JP2019128446A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高品質の画像を実現するのに好適な定着装置を提供する。【解決手段】定着装置は、発熱体と、その発熱体により加熱されると共に回転可能である第1の回転部と、その第1の回転部との間に媒体を挟持しつつ回転可能であり、剛性体とその剛性体の周囲を取り巻いて剛性体の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する弾性体とを含む第2の回転部と、弾性体のうちの第1の回転部と対向する表面の温度を検出する第1の温度センサと弾性体のうちの表面以外の部分の温度を検出する第2の温度センサとを含む温度検出部とを備える。【選択図】図2B

Description

本発明は、定着装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
これまでに、加熱体と、その加熱体との間に媒体を挟持しつつ搬送する加圧部材とを有し、その媒体の搬送速度を変化させることのできる定着装置を備えた画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、加熱体との間に媒体を挟んで対向する加圧部材の表面の温度を測定し、その媒体の搬送速度を変化させるようにしている。
特開平7−261584号公報
このような画像形成装置では、定着装置において媒体の搬送速度を安定化させることにより、高品質の画像を形成することができる。
したがって、媒体の搬送速度を安定化させるのに好適な定着装置、およびそれを備えた画像形成装置を提供することが望ましい。
本発明の一実施形態としての定着装置は、発熱体と、第1の回転部と、第2の回転部と、温度検出部とを備える。第1の回転部は、発熱体により加熱されると共に回転可能である。第2の回転部は、第1の回転部との間に媒体を挟持しつつ回転可能であり、剛性体と、その剛性体の周囲を取り巻いて剛性体の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する弾性体とを含む。温度検出部は、弾性体のうちの第1の回転部と対向する表面の温度を検出する第1の温度センサと、弾性体のうちの表面以外の部分の温度を検出する第2の温度センサとを含む。
本発明の一実施形態としての画像形成装置は、上記定着装置を備える。
本発明の一実施形態としての定着装置および画像形成装置では、第1の温度センサにより弾性体のうち第1の回転部と対向する表面の温度を検出すると共に、第2の温度センサにより弾性体のうち表面以外の部分の温度を検出するので、第2の回転部における外径変動を精度よく算出できる。このため、第2の回転部の外径変動に応じて第2の回転部の回転速度を調節できる。
本発明の一実施形態としての定着装置によれば、弾性層の温度変化が生じた場合であっても、媒体の搬送速度を安定化させるのに適する。よって、この定着装置を備えた画像形成装置によれば、高品質の画像を形成することができる。
なお、これは本発明の効果の一例であり、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、以下に記載のいずれの効果であってもよい。
本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の全体構成例を表す模式図である。 図1Aに示した画像形成装置の内部の構成例を模式的に表すブロック図である。 図1Aに示した定着装置の外観を表す斜視図である。 図1Aに示した定着装置の外観を表す側面図である。 図1Aに示した定着装置の外観を表す正面図である。 図1Aに示した定着装置における駆動ローラの回転速度の制御フローを表す流れ図である。 本発明の変形例としての定着装置の外観を表す側面図である。 図4Aに示した定着装置の外観を表す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
<1.実施の形態>
[画像形成装置1の概略構成]
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る定着装置105を搭載した画像形成装置1の全体構成例を表す模式図である。図1Bは、図1Aに示した画像形成装置1の内部構成に対応するブロック図である。画像形成装置1は、例えば用紙などの記録媒体(印刷媒体、転写材ともいう。)に対して画像(例えばカラー画像)を形成する、電子写真方式のプリンタである。なお、本明細書では、記録媒体の搬送方向と直交する方向(図1Aでは紙面と直交するX軸方向)を幅方向という。また、後述するように、定着装置105の内部において記録媒体が搬送される方向をZ軸方向とし、X軸方向およびZ軸方向の双方と直交する高さ方向をY軸方向とする。
画像形成装置1は、例えば筐体100の内部に、例えば給紙部101と、媒体搬送部102と、画像形成部103と、転写部104と、定着装置105と、排出部106とを備えている。
(給紙部101)
給紙部101は、例えば用紙カセット(給紙トレイ)24と、給紙ローラ11とを有する。用紙カセット24は記録媒体を収容するものである。給紙ローラ11は、用紙カセット24から1枚ずつ記録媒体を取り出し、その記録媒体を媒体搬送部102へ供給する部材である。
(媒体搬送部102)
媒体搬送部102は、例えば上流から順に、位置センサ12と、対向配置された一対の搬送ローラ14,15と、位置センサ13とを有している。位置センサ12,13は、それぞれ、搬送経路P上を進行する記録媒体の位置を検出するものである。一対の搬送ローラ14,15は、給紙ローラ11により供給された記録媒体を下流の画像形成部103へ搬送するものである。
(画像形成部103)
画像形成部103はトナー像(現像剤画像)を形成するものであり、転写部104は画像形成部103において形成されたトナー像を記録媒体に転写するものである。画像形成部103は、例えば4つの画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを有している。画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、それぞれ、LED(Light Emitting Diode)ヘッド3K,3Y,3M,3Cと、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと、帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cと、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cと、トナータンク7K,7Y,7M,7Cと、現像ブレード8K,8Y,8M,8Cと、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cと、感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cとを有している。
LEDヘッド3K,3Y,3M,3Cは、それぞれ対向する感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面を露光し、各々の感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に静電潜像を形成するものである。
感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cは、静電潜像を表面(表層部分)に担持する円柱状の部材であり、感光体(例えば有機系感光体)を用いて構成されている。
帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(表層部分)を帯電させる部材(帯電部材)であり、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(周面)に接するように配置されている。
現像ローラ6K,6Y,6M,6Cは、静電潜像を現像するトナーを表面に担持する部材であり、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(周面)に接するように配置されている。
トナータンク7K,7Y,7M,7Cは、その内部にトナーを収容する容器であり、その下部にトナー排出口を有する。
現像ブレード8K,8Y,8M,8Cは、回転する現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面にトナーからなる層(トナー層)を形成すると共に、そのトナー層の厚さを規制(制御,調整)するトナー規制部材である。現像ブレード8K,8Y,8M,8Cは、例えばステンレス等からなる板状弾性部材(板ばね)であり、この板状弾性部材の先端部が現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面の近傍に配置されている。
トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cは、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cに対してトナーを供給するための部材(供給部材)であり、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面(周面)に接するように配置されている。
感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(表層部分)に残留するトナーを掻き取って回収することで、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面をクリーニングするクリーニング部材である。感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に対してカウンタで当接する(感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転方向に対して逆向きで突出する)ようにして配置されている。感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cは、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性体により構成されている。
(転写部104)
転写部104は、例えば搬送ベルト18と、この搬送ベルト18を駆動する駆動ローラ17と、この駆動ローラ17に従動する従動ローラ16と、搬送ベルト18を挟んで感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと各々対向して配置された転写ローラ10K,10Y,10M,10Cと、ベルトブレード27と、廃トナーボックス28とを有している。
搬送ベルト18は、例えばポリイミド樹脂などの樹脂材料からなる無端の弾性ベルトであり、駆動ローラ17,従動ローラ16および転写ローラ10K,10Y,10M,10Cによって張設(張架)され、図1A中の矢印の方向へ循環回転するようになっている。駆動ローラ17は、搬送ベルトモータ801(後出)からの駆動力により搬送ベルト18を駆動する。転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、記録媒体を搬送方向に搬送しつつ、各画像形成ユニット2K,2Y,2M,2C内で形成されたトナー像を記録媒体上に静電的に転写するための部材である。転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。駆動ローラ17,従動ローラ16および転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、それぞれ紙面に垂直な横方向に伸びる回転可能な略円柱状の部材である。ベルトブレード27は、搬送ベルト18の表面上に残存した廃トナーを掻き取ってクリーニング(清掃)するための部材であり、廃トナーボックス28は、ベルトブレード27により掻き取られた廃トナーを回収し、貯蔵するものである。
(定着装置105)
定着装置105は転写部104から搬送された記録媒体上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与することで、そのトナー像を記録媒体上に定着させるための部材である。定着装置105は、例えばヒータ55と、サーミスタ792A,792Bと、定着モータ793とを有する。定着装置105については後に詳述する。
(排出部106)
排出部106は、位置センサ21と、対向配置された排出ローラ22,23とを有している。位置センサ21は、定着装置105から排出されて搬送経路P上を進行する記録媒体の位置を検出するものである。排出ローラ22,23は、定着装置105から排出された記録媒体を外部へ排出する。
画像形成装置1は、図1Bに示したように、印刷制御部700,I/F制御部710,受信メモリ720,画像データ編集メモリ730,操作部701およびセンサ群702を備えている。画像形成装置1は、さらに、印刷制御部700からの指令をそれぞれ受ける帯電電圧制御部740,ヘッド駆動制御部750,現像電圧制御部760,転写電圧制御部770,画像形成駆動制御部780,定着制御部790,搬送ベルト駆動制御部800および給紙・搬送駆動制御部810を備えている。
印刷制御部700は、マイクロプロセッサ、ROM,RAMおよび入出力ポート等により構成され、例えば予め定められたプログラムを実行することにより画像形成装置1における処理動作の全体を制御するものである。具体的には、印刷制御部700は、I/F制御部710からの印刷データや制御コマンドを受信し、帯電電圧制御部740,ヘッド駆動制御部750,現像電圧制御部760,転写電圧制御部770,画像形成駆動制御部780,定着制御部790,搬送ベルト駆動制御部800および給紙・搬送駆動制御部810の制御を統括して印刷動作を行う。
I/F制御部710は、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置からの印刷データや制御コマンドを受信し、あるいは画像形成装置1の状態に関する信号を送信するものである。
受信メモリ720は、PCなどの外部装置からI/F制御部710を経由した印刷データを一時的に格納するものである。
画像データ編集メモリ730は、受信メモリ720に格納された印刷データを受け取り、その印刷データを編集した画像データを格納するものである。
操作部701は、例えば画像形成装置1の状態などの情報を表示するためのLEDランプや、使用者が指示を画像形成装置へ与えるための入力部(ボタンやタッチパネル)を有するものである。
センサ群702は、画像形成装置1の動作状態を監視する各種センサ、例えば記録媒体の位置を検出する位置センサ12,13,21、画像形成装置1内の温度を検出する温度センサ29、印刷濃度センサ30などを含んでいる。
帯電電圧制御部740は、印刷制御部700の指示により、帯電ローラ5(5K,5Y,5M,5C)に対し帯電電圧を印加し、感光体ドラム4(4K,4Y,4M,4C)の表面を帯電させるように制御を行うものである。
ヘッド駆動制御部750は、画像データ編集メモリ730に格納された画像データにしたがってLEDヘッド3(3K,3Y,3M,3C)による露光動作の制御を行うものである。
現像電圧制御部760は、印刷制御部700の指示により、現像ローラ6(6K,6Y,6M,6C)に対し現像電圧を印加し、感光体ドラム4(4K,4Y,4M,4C)の表面に形成された静電潜像にトナーを現像するように制御を行うものである。
転写電圧制御部770は、印刷制御部700の指示により、転写ローラ10(10K,10Y,10M,10C)に対し転写電圧を印加し、記録媒体にトナー像を転写させるように制御を行うものである。
画像形成駆動制御部780は、印刷制御部700の指示により、駆動モータ781〜784の駆動制御を行うものである。駆動モータ781〜784は、感光体ドラム4(4K,4Y,4M,4C),帯電ローラ5(5K,5Y,5M,5C)および現像ローラ6(6K,6Y,6M,6C)の回転駆動を行う。
定着制御部790は、印刷制御部700の指示により、定着装置105の定着動作を制御するものである。具体的には、ヒータ55への印加電圧の制御を行う。定着制御部790は、サーミスタ792A,792Bにより測定された定着装置105の温度に基づき、ヒータ55への印加電圧のオン・オフ制御を行う。定着制御部790は、さらに、サーミスタ792A,792Bにより測定された定着装置105の温度に基づき、定着モータ793の動作制御の動作制御をも行う。なお、定着制御部790は、本発明の「制御部」に対応する一具体例である。
搬送ベルト駆動制御部800は、印刷制御部700の指示により、画像形成装置1に設けられた搬送ベルトモータ801の動作制御を行うものである。搬送ベルトモータ801は、搬送ベルト18の駆動を行うものである。
給紙・搬送駆動制御部810は、印刷制御部700の指示により、画像形成装置1に設けられた給紙モータ811および搬送モータ812の動作制御を行うものである。
[定着装置105の構成]
次に、図2A〜図2Cを参照して、定着装置105の詳細な構成について説明する。図2Aは、記録媒体の搬送方向の上流側から眺めた定着装置105の外観を表す斜視図であり、図2Bは、定着装置105を側面から眺めた側面図である。図2Cは、記録媒体の搬送方向の上流から+Z方向に眺めた定着装置105の外観を表す正面図である。
定着装置105は、例えば基部50と、定着ベルト51と、駆動ローラ52と、保持部材53と、ヒータ55と、フランジ56(56L,56R)と、レバー部材57と、付勢部材58とを有する。保持部材53と加圧部材54との間には潤滑剤が保持されるようになっているとよい。潤滑剤は、例えばゲル状のグリスであり、それが付着した部材の表面に薄い油膜を形成することで部材間の摩擦力を低減し、摺動性を向上させるように機能するものである。
定着ベルト51は、内周面511および外周面512を有する管状をなす無端の弾性ベルトであり、例えばポリイミド樹脂などの樹脂材料からなる無端の弾性ベルト、またはステンレス鋼などの金属基材上にシリコーンゴムなどが形成されてなるものである。定着ベルト51は、幅方向における両端に設けられた1対のフランジ56L,56Rやヒータ55などによって張設(張架)され、軸51J(図2A〜2C)の周囲を図2B中の矢印R51の方向へ循環回転(図2Bでは右回転)可能に設けられている。より詳細には、定着ベルト51は、その幅方向の両端においてレバー部材57に固定された1対のフランジ56L,56Rにより回転自在に支持されている。定着ベルト51は、ヒータ55により加熱される。定着ベルト51の外周面512は、Y軸方向において対向する駆動ローラ52と当接するように付勢部材58により付勢され、XZ平面に広がるニップ部NPを形成する(図2B)。定着ベルト51は、ニップ部NPにおける駆動ローラ52との摩擦力により、駆動ローラ52の回転に従動するように矢印R51の方向へ回転する。この例では、ニップ部NPの近傍において、定着ベルト51は+Z方向へ移動する。保持部材53およびヒータ55などは、いずれも定着ベルト51によって取り囲まれた空間に配置されている。なお、定着ベルト51は、本発明の「第1の回転部」に対応する一具体例である。
駆動ローラ52は、X軸方向に延在する円柱状または円筒状の物体であり、定着ベルト51へ付勢されることで定着ベルト51との間に記録媒体を挟持しつつ、軸51Jに沿って伸びる軸52Jの周囲を矢印R52(図2B)の方向へ回転可能に設けられたものである。駆動ローラ52は、例えば、X軸方向に伸びる金属パイプなどの剛性材料からなるシャフト521と、そのシャフト521を取り巻くように設けられた弾性層522とを有している。シャフト521は、その両端近傍において基部50により回転自在に支持されている。基部50は、例えば筐体100に固定されている。シャフト521の構成材料としては、例えばステンレス鋼などが挙げられる。弾性層522は、例えば複数の気泡を含むスポンジ状のシリコーンなどからなる発泡体を含んでいる。弾性層522は、シャフト521の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するとよい。駆動ローラ52は、図2Bに示したように、定着ベルト51の外周面512と当接してニップ部NPを形成している。この例では、ニップ部NPの近傍において、駆動ローラ52は+Z方向へ移動する。ヒータ55は、定着ベルト51を挟んで駆動ローラ52と対向する位置に設けられている。
なお、駆動ローラ52は本発明の「第2の回転部」に対応する一具体例であり、シャフト521は本発明の「剛性体」に対応する一具体例であり、弾性層522は本発明の「弾性体」に対応する一具体例である。
レバー部材57は、基端がシャフト57Pを中心として回動可能に基部50に取り付けられている。レバー部材57の先端部57Sと、基部50の先端部50Sとは、コイルばねなどの付勢部材58により、弾性的に連結されている。付勢部材58は、先端部57Sを先端部50Sへ近づけるように、すなわち図2B中の矢印Y58で示した方向に先端部57Sを付勢している。さらに、レバー部材57は、加圧部材54と当接することとなる当接部57Tを有している。
保持部材53は、幅方向(X軸方向)に延在する略直方体形状の物体であり、幅方向において例えば定着ベルト51と実質的に同じ寸法を有している。保持部材53は、1対のフランジ56L,56Rに固定されている。よって、保持部材53、1対のフランジ56L,56R、レバー部材57および定着ベルト51は、基部50に支持された駆動ローラ52に対し、一体に変位するようになっている。
ヒータ55は、定着ベルト51を加熱する平板状の部材であり、定着制御部790により制御される発熱体を含んでいる。発熱体は、例えば電流の供給により発熱する抵抗線などである。ヒータ55は定着ベルト51の内周面511と対向するように配置されている。ヒータ55は、本発明の「発熱体」に対応する一具体例である。
定着装置105は、さらに、サーミスタ792Aおよびサーミスタ792Bを含む温度検出部792を備えている。温度検出部792が本発明の「温度検出部」に対応する一具体例である。サーミスタ792Aは、弾性層522のうちの定着ベルト51と対向する表面522Sの温度Toを検出するものであり、本発明の「第1の温度センサ」に対応する一具体例である。サーミスタ792Bは、弾性層522のうちの表面522S以外の部分の温度を検出するものであり、本発明の「第2の温度センサ」に対応する一具体例である。サーミスタ792Bは、例えばシャフト521の表面521Sと接するように設けられており、弾性層522のうちシャフト521の表面521Sと当接する部分の温度Tiを、シャフト521を介して検出するようになっている。
定着制御部790は、サーミスタ792Aにより検出された弾性層522の表面522Sの温度Toと、サーミスタ792Bにより検出された弾性層522の表面522S以外の部分の温度、例えば弾性層522のうちシャフト521の表面521Sと当接する部分の温度Tiとに基づいて、駆動ローラ52の回転速度を制御するようになっている。
[作用・効果]
(A.基本動作)
画像形成装置1では、以下のようにして、記録媒体に対してトナー像が転写される。
具体的には、図1Aに示したように、まず、用紙カセット24に収納されている記録媒体が、給紙ローラ11によって最上部から1枚ずつピックアップされ、下流の媒体搬送部102の方向へ繰り出される。次いで、給紙ローラ11から繰り出された記録媒体は、媒体搬送部102により斜行が矯正されつつ下流の画像形成部103および転写部104へ搬送される。画像形成部103および転写部104では、以下のようにして、トナー像が記録媒体上に転写される。
起動状態の画像形成装置1に対してPCなどの外部機器からI/F制御部710を介して印刷画像データおよび印刷命令が印刷制御部700に入力されると、印刷制御部700は、印刷命令に応じて、画像形成駆動制御部780などと連携して印刷画像データの印刷動作を開始させる。
画像形成駆動制御部780は、駆動モータ781〜784を駆動し、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cを所定の方向に一定速度で回転させる。感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cが回転すると、その動力がギヤ列などの駆動伝達部を介して、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9C、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cおよび帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cへそれぞれ伝達される。その結果、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9C、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cおよび帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cは、それぞれ所定の方向に回転する。
一方、印刷制御部700からの指令により、帯電電圧制御部740が帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cに対し所定の電圧を印加し、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面を一様に帯電させる。
次いで、ヘッド駆動制御部750がLEDヘッド3K,3Y,3M,3Cを起動し、画像信号に基づく印刷画像に対応する光を感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cに照射して感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に静電潜像を形成する。さらに、 トナータンク7K,7Y,7M,7Cからトナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cへトナーを供給する。トナーは、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cに担持され、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cの回転と共に現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの近傍に移動する。そこで、トナーは現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの電位とトナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cの電位との電位差により例えば負に帯電し、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cへ供給される。現像ローラ6K,6Y,6M,6Cへ供給されたトナーは現像ブレード8K,8Y,8M,8Cにより所定の厚さに規制されたトナー層を形成する。
さらに、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ6K,6Y,6M,6C上のトナー層が現像されて感光体ドラム4K,4Y,4M,4C上にトナー像が形成される。そのトナー像は、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと対向配置されると共に転写電圧制御部770により所定の電圧が印加された転写ローラ10K,10Y,10M,10Cとの間の電界によって記録媒体に転写される。
その後、定着制御部790の制御により、定着装置105において、記録媒体上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与し、そのトナー像を記録媒体上に定着させる。そののち、トナー像が定着された記録媒体は排出部106により外部へ排出される。なお、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cには、記録媒体へ転写されなかったトナーが僅かに残留する場合があるが、その残留したトナーは感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cにより除去される。このため、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cは連続して使用できる。
(B.定着装置105の動作)
定着装置105では、印刷制御部700の指示に基づき、定着制御部790の制御により、トナー像の記録媒体上への定着処理がなされる。具体的には、定着制御部790の制御により、ヒータ55へ電流が供給されて定着ベルト51の加熱が行われる一方、定着モータ793が起動し駆動ローラ52の回転が開始される。駆動ローラ52の回転に伴い、ニップ部NPにおいて当接する定着ベルト51も従動して回転を開始する。
定着装置105では、定着制御部790により、サーミスタ792Aにより検出された弾性層522の表面522Sの温度Toと、サーミスタ792Bにより検出された弾性層522の表面522S以外の部分の温度、例えば温度Tiとに基づいて、駆動ローラ52の回転速度の制御がなされる。具体的には、図3に示したフローチャートに従って定着装置105における駆動ローラ52の回転速度の制御が行われる。図3は、定着制御部790による、駆動ローラ52の回転速度の制御フローを表す流れ図である。図3に示した一連の処理は、定着装置105において所定時間ごとに、例えば100ms周期で繰り返し実行される。
定着制御部790は、印刷制御部700から印刷動作の開始の指令を受けると、まず、ヒータ55への印加電圧の制御を開始すると共に、サーミスタ792Aにより測定された弾性層522の表面522Sの温度Toを取得する(ステップS101)。
続いて定着制御部790は、サーミスタ792Bにより測定された、弾性層522のうちシャフト521の表面521Sと当接する部分の温度Tiを取得する(ステップS102)。
続いて定着制御部790は、取得した温度Toおよび温度Tiに基づき、例えば表1に例示した速度補正テーブルから該当する補正値dV(%)を選択し、基準となる回転速度Vの補正を行う。定着制御部790は、さらに、一定の搬送速度で記録媒体の搬送を行うように、定着モータ793の回転速度を調整し、駆動ローラ52を補正回転速度V*(1+dV)で回転させる(ステップS103)。
Figure 2019128446
そののち、定着制御部790は、印刷動作を行う対象となる全ての記録媒体の搬送が終了したかどうかを判断する(ステップS104)。ステップS104において、印刷対象の全ての記録媒体について搬送が終了したと認められなかった場合(ステップS104N)、ステップS101〜S103を再度行う。
ステップS104において、印刷対象の全ての記録媒体について搬送が終了したと認められた場合(ステップS104Y)、一連の動作が終了する(エンド)。
(C.効果)
上述したように、弾性層522は、内部に気泡を含む発泡体などを有するので、それ自体の温度変化により体積の膨張および収縮を生じることが多い。弾性層522においてそのような熱に起因する膨張収縮が生じると駆動ローラ52の外径変動が生じるので、駆動ローラ52の回転速度が一定であれば結果として表面522Sでの周速度が変動してしまうこととなる。そのような周速度の変動は定着装置105における記録媒体の搬送速度の変動を意味し、記録媒体に印刷された画像のずれ(画ずれ)を招来するおそれがある。
したがって、画像形成装置では、駆動ローラ52の外径変動に応じて駆動ローラ52の回転速度の調整を行うことで、表面522Sでの周速度を一定に維持し、定着装置105での記録媒体の搬送速度を一定に保つことが望ましい。
そこで本実施の形態の定着装置105では、弾性層522の表面522Sの温度Toと、弾性層522のうちシャフト521の表面521Sと当接する部分の温度Tiとの双方に基づいて、駆動ローラ52の回転速度Vの補正を行うようにした。このため、この定着装置105では、駆動ローラ52における弾性層522自体の温度変化により弾性層522が膨張収縮することで弾性層522の外径が変化した場合であっても、その外径の変化を、表面522Sの温度Toのみに基づいて推定する場合と比較して、より高い精度で推定することができる。したがって、定着装置105が設置された環境温度や、ヒータ55による発熱の影響により弾性層522の膨張収縮が生じた場合であっても、より高精度の回転速度Vの補正を行うことができる。その結果、本実施の形態の定着装置105では、記録媒体の搬送速度の変動をより低減することができ、この定着装置105を備えた画像形成装置によれば、高品質の画像を形成することができる。
一例として、定着ベルト51の温度が180℃となるようにヒータ55を発熱させた場合、駆動ローラ52の表面522Sの温度は100℃で維持されるものの、弾性層522の内部の温度は定着装置105の使用時間に応じて例えば50℃〜150℃の範囲でばらつくこととなる。そのため、弾性層522の内部の温度の高低により弾性層522の膨張率も変化し、駆動ローラ52の外径も変化する。したがって、回転速度Vの補正を行わないとすれば、例えば弾性層522の内部の温度が50℃の場合よりも、弾性層522の内部の温度が150℃の場合のほうが、表面522Sでの周速度、すなわち記録媒体の搬送速度が約1.2%程度増加する。本実施の形態によれば、上述した高精度の回転速度Vの補正を行うことができるので、記録媒体の搬送速度の変動をほとんどなくすことができる。
本実施の形態では、シャフト521を、弾性層522の熱伝導率よりも高い熱伝導率の金属により構成することで、サーミスタ792Bをシャフト521の端部に設置できるので、定着装置105の構成が簡素化され、製造性にも優れる。
また、光学式の外径測定器などにより、駆動ローラ52の外径を直接的に測定する方法も考えられる。しかしながら、そのような外径測定器を搭載する場合には構成の複雑化、重量の増加、メンテナンスの手間の増加、あるいはコストの増加などを招くこととなる。これに対し、本実施の形態では、2つのサーミスタ792A,792Bを搭載するのみであり、上記の問題は解消される。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば黒色のトナー像のみを転写し、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。また、上記実施の形態では、1次転写方式(直接転写方式)の画像形成装置について説明したが、本発明は2次転写方式にも適用されうる。
また、上記実施の形態では、第1の回転部としての定着ベルト51と共にニップ部NPを形成する第2の回転部として駆動ローラ52を用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば定着ベルト51と類似したベルト部材を駆動ローラ等で張架したものを第2の回転部として用いるようにしてもよい。その場合であっても、第2の回転部における駆動ローラの表面の温度と、その駆動ローラにおけるそれ以外の部分の温度との双方に基づいてその駆動ローラの回転速度の補正を行うことで、定着装置における記録媒体の搬送速度の安定化が可能である。
また、上記実施の形態では、第2の温度センサとしてのサーミスタ792Bを、剛性体としてのシャフト521に取り付けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図4Aおよび図4Bに示した本発明の変形例としての定着装置105Aのように、第2の温度センサとしてサーミスタ792Bを、弾性体としての弾性層522のうちの表面522Sと交差する側面522Tに設け、その側面522Tの温度を検出するようにしてもよい。図4Aおよび図4Bは、それぞれ、本発明の変形例としての定着装置105Aの外観を表す側面図および正面図である。例えば剛性体としてのシャフト521が、金属などと比較して比較的低い熱伝導率を有する樹脂などの材料からなる場合、本変形例のように側面522Tにサーミスタ792Bを設けることで、より正確に弾性層522の内部の温度が測定できる。さらに、第2の温度センサとしてサーミスタ792Bを、弾性体としての弾性層522の内部に埋設するようにしてもよい。その場合、よりいっそう正確に弾性層522の内部の温度が測定できるので好ましい。
また、上記実施の形態では、定着装置105における熱源として、抵抗線などの発熱体を含む板状のヒータ55を用いるようにしたが、本発明では、ヒータ55の代わりに、例えばハロゲンランプを熱源として用いてもよい。また、ニップ部NPを形成するにあたり、定着ベルト51の内周面511を付勢する加圧パッドをさらに備えるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、露光装置として発光ダイオードを光源とするLEDヘッドを用いるようにしたが、例えばレーザ素子等を光源とした露光装置を用いてもよい。
さらに、上記実施の形態等では、本発明における「画像形成装置」の一具体例として、印刷機能を有する画像形成装置について説明したが、これには限られない。すなわち、そのような印刷機能に加え、例えば、スキャン機能やファックス機能を有する複合機として機能する画像形成装置においても、本発明を適用することが可能である。
1…画像形成装置、100…筐体、101…給紙部、102…媒体搬送部、103…画像形成部、104…転写部、105,105A…定着装置、106…排出部、2K,2Y,2M,2C…画像形成ユニット、3K,3Y,3M,3C…LEDヘッド、4K,4Y,4M,4C…感光体ドラム、5K,5Y,5M,5C…帯電ローラ、6K,6Y,6M,6C…現像ローラ、7K,7Y,7M,7C…トナータンク、8K,8Y,8M,8C…現像ブレード、9K,9Y,9M,9C…トナー供給用スポンジローラ、10K,10Y,10M,10C…転写ローラ、11…給紙ローラ、12,13…位置センサ、14,15…搬送ローラ、16…従動ローラ、17…駆動ローラ、18…搬送ベルト、24…用紙カセット、26K,26Y,26M,26C…感光体ブレード、50…基部、51…定着ベルト、511…内周面、512…外周面、51J…軸、52…駆動ローラ、53…保持部材、55…ヒータ、56…フランジ、57…レバー部材、58…付勢部材、700…印刷制御部、701…操作部、702…センサ群、710…I/F制御部、720…受信メモリ、730…画像データ編集メモリ、740…帯電電圧制御部、750…ヘッド駆動制御部、760…現像電圧制御部、770…転写電圧制御部、780…画像形成駆動制御部、790…定着制御部、792…温度検出部、792A,792B…サーミスタ、800…搬送ベルト駆動制御部、810…給紙・搬送駆動制御部。

Claims (7)

  1. 発熱体と、
    前記発熱体により加熱されると共に回転可能である第1の回転部と、
    前記第1の回転部との間に媒体を挟持しつつ回転可能であり、剛性体と、前記剛性体の周囲を取り巻いて前記剛性体の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する弾性体とを含む第2の回転部と、
    前記弾性体のうちの前記第1の回転部と対向する表面の温度を検出する第1の温度センサと、前記弾性体のうちの前記表面以外の部分の温度を検出する第2の温度センサとを含む温度検出部と
    を備えた
    定着装置。
  2. 前記第1の温度センサにより検出された前記表面の温度と、前記第2の温度センサにより検出された前記表面以外の温度とに基づいて前記第2の回転部の回転速度を制御する制御部をさらに備えた
    請求項1記載の定着装置。
  3. 前記第2の回転部は駆動ローラである
    請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記弾性体は発泡体を含む
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記剛性体は金属であり、
    前記第2の温度センサは、前記弾性体のうちの前記剛性体と当接する部分の温度を、前記剛性体を介して検出可能に設けられている
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第2の温度センサは、前記弾性体のうちの前記表面と交差する側面の温度を検出可能に設けられている
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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