JP2019124455A - 換気レジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】極小粒の汚染物質を高確率で捕集可能でありながら圧力損失の増加を抑制できる換気レジスタを提供する。【解決手段】自然給気口において使用される換気レジスタ1であって、建物の換気口2に差込ませて取り付ける差込筒3と、前記差込筒を通過した気体が通るフィルターろ材8と、前記差込筒と前記フィルターろ材との間のプレフィルター13とを備え、前記フィルターがナノフィルターで構成する形にて、換気レジスタ1を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、建造物の屋内側の換気口に取り付けられる換気レジスタに関する。
建造物の換気を行うために、屋内側の壁に換気口を設ける場合がある。こうした換気口は屋内外を連通する貫通孔をなすものであるため、屋外の粉じんや雨粒等の異物が屋内に入り込むことを防ぐために、フィルターを有する換気レジスタが取り付けられる場合がある。このフィルターは平板状でなるものが一般的であり、換気口の内部に配置されたり、換気口の屋内側開口部を覆うように設けられたりする(例として特許文献1参照)。
必要に応じて換気口の通気路を封鎖できる開閉機構を備える換気レジスタが使用されている(例として特許文献2参照)。こうした開閉機構を備えることで、自由に換気口の通気路を開閉できるため、使用者にとって使い勝手の良い換気レジスタとすることができる。
実開平6―62017号公報 特開2005−282985号公報
近年、大気中に浮遊する微小な粒子状物質の人体への健康被害が懸念されている。微小な粒子状物質は、呼吸器の奥深くまで入りやすく、呼吸器系および循環器系へ影響を及ぼすと考えられる。現在の換気レジスタはこのような微小な粒子状物質を十分に捕捉することはできない。
特許文献1に記載されているようなフィルターは、空気の流路を形成する小さな貫通孔を有する。貫通孔を小さくするほど、より小さな異物を捕集することが可能になるが、貫通孔を小さくすると空気の流路が塞がれやすくなり、換気口の圧力損失が増加するという課題がある。こうした圧力損失の増加を抑制する方法としては、換気口やフィルターを大きくすることが考えられる。しかしこれらの場合には、換気レジスタ自体が大型化してしまい、建造物の屋内側の美観を損ねやすいという課題がある。
また、特許文献2に記載されているような換気レジスタは、換気をしない場合には換気口をカバー構造で塞いで閉状態とし、換気を行う場合にはカバー構造を室内側に引き出して換気口の開口部から離間させることで通気路を開いて開状態とすることができる。こうした換気レジスタは、閉状態から開状態に変更する際にカバー構造を換気口側から室内側への押し出しを補助するばね構造を備えるなど、部品点数が多いため製造上の課題がある。また、カバー構造が2枚羽根でなり観音開きが可能な換気レジスタも使用されているが、1つのレバーで2枚の羽根を動かすための機構を備えることから複雑な構造を有する。そのため、効率よく製造することが困難であり、コスト面でも課題がある。さらに、これらの従来の換気レジスタでは、カバー構造を操作する際に作業者が強い力を必要とする場合があるため使用上の課題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、異物の屋内への侵入を抑制することができるとともに、大型化することなく圧力損失の増加を抑制できる換気レジスタを提供することを目的とする。
また、簡単な構造でなり、部品点数が少なく、製造しやすい換気レジスタを提供することにある。また、使用者にとって開閉操作がしやすい換気レジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は以下のように構成される。
(項目1)
自然給気口において使用される換気レジスタであって、
建物の換気口に差込ませて取り付ける差込筒と、
前記差込筒を通過した気体が通る、プレフィルターと、
前記プレフィルターを通過した気体が通る、ナノフィルター製フィルターろ材と
を備える、換気レジスタ。
(項目2)
前記ナノフィルターが、約1〜約250nmの繊維径、および約5〜10μmの孔径を有する、項目1に記載の換気レジスタ。
(項目3)
前記ナノフィルターが、約3〜約10mmのピッチ、および約5〜約40mmの山高さのプリーツを有する、項目2に記載の換気レジスタ。
(項目4)
前記プレフィルターと前記差込筒との間にバックスペースを有する、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目5)
前記バックスペースは約5mm以上である、項目4に記載の換気レジスタ。
(項目6)
前記ナノフィルターが、換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径0.5〜1μmの微粒子を約70%以上捕集する、項目3〜項目5のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目7)
前記換気レジスタが、直径100mmの換気口用であり、かつ前記換気レジスタの圧力損失係数が180以下である、項目6に記載の換気レジスタ。
(項目8)
前記換気レジスタの圧力損失係数が80以下である、項目7に記載の換気レジスタ。
(項目9)
前記換気レジスタが、直径150mmの換気口用であり、かつ前記換気レジスタの圧力損失係数が120以下である、項目6に記載の換気レジスタ。
(項目10)
前記換気レジスタの圧力損失係数が60以下である、項目9に記載の換気レジスタ。
(項目11)
前記ナノフィルターの断面積は、前記換気口の断面積に対して約2.0〜約2.7倍であ
る、項目7〜項目10のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目12)
自然給気口において使用される換気レジスタに取り付けるためのフィルターシステムであって、前記フィルターシステムは、フィルターろ材とプレフィルターとを含み、前記フィルターろ材のフィルターはナノフィルターであり、
前記ナノフィルターは、
約1〜約250nmの繊維径、および約5〜10μmの孔径を有し、
約3〜約10mmのピッチ、および約5〜約40mmの山高さのプリーツを有し、
前記フィルターシステムは、
換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径0.5〜1μmの微粒子を約70%以上捕集する、フィルターシステム。
(項目13)
建物の換気口に差込ませて取り付ける差込筒と、
差込筒の屋内側の開口部に対して進退動可能なフェイス部と、
周方向に沿って並列に配置される複数のプリーツ部を有する筒型プリーツフィルターと
を備える換気レジスタであって、
前記筒型プリーツフィルターの一方側の開口端がフェイス部の裏面に取り付けられていることを特徴とする換気レジスタ。
(項目14)
前記フェイス部が、前記筒型プリーツフィルターを前記差込筒に対してスライド移動可能に保持する保持部を有する、項目13に記載の換気レジスタ。
(項目15)
前記保持部が保持する前記筒型プリーツフィルターと前記差込筒の内周面との間に、該筒型プリーツフィルターを通過した空気が通る通気間隙部を有する、項目14に記載の換気レジスタ。
(項目16)
前記保持部が、前記差込筒の筒状部との間に密閉部を備える、項目14または項目15に記載の換気レジスタ。
(項目17)
前記筒型プリーツフィルターは、屋外側から屋内側に向けて先細り形状である、項目13〜項目16のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目18)
前記フェイス部が、裏面に前記差込筒の屋外側の開口部に向けて突出する錐形状でなる整流ドーム部を有する、項目13〜項目17のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目19)
前記フェイス部は、前記筒型プリーツフィルターを固定するとともに、該筒型プリーツフィルターとの間の間隙を封止するシール部を有する、項目13〜項目18のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目20)
建物の換気口に設置する差込筒と、
前記差込筒の屋内側に設けられるカバー体と、
前記差込筒の内部の通気路に取付ける第1の翼体と第2の翼体であって、前記第1の翼体と前記第2の翼体とは前記差込筒の内部で回動可能に軸支され、各翼体が回動することで前記通気路を開閉する、第1の翼体と第2の翼体と、
前記差込筒又は前記カバー体に取付ける回動可能な取付軸部と、
前記取付軸部から離間する位置で、回動する該第1の翼体の板面に沿って前記差込筒の径方向で変位可能に前記第1の翼体に保持される押圧部とを有する押圧片部と、
一端側が前記第1の翼体に軸支され、他端側が前記第2の翼体に軸支されることで、翼体同士を連動可能につなぐ連結片部と
を備える換気レジスタ。
(項目21)
前記第1の翼体は前記押圧部に押圧されて回動し、前記連結片部が前記第1の翼体の回動に連動し、さらに前記第2の翼体が前記連結片部に連動して回動することで、前記第1の翼体と前記第2の翼体とが開方向又は閉方向に回動して換気口を開閉することを特徴とする、項目20に記載の換気レジスタ。
(項目22)
前記押圧片部が、前記取付軸部としての第1の取付軸部と、第2の取付軸部と、該第1の取付軸部と該第2の取付軸部の間に配置されて前記押圧片部の軸方向に対する交差方向に向けて突出する突出部とを有し、該第1の取付軸部と該第2の取付軸部とが該押圧片部の回動軸上に配置されており、
前記押圧部が該突出部の突出端側に配置される、項目20または項目21に記載の換気レジスタ。
(項目23)
前記押圧部と前記取付軸部とが単一の部材でなる、項目20〜項目22のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目24)
前記第1の翼体が、翼片と、該翼片との間で前記押圧片部の押圧部を移動可能に保持する保持部とを有する、項目20〜項目23のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
(項目25)
前記押圧片部は前記カバー体から突出する操作部を備える、項目20〜項目24のいずれか1項に記載の換気レジスタ。
すなわち本発明は、建物の換気口に差込ませて取り付ける差込筒と、差込筒の屋内側の開口部に対して進退動可能なフェイス部とを備える換気レジスタについて、周方向に沿って並列に配置される複数のプリーツ部を有する筒型プリーツフィルターを備えており、該筒型プリーツフィルタの一方側の開口端がフェイス部の裏面に取り付けられていることを特徴とする換気レジスタを提供する。
本発明ではフィルターをプリーツ状とすることで、限られた空間内に表面積がより大きなフィルターを配置することができる。このように、表面積がより大きなプリーツ状のフィルターを備えることで、換気レジスタ全体を大型化することなく圧力損失の増加を抑制し、スムーズな換気を行うことができる。
また、こうしたプリーツ状のフィルターを筒型とすることで、単に平板状のプリーツフィルターとする場合と比較して、建造物の壁面における専有面積を小さくすることができる。さらに筒型プリーツフィルターをフェイス部に追従させて差込筒に対して進退動することができるため、フェイス部の差込筒に対する位置を変えることで筒型プリーツフィルターが屋内側に露出する量を調整し、換気量を調節することができる。
前記本発明のフェイス部が、筒型プリーツフィルタを差込筒に対してスライド移動可能に保持する保持部を有するものとすることができる。
こうすることで、筒型プリーツフィルターを差込筒から脱落しないように保持することができる。また、例えば筒型プリーツフィルターを差込筒の内側に挿入して換気口を閉鎖したり、筒型プリーツフィルターをスライド移動させて差込筒から引っ張り出して換気口を開いたりする作業を容易に行うことができる。
前記本発明の保持部が保持する筒型プリーツフィルターと差込筒の内周面との間に、筒型プリーツフィルターを通過した空気が通る通気間隙部を有するものとすることができる。
こうすることで、筒型プリーツフィルターを通過した空気の流路を通気間隙部によって確保することができる。よって、空気がスムーズに屋内に入り込むことができるため、圧力損失の増加を抑制することができる。
前記本発明の保持部が、筒状部との間に密閉部を備えるものとすることができる。
こうすることで、フィルターとフェイス部との間からフィルターを通らない空気が屋内側に漏れて侵入するといった事態を生じ難くすることができる。
前記本発明の筒型プリーツフィルターは、屋外側から屋内側に向けて先細り形状であるものとすることができる。
こうすることで筒型プリーツフィルターと差込筒との間に、筒型プリーツフィルターの外周を一周するように環状の通気間隙部を設けることができる。よって、筒型プリーツフィルターを通過した空気をよりスムーズに屋内に入り込ませることができる。
前記本発明のフェイス部が、裏面に差込筒の屋外側の開口部に向けて突出する整流ドーム部を有するものとすることができる。
整流ドーム部の形状は、差込筒に入り込んだ空気を筒型プリーツフィルターにスムーズに誘導することができる範囲で任意の形状を取り得る。好ましくは錐形状であり、さらに好ましくは円錐形状である。整流ドーム部を設けることによって、空気が整流ドーム部の形状に沿ってスムーズに流れるため、空気がフェイス部の裏面にぶつかって差込筒の内側で乱流が生じるといった事態を防ぐことができ、圧力損失の増加を抑制することができる。
前記本発明のフェイス部は、筒型プリーツフィルターを固定するとともに、筒型プリーツフィルターとの間の部分を封止するシール部を有する。
こうすることで、異物を含んだ空気がフェイス部と筒型プリーツフィルターとの間から屋内に侵入するといった事態を生じ難くすることができる。
前記本発明の筒型プリーツフィルターが、0.3μm以下の大きさの貫通孔を有するフィルターろ材でなるものとすることができる。
こうすることで、例えばPM2.5やPM0.5等の極小粒の汚染物質などの異物の屋内への侵入を抑制することができる。
また、本発明は、建物の換気口に設置する差込筒と、差込筒の屋内側に設けられるカバー体と、差込筒の内部の通気路に取付ける第1の翼体と第2の翼体とを備えており、第1の翼体と第2の翼体は差込筒の内部で回動可能に軸支され、各翼体が回動することで通気路を開閉する換気レジスタについて、差込筒又はカバー体に取付ける回動可能な取付軸部と、取付軸部から離間する位置で、回動する第1の翼体の板面に沿って差込筒の径方向で変位可能に第1の翼体に保持される押圧部とを有する押圧片部と、一端側が第1の翼体に軸支され、他端側が第2の翼体に軸支されることで、翼体同士を連動可能につなぐ連結片部とを備えており、第1の翼体は押圧片部に押圧されて回動し、連結片部が第1の翼体の回動に連動し、さらに第2の翼体が連結片部に連動して回動することで、第1の翼体と第2の翼体とが閉方向又は開方向に回動して換気口を開閉することを特徴とする換気レジスタことを特徴とする換気レジスタを提供する。
本発明は、押圧片部を回動させることで、押圧部が第1の翼体を押圧して回動させ、さらに連結部を介して第2の翼体を回動させることができる。そのため、押圧片部を回動させるという簡単な操作だけで、通気路の開閉操作を行うことができる。また、カバー構造を室内側に引き出す従来の換気レジスタと比較して部品点数を減らすことができるため、より簡単な構造でなり、製造しやすくコスト面でも有利な換気レジスタとすることができる。
前記本発明の押圧片部が、前記取付軸部としての第1の取付軸部と、第2の取付軸部と、前記第1の取付軸部と前記第2の取付軸部の間に配置されて、押圧片部の軸方向に対する交差方向に向けて突出する突出部とを有し、第1の取付軸部と第2の取付軸部とが前記押圧片部の回動軸上に配置されており、前記押圧部が前記突出部の突出端側に配置されるものとすることができる。
こうした構成とすることで、押圧片部をより単純な構造としつつ、第1の翼体を確実に押圧できる押圧部を形成することができる。
前記本発明の押圧部と前記取付軸部とが単一の部材でなるものとすることができる。
押圧片部をこうした構成とすることで、押圧片部が複数の部材でなる場合と比較して、押圧片部を回動させる力を第1の翼体にスムーズに伝え、回動させやすくすることができる。よって、作業者がより軽い力で第1の翼体と第2の翼体の開閉操作を行うことができる。
前記本発明の第1の翼体が、翼片と、該翼片との間に押圧片部の押圧部を移動可能に保持する保持部とを有するものとすることができる。
こうした保持部を有することで、第1の翼体の翼片や保持部を押圧することで第1の翼体を開方向や閉方向に回動させることができる。また、保持部が押圧部を移動可能に保持することができるため、第1の翼体と押圧片部の回動軸が異なり、回動時に押圧部が第1の翼体に対して位置ずれしても、保持部が押圧部を確実に保持し続けることができる。
前記本発明の押圧片部はカバー体から突出する操作部を備えるものとすることができる。
これにより、作業者が容易に操作部に触れることができるため、第1の翼片と第2の翼片の回動操作を容易に行うことができる。
本発明の換気レジスタによれば、異物の屋内への侵入を抑制するとともに、圧力損失の増加を抑制することで効率よく換気を行うことができる。
本発明の換気レジスタによれば、部品点数が少なく製造が容易な換気レジスタを提供することができる。また、本発明によれば、容易に通気路の開閉ができ、作業者にとって操作しやすい換気レジスタを提供することができる。
第1実施形態の換気レジスタを示す斜視図。 図1の換気レジスタを示す側面図。 図1の換気レジスタを示す背面図。 図2の矢示SA−SA線断面図。 図4の差込筒屋内側開口部を閉じた状態を示す断面図。 空気の流路を示す説明断面図。 変形例のフェイス部を示す正面図であって、分図(a)は差込筒の外径に沿う略円形でなるフェイス部の例を示し、分図(b)は略三角形状でなるフェイス部の例を示す。 第2実施形態の換気レジスタの正面、左側面、平面を示す斜視図。 図8の換気レジスタの正面、右側面、底面を示す斜視図。 図8の換気レジスタの閉状態の正面図。 図8の換気レジスタの開状態の正面図。 図8の換気レジスタの閉状態の背面図。 図8の換気レジスタの開状態の背面図。 図8の換気レジスタの第1の翼体の回動軸と、第2の翼体の回動軸と、押圧片部の回動軸とを示す正面図。 図8の換気レジスタが備える閉状態の開閉構造を示す正面側の斜視図。 図8の換気レジスタが備える開状態の開閉構造を示す正面側の斜視図。 図8の換気レジスタが備える閉状態の開閉構造を示す背面側の斜視図。 図8の換気レジスタが備える閉状態の開閉構造を示す底面図。 図8の換気レジスタが備える開状態の開閉構造を示す底面図。 ナノフィルターを装着した換気レジスタを示す図。 既存の室内レジスタに、ナノフィルターおよびプレフィルターを備える蓋体を外被せして取り付けた換気レジスタを示す図。 従来の静電フィルターをセットした換気レジスタと、3種類の異なるピッチのプリーツ加工を施した2種類のナノフィルターをセットした換気レジスタとの、圧力損失曲線図。 静電フィルターと、マイクロフィルターと、ナノフィルターの、圧力損失の時系列変化を示す図。 静電フィルターと、マイクロフィルターと、ナノフィルターの、捕集効率の比較を示す図。 バックスペースの圧力損失へ与える影響を検討した結果を示す図。 圧力損失の測定法を示す図。
以下に本発明を、必要に応じて、添付の図面を参照して例示の実施例により説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(定義)
本明細書において、「ナノフィルター」とは、ナノファイバーを少なくとも一部に含むフィルターをいう。本明細書における「ナノファイバー」とは、繊維径が1〜800nm以下である繊維のことをいう。ナノファイバーは、単繊維が分散したものでも、単繊維が部分的に結合しているものでも、複数の単繊維が凝集した集合体(例えば束状のもの)であってもよい。
本明細書において、「繊維径」とは、フィルターろ材から採取した繊維を光学顕微鏡で観察して、30本の繊維について真円換算繊維径を測定し、測定された繊維の真円換算繊維径の合計を、測定した繊維の本数で除することにより求められるものである。
本明細書において、「孔径」とは、フィルターを細孔径分布測定器(例えば、米国ポーラスマテリアルズ社(Porous Materials Inc.)製の自動細孔径分布測定器パームポロメーター(PERM POROMETER))により測定したミーンフローポアサイズをいう。
本明細書において、「捕集効率」とは、フィルターの上流および下流の特定のサイズの粒子数をパーティクルカウンター(例えば、TSI Inc.のパーティクルカウンター(model3771))で測定し、
捕集効率=1−(下流粒子数/上流粒子数)×100
により算出した値をいう。
本明細書において、粒子の「粒径」は、粒子を任意の方向から見たときに、粒子が外接する円の直径を意味する。粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡などの顕微鏡により1000倍以上に拡大し写真撮影することにより測定できる。平均粒径は、50個以上の粒子を無作為に選び、それらの粒径の平均値とする。以下、本明細書において、「粒径」は全て「平均粒径」を意味するものとする。
本明細書において、「PM2.5」とは、粒径2.5μm以下の微小粒子状物質をいう。
(詳細な説明)
室内の換気には、主に3つの種別のシステムが存在する。1つ目は給排気ともに機械(電動ファン)で強制的に行う第1種換気システムである。2つ目は、排気側は自然換気、給気側は機械換気で強制的に行う第2種換気システムである。これは、クリーンルームなどで用いられることが多く、住宅にはほとんど用いられない。3つ目は、機械換気により強制的に排気し、その分を自然給気口(室内換気レジスタ)で給気する第3種換気システムである。
第1種換気システムまたは第2種換気システムにおける機械換気での給気口と異なり、第3種換気システムでの給気口は自然給気によって給気を行うため、給気口に備えられる換気レジスタのフィルターは伝統的に、圧力損失が小さいものであることが重要視されている。第3種換気システムにおいて換気レジスタの圧力損失が大きいと、必要とされる電動排気ファンのモーター能力が大きくなり、そして室内の減圧のリスクがあるからである。また、第1種換気システムおよび第2種換気システムの給気口が風量が一定なのに対して、第3種換気システムの給気口は風量が大きく変動する点においても、第3種換気システムの換気レジスタは第1種および第2種換気システムの給気口とは異なる。
この第3種換気システムにおける換気レジスタに、ナノフィルターろ材が使用できることを本発明者らは予想外に見出した。ナノフィルターろ材は一見すると、不織布と変わらず、また面密度が高いように感じられるため、圧力損失の観点から、第3種換気システムの換気レジスタ用には使うことができないと当該分野では考えられている。例えば、近年は第三種換気システムが一般的に使用されるマンションなどの建物の部屋において、部屋自体の密閉性が高いため、換気レジスタの圧力損失性能が悪いと、部屋の室内外で大きな差圧が発生し、子供の力ではドアを開くことができなくなってしまうこともある。このように、第3種換気システムの換気レジスタについては、特に圧力損失が問題となる。実際に、第3種換気システムの換気レジスタには、静電フィルターや、せいぜい繊維径1μm以上のファイバーを使用したマイクロフィルターしか使用されていない。
しかしながら、本発明者らは、ナノフィルターろ材を換気レジスタに使用することによって、従来の換気レジスタと圧力損失において遜色なく、かつ微小な粒子状物質の捕集効率を飛躍的に高めることができることを発見した。
本発明において、自然給気口の換気レジスタに使用されるナノフィルターの繊維径は約1〜約800nm、約1〜約500nm、約1〜約300nm、約1〜約250nm、約30〜約800nm、約30〜約500nm、約30〜約300nm、約30〜約250nmであり、好ましくは約50〜約250nmであり、より好ましくは約50〜約150nmであり得る。
本発明において、自然給気口の換気レジスタに使用されるナノフィルターの孔径は、約3〜約15μmであり、好ましくは約5〜約7μmであり得る。
ナノフィルターにおいて、当業者は、孔径と繊維径とのバランスによって、圧力損失および微小物質の捕集効率を調整することができる好ましい実施形態においては、本発明のナノフィルターは、約50〜約150nmの繊維径および約3〜約15μmの孔径を有する。
本発明のナノフィルターは、任意の材料によって形成され得る。そのような材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビリニデン(PVdF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン(PU)などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、本発明のナノフィルターはPTFE製であり得る。
本発明のナノフィルターは、必要に応じてその上面および/または下面に通気性の支持層を備えてもよい。本発明のナノフィルターはまた、さらなる第2のフィルター層を備えてもよい。
本発明のナノフィルターの厚みは、約3〜約50μm、より好ましくは約3〜約20μm、さらに好ましくは約3〜約10μmであり得る。例えば、捕集効率の高いフィルターにはガラス繊維を用いたものも知られているが、そのようなフィルターは一般的に厚さが100μmを超えることが多い。換気レジスタの意匠の観点からは、より薄いものが好ましい。
本発明においては、ナノフィルターを既設の室内換気レジスタへ外被せして第三種換気用室内レジスタに取り付けることによって、捕集効率と圧力損失に優れた換気レジスタを提供してもよい。このようにすることによって、多くの既設建築物に簡易に高性能フィルターの取り付けることができるようになる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態〔図1〜図6〕)
本発明の換気レジスタ1は建物の内壁5に設けられる換気口2の屋内側に取り付けられ、屋外の粉じんや雨粒等の異物の屋内への侵入を抑制するために使用される。こうした屋内用レジスタ1は、図1〜図5で示すように差込筒3と、フェイス部4とを備える。
〔差込筒〕
差込筒3は、図1で示すように略円筒状でなる。換気口2に入り込んだ空気11aは、こうした差込筒3の内部を通過することができる。また、差込筒3は建物の内壁5に開口する換気口2に差し込んで取り付けることができる。差込筒3の屋内側開口端3aからは外方に向かう外向きフランジ6が設けられており、この外向きフランジ6にはネジ止め部Sが設けられている。また、外向きフランジ6はその外形に沿う外枠部6aを有する。差込筒3の材質は任意の材質を取り得る。例えば、アルミニウムやステンレスなどの金属であってもよいし、樹脂などのプラスチック材であってもよい。好ましい実施形態において、差込筒3は、軽量化が図れる樹脂材で設けられるが、本発明はこれに限定されない。差込筒の形状は筒体であれば、任意の形態を取り得る。例えば、三角筒体であってもよいし、四角筒体であってもよいし、多角筒体であってもよいし、円筒体であってもよい。
〔フェイス部〕
フェイス部4は、図1〜図5で示すように平板部7と、整流ドーム部7bと、平板部7の裏面(差込筒3と対向する面)に設けられる筒型プリーツフィルター8と、差込筒3に対する保持部9とを備える。なお、本実施形態では筒型フィルターとしてプリーツフィルターを用いた場合を例示したが、プリーツ加工は必ずしも必要ではなく、プリーツ加工されていない筒型フィルターを用いる場合も本発明の範囲内であることは当然に理解されるべきである。フェイス部4の材質は任意の材質を取り得る。例えば、アルミニウムやステンレスなどの金属であってもよいし、樹脂などのプラスチック材であってもよい。好ましい実施形態において、フェイス部4は、軽量化が図れる樹脂材で設けられるが、本発明はこれに限定されない。
平板部7は略正方形の薄板状でなり、建物の内壁5に取り付けた状態で屋内側に露出する表面側には、薄い板片でなるつまみ部7aが設けられている。フェイス部4は、差込筒3に対して進退方向でスライド移動可能となっている。そのため、使用者はつまみ部7aを指でつまんで屋内側に引っ張ることで、フェイス部4を差込筒3から屋内側に引き出すことができる。なお、こうした平板部7は、外向きフランジ6の外形と略同じ形状でなり、平板部7を外向きフランジ6側にスライド移動させた状態で、外向きフランジ6の外枠部6aの内側に収納することができる。
整流ドーム部7bは平板部7の裏面における略中央位置に設けられ、差込筒3の屋外側開口端3bに向かって突出する略円錐形状でなる。先端側(屋外側)から裾側(屋内側)に下がるにつれて拡開する割合が大きくなるように形成されている(図4〜図6参照)。
また、平板部7の裏面には、筒型プリーツフィルター8の屋内側開口端8bの側の外周を一周する支持部12が形成される。また、この支持部12の外形は差込筒3の内形に沿うように形成される。支持部12は、差込筒3の内面と接触してフェイス部4を差込筒3の内側から支えることができる(図5参照)。
筒型プリーツフィルター8は筒型にしたフィルターろ材でなり、その周縁に沿って並列に配置される複数のプリーツ部8aを有する。こうした筒型プリーツフィルター8は、一枚のフィルタろ材を折り曲げて複数のプリーツ部8aを設けたプリーツフィルターからなる。こうして複数のプリーツ部8aを設けることで、単に平板状のフィルターを使用する場合と比較して、限られた空間内でより表面積の大きなフィルターを使用することができる。よって、圧力損失を抑制することが可能な換気レジスタ1とすることができる。なお、使用するフィルターろ材の大きさは換気レジスタ1の大きさや目標とする換気性能等に合わせて様々に変更することができる。そのため、フィルターろ材の大きさと、差込筒3の大きさに応じて、筒型プリーツフィルター8が有するプリーツ部8aの数も様々に設定することができる。
さらに、第1実施形態では、このプリーツフィルターをプリーツ部8aの並列方向で曲げて筒状とすることで筒型プリーツフィルター8が形成されている。筒型プリーツフィルター8の外径は、差込筒3の内径よりもやや小さく形成されている。プリーツフィルターを筒型とすることで、単に平板状のプリーツフィルターと比較して、内壁5上の専有面積を小さくすることができる。よって、換気レジスタ1を全体としてコンパクトにすることができる。また、使用しないときには、筒型プリーツフィルター8を差込筒3の内側に収納することができるため、屋内の美観を損ねないようにすることができる。第1実施形態では、筒型プリーツフィルター8は円筒体であるが、本発明はこれに限定されない。筒型プリーツフィルター8は、差込筒3の筒体の形状に併せて任意の筒体の形態を取り得る。例えば、三角筒体であってもよいし、四角筒体であってもよいし、多角筒体であってもよい。
また、筒型プリーツフィルター8は、屋外側開口端8c側から屋内側開口端8b側に向けて先細り形状となるように設けられており、この細い屋内側開口端8b側がフェイス部4の裏面に固定されている。屋内側開口端8bとフェイス部4との接触部分は接着剤等のシール部10aによって封止されている。こうすることで、フェイス部4と筒型プリーツフィルター8の隙間を生じないようにすることができるため、差込筒3の開口端3bから筒型プリーツフィルター8の通気室3cに入り込んだ異物を含む空気11aが室内に漏れることなく、浄化された空気のみが確実に筒型プリーツフィルター8を通過することができる。またこうした筒型プリーツフィルター8を、屋内側に露出するフェイス部4に取り付けることで、例えば差込筒3の内部に設けられる場合と比較してフィルタろ材の交換を容易に行うことができる。
上記のように筒型プリーツフィルター8が、屋外側開口端8cから屋内側開口端8bに向けて先細る形状でなるため、差込筒3の内周面との間に通気間隙部11が形成される。よって、筒型プリーツフィルター8を通過した空気11aは通気間隙部11に流路を形成することができるため、差込筒3によって経路を封鎖されることなく屋内にスムーズに入ることができる。このように筒型プリーツフィルター8が先細り形状でなることで、こうした通気間隙部11は筒型プリーツフィルター8の外周を一周するように、環状に設けられる。また、通気間隙部11は屋外側から屋内側に向けて大きく拡がるように形成される。よって、通気間隙部11に入り込んだ空気11aが差込筒3の屋内側開口端3bの側で滞ることなくスムーズに屋内側に入ることができる。
第1実施形態では、フィルターろ材として捕集対象となる異物よりも小さな貫通孔を有するものを使用する。近年では最大の粒径が2.5μm程度と言われるPM2.5等の極小粒の汚染物質による大気汚染が社会問題となっており、こうした極小粒の汚染物質まで捕集するためには貫通孔を2.5μm以下の小孔とする必要がある。PM2.5は2.5μm以下の極小粒の汚染物質でなるため、例えばフィルターろ材として、0.3μm程度の貫通孔が設けられているものを使用することで、PM2.5だけではなくPM0.5等の極小粒の異物を高確率で捕集し、屋内への侵入を抑制することができる。好ましいフィルターろ材は、上述のナノフィルターろ材であるが、これに限定されない。これほど小さな異物まで捕集する必要が無い場合には、より大きな貫通孔を有するフィルターろ材を使用しても良い。
例えば、こうしたフィルターろ材にはっ水加工をすることで、屋内への雨粒の侵入を抑制することができる。そのため、屋内への雨粒等の異物の侵入を阻止するための蓋を閉じる必要が無くなり、使用者にとって利便性の高い換気レジスタ1とすることができる。
保持部9はリング状でなり、筒型プリーツフィルター8の屋外側開口端8cに対して固定されている。また、保持部9と屋外側開口端8cとの接触部分は接着剤等でなるシール部10bによって封止されている。こうして間隙を塞ぎ、異物が屋内側に入り込むことを抑制できる。また、保持部9の内側にはプレフィルター13が取り付けられる。プレフィルター13は、筒型プリーツフィルター8を形成するフィルターろ材よりも大きな貫通孔を有するフィルターろ材でなり、屋外から換気口2の内部に侵入してくる粒径の大きな粉じんや雨等の異物を捕集することができる。第1実施形態において、保持部9はリング状であるが、本発明はこれに限定されない。保持部9の形状は、差込筒3の内壁の形状に併せて任意の形状を取り得る。
保持部9の外周には密閉部9aが取り付けられている。この密閉部9aはゴムやパッキンなどの弾性体でなり、直径が差込筒3の内周の直径よりもやや大きく設定されている。保持部9を差込筒3に挿入する際に密閉部9aが圧縮され、差込筒3の内面に対して圧着する。こうして差込筒3の内周面と保持部9との間部分を密閉することができるため、フィルターろ材を通過しない空気11aがそうした部分から屋内に侵入することを抑制できる。ただし、密閉部9aは差込筒3の内周面と保持部9との間部分を密閉しつつも完全に固定されてはおらず、差込筒3の内面に対して摺動することができる。よって、そうした密閉部9aはフェイス部4の差込筒3に対するスライド移動を妨げるものではない。
〔使用方法の説明〕
換気レジスタ1を図4,図5で示すように、建造物の内壁5に設けられた換気口2に取り付ける。具体的には、換気口2の内径を差込筒3の外径と同程度になるように設け、差込筒3を換気口2に挿入する。差込筒3の外周面には、換気口2の内周面との間の間隙を埋めるパッキン(図示略)が配置されている。その後、外向きフランジ6のネジ留め部Sをネジ留めすることで、換気レジスタ1を内壁5に対して固定することができる。
こうして換気口2に設置した換気レジスタ1について、フェイス部4の平板部7を外向きフランジ6の側に押し込むことで、筒型プリーツフィルター8を差込筒3に挿入することができる。こうして平板部7で差込筒3の屋内側開口端3aを塞ぐように閉じた状態とすることで、外気が屋内に入り込まないようにすることができる。また、このように不使用時には筒型プリーツフィルター8を差込筒3に挿入することで屋内側への突出量を減らし、屋内の美観を損なわないようにすることができる。これに対して平板部7を外向きフランジ6から離間するように引き出すことで、屋内側開口端3aを開放して換気を行うことができる。さらに、フェイス部4を引き出し切らずに換気量を調整することもできる。
〔圧力損失増加の抑制方法〕
第1実施形態の換気レジスタ1は、上記のように複数のプリーツ部8aを有する筒型プリーツフィルター8を備えるため、平板状のプリーツフィルターを備える場合と比較して限られた空間内で表面積を大きくすることができる。よって、圧力損失の増加を抑制することができる。
また、第1実施形態の換気レジスタ1は、上記のように整流ドーム部7bを有する。通
気室3cに入り込んだ空気11aは、図6で示すように整流ドーム部7bの傾斜に沿って筒型プリーツフィルター8の側に向けてスムーズに誘導される。そのため、空気11aが通気室3cの内部に滞留して乱流が生じるといった事態を防止することができるため、圧力損失の増加を抑制することができる。特に第1実施形態の整流ドーム部7bは、上述のように先端側(屋外側)から裾側(屋内側)に下がるにつれて拡開する割合が大きくなるように形成されている(図4,図5参照)。こうすることで、先端側から裾側にかけて均等に拡開する正円錐形状として設ける場合と比較して、空気11aが整流ドーム部7bの表面を滑らかに伝うようにして、整流ドーム部7bの外周に配置される筒型プリーツフィルター8の側に誘導される(図6参照。なお、図6では空気11aの流れを示すためにプリーツ部8aの記載を一部省略している)。
以上のように、第1実施形態の換気レジスタ1を使用することで、より小さな汚染物質などの異物も捕集することができる。また、圧力損失の増加を抑制することもできるため、強制換気だけではなく、自然換気もスムーズに行うことができる。
変形例〔図7〕:
前記第1実施形態では、フェイス部4や外向きフランジ6が略正方形でなる例を示した。しかし、第1実施形態の筒型プリーツフィルター8は差込筒3と略同径の断面略円形の筒状であり、差込筒3に挿入されるため、フェイス部4や外向きフランジ6の形状に影響をあまり与えない。そのため、外向きフランジ6にネジ留め部Sを設けることさえできれば、例えばフェイス部4や外向きフランジ6が略円形である換気レジスタ14としたり(図7(a)参照)、略三角形である換気レジスタ15とするなど(図7(b)参照)、フェイス部4や外向きフランジ6の形状を自由に設計することができる。よって、より高い美観を奏する換気レジスタ1とすることができる。
(第2実施形態〔図8〜図19〕)
以下、第2実施形態の換気レジスタ51を、図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書中では、換気レジスタ51が有する第1の翼体53と第2の翼体54の並列方向を左右方向X、換気レジスタ51の通気方向を前後方向Y、換気レジスタ51が備える第1の翼体53の回動軸A1と第2の翼体54の回動軸A2に沿う高さ方向をZ方向として記載する。しかし、こうした記載は換気レジスタ51の使用方法や取付場所を限定するものではない。また、左右方向X、前後方向Yを用いた第1の翼体53及び第2の翼体54の構造、操作方法の説明は、特に記載がない限り第1の翼体53及び第2の翼体54が閉状態にある場合を基準として記載する。
第2実施形態の換気レジスタ51は建物の内壁に設けられる換気口に取り付けられ、換気口を開閉することができる。こうした換気レジスタ51は、図8,図9で示すように差込筒52と、カバー体57と、開閉構造51Aとを備える。特に第2実施形態では、換気レジスタ51が換気口に対して上記第1の翼体53の回動軸A1と第2の翼体54の回動軸A2とが鉛直方向に沿うように取り付けられ、押圧片部56において操作部56c2が設けられる側を下側に配置し、他端側を上側に配置する。しかし、換気レジスタ51は、設置場所によって、例えば操作部56c2が上側に配置されるようにしても良いし、第1の翼体53の回動軸A1と第2の翼体54の回動軸A2とが鉛直方向に対する交差方向に沿うように取り付けられても良い。
〔差込筒〕
差込筒52は、図8,図9で示すように略円筒状でなる。換気口に入り込んだ空気は、こうした差込筒52の内部の通気路Rを通過することができる。また、差込筒52は建物の内壁に開口する換気口に差し込んで取り付けることができる。第2実施形態において、差込筒52の形状は略円筒状である場合について説明しているが、本発明はこれに限定されない。差込筒52の形状は筒体であれば任意の形態であり得る。例えば、三角筒体であってもよいし、四角筒体であってもよいし、多角筒体であってもよい。
〔カバー体〕
カバー体57は、差込筒52の室内側開口部52aから外周方向に拡開して形成されている。また、カバー体57はその外形に沿う外枠部57aと、差込筒52の屋内側を覆うカバー部(図示略)とを有する。
〔開閉構造〕
開閉構造51Aは、図15〜図17で示すように、第1の翼体53と、第2の翼体54と、連結片部55と、押圧片部56とを備える。
〔第1の翼体〕
第1の翼体53は略半円形の板状でなり、差込筒52に対して回動可能に軸支されている。具体的には、第1の翼体53は差込筒52の内側上面に対して固定される固定部53aと、内側下面に対して固定される固定部53bとを有しており、第1の翼体53は、固定部53aと固定部53bとを結んだ回動軸A1を中心として回動する。こうした回動軸A1は、左右方向Xにおける第1の翼体53の中央よりも差込筒52の中心側に配置されている。第2実施形態において、第1の翼体53の形状が略半円形である場合について説明しているが、本発明はこれに限定されない。第1の翼体53の形状は、差込筒52の外縁に沿う形状であれば任意の形態であり得る。例えば、差込筒52が三角筒体であれば第1の翼体53は三角形であってもよいし、差込筒52が四角筒体であれば第1の翼体53は四角形であってもよいし、差込筒52が多角筒体であれば第1の翼体53は半多角形であってもよい。
第1の翼体53は図14で示すように、左右方向Xにおいて回動軸A1よりも差込筒52の外周側の外周側部53Aと、回動軸A1よりも差込筒52の中心側の中心側部53Bとを有する。上記のように回動軸A1が、左右方向Xにおける第1の翼体53の中央よりも差込筒52の中心側に配置されているため、中心側部53Bの左右方向Xにおける長さは外周側部53Aの左右方向Xにおける長さよりも短く形成されている。外周側部53Aと中心側部53Bは、第1の翼体53が回動軸A1を中心として回動する際に互いに反対方向に回動する。即ち、外周側部53Aが室外側に回動すると、中心側部53Bが室内側に回動し、反対に外周側部53Aが室内側に回動すると、中心側部53Bが室外側に回動する。
こうした第1の翼体53は、図10で示すように翼片53cと、翼片53cの板面に設けられる保持部53dとを有する。翼片53cは通気路Rを開閉する板状部分でなる。また、保持部53dは略コ字状でなり、外周側部53Aから室内側に突出して形成されている。保持部53dと翼片53cとの間には可動間隙53eが形成されており、可動間隙53eに押圧片部56の押圧部56aが配置されている。押圧片部56が回動すると、押圧部56aは可動間隙53eの内部を移動することができる。また、こうした保持部53dは、左右方向Xにおける一端側に可動間隙53eの内部に突出する第1の突部53d1が形成され、他端側にも同様に可動間隙53eの内部に突出する第2の突部53d2が形成されている(図19)。第2実施形態において、保持部53dは略コ字状であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、略U字状であってもよいし、略V字状であってもよい。
第1の翼体53の外周側部53Aであって室外側の板面には、図11〜図13,図18、図19で示すように、後述する連結片部55の第1の軸支部55aが回動可能に軸支されている。
〔第2の翼体〕
第2の翼体54は第1の翼体53と同様に略半円形の板状でなり、第2の翼体54の端面54cと第1の翼体53の端面53fとが端面同士を対向させた状態で差込筒52の室内側開口部52aを覆って通気路Rを塞ぐ略円状の平板部を形成する。第2実施形態において、第2の翼体54の形状が略半円形である場合について説明しているが、本発明はこれに限定されない。第2の翼体54の形状は、第1の翼体53と同様に、差込筒52の外縁に沿う形状であれば任意の形態であり得る。例えば、差込筒52が三角筒体であれば第2の翼体54は三角形であってもよいし、差込筒52が四角筒体であれば第2の翼体54は四角形であってもよいし、差込筒52が多角筒体であれば第2の翼体54は半多角形であってもよい。
第2の翼体54は、第1の翼体53と同様に差込筒52に対して回動可能に軸支されている。具体的には、第2の翼体54は差込筒52の内側上面に対して固定される固定部54aと、内側下面に対して固定される固定部54bとを有しており、第2の翼体54は、固定部54aと固定部54bとを結んだ回動軸A2を中心として回動する。この回動軸A2は、第2の翼体54の左右方向Xにおける中央よりも差込筒52の中心側に配置されており、中心側部54Bの左右方向Xにおける長さは外周側部54Aの左右方向Xにおける長さよりも短く形成されている。第2の翼体54の回動軸A2は、第1の翼体53の回動軸A1と平行に配置される。
第2の翼体54は図14で示すように、左右方向Xにおいて回動軸A2よりも差込筒52の外周側の外周側部54Aと、回動軸A2よりも差込筒52の中心側の中心側部54Bとを有する。外周側部54Aと中心側部54Bは、第2の翼体54が回動軸A2を中心として回動する際に互いに反対方向に回動する。即ち、外周側部54Aが室外側に回動すると、中心側部54Bが室内側に回動し、反対に外周側部54Aが室内側に回動すると中心側部54Bが室外側に回動する。
第2の翼体54の中心側部54Bであって室外側の板面には、押圧片部56の第2の軸支部55bが内側に軸支される固定部54dが形成されている。固定部54dは、第2の翼体54の室外側の板面に設けられる凹状構造として形成されており、こうした固定部54dは、第2の翼体54の室内側の板面から突出している。
〔連結片部〕
連結片部55は棒片状でなり、第1の翼体53と第2の翼体54とを連結する。連結片部55は一端側に設けられて第1の翼体53における外周側部53Aであって室外側の板面に軸支される第1の軸支部55aと、他端側に設けられて第2の翼体54における中心側部54Bであって室外側の板面に軸支される第2の軸支部55bとを有する。
〔押圧片部〕
押圧片部56は、図9〜図11に示すように、棒を折り曲げて形成されており、第1の取付軸部56bと、第2の取付軸部56cと、突出部56Aとを有する。押圧片部56を形成する棒の材質は任意の材質であり得る。例えば、硬化プラスチック樹脂などであってもよいし、木材であってもよいし、ステンレスやアルミニウムなどの金属であってもよい。
第1,第2の取付軸部56b,56cは高さ方向Zに沿う同一軸上に配置され、直線状の棒片でなる。第1の取付軸部56bの上端にはカバー体57の外枠部57aの内面の上側に対して回動可能に軸支される回動固定部56b1が設けられている。第2の取付軸部56cの下側にはカバー体57の外枠部57aの内面の下側に対して回動可能に軸支される回動固定部56c1が設けられている。第1の取付軸部56bと第2の取付軸部56cとは互いに同じ長さで形成される。また、第2の取付軸部56cが有する回動固定部56c1の下側はカバー体57の外枠部57aから外部に突出しており、その下端には操作部56c2が設けられている。操作部56c2が外枠部57aから外部に突出することで、作業者にとって操作しやすくなっている。
突出部56Aは、第1の取付軸部56bと第2の取付軸部56cの間であって、高さ方向Zにおける略中央に略コ字状の突出形状として形成される。この突出部56Aの突出端側には、高さ方向Zに沿う直線状でなる押圧部56aが形成されている。こうした突出部56Aに押圧部56aを設けることで、押圧部56aを押圧片部56の回動軸A3を中心としつつ、第1,第2の取付軸部56b,56cから左右方向X及び前後方向Yで離間した位置で回動させることができる。よって、押圧片部56に他の部材を取りつけることなく、押圧片部56単体で第1の翼体53を押圧することができる。第2実施形態において、突出部56Aは略コ字状であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、略U字状であってもよいし、略V字状であってもよい。
押圧部56aを高さ方向Zでより長く設けるほど翼片53cや保持部53dに対して広い面積で接触できる。よって、広い面積で圧力を分散できるため、押圧部56aが第1の翼体53をスムーズに押圧することができる。
押圧片部56の回動軸A3は、回動固定部56b1と回動固定部56c1とを結んだ軸上に配置される。押圧片部56の回動軸A3と、第1の翼体53の回動軸A1は、左右方向X及び前後方向Yで異なる位置に設けられている。特に第2実施形態では押圧片部56の回動軸A3が前後方向Yで第1の翼体53の回動軸A1よりも室内側であって、左右方向Xで差込筒52の外周側に配置されている。
〔換気レジスタを閉状態から開状態とする際の操作方法の説明〕
まず、図18を参照しつつ通気路Rを開く作業について説明する。第1の翼体53と第2の翼体54とが通気路Rを閉じた閉状態にある換気レジスタ51について、操作部56c2を開方向に回動操作する(矢示P1)。こうすることで押圧片部56が開方向に回動して、押圧部56aが閉状態にある第1の翼体53の翼片53cを室外側に向けて押圧する(矢示P2)。第1の翼体53が回動軸A1を中心軸として回動すると、第1の翼体53の外周側部53Aが差込筒52の内部に入り込み、中心側部53Bが室内側に入り込む。しかし、中心側部53Bの左右方向Xにおける長さは外周側部53Aの左右方向Xにおける長さよりも短く形成されているため、室内側への突出量は短くなっている。こうして第1の翼体53が開状態となる。
上述のように、第1の翼体53の回動軸A1と押圧片部56の回動軸A3とは左右方向X及び前後方向Yで異なる位置に配置されている。そのため、押圧片部56と第1の翼体53とが回動するに従って、押圧片部56の押圧部56aが第1の翼体53に対して左右方向Xで差込筒52の外周側から中心側に向けて位置ずれする。しかし、保持部53dは左右方向Xに沿って長く形成されており、可動間隙53eもまた左右方向Xに沿って長く形成されているため、押圧部56aが第1の翼体53に対して位置ずれしても、その位置ずれを許容して、押圧部56aを保持し続けることができる。
連結片部55は第1の翼体53によって押圧されて回動し、第1の軸支部55aが室外側に移動する(矢示P3)。それと同時に第2の軸支部55bは室内側に移動して、第2の翼体54の中心側部54Bを室内側に向けて引っ張る(矢示P4)。これにより第2の翼体54の外周側部54Aが室外側に向けて回動して、第2の翼体54が開状態となる(矢示P5)。中心側部54Bの左右方向Xにおける長さは、第1の翼体53と同様に外周側部54Aの左右方向Xにおける長さよりも短く形成されているため、室内側への突出量は短くなっている。よって、開状態において第1の翼体53及び第2の翼体54の室内側への突出量が短く、室内の美観を損ねない換気レジスタ51とすることができる。
上記のように、保持部53dには、可動間隙53eの内部に突出する第1の突部53d1が形成されている。操作部56c2を閉状態から開状態に移動させる際に、可動間隙53eを移動した押圧部56aを、第1の突部53d1を乗り越えた位置で固定することができる。こうして押圧片部56が開位置で固定されるため、第1の翼体53、連結片部55、第2の翼体54も同様に開状態のまま維持される。また作業者は、可動間隙53eの内部を移動した押圧部56aが第1の突部53d1を乗り越える際に手元でクリック感を得ることができるため、そうした固定が確実になされたことを手の感覚で確認することができる。
以上のように押圧片部56と、第1の翼体53と、連結片部55と、第2の翼体54は、ほぼ同時に変位する。よって、操作部56c2を回動させるという簡単な操作だけで第1の翼体53と第2の翼体54とを観音開きのように容易に開けることができる。こうした開状態で通気路Rが開かれるため、換気を十分に行うことができる。
〔換気レジスタを開状態から閉状態とする際の操作方法の説明〕
続いて図19を参照しつつ通気路Rを閉じる作業について説明する。第1の翼体53と第2の翼体54とが通気路Rを開いた開状態にある換気レジスタ51について、操作部56c2を閉方向に回動操作する(矢示C1)。こうすることで押圧片部56が閉方向に回動して、押圧部56aが開状態にある第1の翼体53の保持部53dを閉方向に向けて引っ張るように押圧する。これにより第1の翼体53が回動軸A1を中心軸として回動すると、第1の翼体53の外周側部53Aが室内側に移動し(矢示C2)、中心側部53Bは差込筒52側に移動する。こうして第1の翼体53が閉状態となる。
開状態から閉状態に操作する場合には閉状態から開状態に操作する場合とは反対に、押圧片部56と第1の翼体53の回動する従って押圧片部56の押圧部56aが第1の翼体53に対して左右方向Xで差込筒52の中心側から外周側に向けて位置ずれする。しかし、保持部53dが位置ずれを許容して、押圧部56aを保持し続けることができる。
連結片部55は第1の翼体53によって引っ張られて回動し、第1の軸支部55aが室内側に移動する(矢示C3)。それと同時に、第2の軸支部55bは室外側に向けて移動して(矢示C4)、第2の翼体54の中心側部54Bが室外側に向けて回動して閉状態となる(矢示C5)。
上記のように、保持部53dには、可動間隙53eの内部に突出する第2の突部53d2が形成されている。操作部56c2を開状態から閉状態に移動させる際に、可動間隙53eを移動した押圧部56aを、第2の突部53d2を乗り越えた位置で固定することができる。こうして押圧片部56が閉位置で固定されるため、第1の翼体53、連結片部55、第2の翼体54も同様に閉状態のまま維持される。また、閉状態から開状態とする場合と同様に、作業者は可動間隙53eの内部を移動した押圧部56aが第2の突部53d2を乗り越える際に手元でクリック感を得ることができるため、そうした固定が確実になされたことを手の感覚で確認することができる。
この状態で、第1の翼体53の端面53fと第2の翼体54の端面54cとが近接した状態で対向して差込筒52を塞ぐため、通気路Rが閉じられる。よって、屋外からのほこりや雨粒などの侵入を抑制することができる。
上述のように、押圧片部56は、一体構造でなる第1の取付軸部56bと、第2の取付軸部56cと、押圧部56aを有する突出部56Aとを有する。こうした押圧部56aが第1の翼体53を直接押圧することで、他の部材を介在したり、押圧片部56が複数の部材で構成されたりする場合と比較して、押圧片部56を回動させる力を第1の翼体53を回動させる力として伝えやすくすることができる。よって作業者にとって操作しやすい換気レジスタ51とすることができる。
また、そうした複数の部材でなる押圧片部56を備える場合と比較して、部品点数を少なくすることができる。よって、製造が容易であり、コストの低い換気レジスタ51とすることができる。好ましい実施形態において、押圧片部56は一体構造であるが、本発明の押圧片部56が複数の部材から構成するものであってもよいことは明らかである。
変形例:
前記第2実施形態では、第1の取付軸部56bと第2の取付軸部56cとが略同じ長さでなり、押圧部56aが高さ方向Zにおける略中央に設けられる例を示した。これに対して、取付軸部56b,56cの何れか一方が他方よりも長く設けられ、押圧部56aが上側か下側のどちらかに偏って設けられることとしても良い。
前記第2実施形態では、押圧部56aがコ字状に突出する突出部56Aを有する例を示した。これに対して例えば山状に突出する形状でなる突出部を設けても良い。この場合には、押圧部56aが第1の翼体53が有する保持部53dの可動間隙53eの内部をスムーズに変位できるように、山状の先端部分を直線的にすると良い。こうすることで、突出部56Aの先端が保持部53dや翼片53cに突き刺さって可動間隙53eの内部を移動できなくなるといった事態を抑制することができる。
前記第2実施形態では、押圧片部56の第1の取付軸部56bと第2の取付軸部56cとがカバー体57の外枠部57aに対して回動可能に軸支される例を示した。これに対して、押圧片部56が軸支される箇所は外枠部57aに限られず、例えば第1の取付軸部56bが、カバー体57における差込筒52の上側や、差込筒52における室内側開口部52aの上側に対して回動可能に軸支されるものとしても良い。これにより、押圧片部56を小型にできるため、材料費を安くすることができる。
(第3実施形態)
本実施形態においては、第1実施形態や第2実施形態の換気レジスタに限らず、公知の構成の換気レジスタにナノフィルターを装着する。本発明の換気レジスタは、ナノフィルターを備える点において特徴があり、換気レジスタ自体の構造は任意の公知のものを使用できる。以下に図面を参照して第3実施形態を説明するが、本発明はこの換気レジスタの具体的構造に限定されるものではないことが理解されるべきである。例えば、第1実施形態や第2実施形態の換気レジスタのように、筒型プリーツフィルターを差込筒に挿入する構造のものにも適用できる。図20は、バックスペースを設けたことを除いて、公知の一般的な換気レジスタにナノフィルターを装着した図を示す。
ナノフィルターは繊維が細かいため、紙のような見た目であり、実際にろ材を換気レジスタに平置きにしても圧力損失が大きいことがあり得る。したがって、好ましい実施形態においては、ナノフィルターにプリーツ加工を行い得る。そのプリーツの形状、サイズは特に限定されないが、例えばプリーツの山高さは約5〜約40mmであり、好ましくは約10〜約30mmであり、より好ましくは約15〜約25mm(例えば、15mm、25mmなど)であり得る。プリーツのピッチも特に限定されないが、例えば約3〜約10mm(具体的には、8mm、6mm、4mmなど)であり得る。ナノフィルターへのプリーツ加工は、平板状のフィルターろ材を、公知のプリーツ加工機(ロータリープリーツ機、レシプロプリーツ機、筋付けプリーツ機など)によりプリーツ加工して形成することができる。
ナノフィルターのプリーツ加工に加えて、またはそれに代えて、本発明の換気レジスタにおいてはバックスペースを設けることができる。バックスペースは、図20に記載されるように、保持部とプレフィルターとの間の空間である。プレフィルターは、換気レジスタを通って給気される気体がナノフィルターを通過する前に通過するフィルター(例えば、日本バイリーン株式会社製のフィルターPS−150)であり、代表的には、ナノフィルターで捕集する粒径よりも大きな約5μm以上の粒径の粒子を予め捕捉するために用いられる。
バックスペースを設けることによって、例えば、差込筒を通過した空気が、差込筒の断面積よりも大きい断面積を有するプレフィルターの全面を通過できるようになるため圧力損失が改善され得る(図20)。バックスペースにおける差込筒とプレフィルターとの間の間隔は圧力損失が改善できる範囲で任意の間隔であり得る。円形断面を有する差込筒を通過した空気が、差込筒の当該円形断面よりも大きい断面積である四角形断面を有するプレフィルターのより広い面を通過できるように、当業者はバックスペースにおける差込筒とプレフィルターとの間の間隔を適切に決定することができる。例えば、差込筒とプレフィルターとの間の間隔は約5mm以上であり得るが、本発明はこれに限定されない。なお、差込筒とプレフィルターとの間の間隔とは、差込筒の出口とプレフィルターとの間の距離を意味する。
バックスペースが存在しない場合、差込筒を通った空気はそのままプレフィルターおよびナノフィルターを通過するため、ナノフィルターの差込筒の断面積に対応する面積にだけ通風が行われる。その結果、バックスペースを設けない換気レジスタにおいては、差込筒の断面に対応する面積および形状で、ナノフィルターに捕集痕が形成された(図示せず)。他方、バックスペースを設けることにより、差込筒を通った空気はフィルター全面を通過することになり、その結果、捕集効率も圧力損失も改善される。また、フィルターの捕集面積が差込筒断面に対応する部分から全体へ広がるので、捕集性能の持続時間も延長すると考えられる。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/sの気流に対して、粒径0.3μm〜0.5μmの微粒子を40%以上捕集し、好ましくは60%以上捕集し、より好ましくは70%以上捕集し得る。あるいは、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/sの気流に対して、粒径0.3μm〜0.5μmの微粒子を、40〜90%、60〜90%、70〜90%、40〜80%、60〜80%、または70〜80%捕集し得る。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径0.5〜1μmの微粒子を70%以上捕集し、好ましくは75%以上捕集し、より好ましくは80%以上捕集し、特に好ましくは85%以上捕集し得る。あるいは、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径0.5〜1μmの微粒子を、70〜95%、80〜95%、85〜95%、70〜90%、80〜90%、または85〜90%捕集し得る。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径1〜2μmの微粒子を85%以上捕集し、好ましくは90%以上捕集し、より好ましくは93%以上捕集し得る。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径2〜5μmの微粒子を95%以上捕集し、好ましくは98%以上捕集し得る。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口内の線速2.5m/secの気流に対して、粒径5μm以上の微粒子をほぼ100%捕集し得る。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径100mmであり、かつ圧力損失係数が180以下であり得る。好ましい実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が100mmであり、かつ圧力損失係数が120以下であり得る。さらに好ましい実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が100mmであり、かつ圧力損失係数が80以下であり得る。特に好ましい実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が100mmであり、かつ圧力損失係数が50以下であり得る。
1つの実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が150mmであり、かつ圧力損失係数が120以下であり得る。好ましい実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が150mmであり、かつ圧力損失係数が80以下であり得る。さらに好ましい実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が150mmであり、かつ圧力損失係数が60以下であり得る。特に好ましい実施形態において、本発明の換気レジスタは、換気口の直径が150mmであり、かつ圧力損失係数が45以下であり得る。
本発明の換気レジスタにおいて、筐体にセットされるナノフィルターの断面積は、換気口の断面積に対して約2.0〜約2.7倍であり得る。なお、「ナノフィルターの断面積
」とは、プリーツ加工されたナノフィルターの展開面積ではなく、ナノフィルターがセットされる筐体の断面積である。
1つの実施形態において、図21に示すように、ナノフィルターおよびプレフィルターを備えるフィルターシステム(蓋体)を、既存の室内レジスタに被せるように取り付けることによって提供してもよい。これによって、多くの既設建築物に簡易に高性能フィルターを取り付けることができる。この場合、筐体にセットされるナノフィルターの断面積は、換気口の断面積に対して約3.0倍〜約5.0倍であり得る。なお、このようなフィル
ターシステムにおけるバックスペースは、図21に図示したとおり、既存室内レジスタの差込筒から、フィルターシステムのプレフィルターまでの間をいう。フィルターシステムのバックスペースは、約20〜約60mm、好ましくは約30〜約40mmであり得る。
(他の実施形態)
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供するものではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
(実施例1:ナノファイバーを使用した換気レジスタの圧力損失の検討)
一般的に使用されている換気レジスタとして従来の静電フィルターを備えた給気レジスタと、本発明の2種類のナノファイバーフィルターをそれぞれ備えた給気レジスタとを圧力損失測定機にセットし圧力損失を測定した。圧力損失の測定は、JIS C9603(換気扇)の付属書1に記載された測定方法に基づいて行う。圧力損失測定機は、図25に示すように、空気漏れがないように、測定口(ダクト)と測定する換気レジスタとを接続する。換気レジスタと接続される測定口であるダクトの径は、実際に換気レジスタが装着される換気口の大きさと同じとする。今回の測定において、測定口であるダクト径は、φ100mm(100パイ)である。オリフィスは、風量に応じて適切なものが選択される。整流網および拡風板は空気槽内の風速を均一化するために設置している。風量の調節はパワーコントローラにより行う。測定時には、空気槽の静圧が換気レジスタの風量を測定するときの静圧に等しくなる(静圧0になる)ように調整した後、風量を測定する記録計(例えば、(株)岡野製作所製マノメータ)により、空気槽と測定用管路との差圧を読み取る。
実際の測定は、まず測定する換気レジスタを測定口に接続した状態(状態1)における、風量−静圧曲線を求める。次に、測定口から換気レジスタを取り外した状態(状態2)における、風量−静圧曲線を求める。そして、状態1における風量−静圧曲線と、状態2における風量−静圧曲線の差により、圧力損失曲線を算出する。測定において、静圧は100Paまで測定する。なお、本明細書において、圧力損失係数ζは、以下の式によって算出される。
ζ=δP×((4.03×ダクト断面積)/風量))^2
δPは記録計で記録される差圧。
その結果を図22に示す。
従来の静電フィルターについては、異なる2種類の筐体設計に対してセットして圧力損失を測定した(図22のAおよびB)。同じ静電フィルターではあるが、筐体設計の違いにより、AよりもBの方が圧力損失が少ないことが分かる(すなわち、例えば同じ静圧100Paを印加したときに、AよりもBの方が透過気体量が多い)。
圧力損失が少なかった筐体設計(図22のB)と同じ筐体に、2種類のナノフィルターをセットした。図22のC1、C2およびC3は、繊維径約125nm・孔径約10μmのナノフィルター(日東電工株式会社、大阪、日本)について、プリーツの山ピッチを約8mm(C1)、約6mm(C2)、約4mm(C3)としたものである。図22のD1、D2およびD3は、繊維径約60nm・孔径約5μmのナノフィルター(日東電工株式会社、大阪、日本)について、プリーツの山ピッチを約8mm(D1)、約6mm(D2)、約4mm(D3)としたものである。プリーツの山高さはD1、D2、D3ともに約15mmである。
AおよびBの換気レジスタと、C1〜C3およびD1〜D3の換気レジスタとの間には、捕集効率に大きな差があることに留意すべきである。すなわち、AおよびBの換気レジスタは、粒径0.5〜1.0μmの粒子の捕集効率はせいぜい46.3%であったのに対して、C1〜C3およびD1〜D3の換気レジスタは、それよりも捕集効率が著しく優れており、例えば、粒径0.3μmの粒子の捕集効率であってもいずれも70%を超えていた。C1〜C3(繊維径約125nm・孔径約10μm)とD1〜D3(繊維径約60nm・孔径約5μm)とでは、D1〜D3の方が捕集効率に優れていた。
それにも拘わらず、Bの圧力損失と、C1およびD1の圧力損失とはそれほど変化がなく、C2、C3、D2およびD3の圧力損失は、Bの圧力損失を上回りさえした。すなわち、従来品であるAの圧力損失係数は178.8、Bの圧力損失係数は45.55であったのに対して、圧力損失係数はそれぞれ、C1は54.5、C2は37.39、C3は29.98、D1は42.76、D2は34.9、D3は26.12であった。
これらの結果は、当該分野では極めて予想外であり、図22のデータは、自然給気用換気レジスタには使用できないと考えられているナノフィルターの換気レジスタへの適用の可能性を明確にしめした。重要なことに、この傾向は風量によって変わることなく、どの風量においても一貫して示された。このことも、幅広く変動する風量に対応することが求められるが第3種換気システムの換気レジスタへの、ナノフィルターの適用の可能性を実証した。
加えて、プリーツのピッチを約8mm、約6mm、約4mmと小さくすることによって圧力損失が向上する傾向が一貫して観察された点にも留意されたい。
(実施例2:ナノフィルターと他のフィルターとの圧力損失および捕集効率の検討)
実施例1で使用した繊維径約60nm・孔径約5μmのナノフィルターについて、プリーツのピッチを約4mm、山高さを約15mmとしたものと、同じ筐体にセットした従来の静電フィルター(プリーツ加工未処理)、および放射状にプリーツ加工されたマイクロフィルター(パナソニックエコシステムズベンテック株式会社製フィルターVB−YA100PM:繊維径約15μm〜約46μm)とについて、圧力損失および捕集効率の時系列変化を確認した。
図23のAが本発明のナノフィルター換気レジスタ(A1が初期値、A2が40時間経過後)であり、Bは従来のマイクロフィルター(B1が初期値、B2が30時間経過後)、Cは従来の静電フィルター(C1が初期値、C2が30時間経過後)である。図23Aは圧力損失の時系列変化を示し、図23Bは捕集効率の比較を示す。
圧力損失は、測定対象物であるフィルターユニットに、風量2.5m/secで空気を通過させた時のフィルター上下流の差圧をデジタルマノメーター(ツクバリカセイキ株式会社製のマノメータ(F-213))にて測定した。
本発明のナノフィルター換気レジスタでは、0.3〜0.5μm塵の捕集効率が70%を超えており、また圧力損失の時間経過を見ても緩やかなカーブを描いていて、商業的な使用に耐え得るものであることが見出された。マイクロフィルターは静電フィルターよりも圧力損失が大きく、自然給気口の換気レジスタには適さなかった。
なお、マイクロフィルターの初期値(B1)については、筐体とフィルターとの間から漏れが起こったものと考えられる。そして、時間経過とともにマイクロファイバー繊維に粒子などが付着することによりマイクロファイバー繊維間の漏れが改善されて捕集効率が向上したものと考えられる。そして、マイクロフィルターは時間経過に伴いマイクロファイバー繊維に付着する粒子による目詰まりの進行が他のフィルターに比べて速いため、寿命が短いものと考えられる。
(実施例3:山高さの検討)
本発明者らの研究開発の結果、ナノフィルターの圧力損失の向上のために、プリーツ加工の条件が重要であることが分かった。
本実施例では約4mmピッチ、山高さ約15mmのナノフィルターと、約4mmピッチ、山高さ約25mmのナノフィルターとで圧力損失を測定した。
結果を図24に示す。Aは約4mmピッチ、山高さ約15mm、バックスペース約5mmの換気レジスタを、Bは約4mmピッチ、山高さ約25mm、バックスペース約5mmの換気レジスタを示す。
AとBとの結果を見てわかるとおり、山高さを大きくした方がナノフィルターの展開面積が多く得られ、圧力損失が改善されることが分かった。
(実施例4:耐久性)
繊維径約60nm・孔径約5μmのナノフィルターを発明者の自宅に実際に取り付け、1ヶ月間使用して圧力損失を測定した。その結果、目詰まりして6%程度の空気流量低下があることが分かった。
そのナノフィルターを水洗いし、再度圧力損失を測定したところ、ほぼ初期値に戻った。
1 換気レジスタ
2 換気口
3 差込筒
3a 屋内側開口端
3b 屋外側開口端
3c 通気室
4 フェイス部
5 内壁
6 外向きフランジ
6a 外枠部
7 平板部
7a つまみ部
7b 整流ドーム部
8 筒型プリーツフィルター部
8a プリーツ部
8b 屋内側開口端
8c 屋外側開口端
9 保持部
9a 密閉部
10a シール部
10b シール部
11 通気間隙部
11a 空気
12 支持部
13 プレフィルター
14 換気レジスタ(変形例)
15 換気レジスタ(変形例)
S ネジ留め部
51 換気レジスタ
51A 開閉構造
52 差込筒
52a 室内側開口部
53 第1の翼体
53A 外周側部
53B 中心側部
53a 固定部
53b 固定部
53c 翼片
53d 保持部
53d1 第1の突部
53d2 第2の突部
53e 可動間隙
53f 端面
54 第2の翼体
54A 外周側部
54B 中心側部

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  1. 本明細書に記載の発明。
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