JP2015160151A - 分散液およびその製造方法、製造装置 - Google Patents

分散液およびその製造方法、製造装置 Download PDF

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マキ 成相
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Abstract

【課題】液面プラズマや液中プラズマの技術を利用して、粒子を分散媒中に効率良く分散させると共に、粒子を分散させた後において粒子の沈降を防ぐことができる分散液、およびその製造方法を提供する。また、粒子が所望の濡れ性を得ているかなどの粒子の分散状態をリアルタイムで検知できる分散液の製造装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る分散液の製造方法は、所定の表面張力に調整された分散媒を準備し、前記分散媒に粒子を添加した後、液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、前記粒子を前記分散媒に分散させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散液およびその製造方法、製造装置に関する。
近年、プラズマを利用して物質の表面状態を改質する研究が盛んに行われている。対象物質にプラズマを照射することにより、プラズマの電離された分子(例えば、ヒドロキシ基)が表面に修飾されて水に対する濡れ性が向上する。
このようなプラズマを利用した技術としては、液体中にプラズマを発生させる液中プラズマ(例えば、特許文献1参照)や、液面近傍にプラズマを発生させる液面プラズマの技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、一対の電極のうち、一方は液中に浸す又は液面に接触させ、他方は液面上部の気中に配置して、これらの電極間に電圧を加えてプラズマを発生させる液面プラズマを用いることにより、水中へ粒子を分散させる技術が開示されている。
特開2012−14955号公報 特開2013−34914号公報
しかしながら、上記特許文献に開示されている技術では、粒子の濡れ性を細かく制御することができず、粒子を分散媒に効率良く分散させることや、粒子を分散させた後において粒子の沈降を防ぐことについては、考慮されていない。
また、従来の分散液の製造装置では、粒子が所望の濡れ性を得ているかなどの粒子の分散状態をリアルタイムで検知することができなかった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記課題を解決することで、液面プラズマや液中プラズマの技術を利用して、粒子を分散媒中に効率良く分散させると共に、粒子を分散させた後において粒子の沈降を防ぐことができる、新たな分散液の製造方法を提供するものである。また、本発明に係る幾つかの態様は、粒子が所望の濡れ性を得ているかなどの粒子の分散状態をリアルタイムで検知できる分散液の製造装置を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る分散液の製造方法の一態様は、
所定の表面張力に調整した分散媒を準備し、
前記分散媒に粒子を添加した後、
液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、前記粒子を前記分散媒に分散させることを特徴とする。
適用例1の分散液の製造方法によれば、液面プラズマや液中プラズマの技術を利用する
ことにより、粒子の分散に要する時間を短縮できると共に、粒子を分散させた後における粒子の沈降を長期間防ぐことができる。
[適用例2]
適用例1の分散液の製造方法において、
前記分散媒の表面張力が、前記粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下であることができる。
適用例2の分散液の製造方法によれば、上記の適用例1の効果をより確実に得ることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の分散液の製造方法において、
前記液面プラズマ処理または前記液中プラズマ処理を施しているときに、前記粒子の分散状態を検知する手段をさらに含むことができる。
適用例3の分散液の製造方法によれば、粒子の分散状態をリアルタイムで検知することができ、例えば所定の分散状態となったときに液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を終了することで、材料に与えるダメージを低減することができる。その結果、より品質の高い分散液を製造することが可能となる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の分散液の製造方法において、
前記液面プラズマ処理を大気圧雰囲気下で行うことができる。
適用例4の分散液の製造方法によれば、例えば真空プラズマに用いられる真空チャンバーのような大掛かりな装置を必要としないため、簡易な装置で実施することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の分散液の製造方法において、
前記液面プラズマ処理において、−90℃以上+150℃以下のプラズマを液面に照射することができる。
適用例5の分散液の製造方法によれば、−90℃以上+150℃以下の低温でプラズマ処理を施すため、材料に与えるダメージを低減することができる。その結果、より品質の高い分散液を製造することが可能となる。
[適用例6]
本発明に係る分散液の一態様は、
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の分散液の製造方法によって得られたものである。
適用例6の分散液によれば、粒子の安定な分散状態が保持されて、特に粒子を分散させた後における粒子の沈降を長期間防ぐことができる。
[適用例7]
本発明に係る分散液の製造装置の一態様は、
分散媒に粒子を分散させた分散液を製造するための装置であって、
所定の表面張力を有する前記分散媒を収容する収容部と、
前記分散媒に前記粒子を添加された後、前記収容部に収容された前記分散媒および前記
粒子に対して液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を行うためのプラズマ発生部と、
前記液面プラズマ処理または前記液中プラズマ処理を施しているときに、前記収容部内の前記分散液の状態を検知する検知部と、
を備え、
前記検知部が所定の状態を検知したときに、前記液面プラズマ処理または前記液中プラズマ処理を終了することを特徴とする。
適用例7の分散液の製造装置によれば、液面プラズマや液中プラズマの技術を利用することにより、粒子の分散に要する時間を短縮できると共に、粒子を分散させた後における粒子の沈降を長期間防止できる、分散液を製造することができる。また、粒子の分散状態をリアルタイムで検知することができ、所定の分散状態となったときに液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を終了することができるので、材料に与えるダメージを低減することができる。その結果、より品質の高い分散液を製造することが可能となる。
[適用例8]
適用例7の分散液の製造装置において、
前記分散媒の表面張力が、前記粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下であることができる。
適用例8の分散液の製造装置によれば、上記の適用例7の効果をより確実に得ることができる。
[適用例9]
適用例7または適用例8の分散液の製造装置において、
前記液面プラズマ処理を大気圧雰囲気下で行うことができる。
適用例9の分散液の製造装置によれば、例えば真空プラズマに用いられる真空チャンバーのような大掛かりな装置を必要としないため、簡易な装置とすることができる。
[適用例10]
適用例7ないし適用例9のいずれか一例の分散液の製造装置において、
前記液面プラズマ処理において、−90℃以上+150℃以下のプラズマを液面に照射することができる。
適用例10の分散液の製造装置によれば、−90℃以上+150℃以下の低温でプラズマ処理を施すため、材料に与えるダメージを低減することができる。その結果、より品質の高い分散液を製造することが可能となる。
本発明で用いられる液面プラズマ装置の概略図。 プラズマ処理時間と吸光度との関係を表すグラフ。 本発明で用いられる液中プラズマ装置の概略図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本発明における「液面プラズマ」とは、一対の電極のうち、一方の電極は分散媒中に浸しまたは分散媒の液面に接触した状態で、他方の電極は分散媒の液面上部の気中に配置さ
れた状態で電極が構成され、この両電極間に高電圧を加えてプラズマを発生させる方法をいう。
本発明における「液中プラズマ」とは、一対の電極を両方とも分散媒中に浸し、分散媒中に気泡をつくりながら分散媒中に浸された両電極に電圧を加えて気泡の中でプラズマを発生させる方法をいう。
以下、本実施の形態に係る分散液の製造装置、製造方法、およびこの製造方法によって製造される分散液の順に説明する。
1.分散液の製造装置
1.1.液面プラズマ装置
まず、本発明で用いられる液面プラズマ装置について図面を参照しながら説明する。図1に、本発明で用いられる液面プラズマ装置の概略図を示す。液面プラズマ装置100は、所定の表面張力に調整された分散媒12を収容する収容部10と、収容部10に収容された分散媒12および粒子14に対して液面プラズマ処理を行うためのプラズマ発生部20と、液面プラズマ処理を施しているときに、収容部10内の分散液の状態を検知するための検知部30と、収容部10に収容された粒子14を撹拌するための撹拌部40と、によって構成されている。
収容部10の材質は、プラズマ発生前後において分散媒12を保持できるものであれば特に制限されないが、検知部30によって分散液の状態を検知する観点から、透光性を有する材質であることが好ましい。このような材質としては、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩ビ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。収容部10の形状については、プラズマ発生部20を挿入できれば特に制限されない。
プラズマ発生部20は、分散媒12の液面上部の気中に配置された電極22と、分散媒12中に浸漬しまたは分散媒12の液面に接触した状態で配置された対向電極24と、電源26と、によって構成されている。また、図示していないが、プラズマ発生部20にガスを導入するためのガス貯留部およびガス導入管を備えてもよい。
電極22の先端部の形状は、例えば針状、中空針状、円筒状、球状、半球状、線状、平板状等が挙げられるが、低電圧でもプラズマを発生させやすい針状のものが好ましい。
電極22の材質は、導電性を有するものであれば特に制限されないが、銅、タングステン、銅タングステン、グラファイト、チタン、ステンレス、モリブデン、アルミ、鉄等が挙げられる。
対向電極24についても先端部の形状や材質は特に制限されず、電極22と同様の形状および材質とすることができる。液面プラズマでは、分散媒12が電極と同じような働きをしているので、導電性があり、分散媒12と化学反応等作用しないものであれば電極として問題なく使用することができる。
プラズマ発生部20において、液面プラズマの発生に使用する電源26は、直流電源、パルス電源、低周波・高周波交流電源、マイクロ波電源等の方式を用いることができる。その中でも安価で高電圧を簡便に得ることができ、整合回路を必要としない50Hzや60Hzの交流電源が好ましく、具体的にはインバーター式ネオン変圧器や巻線式ネオン変圧器を用いることが好ましい。
プラズマ発生部20では、電極22と分散媒12の液面との間でプラズマが生成され、
液面に直接作用することになる。電極22と分散媒12の液面との間、すなわちプラズマが生成される部分に上記のガス貯留部に接続されたガス導入管から任意のガスを導入しながら放電することもできる。このようなガスの原料としては、例えば酸素(O)、窒素(N)、空気(少なくとも窒素(N)および酸素(O)を含む)、水蒸気(HO)、亜酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等が挙げられる。これらのガスは、1種単独で導入してもよいし、2種以上混合したものを導入してもよい。
プラズマ発生部20において、プラズマの発生量は、電極22と分散媒12との距離、および印加電圧に左右される。電極22と分散媒12との距離および印加電圧については特に制限されないが、距離が短ければ印加電圧は低く、距離が長ければ印加電圧は高くなる。距離は、通常は電極22から僅かでも離れた状態であればよいが、0mmを超えて50mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることがより好ましい。また、印加電圧は、安全性と電極の消耗等を考慮しながら、一定の印加ができるように0kVを超えて30kV以下で行うことが好ましく、1kV以上10kV以下で行うことがより好ましい。
プラズマ発生部20は、真空下でプラズマを発生させて照射する機構を備えたものであってもよいし、大気圧下でプラズマを発生させて照射する機構を備えたものであってもよいが、大気圧下でプラズマを発生させて照射する機構を備えたものが好ましい。大気圧下でプラズマを発生させる場合には、プラズマ発生部20に真空チャンバーのような減圧機構を設けることが不要となり装置の小型化が図れることから、後述するプラズマ処理工程をインラインで行えるという利点がある。
プラズマ発生部20によってプラズマ処理を施す際には、−90℃以上+150℃以下の低温プラズマを液面に照射することが好ましい。−90℃以上+150℃以下の低温でプラズマ処理を施すことにより、材料に与えるダメージを低減することができる。その結果、より品質の高い分散液を製造することが可能となる。
検知部30は、プラズマ発生部20において液面プラズマ処理を施しているときに、収容部10内の分散液の分散状態を検知できるようになっている。例えば検知部30は、レーザー光照射部32と、収容部10を通過させたレーザー光を受光する受光素子34と、受光素子34によって得られたデータをデジタル変換する変換部36と、それを解析するためのPC38と、によって構成されることができる。かかる検知部30によれば、受光素子34として分光光度計を用い、レーザー光照射部32から照射されたレーザー光を用いた透過光強度の変化を受光素子34で捉えることにより、収容部10内の粒子14の分散状態を検知することができる。具体的には、あらかじめ処理時間5時間以上の予備実験を実施しておき、図2に示すようなプラズマ処理時間と吸光度との関係を表すグラフを作成しておく。そして、例えば吸光度が変化全体の50%(図2で言えば、変化量ΔのΔ/2となる吸光度)となった時点を懸濁開始とみなし、検知部30によってその吸光度が感知された時点で液面プラズマ処理を終了するようにプログラムすることができる。
検知部30は、上記の方法以外にも以下に示す(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)レーザー光照射部32から分散液中の粒子14にレーザー光を照射し、その粒子14によって散乱または反射された光を受光素子34(光検出器)により電気信号として取り出し、分散液中の分散状態を検知する方法。
(2)プラズマ処理時における分散液の画像を逐次取得し、得られた画像を解析して所定の分散状態となった時点を懸濁開始とみなす方法。
(3)超音波照射部から分散液中の粒子に超音波を照射しながら、超音波の減衰の程度から分散液の分散状態を検知する方法。
撹拌部40は、収容部10に収容された粒子14を機械的に分散するための装置である。撹拌部40は必須ではないが、分散効果を一層高める観点から、液面プラズマ処理と機械的分散処理を併用することが好ましい。撹拌部40は、収容部10に収容された粒子14を機械的に分散できるものであれば特に制限されない。撹拌部40としては、例えばマグネチックスターラー、超音波照射、ホモジナイザー、ビーズミル等が挙げられる。これらの撹拌手段の中でも、マグネチックスターラーと超音波照射を併用する手段が好ましい。特に超音波照射は、分散液中に超音波振動を与えることで圧力差により微小な気泡(キャビテーション)を発生させ、分散液中の粒子14に繰り返し激しい衝撃を与えることによって分散性を大幅に向上させることができる。
超音波照射において、超音波の周波数は、通常洗浄に用いられる程度の15〜150kHzであり、処理能力と設置のコストを考慮すると、30〜50kHzが好ましい。出力は処理しようとする量に依存するが、通常市販されている2500W以下のものを用いればよく、分散性とコストを考慮すれば1200W以下のものが好ましい。
1.2.液中プラズマ装置
次に、本発明で用いられる液中プラズマ装置について図面を参照しながら説明する。図3に、本発明で用いられる液中プラズマ装置の概略図を示す。液中プラズマ装置200は、所定の表面張力に調整された分散媒112を収容する収容部110と、収容部110に収容された分散媒112および粒子114に対して液中プラズマ処理を行うためのプラズマ発生部120と、液中プラズマ処理を施しているときに、収容部110内の分散液の状態を検知するための検知部130と、収容部110に収容された粒子114を撹拌するための撹拌部140と、によって構成されている。
液中プラズマ装置200において、プラズマ発生部120以外の構成は、液面プラズマ装置100と同様であるため説明を省略する。
プラズマ発生部120は、分散媒112中に浸漬しまたは分散媒112の液面に接触した状態で配置された一対の電極122および電極124と、電源126と、によって構成されている。また、図示していないが、プラズマ発生部120にガスを導入するためのガス貯留部およびガス導入管を備えてもよい。
電極122および電極124の先端部の形状は、例えば針状、中空針状、円筒状、球状、半球状、線状、平板状等が挙げられるが、低電圧でもプラズマを発生させやすい針状のものが好ましい。電極122および124の先端部は、必ずしも揃っている必要はなく、液中プラズマを発生させることができる程度に段差が生じていてもよい。
電極122および124の材質は、導電性を有するものであれば特に制限されないが、銅、タングステン、銅タングステン、グラファイト、チタン、ステンレス、モリブデン、アルミ、鉄、ニッケル、白金、金等が挙げられる。
プラズマ発生部120において、液中プラズマの発生に使用する電源126は、直流電源、パルス電源、低周波・高周波交流電源、マイクロ波電源等の方式を用いることができる。その中でも安価で高電圧を簡便に得ることができ、整合回路を必要としない50Hzや60Hzの交流電源が好ましく、具体的にはインバーター式ネオン変圧器や巻線式ネオン変圧器を用いることが好ましい。
プラズマ発生部120では、電極122と電極124との間に電圧が印加されると、電圧印加による熱によって電極122および電極124において分散媒が気化し、分散媒中
に気泡が生じる。そして、その気泡によって電極122と電極124との間で放電が生じ、気泡内にプラズマが発生する。プラズマが生成される部分に上記のガス貯留部に接続されたガス導入管から任意のガスを導入しながら放電することもできる。このようなガスの原料としては、例えば酸素(O)、窒素(N)、空気(少なくとも窒素(N)および酸素(O)を含む)、水蒸気(HO)、亜酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等が挙げられる。これらのガスは、1種単独で導入してもよいし、2種以上混合したものを導入してもよい。
電極122および電極124の直径は、液中プラズマの安定性を高める観点から、1mm以下であることが好ましく、0.2〜1mmであることがより好ましい。また、印加電圧は、安全性と電極の消耗等を考慮しながら、一定の印加ができるように0kVを超えて30kV以下で行うことが好ましく、1kV以上10kV以下で行うことがより好ましい。
2.分散液の製造方法
本実施の形態に係る分散液の製造方法は、所定の表面張力に調整した分散媒を準備し、前記分散媒に粒子を添加した後、液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、前記粒子を前記分散媒に分散させることを特徴とする。本実施の形態に係る分散液の製造方法によれば、液面プラズマや液中プラズマの技術を利用することにより、粒子の分散に要する時間を短縮できると共に、粒子を分散させた後における粒子の沈降を長期間防ぐことができる。
以下、各工程ごとに詳細に説明する。
2.1.分散媒準備工程
まず、分散媒を準備する。分散媒の種類については、特に制限されない。分散媒の表面張力は、所定の表面張力、たとえば、後に添加する粒子の表面自由エネルギーに対して、好ましくは−1.0mN/m以上+30mN/m以下、より好ましくは−0.5mN/m以上+20mN/m以下、特に好ましくは−0.5mN/m以上+18.7mN/m以下となるように調整される。分散媒の表面張力と粒子の表面自由エネルギーとの関係が上記範囲となるように調整されることで、分散媒と粒子との濡れ性が制御されるため、粒子の分散に要する時間をさらに短縮できると共に、粒子を分散させた後における粒子の沈降を長期間防ぐという効果をより確実に得ることができる。
分散媒としては、水、有機溶媒、水と水溶性有機溶媒の混合物等が挙げられ、特に制限されない。水と水溶性有機溶媒とを任意の割合で混合することにより、分散媒の表面張力を調整することができる。また、分散媒に界面活性剤を添加して表面張力を調整してもよい。しかしながら、本実施の形態に係る分散液の製造方法によれば、界面活性剤や分散剤を添加しなくても容易に粒子を分散させることが可能であり、界面活性剤や分散剤を添加しなくても良好な分散系を製造できる点に大きなメリットがある。界面活性剤や分散剤は、粒子の分散安定性に確かに寄与するが、分散系を塗料、インク、筆記具、紙、プラスチック、布、建材、電気製品、電子材料、医薬品、化粧品、セラミック等に応用する場合には機能を阻害する可能性が否定できない。したがって、分散媒には界面活性剤や分散剤を添加しないことが望ましい。
2.2.粒子添加工程
次いで、所定の表面張力に調整された分散媒に分散させる粒子を添加する。分散媒に分散させる粒子の材質についても特に制限されず、用途に応じて無機物や有機物等の様々な粒子を使用することができる。
添加する粒子の粒子径についても特に制限されないが、0.01〜10μm程度の粒子径であれば本願発明の効果が得られやすい。
2.3.プラズマ処理工程
次いで、上述の液面プラズマ装置または液中プラズマ装置を用いて、液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、粒子を分散媒中に分散させる。粒子の比重が分散媒の比重よりも大きく沈んでしまうような場合には液中プラズマ処理を、粒子の比重が分散媒の比重よりも小さく浮いているような場合には液面プラズマ処理を施すとよい。
本実施の形態に係る分散液の製造方法は、液状粒子が分散媒中に分散された液/液分散系、乳化重合によって得られたポリマー粒子分散系、樹脂分散系等を製造する際にも使用できると考えられる。
3.分散液
本実施の形態に係る分散液は、上述の分散液の製造方法によって得られることを特徴とする。すなわち、本実施の形態に係る分散液は、所定の表面張力に調整された分散媒を準備し、前記分散媒に粒子を添加した後、液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、前記粒子を前記分散媒に分散させた分散液である。
本実施の形態に係る分散液によれば、液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、粒子の分散に要する時間を短縮できると共に、粒子を分散させた後における粒子の沈降を長期間防ぐことができる。また、界面活性剤や分散剤を添加しなくても容易に粒子を分散させることが可能であり、界面活性剤や分散剤を添加しなくても良好な分散系を製造することができる。
本実施の形態に係る分散液は、例えば以下の材料に応用することができる。
3.1.塗料およびインク
本実施の形態に係る分散液は、塗料やインクに応用することができる。この場合、分散液中に分散させる粒子としては、無機顔料、有機顔料、分散染料等が挙げられる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、群青、紺青、酸化クロム等が挙げられる。これらの無機顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染料レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192
、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232;C.I.ディスパースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142;C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328;C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77;C.I.ディスパースグリーン9;C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19;C.I.ディスパースブルー3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333C.I.ディスパースブラック1、3、10、24等が挙げられる。これらの分散染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記粒子を分散させるための分散媒としては、例えば水;エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のカルビトール類;エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル類;グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール類;2−ピロリドン、2−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類;マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類が挙げられる。これらの分散媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
3.2.遮光塗料
本実施の形態に係る分散液は、電子部品等に使用される遮光塗料に応用することができる。この場合、分散媒中に分散させる粒子としては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、酸化鉄、二酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム等が挙げられる。
上記粒子をグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキサイド、脂環族エポキサイド等のエポキシ樹脂に分散させることにより遮光塗料が得られる。したがって、遮光塗料は、上記粒子を上記エポキシ樹脂に直接添加して、本実施の形態に係る分散液の製造方法により製造することができるが、上記粒子が有機溶媒中に分散されたスラリーをエポキシ樹脂に添加することも可能である。このスラリーを作製する際にも、本実施の形態に係る分散液の製造方法を使用することができる。
上記スラリーを作製する際に使用可能な有機溶媒としては、上記エポキシ樹脂との相溶性が良好なものであれば特に制限されないが、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等の公知の低極性有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒等の公知の極性有機溶媒が挙げられる。
3.3.化粧品
本実施の形態に係る分散液は、清浄用化粧料、頭髪用化粧料、基礎化粧料、メークアップ化粧料、芳香化粧料、日焼け止め化粧料、爪化粧料、アイライナー化粧料、口唇化粧料、入浴化粧料等の化粧料に応用することができる。この場合、分散液中に分散させる粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、マイカ、無水ケイ酸、ナイロンパウダー、ポリアクリル酸アルキル、アルミナ、酸化鉄等の無機粉体が挙げられる。
上記粒子を分散させるための分散媒としては、スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素;コーン油、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、紅花油、アボガド油、オリブ油、ヤシ油、牛脂、豚油、ミンク油等の動植物油;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル等の合成エステル;ホホバ油、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モクロウ、ミツロウ等の天然動植物ワックス;エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等のアルコール類;水等が挙げられる。
上記分散媒には、通常化粧料に用いられる添加剤を適宜配合してもよい。このような添加剤としては、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、トリオレイン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ショ糖エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等シリコーン油またはその誘導体;パーフルオロポリエーテル等のフッ素系樹脂;カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等の水溶性高分子;コラーゲン、エラスチン、シルク、ラクトフェリン等の蛋白およびその加水分解物;紫外線吸収剤、ビタミン類、抗炎症剤、アミノ酸類およびその誘導体、レシチン、着色料、香料、防腐剤等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
[実施例1〜2、比較例1〜2]
ポリエチレン(PE)粒子0.1g(三井化学株式会社製、製品名「ミペロ XM−2
20」、平均粒子径30μm、表面自由エネルギー31mJ/m)を図1に示した構成を備えた液面プラズマ装置を用いて下記条件にて分散させた。なお、使用した液面プラズマ装置の撹拌部40には、マグネチックスターラーおよび超音波照射を併用できる装置を用いた。
<分散媒>
下記の分散媒を貯留槽に1リットル入れた。
・実施例1:水80体積%およびアセトン20体積%の混合物
・実験例2:水60体積%およびアセトン40体積%の混合物
・比較例1:水100体積%
・比較例2:アセトン100体積%
なお、分散媒の表面張力は、測定温度25℃においてWilhelmy法を測定原理とする表面張力計(協和界面科学株式会社製、「DY−700」)を用いて測定した。各分散媒の表面張力の値を表1に併せて示した。
<液面プラズマ条件>
・電源:インバーター式ネオン変圧器(60Hz)
・液面上部電極:タングステン(針状、直径1mm)
・液中に浸漬した対向電極:アルミテープ(平板状)
・液面上部電極と水面間の距離:5mm
・印加電圧:3kV
・貯留槽:1リットルビーカー(ガラス製)
なお、ポリエチレン粒子が反応中に容器底に溜まるのを防ぐため、穏やかにマグネチックスターラーにて撹拌し、10分ごとに超音波による撹拌を1分間行った。
<分散処理時間>
・液面プラズマ処理時間は最大5時間とした。
<評価方法>
懸濁開始したところでプラズマ処理を終了し、そこから1日放置して分散状態を目視観察した。懸濁開始の判断については、以下のようにして行った。まず、あらかじめ分散処理時間を5時間以上とした予備実験を行い、図2に示すようなプラズマ処理時間と吸光度との関係を表すグラフを用意した。このグラフにおいて、吸光度が変化率ΔのΔ/2となった時点を懸濁開始とみなし、検知部において所定の吸光度となった時点でプラズマ処理を終了した。懸濁開始時の吸光度と1日放置後の吸光度との差が±10%以内であれば良好であると判断して「○」、±10%を超える場合には「×」と表中に記載した。
<評価結果>
表1に、実施例1〜2、比較例1〜2の結果を示す。
Figure 2015160151
実施例1では、分散媒として水80体積%およびアセトン20体積%を混合して表面張力を45.2mN/mに調整した分散媒を使用した。分散媒の表面張力(45.2mN/m)がポリエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしており、懸濁開始までの時間は2.3時間となり、比較例1よりも短縮された。また、懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
実施例2では、分散媒として水60体積%およびアセトン40体積%を混合して表面張力を33.6mN/mに調整した分散媒を使用した。分散媒の表面張力(33.6mN/m)がポリエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしており、懸濁開始までの時間は1.1時間となり、実施例1よりもさらに短縮された。また、懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
比較例1では、分散媒として水100体積%を使用したが、懸濁開始までに3.2時間を要した。懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
比較例2では、分散媒としてアセトン100体積%を使用したが、ポリエチレン粒子を分散媒に添加した後すぐに懸濁開始の状態となった。懸濁開始から1日放置すると、ポリエチレン粒子が沈降してしまい、分散状態が不良となった。
[実施例3〜5、比較例3〜4]
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子0.1g(ファインテック株式会社製、製品名「HMP−40」、平均粒子径40μm、表面自由エネルギー18.5mJ/m)を図1に示した構成を備えた液面プラズマ装置を用いて下記条件にて分散させた。なお、使用した液面プラズマ装置の撹拌部40には、マグネチックスターラーおよび超音波照射を併用できる装置を用いた。
<分散媒>
下記の分散媒を貯留槽に1リットル入れた。
・実施例3:水80体積%およびアセトン20体積%の混合物
・実施例4:水60体積%およびアセトン40体積%の混合物
・実施例5:水40体積%およびアセトン60体積%の混合物
・比較例3:水20体積%およびアセトン80体積%の混合物
・比較例4:水100体積%
<液面プラズマ条件>
上記実施例1〜2、比較例1〜2と同様の条件とした。
<分散処理時間>
・液面プラズマ処理時間は最大5時間とした。
<評価方法>
上記実施例1〜2、比較例1〜2と同様の評価方法により評価を行った。
<評価結果>
表2に、実施例3〜5、比較例3〜4の結果を示す。
Figure 2015160151
実施例3では、分散媒として水80体積%およびアセトン20体積%を混合して表面張力を45.2mN/mに調整した分散媒を使用した。分散媒の表面張力(45.2mN/m)がポリテトラフルオロエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしており、懸濁開始までの時間は3.9時間となり、比較例3よりも短縮された。また、懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
実施例4では、分散媒として水60体積%およびアセトン40体積%を混合して表面張力を33.6mN/mに調整した分散媒を使用した。分散媒の表面張力(33.6mN/m)がポリテトラフルオロエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしており、懸濁開始までの時間は2.1時間となり、実施例3よりもさらに短縮された。また、懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
実施例5では、分散媒として水40体積%およびアセトン60体積%を混合して表面張力を22.2mN/mに調整した分散媒を使用した。分散媒の表面張力(22.2mN/m)がポリテトラフルオロエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしており、懸濁開始までの時間は1.6時間となり、実施例4よりもさらに短縮された。また、懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
比較例3では、分散媒として水20体積%およびアセトン80体積%を混合して表面張力を15.1mN/mに調整した分散媒を使用した。ポリテトラフルオロエチレン粒子を添加するとすぐに懸濁した。すなわち、懸濁開始までの時間は0時間であった。しかし、分散媒の表面張力(15.1mN/m)がポリテトラフルオロエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしていないため、懸濁開始から1日放置後に粒子の沈降が認められた。
比較例4では、分散媒として水100体積%を使用したが、分散媒の表面張力(72.
7mN/m)がポリテトラフルオロエチレン粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下の関係を満たしていないため、懸濁開始までに5.0時間を要した。懸濁開始から1日放置後の分散状態は良好であった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10・110…収容部、12・112…分散媒、14・114…粒子、20・120…プラズマ発生部、22・24・122・124…電極、26・126…電源、30・130…検知部、32・132…レーザー光照射部、34・134…受光素子、36・136…変換部、38・138…PC、40・140…撹拌部、100…液面プラズマ装置、200…液中プラズマ装置

Claims (10)

  1. 所定の表面張力に調整された分散媒を準備し、
    前記分散媒に粒子を添加した後、
    液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を施すことにより、前記粒子を前記分散媒に分散させる、分散液の製造方法。
  2. 前記分散媒の表面張力が、前記粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下である、請求項1に記載の分散液の製造方法。
  3. 前記液面プラズマ処理または前記液中プラズマ処理を施しているときに、前記粒子の分散状態を検知する手段をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の分散液の製造方法。
  4. 前記液面プラズマ処理を大気圧雰囲気下で行う、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の分散液の製造方法。
  5. 前記液面プラズマ処理において、−90℃以上+150℃以下のプラズマを液面に照射する、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の分散液の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の分散液の製造方法によって得られた分散液。
  7. 分散媒に粒子を分散させた分散液を製造するための装置であって、
    所定の表面張力を有する前記分散媒を収容する収容部と、
    前記分散媒に前記粒子を添加された後、前記収容部に収容された前記分散媒および前記粒子に対して液面プラズマ処理または液中プラズマ処理を行うためのプラズマ発生部と、
    前記液面プラズマ処理または前記液中プラズマ処理を施しているときに、前記収容部内の前記分散液の状態を検知する検知部と、
    を備え、
    前記検知部が所定の状態を検知したときに、前記液面プラズマ処理または前記液中プラズマ処理を終了することを特徴とする、分散液の製造装置。
  8. 前記分散媒の表面張力が、前記粒子の表面自由エネルギーに対して−1.0mN/m以上+30mN/m以下である、請求項7に記載の分散液の製造装置。
  9. 前記液面プラズマ処理を大気圧雰囲気下で行う、請求項7または請求項8に記載の分散液の製造装置。
  10. 前記液面プラズマ処理において、−90℃以上+150℃以下のプラズマを液面に照射する、請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の分散液の製造装置。
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