JP6582442B2 - 分散液の製造方法および分散液の製造装置 - Google Patents

分散液の製造方法および分散液の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、分散液の製造方法および分散液の製造装置に関する。
近年、プラズマを利用して、物質の表面状態を改質する研究が盛んに行われている。対象物質にプラズマを照射することにより、プラズマの電離された分子(例えば、ヒドロキシ基)が表面に修飾されて水に対する濡れ性が向上することが知られている。
このようなプラズマを利用した技術としては、液面近傍にプラズマを発生させる液面プラズマの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、一対の電極のうち、一方は液中に浸す又は液面に接触させ、他方は液面上部の気中に配置して、これらの電極間に電圧を加えてプラズマを発生させる液面プラズマ処理と、機械的分散処理(粒子を剪断して撹拌する処理)とを併用することにより、分散質の分散効果の向上を図る技術が開示されている。
特開2013−34914号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、機械的分散処理によって液中で分散質が粉砕されて新たな界面が形成されたとしても、プラズマ処理は液面でしか施すことができない。そのため、機械的分散処理とプラズマ処理との相乗効果が得られにくく、処理効率が悪いという課題があった。
また、プラズマ処理を液面でしか施せないため、分散媒に対する比重が小さい分散質の場合には、プラズマ処理による効果が得られやすいが、分散媒に対する比重が大きい分散質の場合には、プラズマ処理による効果が得られにくかった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記課題の少なくとも一部を解決することで、分散質を分散媒中に効率良く分散させることができると共に、分散安定性に優れた分散液が得られる分散液の製造方法および分散液の製造装置を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る分散液の製造方法の一態様は、
分散質および分散媒を含有する混合液を準備し、
前記混合液内の分散質に対して、粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理を施すことによって、前記分散質を前記分散媒に分散させることを特徴とする。
適用例1の分散液の製造方法によれば、分散質の粉砕処理とプラズマ処理とが液中でほぼ同時に施されるため、粉砕された分散質が再凝集等する前にプラズマ処理を施すことができる。また、粉砕処理の過程で生じたキャビテーションによって作られる気泡を利用し
てプラズマの発生を促進させることができる。よって、分散質の分散媒中への分散処理効率が向上する。また、分散質を分散させた後における分散質の再凝集や沈降等を長期間防ぐことができ、分散安定性が向上する。
[適用例2]
適用例1の分散液の製造方法において、
前記分散質が固体であることができる。
適用例2の分散液の製造方法によれば、分散質が固体であることにより、粉砕処理された分散質の界面が液体のように流動性を有することがないので、プラズマ処理による効果が得られやすい。そのため、分散処理効率や分散安定性がより向上する。
[適用例3]
適用例1または適用例2の分散液の製造方法において、
前記粉砕処理を施す手段が、粉砕とともにキャビテーションを発生させる手段であることができる。
適用例3の分散液の製造方法によれば、粉砕処理によってキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって作られる気泡中でプラズマを発生させることができる。これにより、プラズマ発生の効率が上がるので、分散処理効率が向上する。
[適用例4]
適用例1または適用例2の分散液の製造方法において、
前記粉砕処理を施す手段が超音波発生装置であり、
前記超音波発生装置の周波数が20kHz以上1000kHz以下であることができる。
適用例4の分散液の製造方法によれば、超音波による粉砕処理によって分散質を微細化できるだけでなく、超音波により発生するキャビテーションによって作られる気泡中でプラズマを発生させることができるので、プラズマ発生の効率が上がり、結果として分散処理効率が向上する。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の分散液の製造方法において、
前記混合液における前記分散質の濃度が0.1質量%以上70質量%未満であることができる。
適用例5の分散液の製造方法によれば、粉砕処理された分散質の衝突頻度が上がることを抑制でき、分散質の再凝集等が起こりにくい分散安定性の高い分散液を製造することができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の分散液の製造方法において、
前記分散質の一次粒子径が1000nm未満であることができる。
適用例5の分散液の製造方法によれば、粉砕処理によって分散質を一次粒子径である1000nm未満の大きさとすることができるので、沈降等のリスクが低くなり、分散安定性がより向上する。
[適用例7]
本発明に係る分散液の製造装置の一態様は、
分散質及び分散媒を含有する混合液が投入される貯留槽と、
前記貯留槽に投入された混合液内の分散質を粉砕するための粉砕処理機構と、
前記貯留槽に投入された混合液内の分散質に対して、プラズマ処理を施すための液中プラズマ処理機構と、
を備え、
前記混合液内の分散質に対して、前記粉砕処理機構による粉砕処理を施しながら前記液中プラズマ処理機構によって液中プラズマ処理を施すことによって、前記分散質を前記分散媒に分散させることを特徴とする。
適用例7の分散液の製造装置によれば、分散質の粉砕処理とプラズマ処理とが液中でほぼ同時に施されるため、粉砕された分散質が再凝集等する前にプラズマ処理を施すことができる。また、粉砕処理機構で生じたキャビテーションによって作られる気泡を利用してプラズマの発生を促進させることができる。よって、分散質の分散媒での分散処理効率が向上する。また、処理後の分散質の再凝集や沈降等を長期間防ぐことができ、分散安定性に優れた分散液を製造することができる。
第1実施形態に係る分散液の製造装置の概略図。 第2実施形態に係る分散液の製造装置の概略図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本発明における「液中プラズマ」とは、液中非平衡低温プラズマのことを指し、より詳しくは一対の電極を両方とも分散媒中に浸漬もしくは分散媒の液面に接触した状態で、分散媒中に気泡をつくりながら分散媒中に浸された両電極に電圧を加えて気泡の中で発生させるプラズマのことをいう。
以下、本実施の形態に係る分散液の製造装置、分散液の製造方法、およびこの製造方法によって製造される分散液の順に説明する。
1.分散液の製造装置
本実施の形態に係る分散液の製造装置は、分散質および分散媒を含有する混合液が投入される貯留槽と、前記貯留槽に投入された混合液内の分散質を粉砕するための粉砕処理機構と、前記貯留槽に投入された混合液内の分散質に対して、プラズマ処理を施すための液中プラズマ処理機構と、を備えることを特徴とする。以下、本実施の形態に係る分散液の製造装置について図面を参照しながら説明する。
1.1.第1実施形態の装置構成
図1に、第1実施形態に係る分散液の製造装置の概略図を示す。製造装置100は、分散質及び分散媒を含有する混合液が投入される貯留槽10と、貯留槽10に投入された混合液内の分散質を粉砕するための粉砕処理機構20と、貯留槽10に投入された混合液内の分散質に対して、プラズマ処理を施すための液中プラズマ処理機構30と、によって構成されている。
貯留槽10の材質は、プラズマ発生前後において混合液を保持できるものであれば特に
制限されないが、ガラス、樹脂、金属等の材質を挙げることができる。貯留槽10の材質にガラスや樹脂等の可視光において透明性を有する材質を選択すると、貯留槽10の外部から分散状態を観察することができるので好ましい。透明性を有する材質としては、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩ビ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。貯留槽10の形状については、液中プラズマ処理機構30の電極32および電極34を貯留槽10の内部に挿入でき、かつ固定できる形状であれば特に制限されない。貯留槽10は、後述する超音波洗浄機22の洗浄槽24内に投入された水に浸かるように配置される。
第1実施形態では、粉砕処理機構20は、超音波洗浄機22によって構成されている。超音波洗浄機22は、洗浄槽24と、超音波発生部26とを備えている。図1に示す例では、超音波発生部26は、洗浄槽24の底面の外側だけに接着されているが、この構成に限定されず、洗浄槽24の側面の外側に接着されていてもよい。また、円板型振動子や球面型振動子等の超音波振動子を洗浄槽24内や貯蓄槽10内に直接置く構成としてもよい。超音波洗浄機22によって発生したキャビテーションにより、分散質の一次粒子径まで細かく分散させることができる。なお、洗浄槽24には、キャビテーションを発生させるのに必要な水を投入しておく必要がある。
通常の水の中で、キャビテーションを発生させるのに必要なエネルギー量は周波数により異なっている。すなわち、周波数が小さい方が少ないエネルギー量でキャビテーションを発生させることができるが、エネルギー量は振幅および振動数に影響を受けるため、周波数が小さすぎると、その分振幅が必要となる。そのため、キャビテーションの発生量とそれに必要なエネルギー量とのバランスを考慮すると、周波数は、20kHz以上1000kHz以下であることが好ましく、20kHz以上500kHz以下であることがより好ましい。超音波洗浄機22においては、発振回路を構成する抵抗、コンデンサあるいはコイルといった回路素子のパラメータを調整することにより、超音波発生部26内にある振動子(図示せず)の発振周波数および位相をそれぞれ独立して調整できるようにしておくとよい。
このような超音波洗浄機としては、例えば、本多電子株式会社製の型式「W−113」、「W−357−07HPD」、「W−357HPD」;BRNASON社製のBRANSONICシリーズ等を使用することができる。
液中プラズマ処理機構30は、貯留槽10に投入された混合液中に浸漬しまたは混合液の液面に接触した状態で配置された一対の電極32および電極34と、電源36と、によって構成されている。また、図示していないが、電極32と電極34の間にあるプラズマ発生部38にガスを導入するためのガス貯留部およびガス導入管を備えてもよい。
電極32および電極34の先端部の形状は、例えば針状、中空針状、円筒状、球状、半球状、線状、平板状等が挙げられるが、低電圧でもプラズマを発生させやすい針状のものが好ましい。電極32および34の先端部は、必ずしも揃っている必要はなく、液中プラズマを発生させることができる程度に段差が生じていてもよい。
電極32および34の材質は、導電性を有するものであれば特に制限されないが、銅、タングステン、銅タングステン、グラファイト、チタン、ステンレス、モリブデン、アルミ、鉄、ニッケル、白金、金等が挙げられる。
液中プラズマの発生に使用する電源36は、直流電源、パルス電源、低周波・高周波交流電源、マイクロ波電源等の方式を用いることができる。その中でも低温、かつ安定にプラズマを発生させるために30kHz以下の交流周波数に出力可能な電源を用いることが
好ましい。
液中プラズマ処理機構30における液中プラズマの発生メカニズムは、以下の通りである。プラズマ発生部38において、電極32と電極34との間にパルス電圧が印加されると、パルス電圧印加により局地的なジュール熱が発生し、電極32および電極34において分散媒や溶存酸素が気化し、混合液中にミクロ以下の気泡が発生する。そして、電極32と電極34との間が一定密度の気泡によって充填されると、絶縁破壊が起こり、気泡内でプラズマが発生する。このプラズマの発生に伴い、電流が急激に増大し、電力を維持するようにして電圧を低下させるのである。
第1実施形態に係る製造装置100では、超音波洗浄機22によってキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって作られる気泡中でプラズマを発生させることができる。これにより、プラズマ発生の効率が上がるので、分散処理効率を向上させることができる。したがって、粉砕処理手段20は、分散質を物理的に粉砕するとともに、キャビテーションを発生させる手段であればよいと考えられる。
上述したように、プラズマ発生部38に上記のガス貯留部に接続されたガス導入管から任意のガスを導入しながら放電することもできる。このようなガスの原料としては、例えば酸素(O)、窒素(N)、空気(少なくとも窒素(N)および酸素(O)を含む)、水蒸気(HO)、亜酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等が挙げられる。これらのガスは、1種単独で導入してもよいし、2種以上混合したものを導入してもよい。
電極32および電極34の直径は、液中プラズマの安定性を高める観点から、1mm以下であることが好ましく、0.2〜1mmであることがより好ましい。また、電極32と電極34との距離(電極間距離)は、液中プラズマの安定性を高める観点から、0.001〜100mmであることが好ましく、0.1mm〜30mmであることがより好ましい。また、印加電圧は、安全性と電極の消耗等を考慮しながら、一定の印加ができるように0kVを超えて30kV以下で行うことが好ましく、1kV以上10kV以下で行うことがより好ましい。
第1実施形態の分散液の製造装置を用いることにより、混合液内の分散質に対して、粉砕処理機構20による粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理機構30によって液中プラズマ処理を施すことによって、分散質を分散媒に分散させることができる。かかる製造装置によれば、分散質の粉砕処理とプラズマ処理とが液中でほぼ同時に施されるため、粉砕された分散質が再凝集等する前にプラズマ処理を施すことができる。また、粉砕処理機構で生じたキャビテーションによって作られる気泡を利用してプラズマの発生を促進させることができる。よって、分散質の分散媒での分散処理効率が向上する。また、処理後の分散質の再凝集や沈降等を長期間防ぐことができ、分散安定性に優れた分散液を製造することができる。
1.2.第2実施形態の装置構成
図2に、第2実施形態に係る分散液の製造装置の概略図を示す。製造装置200は、分散質および分散媒を含有する混合液が投入される貯留槽110と、貯留槽110に投入された混合液内の分散質を粉砕するための粉砕処理機構120と、貯留槽110に投入された混合液内の分散質に対して、プラズマ処理を施すための液中プラズマ処理機構130と、によって構成されている。
第2実施形態に係る製造装置200では、貯留槽110の基本的な構成は第1実施形態に係る製造装置100と同じである。また、液中プラズマ処理機構130の基本的な構成
は第1実施形態に係る製造装置100と同じであり、電極132、電極134、電源136を備えている。
第2実施形態では、粉砕処理機構120は、超音波ホモジナイザー122によって構成されている。超音波ホモジナイザー122は、図示しない発振器、コンバーター、ホーンによって構成されている。超音波ホモジナイザー122は、貯留槽110の開口部から混合液に浸漬するように設置する。そのため、液中プラズマ処理機構130における電極132および電極134は、第1実施形態よりも低い位置にある。ホーンを通して貯留槽110に投入された混合液中に超音波によるキャビテーションを発生させることにより、分散質を分散媒中に分散させることができる。超音波ホモジナイザー122は、超音波洗浄機22に比べて超音波照射対象の体積が小さい点で、エネルギー効率が良く、キャビテーションの発生効率も良いと考えられる。
このような超音波ホモジナイザーとしては、例えば、BRANSON社製の型式「S−250D」や「SLPe40」等を使用することができる。
1.3.変形例
第2実施形態では、粉砕処理機構120として超音波ホモジナイザー122を使用したが、超音波ホモジナイザー122に代えて、プロペラ状に構成した撹拌翼を回転させて分散質を粉砕する方法や、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ナノマイザー等を用いてもよい。中でも、粉砕処理によってキャビテーションが発生しやすい手段を選択するのが望ましい。
2.分散液の製造方法
本実施の形態に係る分散液の製造方法は、分散質及び分散媒を含有する混合液を準備し、前記混合液内の分散質に対して、粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理を施すことによって、前記分散質を前記分散媒に分散させることを特徴とする。かかる分散液の製造方法は、例えば上述の第1実施形態に係る製造装置や第2実施形態に係る製造装置を用いることにより容易に実施することができる。以下、各工程ごとに詳細に説明する。
2.1.混合液準備工程
まず、分散質および分散媒を含有する混合液を準備する。分散媒としては、水、有機溶媒、水と水溶性有機溶媒の混合物等が挙げられ、特に制限されない。水と水溶性有機溶媒とを任意の割合で混合することにより、分散媒の表面張力を調整してもよい。また、分散媒に界面活性剤を添加して表面張力を調整してもよい。しかしながら、本実施の形態に係る分散液の製造方法によれば、界面活性剤や分散剤を添加しなくても分散質を細かく分散させることが可能であり、良好な分散系を製造できる点に大きなメリットがある。界面活性剤や分散剤は、分散質の分散安定性に確かに寄与するが、分散系を塗料、インク、筆記具、紙、プラスチック、布、建材、電気製品、電子材料、医薬品、化粧品、セラミック等に応用する場合には機能を阻害する可能性が否定できない。したがって、分散媒には界面活性剤や分散剤を添加しないことが望ましい。
分散媒中の溶存酸素量は、分散質の分散安定性に影響する場合がある。溶存酸素量が多いほど、液中プラズマ処理により酸素官能基の付与が起こりやすくなり、分散処理効率や分散安定性がより向上する。また、分散媒中の溶存酸素量が多いと、水由来のプラズマ源に加え、酸素由来のプラズマ源も使用できるため、分散質表面のヒドロキシ化が有利に進行する。
分散質の材質についても特に制限されず、用途に応じて無機物や有機物等の様々な粒子を使用することができるが、固体であることが好ましい。分散質が液体である場合、粉砕
処理により細かい粒子が得られるが、分散質の界面が流動的であるため、粒子の界面をプラズマ処理した効果が得られにくい。一方、分散質が固体である場合、粉砕処理された分散質の界面が液体のように流動性を有することがないので、プラズマ処理による効果が得られやすい。そのため、分散処理効率や分散安定性がより向上する。
分散質の粒子径についても特に制限されないが、上述したような超音波などの粉砕処理能力には限界があり、一次粒子径よりも細かくすることはできない。したがって、一次粒子径がもとより大きいものは、それだけ比重等の影響を受けやすく沈降等のリスクが増大し、分散安定性が損なわれる可能性がある。そのため、分散質の一次粒子径は、1000nm未満であることが好ましく、200nm未満であることがより好ましい。
混合液中の分散質の濃度は、0.1質量%以上70質量%未満であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。分散質の濃度が70質量%以上であると、粉砕処理された分散質の衝突頻度が上がり、分散質の再凝集等が起こる場合がある。このような現象のことを本明細書において「過分散」ともいう。一方、分散質の濃度が0.1質量%未満であると、分散質の濃度が低すぎるため処理効率が低下する。そのため、分散質の濃度が前記範囲にあると、分散処理効率や分散安定性がより向上する。
2.2.粉砕処理および液中プラズマ処理工程
液中プラズマ処理自体には、分散質の粉砕を行う能力がない。したがって、液中プラズマ処理だけでは、粒径が大きい場合には沈降してしまう。また、分散質を液中プラズマ処理した後、粉砕処理を施したとしても、新たな界面が形成されるので、プラズマ非処理面が生じてしまう。一方、液中プラズマ処理を行う前に粉砕処理を行っていた場合、経時的に徐々に凝集が起こり、粒径が肥大化することにより沈降してしまう。
このような理由から、本工程では、上記で得られた混合液内の分散質に対して、粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理を施すことによって、分散質を分散媒に分散させるのである。これにより、分散質の粉砕処理とプラズマ処理とが混合液中でほぼ同時に施されるため、粉砕された分散質が再凝集等する前に分散質の活性面にプラズマ処理を施すことができる。また、粉砕処理の過程で生じたキャビテーションによって作られる気泡を利用することができ、プラズマの発生を促進させることができる。よって、分散質の分散媒中への分散処理効率が向上する。また、分散質を分散させた後における分散質の再凝集や沈降等を長期間防ぐことができ、分散安定性が向上する。
本発明における「粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理を施す」とは、粉砕処理と液中プラズマ処理とを完全に同時に実施する場合には限らない。本発明では、2つの処理が実質的に同時に実施される場合、たとえば以下のような(a)ないし(c)のような場合を含む。
(a)粉砕処理と液中プラズマ処理を同時に開始し、2つの処理を所定時間継続した後、同時に終了する。
(b)粉砕処理と液中プラズマ処理を、ある程度短いサイクルで順番または交互に実施する。
(c)粉砕処理を先に開始して、その途中から粉砕処理を継続しつつ液中プラズマ処理を開始し、2つの処理を所定時間継続した後、粉砕処理を先に終了し、その後しばらくしてから液中プラズマ処理を終了する。
かかる工程においては、1対の液中プラズマ照射用の電極に対して、前記貯蓄槽の体積が、10mL以上100mL未満であることが好ましく、10mL以上50mL以下であることがより好ましい。貯蓄槽の体積が前記範囲にあると、粉砕処理による熱の発生や過分散を防ぐことができ、分散処理効率や分散安定性がより向上する。また、前記混合液が
循環可能な機構を設けた貯蓄槽や、複数の液中プラズマ照射用の電極と多量の混合液に対して粉砕処理可能な装置を用いることで、処理能力を向上させることも可能である。
本実施の形態に係る分散液の製造方法は、乳化重合によって得られたポリマー粒子分散系、樹脂分散系等を製造する際にも使用できると考えられる。
3.分散液
本実施の形態に係る分散液の製造方法によれば、分散質を分散媒中に効率良く分散させることができ、またこの製造方法によって得られた分散液は、分散安定性に優れている。したがって、本実施の形態に係る分散液の製造方法によって得られた分散液は、例えば以下の材料に応用することができる。
3.1.塗料およびインク
本実施の形態に係る分散液の製造方法によって得られた分散液は、塗料やインクに応用することができる。この場合、分散媒中に分散させる分散質としては、無機顔料、有機顔料、分散染料等が挙げられる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、群青、紺青、酸化クロム等が挙げられる。これらの無機顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染料レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232;C.I.ディスパースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142;C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227
、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328;C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77;C.I.ディスパースグリーン9;C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19;C.I.ディスパースブルー3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333C.I.ディスパースブラック1、3、10、24等が挙げられる。これらの分散染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記分散質を分散させるための分散媒としては、例えば水;エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のカルビトール類;エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル類;グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール類;2−ピロリドン、2−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類;マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類が挙げられる。これらの分散媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
3.2.遮光塗料
本実施の形態に係る分散液の製造方法によって得られた分散液は、電子部品等に使用される遮光塗料に応用することができる。この場合、分散媒中に分散させる分散質としては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム等が挙げられる。
上記分散質をグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキサイド、脂環族エポキサイド等のエポキシ樹脂に分散させることにより遮光塗料が得られる。したがって、遮光塗料は、上記粒子を上記エポキシ樹脂に直接添加して、本実施の形態に係る分散液の製造方法により製造することができるが、上記分散質が有機溶媒中に分散されたスラリーをエポキシ樹脂に添加することも可能である。このスラリーを作製する際にも、本実施の形態に係る分散液の製造方法を使用することができる。
上記スラリーを作製する際に使用可能な有機溶媒としては、上記エポキシ樹脂との相溶性が良好なものであれば特に制限されないが、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等の公知の低極性有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒等の公
知の極性有機溶媒が挙げられる。
3.3.化粧品
本実施の形態に係る分散液の製造方法によって得られた分散液は、清浄用化粧料、頭髪用化粧料、基礎化粧料、メークアップ化粧料、芳香化粧料、日焼け止め化粧料、爪化粧料、アイライナー化粧料、口唇化粧料、入浴化粧料等の化粧料に応用することができる。この場合、分散媒中に分散させる分散質としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、マイカ、無水ケイ酸、ナイロンパウダー、ポリアクリル酸アルキル、アルミナ、酸化鉄等の無機粉体が挙げられる。
上記分散質を分散させるための分散媒としては、スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素;コーン油、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、紅花油、アボガド油、オリブ油、ヤシ油、牛脂、豚油、ミンク油等の動植物油;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル等の合成エステル;ホホバ油、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モクロウ、ミツロウ等の天然動植物ワックス;エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等のアルコール類;水等が挙げられる。
上記分散媒には、通常化粧料に用いられる添加剤を適宜配合してもよい。このような添加剤としては、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、トリオレイン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ショ糖エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等シリコーン油またはその誘導体;パーフルオロポリエーテル等のフッ素系樹脂;カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等の水溶性高分子;コラーゲン、エラスチン、シルク、ラクトフェリン等の蛋白およびその加水分解物;紫外線吸収剤、ビタミン類、抗炎症剤、アミノ酸類およびその誘導体、レシチン、着色料、香料、防腐剤等が挙げられる。
4.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
4.1.分散液製造装置の装置構成
上記の第1実施形態で説明した図1に示す製造装置Aと、上記の第2実施形態で説明した図2に示す製造装置Bと、をそれぞれ用意した。各製造装置の詳細な構成は、以下の通りである。
<製造装置a>
・粉砕処理機構;卓上型超音波洗浄機、本多電子株式会社製、型式「W−113」、周波数:28kHz、45kHz、100kHzの3段階で調節可能
・粉砕処理機構;卓上型超音波洗浄機、本多電子株式会社製、型式「W−357−07HPD」、周波数:740kHz
・粉砕処理機構;卓上型超音波洗浄機、本多電子株式会社製、型式「W−357HPD」、周波数:1000kHz
・液中プラズマ処理機構;電極材質:タングステン、電極間距離:5mm、電力:30V、交流周波数:30kHz
<製造装置b>
・粉砕処理機構;超音波ホモジナイザー、BRANSON社製、型式「S−250D」、周波数:19.9kHz、電力(エネルギー):200W
・粉砕処理機構;超音波ホモジナイザー、BRANSON社製、型式「SLPe40」、周波数:40kHz、電力(エネルギー):150W
・液中プラズマ処理機構;電極材質:タングステン、電極間距離:5mm、電力:30W、交流周波数:30kHz
4.2.実施例1〜17、比較例1〜2
<分散液の製造>
上記いずれかの製造装置を用いて、分散媒として水、分散質として表1〜表3中に記載のものを用いて、表1〜表3中に記載の条件で10分間、粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理を施すことによって、各分散液を調製した。
<分散安定性の評価>
得られた分散液をサンプル瓶に移した後、密栓して10秒間振とうし、常温下にて静置した。24時間経過後、静置した分散液の状態を目視にて観察した。評価基準は、以下の通りである。
「A」:静置後の分散液中に含まれる分散質がおおよそ均一に分散し続けている。
「B」:静置後の分散液中に含まれる分散質の一部が沈降もしくは液面に分離しているが、振とうすることで再度均一に分散する。
「C」:静置後の分散液中に含まれる分散質が沈降もしくは液面に完全に分離し、振とうしても均一に分散しない。
<平均粒子径の測定>
上記で24時間静置した分散液について、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置(装置名「ナノトラックUPA」、日機装株式会社製)により体積基準の粒度分布を求め、その粒度分布から算出された体積平均粒子径を平均粒子径とした。
<評価結果>
表1〜表2に、実施例1〜17、比較例1〜2の実験条件および評価結果を示す。
Figure 0006582442
Figure 0006582442
Figure 0006582442
表1〜表3中、分散質の種類については、以下の通りである。
・カーボン1:商品名「Colour Black S170」、エボニックジャパン社製
・カーボン2:商品名「Special Black 101」、オリオンエンジニアド
カーボン社製
・カーボン3:商品名「UF−G5」、昭和電工株式会社製
・有機材料:Disperse Red 60、分散染料
・無機材料1:商品名「タルク ナノエース D−600」、日本タルク株式会社製
・無機材料2:商品名「タルク ナノエース D−1000」、日本タルク株式会社製
実施例1〜2では、装置構成bを使用して、超音波ホモジナイザーの周波数の条件を変更することにより各分散液を製造した。実施例1〜2の評価結果によれば、いずれも分散処理効率が良好で、分散安定性に優れた分散液が得られた。
実施例3〜7では、装置構成aを使用して超音波洗浄機の周波数の条件を変更することにより各分散液を製造した。実施例3〜7の評価結果によれば、いずれも分散処理効率が良好で、分散安定性に優れた分散液が得られたが、超音波ホモジナイザーを使用した場合(実施例1および実施例2)に比べて、分散処理効率に劣るため、平均粒子径が大きいことが判明した。
実施例8〜10では、装置構成bを使用して混合液の体積の条件を変更することにより各分散液を製造した。実施例8〜10の評価結果によれば、いずれも分散処理効率が良好で、分散安定性に優れた分散液が得られたが、混合液の体積を10〜50mLとした場合に特に良好な結果が得られることが判明した。
実施例11〜12では、装置構成bを使用して分散質の種類を変更することにより各分散液を製造した。実施例11〜12の評価結果によれば、いずれも分散処理効率が良好で、分散安定性に優れた分散液が得られたが、一次粒子径が1000nmを超えるカーボン3を使用した場合には、カーボン3の沈降が認められたことから、分散質の一次粒子径は1000nm未満とすることが好ましいことが判明した。
実施例13〜14では、装置構成bを使用して分散質濃度の条件を変更することにより各分散液を製造した。実施例13〜14の評価結果によれば、いずれも分散処理効率が良好で、分散安定性に優れた分散液が得られたが、分散質濃度を1〜40質量%とした場合に特に良好な結果が得られることが判明した。
実施例15〜17では、装置構成bを使用して分散質の種類をカーボン以外の有機材料または無機材料1、2に変更することにより各分散液を製造した。実施例15〜17の評価結果によれば、いずれの材料を用いた場合でも分散処理効率が良好で、分散安定性に優れた分散液が得られたが、一次粒子径が1000nmである無機材料2を使用した場合には、無機材料2の沈降が認められたことから、分散質の一次粒子径は1000nm未満とすることが好ましいことが判明した。
比較例1では、装置構成bを使用して超音波による粉砕処理を行わずに液中プラズマ処理のみを行い、分散液を製造した。比較例1の評価結果によれば、粉砕未処理およびキャビテーション未発生により、分散処理効率が低く、また分散質の平均粒子径が大きく、分散安定性にも優れないことが判明した。
比較例2では、装置構成bを使用して液中プラズマ処理を行わずに超音波による粉砕処理のみを行い、分散液を製造した。比較例2の評価結果によれば、一時的に分散質を細かく分散させることができるが、液中プラズマ処理を行っていないため、分散質の平均粒子径が経時的に大きくなり、分散安定性に優れないことが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成するこ
とができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10・110…貯留部、20・120…粉砕処理機構、22…超音波洗浄機、24…洗浄槽、26…超音波発生部、30・130…液中プラズマ処理機構、32・34・132・134…電極、36・136…電源、38・138…プラズマ発生部、122…超音波ホモジナイザー、100・200…(分散液の)製造装置

Claims (6)

  1. 分散質および分散媒を含有する混合液を準備し、
    前記混合液内の分散質に対して、粉砕処理を施しながら液中プラズマ処理を施すことによって、前記分散質を前記分散媒に分散させる分散液の製造方法であって、
    前記粉砕処理を施す手段が、粉砕とともにキャビテーションを発生させる手段である、分散液の製造方法。
  2. 前記分散質が固体である、請求項1に記載の分散液の製造方法。
  3. 前記粉砕処理を施す手段が超音波発生装置であり、
    前記超音波発生装置の周波数が20kHz以上1000kHz以下である、請求項1または請求項に記載の分散液の製造方法。
  4. 前記混合液における前記分散質の濃度が0.1質量%以上70質量%未満である、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の分散液の製造方法。
  5. 前記分散質の一次粒子径が1000nm未満である、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の分散液の製造方法。
  6. 分散質及び分散媒からなる混合液が投入される貯留槽と、
    前記貯留槽に投入された混合液内の分散質を粉砕するための粉砕処理機構と、
    前記貯留槽に投入された混合液内の分散質に対して、プラズマ処理を施すための液中プラズマ処理機構と、
    を備え、
    前記粉砕処理機構が、粉砕とともにキャビテーションを発生させる手段であり、
    前記混合液内の分散質に対して、前記粉砕処理機構による粉砕処理を施しながら前記液中プラズマ処理機構によって液中プラズマ処理を施すことによって、前記分散質を前記分散媒に分散させる、分散液の製造装置。
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