JP2019124321A - 等速自在継手用ブーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両設計自由度や搭載性がよく、超高作動角においても耐久性、耐疲労性が良好な等速自在継手用ブーツを提供すること。【解決手段】大径側取付部4と、大径側取付部に最も近い大径端谷部3b5とが、コーナー部2を介して接続され、コーナー部が、外側継手部材32の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部49に対応する軸方向位置に設けられ、かつ、チャンファ部に略沿って開口側に向けて縮径する形状を有し、大径端谷部3b5が、外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部に当接し、大径側取付部に最も近い大径端山部3a5と大径端谷部の径差が、大径端山部と大径端谷部に隣接する山部3a4と谷部3b4の径差より小さく、等速自在継手の高作動角時、大径端谷部を支点として大径端山部および他の山部が大径側取付部の方向に反り返り折り重なる変形形態を有すると共に大径端山部がブーツバンドの突起部5aに接触しないことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械に使用される等速自在継手に装着される等速自在継手用ブーツに関する。
近年、自動車の付加価値を高めるために、車両の小回り向上や居住空間の拡大などの要望が増している。このためには、車両の最小回転半径の縮小やホイールベースの延長が必要となり、これらに対応するためにタイヤの切れ角を大きくする必要がある。操舵輪が駆動輪であるFF車(前輪駆動車)や4WD車(四輪駆動車)では、エンジン出力をデファレンシャルギヤから駆動輪へ伝達するフロントドライブシャフトの中で、駆動輪側に設置される固定式等速自在継手の最大作動角を大きくすることが要求される。
等速自在継手が高作動角を取って回転する場合、ブーツの蛇腹同士が接触し、この接触部における周速差による摩耗、耐久性の低下や、外側継手部材とシャフト間への蛇腹部の噛み込みによる耐久性の低下などが問題になる。そのため、高作動角域での耐久性の向上を目的とした様々な形状のブーツが提案されている(特許文献1〜4)。
特許文献1のブーツは、肩部形状が小径側に向かって縮径するテーパ形状となっており、ブーツ屈曲時における肩部の半径方向外側への張り出しを抑制することで蛇腹部の折り畳み形状が改善され、耐久性が向上するとしている。特許文献2のブーツは、肩部を軸方向に5mm以上延長することで、バンドの耳部への干渉を防止するものである。
特許文献3のブーツは、等速自在継手が高作動角になる際に、大径側取付部に最も近い谷部をシャフトに常に接触させることで、高作動角時の肩部の外径側への持ち上がりを抑制し、ブーツのバンド下の亀裂の発生を防止することで耐久性を向上させるとしている。特許文献4のブーツは、屈曲作動時に大径側取付部に最も近い山部とその小径側に位置する斜面部とが互いに接触するものにおいて、斜面部に屈曲部を設けることにより、スムーズに曲げられ、接触圧を小さく抑え、摩耗による破損を防止することができるとしている。
特許第3719177号公報 特許2007−211927号公報 特開2004−125008号公報 特開2001−59527号公報
ところが、特許文献1のブーツは、継手が高作動角を取った際、外側継手部材の開口部近傍のブーツ谷部がシャフトと外側継手部材に噛み込まれ易くなり、耐久性が低下する可能性がある。また、従来の円筒状肩部の場合と比べ、テーパ形状によりブーツの膜長が短くなるため、引張側の谷部における引張応力が大きくなり、疲労が蓄積されやすいことが考えられる。特許文献2のブーツでは、高作動角時、圧縮側の肩部が突っ張り棒のように機能し、押されることでバンドが外側継手部材の大径側取付部から外れる可能性がある。また、大径側取付部の取付位置が従来品よりも外側継手部材の開口側とは反対方向に大きくずれているため、ドライブシャフトの車両組付け時に周辺機器とのクリアランスが小さくなり、車両設計自由度や搭載性において問題が考えられる。
特許文献3のブーツは、圧縮時、肩部が湾曲するように変形するため、大径側取付部が外側継手部材の開口側とは反対方向に押され、ブーツがブーツ取付溝から外れる可能性がある。また、ブーツが大径側取付部を持ち上げようとするため、内部のグリースの漏れも懸念される。特許文献4のブーツは、大径側取付部に最も近い大径端谷部が外側継手部材の開口側端面に対して半径方向の比較的に内側で接触するので、蛇腹部の山部と谷部が軸方向に圧縮されて折り重なって変形し、蛇腹部の斜面部の摩耗や、外側継手部材とシャフトとの間への大径端谷部の噛み込みが懸念される。
以上に説明した従来のブーツは高作動角時の種々の問題があり、近年の自動車における車両の小回り向上や居住空間の拡大などの要望に対応できる50°以上の最大作動角(以下、超高作動角ともいう。)には到達できないことが判明した。これに着目したのが本発明である。
以上の問題に鑑み、本発明は、車両設計自由度や搭載性がよく、超高作動角においても耐久性、耐疲労性が良好な等速自在継手用ブーツを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するため、図9〜11に示す最大作動角が50°以下の現行等速自在継手に使用されているブーツについて種々検討、検証を行った。図9〜11は開発過程の知見を示す図で、図9は、現行等速自在継手に使用されているブーツの縦断面図で、図10は、図9の等速自在継手用ブーツの高作動角時の屈曲状態を示す縦断面図で、図11(a)は、図9のF部を拡大した縦断面図で、図11(b)は、図10のG部を拡大した縦断面図である。検討、検証の結果、次の知見が得られた。
すなわち、図9、図11(a)に示すように、上記のブーツ101は、大径側取付部104の肩部102が小径側に向かって半径方向外側に開くテーパ形状であり、大きな作動角を取る際は、圧縮側の肩部102は、半径方向に大きく張り出す。大きな作動角を取る際は、図10、図11(b)に示すように、肩部102が大径側のブーツバンド105の角部や突起部105aに接触し、さらに超高作動角を取ろうとすると、肩部102とブーツバンド105の角部や突起部105aとの接触、食い込みが強くなり、摩耗により耐久性が低下することになる。また、蛇腹部103が無理に折り畳まれるため、蛇腹部103同士が強く接触し、耐久性が低下することがある。
引張側においては、ブーツ101の膜長が不足して山部で凹みが発生したり、谷部に負荷する応力が増大することで耐久性が低下することがある。また、高作動角時の小径側においては、小径側取付部106から蛇腹部103と連結する部位107(小径側立ち上がり部)の曲率半径が小さくなるため、小径側取付部106への負荷応力が大きくなり、耐久性が低下することがある。
本発明者は、上記知見に基づいて、以下の新規な着想によって、本発明に至った。
(1)大径側取付部に最も近い大径端谷部を外側継手部材の開口端部の半径方向外側端に当接させて圧縮に対する支点とすること。
(2)大径側取付部と蛇腹部との間の肩部を無くし、外側継手部材の開口端部の外周形状に沿って開口側に向かって縮径する形状のコーナー部を形成すること。
(3)大径側取付部に最も近い大径端山部と大径端谷部の径差を隣接する山部と谷部の径差より小さくすること。
上記の(1)、(2)の着想が相まって、ブーツの圧縮側では、大径端谷部を支点に大径端山部が大径側取付部の方向に反り返り、コーナー部で受け止められる。この状態の大径端山部に他の山部が倒れ掛かり折り重なる変形形態となる。この変形形態において、(3)の着想が加わって、超高作動角時に、大径端山部がブーツバンドの突起部に接触することがなく、かつ、この大径端山部(コーナー部で受け止められている)により、倒れ掛かった他の山部がブーツバンドの半径方向外側に回避させることができる。これにより蛇腹部がブーツバンドの突起部に接触しないことが検証された。また、蛇腹部がブーツバンドの突起部に接触しないことにより、大径端の蛇腹部を除くその他の蛇腹部の超高作動角に対応可能な膜長を確保するブーツの形状設計の自由度が向上することが判明した。
加えて、(1)、(2)の着想が相まって、外側継手部材とシャフトの間に大径端谷部が噛み込まれる可能性が低く、早期破損を防止できると共に、大径側取付部の軸方向位置を従来品と同位置に設定でき、車両設計自由度や搭載性が良くなることが判明した。
さらに、有利な構成として、小径側取付部に最も近い小径端山部、小径端谷部のそれぞれの縦断面における外周面の曲率半径を大きくし剛性を低減することで、小径側取付部周辺における引張と圧縮の繰り返し応力を軽減でき、耐久性が向上することが判明した。
前述の目的を達成する技術的手段として、本発明は、等速自在継手の外側継手部材の外周面に装着され、ブーツバンドにより締付け固定される大径側取付部と、シャフトの外周面に装着され、ブーツバンドにより締付け固定される小径側取付部と、前記大径側取付部と前記小径側取付部を一体に連結する蛇腹部とを備え、前記蛇腹部が軸方向に交互に形成された複数の山部と谷部とからなる等速自在継手用ブーツにおいて、前記大径側取付部と、この大径側取付部に最も近い大径端谷部とが、コーナー部を介して接続され、前記コーナー部が、前記外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部に対応する軸方向位置に設けられ、かつ、前記チャンファ部に略沿って開口側に向けて縮径する形状を有し、前記等速自在継手用ブーツの前記大径側取付部を前記外側継手部材の外周面に装着し前記ブーツバンドで締付け固定した状態で、前記大径端谷部が、前記外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部に当接するように構成され、前記大径側取付部に最も近い大径端山部と前記大径端谷部の径差が、前記大径端山部と前記大径端谷部に隣接する山部と谷部の径差より小さく設定され、前記等速自在継手が高作動角を取ったとき、前記大径端谷部を支点として前記大径端山部および他の山部が前記大径側取付部の方向に反り返り折り重なる変形形態を有すると共に前記大径端山部が前記ブーツバンドの突起部に接触しないことを特徴とする。
上記の構成により、車両設計自由度や搭載性がよく、超高作動角においても耐久性、耐疲労性が良好な等速自在継手用ブーツを実現することができる。
具体的には、上記の小径側取付部に最も近い小径端山部および小径端谷部のそれぞれの縦断面における外周面の曲率半径をRax、Rbxとし、大径端山部および大径端谷部を除くその他の山部および谷部のそれぞれの縦断面における外周面の曲率半径をRa、Rbとしたとき、Rax>RaおよびRbx>Rbを満たすことが好ましい。これにより、小径端山部および小径端谷部の剛性を低減し、小径側取付部周辺における引張と圧縮の繰り返し応力を軽減でき、耐久性を向上させることができる。
上記のコーナー部の長さをtとし、大径端谷部の縦断面における外周面の曲率半径をRbyとし、大径側取付部と接続するコーナー部の端部と入口チャンファとの間の距離をLとしたとき、t<L−2Rbyを満たすことが好ましい。これにより、超高作動角時に、大径端谷部が外側継手部材とシャフトの間に噛み込まれることを防止し、また、大径端谷部が外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部に当接させるブーツ形状が容易に得られる。
上記の大径端谷部が当接する外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部がチャンファ部であることにより、圧縮側では、大径端谷部を支点に大径端山部が大径側取付部の方向に反り返り、この大径端山部に他の山部が倒れ掛かり折り重なる変形形態を促進することができ、また、外側継手部材とシャフトの間に大径端谷部が噛み込まれる可能性が極めて低く、早期破損を防止できる。
上記の前記コーナー部の外周面がテーパ形状であることにより、大径端山部がコーナー部で確実に受け止められ、この大径端山部に倒れ掛かった他の山部がブーツバンドの半径方向外側に回避されている。
上記の等速自在継手用ブーツが熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなることにより、高い耐久性を発揮することができる。
本発明によれば、車両設計自由度や搭載性がよく、超高作動角においても耐久性、耐疲労性が良好な等速自在継手用ブーツを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手用ブーツが装着された等速自在継手の縦断面図である。 (a)図は、図1の等速自在継手用ブーツの単体の縦断面図で、(b)図は、(a)図のB部を拡大した縦断面図で、(c)図は、(a)図のC部を拡大した縦断面図である。 (a)図は、 図1のA部を拡大した縦断面図で、(b)図は、(a)図の外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部を拡大した縦断面図である。 (a)図はブーツバンドの平面図で、(b)図はブーツバンドの側面図である。 (a)図はブールバンドの締付け前の状態を示す側面図で、(b)図はブーツバンドの締付け後の状態を示す側面図である。 図1の等速自在継手用ブーツの超高作動角時の屈曲状態を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手用ブーツが装着された等速自在継手の縦断面図である。 (a)図は、図7のE部を拡大した縦断面図で、(b)図は、(a)図の外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部を拡大した縦断面図である。 開発過程の知見を示す図で、現行等速自在継手に使用されているブーツの縦断面図である。 図9の等速自在継手用ブーツの高作動角時の屈曲状態を示す縦断面図である。 (a)図は、図9のF部を拡大した縦断面図で、(b)図は、図10のG部を拡大した縦断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手用ブーツを図1〜図6に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手用ブーツが装着された等速自在継手の縦断面図で、図2(a)は、図1の等速自在継手用ブーツの単体の縦断面図で、図2(b)は、図2(a)のB部を拡大した縦断面図で、図2(c)は、図2(a)のC部を拡大した縦断面図で、図3(a)は、図1のA部を拡大した縦断面図で、図3(b)は、図3(a)の外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部を拡大した縦断面図である。図4(a)はブーツバンドの平面図で、図4(b)はブーツバンドの側面図で、図5(a)はブーツバンドの締付け前の状態を示す側面図で、図5(b)はブーツバンドの締付け後の状態を示す側面図である。図6は、図1の等速自在継手用ブーツの超高作動角時の屈曲状態を示す縦断面図である。
まず、本実施形態の等速自在継手用ブーツが装着された等速自在継手の概要を図1に基づいて説明する。等速自在継手31は、いわゆる、アンダーカットフリー型固定式等速自在継手であり、外側継手部材32、内側継手部材33、トルク伝達ボール(以下、単にボールともいう)34および保持器35を主な構成とする。外側継手部材32の球状内周面36には複数のトラック溝37が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。内側継手部材33の球状外周面38には、外側継手部材32のトラック溝37に対向するトラック溝39が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。外側継手部材32のトラック溝37と内側継手部材33のトラック溝39との間にトルクを伝達する複数のボール34が1個ずつ組み込まれている。外側継手部材32の球状内周面36と内側継手部材33の球状外周面38との間に、ボール34を保持する保持器35が配置されている。
外側継手部材32の球状内周面36と嵌合する保持器35の球状外周面42および内側継手部材33の球状外周面38と嵌合する保持器35の球状内周面43の曲率中心は、いずれも、継手中心Oに対して軸方向反対側に等距離で小量オフセット(図示省略)されている。外側継手部材32のトラック溝37の曲率中心O1と、内側継手部材33のトラック溝39の曲率中心O2は、継手中心Oに対して、互いに反対側で軸方向に等距離fだけオフセットされ、外側継手部材32のトラック溝37は開口側に直線状部分37sを有し、内側継手部材33のトラック溝39は奥側に直線状部分39sを有する。以上の構成により、継手が作動角をとったとき、外側継手部材32と内側継手部材33の両軸線がなす角度(作動角)を二等分する平面上にボール34が常に案内され、二軸間で等速に回転が伝達されることになる。
等速自在継手31は、トラック溝37、39が直線状部分37s、39sを有するアンダーカットフリー型固定式等速自在継手であるので、もともと高作動角に向いているが、さらに、50°以上の超高作動角に対応できるように外側継手部材32の開口側でのボール34とトラック溝37(37s)間の案内状態やボール34の保持状態等に工夫が施されている。
内側継手部材33の内周面44にはスプライン(セレーションを含む、以下同じ)45が形成され、このスプライン45にシャフト46のスプライン47が嵌合され、止め輪48により軸方向に固定される。
図1では、超高作動角に対応できる等速自在継手31として、アンダーカットフリー型固定式等速自在継手を例示したが、これに限られず、内外継手部材のトラック溝の形態や、外側継手部材の開口側でのボールとトラック溝間の案内状態やボールの保持状態等が、超高作動角に対応可能な他の型式の固定式等速自在継手であってもよく、固定式等速自在継手の型式は問わない。
次に、本実施形態の等速自在継手用ブーツを説明する。図1に示すように、等速自在継手用ブーツ(以下、単にブーツともいう。)1は、外側継手部材32の外周面に取付けられる大径側取付部4と、シャフト46に取付けられる小径側取付部6と、大径側取付部4と小径側取付部6の間を接続する蛇腹部3を主な構成とする。蛇腹部3は2山〜7山程度の山部3aと谷部3bとで構成される。
ブーツ1の大径側取付部4は、外側継手部材32の外周に設けられたブーツ取付溝32aに嵌合させてブーツバンド5によって締付け固定され、小径側取付部6は、シャフト46のブーツ取付溝46aに嵌合させてブーツバンド5’によって締付け固定される。
図2(a)、図2(b)および図2(c)に示すように、ブーツ1の蛇腹部3は、小径側取付部6から大径側取付部4に向かって、小径側取付部6に最も近い小径端山部3a1、小径端谷部3b1、第2山部3a2、第2谷部3b2、第3山部3a3、第3谷部3b3、第4山部3a4、第4谷部3b4、そして大径側取付部4に最も近い大径端山部3a5、大径端谷部3b5とからなり。山部3a、谷部3bが軸方向に交互に形成されている。大径端谷部3b5はコーナー部2を経て大径側取付部4に接続されている。
各山部3aと谷部3bの縦断面における外周面の曲率半径は、それぞれ、小径側取付部6に最も近い小径端山部3a1がRax、小径端谷部3b1がRbx、第2山部3a2がRa2、第2谷部3b2がRb2、第3山部3a3がRa3、第3谷部3b3がRb3、第4山部3a4がRa4、第4谷部3b4がRb4、そして大径側取付部4に最も近い大径端山部3a5がRay、大径端谷部3b5がRbyとなっている。
図2(b)に示すように、大径側取付部4は、外周面にバンド取付溝4aと、バンド取付溝4aの軸方向の両端に突状部4b、4cが形成されている。突状部4b、4cは、それぞれ周方向に環状に形成されている。突状部4bの蛇腹部側の近傍にコーナー部2が形成されている。大径側取付部4の内周面には環状の突状部4dが形成され、図1に示すように、突状部4dは、外側継手部材32のブーツ取付溝32aに嵌合する。
ブーツ1は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーから形成されている。JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上53以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなるので、高い耐久性を発揮することができる。熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムのような柔軟な材料と、熱可塑性樹脂のような高剛性な材料との中間の弾性率を持つ材料である。この熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムと熱可塑性樹脂の両者の特徴を有し、変形を受けても元の形状に復元する弾性、加硫ゴムより高い機械的強度、一般的な熱可塑性樹脂に適用できる全ての成形加工法が適用できる特徴を示す材料である。
本実施形態のブーツ1の特徴的な構成は、以下の新たな着想に基づいている。
(1)大径側取付部4に最も近い大径端谷部3b5を外側継手部材32の開口端部の半径方向外側端に当接させて圧縮に対する支点とすること。
(2)大径側取付部4と蛇腹部3との間の肩部を無くし、外側継手部材32の開口端部の外周形状に沿って開口側に向かって縮径する形状のコーナー部2を形成すること。
(3)大径側取付部4に最も近い大径端山部3a5と大径端谷部3b5の径差を隣接する山部3a4と谷部3b4の径差より小さくすること。
本実施形態のブーツ1の特徴的な構成を具体的に説明する。図3(a)、図3(b)に基づいて、ブーツ1の大径側取付部4とその周辺の構造を説明する。図3(a)に示すように、ブーツ1の大径側取付部4を外側継手部材32の外周面32bに嵌合させ、大径側取付部4の内周面に形成された突状部4dが外側継手部材32の外周に設けられたブーツ取付溝32aに嵌合させた状態でブーツ1が外側継手部材32に装着される。そして、バンド取付溝4aに外嵌したブーツバンド5を締め付けて大径側取付部4が外側継手部材32の外周面32bに固定される。
大径側取付部4をブーツバンド5で締め付け固定した状態で、ブーツ1の大径端谷部3b5が、外側継手部材32の開口端部の半径方向外側端部T〔図3(b)参照〕に当接する。図3(a)に示すように、コーナー部2は、外側継手部材32の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部49に対応する軸方向位置に設けられ、コーナー部2の外周面は、チャンファ部49の形状に略沿って外側継手部材32の開口側(図の左側)に向けて縮径するテーパ形状を有する。コーナー部2の外周面のテーパ形状は、図6に示すように、大径端谷部3b5を支点に大径端山部3a5が大径側取付部4の方向に反り返ったときに、大径端山部3a5が確実に受け止められる。尚、図3(a)、図3(b)に示すように、コーナー部2の内周面は、その縦断面における形状が略円弧状に形成され、チャンファ部49との間に若干間隙が設けられている。これは、ブーツ1のブロー成形では内周面を金型で拘束しないので、成形精度を考慮して、チャンファ部49との干渉を避けるための逃げとしての隙間である。
図3(b)に基づいて、外側継手部材32の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部49の詳細を説明する。図3(b)では、図を見やすくするためブーツを破線で図示している。本実施形態のブーツ1が装着される外側継手部材32のチャンファ部49の縦断面は、外側継手部材32の開口側に向けて縮径するテーパ形状部49bとこのテーパ形状部49bに滑らかに接続された曲率半径r1を有する円弧部49aとからなる。円弧部49aは、外側継手部材32の開口端面50に滑らかに接続され、その接続部はKである。テーパ形状部49bと円弧部49aとからなるチャンファ部49の形状は、倣い旋削加工が可能で生産性が良好なため標準的なチャンファ仕様となっている。
本実施形態のブーツ1では、大径側取付部4をブーツバンド5で締付け固定した状態で大径端谷部3b5が、図3(b)に示すように、外側継手部材32の開口端部の半径方向外側端部Tに当接する。厳密には、チャンファ部49の円弧部49aと開口端面50の接続部Kよりわずかに外側の円弧部49a上の接続部Pで当接している。本実施形態のブーツ1では、接続部Pが外側継手部材32の開口端部の半径方向の最大限外側に設定されているので、圧縮側では、図6に示すように、大径端谷部3b5を支点に大径端山部3a5が大径側取付部4の方向に反り返り、この大径端山部3a5に他の山部が倒れ掛かり折り重なる変形形態を促進することができ、また、外側継手部材32とシャフト46の間に大径端谷部3b5が噛み込まれる可能性が極めて低く、早期破損を防止できる。
ただし、前述した接続部Pは、チャンファ部49(円弧部49a)上にあることに限定されるものではなく、大径端谷部3b5の圧縮に対する支点の機能を考慮して適宜設定することができる。すなわち、接続部Pは、外側継手部材32の開口端部の半径方向外側領域において軸方向の圧縮力を支持可能な部位であればよい。したがって、半径方向外側端部Tは外側継手部材32の開口端面50を含み、例えば、接続部Pを開口端面50に設定してもよい。尚、接続部Pは作動角に応じて周方向の幅を有し、また、圧縮力を受けると、接続部Pは、チャンファ部49の円弧部49aから開口端面50にまで接触範囲が及ぶ。本明細書および特許請求の範囲における外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部は上記の意味を有する。
図3(a)に示すように、コーナー部2は、大径側取付部4との接続端と大径端谷部3b5との接続端を有し、両接続端を破線で示す。2つの破線の間の寸法がコーナー部2の長さであり、この長さをtとする。外側継手部材32の開口端面50には、入口チャンファ32cが設けられている。入口チャンファ32cは、最大作動角を取ったときにシャフト46の外径面との間に僅かに余裕(例えば、角度で1°程度)のある形状、寸法に設定され、入口チャンファ32cは、シャフト46が最大作動角を超えたときのストッパ面として機能する(図6参照)。本実施形態のブーツ1では、大径側取付部4と接続するコーナー部2の端部と入口チャンファ32cとの間の距離をLとすると、コーナー部2の長さt、大径側取付部4に最も近い大径端谷部3b5の縦断面における外周面の曲率半径Rbyとの関係は、t<L−2Rbyに設定されている。この寸法設定により、超高作動角時に、大径端谷部3b5が外側継手部材32とシャフト46の間に噛み込まれることを防止し、また、大径端谷部3b5が外側継手部材32の開口端部の半径方向外側端部Tに確実に当接させるブーツ形状が容易に得られる。
上記に対して、コーナー部2の長さtが長い場合、大径側取付部4と大径端谷部3b5との間に肩部がないことから、高作動角時に大径端谷部3b5が外側継手部材32とシャフト46の間に噛み込まれ易くなり、また、コーナー部2が外側継手部材32のチャンファ部49から浮き上がり、大径側取付部4の周辺を外側継手部材32の開口側とは反対方向に押す力が発生するため大径側取付部4が外側継手部材32のブーツ取付溝32aから外れる可能性やグリース漏れが発生する可能性がある。
大径端山部3a5と大径端谷部3b5の肉厚の中心間の径差はΔD5に設定され、大径端山部3a5と大径端谷部3b5に隣接する第4山部3a4と第4谷部3b4の肉厚の中心間の径差は、ΔD4に設定されている。本明細書および特許請求の範囲における径差は、山部および谷部の肉厚の中心間の寸法を基準にする。
大径端山部3a5と大径端谷部3b5の肉厚の中心間の径差ΔD5は、大径端山部3a5と大径端谷部3b5に隣接する第4山部3a4と第4谷部3b4の肉厚の中心間の径差ΔD4より小さく設定されている。これにより、超高作動角時に、大径端山部3a5がブーツバンド5の突起部5aに接触することがなく、かつ、コーナー部2で受け止められている大径端山部3a5により、倒れ掛かった他の山部3a4、3a3、3a2、3a1がブーツバンド5の半径方向外側に回避させることができ、蛇腹部3がブーツバンド5の突起部5aに接触しない。また、蛇腹部3がブーツバンド5の突起部5aに接触しないことにより、大径端の蛇腹部3を除くその他の蛇腹部3の超高作動角に対応可能な膜長を確保するブーツの形状設計の自由度が向上する。
図2(a)、図2(b)および図2(c)に示すように、小径端山部3a1の曲率半径Raxは、大径端山部3a5を除くその他の山部3a2、3a3、3a4、の曲率半径Ra2、Ra3、Ra4より大きく設定され、小径端谷部3b1の曲率半径Rbxは、大径端谷部3a5を除くその他の谷部3b2、3b3、3b4、の曲率半径Rb2、Rb3、Rb4より大きく設定されている。これにより、小径端山部3a1および小径端谷部3b1の剛性を低減し、小径側取付部6周辺における引張と圧縮の繰り返し応力を軽減でき、耐久性を向上させることができる。
次に、ブーツバンド5の概要を図4、図5に基づいて説明する。ここでは、大径側のブーツバンド5を例示して説明するが、小径側のブーツバンド5’も同様である。図4(a)、図4(b)に示すように、ブーツバンド5は帯状に形成され、ブーツバンド5の一端部側〔図4(a)、図4(b)の右端部側〕に第1の係合孔55、第2の係合孔56、第1の工具爪5a、案内溝部58および段部59が形成され、他端部側〔図4(a)、図4(b)の左端部側〕に案内舌部57、第2の工具爪54、仮止め爪53、第2の係合爪52および第1の係合爪51が形成されている。
第1の工具爪5aは、第2の係合孔56を跨いで形成され、断面が弓状で、平面から見るとアーチ状に突出させて形成されている。ブーツバンド5では、第1の工具爪5aが、係合爪51、52や仮止め爪53等に比べて幅と高さが大きいので、第1の工具爪5aが本明細書および特許請求の範囲におけるブーツバンドの突起部に該当する。
図4(a)、図4(b)に示すブーツバンド5をリング状に巻いて、図5(a)に示すように、一端部側を外径側とし他端部側を内径側として両端部を重ね合わせる。このとき、他端部側の案内舌部57を一端部側の案内溝部58に僅かに挿入し、仮止め爪53を第2の係合孔56に嵌合させてブーツバンド5が仮止めされる。仮止め状態のブーツバンド5は拡径状態にあり、その内径は、図2(b)に示すブーツ1の大径側取付部4の突状部4cを乗り越えて(弾性変形等も含めて)バンド取付溝4aに装着可能な寸法に設定されている。したがって、ブーツバンド5を仮止め状態のままでバンド取付溝4aに外嵌できる。これが、図5(a)に示すブーツバンド1の締付け前の状態である。
その後、図5(a)に示す第1の工具爪5aと第2の工具爪54とを工具(図示省略)によって引寄せてブーツバンド5を縮径させ、図5(b)に示すように、第1の係合爪51、第2の係合爪52を、それぞれ第1の係合孔55、第2の係合孔56に係止させ、ブーツバンド5の締付け後の状態となる。このようにして、図3(a)に示すように、ブーツ1の大径側取付部4が外側継手部材32の外周面32bに締付け固定される。ブーツバンド5には、段部59、案内溝部58および案内舌部57が設けられており、締付け状態で内周面に段差が生じないので、ブーツ1の大径側取付部4のシール性が良好となる。また、ブーツバンド5は、ロープロファイルバンドと称されるもので、突起部(第1の工具爪5a)の高さが低く、高作動角を取るブーツのバンドとして好適である。
ただし、ブーツバンドとして、ロープロファイルバンドに限定されるものではなく、レバー部を有するワンタッチタイプのバンドや加締め耳部を有するオメガタイプのバンドを適用することも可能である。
本実施形態のブーツ1が高作動角を取ったときの状態を図6に示す。同図より以下の内容が要約して理解できる。
(1)超高作動角に対応可能なブーツ1の大径側取付部4の軸方向位置は従来品と同位置に配置され、車両設計自由度や搭載性がよい。
(2)圧縮側では、大径端谷部3b5を支点に大径端山部3a5が大径側取付部4の方向に反り返り、この大径端山部3a5に他の山部が倒れ掛かり折り重なる変形形態となっている。
(3)大径端山部3a5がブーツバンド5の突起部5aに接触することがなく、かつ、コーナー部2で受け止められている大径端山部3a5により、倒れ掛かった他の山部3a4、3a3、3a2、3a1がブーツバンド5の半径方向外側に回避されている。
(4)大径端谷部3b5は外側継手部材32とシャフト46の間への噛み込みがない。
(5)圧縮側および引張側において、ブーツの形状設計の自由度が向上し、大径端の蛇腹部3を除くその他の蛇腹部3の膜長を超高作動角に対応可能に確保できている。
(6)小径端山部3a1および小径端谷部3b1の剛性が低減され、小径側取付部6周辺における引張と圧縮の繰り返し応力を軽減されている。
本実施形態のブーツ1は、車両設計自由度や搭載性がよく、超高作動角においても耐久性、耐疲労性が良好な等速自在継手用ブーツを実現することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手用ブーツを図7、図8に基づいて説明する。図7は、本実施形態に係る等速自在継手用ブーツが装着された等速自在継手の縦断面図で、図8(a)は、図7のE部を拡大した縦断面図で、図8(b)は、図8(a)の外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部を拡大した縦断面図で、第1の実施形態と同様に、図を見やすくするためブーツを破線で図示している。本実施形態の等速自在継手用ブーツは、第1の実施形態と比べて、コーナー部の形状が異なる。また、外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部の形状が異なる。その他の構成は第1の実施形態と同じである。そのため、第1の実施形態と同じ機能を有する部位には、同一の符号を付して、要点のみを説明する。
本実施形態のブーツ1では、図8(a)に示すように、コーナー部2の外周面および内周面の縦断面における形状は、それぞれ略円弧形状に形成されている。これは、図8(b)に示すように、外側継手部材32の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部49が曲率半径r2の円弧形状であることに対応させたためである。コーナー部2の外周面の略円弧形状は、チャンファ部49の形状に略沿って外側継手部材32の開口側(図の左側)に向けて縮径している。本実施形態においても、コーナー部2の内周面とチャンファ部49との間に干渉を避けるための逃げとしての隙間が形成されている。
本実施形態のブーツ1では、図8(b)に示すように、外側継手部材32の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部49と開口端面50との接続部はKである。ブーツ1の大径側取付部4をブーツバンド5で締付け固定した状態で大径端谷部3b5は、外側継手部材32の開口端部の半径方向外側端部Tに当接している。厳密には、チャンファ部49と開口端面50との接続部Kと同じ位置である接触部Pで当接している。この場合も、接触部Pは作動角に応じて周方向の幅を有し、また、圧縮力を受けると、接触部Pは、チャンファ部49から開口端面50にまで接触範囲が及ぶ。
その他の構成については、前述した第1の実施形態の等速自在継手用ブーツと同じであるので、前述した内容を準用し、説明を省略する。本実施形態のブーツ1においても、車両設計自由度や搭載性がよく、超高作動角においても耐久性、耐疲労性が良好な等速自在継手用ブーツを実現することができる。
以上の実施形態では、蛇腹部が5山、5谷からなるブーツを例示したが、これに限定されるものではなく、山部、谷部の数が5山、5谷よりも少ないものや多いものも適宜適用することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 等速自在継手用ブーツ
2 コーナー部
3 蛇腹部
3a 山部
3a1 小径端山部
3a5 大径端山部
3b 谷部
3b1 小径端山部
3b5 大径端山部
4 大径側取付部
5 ブーツバンド
5a 突起部
6 小径側取付部
31 等速自在継手
32 外側継手部材
32c 入口チャンファ
33 内側継手部材
34 ボール
35 保持器
46 シャフト
49 チャンファ部
50 開口端面
K 接続部
L 大径側取付部と接続するコーナー部の端部と入口チャンファとの間の距離
P 接触部
Ra 曲率半径
Rax 曲率半径
Ray 曲率半径
Rb 曲率半径
Rbx 曲率半径
Rby 曲率半径
T 半径方向外側端部
t コーナー部の長さ
ΔD 径差

Claims (6)

  1. 等速自在継手の外側継手部材の外周面に装着され、ブーツバンドにより締付け固定される大径側取付部と、シャフトの外周面に装着され、ブーツバンドにより締付け固定される小径側取付部と、前記大径側取付部と前記小径側取付部を一体に連結する蛇腹部とを備え、前記蛇腹部が軸方向に交互に形成された複数の山部と谷部とからなる等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記大径側取付部と、この大径側取付部に最も近い大径端谷部とが、コーナー部を介して接続され、
    前記コーナー部が、前記外側継手部材の開口端部の外周面に形成されたチャンファ部に対応する軸方向位置に設けられ、かつ、前記チャンファ部に略沿って開口側に向けて縮径する形状を有し、
    前記等速自在継手用ブーツの前記大径側取付部を前記外側継手部材の外周面に装着し前記ブーツバンドで締付け固定した状態で、前記大径端谷部が、前記外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部に当接するように構成され、
    前記大径側取付部に最も近い大径端山部と前記大径端谷部の径差が、前記大径端山部と前記大径端谷部に隣接する山部と谷部の径差より小さく設定され、
    前記等速自在継手が高作動角を取ったとき、前記大径端谷部を支点として前記大径端山部および他の山部が前記大径側取付部の方向に反り返り折り重なる変形形態を有すると共に前記大径端山部が前記ブーツバンドの突起部に接触しないことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  2. 前記小径側取付部に最も近い小径端山部および小径端谷部のそれぞれの縦断面における外周面の曲率半径をRax、Rbxとし、前記大径端山部および前記大径端谷部を除くその他の山部および谷部のそれぞれの縦断面における外周面の曲率半径をRa、Rbとしたとき、Rax>RaおよびRbx>Rbを満たすことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  3. 前記コーナー部の長さをtとし、前記大径端谷部の縦断面における外周面の曲率半径をRbyとし、前記大径側取付部と接続する前記コーナー部の端部と入口チャンファとの間の距離をLとしたとき、t<L−2Rbyを満たすことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  4. 前記大径端谷部が当接する前記外側継手部材の開口端部の半径方向外側端部が前記チャンファ部であることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  5. 前記コーナー部の外周面がテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  6. 前記等速自在継手用ブーツが熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の等速自在継手用ブーツ。
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