JP2019130494A - 塗装冶具 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗装冶具に塗料液が付着するのをなるべく抑えつつ、簡単な構成で、ワークを浸漬塗装するとともに塗装後のワークを水平且つ安定的に支持する。【解決手段】ワークを支持するパレット1であって、枠体10と固定支持部21,22と可動支持部31,32とを備えている。枠体10は、第1辺部11と第2辺部12とが水平に対向する水平姿勢から、これらの辺部11,12に平行な第1回動軸15を中心として回動可能に構成されている。固定支持部21,22は、第1辺部11から第2辺部12側に延びるように形成されている。可動支持部31,32は、水平姿勢における第2辺部12の上側に重なって第2辺部12から第1辺部11側に延びるように、第2辺部12に第1回動軸15と平行な第2回動軸35を中心として回動可能に取り付けられている。可動支持部31,32は、ワークに係合可能な突起33,34を先端部に有している。【選択図】図1
Description
本発明は、塗装冶具に関し、特に、ワークを浸漬塗装する際に用いられる塗装冶具に関するものである。
車両の製造ラインでは、工程の進捗に応じて、機能の異なる種々の塗料(例えばホットスタンプ成形において酸化スケールの発生を抑制するコーティング剤等)をワークに塗布する必要があるところ、スプレー等では塗り難いワークを塗装する場合には、塗装対象であるワークを塗料液で満たされた塗料槽に浸漬して、塗料皮膜を形成する浸漬塗装が従来から行われている。
例えば特許文献1には、取り付けられたワークの姿勢を変化させるワーク支持アームを用いて、ワークを反転下降させて処理槽内の処理液中に浸漬させた後に、ワークからの液ダレによって搬送装置が汚れない位置までワークを上昇させた状態でワークを次工程へ搬送させるワーク搬送装置が開示されている。なお、特許文献1のものでは、ワーク支持アームの先端側に液避け板を設けておくことで、ワークからの液ダレによってワーク支持アームが汚れるのを防止することができるとされている。
ところで、上記特許文献1のものでは、ワークからの液ダレによって搬送装置が汚れない位置までワークを上昇させて傾けた状態でワークを次工程へ搬送させるが、液切りが終わったワークは水平にして塗料液をなじませるのが好ましい。また、特許文献1のものでは、ワーク支持アームの先端でワークを下方から一点で支持しているが、ワークを安定的に支持するには少なくとも3点以上で支持するのが好ましい。さらに、特許文献1のものでは、液避け板を設ければ、ワーク支持アームは汚れないものの、その代わりに、部品点数が増えるとともに液避け板が汚れるという問題がある。これらの点で、特許文献1のものには、塗装冶具としての機能に関し改良の余地がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浸漬塗装する際にワークを支持する塗装冶具において、塗装冶具に塗料液が付着するのをなるべく抑えつつ、簡単な構成で、ワークを浸漬塗装するとともに浸漬塗装後のワークを水平且つ安定的に支持する技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る塗装冶具では、ワークに塗料液をなじませる場合には、回動可能な枠体に設けられた複数の支持部でワークを水平に支持する一方、ワークを塗料槽に浸漬する場合には、これら複数の支持部のうち、枠体の回動に伴って枠体に対して回動する一部の支持部によって、ワークを吊り下げ支持するようにしている。
具体的には、本発明は、ワークを浸漬塗装する際に、当該ワークを支持する塗装冶具を対象としている。
そして、この塗装冶具は、少なくとも1組の平行に対向する辺部を有し、且つ、これらの辺部が水平に対向する水平姿勢から、これらの辺部に平行な第1軸線を中心として回動可能に構成された、上記ワークを囲繞可能な枠体と、一方の辺部から他方の辺部側に延びるように、当該一方の辺部に形成された少なくとも1つの固定支持部と、上記枠体の水平姿勢における他方の辺部の上側に重なって当該他方の辺部から一方の辺部側に延びるように、当該他方の辺部に、上記第1軸線と平行な第2軸線を中心として回動可能に取り付けられた少なくとも2つの可動支持部と、を備え、上記各可動支持部には、一方の辺部側に延びる先端部に、上記ワークに係合可能な係合部が設けられていることを特徴とするものである。
この構成では、先ず、枠体が水平姿勢をとっている場合には、少なくとも1つの固定支持部が、一方の辺部から他方の辺部側に水平に延びているとともに、少なくとも2つの可動支持部が、他方の辺部の上側に重なって当該他方の辺部から一方の辺部側に水平に延びている。それ故、枠体の水平姿勢では、ワークを囲繞可能な枠体における平行に対向する辺部から、少なくとも3つの支持部が水平に延びているので、これらの支持部によってワークを水平且つ3点以上で安定的に支持することができる。
次に、水平姿勢から第1軸線を中心として他方の辺部が持ち上がるように枠体を起こす(正転させる)と、各可動支持部は、他方の辺部に第1軸線と平行な第2軸線を中心として回動可能に取り付けられていることから、枠体の正転角度が90度を超えた以降は他方の辺部と可動支持部との重なりが解消され、可動支持部は重力に従い他方の辺部から下方に延びた姿勢をとる。そして、各可動支持部には、ワークと係合可能な係合部が設けられていることから、枠体の他方の辺部から下方に延びる少なくとも2つの可動支持部によってワークを吊り下げ支持することができ、これにより、ワークを安定的に吊り下げた状態で塗料槽に浸漬することができる。しかも、かかる係合部は可動支持部の先端部に設けられていることから、ワークを塗料槽に浸漬する際に塗料液が可動支持部に付着する範囲を相対的に小さくすることができる。
そうして、枠体を反転させてワークを塗料槽から引き上げて液切りした後、更に枠体を反転させて水平姿勢に戻すと、一方の辺部から他方の辺部側に水平に延びる固定支持部、および、再び他方の辺部の上側に重なることで、他方の辺部から一方の辺部側に水平に延びる可動支持部によって、ワークを水平且つ安定的に支持することができ、これにより、ワークを水平に維持した状態で塗料液をなじませることができる。しかも、塗装冶具のうちワークに触れているのは固定支持部および可動支持部だけなので、ワークに塗料液をなじませる際に塗料液が塗装冶具に付着する範囲を相対的に小さくすることができる。
以上説明したように、本発明に係る塗装冶具によれば、塗装冶具に塗料液が付着するのをなるべく抑えつつ、簡単な構成で、ワークを浸漬塗装するとともに浸漬塗装後のワークを水平且つ安定的に支持することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
−パレット−
図1は、本実施形態に係るパレット1を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のII−II線の矢視断面図である。このパレット(塗装冶具)1は、コーティング工程においてワークW(図5参照)を浸漬塗装する際に、ワークWを支持するものであって、図1に示すように、枠体10と、先端部にワークWを載置可能な2つの固定支持部21,22と、先端部にワークWを載置可能な2つの可動支持部31,32と、を備えている。
図1は、本実施形態に係るパレット1を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のII−II線の矢視断面図である。このパレット(塗装冶具)1は、コーティング工程においてワークW(図5参照)を浸漬塗装する際に、ワークWを支持するものであって、図1に示すように、枠体10と、先端部にワークWを載置可能な2つの固定支持部21,22と、先端部にワークWを載置可能な2つの可動支持部31,32と、を備えている。
枠体10は、例えば金属板からなり、ワークWを囲繞可能な大きさを有する矩形枠状に形成されていて、2組の平行に対向する辺部を有している。より詳しくは、枠体10は、図1に示すように、長手方向に延びる第1辺部11と、第1辺部11と平行に対向する第2辺部12と、第1辺部11の一方端(図1の左端)と第2辺部12の一方端とを繋ぎ且つ長手直角方向に延びる第3辺部13と、第1辺部11の他方端(図1の右端)と第2辺部12の他方端とを繋ぎ且つ第3辺部13と平行に対向する第4辺部14と、を有している。
この枠体10は、第1辺部11の外側縁11aにおける長手方向の両端から、外側(長手方向外側)に延びる第1回動軸15を有していて、当該第1回動軸15を介して、第3辺部13および第4辺部14の外側で長手直角方向に延びる架台50に回動可能に支持されている。架台50には、第1回動軸15を回動させるアクチュエータ(図示せず)が設けられていて、これにより、枠体10は、第1辺部11と第2辺部12とが水平に対向する水平姿勢から、第1辺部11および第2辺部12に平行な第1回動軸15を中心として回動するように構成されている(図3参照)。それ故、本実施形態では、第1回動軸15の軸心15aが、本発明でいうところの「第1軸線」に相当する。
第1固定支持部21および第2固定支持部22は、第1辺部(一方の辺部)11から第2辺部(他方の辺部)12側に延びる(突出する)ように、それぞれ第1辺部11と一体に形成されている。第1および第2固定支持部21,22の先端部には、ワークWに形成された孔41、43(図4(a)参照)に挿入可能な突起23,24がそれぞれ形成されている。なお、第1固定支持部21と第2固定支持部22とは、第2固定支持部22が第1固定支持部21よりも第2辺部12側に長く延びていることを除けば、ほぼ同様の構成になっている。
第1可動支持部31および第2可動支持部32は、例えば金属板からなり、図1および図2に示すように、これら可動支持部31,32の基端部が、第1回動軸15と平行な第2回動軸35を回転中心とするヒンジ機構(詳細は省略)を介して、第2辺部(他方の辺部)12の外側縁12aに回動可能に取り付けられている。これにより、第1および第2可動支持部31,32は、枠体10が水平姿勢をとると、図2に示すように、第2辺部12の上側に重なって、第2辺部12から第1辺部11側に延びるようになっている。それ故、本実施形態では、第2回動軸35の軸心35aが、本発明でいうところの「第2軸線」に相当する。また、第1および第2可動支持部31,32における第1辺部11側に延びる先端部には、ワークWに形成された孔45,47(図4(a)参照)に挿入可能(係合可能)な突起(係合部)33,34がそれぞれ形成されている。
図3は、パレット1の回動を模式的に説明する図である。以上のように構成されたパレット1では、図3のAに示すように、枠体10が水平姿勢をとっている場合には、第1および第2固定支持部21,22が、第1辺部11から第2辺部12側に水平に延びているとともに、第1および第2可動支持部31,32が、第2辺部12の上側に重なって当該第2辺部12から第1辺部11側に水平に延びている。それ故、枠体10の水平姿勢では、ワークWを囲繞可能な枠体10における平行に対向する辺部11,12から、4つの支持部21,22,31,32が水平に延びているので、これらの支持部21,22,31,32によって、ワークWを水平且つ3点以上で安定的に支持することができる。なお、第2辺部12は薄く、第1および第2固定支持部21,22の上面と、第2辺部12の上側に重なった第1および第2可動支持部31,32の上面との高低差は極めて小さいため、これら支持部21,22,31,32に載置されたワークWをほぼ水平に維持することが可能となっている。
そうして、図3の矢印で示すように、水平姿勢から第1回動軸15を中心として第2辺部12が持ち上がるように枠体10を起こす(正転させる)と、各可動支持部31,32は、第2辺部12に第1回動軸15と平行な第2回動軸35を中心として回動可能に取り付けられていることから、枠体10の正転角度が90度を超えた以降は第2辺部12と第1および第2可動支持部31,32との重なりが解消され、図3のBに示すように、第1および第2可動支持部31,32は重力に従い第2辺部12から下方に延びた姿勢をとる。ここで、第1および第2可動支持部31,32には、ワークWに形成された孔45,47に挿入可能な突起33,34が設けられていることから、突起33,34を孔45,47に挿入すれば、枠体10の第2辺部12から下方に延びる第1および第2可動支持部31,32によってワークWを吊り下げ支持することができる。
−搬送装置−
次いで、コーティング工程における各工程間でワークWを搬送する搬送機60について説明する。図4は、工程間のワークWの搬送方法を模式的に説明する図である。コーティング後のワークWにはコーティング皮膜が形成されているところ、かかるコーティング皮膜が形成されたワークWを、例えば、バキュームで吸い付けたり、ロボットハンドで掴んだりすると、塗料(コーティング剤)に影響を与えるおそれがある。そこで、本実施形態では、ワークWとの接触面積が可及的に小さくなるような態様でワークWを搬送可能な搬送機60を用いて、各工程間でワークWを搬送するようにしている。
次いで、コーティング工程における各工程間でワークWを搬送する搬送機60について説明する。図4は、工程間のワークWの搬送方法を模式的に説明する図である。コーティング後のワークWにはコーティング皮膜が形成されているところ、かかるコーティング皮膜が形成されたワークWを、例えば、バキュームで吸い付けたり、ロボットハンドで掴んだりすると、塗料(コーティング剤)に影響を与えるおそれがある。そこで、本実施形態では、ワークWとの接触面積が可及的に小さくなるような態様でワークWを搬送可能な搬送機60を用いて、各工程間でワークWを搬送するようにしている。
具体的には、搬送機60は、搬送冶具61と、各工程間で搬送冶具61を横移動させるとともに、各工程において搬送冶具61を上下移動させる搬送機本体(図示せず)と、を備えている。搬送冶具61は、図4に示すように、矩形枠状のフレーム62と、当該フレーム62から下方に延び且つ下端部にフック部が形成された4つの吊り下げ支持部63,64,65,66と、を有している。
これに対し、塗装対象であるワークWには、固定および可動支持部21,22,31,32の先端部に対応する4か所に、長手方向に並ぶように一対の孔がそれぞれ形成されている。具体的には、図4(a)および(b)に示すように、ワークWにおける、第1固定支持部21の先端部に対応する部位には一対の孔41,42が、第2固定支持部22の先端部に対応する部位には一対の孔43,44が、第1可動支持部31の先端部に対応する部位には一対の孔45,46が、第2可動支持部32の先端部に対応する部位には一対の孔47,48がそれぞれ形成されている。
そうして、ワークWを搬送する場合には、図4(a)に示すように、吊り下げ支持部63のフック部を孔42に、吊り下げ支持部64のフック部を孔44に、吊り下げ支持部65のフック部を孔46に、吊り下げ支持部66のフック部を孔48にそれぞれ引っ掛けた状態で、ワークWを吊り下げる。これにより、工程間でワークWを搬送する場合には、吊り下げ支持部63,64,65,66のフック部しかワークWに接触しないので、コーティング剤に影響を与えるのを可及的に抑えることができる。
一方、ワークWをパレット1上に載置する場合には、ワークWを吊り下げた搬送冶具61をパレット1に向けて降ろして、図4(b)に示すように、第1固定支持部21の突起23を孔41に、第2固定支持部22の突起24を孔43に、第1可動支持部31の突起33を孔45に、第2可動支持部32の突起34を孔47にそれぞれ挿入させる。その後、搬送冶具61を更に下方に降ろして、吊り下げ支持部63,64,65,66のフック部を孔42,44,46,48から下方に抜けば、ワークWがパレット1上に載置される。このように、ワークWがパレット1上に載置された状態では、固定および可動支持部21,22,31,32の先端部しかワークWに接触しないので、この場合にも、コーティング剤に影響を与えるのを可及的に抑えることができる。
なお、パレット1上に載置されたワークWを搬送する場合には、搬送冶具61を下方に降ろして、吊り下げ支持部63,64,65,66のフック部を下方から孔42,44,46,48に引っ掛けた後、搬送冶具61を上昇させれば、図4(a)の状態を容易に作出することができる。
−コーティング工程−
次に上記のように構成されたパレット1を用いたコーティング工程について説明する。
次に上記のように構成されたパレット1を用いたコーティング工程について説明する。
図5は、コーティング工程を模式的に説明する図である。このコーティング工程には、同図(a)に示す脱脂工程と、同図(b)に示す浸漬工程と、同図(c)に示す乾燥工程と、が含まれている。なお、脱脂工程においてワークWを載置するパレット52、および、乾燥工程においてワークWを載置するパレット55は、形状は似ているがパレット1とは異なるものである。具体的には、パレット52およびパレット55は、第1および第2可動支持部31,32に相当する部位が第2辺部12に相当する部位と一体に形成されている点が、パレット1と異なるものである。
先ず、脱脂工程では、ワークWにコーティング剤を塗装するのに先立ち、ワークW表面の油分を取り除く。具体的には、パレット52に載置したワークWを、図5(a)に示すように、パレット52と共に洗浄機51内に挿入し、例えばアルカリイオン水を所定の条件でワークWに吹き付けて脱脂を行う。脱脂完了後、パレット52に載置したワークWを、搬送機60を用いて上記の要領でパレット52から外し、浸漬工程へ搬送する。
図6および図7は、浸漬工程を段階的に説明する模式図である。浸漬工程では、図6(a)に示すように、搬送機60を用いて上記の要領でワークWをパレット1上に載置する。ワークWがパレット1上に載置された水平姿勢では、第1固定支持部21の突起23が孔41に、第2固定支持部22の突起24が孔43に、第1可動支持部31の突起33が孔45に、第2可動支持部32の突起34が孔47にそれぞれ挿入されている。
次いで、このような水平姿勢から、架台50に設けられたアクチュエータを駆動させて、図6(b)に示すように、第1回動軸15を中心として第2辺部12が持ち上がるように枠体10を正転させる。
そうして、枠体10の正転角度が90度を超えるようにアクチュエータを更に駆動させると、第1および第2固定支持部21,22の突起23,24が孔41,43から抜けるとともに、第2辺部12と第1および第2可動支持部31,32との重なりが解消され、第1および第2可動支持部31,32は重力に従い第2辺部12から下方に延びた姿勢をとる。ここで、第1および第2可動支持部31,32の突起33,34は孔45,47に挿入されたままなので、図6(c)に示すように、第2辺部12から下方に延びる第1および第2可動支持部31,32によってワークWを吊り下げ支持することができる。
次いで、アクチュエータを更に駆動させると、第1および第2可動支持部31,32によって吊り下げられたワークWを更に下げることができ、これにより、図7(a)に示すように、ワークWを安定的に吊り下げた状態で、コーティング剤で満たされた塗料槽53に浸漬することができる。ここで、突起33,34は第1および第2可動支持部31,32の先端部に設けられていることから、ワークWを塗料槽53に浸漬する際にコーティング剤が第1および第2可動支持部31,32に付着する範囲を相対的に小さくすることができる。
ワークWを塗料槽53に所定時間浸漬すると、図7(b)に示すように、枠体10を反転させてワークWを塗料槽53から引き上げて液切りを行う。液切り後、枠体10を更に反転させると、その過程で、第1および第2固定支持部21,22の突起23,24が孔41,43に再び挿入される。そうして、枠体10を更に反転させて水平姿勢に戻すと、図7(c)に示すように、第1辺部11から第2辺部12側に水平に延びる第1および第2固定支持部21,22、および、再び第2辺部12の上側に重なることで、第2辺部12から第1辺部11側に水平に延びる第1および第2可動支持部31,32によって、ワークWを水平且つ安定的に支持することができ、これにより、ワークWを水平に維持した状態でコーティング剤をなじませることができる。しかも、枠体10のうちワークWに触れているのは固定および可動支持部21,22,31,32の先端部だけなので、ワークWにコーティング剤をなじませる際にコーティング剤がパレット1に付着する範囲を相対的に小さくすることができる。
コーティング剤がワークWになじんだ後、パレット1に載置したワークWを、搬送機60を用いて上記の要領でパレット1から外し、乾燥工程へ搬送する。乾燥工程では、ワークW表面に塗装されたコーティング剤から水分を取り除く。具体的には、パレット55に載置したワークWを、図5(c)に示すように、パレット55と共に乾燥炉54内に挿入し、所定温度で所定時間加熱することでコーティング剤から水分を除去する。
以上のように、本実施形態のパレット1によれば、当該パレット1にコーティング剤が付着するのをなるべく抑えつつ、簡単な構成で、ワークWを浸漬塗装するとともに浸漬塗装後のワークWを水平且つ安定的に支持してコーティング剤をなじませることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、コーティング剤をワークWに塗布する場合に本発明を適用したが、これに限らず、コーティング剤以外の塗料液をワークWに塗布する場合に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、枠体10を矩形枠状としたが、少なくとも1組の対向する辺部を有しているのであれば、これに限らず、例えば、枠体を六角形や台形等の多角形枠状としてもよい。
さらに、上記実施形態では、第1回動軸15を第1辺部11の外側縁11aに設けたが、枠体10が第1および第2辺部11,12に平行な軸線を中心として回動可能に構成されるのであれば、これに限らず、第1回動軸15を第3および第4辺部13,14における長手直角方向の中央部から外側に延びるように設けてもよい。
また、上記実施形態では、2つの固定支持部21,22を第1辺部11に形成したが、水平姿勢においてワークWを3点以上で支持するのであれば、これに限らず、1つまたは3つ以上の固定支持部を第1辺部11に形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1および第2可動支持部31,32の基端部を、ヒンジ機構を介して第2辺部12の外側縁12aに取り付けたが、第1および第2可動支持部31,32が枠体10の水平姿勢における第2辺部12の上側に重なるのであれば、これに限らず、例えば、第1および第2可動支持部31,32の基端部を、ヒンジ機構を介して第2辺部12の上面に取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、第1および第2固定支持部21,22並びに第1および第2可動支持部31,32の先端部に突起23,24,33,34を設けたが、これに限らず、ワークWを吊り下げ支持する第1および第2可動支持部31,32の先端部にのみ突起33,34を設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、第1および第2可動支持部31,32の先端部に、係合部としてワークWに形成された孔45,47に挿入される突起33,34を設けたが、相対的に小さい接触面積でワークWと係合可能のであれば、これに限らず、突起以外の係合部を設けてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、塗装冶具に塗料液が付着するのをなるべく抑えつつ、簡単な構成で、ワークを浸漬塗装するとともに浸漬塗装後のワークを水平且つ安定的に支持することができるので、浸漬塗装する際にワークを支持する塗装冶具に適用して極めて有益である。
1 パレット(塗装冶具)
10 枠体
11 第1辺部
12 第2辺部
15a 軸心(第1軸線)
21 第1固定支持部
22 第2固定支持部
31 第1可動支持部
32 第2可動支持部
33,34 突起(係合部)
35a 軸心(第2軸線)
W ワーク
10 枠体
11 第1辺部
12 第2辺部
15a 軸心(第1軸線)
21 第1固定支持部
22 第2固定支持部
31 第1可動支持部
32 第2可動支持部
33,34 突起(係合部)
35a 軸心(第2軸線)
W ワーク
Claims (1)
- ワークを浸漬塗装する際に、当該ワークを支持する塗装冶具であって、
少なくとも1組の平行に対向する辺部を有し、且つ、これらの辺部が水平に対向する水平姿勢から、これらの辺部に平行な第1軸線を中心として回動可能に構成された、上記ワークを囲繞可能な枠体と、
一方の辺部から他方の辺部側に延びるように、当該一方の辺部に形成された少なくとも1つの固定支持部と、
上記枠体の水平姿勢における他方の辺部の上側に重なって当該他方の辺部から一方の辺部側に延びるように、当該他方の辺部に、上記第1軸線と平行な第2軸線を中心として回動可能に取り付けられた少なくとも2つの可動支持部と、を備え、
上記各可動支持部には、一方の辺部側に延びる先端部に、上記ワークに係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする塗装冶具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10991185B1 (en) | 2020-07-20 | 2021-04-27 | Abbott Laboratories | Digital pass verification systems and methods |
-
2018
- 2018-02-01 JP JP2018016134A patent/JP2019130494A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10991185B1 (en) | 2020-07-20 | 2021-04-27 | Abbott Laboratories | Digital pass verification systems and methods |
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