JP2019127505A - ポリシロキサン系組成物。 - Google Patents

ポリシロキサン系組成物。 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性、耐光性を有し、ガスバリア性、耐冷熱衝撃性および通電信頼性に優れ、光半導体素子を封止する際のハンドリング性が良好なポリシロキサン系組成物を提供することを目的とする。【解決手段】(A)アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)とのヒドロシリル化反応物である多面体構造ポリシロキサン変性体、(B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物を必須成分とするとするポリシロキサン系組成物により、上記課題を解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、高い耐熱性、耐光性、ガスバリア性、耐冷熱衝撃性および通電信頼性に優れたポリシロキサン系組成物を提供する。
ポリシロキサン系組成物は、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐光性、化学的安定性、電気特性、難燃性、耐水性、透明性、着色性、非粘着性、非腐食性に優れており、様々な産業で利用されている。中でも、多面体構造を有するポリシロキサンで構成された組成物は、その特異的な化学構造から、さらに優れた耐熱性、耐光性、化学的安定性、低誘電性等を示すことが知られており、その応用が期待されている。
多面体構造を有するポリシロキサンを用いた応用例として、光素子封止剤用途への展開を意図したものがあり、例えば特許文献1において、2つ以上のオキセタニル基を含有する多面体構造を有するポリシロキサン樹脂と、1つ以上のエポキシ基を含有する脂肪族炭化水素とカチオン重合開始剤とを含有する多面体骨格を有するポリシロキサン系組成物が開示されており、この材料は高屈折で光の取り出し効率が高い。しかしながら、ここに記載されているポリシロキサン系組成物は、オキセタニル基やエポキシ基を有しているため、耐熱性、耐光性が低い問題があった。
このような問題に対し、例えば、特許文献2では、エポキシ基を有するポリオルガノポリシロキサンのガラス転移温度を限定することで耐熱性、耐光性の課題を改善しており、さらに、この材料は耐冷熱衝撃試験後も、クラックが生じにくいとされている。しかしながら、依然、白色LEDのような高い耐熱性、耐光性が求められる用途での使用は困難であり、耐冷熱衝撃性も満足できる材料ではない。
また、ポリシロキサン系組成物は優れた特性を持つ一方で、一般にガスバリア性が低いといった問題点を有している。そのためガスバリア性が低いポリシロキサン系組成物を封止材として用いた場合、銀メッキが施された部分が硫化物によって黒色化する問題があり、この問題に対して、例えば、特許文献3では、予め金属部材をガスバリア性の高いアクリル系樹脂でコーティング処理を行い、そのうえで、シリコーン樹脂で封止を行っている。しかしながら、該当技術で使用しているシリコーン樹脂自体のガスバリア性は低く、アクリル系樹脂でコーティング処理を行った後に、別途シリコーン樹脂で封止する等、手間がかかり、生産性に問題があった。
また、特許文献4において、多面体構造を有するポリシロキサン系変性体を用いた組成物が開示されている。この組成物は、成型加工性、透明性、耐熱性、耐光性、接着性に優れており、光学用封止剤として用いることができる。しかしながら、ガスバリア性についてはさらなる改良の余地も残されていたため、特許文献5では特定のイソシアヌレート化合物を用いることでガスバリア性を改善している。しかしながら、LEDの高出力化に伴い、さらなる耐冷熱衝撃性や通電信頼性の向上が求められていた。
上記のように、ポリシロキサンを用いた材料の開示は見られるが、高い耐熱性、耐光性かつガスバリア性を維持したうえで耐冷熱衝撃性や通電信頼性を両立するという観点からは、さらなる改良の余地があった。
特開2008−163260 特開2007−169427 特開2009−206124 WO08/010545 特開2013−216827
高い耐熱性、耐光性を有し、ガスバリア性、耐冷熱衝撃性および通電信頼性に優れ、光半導体素子を封止する際のハンドリング性が良好なポリシロキサン系組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、(A)アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)とのヒドロシリル化反応物である多面体構造ポリシロキサン変性体、(B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物を必須成分とするとするポリシロキサン系組成物により、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本件発明は以下の構成をなす。
1).(A)アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)とのヒドロシリル化反応物である多面体構造ポリシロキサン変性体、
(B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物、
を必須成分とし、前記(B)成分が下記一般式(1)または(2)であらわされるポリシロキサン化合物(B−1)であることを特徴とするポリシロキサン系組成物。(但し、150>l≧0、150>m≧0、150>n≧0、o≧2かつl+m+n>10である。)
2).1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)が、アリール基を1個以上有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする1)に記載のポリシロキサン系組成物。
3).アルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)が、
式 [AR1 SiO−SiO3/2][R2 SiO−SiO3/2]
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;R1は、アルキル基またはアリール基;R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物であることを特徴とする、1)〜2)いずれかに記載のポリシロキサン系組成物。
4).ヒドロシリル基を含有する化合物(b)が、ヒドロシリル基を含有する環状シロキサン、および/または、分子末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする、1)〜3)のいずれかに記載のポリシロキサン系組成物。
5).前記(A)成分が、式[XR3 SiO−SiO3/2][R4 SiO−SiO3/2]
を構成単位とする多面体構造ポリシロキサン変性体を含むことを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のポリシロキサン系化合物。
[{a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;R3は、アルキル基またはアリール基;R4は、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記一般式(3)あるいは一般式(4)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は一般式(3)あるいは一般式(4)の構造が異なっていても良くまた一般式(3)あるいは一般式(4)の構造が混在していても良い。
(pは2以上の整数;qは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは下記一般式(5)の構造を有する。
(rは2以上の整数;R5は有機ケイ素化合物を含有する基);Rは、アルキル基またはアリール基}]
6).前記R5が直接ケイ素原子に結合しているアリール基を1個以上含有することを特徴とする、6)に記載のポリシロキサン系組成物。
7).(B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物が、下記一般式(6)で表される有機化合物(B−2)を含むことを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のポリシロキサン系組成物。
(式中R6は炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのR6は異
なっていても同一であってもよい。)
8).前記一般式(6)で表される有機化合物(B−2)が、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートからなる群において選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする、7)に記載のポリシロキサン系組成物。
9).(A)成分が、温度20℃において、液状であることを特徴とする、1)〜8)のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
10).(A)成分が、分子中にヒドロシリル基を平均して3つ以上含有することを特徴とする、1)〜9)のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
11).分子内にヒドロシリル基を二個以上有するシロキサン化合物(C)を含有することを特徴とする1)〜10)のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
12).ヒドロシリル化触媒を含有することを特徴とする、1)〜11)のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
13).硬化遅延剤を含有することを特徴とする、1)〜12)のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
14).接着性付与剤を含有することを特徴とする、1)〜13)のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
高い耐熱・耐光性、ガスバリア性を有し、耐冷熱衝撃性と通電信頼性に優れ、かつ、光半導体素子を封止する際のハンドリング性が良好なポリシロキサン系組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)>
本発明におけるアルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)は、分子中にアルケニル基を有する、多面体骨格を有するポリシロキサンであれば、特に限定はない。具体的に、例えば、以下の式[RSiO3/2[RSiO3/2
(x+yは6〜24の整数;xは1以上の整数、yは0または1以上の整数;Rはアルケニル基、または、アルケニル基を有する基;Rは、任意の有機基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物を好適に用いることができ、さらには、式
[AR1 SiO−SiO3/2][R2 SiO−SiO3/2]
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;R1は、アルキル基またはアリール基;R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物が好ましいものとして例示される。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が例示されるが、耐熱性・耐光性の観点から、ビニル基が好ましい。
1は、アルキル基またはアリール基である。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が例示され、また、アリール基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基が例示される。本発明におけるR1としては、耐熱性・耐光性の観点から、メチル基が好ましい。
2は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基である。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が例示され、また、アリール基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基が例示される。本発明におけるRとしては、耐熱性・耐光性の観点から、メチル基が好ましい。
aは1以上の整数であれば、特に制限はないが、化合物の取り扱い性や得られる硬化物の物性から、2以上が好ましく、3以上がさらに好ましい。また、bは、0または1以上の整数であれば、特に制限はない。
aとbの和(=a+b)は、6〜24の整数であるが、化合物の安定性、得られる硬化物の安定性の観点から、6〜12、さらには、6〜10であることが好ましい。
(a)成分の合成方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて合成することができる。合成方法としては、例えば、RSiXa3(式中Rは、上述のR、Rを表し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性官能基を表す)のシラン化合物の加水分解縮合反応によって、得られる。または、RSiXa3の加水分解縮合反応によって分子内に3個のシラノール基を有するトリシラノール化合物を合成したのち、さらに、同一もしくは異なる3官能性シラン化合物を反応させることにより閉環し、多面体構造ポリシロキサンを合成する方法も知られている。
その他にも、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基存在下で加水分解縮合させる方法が挙げられる。本合成方法においては、テトラアルコキシシランの加水分解縮合反応により、多面体構造を有するケイ酸塩が得られ、さらに得られたケイ酸塩をアルケニル基含有シリルクロライド等のシリル化剤と反応させることにより、多面体構造を形成するSi原子とアルケニル基とが、シロキサン結合を介して結合した多面体構造ポリシロキサンを得ることが可能となる。本発明においては、テトラアルコキシランの替わりに、シリカや稲籾殻等のシリカを含有する物質からも、同様の多面体構造ポリシロキサンを得ることが可能である。
<1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)>
本発明における1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)は、後述のヒドロシリル基を有する化合物(b)のヒドロシリル基と反応する。(a’)成分を用いることで、得られる硬化物の弾性率を低下させることができ、耐冷熱衝撃性を向上させることができる。また、得られる組成物の粘度コントロールをすることが可能となり、例えば、LED封止剤として用いた場合に蛍光体の凝集を抑制したり、LED封止剤として用いた場合のハンドリング性を向上させることが可能となる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が例示されるが、耐熱性・耐光性の観点から、ビニル基が好ましい。
本発明における(a’)成分は、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物であれば特に限定はされないが、1分子中に少なくともアリール基を1個以上含有していることが、ガスバリア性や屈折率の観点から好ましく、さらには、該アリール基が直接ケイ素原子に結合していることが、耐熱性、耐光性の観点から、さらに好ましい。
本発明における(a’)成分は、耐熱性、耐光性の観点から、シラン、またはポリシロキサンであることが好ましい。このような(a’)成分が、1分子中にアルケニル基を1個有するシランである場合、具体的に例えば、トリメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、メチルジフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシラン、トリエチルビニルシラン、ジエチルフェニルビニルシラン、エチルジフェニルビニルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルジメチルフェニルシラン、アリルメチルジフェニルシラン、アリルトリフェニルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルジエチルフェニルシラン、アリルエチルジフェニルシラン等が例示される。中でも、耐熱性、耐光性の観点から、トリメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、メチルジフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシランが好ましい例として挙げられ、さらに、ガスバリア性や屈折率の観点から、ジメチルフェニルビニルシラン、メチルジフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシランが好ましい例として挙げられる。
また(a’)成分がポリシロキサンである場合、アルケニル基を1個有する直鎖構造のポリシロキサン、分子末端にアルケニル基を1個有するポリシロキサン、アルケニル基を1個有する環状シロキサン等が例示される。
(a’)成分が、アルケニル基を1個有する直鎖構造のポリシロキサンである場合、具体的に例えば、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたジメチルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたメチルフェニルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位との共重合体等が例示される。
分子末端にアルケニル基を1個有するポリシロキサンである場合、具体的に例えば、先に例示したジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端が1個ずつ封鎖されたポリシロキサン、SiO単位、SiO3/2単位、SiO単位、SiO1/2単位からなる群において選ばれる少なくとも1つのシロキサン単位および1つのジメチルビニルシロキサン単位からなるポリシロキサンなどが例示される。
(a’)成分が、アルケニル基を1個有する環状シロキサンである場合、具体的に例えば、1−ビニル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1−ビニル−3−フェニル−1,3,5,5,7,7−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1−ビニル−3,5−ジフェニル−1,3,5,7,7−ペンタメチルシクロテトラシロキサン、1−ビニル−3,5,7−トリフェニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。これら(a’)成分である、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<ヒドロシリル基を有する化合物(b)>
本発明で用いるヒドロシリル基を有する化合物(b)は、分子中に1個以上のヒドロシリル基を有していれば特に制限はないが、得られる多面体構造ポリシロキサン変性体の透明性、耐熱性、耐光性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であることが好ましく、さらには、ヒドロシリル基を有する環状シロキサンあるいは直鎖状ポリシロキサンであることが好ましい。特に耐熱性、耐光性、耐青色レーザー性、ガスバリア性の観点からは、環状シロキサンであることが好ましい。
ヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサンなどが例示される。
特に、ヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサンとしては、変性させる際の反応性や得られる硬化物の耐熱性、耐光性等の観点から、ジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリシロキサン、さらにはジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンを好適に用いることができ、具体的に例えば、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンなどが、好ましい例として例示される。
ヒドロシリル基を有する環状シロキサンとしては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンなどが例示される。本発明における環状シロキサンとしては、工業的入手性および反応性、あるいは、得られる硬化物の耐熱性、耐光性、強度等の観点から、具体的に例えば、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを好適に用いることができる。
これら(b)成分である、ヒドロシリル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<多面体構造ポリシロキサン変性体(A)>
本発明の(A)成分である多面体構造ポリシロキサン変性体は、後述のヒドロシリル化触媒の存在下、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)を、ヒドロシリル基を有する化合物(bとヒドロシリル化反応させることにより得られる。本発明の多面体構造ポリシロキサン変性体を得る方法としては、特に限定されず種々設定できるが、予め(a)成分と(b)成分を反応させた後、(a’)成分を反応させても良いし、予め(a’)成分と(b)成分を反応させた後、(a)成分を反応させても良いし、(a)成分と(a’)成分を共存させて(b)成分と反応させても良い。各反応の終了後に、例えば減圧・加熱条件下にて、揮発性の未反応成分を留去し、目的物あるいは次のステップへの中間体として用いても良い。(a’)成分と(b)成分のみが反応し、(a)成分を含まない化合物の生成を抑制するためには、(a)成分と(b)成分を反応させ、未反応の(b)成分を留去した後、(a’)成分を反応させる方法が好ましい。(a’)成分と(b)成分のみが反応し、(a)成分を含まない化合物の生成の抑制は耐熱性の観点から好ましい。こうして得られた多面体構造ポリシロキサン変性体には、反応に用いた(a)成分のアルケニル基が一部残存していてもよい。
(b)成分の添加量は、(a)成分が有するアルケニル基1個に対し、ヒドロシリル基の数が2.5〜20個になるように用いることが好ましい。添加量が少ないと、架橋反応によりゲル化が進行するため、多面体構造ポリシロキサン変性体のハンドリング性が劣る場合があり、添加量が多いと、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
(a’)成分の添加量は、(b)成分が有するヒドロシリル基1個に対し、アルケニル基の数が0.01〜0.4個になるように用いることが好ましい。添加量が少ないと、得られる硬化物の耐冷熱衝撃性改善への効果が小さい場合があり、添加量が多いと、得られる硬化物に硬化不良が生じる場合がある。
多面体構造ポリシロキサン変性体の合成時に用いるヒドロシリル化触媒の添加量としては特に制限はないが、反応に用いる(a)成分及び(a’)成分のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−10モルの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−4〜10−8モルの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化触媒が多いと、ヒドロシリル化触媒の種類によっては、短波長の光に吸収を示すため、着色原因になったり、得られる硬化物の耐光性が低下する恐れがあり、また、硬化物が発泡する恐れもある。また、ヒドロシリル化触媒が少ないと、反応が進まず、目的物が得られない恐れがある。
ヒドロシリル化反応の反応温度としては、30〜400℃、さらに好ましくは、40〜250℃であることが好ましく、より好ましくは、45〜140℃である。温度が低すぎると反応が十分に進行せず、温度が高すぎると、ゲル化が生じ、ハンドリング性が悪化する恐れがある。
本発明の(A)成分である多面体構造ポリシロキサン変性体の他の好ましい例としては、式[XR3 SiO−SiO3/2][R4 SiO−SiO3/2][a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記一般式(3)あるいは一般式(4)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は一般式(3)あるいは一般式(4)の構造が異なっていても良くまた一般式(3)あるいは一般式(4)の構造が混在していても良い。
{pは2以上の整数;qは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは下記一般式(5)の構造を有する。(rは2以上の整数;Rは有機ケイ素化合物を含有する基);Rはアルキル基またはアリール基}で表されるシロキサン単位から構成されることを特徴としている。
ここで、耐熱性、耐光性、耐青色レーザー性、ガスバリア性等の観点から、一般式(5)で示される構造を含有することが好ましい。
また、R5はケイ素化合物を含有する基であれば特に限定はされないが、1分子中に少なくともアリール基を1個以上含有していることが、ガスバリア性や屈折率の観点から好ましく、さらには、該アリール基が直接ケイ素原子に結合していることが、耐熱性、耐光性の観点から、好ましい。
本発明における(A)成分である多面体構造ポリシロキサン変性体は、シロキサン系化合物、あるいは、有機化合物、具体的には、後述の(B)成分との相溶性を確保でき、さらに、例えば、分子内にヒドロシリル基を含有していることから、各種アルケニルを有する化合物と反応させることが可能となる。具体的には、後述の化合物(B)および(C)と反応させることにより、耐熱性、耐光性、耐青色レーザー性、ガスバリア性等に優れる硬化物を得ることができる。
本発明における(A)成分である多面体構造ポリシロキサン変性体は、温度20℃において液状とすることも可能である。多面体構造ポリシロキサン変性体を液状とすることで、ハンドリング性に優れることから好ましい。
<(B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物>
本発明に用いられる分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物(B)は、例えば、分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物で一般式(1)または(2)にあらわされるポリシロキサン化合物(B−1)や、後述する有機化合物(B−2)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、(B-1)成分と(B-2)成分とは併用してもよい。
化合物(B)の添加量は種々設定できるが、化合物(B)のアルケニル基1個あたり、化合物(A)に含まれるヒドロシリル基が0.3〜5個、好ましくは、0.5〜3個となる割合で添加されることが望ましい。アルケニル基の割合が少ないと、発泡等による外観不良が生じやすくなり、また、アルケニル基の割合が多いと、硬化後の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
<分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物で一般式(1)または(2)にあらわされるポリシロキサン化合物(B−1)>
本発明における分子内にアルケニル基を2個以上有する化合物で一般式(1)または(2)にあらわされるポリシロキサン化合物のユニット数は、150>l≧0、150>m≧0、150>n≧0、o≧2かつl+m+n>10である。l+m+nの範囲については、10≦l+m+n<100が好ましくさらに好ましくは10≦l+m+n<80である。1分子中のシロキサンのユニット数が少ないと、組成物から揮発しやすくなり、硬化後に所望の物性が得られないことがある。また、シロキサンのユニット数が多いと、得られた硬化物のガスバリア性が低下する場合がある。
また、個別のユニット数は150>l≧0、150>m≧0、150>n≧0であり、好ましくは100>l≧0、100>m≧0、100>n≧0、さらに好ましくは80>l≧0、80>m≧0、80>n≧0である。また、o≧2であれば特に制限はないが、耐冷熱衝撃性の観点から架橋密度が高すぎると好ましくないため100>o≧2の範囲であることが好ましく、50>o≧2であることがより好ましく、30>o≧2であることがさらに好ましい。l,m,nのユニット数の組み合わせについては特に制限はないが、通電信頼性の観点からm単位を単独(l=n=0)で用いる場合がより好ましい。分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物で一般式(1)または(2)にあらわされるポリシロキサン化合物の添加量は種々設定できるが、アルケニル基1個あたり、多面体構造ポリシロキサン変性体である多面体構造ポリシロキサン系変性体に含まれるSi原子に直結した水素原子が0.3〜5個、好ましくは、0.5〜3個となる割合で添加されることが望ましい。アルケニル基の割合が少ないと、発泡等による外観不良が生じやすくなり、また、アルケニル基の割合が多いと、硬化後の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
<(B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物(B−2)
本発明における(B−2)成分は、下記一般式(6)で表される有機化合物であって、かつ、1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物であれば特に限定はされない。(式中R6は炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのR6は異なっていても同一であってもよい。)本発明におけるR6は、炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子であれば特に限定はされないが、耐熱性や耐光性、耐冷熱衝撃性などの得られる硬化物の物性の観点から、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒドロシリル基、水素原子であることが好ましい。ただし、少なくとも2つはアルケニル基またはヒドロシリル基を含有している基である。
本発明における(B−2)成分は、得られる硬化物の強度やガスバリア性、耐熱性、耐光性等の観点から、1分子中にアルケニル基を2個以上含有していることが好ましい。また、(B−2)成分の骨格中にアルケニル基やヒドロシリル基以外の官能基を有していても構わないが、(A)成分との相溶性との観点から、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖上の脂肪族炭化水素系基をはじめとする極性の低い官能基であるほうが好ましく、耐熱性、耐光性の観点から、特にメチル基が好ましい。
アルケニル基を含有する(B−2)成分としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノエチルイソシアヌレート等が例示され、耐熱性・耐光性・ガスバリア性等の観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい例として挙げられる。
上記具体例のうち、例えば組成物を基材と硬化させた場合の基材との接着性の観点からイソシアヌル酸誘導体を用いることが好ましく、さらに、耐熱性・耐光性とのバランスの観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いることがより好ましく、例えば、耐冷熱衝撃性・ガスバリア性とのバランスの観点からジアリルモノメチルイソシアヌレートがさらに好ましい。
アルケニル基を有する(B−2)成分の添加量は種々設定できるが、(B−2)成分に含まれるアルケニル基1個あたり、前述の多面体構造ポリシロキサン変性体(A)に含まれるヒドロシリル基が0.3〜5個、好ましくは、0.5〜3個となる割合で添加されることが望ましい。アルケニル基の割合が少なすぎると、発泡等による外観不良が生じやすくなり、また、多すぎると硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種類以上併用して用いてもよい。
<分子内にヒドロシリル基を二個以上有する環状シロキサン化合物(C)>
本発明における(C)成分としては、ヒドロシリル基を有する化合物であれば特に問題ないが、得られる変性ポリシロキサンの透明性、耐熱性、耐光性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であることが好ましく、さらに好ましくは、ヒドロシリル基を有する環状構造のシロキサン化合物である。また、ガスバリア性の観点からイソシアヌル構造を持つことがより好ましい。これらヒドロシリル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における(C)成分の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジメチルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノエチルイソシアヌレート、モノアリルジエチルイソシアヌレート、モノアリルモノメチルモノエチルイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と前述のヒドロシリル基を有する化合物(b)をヒドロシリル化して得られる変性体等が例示され、耐熱性・耐光性・ガスバリア性等の観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、前述のヒドロシリル基を有する化合物(b)をヒドロシリル化して得られる変性体が好ましい例として挙げられる。
<ヒドロシリル化触媒>
本発明では、(A)成分である多面体構造ポリシロキサン変性体の合成、および、該変性体を含有する組成物を硬化させる際に、ヒドロシリル化触媒を用いる。
本発明で用いるヒドロシリル化触媒としては、通常ヒドロシリル化触媒として公知のものを用いることができ、特に制限はない。
具体的に例示すれば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4m;白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。
<硬化遅延剤>
硬化遅延剤は、本発明のポリシロキサン系組成物の保存安定性を改良あるいは、硬化過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整するための成分である。本発明においては、硬化遅延剤としては、ヒドロシリル化触媒による付加型硬化性組成物で用いられている公知のものが使用でき、具体的には脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらを単独使用、または2種以上併用してもよい。
前記の脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、具体的には3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル類等が例示できる。
有機リン化合物としては、具体的にはトリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示できる。
有機イオウ化合物としては、具体的にはオルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示できる。
窒素含有化合物としては、具体的にはN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン、2,2’−ビピリジン等が例示できる。
スズ系化合物としては、具体的にはハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示できる。
有機過酸化物としては、具体的にはジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示されうる。これらのうち、マレイン酸ジメチル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが、特に好ましい硬化遅延剤として例示できる。
硬化遅延剤の添加量は、特に限定するものではないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対して10−1〜10モルの範囲で用いるのが好ましく、1〜300モルの範囲で用いるのがより好ましい。また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
<ポリシロキサン系組成物>
本発明のポリシロキサン系組成物は、(A)成分および(B)成分、また、必要に応じて、ヒドロシリル化触媒、硬化遅延剤等を加えることにより得ることができる。本発明のポリシロキサン系組成物は、液状樹脂組成物として取り扱うことが可能である。液状樹脂組成物とすることにより、型、パッケージ、基板等に、注入あるいは塗布して硬化させることで、用途に応じた成型体を容易に得ることができる。
硬化させる際に温度を加える場合は、好ましくは、30〜400℃、さらに好ましくは50〜250℃である。硬化温度が高くなり過ぎると、得られる硬化物に外観不良が生じる傾向があり、低すぎると硬化が不十分となる。また、2段階以上の温度条件を組み合わせて硬化させてもよい。具体的には例えば、70℃、120℃、150℃の様に段階的に硬化温度を引き上げていくことで、良好な硬化物を得ることができ好ましい。
硬化時間は硬化温度、用いるヒドロシリル化触媒の量及び反応性基の量、その他、本願組成物のその他の配合物の組み合わせにより適宜選択することができるが、あえて例示すれば、1分〜15時間、好ましくは10分〜12時間行うことにより、良好な硬化物を得ることができる。
本発明のポリシロキサン系組成物は、必要に応じて接着性付与剤を添加することができる。接着性付与剤は、例えば、本発明におけるポリシロキサン系組成物と基材との接着性を向上する目的で用いるものであり、その様な効果があるものであれば特に制限はないが、シランカップリング剤が好ましい例として例示できる。
シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
シランカップリング剤の添加量としては、(A)成分と(B)成分の混合物100重量部に対して、0.05〜30重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明においては、接着性付与剤の効果を高めるために、公知の接着性促進剤を用いることができる。接着性促進剤としては、エポキシ含有化合物、エポキシ樹脂、ボロン酸エステル化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のポリシロキサン系組成物は、必要に応じて無機フィラーを添加することができる。本発明のポリシロキサン系組成物の組成分として無機フィラーを用いることにより、得られる成形体の強度、硬度、弾性率、熱膨張率、熱伝導率、放熱性、電気的特性、光の反射率、難燃性、耐火性、およびガスバリア性等の諸物性を改善することができる。
無機フィラーは、無機物もしくは無機物を含む化合物であれば特に限定されないが、具体的に例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機フィラー、アルミナ、ジルコン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、ガラスフレーク、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、フェライト、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
無機フィラーは、適宜表面処理をほどこしてもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、シランカップリング剤による処理等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
無機フィラーの形状としては、破砕状、片状、球状、棒状等、各種用いることができる。無機フィラーの平均粒径や粒径分布は、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から、平均粒径が0.005〜50μmであることが好ましく、さらには0.01〜20μmであることがより好ましい。同様に、BET比表面積についても、特に限定されるものでないが、ガスバリア性の観点から、70m2/g以上であることが好ましく、100m2/g以上であることがより好ましく、さらに200m2/g以上であることが特に好ましい。
無機フィラーの添加量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の混合物100重量部に対して、1〜1000重量部、よりこの好ましくは、3〜500重量部、さらに好ましくは、5〜300重量部である。無機フィラーの添加量が多いと、流動性が悪くなる場合があり、無機フィラーの添加量が少ないと、所望の物性が得られない場合がある。
無機フィラーの混合の順序としては、特に限定されないが、貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(B)成分に混ぜた後、(A)成分を混合する方法が望ましい。また、反応成分である(A)成分、(B)成分がよく混合され安定した成形物が得られやすいという点においては、(A)成分、(B)成分を混合したものに、無機フィラーを混合することが好ましい。
本発明のポリシロキサン系組成物には、必要に応じて酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤を用いることにより、得られる光半導体装置のヒートサイクル試験や高温保管試験や通電試験などの各種信頼性試験での信頼性を向上させることができる。酸化防止剤としては例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。必要に応じて光安定剤を添加することができる。光安定剤は市販のものであってもよく、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれもチバ・ジャパン製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(チバ・ジャパン製)等のようなベンゾエート系化合物等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系化合物等が例示できる。
なかでも、入手性の観点からヒンダードアミン系化合物がより好ましい。ヒンダードアミン系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。チヌビン622LD、チヌビン144、CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB119FL、チヌビンLS770、チヌビンLS765、チヌビンLS292、チヌビンLS2626、チヌビンLS1114、チヌビンLS744、チヌビンLS440(以上いずれもチバ・ジャパン製)、アデカスタブ LA−52、アデカスタブ LA−57、アデカスタブ LA−63P、アデカスタブ LA−68、アデカスタブ LA−72、アデカスタブ LA−77Y、アデカスタブ LA−77G、アデカスタブ LA−81、アデカスタブ LA−82、アデカスタブ LA―87(以上いずれもADEKA製)。このなかでも特に樹脂への溶解性の観点からLA−72、LA−77Y、LA−77G,LA−68、LA−63が望ましい。
これら無機フィラーを混合する手段としては、特に限定されるものではないが、具体的に例えば、2本ロールあるいは3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、プラストミル等の溶融混練機等が挙げられる。無機フィラーの混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよく、また、常圧下で行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。混合する際の温度が高いと、成型する前に組成物が硬化する場合がある。
また、本発明のポリシロキサン系組成物には、必要に応じて蛍光体、着色剤、耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離型剤あるいは充填剤用分散剤などを任意で添加することができる。
蛍光体は前記発光素子の発する光を吸収して異なる波長の光を発生するものであり、本発明の半導体発光装置に用いられる蛍光体としては、特に限定されず、一般的に公知の無機蛍光体や有機蛍光体を用いることができる。具体的に、例えば、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、オルトシリケートアルカリ土類系蛍光体、α−サイアロン系蛍光体、β−サイアロン系蛍光体、CASN系蛍光体、S−CASN系蛍光体、ニトリドおよびオキシニトリド系蛍光体、KSF系蛍光体、などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら蛍光体は1種または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。蛍光体の使用量には特に制限は無く、半導体発光装置が必要とする発光色を得るために任意の量を使用することができるが、あえて例示するならば、硬化性組成物中に好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上であり、好ましくは150重量%以下、より好ましくは100重量%以下である。蛍光体の使用量が少ないと、蛍光体による波長変換が不十分となり、目的とする発光色が得られなくなる場合があり、蛍光体の使用量が多いと、組成物のハンドリング性が低下したり、光学的な干渉作用により蛍光体の利用効率が低くなったりする可能性がある。
蛍光体を硬化性組成物に混合する方法としては、蛍光体の結晶構造に損傷を与えず蛍光体を均一に混合することが可能な方法であれば特に制限はなく、例えばミキサー、高速ディスパー、ホモジナイザー、3本ロール、2本ロール、ニーダー、ビーズミル等、従来公知の方法を用いることが出来る。上記の中でも特に、遊星攪拌ミキサー、3本ロール、2本ロール、など混合にあたり発熱の少ないものや混合機由来の金属磨耗粒子の混入が少ないものが好ましく、なかでも遊星攪拌ミキサーが蛍光体の損傷少なく脱泡しながら混合できるので好ましい。これらの混合方法は、一種のみ行ってもよく、また二種以上を組み合わせて行ってもよい。
本発明に用いられる硬化性組成物の粘度は、特に制限はないが、温度23℃において0.1Pa・s〜300Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは0.3Pa・s〜200Pa・sである。硬化性組成物の粘度が低いと、蛍光体が沈降し個体間の色度ズレが大きくなる恐れがあり、粘度が高いと、硬化性組成物のハンドリング性が悪化する恐れがある。
硬化性組成物を硬化させる際に温度を加える場合は、好ましくは、30〜400℃、さらに好ましくは50〜250℃である。硬化温度が高いと、得られる硬化物に外観不良が生じる傾向があり、低いと硬化が不十分となる。また、2段階以上の温度条件を組み合わせて硬化させてもよい。具体的には例えば、80℃、120℃、150℃、170℃、220℃の様に段階的に硬化温度を引き上げていくことで、良好な硬化物を得ることができ好ましい。
充填剤用分散剤としては、例えば、ジフェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサンなどが挙げられる。なお、これら任意成分は、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止めることが好ましい。
本発明のポリシロキサン系組成物には、上記した成分をロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いたり、遊星式攪拌脱泡機を用いて均一に混合し、必要に応じ加熱処理を施したりしてもよい。
本発明のポリシロキサン系組成物は、成形体として使用することができる。
成形方法としては、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、発泡成形、射出成形、液状射出成形、注型成形などの任意の方法を使用することができる。本発明において得られる成型体の用途としては、具体的に例えば、液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、カラーフィルター、偏光子保護フィルム、パッシベーション膜などの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料が例示される。また、PDP(プラズマディスプレイ)の封止剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、カラーフィルター、パッシベーション膜、またLED表示装置に使用されるLED素子のモールド材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、カラーフィルター、パッシベーション膜、またプラズマアドレス液晶ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、カラーフィルター、偏光子保護フィルム、パッシベーション膜、また有機ELディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、カラーフィルター、接着剤、パッシベーション膜、またフィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、カラーフィルター、パッシベーション膜が例示される。
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤が例示される。さらに具体的には、次世代DVD等の光ピックアップ用の部材、例えば、ピックアップレンズ、コリメータレンズ、対物レンズ、センサレンズ、保護フィルム、素子封止剤、センサー封止剤、グレーティング、接着剤、プリズム、波長板、補正板、スプリッタ、ホログラム、ミラー等が例示される。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部が例示される。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーが例示される。またプロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤などが例示される。光センシング機器のレンズ用材料、封止剤、接着剤、フィルムなどが例示される。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止剤、接着剤などが例示される。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止剤、接着剤などが例示される。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LED素子の封止剤、接着剤などが例示される。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤などが例示される。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーが例示される。
半導体集積回路周辺材料では、層間絶縁膜、パッシベーション膜、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料が例示される。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品が例示される。また、鉄道車輌用の複層ガラスが例示される。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コートが例示される。
建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料が例示される。農業用では、ハウス被覆用フィルムが例示される。
次世代の光・電子機能有機材料としては、次世代DVD、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤などが例示される。
次に本発明の組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(SiH価)
下記のSiH価は、その化合物とジブロモエタンの混合物を作り、重クロロホルムに溶解させ、バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製 300MHz NMRを用いてNMR測定を行うことで、下記計算式
SiH価(mol/kg)=[化合物のSiH基に帰属されるピークの積分値]/[ジブロモエタンのメチル基に帰属されるピークの積分値]×4×[混合物中のジブロモエタン重量]/[ジブロモエタンの分子量]/[混合物中の化合物重量]
を用いて計算した。
(評価試験用サンプル作成方法)
ジェネライツ社製9mil×21mil角 青色LEDチップ(品番:B2040)を実装したSDI社製リフレクター(品番:SDI4G41)に組成物を注入し、対流式オーブンで80℃60分、120℃120分、150℃180分の順に昇温して硬化させてサンプルを作成した。
(耐冷熱衝撃試験)
上記の通り作成した評価試験用サンプルを、熱衝撃試験機(日立アプライアンス株式会社製)を用いて、高温保持125℃、30分間、低温保持−55℃、30分間のサイクルを500サイクル行った後、サンプルを観察した。試験後、目視で変化が無ければ○、樹脂にクラックが入ったり、樹脂とパッケージとの間に剥離、あるいは樹脂の着色が起きたりした場合は×とした。
(硫化水素試験)
評価試験用サンプルを、フロー式ガス腐食試験機(ファクトケイ製KG130S)内に入れ、40℃、相対湿度80%、硫化水素3ppmの条件下で、96時間、硫化水素暴露試験を行った。試験後、パッケージのリフレクターが変色していなければ○、わずかに変色が見られた場合は△、黒くなっている場合は×とした。
(LED連続通電試験)
評価試験用サンプルをダイセン電子工業製ガラスエポキシ基板(品番:D006)の0.95mmピッチ面に、藤倉化成製導電性ペースト(FA−705BN)を用いて150℃40分加熱して接着し、テクノローグ社製LEDテスタ(品番:LX4652C)に接続して、恒温恒湿器(ナガノサイエンス製LH43−13M)内に入れ、85℃、相対湿度85%で、500時間・50mAの電流を通電しLED連続通電試験を行った。試験後、硬化物がパッケージ・リードフレームからの剥離がなければ○、わずかな剥離がある場合は△、大きな剥離のある場合は×とした。
(製造例1)
48%コリン水溶液(トリメチル−2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)1803gにテトラエトキシシラン1459gを加え、室温で2時間激しく撹拌した。反応系内が発熱し、均一溶液になった段階で、撹拌を緩め、さらに12時間反応させた。次に、反応系内に生成した固形物に、メタノール1400mLを加え、均一溶液とした。
ジメチルビニルクロロシラン1149g、トリメチルシリクロリド830gおよびヘキサン1400mLの溶液を激しく攪拌しながら、メタノール溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間反応させた後、有機層を抽出、濃縮することにより、固形物を得た。次に、生成した固形物をメタノール中で激しく攪拌することにより洗浄し、ろ別することにより、Si原子16個と、ビニル基4個を有するアルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物であるテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン(Fw=1175.8)を白色固体として760g得た。
(製造例2)
製造例1で得られたアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物であるテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン30.0gをトルエン123.0gに溶解させ、ビニルジフェニルメチルシラン31.5g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)1.46μLを加えた。このようにして得られた溶液を、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン24.6g、トルエン24.6gの溶液にゆっくりと滴下し、105℃で2時間反応させた。反応終了後、エチニルシクロヘキサノール2.8μl、マレイン酸ジメチル0.65μlを加え、トルエンと未反応成分を留去することにより、液状の多面体構造ポリシロキサン変性体(反応物I)80.8g(SiH価1.88mol/kg)を得た。
(製造例3)
5Lの二口フラスコに、攪拌装置、冷却管、滴下漏斗をセットした。このフラスコに1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン500gと、トルエン500gの混合溶液を窒素で置換した後、50℃で加熱、攪拌した。この溶液に、アリルグリシジルエーテル350g、トルエン350g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)152μLの混合液を撹拌しながら滴下し、滴下終了後、70℃に上げて1h反応させた。さらに、この反応溶液に、トリアリルイソシアヌレート34g、トルエン34gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート130g、トルエン130g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)76μLの混合液を滴下した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと、トルエンと、アリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体およびトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、エチニルシクロヘキサノール435μl、マレイン酸ジメチル101μlを加え、無色透明液体であるエポキシ基含有化合物1023g(反応物II)(SiH価3.80mol/kgを得た。
(実施例1)
2.86gの反応物Iに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=0、m=17、n=0)7.09g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例2)
7.24gの反応物Iに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン1.35g(l=0、m=17、n=0)およびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.35g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例3)
4.49gの反応物Iおよび2.12gの反応物IIに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=0、m=17、n=0)1.67gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.67g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例4)
4.65gの反応物Iおよび2.20gの反応物IIに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=0、m=38、n=0)1.27gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.83g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例5)
4.53gの反応物Iおよび2.14gの反応物IIに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=0、m=76、n=0)1.47gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.80g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例6)
4.66gの反応物Iおよび2.20gの反応物IIに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=20、m=0、n=46)1.24gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.85g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例7)
4.66gの反応物Iおよび2.20gの反応物IIに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=20、m=40、n=0)1.24gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.85g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例8)
4.66gの反応物Iおよび2.20gの反応物IIに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=2、m=30、n=0)1.24gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.85g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(実施例9)
4.66gの反応物Iおよび2.20gの反応物IIに、一般式(2)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=40、m=0、n=0、o=10)1.24gおよびジアリルモノメチルイソシアヌレート1.85g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.7mg、エチニルシクロヘキサノール1.3mg、マレイン酸ジメチル0.07mgを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(比較例1)
7.39gの反応物Iに、1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン2.56g(一般式(1)中のl=1、m=n=0)を加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(比較例2)
7.39gの反応物Iに、一般式(1)に記載の両末端ビニルポリシロキサン(l=0、m=1、n=0)2.38gを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
(比較例3)
8.0gの反応物Iに、1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン0.828g(一般式(1)中のl=1、m=n=0)およびジアリルメチルイソシアヌレート1.12gを加えて撹拌し、多面体構造ポリシロキサン系組成物を作成した。このようにして得られた組成物を用いて、上述の各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
表1に示すように、本発明の硬化性組成物を使用した半導体発光装置においては、表2に記載の比較例に対して、高い耐熱性、耐光性を有し、耐冷熱衝撃性およびガスバリア性に優れ、さらにはLED連続通電時の剥離を抑制できることが分かった。このような特徴を有していることから、本発明のポリシロキサン系組成物は各種封止剤としても好適に用いることができ、当該封止剤を用いて光学デバイス、光半導体デバイス等を作成することも可能である。

Claims (14)

  1. (A)アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)とのヒドロシリル化反応物である多面体構造ポリシロキサン変性体、
    (B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物、
    を必須成分とし、前記(B)成分が下記一般式(1)または(2)であらわされるポリシロキサン化合物(B−1)であることを特徴とするポリシロキサン系組成物。(但し、150>l≧0、150>m≧0、150>n≧0、o≧2かつl+m+m>10である。)
  2. 1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(a’)が、アリール基を1個以上有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリシロキサン系組成物。
  3. アルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)が、
    式 [AR1 SiO−SiO3/2][R2 SiO−SiO3/2]
    (a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物であることを特徴とする、請求項1〜2いずれかに記載のポリシロキサン系組成物。
  4. ヒドロシリル基を含有する化合物(b)が、ヒドロシリル基を含有する環状シロキサン、および/または、分子末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリシロキサン系組成物。
  5. 前記(A)成分が、式[XR3 SiO−SiO3/2][R4 SiO−SiO3/2]
    を構成単位とする多面体構造ポリシロキサン変性体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリシロキサン系化合物。
    [{a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記一般式(3)あるいは一般式(4)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は一般式(3)あるいは一般式(4)の構造が異なっていても良くまた一般式(3)あるいは一般式(4)の構造が混在していても良い。
    (pは2以上の整数;qは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは下記一般式(5)の構造を有する。
    (rは2以上の整数;Rは有機ケイ素化合物を含有する基);Rは、アルキル基またはアリール基}]
  6. 前記Rが直接ケイ素原子に結合しているアリール基を1個以上含有することを特徴とする、請求項5に記載のポリシロキサン系組成物。
  7. (B)分子内にアルケニル基を二個以上有する化合物が、下記一般式(6)で表される有機化合物(B−2)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリシロキサン系組成物。
    (式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)
  8. 前記一般式(6)で表される有機化合物(B−2)が、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートからなる群において選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする、請求項7に記載のポリシロキサン系組成物。
  9. (A)成分が、温度20℃において、液状であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
  10. (A)成分が、分子中にヒドロシリル基を平均して3つ以上含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
  11. 分子内にヒドロシリル基を二個以上有するシロキサン化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
  12. ヒドロシリル化触媒を含有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
  13. 硬化遅延剤を含有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
  14. 接着性付与剤を含有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
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