起との間の、ピッチPの平均値Pavが、100μm以下である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. その表面の算術平均高さSaが1.0μm以下であり、最大高さSzが0.5μm以下である請求項1から5のいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記微小突起の高さHの平均値Havが、上記ペイント層の厚みTpの50%以下である請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
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