以下、本発明の一実施形態にかかる蓋付き箱について説明する。まず、第1実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる蓋付き箱を閉蓋状態で示す斜視図である。また、図2は、図1に示されている蓋付き箱を、開蓋状態で示す斜視図である。
本実施形態の蓋付き箱1は、商品等の包装に用いられる段ボール紙製で直方体形状の紙箱容器である。この蓋付き箱1は、有底四角筒状の箱本体11と、この箱本体11の開口11aを開閉自在に覆う蓋体15と、を備えている。蓋体15は、四角形の開口11aの一辺に連結されており、この連結部を回動軸として回動するように構成されている。
図1及び図2には、蓋体15の回動軸と平行な幅方向に相当するX軸方向と、蓋体15の回動軸側を背面側でその反対側を正面側と見たときの前後方向に相当するY軸方向と、箱本体11の高さ方向に相当するZ軸方向と、が示されている。
箱本体11は、四角形板状の底壁101と、この底壁101の四角形の周縁に立設された周壁102と、を備えている。周壁102は、蓋体15が連結された背面壁110、背面壁110と対面する正面壁120、及び、両者を繋ぐ一対の側面壁130で構成されている。そして、正面壁120、及び一対の側面壁130は、各々開口11a側の端縁を山折り目121,131として折り畳まれた、外壁122,132と内壁123,133とが互いに対面した二重壁となっている。
また、本実施形態では、正面壁120の山折り目121は、正面の外壁122の端縁と内壁123の端縁と、を各々が構成するように互いに並走して延びる2本の折り目121a,121bで構成されている。2本の折り目121a,121bの間隔は、基本的に外壁122及び内壁123を重ね合せた段ボール紙2枚分の厚みに応じた間隔となっている。このような間隔の2本の折り目121a,121bで山折り目121を構成することで、ある程度の厚みのある段ボール紙の折畳みが可能となっている。
側面壁130の山折り目131も、同様に側面の外壁132の端縁と内壁133の端縁と、を各々が構成するように互いに並走して延びる2本の折り目131a,131bで構成されている。これらの折り目131a,131bの間隔も段ボール紙2枚分の厚みに応じた間隔となっている。
蓋体15は、閉蓋時に箱本体11の開口11aを覆う四角形板状の蓋壁105を備えている。この蓋壁105の四角形の周縁のうちの一端縁が、箱本体11の背面壁110の開口11a側の端縁に連結されている。そして、連結箇所である蓋壁105と背面壁110との境界の折り目18をヒンジ中心として蓋体15は回動されて開閉されるようになっている。蓋壁105の四角形の周縁のうちこの境界の折り目18以外の3つの端縁に、閉蓋時には箱本体11の周壁102における重複壁部分140に外側から重なるように縁壁106が立設されている。縁壁106は、正面重複壁部分141(第2壁)に重なる正面縁壁150(第1壁)、及び、側面重複壁部分142に重なる一対の側面縁壁160で構成されている。そして、正面縁壁150は、次のような多重壁となっている。まず、正面縁壁150では、蓋壁105とは反対側の端縁を山折り目151として折り畳まれて、外壁152と内壁153とが互いに対面する二重壁が構成されている。さらに、この二重壁の間に側面縁壁160から延出した他の壁部分161が挟まれて多重壁となっている。
また、本実施形態では、正面縁壁150の山折り目151は、外壁152の端縁と内壁153の端縁と、を各々が構成するように互いに並走して延びる2本の折り目151a,151bで構成されている。これら2本の折り目151a,151bの間隔も段ボール紙2枚分の厚みに応じた間隔となっている。
ここで、この蓋付き箱1には、閉蓋時に蓋体15が不用意に開かないようにロックするためのロック構造として、次のようなロック構造が設けられている。
まず、蓋体15において、正面縁壁150の内側に凹部107が設けられ、そして、この凹部107の略中央を貫通するようにロック解除用の貫通孔108が設けられている。凹部107は、正面縁壁150の内壁153に開けられた横長の孔である。この横長の孔から見える他の壁部分161が凹部107の底となっている。貫通孔108は、凹部107の略中央を外壁152と内壁153との双方に亘って貫通して設けられている。
他方、箱本体11においては、正面壁120の外壁122に、山折り目121に向かって開口した略C字状のスリット103が設けられている。そして、このスリット103における山折り目121に近い側の内縁を突出させておき、閉蓋時には、その突出させた内縁を蓋体15の凹部107の内縁に係止させることで蓋体15がロックされるようになっている。正面壁120の山折り目121における正面側の折り目121aには、スリット103における上記の内縁を突出させるために外側に凸となった曲り折り目121cが設けられている。
図3は、蓋体の凹部と、箱本体のスリットと、を拡大して示す図である。この図3にも、図1及び図2と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。
蓋体15の凹部107は、正面縁壁150の内壁153に設けられ、蓋体15の開閉方向D11に対する交差方向D12に延在する延在内縁107aを有した横長の孔である。ここで、本実施形態では、上述したように横長の凹部107の略中央に貫通孔108が設けられている。この貫通孔108は、凹部107の幅よりも大径に形成されており、この関係上、凹部107における延在内縁107aは、図3に示されているように、貫通孔108を左右から挟むように位置している。また、各延在内縁107aは、交差方向D12に直線状に延在している。
また、箱本体11のスリット103は、正面壁120の外壁122に設けられ、交差方向D12に延在する横線部分103aと、その両端から山折り目121に向かって延在する一対の腕部分103bと、で構成される略C字状の切れ込みである。また、このスリット103における横線部分103aの略中央部は、山折り目121とは反対側に凸の円弧経路を辿っている。さらに、一対の腕部分103bそれぞれの先端は、略円形状に拡がった孔部となっている。このようなスリット103で囲まれた領域は、スリット103における山折り目121に近い側の内縁で画定された舌片104となる。
そして、正面壁120の山折り目121における正面側の折り目121aに設けられた曲り折り目121cは、正面側の折り目121aに次のように設けられている。まず、曲り折り目121cは、正面壁120における外壁122に沿うとともに山折り目121に直交する矢印V11方向から見たときに、全体がスリット103と重なる範囲Ar11に設けられている。そして、曲り折り目121cは、この範囲Ar11に、箱本体11の外側に向かって凸に、即ち、閉蓋時に蓋体15の正面縁壁150へと向かって凸となるように曲折した形状を有している。その曲折形状は、上記の範囲Ar11の一方の端部近傍から外側に向かって斜行した後に折れ曲がって内面側の折り目121bと並走し、その後、上記の範囲Ar11の他方の端部近傍へと内側に向かって斜行した台形状となっている。
このような曲り折り目121cを有する山折り目121で折り畳まれて二重壁の正面壁120が形成されることで、正面壁120の外壁122における曲り折り目121cの近傍部分に、外側に凸となるような歪みが生じる。この歪みによって、上記の舌片104が、閉蓋時に蓋体15の正面縁壁150へと向かう外方向D13に突出する。スリット103の横線部分103aにおける山折り目121に近い側の内縁は、このように突出した舌片104の先端部104aとなる。尚、本実施形態では、スリット103の横線部分103aの略中央部は、山折り目121とは反対側に凸の円弧経路を辿っており、これに応じて、先端部104aの略中央部には、半円状に突出した突起部104bが形成されている。そして、蓋体15の正面縁壁150において凹部107の略中央を貫通して設けられた貫通孔108から、閉蓋時には先端部104aの突起部104bが視認されるように構成されている。
そして、箱本体11において外方向D13に突出した先端部104aでは、突起部104bを左右に挟むようにして一対の突出端縁104cが位置している。閉蓋時には、これら一対の突出端縁104cが、蓋体15の凹部107において貫通孔108を左右に挟んで位置する一対の延在内縁107aに係止する。本実施形態では、突出端縁104cも、延在内縁107aと同様に直線状に延在している。
図4は、閉蓋時における箱本体の突出端縁と蓋体の凹部の延在内縁との係止状態を、図1中のV12−V12線に沿った断面で示した図である。図4にも、図1及び図2と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。
箱本体11で、正面壁120の外壁122における曲り折り目121cの近傍部分に生じた歪みによって先端部104aが突出した舌片104は、図4に断面視で示す次のような形状を有している。即ち、舌片104は、曲り折り目121cを含む正面側の折り目121aから先端部104aへと外方向D13に斜行した斜め突出形状を有している。この斜め突出形状は、外壁122に生じた歪みによって外方向D13に付勢された状態で形成されているので、この付勢力を超える外力が加えられない限り維持される。
このとき、蓋体15が閉蓋方向D111に閉じられると、まず、舌片104における先端部104aが、蓋体15における正面縁壁150の内壁153によって内側に押されて舌片104が変形して内方向D14に引っ込む。やがて、蓋体15が、先端部104aが凹部107の内部に達するまで閉じられると、外壁122の歪みによる付勢力で舌片104の形状が復元し、先端部104aが蓋体15の凹部107に進入する。このときに、先端部104aにおける一対の突出端縁104cが、凹部107における一対の延在内縁107aに係止する。閉蓋時におけるこの係止により、蓋体15に閉蓋方向D111とは逆向きの開蓋方向D112の外力が加わっても不用意に蓋体15が開かないようロックされることとなる。
ここで、図3を参照して述べたように、閉蓋時には、蓋体15の正面縁壁150に設けられた貫通孔108から、先端部104aの突起部104bが視認されるように構成されている。本実施形態では、この突起部104bが、一対の突出端縁104cに左右から挟まれるように、この突出端縁104cの近傍に設けられている。そして、このような位置に設けられた突起部104bが、貫通孔108からユーザによって指で押圧されることで突出端縁104cを凹部107の延在内縁107aから離す内方向D14へと案内して係止を解除する係止解除部の役割を担っている。ユーザは、蓋体15を開きたいときには、貫通孔108から視認される突起部104bを指で押圧して係止を解除しつつ開蓋方向D112に蓋体15を開くこととなる。
図5は、図1〜図4に示されている蓋付き箱を作製するための蓋付き箱展開体を示す図である。図5にも、図1及び図2と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。この図5には、蓋付き箱展開体2が、箱本体11を内側から見つつ展開したときの状態で示されている。
この蓋付き箱展開体2は、箱本体11の展開形状を有する箱本体展開シート21と、蓋体15の展開形状を有する蓋体展開シート25と、を備えている。本実施形態では、蓋体15が箱本体11に連結されているので、蓋付き箱展開体2は、蓋体展開シート25が箱本体展開シート21に連結された一枚のシート状に形成されている。
箱本体展開シート21は、底壁101を構成する底壁シート部分201と、周壁102を構成する周壁シート部分202と、を備えている。周壁シート部分202は、背面壁110を構成する背面壁シート部分210、正面壁120を構成する正面壁シート部分220、及び、一対の側面壁130を構成する一対の側面壁シート部分230を備えている。
背面壁シート部分210は、四角形の底壁シート部分201の一辺に折り目211を境界線として繋がっている。
正面壁シート部分220は、二重壁を構成すべく外壁122を構成する外壁シート部分222と、内壁123を構成する内壁シート部分223と、を備えている。これら2つのシート部分は、2本の折り目221a,221bからなる山折り目221を境界線として面一状に繋がっている。正面壁シート部分220では、折り畳まれた時の二重壁状態を維持するための構造として、内壁シート部分223の一対の側辺に折り目225を境界線として一対の耳壁シート部分224が面一状に繋がっている。このような正面壁シート部分220が、四角形の底壁シート部分201の一辺に折り目226を境界線として繋がっている。また、各折り目225において、内壁シート部分223が内側に折り込まれたときに底壁101の側となる端部には所定長さの切れ込み227が形成されている。
一対の側面壁シート部分230それぞれも、二重壁を構成すべく外壁132を構成する外壁シート部分232と、内壁133を構成する内壁シート部分233と、を備えている。そして、これら2つのシート部分が、2本の折り目231a,231bからなる山折り目231を境界線として面一状に繋がっている。このような側面壁シート部分230が、四角形の底壁シート部分201の対向一対の側辺それぞれに折り目234を境界線として繋がっている。また、内壁シート部分233の正面壁シート部分220の側の側辺において、内壁シート部分223が内側に折り込まれたときに底壁101の側となる端部には差込突起235が形成されている。この差込突起235は、内壁シート部分223が内側に折り込まれたときに、正面壁シート部分220における上記の切れ込み227に差し込まれる。また、内壁シート部分233の背面壁シート部分210の側の側辺において、内壁シート部分223が内側に折り込まれたときに底壁101の側となる端部には摺接突起236が形成されている。この摺接突起236は、内壁シート部分223が内側に折り込まれたときに、背面壁110の内面に摺接する。
そして、背面壁シート部分210、正面壁シート部分220の外壁シート部分222、及び側面壁シート部分230の外壁シート部分232の側辺が、繋ぎシート部分240で折り目241を境界線として面一状に繋がっている。繋ぎシート部分240は、底壁シート部分201の側の角と反対側の角とを結ぶ対角線に形成された折り目242で内側に凸に折り込まれるようになっている。
以上に説明した箱本体展開シート21では、まず、背面壁シート部分210、正面壁シート部分220、及び一対の側面壁シート部分230が、各折り目211,226,234で底壁シート部分201に対して折り起こされる。このとき、4つの繋ぎシート部分240は、対角線の折り目242で内折りに折り込まれる。続いて、正面壁シート部分220、及び一対の側面壁シート部分230が、各山折り目221,231で折り畳まれて二重壁が構成される。このとき、内折りに折り込まれた各繋ぎシート部分240が、一対ずつ側面壁シート部分230の外壁シート部分232と内壁シート部分233との間に挟み込まれる。また、正面壁シート部分220における耳壁シート部分224も、繋ぎシート部分240と一緒に側面壁シート部分230の外壁シート部分232と内壁シート部分233との間に挟み込まれる。そして、側面壁シート部分230の内壁シート部分233に設けられた差込突起235が、正面壁シート部分220に設けられた切れ込み227に差し込まれる。一方、差込突起235と反対側の摺接突起236は、背面壁シート部分210の内面に摺接した状態となる。このような箱本体展開シート21の折り込みによって、上述した箱本体11が作製される。
蓋体展開シート25は、蓋壁105を構成する蓋壁シート部分205と、縁壁106を構成する縁壁シート部分206と、を備えている。
四角形状の蓋壁シート部分205の一辺が、その一辺に形成された折り目28を境界線として背面壁シート部分210と面一状に繋がっている。この境界の折り目28が、蓋体15の回動におけるヒンジ中心となる。
縁壁シート部分206は、正面縁壁150を構成する正面縁壁シート部分250(第1シート部分)、及び、一対の側面縁壁160を構成する一対の側面縁壁シート部分260を備えている。
正面縁壁シート部分250は、二重壁を構成すべく外壁152を構成する外壁シート部分252と、内壁153を構成する内壁シート部分253と、を備えている。これら2つのシート部分は、2本の折り目251a,251bからなる山折り目251を境界線として面一状に繋がっている。正面縁壁シート部分250では、折り畳まれた時の二重壁状態を維持するための構造として、内壁シート部分253において、折り畳まれたときに蓋壁105の側を向く端縁に2つの差込突起254が設けられている。そして、このような正面縁壁シート部分250が、蓋壁シート部分205の一辺に設けられた折り目255を境界線として面一状に繋がっている。
一対の側面縁壁シート部分260それぞれは、四角形の蓋壁シート部分205の対向一対の側辺それぞれに折り目262を境界線として繋がっている。また、各側面縁壁シート部分260における正面縁壁シート部分250の側の端縁からは、この端縁に設けられた折り目263を境界線として他の壁シート部分261が延出している。他の壁シート部分261は、正面縁壁シート部分250が折り畳まれるときにその外壁シート部分252と内壁シート部分253との間に挟まれる。これにより、多重壁として正面縁壁150が構成される。さらに、他の壁シート部分261において、内壁シート部分253に隣接する端縁からは、この端縁に設けられた折り目264を境界線として中敷き壁シート部分265が連結されている。他の壁シート部分261が正面縁壁シート部分250の外壁シート部分252と内壁シート部分253との間に挟まれると、中敷き壁シート部分265は、内壁シート部分253と蓋壁シート部分205との間を通って延出する。このとき、他の壁シート部分261と中敷き壁シート部分265との境界の折り目264には切れ込み266が設けられている。この切れ込み266に、内壁シート部分253の差込突起254が差し込まれる。これにより、正面縁壁150の多重壁状態が維持される。
以上に説明した蓋体展開シート25では、まず、正面縁壁シート部分250、及び一対の側面縁壁シート部分260が、各折り目255,262で蓋壁シート部分205に対して折り起こされる。続いて、他の壁シート部分261を間に挟みつつ正面縁壁シート部分250が山折り目251で折り畳まれて多重壁が構成される。そして、正面縁壁シート部分250の内壁シート部分253に設けられた差込突起254が、他の壁シート部分261と中敷き壁シート部分265との境界に設けられた切れ込み266に差し込まれる。このような蓋体展開シート25の折り込みによって、上述した蓋体15が作製される。
このとき、本実施形態では、正面縁壁シート部分250の内壁シート部分253にロックのための凹部107用の横長孔207が形成されている。そして、正面縁壁シート部分250の外壁シート部分252、内壁シート部分253における横長孔207の略中央には上述したロック解除のための貫通孔108用の丸孔208a,208bが設けられている。また、一対の他の壁シート部分261において、蓋体15の形成時には互いに当接する先端縁には、上記の貫通孔108用の半円切り欠き208cが設けられている。上記のように多重壁の正面縁壁150が構成されると、2つの丸孔208a,208bが、一対の半円切り欠き208cで形成される丸孔に重なって、多重壁としての正面縁壁150を貫通する貫通孔108が形成される。また、このときには、一対の他の壁シート部分261が、横長孔207における丸孔208b以外の部分を遮り、これを底とした凹部107が形成される。
また、上記の箱本体シート部分21では、正面壁シート部分220、及び、一対の側面壁シート部分230において、山折り目221,231を挟んだ領域が、上記の重複壁部分140を構成する重複壁シート部分270となる。重複壁シート部分270は、正面壁シート部分220に位置する正面重複壁シート部分271(第2シート部分)、及び、側面縁壁シート部分260に位置する側面重複壁シート部分272で構成されている。そして、正面重複壁シート部分271における外壁シート部分222の部分に、上述したロック用のスリット203が形成されている。さらに、山折り目221における内壁側の折り目221aの略中央に、上述したロック用の曲り折り目221cが形成されている。山折り目221で折り畳まれて二重壁としての正面壁120が形成されることで、スリット203の対向する内縁のうち山折り目に近い側の内縁が、曲り折り目221cに沿って突出してロック用の突出端縁104cが形成される。
このように図5の蓋付き箱展開体2を折り畳むことで、図1〜図4に示されている蓋付き箱1が作製されることとなる。
以上に説明した第1実施形態の蓋付き箱1では、箱本体11に設けられた突出端縁104cが蓋体15に設けられた凹部107に進入してその延在内縁107aに係止することで、閉蓋時のロック状態が構成される。このとき、突出端縁104cは、二重壁の山折り目121が有する曲り折り目121cに沿った正面壁120の外壁122の歪みを利用してスリット103の内縁を突出させたものとなっている。このため、この突出端縁104cは、その先端側から掛かる力に対して高い強度を有するものとなっている。また、本実施形態では、突出端縁104cが延在内縁107aに係止するように構成されている。このため、突出端縁104cと延在内縁107aとの縁どうしの係止によって、点状ではなく線状の広い係止範囲を確保することができる。このように、本実施形態によれば、突出端縁104cの高い強度と、突出端縁104cと延在内縁107aとの係止範囲の広さと、の2点により、閉蓋時に高いロック強度を得ることができる。
ここで、本実施形態では、山折り目121は互いに並走して延びる2本の折り目121a,121bで構成されており、曲り折り目121cは、外壁122の端縁をなす折り目121aに設けられている。2本の折り目121a,121bで山折り目121を構成することで、スリット103が設けられる正面壁120についても高い強度を得ることができるので、閉蓋時に一層高いロック強度を得ることができる。
また、本実施形態では、閉蓋時における延在内縁107aに対する突出端縁104cの係止を、ユーザに押圧されることで解除する係止解除部としての突起部104bが突出端縁104cの近傍に設けられている。これにより、ユーザは、開蓋時における蓋体15のロックの解除を、突起部104bを押圧することで容易に行なうことができる。
また、本実施形態では、蓋体15は、蓋壁105の周縁の一部が箱本体11の開口11aの縁に連結され、その連結箇所をヒンジ中心として回動されるものとなっている。これにより、蓋体15が箱本体11と一体となっているので蓋体15の紛失などの懸念が解消される他、蓋体15の開閉を上記の回動という簡単な操作で行うことができる。
また、上述した本実施形態の蓋付き箱展開体2によれば、山折り目221で折り畳んで二重壁としての正面壁120を形成しつつ蓋付き箱1が作製される。これにより、突出端縁104cの高い強度と、突出端縁104cと延在内縁107aとの係止範囲の広さと、の2点により、閉蓋時のロック強度が高い蓋付き箱1を得ることができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ロック用の凹部及びスリットの位置が上述の第1実施形態とは異なっている。以下、第2実施形態について、この第1実施形態の相違点に注目して説明する。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態における第1実施形態との相違点ついて、蓋付き箱展開体を用いて示す図である。尚、この図6では、図5に示されている構成要素と同等な構成要素については図5と同じ符号が付されている。以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。また、この図6では、それら同等な構成要素のうち、第1実施形態との相違点に関連したものにのみ符号が付されている。
図6にも、図1及び図2と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。また、この図6には、蓋付き箱展開体3が、箱本体を内側から見つつ展開したときの状態で示されている。
この蓋付き箱展開体3では、第1実施形態とは異なり、箱本体展開シート31において、周壁シート部分302の一対の側面壁シート部分330それぞれにロック用のスリット303が形成されている。つまり、スリット303は、重複壁シート部分370のうち各側面壁シート部分330に位置する側面重複壁シート部分372に形成されている。スリット303の形状は、上述した第1実施形態のスリット203と同等である。
そして、一対の側面壁シート部分330それぞれの山折り目331における内壁側の折り目331aに、上述したロック用の曲り折り目331cが形成されている。山折り目331で折り畳まれて二重壁としての正面壁が形成されることで、スリット303における山折り目に近い側の内縁が、曲り折り目331cに沿って突出してロック用の突出端縁が形成される。
このような箱本体展開シート31による箱本体の作製は、第1実施形態と同様に行われる。まず、背面壁シート部分210、正面壁シート部分220、及び一対の側面壁シート部分330が、繋ぎシート部分240を折り込みながら底壁シート部分201から折り起こされる。そして、正面壁シート部分220、及び一対の側面壁シート部分330が、各山折り目221,331で折り畳まれる。そして、この折り畳みの際に上述したように突出端縁が形成される。
他方、蓋体展開シート35では、縁壁シート部分306における一対の側面縁壁シート部分360(第1シート部分)にロックのための凹部用の横長孔307と、ロック解除のための貫通孔用の丸孔308a,308bが設けられている。
このため、本実施形態では、側面縁壁シート部分360が2本の折り目361a,361bからなる山折り目361で折り畳まれるようになっている。この側面縁壁シート部分360の内壁シート部分363に横長孔307が形成され、その略中央に丸穴308bが形成されている。そして、外壁シート部分362において、側面縁壁シート部分360が折り畳まれたときに内壁シート部分363の丸穴308bと重なる位置に丸穴308aが形成されている。さらに、内壁シート部分363には、山折り目361とは反対側の端縁に設けられた折り目364を境界線として台形状の貼付壁シート部分365が面一状に繋がっている。この貼付壁シート部分365は、側面縁壁シート部分360が折り畳まれたときに蓋壁シート部分305に沿って延出し、この蓋壁シート部分305に接着される。
一方、この蓋体展開シート35における正面縁壁シート部分350は、蓋壁シート部分305の一辺に設けられた折り目351を境界線として面一状に繋がり、この折り目351で折り起こされて一枚壁の正面縁壁を構成する。このとき、この正面縁壁シート部分350の一対の側縁からは、各側縁に設けられた折り目352を境界線として他の壁シート部分353が延出している。他の壁シート部分353は、側面縁壁シート部分360が折り畳まれるときにその外壁シート部分362と内壁シート部分363との間に挟まれる。これにより、多重壁として側面縁壁が構成される。また、他の壁シート部分353には、上記のように挟まれたときに、丸穴308a,308bと重なる位置に先端半円切り欠き308cが形成されている。上記のように多重壁の側面縁壁が構成されると、2つの丸孔308a,308bが、先端半円切り欠き308cに重なって、多重壁としての側面縁壁を貫通する貫通孔が形成される。また、このときには、他の壁シート部分353が、横長孔307における丸孔308b以外の部分を遮り、これを底とした凹部が形成される。
このような蓋体展開シート35による蓋体の作製は、次のように行われる。まず、正面縁壁シート部分350、及び一対の側面縁壁シート部分360が蓋壁シート部分305から折り起こされる。そして、一対の側面縁壁シート部分360それぞれが、間に他の壁シート部分353を挟んで山折り目361で折り畳まれる。その後、各側面縁壁シート部分360の貼付壁シート部分365が蓋壁シート部分305に接着される。これにより、箱本体展開シート31による箱本体に、ヒンジ中心としての折り目28で回動する蓋体が作製される。閉蓋時には、蓋体は、正面重複壁シート部分271及び一対の側面重複壁シート部分372からなる重複壁シート部分370による重複壁部分に重なる。そして、一対の側面重複壁部分に形成された突出端縁が、蓋体の側の凹部に係止してロック状態となる。
以上に説明した第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、蓋付き箱展開体3で作成される蓋付き箱において閉蓋時に高いロック強度を得ることができることは言うまでもない。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ロック用のスリットにおける突出端縁を突出させるための構造が上述の第1実施形態とは異なっている。以下、第3実施形態について、この第1実施形態の相違点に注目して説明する。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態においてロック用のスリットにおける突出端縁を突出させるための構造を示す部分斜視図である。この図7には、図1と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。
本実施形態では、ロック用のスリット403における突出端縁403aが、山折り目421に設けられた次のような構造によって突出する。即ち、山折り目421には、スリット403の突出端縁403aを突出させるために、外側に凸となった曲り折り目421aと、反対側に凸となった逆曲り折り目421bと、が設けられている。山折り目421は、部分的にこれら2つの折り目で構成されたものとなっている。
まず、曲り折り目421aは、山折り目421に次のように設けられている。曲り折り目421aは、折畳みによって形成される二重壁420の外壁422に沿うとともに山折り目421に直交する矢印V41方向から見たときに、全体がスリット403と重なる範囲Ar41に設けられている。そして、曲り折り目421aは、この範囲Ar41に、外側に向かって凸となるように曲折した形状を有している。その曲折形状は、上記の範囲Ar41の一方の端部近傍から外側に向かって斜行した後に折れ曲がって内側の逆曲り折り目421bと並走し、その後、上記の範囲Ar11の他方の端部近傍へと内側に向かって斜行した台形状となっている。逆曲り折り目421bは、この曲り折り目421aとは略線対称に、内側に向かって凸となるように曲折した台形状となっている。
このような曲り折り目421a及び逆曲り折り目421bを有する山折り目421で折り畳まれて二重壁420が形成されると、その外壁422に歪みが生じる。歪みは、外壁422おける曲り折り目421aの近傍部分に、外側に凸となるように生じる。この歪みによって、スリット403における山折り目421に近い側の内縁が、曲り折り目421aに沿って外方向D43に突出する。そして、スリット403の内縁においてロック解除用の突起部404を左右に挟むように一対が位置して外方向D43に突出した突出端縁403aが、閉蓋時に、不図示の蓋体の凹部における延在内縁に係止する。
図8は、図7に示されている二重壁の展開形状を示す図である。図8にも、図7と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。
この展開形状では、二重壁420を構成する二重壁シート部分520が、外壁422を構成する外壁シート部分522と、内壁423を構成する内壁シート部分523と、を備えている。これら2つのシート部分は山折り目521を境界線として面一状に繋がっている。外壁シート部分522には、ロック用のスリット503が形成されている。さらに、山折り目521の略中央に、ロック用の曲り折り目521aと逆曲り折り目521bとが設けられている。山折り目521で折り畳まれて二重壁420が形成されることで、スリット503における山折り目に近い側の内縁が、曲り折り目521aに沿って突出してロック用の突出端縁403aが形成される。
以上に説明した第3実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、閉蓋時に高いロック強度を得ることができることは言うまでもない。
また、本実施形態では、山折り目421の略中央が2本の折り目で構成されており、その一方が外側に凸の曲り折り目421a、他方が内側に凸の逆曲り折り目421bとなっている。逆曲り折り目421bを設けることにより、外壁422により大きな歪みを生じさせて突出端縁403aの突出量を大きくすることができる。これにより、閉蓋時に更に高いロック強度を得ることができる。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、上述した第3実施形態に対する変形例である。この第4実施形態は、二重壁を構成するための山折り目が第3実施形態とは異なっている。以下、第4実施形態について、この第3実施形態の相違点に注目して説明する。
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態における二重壁を示す部分斜視図である。図10は、図9に示されている二重壁の展開形状を示す図である。尚、図9及び図10では、第3実施形態について示す図7及び図8に示されている構成要素と同等な構成要素は、図7及び図8と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
図9及び図10にも、図7及び図8と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。
本実施形態では、第3実施形態とは異なり、二重壁620において、ロック用のスリット403の内縁を突出させて突出端縁403aを形成させるための曲り折り目621aが、山折り目621の全長に亘って設けられている。また、反対側の逆曲り折り目621bも、同様に山折り目621の全長に亘って設けられている。また、曲り折り目621a及び逆曲り折り目621bそれぞれの形状は、第3実施形態における曲り折り目421aや逆曲り折り目421bのような台形状とは異なり、円弧状の湾曲形状となっている。
図10に示されている展開形状では、二重壁シート部分720において外壁シート部分722と内壁シート部分723との境界となる山折り目721が次のように形成されている。即ち、この山折り目721は、その全長に亘って円弧状に湾曲した曲り折り目721aと逆曲り折り目721bとで構成されている。このような山折り目721で二重壁シート部分720が折り畳まれて二重壁620が形成されることで、スリット503の内縁が突出し、上述した突出端縁403aが形成される。
以上に説明した第4実施形態でも、上述した第3実施形態と同様に、閉蓋時に高いロック強度を得ることができることは言うまでもない。
また、本実施形態では、山折り目621が全長に亘って2本の折り目で構成されており、その一方が外側に凸の曲り折り目621a、他方が内側に凸の逆曲り折り目621bとなっている。全長に亘る曲り折り目621a及び逆曲り折り目621bを設けることにより、外壁622により大きな歪みを生じさせて突出端縁403aの突出量を大きくすることができる。これにより、閉蓋時に更に高いロック強度を得ることができる。
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態も、上述した第3実施形態に対する変形例である。この第5実施形態も、二重壁を構成するための山折り目が第3実施形態とは異なっている。以下、第4実施形態について、この第3実施形態の相違点に注目して説明する。
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態における二重壁を示す部分斜視図である。図12は、図11に示されている二重壁の展開形状を示す図である。尚、図11及び図12では、第3実施形態について示す図7及び図8に示されている構成要素と同等な構成要素は、図7及び図8と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
図11及び図12にも、図7及び図8と同様のX軸方向とY軸方向とZ軸方向とが示されている。
本実施形態では、第3実施形態とは異なり、二重壁820を外壁822と内壁823とに分ける山折り目821が1本の折り目で構成されている。そして、山折り目821の略中央部に曲り折り目821aが設けられている。この曲り折り目821aは、二重壁820における外壁822に沿うとともに山折り目821に直交する矢印V81方向から見たときに、全体がスリット403と重なる範囲Ar81に設けられている。この曲り折り目821aは、1本の折り目から成る山折り目821における上記範囲Ar81の部分が、外方向D43に凸に円弧状に湾曲したものである。
図12に示されている展開形状では、二重壁シート部分920において外壁シート部分922と内壁シート部分923との境界となる山折り目921が次のように形成されている。即ち、この山折り目921は1本の折り目で構成され、外壁シート部分922に形成されたスリット503に対応した部分が、スリット503に向かって凸に円弧状に湾曲した曲り折り目921aとなっている。このような山折り目921で正面壁シート部分920が折り畳まれて二重壁820が形成されることで、スリット503の内縁が突出し、上述した突出端縁403aが形成される。
以上に説明した第5実施形態の蓋付き箱8でも、上述した第3実施形態と同様に、閉蓋時に高いロック強度を得ることができることは言うまでもない。
尚、前述した第1〜第5実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の蓋付き箱の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう蓋付き箱の一例として、段ボール紙製の蓋付き箱1が例示されている。しかしながら、本発明にいう付き箱は、段ボール紙製に限るものではなく、例えば厚紙製や樹脂シート製のもの等、その具体的な材料を問うものではない。
また、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう蓋付き箱の一例として、直方体形状の蓋付き箱1が例示されている。しかしながら、本発明にいう蓋付き箱は、これらに限るものではなく、例えば、直方体以外の多角柱形状や円柱形状等、具体的な箱形状を問うものではない。
また、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう蓋付き箱の一例として、蓋体15に凹部107が設けられ、箱本体11に突出端縁104cが設けられた蓋付き箱1が例示されている。しかしながら、しかしながら、本発明にいう蓋付き箱は、これに限るものではない。本発明にいう蓋付き箱は、蓋体に突出端縁が設けられ、箱本体に凹部が設けられたもの等であってもよい。
また、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう蓋付き箱の一例として、箱本体11と、蓋体15と、が一体となった蓋付き箱1が例示されている。しかしながら、本発明にいう蓋付き箱は、これに限るものではない。本発明にいう蓋付き箱は、箱本体と蓋体とが別体となったものであってもよい。
また、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう蓋付き箱の一例として、突出端縁104cが凹部107の延在内縁107aに係止する蓋付き箱1が例示されている。しかしながら、本発明にいう蓋付き箱は、これに限るものではない。本発明にいう蓋付き箱は、突出端縁が凹部ではなく貫通孔の延在内縁に係止するもの等であってもよい。
また、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう係止解除部の一例として、閉蓋時の蓋体15の貫通孔108から視認される突起部104bが例示されている。しかしながら、本発明にいう係止解除部はこれに限るものではない。本発明にいう係止解除部は、ユーザに押圧されることで係止を解除するものであれば、蓋体の縁壁から外れた、箱本体の周壁の一部等であってもよく、具体的な態様を問うものではない。
また、前述した第1〜第5実施形態では、本発明にいう延在内縁及び突出端縁の各一例として、直線状の延在内縁107a及び直線状の突出端縁104c,403aが例示されている。尚、これらの実施形態にいう「直線状」とは、凹部やスリットが設けられる壁の面内方向に直線状に延在するという意味である。例えばこの壁が湾曲していたり折れ曲がっていたりする場合には、その壁の形状に沿って曲りつつも壁の面内方向には真っ直ぐに延在することを意味している。ただし、本発明にいう延在内縁及び突出端縁は、この面内方向の形状についても直線状に限るものではない。本発明にいう延在内縁及び突出端縁は、蓋体の開閉方向に対する交差方向に延在するものであれば、壁の面内方向においても湾曲していたり折れ曲がっていたりしてもよく具体的な延在形状は任意に設定し得る。
上記目的を達成するために、本発明の蓋付き箱は、有底筒状の箱本体と、当該箱本体の開口を開閉自在に覆う蓋体と、を備える蓋付き箱であって、前記蓋体が、閉蓋時に前記開口を覆う蓋壁と、前記閉蓋時には前記箱本体の周壁における重複壁部分に外側から重なるように、前記蓋壁の周縁の少なくとも一部に立設された縁壁と、を備え、前記縁壁及び前記重複壁部分のうちの第1壁には、前記蓋体の開閉方向に対する交差方向に延在する延在内縁を有した凹部又は孔部が設けられ、前記縁壁及び前記重複壁部分のうちの第2壁が、前記縁壁における前記蓋壁とは反対側の端縁又は前記重複壁部分における前記開口側の端縁を山折り目として折り畳まれた二重壁又は当該二重壁の間に他の壁部分が挟まれた多重壁であり、前記二重壁における一方の壁には、前記交差方向に少なくとも一部が延在するスリットが前記山折り目から離れた位置に形成され、前記山折り目が、前記一方の壁に沿うとともに前記山折り目に直交する方向から見たときに少なくとも一部が前記スリットと重なる範囲に、前記閉蓋時に前記第1壁へと向かって凸となるように湾曲又は曲折した曲り折り目を有しており、前記山折り目で折り畳まれて前記二重壁が形成されることで前記一方の壁に前記曲り折り目に沿って面外方向に凸となるように生じる歪によって、前記スリットの対向する内縁のうち前記山折り目に近い側の内縁が、前記閉蓋時に前記第1壁へと向かう方向の突出形状に拘束された突出端縁となっており、当該突出端縁が、前記閉蓋時には前記凹部又は前記孔部に進入して前記延在内縁に係止することを特徴とする。