JP6753218B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、その表面にディンプルを有するゴルフボールに関する。
ゴルフボールは、その表面に多数のディンプルを備えている。ディンプルは、ゴルフボールの空力特性を高める。
ディンプルと共に、微小な突起又は微小な凹みを有するゴルフボールが提案されている。この突起及び凹みは、空力特性、スピン性能、外観、製造容易性等に寄与しうる。
特開2015−142599公報には、粗さが大きなペイント層を有するゴルフボールが開示されている。この粗さは、ブラスト処理等によって形成されうる。このペイント層は、ゴルフボールの空力特性を高める。
特開2015−142599公報
ゴルフクラブで打撃されたゴルフボールは、空中を飛行する。このゴルフボールは落下し、地面を転がる。落下時及び転がり時に、ゴルフボールは地面と接触する。この接触により、ゴルフボールの表面に土が付着し、この表面が汚れることがある。ゴルフボールがフェアウェイやラフにあるとき、プレーヤーはゴルフボールを触ることができない。従ってプレーヤーは、ゴルフボールの汚れを除去できない。グリーンの上では、プレーヤーはゴルフボールの汚れを除去できる。しかし、この除去の作業は手間である。作業によっても汚れが十分には除去できないこともある。水で洗われても汚れが除去されないこともある。汚れが残ったゴルフボールは、交換される。交換は、プレーヤーに経済的な負担を強いる。
特開2015−142599公報に開示されたゴルフボールは、ペイント層の粗さが大きいので、土が付着しやすい。このゴルフボールの防汚性は、十分ではない。このゴルフボールが水で洗われても、土が除去されにくい。このゴルフボールの洗浄性は、十分ではない。
本発明の目的は、防汚性及び洗浄性に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、複数のディンプルと、ランドとを備える。このゴルフボールは、ディンプル及び/又はランドの表面に形成された多数の微小突起をさらに備える。これらの微小突起の平均ピッチPavは、100μm未満である。
好ましくは、微小突起の平均高さHavは、0.5μm以上50μm以下である。
好ましくは、ゴルフボールは、下記数式を満たす。
Lav < 3 ・ Tav
この数式において、Lavは微小突起とこの微小突起に隣接する他の微小突起との間の距離Lの平均値を表し、Tavは微小突起の幅Tの平均値を表す。
ゴルフボールは、複数の列を有しうる。好ましくは、それぞれの列において、複数の微小突起が等ピッチで並んでいる。
ゴルフボールは、本体とこの本体の外側に位置するペイント層とを有しうる。好ましくは、微小突起は、本体の表面形状が反映された形状を有する。
本発明に係るゴルフボールが落下したとき又は地面を転がったとき、土等の粒子が微小突起とこれに隣接する微小突起との間に入り込みにくい。このゴルフボールでは、粒子が微小突起とのみ接触する。この粒子とゴルフボールとの接触面積は、小さい。このゴルフボールは、汚れにくい。
微小突起とこれに隣接する微小突起との間には、水滴も入りにくい。従って、微小突起の表面が汚れたときでも、水で洗われると、この水が汚れを取り込んで流れる。このゴルフボールでは、汚れが除去されやすい。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図である。 図2は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のゴルフボールの表面の一部が示された拡大斜視図である。 図4は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。 図6は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4の外側に位置する中間層6と、この中間層6の外側に位置するカバー8とを備えている。コア4、中間層6及びカバー8は、ゴルフボール2の本体10に含まれる。このゴルフボール2は、その表面に多数のディンプル12を有している。ゴルフボール2の表面のうちディンプル12以外の部分は、ランド14である。図1には示されていないが、このゴルフボール2はさらに、後述されるペイント層を有している。ペイント層は、本体10の外側に位置している。本体10が、ワンピース構造を有してもよい。本体10が、ツーピース構造、フォーピース構造、ファイブピース構造等を有してもよい。
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下が好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。本実施形態に係るゴルフボール2では、その直径は、42.7mmである。
このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
コア4は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物の基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましく、特にハイシスポリブタジエンが好ましい。
コア4のゴム組成物は、共架橋剤を含んでいる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムである。ゴム組成物が、共架橋剤と共に有機過酸化物を含むことが好ましい。好ましい有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
コア4のゴム組成物が、充填剤、硫黄、加硫促進剤、硫黄化合物、老化防止剤、着色剤、可塑剤及び分散剤のような添加剤を含んでもよい。ゴム組成物が、カルボン酸又はカルボン酸塩を含んでもよい。ゴム組成物が、合成樹脂粉末又は架橋されたゴム粉末を含んでもよい。
コア4の直径は30.0mm以上が好ましく、38.0mm以上が特に好ましい。コア4の直径は42.0mm以下が好ましく、41.5mm以下が特に好ましい。コア4が、2以上の層を有してもよい。コア4が、その表面にリブを有してもよい。コア4が中空であってもよい。
中間層6は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の好ましい基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。好ましいアイオノマー樹脂として、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい他のアイオノマー樹脂として、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。この二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。この二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジウムイオンが例示される。
アイオノマー樹脂に代えて、中間層6の樹脂組成物が他のポリマーを含んでもよい。他のポリマーとして、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン及びポリウレタンが例示される。樹脂組成物が、2種以上のポリマーを含んでもよい。
中間層6の樹脂組成物が、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を含んでもよい。比重調整の目的で、この樹脂組成物がタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末を含んでもよい。
中間層6の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。中間層6の厚みは2.5mm以下が好ましく、2.2mm以下が特に好ましい。中間層6の比重は0.90以上が好ましく、0.95以上が特に好ましい。中間層6の比重は1.10以下が好ましく、1.05以下が特に好ましい。中間層6が、2以上の層を有してもよい。
カバー8は、樹脂組成物から成形されている。この樹脂組成物の好ましい基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂を含むカバー8を有するゴルフボール2は、反発性能に優れる。中間層6に関して前述されたアイオノマー樹脂が、カバー8に用いられうる。
アイオノマー樹脂に代えて、カバー8の樹脂組成物が他のポリマーを含んでもよい。他のポリマーとして、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン及びポリウレタンが例示される。樹脂組成物が、2種以上のポリマーを含んでもよい。
カバー8の樹脂組成物が、着色剤、充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を適量含んでもよい。ゴルフボール2の色相が白である場合、典型的な着色剤は二酸化チタンである。
カバー8の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましく、0.6mm以上が特に好ましい。カバー8の厚みは2.5mm以下が好ましく、2.2mm以下が特に好ましい。カバー8の比重は0.90以上が好ましく、0.95以上が特に好ましい。カバー8の比重は1.10以下が好ましく、1.05以下が特に好ましい。
図2には、ディンプル12の中心及びゴルフボール2の中心を通過する平面に沿った、ゴルフボール2の断面が示されている。図2における上下方向は、ディンプル12の深さ方向である。図2において二点鎖線16で示されているのは、仮想球である。仮想球16の表面は、ディンプル12及び微小突起(後に詳説)が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。仮想球16の直径は、ゴルフボール2の直径と同一である。ディンプル12は、仮想球16の表面から凹陥している。ランド14は、仮想球16の表面と一致している。
図2において矢印Dmで示されているのは、ディンプル12の直径である。それぞれのディンプル12の直径Dmは、2.0mm以上6.0mm以下が好ましい。図2において両矢印Dpで示されているのは、ディンプル12の深さである。この深さDpは、ディンプル12の最深部と仮想球16の表面との距離である。深さDpは0.10mm以上0.65mm以下が好ましい。
ディンプル12の面積sは、無限遠からゴルフボール2の中心を見た場合の、ディンプル12の輪郭に囲まれた領域の面積である。円形ディンプル12の場合、面積Sは下記数式によって算出される。
S = (Dm / 2) * π
本発明では、全てのディンプル12の面積Sの合計の、仮想球16の表面積に対する比率は、占有率と称される。十分な乱流化が得られるとの観点から、占有率Soは75%以上が好ましい。占有率は、95%以下が好ましい。
十分な占有率が達成されるとの観点から、ディンプル12の総数Nは250個以上が好ましい。個々のディンプル12が乱流化に寄与しうるとの観点から、総数Nは450個以下が好ましい。
本発明において「ディンプルの容積」とは、仮想球16の表面とディンプル12の表面とに囲まれた部分の容積を意味する。飛行中のゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、ディンプル12の総容積は450mm以上が好ましい。飛行中のゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、総容積は750mm以下が好ましい。
図3は、図1のゴルフボール2の表面の一部が示された拡大斜視図である。図3から明らかなように、このゴルフボール2は、その表面に多数の微小突起18を備えている。図2から明らかなように、微小突起18は、ディンプル12の表面に形成されており、かつ、ランド14の表面にも形成されている。それぞれの微小突起18は、ゴルフボール2の半径方向外向きに起立している。微小突起18が、ディンプル12の表面のみに形成されもよい。微小突起18が、ランド14の表面のみに形成されてもよい。
図3には、第一列Iに属する3つの微小突起18aと、第二列IIに属する3つの微小突起18bとが示されている。図3において矢印Aで示される方向は、列の延在方向である。それぞれの列において、微小突起18は、等ピッチで並んでいる。換言すれば、微小突起18は規則的に並んでいる。ゴルフボール2の表面の一部において、微小突起18が不規則に並んでもよい。
第一列Iに属する微小突起18aと第二列IIに属する微小突起18bとが、ジグザグに配置されてもよい。換言すれば、第一列Iに属する微小突起18aの位置が、延在方向Aにおいて、第二列IIに属する微小突起18bの位置とずれてもよい。
図4は、図1のゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。図4には、本体10の一部であるカバー8と、ペイント層20とが示されている。図4には、微小突起18が示されている。カバー8は、凸部22を有している。微小突起18は、この凸部22とペイント層20とによって形成されている。凸部22がゴルフボール2の半径方向外向き(図4における上向き)に起立しているので、微小突起18もゴルフボール2の半径方向外向きに起立している。換言すれば、微小突起18は、本体10(カバー8)の表面形状が反映された形状を有する。図4において符号24で示されているのは、微小突起18の底面である。
図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。図5には、微小突起18の底面24が示されている。底面24は、カバー8とペイント層20とを含んでいる。
図3において矢印Pで示されているのは、ピッチである。ピッチPは、第一の微小突起18と、この第一の微小突起18に隣接する第二の微小突起18との距離である。ピッチPは、第一の微小突起18の底面24の重心と、第二の微小突起18の底面24の重心との距離である。「第一の微小突起に隣接する第二の微小突起」とは、第一の微小突起18の周辺に存在する微小突起18のうち、第一の微小突起18との距離が最も小さい微小突起18である。この「距離」は、微小突起18の底面24の重心同士の距離である。
それぞれの微小突起18に、1つのピッチPが決定される。全ての微小突起18のピッチPが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均ピッチPavが算出される。平均ピッチPavは、100μm未満が好ましい。平均ピッチPavが100μm未満であるゴルフボール2には、土の粒子が付着しにくい。このゴルフボール2は、防汚性に優れている。平均ピッチPavが100μm未満であるゴルフボール2では、微小突起18とこれに隣接する微小突起18との間に、水滴が入りにくい。従って、微小突起18の表面が汚れたときでも、水で洗われると、この水が汚れを取り込んで流れる。このゴルフボール2は、洗浄性に優れる。防汚性及び洗浄性の観点から、平均ピッチPavは95μm以下がより好ましく、80μm以下が特に好ましい。微小突起18に異物が付着しにくいとの観点から、平均ピッチPavは10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。
図3において矢印Lで示されているのは、第一の微小突起18とこの第一の微小突起18に隣接する第二の微小突起18との間の距離である。距離Lの方向は、ピッチPの方向と同じである。
それぞれの微小突起18に、1つの距離Lが決定される。全ての微小突起18の距離Lが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均距離Lavが算出される。土の粒子が付着しにくいとの観点から、平均距離Lavは10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。洗浄性の観点から、平均距離Lavは80μm以下が好ましく、75μm以下がより好ましく、70μm以下が特に好ましい。
図5には、第一の微小突起18cの底面24cと共に、二点鎖線にて、第二の微小突起18dの底面24dも示されている。第二の微小突起18dは、第一の微小突起18cに隣接している。図5において二点鎖線26で示されているのは、第一の微小突起18cの底面24cの重心Ocと、第二の微小突起18dの底面24dの重心Odとを通過する直線である。図5において矢印Tで示されているのは、第一の微小突起18cの幅である。幅Tは、直線26に沿って測定される。幅Tは、直線26のうち底面24cの輪郭に含まれる部分の距離である。
図6には、第一の微小突起18cの底面24cと共に、二点鎖線にて、第二の微小突起18eの底面24eも示されている。第二の微小突起18eは、第一の微小突起18cに隣接している。図6において二点鎖線28で示されているのは、第一の微小突起18cの底面24cの重心Ocと、第二の微小突起18eの底面24eの重心Oeとを通過する直線である。図6において矢印Tで示されているのは、第一の微小突起18cの幅である。幅Tは、直線28に沿って測定される。幅Tは、直線28のうち底面24cの輪郭に含まれる部分の距離である。図6に示された幅Tは、図5に示された幅Tよりも大きい。
図5に示された第一の微小突起18cと第二の微小突起18dとの距離は、図6に示された第一の微小突起18cと第二の微小突起18eとの距離と等しい。第一の微小突起18cは、2つの第二の微小突起18d,18eと隣接する。従って、第一の微小突起18cは、複数の幅Tを有しうる。この場合、最も大きい幅Tが、第一の微小突起18cの幅として採用される。
それぞれの微小突起18に、1つの幅Tが決定される。全ての微小突起18の幅Tが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均幅Tavが算出される。土の粒子が付着しにくいとの観点から、平均幅Tavは10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。底面24が汚れにくいとの観点から、平均幅Tavは60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が特に好ましい。
このゴルフボール2は、下記数式を満たす。
Lav < 3 ・ Tav
このゴルフボール2では、微小突起18の密度が高い。このゴルフボール2には、土の粒子が付着しにくい。従ってこのゴルフボール2は、防汚性及び洗浄性に優れる。防汚性及び洗浄性の観点から、ゴルフボール2が下記数式を満たすことが好ましい。
Lav ≦ 2 ・ Tav
ゴルフボール2が下記数式を満たすことが、好ましい。
Lav > Tav
図4において矢印Hで示されているのは、微小突起18の高さである。高さHは、ゴルフボール2の半径方向に沿って測定される。全ての微小突起18の高さHが合計され、この合計が微小突起18の数で除されることにより、平均高さHavが算出される。土の粒子が付着しにくいとの観点から、平均高さHavは0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、2.0μm以上が特に好ましい。ゴルフボール2の飛行性能の観点から、平均高さHavは50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。
土の粒子が付着しにくいとの観点から、底面24の平均面積は100μm以上が好ましく、225μm以上がより好ましく、400μm以上が特に好ましい。底面24が汚れにくいとの観点から、平均面積は3600μm以下が好ましく、2500μm以下がより好ましく、1600μm以下が特に好ましい。
土の粒子が付着しにくいとの観点から、全ての微小突起18の底面24の総面積の、仮想球16の表面積に対する比率は、5%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上が特に好ましい。底面24が汚れにくいとの観点から、この比率は80%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。
防汚性及び洗浄性の観点から、微小突起18の総数は500個以上が好ましく、1000個以上がより好ましく、2000個以上が特に好ましい。防汚性の観点から、この総数は500000個以下が好ましく、300000個以下がより好ましく、100000個以下が特に好ましい。
前述の通り、微小突起18は、本体10の凸部22とペイント層20とを含んでいる(図4参照)。従って、ペイント層20が本体10から剥離しても、微小突起18の形状が概ね維持される。この微小突起18の形成に、特殊なペイントは必要ない。このゴルフボール2は、容易に製造されうる。
このゴルフボール2では、微小突起18の物理的作用により、汚染が防止される。従って、防汚の目的で特殊な化学的性質を有するカバー8及びペイント層20が採用される必要は、ない。
本体10の凸部22は、本体10の成形時に同時に成形される。この成形には、成形型が用いられる。この成形型のキャビティ面は、多数の微小な凹部を有している。それぞれの凹部は、凸部22の形状がほぼ反転した形状を有する。この成形型は、マスター型から得られうる。このマスター型の製作方法の一例として、エッチングが挙げられる。エッチング時に、多数の微小なマスキングが用いられる。マスキングにより、マスター型に凸部が形成される。マスター型の凸部により、成形型に凹部が形成される。マスキングの位置は、マスター型の凸部の位置に相当し、成形型の凹部の位置に相当し、ゴルフボール2の微小突起18の位置に相当する。エッチング以外の種々の方法で、マスター型が製作されうる。エッチング以外の方法として、レーザー照射加工が例示される。
前述の通り、微小突起18はディンプル12の表面に形成されており、かつ、ランド14の表面にも形成されている(図2参照)。この微小突起18は、ディンプル12の汚染を防止し、かつランド14の汚染も防止する。
図2−6に示された微小突起18の形状は、概ね四角柱である。ゴルフボール2が、他の形状の微小突起を有してもよい。他の形状として、四角柱以外の角柱、円柱、角錐台、円錐台、角錐及び円錐が例示される。微小突起の形状が、球の一部であってもよい。微小突起が、複数の立体が組み合わされた形状を有してもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、25.5質量部のアクリル酸亜鉛、12質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド、0.9質量部のジクミルパーオキサイド、0.1質量部の2−ナフタレンチオール及び2質量部の安息香酸を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、160℃で20分間加熱して、直径が38.7mmであるコアを得た。所定の質量のコアが得られるように、硫酸バリウムの量を調整した。
26質量部のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7337」)、26質量部の他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7329」)、48質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」)、4質量部の二酸化チタン及び0.2質量部の光安定剤(城北化学工業社の商品名「JF−90」)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形法にてコアの周りに被覆し、中間層を形成した。この中間層の厚みは、1.0mmであった。
55質量部のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7329」)、45質量部の他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」)、4質量部の二酸化チタン及び0.2質量部の光安定剤(城北化学工業社の商品名「JF−90」)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。それぞれが半球状キャビティを備え、キャビティ面に多数のピンプル及び微小凹部を備えた上型及び下型からなるファイナル金型に、コア及び中間層からなる球体を投入した。樹脂組成物を射出成形法にて中間層の周りに被覆し、カバーを形成した。このカバーの厚みは、1.0mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。カバーにはさらに、微小凹部の形状が反転した形状を有する微小な凸部が形成された。
このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.6gである実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボールは、表面に多数の微小突起を有している。これらの微小突起の仕様が、下記の表1に示されている。
[実施例2及び6−8並びに比較例1]
ファイナル金型を変更し、下記の表1−2に示される平均ピッチPa、平均距離La及び平均幅Taを有する微小突起を形成した他は実施例1と同様にして、実施例2及び6−8並びに比較例1のゴルフボールを得た。
[実施例3−5]
ファイナル金型を変更し、下記の表1に示される平均高さHaを有する微小突起を形成した他は実施例1と同様にして、実施例3−5のゴルフボールを得た。
[比較例2]
ファイナル金型を変更し、微小突起を形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例2のゴルフボールを得た。
[防汚性]
各実施例及び各比較例に係るゴルフボールを、土と一緒にバケツに投入し、この土をかき混ぜた。その後のゴルフボールの汚れの程度を、下記の基準に従って格付けした。
A:汚れが極めて少ない
B:汚れが少ない
C:汚れが多い
D:汚れが極めて多い
この結果が、下記の表1及び2に示されている。
[洗浄性]
上記防汚性の評価に供したゴルフボールを、水と一緒にバケツに投入し、この水をかき混ぜた。その後のゴルフボールの汚れの程度を、下記の基準に従って格付けした。
A:汚れが極めて少ない
B:汚れが少ない
C:汚れが多い
D:汚れが極めて多い
この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 0006753218
Figure 0006753218
表1及び2に示されるように、各実施例のゴルフボールは、防汚性及び洗浄性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
前述の微小突起は、スリーピースゴルフボールのみならず、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、フォーピースゴルフボール、ファイブピースゴルフボール、シックスピースゴルフボール、糸巻きゴルフボール等、様々な構造を有するゴルフボールに適用されうる。
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・中間層
8・・・カバー
10・・・本体
12・・・ディンプル
14・・・ランド
16・・・仮想球
18・・・微小突起
20・・・ペイント層
22・・・凸部
24・・・底面

Claims (3)

  1. 複数のディンプルと、ランドとを備えたゴルフボールであって、
    上記ディンプル及び/又は上記ランドの表面に形成された多数の微小突起をさらに備えており、
    第一の微小突起とこれの周辺に存在する微小突起のうち第一の微小突起との距離が最も小さい第二の微小突起の底面の重心同士の距離が第一の微小突起のピッチとされたとき、全ての第一の微小突起のピッチPが合計されこの合計が微小突起の数で除されることにより算出される平均値Pavが30μm以上95μm以下であり、
    上記ゴルフボールの半径方向に沿って測定された全ての微小突起の高さHが合計されこの合計が微小突起の数で除されることにより算出された平均高さHavが0.5μm以上50μm以下であり、
    下記数式を満たすゴルフボール。
    Lav < 3 ・ Tav
    (上記数式において、Lavは上記第一の微小突起と上記第二の微小突起との間の距離Lが合計されこれが微小突起の数で除されることにより算出される平均値を表し、Tavは上記第一の微小突起の底面の重心と上記第二の微小突起の底面の重心とを通過する直線に沿って測定された上記第一の微小突起の幅Tの中の最大値が合計されこれが微小突起の数で除されることにより算出される平均値を表す。平均値Lavは10μm以上80μm以下であり、平均値Tavは10μm以上60μm以下である。)
  2. 複数の列を有しており、それぞれの列において複数の微小突起が等ピッチで並んでいる請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 本体とこの本体の外側に位置するペイント層とを有しており、
    上記微小突起が上記本体の表面形状が反映された形状を有する請求項1又は2に記載のゴルフボール。
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