JP2019130448A - 原料の湿式微粒化方法及び湿式微粒化装置 - Google Patents

原料の湿式微粒化方法及び湿式微粒化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来よりも効率的な表面改質や微細化が可能で、材料毎に分散に適した表面改質や微粒化を行うことができる湿式微粒化方法及び湿式微粒化装置を提供する。【解決手段】 チャンバー40内に設けられた高圧ノズル41から高圧噴射する高圧噴射処理装置152と、液中プラズマ発生装置160とが組み合わされ、チャンバー40内に前記液中プラズマ発生装置160の中空形状の電極31,32が対向配置され、前記電極からチャンバー40内にガスを供給するためのガス供給手段180が配置されている構成であり、前記高圧噴射処理装置152の高圧ノズル41から原料溶液10を噴射させるとともに、前記ガス供給手段により前記ガスを供給して前記電極内を通過させ、対向する電極に向けて前記ガスを噴射させてから、前記電極にパルス電圧を印加させて液中プラズマを発生させ、プラズマ発生区域に前記高圧噴射によるキャビテーションを及ばせる湿式微粒化方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、原料の湿式微粒化方法及び湿式微粒化装置に関する。
微粒子、特にナノ粒子は、そのサイズがナノメートル(nm)オーダーであることで比表面積が極めて大きくなり、量子サイズ効果によって特有の物性を示すことなどから、様々な分野で研究され利用が進められている。その一方で、ナノ粒子は凝集し易いことからナノ粒子の特性を有効活用するためには、ナノ粒子の性質に合った適切な分散処理が必要となる。
その一方で、化学物質の安全性が議論になっている。特に化粧品、医薬品、食品の場合、微粒子が人体に直接触れ、又は人体内に直接投与されることから、微粒子の微粒化に際して不純物が微粒子に付着し、また不純物が混入すると、安全性が保障されず大きな問題となる。また、電子材料においては、微粒子への不純物混入は電気特性や磁気特性に少なからず悪影響を及ぼすこととなる。
粒子を微粒化させる方法としては、超音波振動による分散、ビーズミルなどの粉砕用媒体を使用した湿式の機械的接触式粉砕や同体摩擦粉砕による方法(機械的接触式粉砕法)が一般に知られている。しかし、ビーズミルなどを用いた機械的接触式粉砕では、粉砕用媒体と粒子とが点接触するため粉砕のためのエネルギー密度が高くなりすぎて、粒子の構造自体が壊れ易く、粉砕用媒体と粒子との点接触箇所における過剰な温度上昇(発熱)によって、粒子の所望の機能性が劣化してしまう不具合が生じる。さらにビーズミルなどの粉砕用媒体から発生するcontaminant(汚染物質:コンタミとも呼ばれる)が混入する不具合がある。
これに対して、ウォータージェット技術を用いた湿式ジェットミルは、原料溶液を高圧ノズルから高圧噴射することで粒子自体を壊さずコンタミの混入がない微粒化工法として開発されたものであり、粒子の湿式微粒化工法として有望視され実用化が進んでいる。しかし、高圧湿式噴射型微粒化装置による微粒化、すなわち噴射や衝突のような物理的作用による分散のみでは、電気的凝集を分散するには限界があり、ナノサイズの粒子を得ることが難しい。そこで、上記のような電気的凝集体を分散させるため、無機酸・無機塩基あるいは有機酸・有機塩基を原料液に添加することにより凝集体の表面電荷を調整し、高圧湿式噴射型微粒化装置により分散する方法がある。この方法を用いればナノサイズの粒子を得ることが出来るが、前述した酸・塩基の添加が必要なため、全体的な原料の純度低下が問題となる場合がある。
近年、各種プラズマ処理によって微粒子を水中に分散させる方法が検討されている。従来の高圧湿式噴射型微粒化装置で行う凝集体の微粒化は、凝集体が含有された原料液をチャンバーノズルから所定圧力で高圧噴射することで微粒化を行っているが、液中プラズマでは、この微粒子の凝集体が含有された原料液中でプラズマを発生させることで粒子のプラスマイナスの電荷を調節して凝集体の分散と表面改質を行い、凝集体が分散しやすい環境を作っている。本願出願人は、これら高圧湿式噴射型微粒化装置および液中プラズマ発生装置を1つの装置に複合させた微粒化装置を特許文献1として提案している。
特許文献1には「チャンバー40内に設けられた高圧ノズル41から高圧噴射する高圧噴射処理装置152とプラズマ発生装置とを組み合わせ、前記チャンバー40内に前記プラズマ発生装置の電極31,32を対向配置した構成であり、微粒子の凝集体が含有された原料溶液10を高圧ノズル41から所定圧力で高圧噴射し前記チャンバー40内で直ちに液中プラズマ処理を行う湿式微粒化装置100(図1)。」が記載されている。
特許文献2には「液体中でプラズマを発生させる液中プラズマ用電極であって、導電線12と、導電線12の外周を覆う絶縁部材14とを備え、前記絶縁部材14は、該絶縁部材14の先端面14aが前記導電線12の先端面12aよりも先端側に突出するように形成されており、前記絶縁部材14の内周面14bと前記導電線12の外周面12bとの間には、前記導電線12が摺動可能な間隔dが設けられている、液中プラズマ用電極10A(図2)。」が記載され、「液中プラズマ用電極10Aの導電線12の先端面12aと、対向電極10Bの導電線12の先端面12aとは、所定の間隔L3を開けて配置されている。この間隔L3を電極間距離L3とする。電極間距離L3は例えば0.5mm〜3mmであることが好ましい。」との記述がある(0026段落を参照)。
特許文献3には、「第1の電極104は、両端が開口している形状(より具体的には円筒状のような筒状)であり、一方の端部の開口部には気体供給装置としてのポンプ105が接続される。ポンプ105により、第1の電極104の他方の端部の開口部より処理槽109内に気体が供給される。処理槽109の外部から供給される気体は、空気、He、Ar、またはOなどである。(0011段落)」との記載や、図6の説明において「第2の電極202の一部が気泡206に接するか、第2の電極202の一部が気泡206の内部に位置するように配置されている(0056段落)」との記載がある。
非特許文献1は、高圧ノズルに関し「スタンドオフ距離の増大により、壊食量はノズル近傍(第1ピーク)と下流側(第2ピーク)の二つのピークを有する」との記述がある(図14を参照)。
非特許文献2には高圧ノズルに関し「スタンドオフ距離sをノズル出口直径dで無次元化した量s/dを横軸にとり、各スタンドオフ距離におけるアルミニウム試験片のキャビテーションジェットによる質量減少量を測定した」との記述がある(図15を参照)。
特開2016−107196号公報 特開2014−167880号公報 特許第5362934号公報
祖山 均、"キャビテーション噴流による材料試験・表面改質における支配因子"日本ウォータージェット学会 編,噴流工学第15巻第2号(1998年)31−37頁 小林 陵二,他、"キャビテーションジェット特性に対するノズル仕上げ精度の影響"日本ウォータージェット学会 編,噴流工学第15巻第3号(1998年)4−8頁
しかしながら、特許文献1,2,3、非特許文献1,2記載の方法であっても、ナノ粒子を安定して得るには未だ解決すべき課題が多い。すなわち、高圧湿式噴射型微粒化装置および液中プラズマ発生装置を備えた複合微粒化装置では、高圧湿式噴射によって材料の分散を行い、液中プラズマによって材料の表面改質を行うことで効率的な微粒化を行っているが、その表面改質作用や微細化効果は限定的である。また分散に最適な表面状態は材料の種類によって異なるため、表面改質法もそれに応じて変更する必要があった。
そこで本発明は、液中プラズマ発生装置により発生するプラズマが、微粒子の凝集体が含有された原料液中で凝集体の表面改質を行い、表面改質後の粒子表面は、電気的に反発しやすい状態となる性質を利用し、液中プラズマによる表面改質を付加した高圧湿式微粒化装置を提供する。
本発明の目的は、高圧湿式噴射によるキャビテーション気泡を主に用いる液中プラズマチャンバーにおいて、表面改質を行うとともに、液中プラズマを効率よく発生することができ、材料の分散を促進し、効率的な微粒化を行うことができる方法及び装置を提供することにある。
また、材料毎に分散に適した表面改質を行うことで、従来よりも効率的な微粒化を行うことができる方法及び装置を提供することを目的とする。
本願発明者は、キャビテーションの気泡だけによるプラズマ発生だけでなく、他からの空気供給も追加することでプラズマがより多く発生し、粒子分散の効率が上がる事実から、高圧噴射する高圧噴射処理装置と液中プラズマ発生装置とが組み合わされた湿式微粒化装置に関し、電極間距離や原料溶液温度の制御に加えて、ガス供給を行うことで、従来装置よりも、液中プラズマの発生効率を高めることができ、材料毎に分散に適した表面改質や微粒化の向上が図られる知見を得て、本願発明を完成するに至った。
本発明の湿式微粒化装置は、粒子の凝集体が含有された原料溶液を高圧噴射するための高圧ノズルと、電極を備えたプラズマ発生装置とから構成され、高圧ノズルはチャンバー内に設けられ、電極はチャンバー内に対向配置され、かつ高圧噴射によるキャビテーションが電極間のプラズマ発生区域に及ぶ位置に配置される湿式微粒化装置であり、電極には、対向する電極に向けてガスを供給・噴射するガス供給手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、液中プラズマを効率よく発生することができ、材料の分散、表面改質を行うことで効率的な微粒化を行うことができる。
本発明によれば高圧式噴射型微粒化装置による微粒化だけでは得られないナノサイズ粒子の獲得を行うことができる。本発明によれば微粒化速度が上昇し、生産効率を上昇させることができる。
本発明によれば化粧品、食品および医薬品原料の微粒化においては、微粒化と同時にプラズマによる菌の不活化、滅菌効果が期待できる。
本発明の湿式微粒化装置及び方法は、高圧噴射し前記液中プラズマ処理する作業を複数回繰り返すことが好ましく、これにより上記の効果を向上させることができる。
本発明の湿式微粒化装置は、電極は中空管であることを特徴とする。
本発明の湿式微粒化方法は、チャンバー内に設けられた高圧ノズルから高圧噴射する高圧噴射処理装置と、液中プラズマ発生装置とが組み合わされ、チャンバー内に液中プラズマ発生装置の中空形状の電極が対向配置され、電極からチャンバー内にガスを供給するためのガス供給手段が配置されている構成であり、高圧噴射処理装置の高圧ノズルから原料溶液を噴射させるとともに、ガス供給手段によりガスを供給して電極内を通過させ、対向する電極に向けてガスを噴射させてから、電極にパルス電圧を印加させて液中プラズマを発生させ、プラズマ発生区域に高圧噴射によるキャビテーションを及ばせることを特徴とする。
本発明の湿式微粒化方法は、ガスは、空気または窒素とすることを特徴とする。
本発明によれば電極が中空管となっており、対向配置された中空形状(パイプ状)の電極内をガスが通過する構成であり、対向する電極に向けて前記ガスを噴射させ、電極にパルス電圧を印加させて液中プラズマを発生させるため、プラズマ発生部位と同じ箇所に効率的にガスが供給することができ、表面改質を効率的に行うことができる。
本発明によればガスの種類を変更することで微粒化時の粒子のメジアン径(粒子サイズ)を調節可能である。
本発明によればガスの種類を変更することで所望の表面改質を行うことができる。例えば、ガスとして窒素を使用することで窒素プラズマ化を行うことができる。窒素プラズマは、物質表面を窒化することで物質表面の硬化作用が期待できる。また、酸素を使用する酸素プラズマでは、物質表面の親水化作用が期待できる。またフッ素化合物系のガスを使用することでフッ素を含むプラズマ処理が可能となり、物質表面の疎水化作用が期待できる。
本発明の湿式微粒化方法は、電極間距離を1mm以上10mm以下としてプラズマを発生させることを特徴とする。
本発明の湿式微粒化方法は、電極間距離を1mm〜10mm間で変更することにより、原料溶液に応じてOラジカルおよびOHラジカルのそれぞれの発生量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、プラズマ発生部にある電極間距離の制御で生成するラジカル種をコントロールし、材料毎に分散に適した表面改質を行うことで、従来よりも効率的な微粒化を行うことができる。
本発明の湿式微粒化装置は、対向する両側の電極からガスを供給するガス供給手段を備えることを特徴とする。
本発明の湿式微粒化方法は、電極を同軸上に対向配置して、ガスが中空形状の電極内を通過するようにし、ガスが同軸上を通るようにして互いに対向噴射させ、対向衝突させてから、電極にパルス電圧を印加させて同軸上に液中プラズマを発生させ、プラズマ発生区域に高圧噴射によるキャビテーションを及ばせることを特徴とする。
本発明によれば、対向する両側の電極からガスを供給することで分散効果が向上する。また電極を同軸上に対向配置して、ガスを中空形状の電極内を通過させることで、ガスが同軸上を通るように対向噴射され、ガスが対向衝突するのでより効果的に分散を行うことができる。さらに同軸上に液中プラズマを発生させて高圧噴射によるキャビテーションを及ばせることができるので分散効果が向上する。
本発明によれば、高圧湿式噴射によるキャビテーション気泡を主に用いる液中プラズマチャンバーにおいて、液中プラズマを効率よく発生することができ、材料の分散、表面改質を行うことで効率的な微粒化を行うことができる。
本発明によれば、供給するガスに応じて、窒素プラズマ化、親水化、疎水化等の表面改質を行うことができる。
本発明によれば、プラズマ発生部にある電極間距離の制御で、生成するラジカル種をコントロールし、材料毎に分散に適した表面改質を行うことで、従来よりも効率的な微粒化を行うことができる。
本発明の実施形態の湿式微粒化装置の概略構成を例示するブロック図である。 上記実施形態に係る高圧ノズル及びチャンバーを例示する構造図である。 上記実施形態に係る高圧ノズル及びチャンバーの傾斜角度を例示する構造図である。 上記実施形態に係るチャンバーの要部拡大図である。 上記実施形態に係る間隔調整手段と電極間距離調整方法を説明する要部拡大図である。 上記実施形態に係る液中プラズマ発生装置が金属製の場合に生じる液中プラズマ発生箇所を例示する要部拡大図である。 上記実施形態に係る別の高圧ノズル及びチャンバーを例示する構造図である。 上記実施形態に係る別の高圧ノズル及びチャンバーを例示する構造図である。 本発明の実施形態の製造手順を例示する製造工程フロー図である。 実施例2に係る各実験条件で処理された試料の粒度分布図である。 実施例3に係る各実験条件で処理された試料の粒度分布図である。 実施例5に係る電極対を原料IN側に向けて斜向配置した高圧ノズル及びチャンバーを例示する構造図である。 実施例5に係る電極対を原料OUT側に向けて斜向配置した高圧ノズル及びチャンバーを例示する構造図である。 正規化スタンドオフ距離と壊食量との関係を示すグラフである。 正規化スタンドオフ距離と壊食量との関係を示す別のグラフである。
本発明を実施するための形態を以下に説明する。
(実施の形態)
本実施の形態の原料について説明する。本発明において、原料は微粒子の凝集体である。原料としては、金属微粒子、金属酸化物微粒子、ナノファイバー、その他既知の微粒子が挙げられる。金属酸化物の原料としては、酸化チタン、チタン酸バリウム、フェライト、アルミナ、シリカ、ジルコニア、その他既知の金属酸化物微粒子の凝集体が挙げられる。ナノファイバーとしては、バイオマス原料(生物由来の高分子、特に水に難溶性の高分子原料)であるセルロース、キチン、キトサン、シルク、その他既知のバイオマスナノファイバーが挙げられる。その他既知の微粒子としては、例えばカーボンナノチューブ(Carbon nanotube、CNT)が挙げられる。また本発明の微粒化方法及び装置の用途としては、医薬品、電子部品、顔料、化粧品、食品、農薬等、各種材料分野の原料の微粒化などがある。例えば医薬品原料としては、フェニトイン、水酸化マグネシウム、カフェイン、炭酸カルシウム、ビドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、アセトアミノフェインの凝集体が挙げられる。また微粒子に対して少なくとも静電反発作用または立体障害作用のいずれか一方の作用を有する添加剤を添加してもよい。
本発明に係る高圧噴射処理装置で原料を高圧噴射処理すると、例えばバイオマス原料は繊維の長さを保ったまま繊維同士の絡まりがほどけて細くなる。そして、前記高圧噴射処理装置の噴射圧力や処理回数などの処理条件を変えることで、繊維の切断もしくは分子量を低下させることが可能である。本発明において、ナノファイバーとは、繊維の幅がナノサイズになったものを意味する。
本発明において、原料溶液10は粒子の凝集体が含有された液体である。原料溶液10の溶媒は水、IPA若しくは既知の水溶液である。
本実施の形態の湿式微粒化装置100について説明する。図1は、本発明の実施形態の湿式微粒化装置100の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の湿式微粒化装置100は、粒子の凝集体が含有された原料溶液10を高圧噴射するための高圧ノズル41と、電極31,32を備えたプラズマ発生装置160とから構成され、高圧ノズル41はチャンバー40内に設けられ、電極31,32はチャンバー40内に対向配置され、かつ高圧噴射によるキャビテーションが電極31,32間のプラズマ発生区域に及ぶ位置に配置される湿式微粒化装置100であり、電極31,32には、それぞれ対向する電極32,31に向けてガスを供給・噴射するガス供給手段180を備える(図1)。ガス供給手段180は、バルブ181を有し、バルブ181の開動作により対向する両側の電極31,32からガスを供給する。使用するガスは特に限定はされず、例えば空気または窒素等である。なお符号80は液中プラズマ処理を行った溶液を還流させるポンプである。
高圧噴射処理装置152は、高圧ポンプ102を油圧駆動及び制御する油圧発生及び制御部101と、原料溶液10を投入する原料タンク103と、原料溶液10を加圧する高圧ポンプ102と、投入され加圧された原料溶液10内の粒子1aを噴射させ加速して衝突させることで粒子1aを微細化するとともに分散させるチャンバー40と、処理液を冷却する熱交換器105からなる。なお高圧噴射処理装置152としては、例えば株式会社スギノマシンが開発したウォータージェットを用い、高圧噴射の圧力を100〜245MPaとし、噴射速度は、440〜700m/sとして、前記原料溶液10を高圧ノズル41より高圧噴射することによって、微粒化と分散を行うことが考えられるが、これに限定はされない。
プラズマ発生装置160は、プラズマ発生電源30と電極31,32とを備える。チャンバー40の液中にはプラズマ電極31,32が対向配置され、それぞれプラズマ発生電源30と電気接続されている。
(本実施形態の湿式微粒化方法)
本実施形態は、チャンバー40と、該チャンバー40内に設けられた高圧ノズル41から高圧噴射する高圧噴射処理装置152と、液中プラズマ発生装置160とを組み合わせている(図1)。そして、高圧噴射によるキャビテーションが電極31,32間のプラズマ発生区域に及ぶようにチャンバー40内に液中プラズマ発生装置160の中空形状の電極31,32が対向配置されており、前記電極31,32からチャンバー40内にガスを供給するためのガス供給手段180が配置された構成とされている。本実施形態の湿式微粒化方法では、高圧噴射処理装置152の高圧ノズル41から原料溶液10を噴射させるとともに、ガス供給手段180によりガスを供給して電極31,32内を通過させる。
図2は、本実施形態に係る湿式微粒化装置100の高圧ノズル41及びチャンバー40の構造図である。チャンバー40内では原料溶液10の液中プラズマ処理が行われる。
電極31,32は中空管とされており、電極31と電極32とは同軸A上に対向配置されている(図2)。図1に示したガス供給手段180から供給されたガスは二手に分かれて、中空形状の電極31,32内を通過するように構成されている(図2)。その後、対向する電極32,31に向けてガスを噴射させる。すなわち電極31内を通過したガスは、電極31の中空管出口から電極32へ向けて噴射されることでチャンバー内に供給され、電極32内を通過したガスは、電極32の中空管出口から電極31へ向けて噴射されることでチャンバー内に供給される。電極31,32内から対向噴射されたガスは、共に同軸A上を通るようにして噴射され、プラズマ発生区域で対向衝突する。そして、電極31,32にパルス電圧を印加させて液中プラズマを発生させ、プラズマ発生区域に前記高圧噴射によるキャビテーションを及ばせる。このようにして、高圧ノズル41から原料溶液10を高圧噴射することでキャビテーションを生じさせるとともに、ガス供給されているプラズマ発生区域にそのキャビテーションを及ばせることで原料溶液10を液中プラズマ処理する。ガス供給下で液中プラズマ処理された原料溶液10は、噴流受け40aで受け止められた後、出口42から排出される。高圧噴射して液中プラズマ処理する作業は複数回繰り返す。なお符号P1はプラズマ放電を模式的に示している。符号C1はキャビテーションの気泡であり、符号D1は供給されたガスの気泡である。
図3は湿式微粒化装置100の高圧ノズル41及びチャンバー40の構造図であり、高圧ノズル41から噴射される原料溶液10の噴射方向について説明するための図である。
湿式微粒化装置100の高圧ノズル41の噴射方向は、好ましくは傾斜角度αが5度から20度、より好ましくは傾斜角度αが10〜15度とする。傾斜角度αとは水平面Lと噴射方向Mとのなす角であり、例えば水平面Lと噴射方向Mが同じであれば0度であり、水平面Lと噴射方向Mが垂直であれば90度である。
キャビテーション噴流の支配因子であるキャビテーション係数σは、キャビテーション噴流のようなノズル(オリフィス流)の場合には、ノズル上流側圧力(チャンバー40内の上流側圧力)Po、ノズル下流側圧力(チャンバー40内の下流側圧力)Pa、および原料溶液10の飽和蒸気圧Pvから以下の式1のように定義される。
(式1)
σ=((Pa−Pv)/(Po−Pa))≒Pa/Po
なおキャビテーション噴流では、Po>>Pa>>Pvであるため、式1のように、キャビテーション係数σ≒ノズル下流側圧力Pa/ノズル上流側圧力Poと簡略化できる。
傾斜角度αを90度(垂直方向)として噴射方向Mを傾けた場合、流体がチャンバー内から抜けにくくなるため圧力がこもる。すなわち、傾斜角度αが大きくなるとノズル下流側圧力Paが大きくなり、キャビテーション係数が大きくなる。このようにしてキャビテーションが発生しにくくなるため気泡が発生しにくくなる。一方で傾斜角度αを0度(水平方向)とした場合、流体は流れやすく水雰囲気において発生するはずの気泡が発生しにくくなる。以上のような理由から傾斜角度αは好ましくは5度から20度、より好ましくは10〜15度とする。
(本実施形態の電極配置について)
本発明の湿式微粒化装置100は、図2に示すように電極間距離S1を制御することができる間隔調整手段33,34を備えることが好ましい。プラズマ発生部にある電極間距離S1の制御により、生成するラジカル種をコントロールし、材料毎に分散に適した表面改質を行うことで、従来よりも効率的な微粒化を行うことができる。
プラズマ電極31には間隔調整手段33が備えられ、対向配置されたプラズマ電極32との電極間距離S1を調節することができる(図2)。同様にして、プラズマ電極32には間隔調整手段が備えられ、対向配置されたプラズマ電極31との電極間距離S1を調節することができる。これにより原料溶液10に応じた微粒化を行うことができる。
電極間距離S1は1mm以上10mm以下として電極を配置してプラズマを発生させ、プラズマ発生区域に、HラジカルおよびOHラジカルを生成させる。電極間距離S1を1mm〜10mm間で変更することにより、原料溶液10の種類に応じてOラジカルおよびOHラジカルのそれぞれの発生量を制御し、最適な微粒化条件とする。OラジカルおよびOHラジカルの発生量は制御されることが好ましく、これによって、原料溶液10のpHを制御でき、微粒化が促進されるため、原料溶液10の各種特性が変化する効果がある。セルロース溶液では原料の粒度、粘度、pHなどを変化させることができる。また酸化チタンやシリカやカーボンナノチューブでは原料の粒度、ゼータ電位、pHを変化させることができる。また、例えば、凝集力の強い粒子間や濡れ性の乏しい粒子であっても、高圧噴射し液中プラズマ処理する作業を複数回繰り返して段階的に微粒化することでナノサイズ粒子とすることが容易となる。
原料溶液10がセルロースの場合、電極31,32の電極間距離S1を2mm以上10mm以下としてOHラジカルを生成させ、OHラジカル主体の反応によりセルロースの低分子化が起こることで微粒化させることが好ましい。
セルロース(セルロースナノファイバー)のような水素結合により高分子を形成している材料には、OHラジカルが有効であるため、液中プラズマの電極間距離S1は2mm以上が望ましい。
原料溶液10が酸化チタンの場合、電極31,32の電極間距離S1を1mm以上2mm以下としてHラジカルを生成させ、原料溶液10のpHが酸化チタンの等電点から酸性側にシフトさせることで酸化チタンの粒子表面が正電荷を帯びた状態に変化させ、粒子間に静電反発力が生じさせることで微粒化させることが好ましい。
原料溶液10がシリカの場合、電極31,32の電極間距離S1を2mm以上10mm以下としてOHラジカルを生成させ、原料溶液10のpHがシリカの等電点から塩基性側にシフトさせることでシリカの粒子表面が負電荷を帯びた状態に変化させ、粒子間に静電反発力が生じさせることで微粒化させることが好ましい。
酸化チタンやシリカのような金属酸化物は、材料固有の等電点毎に微粒化に効果的なラジカルが異なる。等電点をpH6に持つ酸化チタンでは微粒化には、Hラジカルが有効であるため、液中プラズマの電極間距離S1は2mm以下が望ましい。等電点をpH2〜3付近に持つシリカでは微粒化には、OHラジカルが有効であるため、液中プラズマの電極間距離S1は2mm以上とすることが望ましい。
原料溶液10がカーボンナノチューブ(CNT)の場合、電極31,32の電極間距離S1を1mm以上2mm以下としてHラジカルを生成させ、Hラジカルとカーボンナノチューブの間でラジカル置換反応を生じさせることで微粒化させることが好ましい。
材料表面に極性を持たず、水となじみが悪いCNTのような材料では、Hラジカルによる親水化が微粒化に有効であるため、液中プラズマの電極間距離S1は2mm以下が望ましい。
図4は本実施の形態のチャンバー40の要部を拡大した図である。チャンバー40(プラズマチャンバー)は原料溶液10を高圧ノズル41から液中に噴射させ粒子を加速してキャビテーションC1を発生させ、出口から懸濁液20を排出させる構成であって、特に限定はされないが、好ましくは、高圧ノズル41としてオリフィスノズルを内蔵した高圧噴射処理装置152の一端と、液中プラズマ発生装置160の要部とを組み合わせてなるチャンバーとし、電極対31,32の電極間距離S1と、位置の調節をするための観察窓60を備える(図4)。
図5は本実施の形態の電極間距離調整手順を一例として示した図である。電極間距離調整手順は、まず高圧噴射処理装置152と液中プラズマ発生装置160が停止している状態で、懸濁液20のOUT側から中空形状の電極対31,32に向けてスケールバー70(基準棒)を挿入する。そして、観察窓60を覗きながらスケールバー70を電極対31,32の中間位置に配置し、スケールバー70に向けて電極対31,32を押圧する。そして、スケールバーを引き抜く。なお本実施の形態の間隔調整手段と電極間距離調整手順はこの内容に特に限定はされず、例えば、間隔調整手段により電極をスライドさせたり、間隔調整手段をノズル式としたりして電極間距離を調整してもよく、手動の他、モータにより電動式で駆動して電極間距離を調整する方法としてもよい。
図6は本実施形態の液中プラズマ発生装置160が金属製の場合に生じる液中プラズマを示した図である。液中プラズマ発生装置160が金属製の場合、特に電極間距離が大きい場合、正常なプラズマP1の発生の他、意図しないプラズマP2として、電極31または電極32と液中プラズマ発生装置160の間にもプラズマが発生する可能性がある(図6)。液中プラズマ発生装置160への通電が起きると、装置操作者に感電の危険性がある。したがって液中プラズマ発生装置160は感電防止のため、絶縁物質であることが好ましく、より好ましくは樹脂(PTFE)とする。なお、高圧ノズル41(オリフィスノズル)は高圧噴射に耐えるため例えば単結晶ダイヤモンドとし、高圧噴射処理装置152はステンレスとすることが好ましい(図4,5)。
チャンバー40は、シングルノズルチャンバー、斜向衝突チャンバー、又はボールチャンバー等が用いられる。シングルノズルチャンバーは、図1,2に示すように原料溶液10を1つのノズル41から液中に噴射させ粒子1aを加速し、出口42から懸濁液20を排出するタイプのチャンバーである。シングルノズルチャンバーでは、ノズル41を粒子が通過するときの剪断力と、液中噴射によるキャビテーション衝撃力によって、微粒化と分散を行う。斜向衝突チャンバーは、原料溶液を斜向衝突させるように対向配置された一対のノズルから液中に噴射させ粒子を加速して互いに斜向衝突(対面衝突)させ、出口から懸濁液を排出するタイプである。ボールチャンバーは、原料溶液をノズルから液中に噴射させ粒子を加速して窒化珪素等からなるセラミックボールに衝突させ、出口から懸濁液を排出するタイプである。
図7は、高圧ノズル41が直結されたチャンバー40に中空形状のプラズマ電極31(31a,31b,31c)と、中空形状のプラズマ電極32(32a,32b,32c)が所定間隔で複数対向配置されている構成を示している。この複数のプラズマ電極31,32を備えたシングルノズルチャンバー40は、プラズマ電極31,32を複数対向配置させることにより、図2の単一のプラズマ電極対を備えたシングルノズルチャンバー40よりも効率的に微粒化を行う。
各プラズマ電極31(31a,31b,31c)は、各々間隔調整手段33(33a,33b,33c)を備え、各プラズマ電極31(31a,31b,31c)と対をなすプラズマ電極32(32a,32b,32c)も、各々間隔調整手段34(34a,34b,34c)を備える。原料溶液10の種類に応じて複数の電極間距離S1を調節し、原料溶液10の種類に応じたHラジカルおよびOHラジカルの発生量の制御をする。したがって複数の間隔調整手段33(33a,33b,33c),34(34a,34b,34c)を持つことで、プラズマ電極対が一つしかない図2のチャンバー40よりも最適な微粒化の制御を行う。
例えば、原料溶液10がセルロースまたはシリカの場合、複数の電極間距離S1を全て2mm以上10mm以下としてより効果的に微粒化を行う。またセルロースや酸化チタンやCNTなどの複数の溶液が混合した原料溶液10であれば、電極対ごとに電極間距離S1を変えることで効率的に微粒化を行う。例えば、間隔調整手段33a,34aによって、プラズマ電極31a,32aの電極間距離を酸化チタンやCNTの微粒化に最適な電極間距離である1mm以上2mm以下とし、間隔調整手段33b,34bによって、プラズマ電極31b,32bの電極間距離をセルロースの最適な電極間距離である2mm以上10mm以下とする。なお間隔調整手段33,34は対向配置された電極同士を同期駆動させても良いし、独立駆動させても良い。またプラズマ電極31,32は、チャンバー40の側壁付近に位置させてプラズマを発生させても良いし、間隔調整手段を持たなくとも良い。
図8は、本実施形態に係る別の高圧ノズル及びチャンバーを例示する構造図であり、電極対31,32の高圧ノズル噴射口からの距離と、距離を制御するための機構を示す図である。電極対31,32は、原料溶液の噴流の向き(電極対の軸Aに対して垂直な方向)に沿って移動させることができる。図8における電極対31,32の横方向への移動は、間隔調整手段33,34が行うようにしても良いし、別の制御機構を設けることで行ってもよい。間隔調整手段33,34によって電極対31,32を縦方向に移動させて電極対31,32同士の間隔を調整するとともに、間隔調整手段33,34によって電極対31,32を横方向へも移動できるようにすることで装置の小型化が可能である。
非特許文献1と非特許文献2には、高圧ノズルに関し、スタンドオフ距離s(ノズル噴射口から加工試料までの距離)、ノズル出口直径dとして、スタンドオフ距離sをノズル出口直径dで無次元化した量である、正規化スタンドオフ距離(Normalized standoff distance:s/d)と壊食量の関係がグラフ化されて示されている(図14,図15を参照)。これらの文献によると、「スタンドオフ距離の増大により、壊食量はノズル近傍(第1ピーク)と下流側(第2ピーク)の二つのピークを有する」。第1ピークでは、主に噴出のエネルギーにより壊食が高く、第2ピークでは発生したキャビテーションにより壊食している。このことから本発明では、高圧ノズルの配置に関し、これらピークを外した位置に、プラズマ電極31,32を配すると当該電極の損傷を抑えることができる。
ただし第2ピークの壊食は、発生したキャビテーションにより生じるものであるため、第2ピークには気泡が多く発生している。そのため第2ピークを外した位置に、プラズマ電極31,32を配すると当該電極31,32の損傷を抑えることはできるものの、プラズマ発生効率が低下し、微粒化効率が低下する。
そのためプラズマ発生効率や微粒化効率を考えて、プラズマ電極31,32をキャビテーションの第1ピーク及び第2ピークに配置した構成としてもよい。特に第2ピークの位置に電極31,32を配置し、プラズマを発生させてもよい。第2ピークには気泡が多く発生しているため、気泡の多い第2ピークでプラズマ発生させることで、プラズマ発生効率の低下が抑えられ、微粒化効率の低下が抑えられる。
さらに、第2ピークに電極31,32を配置する場合、電極31,32を壊食耐性素材や壊食耐性形状としたり、壊食防止用部材を電極31,32に装着したりすることで、プラズマ電極31,32の損傷を抑えるとともに、プラズマ発生効率の低下を抑制して、微粒化効率の低下を抑制した、湿式微粒化装置を提供可能である。なお壊食耐性素材とは壊食を抑える電極素材のことであり、例えばチタン、ステンレス、タングステンなどである。壊食耐性形状とは壊食を抑える電極形状のことであり、例えば円柱状や多角形状などである。壊食防止用部材とは電極31,32の壊食を防止するための部材であり、例えば超硬、ジルコニア、アルミナなどである。
本実施の形態の分散液の製造方法を説明する。図9は、本発明を適用した実施形態の微粒子を分散させた分散液の製造手順を示す製造工程フロー図である。本発明の分散液の製造方法は、ステップS12とステップS20からなる。本実施形態では、微粒子の凝集体が含有された原料溶液10を図1に示す高圧噴射処理装置152の高圧ノズル41から所定圧力で高圧噴射し直ちに前記チャンバー40内でキャビテーションを及ばせながらガス供給下にて液中プラズマ処理を行う(ステップS12)。そして、微粒子の分散度合いに応じて、前記高圧噴射処理装置152の高圧ノズル41から前記原料溶液10を所定圧力で高圧噴射し前記チャンバー40内で液中プラズマ処理を行う作業を複数回繰り返す(ステップS20)。
本発明の実施例を以下に説明する。
本実施例の湿式微粒化装置100については図1,2に示した通りである。高圧噴射処理装置152(略称:SBS)は、硬質球体に対してスラリー溶液噴流を衝突させる方式の、スターバーストHJP25005(5.5kw)(株式会社スギノマシン製)を用いた。噴射圧力は245MPaとした。プラズマ発生用電源30(略称:SP)は、パルスプラズマ用のMPP−HV01(株式会社栗田製作所製)を用いた。最大電圧は6kV、周波数は30kHz、パルス幅は1.5μsとした。チャンバー40は液中プラズマチャンバーであって、チャンバー40に備えられた高圧ノズル41はシングルノズルであり、ノズル径はφ0.14mmとした。チャンバー40の中空形状の電極対31,32は液中に位置し、電極間距離S1は1mmとした。ガス供給手段180に供給するガスは窒素、空気、アルゴン、酸素のいずれかから選択した。
本実施例の湿式微粒化方法及び/又は分散液の製造方法は以下の手順により行う。1)溶媒(イオン交換水等)と溶質(酸化チタン粉末又はジルコニア粉末)を懸濁し、よく攪拌して原料溶液10を調整する。2)プラズマチャンバー40の電極間距離S1を1mmの間隔にセットする。3)原料溶液10をスターバースト152の原料タンク103に入れ、所定の設定圧力値でスターバースト152を稼働させる。4)チャンバー40内の中空形状の電極31,32が液で満たされた状態であることを目視で確認し、ガス供給(噴射)を行い、所定の設定値でプラズマ発生電源30を稼働させる。この間、装置内デッドボリュームである初期吐出液200mLは廃棄する。5)廃棄後、処理済み試料を別タンクに溜めていき、原料タンク103が空になるのと同時に別タンクの試料を原料タンク103に戻す。6)戻した後、処理済み試料を溜めていき、デッドボリューム分(約200mL)に達した後、これを原料タンクへ戻すことで1パス処理完了と判断する。7)上述の手順5)と手順6)に要した合計時間を測定し、以降のパス回数を時間で管理する。8)10パスの際に処理済み試料を別容器にサンプリング(10mL程度)する。9)30パス目に原料を別容器に回収する。10)0パス、10パス、30パスの各サンプリング液を使用し、粒度分布測定、メジアン径、pH測定を実施する。
(実施例1)
液中プラズマチャンバー40は、図1のように中空形状の電極31,32を通して外部からプラズマ発生部に気体(ガス)を送り込めるようになっている。本実施例では、プラズマ発生部に送り込む気体の種類で分散性がどのように変化するのかを調査することで、液中プラズマチャンバー40に最適な気体を選定した。送り込む気体としてアルゴン、酸素、窒素、空気を用意し、酸化チタン粒子とジルコニア粒子を原料として分散効果を検証した。なお空気の成分は、窒素78.08%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%である。
表1は、液中プラズマチャンバー40に送り込む気体の種類による各原料のメジアン径である。サンプリング液としてはパス回数が30パス処理されたものを測定に使用した。その結果、気体の種類に応じてメジアン径に変化が生じた。
(実施例2)
液中プラズマでは、発生するプラズマと各種気体の反応によって様々な活性種が生成する。例えば、プラズマと酸素の反応ではオゾンや過酸化水素などの活性酸素種が生成され、プラズマと窒素と酸素の反応では一酸化窒素が生成される。今回の試験では、液中プラズマチャンバー40にNを送り込みながら処理することで、各種分析結果がどのように変化するかを調査した。
実施例2として酸化チタン粉末の微粒化を実施した。No.1〜No.5で用いられた原料溶液10(微粒化材料)は、溶質を酸化チタンP25粉末(Degussa社製)6g、溶媒をイオン交換水594gとして懸濁した、濃度1wt%、処理量600mLの酸化チタン溶液を用いた。液中プラズマ及び高圧噴射の処理条件は、噴射圧力245MPa、パス回数30回(0パス、10パス、30パス時に処理済み試料のサンプリングを行ない、各サンプリング液を使用して測定を実施)、電極間距離1mm、パルス幅1.5μs、ガス流量2L/min、チャンバーのノズル径φ0.14mmとした。また、試験回路は図1に示す。
表2に各種ガスを供給しながら微粒化処理を行った場合の、粒度分布測定結果とpH測定結果を示す。測定値は処理前後の酸化チタンのメジアン径(nm)とpH変化であり、動的散乱式粒度分布装置(ゼータサイザーナノZS、スペクトリス社製)により測定した。なお0パスは、粒子の沈降が早いのでメジアン径が安定せず、約400〜4000nmの間でばらつきが生じる。
No.1〜No.4まではガス供給手段180に各種ガスを供給し、供給するガスは窒素(No.1)、空気(No.2)、アルゴン(No.3)、酸素(No.4)とした。空気の成分は、窒素78.08%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%である。No.1〜No.4のチャンバーは液中プラズマチャンバーとした。No.5は、ガスを無供給とし、高圧噴射のみ行いプラズマを発生させなかった比較例である。具体的には高圧噴射処理装置152は使用し、チャンバー40としてプラズマ発生装置160は使用せず、ボールチャンバーを使用した場合の例である。
実施例2では、No.1〜No.4に示すようにそれぞれのガスで粒子の微粒化が確認され、ガス供給により微粒化が進むことが確認された。また液中プラズマチャンバーに供給するガスの種類を変えることで分散効果の違いを得られることが確認された。このことから供給するガスの種類を選択することにより微粒化サイズの調節が可能であることが確認された。
また、各条件の30パスサンプルの粒度分布図を図10に示す。SBS単体処理およびSBS−液中プラズマ複合処理の粒度分布図であり、測定には動的散乱式粒度分布計を用いた。表2や図10に示すように、本実施例では、液中プラズマチャンバーに送り込む気体の種類を変えることでの分散効果の違いを確認した。それぞれの気体で、粒子の微粒化が確認された。
(実施例3)
実施例3としてジルコニア粉末の微粒化を実施した。No.6〜No.10で用いられた原料溶液10(微粒化材料)は、溶質をジルコニアナノ粉末6g、溶媒をイオン交換水594gとして懸濁した、濃度1wt%、処理量600mLのジルコニア溶液を用いた。液中プラズマ及び高圧噴射の処理条件は、噴射圧力245MPa、パス回数30回(0パス、10パス、30パス時に処理済み試料のサンプリングを行ない、各サンプリング液を使用して測定を実施)、電極間距離1mm、パルス幅1.5μs、ガス流量2L/min、チャンバーのノズル径φ0.14mmとした。また、試験回路は図1に示す。
表3に各種ガスを供給しながら微粒化処理を行った場合の、粒度分布測定結果とpH測定結果を示す。測定値は処理前後のジルコニアのメジアン径(nm)とpH変化であり、動的散乱式粒度分布装置(ゼータサイザーナノZS、スペクトリス社製)により測定した。なお0パスは、粒子の沈降が早いのでメジアン径が安定せず、約400〜4000nmの間でばらつきが生じる。
No.6〜No.9まではガス供給手段180に各種ガスを供給し、供給するガスは窒素(No.6)、空気(No.7)、アルゴン(No.8)、酸素(No.9)とした。空気の成分は、窒素78.08%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%である。No.6〜No.9のチャンバーは液中プラズマチャンバーとした。No.10は、ガスを無供給とし、高圧噴射のみ行いプラズマを発生させなかった比較例である。具体的には高圧噴射処理装置152は使用し、チャンバー40としてプラズマ発生装置160は使用せず、ボールチャンバーを使用した場合の例である。
実施例3でも、No.6〜No.9に示すようにそれぞれのガスで粒子の微粒化が確認され、ガス供給により微粒化が進むことが確認された。また液中プラズマチャンバーに供給するガスの種類を変えることで分散効果の違いを得られることが確認された。このことから供給するガスの種類を選択することにより微粒化サイズの調節が可能であることが確認された。実施例3のジルコニア粉末の場合も、実施例2の酸化チタン粉末の場合と同様の結果を得たことにより、微粒化材料を変更しても微粒化促進効果や微粒化サイズ調節効果を得られることが確認された。
また、各条件の30パスサンプルの粒度分布図を図11に示す。SBS単体処理およびSBS−液中プラズマ複合処理の粒度分布図であり、測定には動的散乱式粒度分布計を用いた。表3や図11に示すように、本実施例では、液中プラズマチャンバーに送り込む気体の種類を変えることでの分散効果の違いを確認した。それぞれの気体で、粒子の微粒化が確認された。
(実施例4)
実施例4としてガス供給方法及びガス供給量を変更して微粒化を実施した。本実施例により、液中プラズマチャンバー40内の中空形状の電極31,32の使用方法とガス供給量の関係を確認し、液中プラズマチャンバー40の最適な分散条件を確認した。
実施例4ではNo.11〜No.16の全ての試料において高圧噴射処理装置152及びプラズマ発生装置160を使用した。液中プラズマ及び高圧噴射の処理条件は、噴射圧力245MPa、パス回数30回(10パス毎に処理済み試料のサンプリングを行ない、各サンプリング液を使用して測定を実施)、パルス幅1.5μs、チャンバーのノズル径φ0.14mmとした。ガス供給手段180に供給するガスは空気とした。空気の成分は、窒素78.08%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%である。No.11〜No.16のチャンバーは液中プラズマチャンバー40とした。試験回路は図1に示す。
酸化チタン溶液の場合
表4に原料溶液10(微粒化材料)として酸化チタン溶液を使用し、ガス供給方法、供給量の変更をしながら液中プラズマチャンバー40による微粒化処理を行った場合の、粒度分布測定結果とpH測定結果を示す。No.11〜No.13で用いられた原料溶液10の酸化チタン溶液は、具体的には、溶質を酸化チタンP25粉末(Degussa社製)6g、溶媒をイオン交換水594gとして懸濁した、濃度1wt%、処理量600mLの酸化チタン溶液を用いた。電極間距離は1mmとした。測定値は処理前後の酸化チタンのメジアン径(nm)とpH変化であり、動的散乱式粒度分布装置(ゼータサイザーナノZS、スペクトリス社製)により測定した。なお0パスは、粒子の沈降が早いのでメジアン径が安定せず、約400〜4000nmの間でばらつきが生じる。
ガス供給方法及びガス流量は、No.11〜No.13で変更した。ガス供給方法の変更は、ガス供給するプラズマ電極を片方(電極対のうち一方)にするか両方(電極対)にするかで行った。No.11では片方の電極(電極31又は電極32のいずれか一方の電極)からのみガス供給を行い、ガス流量は1.5L/minとした。No.12では両方の電極(電極31,32の両方)からガス供給を行い、ガス流量は1.5L/minとした。No.13では両方の電極(電極31,32の両方)からガス供給を行い、ガス流量は3.0L/minとした。
表4に示したように、No.11とNo.12において、いずれのパス回数においてもメジアン径はNo.11よりもNo.12の方が小さい。ガス供給を両方の電極31,32から行なうことによって液中プラズマチャンバー40の分散効果を向上させることができる。No.12とNo.13を比較すると、メジアン径はNo.12よりもNo.13の方が小さい。ガス供給量を2倍にすることで液中プラズマチャンバー40の分散効果を更に向上させることができる。ガス供給量を増加させることによって液中プラズマの発生に必要な気泡が多くなり、液中プラズマの発生率が上昇したものと考えられる。
ジルコニア溶液の場合
表5に原料溶液10としてジルコニア溶液を使用し、ガス供給方法、供給量の変更をしながら液中プラズマチャンバー40による微粒化処理を行った場合の、粒度分布測定結果とpH測定結果を示す。No.14〜No.16で用いられた原料溶液10(微粒化材料)のジルコニア溶液は、具体的には、溶質をジルコニアナノ粉末6g、溶媒をイオン交換水594gとして懸濁した、濃度1wt%、処理量600mLのジルコニア溶液を用いた。電極間距離は5mmとした。測定値は処理前後のジルコニアのメジアン径(nm)とpH変化であり、動的散乱式粒度分布装置(ゼータサイザーナノZS、スペクトリス社製)により測定した。なお0パスは、粒子の沈降が早いのでメジアン径が安定せず、約400〜4000nmの間でばらつきが生じる。
ガス供給方法及びガス流量は、No.14〜No.16で変更した。ガス供給方法の変更は、ガス供給するプラズマ電極を片方(電極対のうち一方)にするか両方(電極対)にするかで行った。No.14では片方の電極(電極31又は電極32のいずれか一方の電極)からのみガス供給を行い、ガス流量は1.5L/minとした。No.15では両方の電極(電極31,32の両方)からガス供給を行い、ガス流量は1.5L/minとした。No.16では両方の電極(電極31,32の両方)からガス供給を行い、ガス流量は3.0L/minとした。
表5に示したように、No.14とNo.15において、メジアン径はNo.14よりもNo.15の方が小さい。ガス供給を両方の電極31,32から行なうことによって液中プラズマチャンバー40の分散効果を向上させることができる。No.15とNo.16を比較すると、メジアン径はNo.15よりもNo.16の方が小さい。ガス供給量を2倍にすることで液中プラズマチャンバー40の分散効果を更に向上させることができる。そして表4の酸化チタンの場合で得た結果は、酸化チタン特有の現象ではないことを確認した。以上のように、ガス供給は両方の電極から行い、供給量を多くすることが分散には好ましい。
(実施例5)
実施例5として中空形状の電極31,32の配置角度を変更して微粒化を実施した。本実施例により、液中プラズマチャンバー40に使用する中空形状の電極31,32の配置角度によって分散効果が変化するのかを確認し、液中プラズマチャンバー40の最適な分散条件を確認した。
実施例5ではNo.17〜No.22の全ての試料において高圧噴射処理装置152及びプラズマ発生装置160を使用した。液中プラズマ及び高圧噴射の処理条件は、噴射圧力245MPa、パス回数30回(10パス毎に処理済み試料のサンプリングを行ない、各サンプリング液を使用して測定を実施)、パルス幅1.5μs、チャンバーのノズル径φ0.14mmとした。ガス供給手段180に供給するガスは空気とした。空気の成分は、窒素78.08%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%である。No.17〜No.22のチャンバーは液中プラズマチャンバー40とした。試験回路は図1に示す。
酸化チタン溶液の場合
表6に原料溶液10(微粒化材料)として酸化チタン溶液を使用し、電極31,32の配置変更をしながら液中プラズマチャンバー40による微粒化処理を行った場合の、粒度分布測定結果とpH測定結果を示す。No.17〜No.19で用いられた原料溶液10の酸化チタン溶液は、具体的には、溶質を酸化チタンP25粉末(Degussa社製)6g、溶媒をイオン交換水594gとして懸濁した、濃度1wt%、処理量600mLの酸化チタン溶液を用いた。電極間距離は1mmとした。測定値は処理前後の酸化チタンのメジアン径(nm)とpH変化であり、動的散乱式粒度分布装置(ゼータサイザーナノZS、スペクトリス社製)により測定した。No.17〜No.19では両方の電極(電極31,32の両方)からガス供給を行い、ガス流量は3.0L/minとした。なお0パスは、粒子の沈降が早いのでメジアン径が安定せず、約400〜4000nmの間でばらつきが生じる。
電極31,32の配置は、No.17〜No.19で変更した。No.17では電極対31,32の其々を原料IN側に10度、角度をつけて斜向配置した(図12)。すなわち、図12に示すように高圧ノズル41から噴射される噴流の向きに対して垂直な方向を0度として、電極31,32の先端を噴流の上流側(チャンバー内40での原料溶液10の供給口方向)へ向けて10度傾けて配置した。No.18では電極対31,32を対向配置した(図2)。No.19では電極対31,32を原料OUT側に10度、角度をつけて斜向配置した(図13)。すなわち、図13に示すように原料OUT側に10度、角度をつけて斜向配置するとは、高圧ノズル41から噴射される噴流の向きに対して垂直な方向を0度として、電極31の先端を噴流の下流側(チャンバー内40での原料溶液10の排出口方向)へ向けて10度傾けて配置した。
表6に示したように、No.17〜No.19において、メジアン径はNo.18が最小となった。電極31,32は対向配置することで効果的に分散が可能である。No.17が効果的でなかった原因は、ガスの噴出口がIN側に向いているため、原料の噴射がガスの噴射の抵抗となり、No.18に比べて電極31,32間の気泡量が少なく、液中プラズマの発生頻度が落ちたためだと考えられる。また、No.19が効果的でなかった原因は、ガスの噴出口がOUT側に向いているため、原料の噴射がガスの噴射を加速するようになり、気泡が電極31,32間を覆う前に出口側へ流出する頻度が増え、液中プラズマの発生頻度も落ちたためだと考えられる。
ジルコニア溶液の場合
表7に原料溶液10(微粒化材料)としてジルコニア溶液を使用し、電極31,32の配置変更をしながら液中プラズマチャンバー40による微粒化処理を行った場合の、粒度分布測定結果とpH測定結果を示す。No.20〜No.22で用いられた原料溶液10の酸化チタン溶液は、具体的には、溶質を酸化チタンP25粉末(Degussa社製)6g、溶媒をイオン交換水594gとして懸濁した、濃度1wt%、処理量600mLの酸化チタン溶液を用いた。電極間距離は5mmとした。測定値は処理前後の酸化チタンのメジアン径(nm)とpH変化であり、動的散乱式粒度分布装置(ゼータサイザーナノZS、スペクトリス社製)により測定した。No.20〜No.22では両方の電極(電極31,32の両方)からガス供給を行い、ガス流量は3.0L/minとした。なお0パスは、粒子の沈降が早いのでメジアン径が安定せず、約400〜4000nmの間でばらつきが生じる。
電極31,32の配置は、No.20〜No.22で変更した。No.20では電極対31,32の其々を原料IN側に10度、角度をつけて斜向配置した(図12)。No.21では電極対31,32を対向配置した(図2)。No.22では電極対31,32を原料OUT側に10度、角度をつけて斜向配置した(図13)。
表7に示したように、No.20〜No.22において、メジアン径はNo.21が最小となった。電極31,32は対向配置することで効果的に分散が可能である。ジルコニア溶液を用い電極を斜向配置させたNo.20およびNo.22が効果的ではなかった原因は、酸化チタンを用い電極を斜向配置させたNo.17およびNo.19が効果的ではなかった原因と同様と考えられる。以上のように電極は対向配置することが分散には好ましい。
100 湿式微粒化装置、
10 原料溶液、
20 分散液、
1a 粒子、
30 プラズマ発生電源、
31(31a、31b、31c、31d)、32(32a、32b、32c、32d) 電極、
33(33a、33b、33c)、34(33a、33b、33c) 間隔調整手段、
40 チャンバー、
41 高圧ノズル、
52 容器、
80 ポンプ、
152 高圧噴射処理装置、
160 液中プラズマ発生装置、
180 ガス供給手段、
181 バルブ、
C1 キャビテーションの気泡、
D1 ガス供給手段の気泡
P1 液中プラズマ発生箇所、
S1 電極間距離
本発明の湿式微粒化装置は、チャンバー内に設けられた高圧ノズルから高圧噴射する高圧噴射処理装置と、液中プラズマ発生装置とが組み合わされ、チャンバー内に前記液中プラズマ発生装置の中空形状の電極が対向配置され、前記中空形状の電極からチャンバー内にガスを供給するためのガス供給手段が配置されている構成であり、前記高圧噴射処理装置の高圧ノズルから原料溶液を噴射させて、プラズマ発生区域に前記高圧噴射によるキャビテーションを及ばせるとともに、前記ガス供給手段により前記ガスを供給して前記中空形状の電極内を通過させ、対向する前記中空形状の電極に向けて前記ガスを噴射させてから、前記中空形状の電極にパルス電圧を印加させて液中プラズマを発生させるものであり、チャンバー内で前記中空形状の電極に原料溶液で満たした状態にし、かつ、溶液を還流させるポンプを備えて、前記高圧噴射処理装置の高圧ノズルの高圧噴射し前記液中プラズマ処理する作業を複数回繰り返すことを特徴とする

Claims (9)

  1. チャンバー内に設けられた高圧ノズルから高圧噴射する高圧噴射処理装置と、液中プラズマ発生装置とが組み合わされ、チャンバー内に前記液中プラズマ発生装置の中空形状の電極が対向配置され、前記電極からチャンバー内にガスを供給するためのガス供給手段が配置されている構成であり、前記高圧噴射処理装置の高圧ノズルから原料溶液を噴射させるとともに、前記ガス供給手段により前記ガスを供給して前記電極内を通過させ、対向する電極に向けて前記ガスを噴射させてから、前記電極にパルス電圧を印加させて液中プラズマを発生させ、プラズマ発生区域に前記高圧噴射によるキャビテーションを及ばせることを特徴とする湿式微粒化方法。
  2. 電極間距離を1mm以上10mm以下として前記電極を配置してプラズマを発生させることを特徴とする請求項1記載の湿式微粒化方法。
  3. 前記ガスは、空気または窒素とすることを特徴とする請求項1または2記載の湿式微粒化方法。
  4. 前記高圧噴射し前記液中プラズマ処理する作業を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の湿式微粒化方法。
  5. 前記電極間距離を1mm〜10mm間で変更することにより、前記原料溶液に応じてOラジカルおよびOHラジカルのそれぞれの発生量を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の湿式微粒化方法。
  6. 前記電極を同軸上に対向配置して、前記ガスが中空形状の前記電極内を通過するようにし、前記ガスが前記同軸上を通るようにして互いに対向噴射させ、対向衝突させてから、前記電極にパルス電圧を印加させて前記同軸上に液中プラズマを発生させ、プラズマ発生区域に前記高圧噴射によるキャビテーションを及ばせることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の湿式微粒化方法。
  7. 粒子の凝集体が含有された原料溶液を高圧噴射するための高圧ノズルと、電極を備えたプラズマ発生装置とから構成され、前記高圧ノズルはチャンバー内に設けられ、前記電極は前記チャンバー内に対向配置され、かつ前記高圧噴射によるキャビテーションが前記電極間のプラズマ発生区域に及ぶ位置に配置される湿式微粒化装置であり、前記電極には、対向する電極に向けてガスを供給・噴射するガス供給手段を備えることを特徴とする湿式微粒化装置。
  8. 対向する両側の電極からガスを供給するガス供給手段を備えることを特徴とする請求項7記載の湿式微粒化装置。
  9. 前記電極は中空管であることを特徴とする請求項7または8記載の湿式微粒化装置。
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