以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る車両用操作装置は、二輪車、建設機械(建機)又は農業機械(農機)などの車両に配設され、車両又は車両が具備する装備(種々電装品や液晶パネル等の表示装置を含む)に対する操作が可能なもので、図1、2に示すように、前後左右に対する揺動操作、押圧操作及び回転操作が可能とされたダイヤル操作手段1と、押圧操作が可能な操作手段2と、ダイヤル操作手段1及び押圧操作手段2が配設された筐体部3と、カラー部材4と、規制部材6と、揺動部材9と、回転部材10と、従動部材11とを有して構成されている。
筐体部3は、構成部品等を内部に収容可能なケース部材Cと、該ケース部材Cの開口を覆うカバー部材Kとを有して構成されている。ケース部材Cは、車両に搭載されたバッテリ等との電気的接続が可能なカプラ部Caが一体形成されるとともに、車両の所望位置に固定可能な樹脂製部品から成る。カバー部材Kは、その略中央に軸部Lを挿通可能な開口部Kbが形成されるとともに、当該開口部Kbの周囲には、操作者が押圧可能な複数の押圧部Kaが複数形成されている。
本実施形態に係るカバー部材Kは、その押圧部Kaに操作内容を示す所望図柄や記号等が表示されており、それぞれの表示が光を透過可能とされているとともに、開口部Kbの周縁部Kcが光を透過可能とされている。なお、カバー部材Kにおける押圧部Kaの表示部及び周縁部Kc以外は、光が透過しないようになっている。しかして、カバー部材Kは、その押圧部Kaに表示された所望図柄や記号等において筐体部3内からの光(光源h1からの光)が透過して発光し得るとともに、ダイヤル操作手段1の周囲に位置する周縁部Kcも筐体部3内からの光(光源h2からの光)が透過して発光し得るよう構成されている。
ダイヤル操作手段1は、前後方向(図1中αで示す方向)及び左右方向(同図中βで示す方向)に対する揺動操作、押圧操作及び回転操作が可能なもので、軸部Lが取り付けられている。かかる軸部Lは、図6に示すように、取付凹部La、挿通孔Lb及び挿通孔Lcが形成された棒状部材から成るとともに、筐体部3(カバー部材K)に形成された開口部Kbに挿通して組み付けられ、ダイヤル操作手段1の揺動操作、押圧操作及び回転操作に伴って揺動、摺動及び回転し得るようになっている。
また、軸部Lに形成された取付凹部Laには、磁石m1が取り付けられており、ダイヤル操作手段1の操作に伴う軸部Lの揺動、摺動及び回転と共に磁石m1が移動し得るよう構成されている。なお、軸部Lに形成された挿通孔Lcにピンaを挿通させることによりダイヤル操作手段1と軸部Lとが連結されるとともに、軸部Lに形成された挿通孔Lbにピンbを挿通させることにより軸部Lが揺動部材9に対して揺動可能に連結されるようになっている。
カラー部材4は、図3、4に示すように、筐体部3(カバー部材K)の開口部Kbと軸部Lとの間に介在して取り付けられ、軸部Lの揺動、摺動及び回転を許容しつつ防水可能なもので、図7に示すように、上端部に形成されたフランジ部4aと、下端部に突出形成された4本の突出部位4bと、中央を軸方向に貫通した貫通孔4cとを有して構成されている。また、カラー部材4には、当該カラー部材4と軸部Lとの間を防水し得るOリングから成る防水手段5が取り付けられている。
すなわち、カラー部材4の貫通孔4cの内周面には、防水手段5が取り付けられるとともに、当該貫通孔4cに軸部Lが挿通して組み付けられているので、カラー部材4と軸部Lとの間を防水手段5にて防水可能とされているのである。そして、ダイヤル操作手段1の揺動操作に伴い軸部Lが揺動すると、カラー部材4が追従して動作することとなり、防水手段5による防水が維持されることとなる。
また、ダイヤル操作手段1が押圧操作されると、カラー部材4は動作せず軸部Lが貫通孔4c内で上下に摺動することとなり、ダイヤル操作手段1が回転操作されると、カラー部材4は動作せず(規制部材6による規制によって動作しない)軸部Lが貫通孔4c内で回転(軸周りの回転)することとなるので、何れも防水手段5による防水が維持されるようになっている。
規制部材6は、軸部Lの揺動に伴うカラー部材4の移動を許容するとともに、当該軸部Lの回転に伴うカラー部材4の回転を規制するもので、図9に示すように、カラー部材4の突出部位4bに対応する位置に切欠き部6aが形成された円環状部品から成る。かかる規制部材6は、図10に示すように、切欠き部6aにカラー部材4の突出部位4bを嵌入させた状態にて取り付けられており、ダイヤル操作手段1の揺動操作時、突出部位4bが切欠き部6a内で移動することにより、軸部Lの揺動に伴うカラー部材4の移動を許容するとともに、ダイヤル操作手段1の回転操作時、突出部位4bが切欠き部6aと干渉することにより、軸部Lの回転に伴うカラー部材4の回転を規制し得るようになっている。
なお、本実施形態に係る規制部材6は、光を透過し得る部材(例えば、透明樹脂材)から成り、ケース部材C内に配設された光源h2(図19参照)から照射された光を透過し、カバー部材Kの開口部Kbの周縁部Kcを発光させ得るよう構成されている。すなわち、光源h2は、ケース部材C内の基板12に取り付けられたLEDから成り、通電により光を照射すると、その光が規制部材6を透過してカバー部材Kに至り、当該カバー部材Kにおける開口部Kbの周縁部Kc(ダイヤル操作手段1の周囲)を発光させ得るようになっている。なお、ケース部材C内においては、光源h2と規制部材6との間、及び規制部材6と周縁部Kcとの間の光源h2からの光の照射経路が確保されている。
また、カラー部材4の下方には、バネ受け部材7が取り付けられており、当該バネ受け部材7とカバー部材4との間にはリターンスプリングとしてのコイルスプリング8が取り付けられている。これにより、ダイヤル操作手段1が押圧操作されると、コイルスプリング8の付勢力に抗して軸部Lが移動し、押圧操作力を緩めると、当該付勢力によってダイヤル操作手段1及び軸部Lが初期位置に戻るようになっている。
さらに、バネ受け部材7の下方には、小ケース部材Dが取り付けられており、当該小ケース部材Dの内部には、揺動部材9と、回転部材10と、従動部材11とが収容されている。揺動部材9は、ダイヤル操作手段1の揺動操作に伴って揺動可能なもので、図13、14に示すように、2つの取付孔9a及び2つの取付孔9bが形成された円環状部品から成り、取付穴9bが形成された部位には、側方に突出した突出部9cが形成されている。
回転部材10は、ダイヤル操作手段1の回転操作に伴って回転可能とされるとともに、押圧操作に伴って押圧方向に移動可能とされたもので、図11、12に示すように、周方向に亘って形成された凹凸形状10aと、周方向に亘って形成され、ダイヤル操作手段1の押圧方向(軸部Lの軸方向)に対して凹凸形状10aと連なって形成された段部10acと、従動部材11を取り付けるための取付穴10bと、ピンc(図15参照)を挿通するための挿通孔10cと、揺動部材9の突出部9cを回転可能に嵌入可能な凹部10dとが形成された部品から成る。
そして、回転部材10の内部には、図15、16に示すように、揺動部材9が揺動自在に取り付けられている。具体的には、軸部Lは、図15に示すように、ピンbにて揺動部材9に対して揺動可能に連結されるとともに、揺動部材9は、ピンcにて回転部材10に対して揺動可能に連結されている。なお、ピンbは、軸部Lの挿通孔Lb(図6参照)及び揺動部材9の取付孔9a(図14参照)に挿通され、ピンcは、揺動部材9の取付孔9b(図14参照)と及び回転部材10の挿通孔10c(図11、12参照)に挿通されている。
これにより、ダイヤル操作手段1が左右方向βに揺動する際、揺動部材9及び回転部材10が停止状態で、且つ、軸部Lがピンbを中心として揺動するとともに、ダイヤル操作手段1が前後方向αに揺動する際、回転部材10が停止状態で、且つ、軸部Lが揺動部材9と共にピンcを中心として揺動することとなる。すなわち、軸部Lは、ピンbを中心として左右方向βに揺動し得るとともに、ピンcを中心として前後方向αに揺動し得るよう構成されているのである。
さらに、回転部材10の凹部10dには、揺動部材9の突出部9cが嵌入して組み付けられており、ダイヤル操作手段1の回転操作に伴って軸部Lが回転すると、揺動部材9と共に回転部材10が同方向に回転するとともに、ダイヤル操作手段1の押圧操作に伴って軸部Lがその軸方向に移動すると、揺動部材9と共に回転部材10が同方向に移動するよう構成されている。すなわち、揺動部材9は、ダイヤル操作手段1の揺動操作を許容しつつ当該ダイヤル操作手段1の回転操作及び押圧操作に伴う操作力を回転部材10に伝達して動作させ得るのである。
一方、回転部材10の外周面に形成された凹凸形状10aは、凹部10aaと凸部10abとが交互に且つ連続的に形成されており、凹部10aaには、図16に示すように、バネ部材21で付勢されたボール状部材20(嵌合部材)が嵌合し得るようになっている。かかるボール状部材20(嵌合部材)は、筐体部3の小ケース部材D内に配設されるとともに、バネ部材21によって凹凸形状10aに向かって常時付勢されて組み付けられている。
しかして、ボール状部材20(嵌合部材)は、ダイヤル操作手段1の回転操作時に凹凸形状10を構成する凸部10abを乗り上げて節度を付与可能とされるとともに、ダイヤル操作手段1の押圧操作時に段部10acを乗り上げて節度を付与可能とされている。すなわち、ボール状部材20は、ダイヤル操作手段1が操作されない状態では、凹部10aaに嵌合されており、ダイヤル操作手段1の回転操作に伴って回転部材10が回転すると、その回転方向に隣接した凸部10abを乗り上げて節度が付与されるとともに、ダイヤル操作手段1の押圧操作に伴って回転部材10が軸部Lの軸方向に移動すると、その軸方向に隣接した段部10acを乗り上げて節度が付与されるのである。なお、ボール状部材20に代えて、突起状部材(ピン形状部材)から成るものとしてもよい。
従動部材11は、回転部材10の回転と共に回転し得るもので、図17、18に示すように、回転部材10の取付穴10bに嵌入可能な凸部11aと、回転方向に亘って複数形成された取付穴11bとが形成された円環状部品から成る。また、複数の取付穴11bには、図18に示すように、それぞれ磁石m2が取り付けられており、ダイヤル操作手段1の回転操作と共に複数の磁石m2が回転し得るよう構成されている。
また、ケース部材Cにおける従動部材11の下方には、基板12が取り付けられている。かかる基板12は、所定の電気回路が印刷されており、図19に示すように、軸部Lや回転部材10等と対向する面(表面)に4つのマイクロスイッチ17(スイッチ手段)、4つの光源h1(LED)及び4つの光源h2(LED)が取り付けられており、反対の面(裏面)にICチップ等が取り付けられている。
本実施形態に係る基板12には、ダイヤル操作手段1の揺動操作に基づく磁石m1からの磁力変化を非接触で検出し、当該ダイヤル操作手段1が揺動操作されたことを検出し得る磁気角度センサ13(第1検出手段)と、ダイヤル操作手段1の押圧操作に基づく磁石m1からの磁力変化を非接触で検出し、当該ダイヤル操作手段1が押圧操作されたことを検出し得るホールICセンサ14(第2検出手段)と、磁石m2からの磁力変化を非接触で検出し、ダイヤル操作手段1が回転操作されたことを検出し得る磁気センサ15(第3検出手段)とが取り付けられている。
磁気角度センサ13(第1検出手段)は、基板12の表面に取り付けられ、軸部Lに取り付けられた磁石m1からの磁力の方向(磁気角度)の変化を検出し得るもので、ダイヤル操作手段1が前後方向α又は左右方向βに揺動操作されて軸部Lが同方向に揺動し、磁石m1が同方向に移動するのに伴って磁気角度が変化すると、その磁気角度の変化を検出して車両側に所定の電気信号を送信し、ダイヤル操作手段1の揺動操作に伴う操作を行わせ得るよう構成されている。
ホールICセンサ14(第2検出手段)は、基板12の裏面に取り付けられ、軸部Lに取り付けられた磁石m1からの磁力の変化を検出し得るもので、ダイヤル操作手段1が押圧操作されて軸部Lが移動し、磁石m1が同方向に移動するのに伴って磁力が変化すると、その磁力の変化を検出して車両側に所定の電気信号を送信し、ダイヤル操作手段1の押圧操作に伴う操作を行わせ得るよう構成されている。
磁気センサ15(第3検出手段)は、基板12の表面に取り付けられ、従動部材11に取り付けられた磁石m2の磁力を検出し得るもので、例えばホールICセンサにて構成される。かかる磁気センサ15は、従動部材11が回転した際に複数の磁石m2が順次通過する位置に取り付けられており、従動部材11が回転すると、磁石m2が通過する度に磁力のピークを検出し、パルス信号として検出されるようになっている。
これにより、磁気センサ15は、ダイヤル操作手段1が回転操作されて従動部材11と共に複数の磁石m2が回転すると、その回転角度に応じたパルス信号を検出して車両側に所定の電気信号を送信し、ダイヤル操作手段1の回転操作に伴う操作を行わせ得るよう構成されている。すなわち、磁気センサ15にてパルス信号を検出することによりダイヤル操作手段1の回転操作を検出することができるとともに、そのパルス信号のパルスの数を検出することにより、ダイヤル操作手段1の回転角度を検出することができるのである。
ここで、本実施形態に係る磁気角度センサ13(第1検出手段)及びホールICセンサ14(第2検出手段)は、図19に示すように、筐体部3内に配設された基板12の表裏面にそれぞれ配設されており、且つ、図3、4に示すように、初期状態にある軸部Lの軸線方向に積層状態にて配設されている。そして、軸部Lの揺動に伴う磁石m1の磁気変化を基板12の表面に取り付けられた磁気角度センサ13にて検出し、軸部Lの軸方向への移動に伴う磁石m1の磁気変化を基板12の裏面に取り付けられたホールICセンサ14にて検出し得るようになっている。
一方、カバー部材Kの押圧部Kaの裏面側には、図5に示すように、それぞれ押圧操作手段2が配設されている。かかる押圧操作手段2は、押圧部Kaのそれぞれに対応した位置に配設されたスイッチ機構から成り、図23、24に示すように、光源h1(図19参照)の光を導くことが可能な導光体16と、押圧操作により動作可能な作動部17aを有するマイクロスイッチ17(スイッチ手段)と、押圧操作に伴ってマイクロスイッチ17を操作し得る操作部18とを有して構成されている。
導光体16は、図20に示すように、上端に被押圧部16aが形成されるとともに、下端に受光部16bが形成された一体成形部品から成る。そして、導光体16が筐体部3に組み付けられると、その上端に位置する被押圧部16aがカバー部材Kの押圧部Kaのそれぞれに対応した部位に当接し、当該押圧部Kaに対する押圧力が伝わって導光体16全体を押圧方向(図3、4における下方)に移動可能とされている。なお、導光体16には、コイルスプリング16cが取り付けられており、押圧操作力を緩めると、コイルスプリング16cの付勢力にて初期位置に戻るようになっている。
また、導光体16が筐体部3に組み付けられると、その下端に位置する受光部16bが光源h1と対向し、当該光源h1からの光を被押圧部16aまで導いて、カバー部材Kの押圧部Kaに表示された所望図柄や記号等を発光させ得るようになっている。なお、光源h1は、基板12に取り付けられたLEDから成り、押圧操作手段2が組み付けられると、導光体16の受光部16bに対して所定寸法離間しつつ対向した状態とされるよう構成されている。しかして、導光体16は、押圧部Kaに対する押圧操作に伴って移動し得るとともに、筐体部3に配設された光源h1からの光を導いてカバー部材Kの所望図柄や記号等を発光可能とされている。
マイクロスイッチ17(スイッチ手段)は、導光体16の移動に伴って操作部18が移動することによりオン・オフ可能とされ、押圧操作手段2に対する押圧操作を検出可能なもので、図19に示すように、基板12上の所定位置(操作部18が組み付けられる部位)に形成されている。すなわち、操作者がカバー部材Kにおける任意の押圧部Kaを押圧すると、その押圧部Kaに対応したマイクロスイッチ17がオンし、当該押圧部Kaが押圧操作されたことを検出可能とされている。
操作部18は、導光体16の光の導光経路を避けつつ当該導光体16をオフセット状態にて挟持するとともに、押圧操作力をマイクロスイッチ17(スイッチ部)に伝達可能なものである。かかる操作部18は、図21〜24に示すように、一対のアーム形状から成る挟持部18aと、マイクロスイッチ17の作動部17aを押圧可能な押圧部18bと、節度機構19を構成するバネ部材19a及びボール状部材19bを収容可能な収容孔18cとを有して構成されている。
また、操作部18は、取付部材Fに固定された支持部材Eによって支持されるとともに、図24に示すように、挟持部18aが導光体16を挟持しつつ押圧部18bがマイクロスイッチ17の作動部17aの上方に位置(寸法tだけオフセット)した状態とされている。このように、導光体16は、マイクロスイッチ17の設置位置に対して寸法tだけオフセットした状態で挟持されているので、光の導光が妨げられないようになっている。なお、取付部材Fには、導光体16の受光部16bに光源h1の光を照射し得る貫通孔Faが形成されている。
さらに、操作部18は、上述のように収容孔18cが形成されており、その収容孔18c内には、押圧操作手段2の押圧操作時に節度を付与し得る節度機構19が配設されている。すなわち、押圧操作手段2の押圧操作に伴い導光体16及び操作部18が移動すると、バネ部材19aで付勢されたボール状部材19bが支持部材Eに形成された段部Ebを乗り上げることにより節度が付与されるのである。なお、支持部材Eには、段部Ebの他、導光体16を挿通して取り付けるための取付孔Eaが形成されている。
しかして、操作者がカバー部材Kにおける任意の押圧部Kaを押圧すると、その押圧部Kaに対応した導光体16及び操作部18が移動し、その導光体16及び操作部18に対応するマイクロスイッチ17がオンして所定の操作(車両又は車両が具備する装備に対する操作)が行われることとなる。なお、導光体16で導かれた光源h1の光は、押圧操作手段2に対する操作が行われる過程においても、カバー部材Kの所望図柄や記号等を発光し得るようになっている。
このように、本実施形態に係る押圧操作手段2は、ダイヤル操作手段1の周囲に複数(本実施形態においては4つ)配設されるとともに、ダイヤル操作手段1の回転方向に亘って配設されており、ダイヤル操作手段1を操作する手の指を伸ばすことにより、任意選択的に押圧操作可能とされている。また、基板12に取り付けられたマイクロスイッチ17及び光源h1は、寸法tだけ離間しており、操作部18による導光体16のオフセット状態での挟持を可能としている。
ここで、本実施形態に係る筐体部3は、図3、4に示すように、ダイヤル操作手段1の軸部Lを揺動、摺動(軸部Lの軸方向に対する移動)及び回転自在に収容する第1収容部H1と、ダイヤル操作手段1の軸部Lの揺動、摺動(軸部Lの軸方向に対する移動)及び回転を非接触で検知して当該ダイヤル操作手段1の操作を検出するための検出手段(磁気角度センサ13、ホールICセンサ14及び磁気センサ15)を収容する第2収容部H2とを有し、第2収容部H2は、所定の樹脂が充填されて防水可能とされている。
具体的には、第2収容部H2は、ダイヤル操作手段1の操作を検出可能な検出手段(磁気角度センサ13、ホールICセンサ14及び磁気センサ15)、及び所望位置を発光させる光源(h1、h2)が取り付けられた基板12を収容しており、この基板12を含む第2収容部H2内に所定の樹脂を充填することにより当該基板12に取り付けられた検出手段や光源に対する防水が図られているのである。なお、本実施形態に係る第2収容部H2に充填する樹脂は、光源(h1、h2)からの光を透過し得る透明樹脂や半透明樹脂とされている。
さらに、本実施形態に係る第1収容部H1には、押圧操作手段2の操作に追従する部材(導光体16及び操作部18)及び節度機構19が収容されているとともに、第2収容部H2に収容された基板12には、当該押圧操作手段2の押圧操作を検出するマイクロスイッチ17(スイッチ手段)が形成されており、この基板12を含む第2収容部H2内に所定の樹脂を充填することにより当該基板12に取り付けられたマイクロスイッチ17に対する防水(特に、マイクロスイッチ17と基板12との接続部位に対する防水)が図られているのである。
上記実施形態によれば、押圧操作手段2は、ダイヤル操作手段1の周囲に複数配設されたので、ダイヤル操作手段1の揺動操作、押圧操作及び回転操作に加えて押圧操作手段2の押圧操作を容易に行わせることができ、車両又は車両が具備する装備に対する複数の操作を同時又は交互に行わせて操作性を向上させることができる。特に、本実施形態に係る押圧操作手段2は、ダイヤル操作手段1の回転方向に亘って複数配設されたので、ダイヤル操作手段1の揺動操作、押圧操作及び回転操作時、容易に押圧操作手段2の押圧操作を行わせることができ、操作性をより向上させることができる。
また、本実施形態に係る押圧操作手段2は、押圧操作に伴って移動し得るとともに、筐体部3に配設された光源h1からの光を導いて発光可能な導光体16と、導光体16の移動に伴ってオン・オフ可能とされ、押圧操作を検出可能なマイクロスイッチ17(スイッチ手段)と、導光体16の光の導光経路を避けつつ当該導光体16をオフセット状態にて挟持するとともに、押圧操作力をマイクロスイッチ17(スイッチ部)に伝達可能な操作部18とを具備したので、押圧操作手段2の操作性を維持しつつ光源h1の光を導光体16を介して発光させることにより意匠性を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る操作部18は、押圧操作手段2の押圧操作時に節度を付与し得る節度機構19が配設されたので、押圧操作手段2に対する押圧操作時の操作性をより一層向上させることができる。またさらに、光源h1及びマイクロスイッチ17(スイッチ部)は、筐体部3に配設された基板12上に取り付けられたので、光源h1及びマイクロスイッチ17(スイッチ部)をそれぞれ別個の部材に配設したものに比べ、装置の小型化を図ることができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、本実施形態によれば、筐体部3(カバー部材K)に形成され、ダイヤル操作手段1の軸部Lが挿通可能な開口部Kbと、筐体部3内に配設された光源h2とを具備するとともに、開口部Kbの周縁部Kcは、光源h2の光を透過して発光可能とされたので、ダイヤル操作手段1の操作性を維持しつつダイヤル操作手段1の周囲を発光させることにより意匠性を向上させることができる。
加えて、本実施形態によれば、ダイヤル操作手段1の軸部Lに取り付けられた磁石m1と、ダイヤル操作手段1の揺動操作に基づく磁石m1からの磁力変化を非接触で検出し、当該ダイヤル操作手段1が揺動操作されたことを検出し得る磁気角度センサ13(第1検出手段)と、ダイヤル操作手段1の押圧操作に基づく磁石m1からの磁力変化を非接触で検出し、当該ダイヤル操作手段1が押圧操作されたことを検出し得るホールICセンサ14(第2検出手段)とを具備したので、車両又は車両が具備する装備に対する複数の操作を非接触で検出することができるとともに、非接触で検出するための磁石m1を共用させて部品点数を削減することができる。
また、磁気角度センサ13(第1検出手段)及びホールICセンサ14(第2検出手段)は、軸部Lの軸線方向に積層状態にて配設されたので、磁石m1の共用を図りつつダイヤル操作手段1の揺動操作又は押圧操作に伴う軸部Lの動作をより精度よく検出させることができる。特に、磁気角度センサ13(第1検出手段)及びホールICセンサ14(第2検出手段)は、筐体部3内に配設された基板12の表裏面にそれぞれ配設されたので、同一基板12に磁気角度センサ13(第1検出手段)及びホールICセンサ14(第2検出手段)を配設させることができる。
さらに、ダイヤル操作手段1の回転操作と共に回転する複数の磁石m2と、当該磁石m2からの磁力変化を非接触で検出し、ダイヤル操作手段1が回転操作されたことを検出し得る磁気センサ15(第3検出手段)とを有するので、ダイヤル操作手段1の揺動操作又は押圧操作に伴う軸部Lの動作に加え、当該ダイヤル操作手段1の回転操作に伴う動作をより精度よく検出させることができる。
加えて、ダイヤル操作手段1の回転操作に伴って回転可能とされるとともに、押圧操作に伴って移動可能とされた回転部材10と、回転部材10の周方向に亘って形成された凹凸形状10aと、回転部材10の周方向に亘って形成され、ダイヤル操作手段1の押圧方向に対して凹凸形状10aと連なって形成された段部10acと、筐体部3に配設され、回転部材10の凹凸形状10aの凹部10aaに対して嵌合可能なボール状部材20(嵌合部材)とを具備し、ボール状部材20(嵌合部材)は、ダイヤル操作手段1の回転操作時に凹凸形状10aを構成する凸部10abを乗り上げて節度を付与可能とされるとともに、ダイヤル操作手段1の押圧操作時に段部10acを乗り上げて節度を付与可能とされたので、車両又は車両が具備する装備に対する複数の操作を行わせることができるとともに、複数の操作に応じてそれぞれ節度を付与し得る節度付与機構を共用させて部品点数を削減することができる。
特に、凹部10aaに嵌合した嵌合部材は、筐体部3に取り付けられた複数のボール状部材20(又は突起状部材であってもよい)から成り、凹凸形状10aに向かって常時付勢されて組み付けられたので、ダイヤル操作手段1の回転操作時及び押圧操作時に円滑且つ確実に節度を付与させることができる。
また、本実施形態に係る回転部材10は、ダイヤル操作手段1の揺動操作に伴って揺動可能な揺動部材9が取り付けられるとともに、当該揺動部材9は、ダイヤル操作手段1の揺動操作を許容しつつ当該ダイヤル操作手段10の回転操作及び押圧操作に伴う操作力を回転部材10に伝達して動作させ得るので、ダイヤル操作手段1の回転操作時及び押圧操作時の両方においてボール状部材20(嵌合部材)による節度付与を確実に行わせることができる。
加えて、本実施形態によれば、筐体部3(カバー部材K)の開口部Kbと軸部Lとの間に介在して取り付けられ、軸部Lの揺動、摺動及び回転を許容しつつ防水可能なカラー部材4を具備したので、車両又は車両が具備する装備に対する複数の操作を良好に行わせることができるとともに、揺動操作、押圧操作及び回転操作が長期間に亘って繰り返し行われても防水機構を維持することができる。特に、本実施形態に係るカラー部材4は、当該カラー部材4と軸部Lとの間を防水し得るOリング等の防水手段5を有するので、汎用的な防水手段5を用いて確実に防水することができる。
また、軸部Lの揺動に伴うカラー部材4の移動を許容するとともに、当該軸部Lの回転に伴うカラー部材4の回転を規制する規制部材6を具備したので、ダイヤル操作手段1の揺動操作及び押圧操作を良好に行わせることができるとともに、回転操作に伴って筐体部3(カバー部材K)の開口部Kbの縁部が捩れてしまうのを抑制できる。
さらに、本実施形態に係る筐体部3は、ダイヤル操作手段1の軸部Lを揺動、摺動及び回転自在に収容する第1収容部H1と、ダイヤル操作手段1の軸部Lの揺動、摺動及び回転を非接触で検知して当該ダイヤル操作手段1の操作を検出するための検出手段(磁気角度センサ13、ホールICセンサ14及び磁気センサ15)を収容する第2収容部H2とを有し、第2収容部H2は、所定の樹脂が充填されて防水可能とされたので、検出手段(磁気角度センサ13、ホールICセンサ14及び磁気センサ15)に対する防水を確実に行わせつつ軸部Lの円滑な動作を維持することができる。
特に、本実施形態に係る第2収容部H2は、ダイヤル操作手段1の操作を検出可能な検出手段(磁気角度センサ13、ホールICセンサ14及び磁気センサ15)、及び所望位置を発光させる光源(h1、h2)が取り付けられた基板12を収容したので、検出手段及び光源の両方を一括して防水することができるとともに、基板12に形成された配線等も同時に防水することができる。
また、本実施形態に係る筐体部3には、押圧操作が可能な押圧操作手段2が設けられるとともに、当該押圧操作手段2の操作に追従する部材(導光体16及び操作部18)及び節度機構19が第1収容部H1に収容され、当該押圧操作手段2の押圧操作を検出するマイクロスイッチ17(スイッチ手段)が基板12に形成されたので、押圧操作手段2の操作性及び節度を維持しつつマイクロスイッチ17(スイッチ手段)の基板12に対する電気的接触を確実に行わせることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばダイヤル操作手段1の揺動操作、押圧操作及び回転操作を検出するための検出手段は、他のセンサ(磁気角度センサやホールICセンサとは異なるセンサ)であってもよく、光源(h1、h2)による所定部位の発光を行わないものであってもよい。また、ダイヤル操作手段1或いは押圧操作手段2の節度機構は、本実施形態と異なる機構であってもよい。