JP2019123881A - 光硬化性樹脂組成物及び高屈折性樹脂硬化体 - Google Patents
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Abstract
Description
樹脂硬化体に関する。
また、高屈折化を改善するために、これらの光硬化性樹脂に無機粒子を配合すると、更に高粘度化してしまうため、工業的に取り扱うには溶剤を用いて粘度を下げる必要があり、溶剤の混入を回避しなければならない立体的な光学部品の製造に課題がある。
及び、
当該光硬化性樹脂組成物を光硬化して得られる高屈折性樹脂硬化体を提供することを課題とする。
〔1〕(メタ)アクリレート化合物、金属含有ナノ粒子及び光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート化合物が、下記式(1):
前記(メタ)アクリレート化合物中、前記式(1)で表される化合物及び/又はベンジルアクリレートの合計含有量が60〜100質量%であり、
前記光硬化性樹脂組成物の屈折率が1.60以上である光硬化性樹脂組成物(以下、本発明1ともいう)、
〔2〕(メタ)アクリレート化合物、金属含有ナノ粒子及び光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート化合物が、前項〔1〕記載の式(1)で表される化合物を含む光硬化性樹脂組成物(以下、本発明2ともいう)、及び、
〔3〕前項〔1〕又は〔2〕記載の光硬化性樹脂組成物を成形及び硬化してなる高屈折性樹脂硬化体(以下、本発明3ともいう)である。
本発明1は、(メタ)アクリレート化合物(以下、化合物Aという)、金属含有ナノ粒子(以下、化合物Bという)及び光重合開始剤(以下、化合物Cという)を含む光硬化性樹脂組成物であって、
化合物Aが、式(1)で表される化合物(以下、化合物A1という)及び/又はベンジルアクリレート(以下、化合物A2という)を含み、
化合物A中、化合物A1及び/又は化合物A2の合計含有量が60〜100質量%であり、
光硬化性樹脂組成物の屈折率が1.60以上である。
化合物A1は、下記式(1):
化合物A2は、ベンジルアクリレートであり、例えば、日立化成社より市販品(製品名「FA-BZA」)として入手できる。
化合物A1及びA2以外の化合物Aとしては、屈折率の高い(メタ)アクリレートとして知られるフルオレン骨格を有する2官能(メタ)アクリレート、フェニルフェノールエトキシアクリレートが好ましく使用できる。例えば、特許文献1及び2にこれらの詳細が記載されている。
(メタ)アクリレートオリゴマーは1種単独でも2種以上を組合せて使用できる。
ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、クラレ社製の「UC−1」(重量平均分子量25000)が挙げられる。
ポリブタジエンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、日本曹達社製の「TE2000」(重量平均分子量2000)が挙げられる。
ポリウレタンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、根上工業社製の「UN−7700」が挙げられる。
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
化合物Bである金属含有ナノ粒子とは、平均粒径が1〜100nmの金属含有粒子である。
みかけの算術平均粒子径の測定方法により測定して得られた算術平均粒子径を、化合物Bの平均粒径とした。
みかけの算術平均粒子径の算出において、原料であるナノ金属含有粒子の屈折率を入力し、溶媒の屈折率は、測定時の希釈溶媒のものを入力する。
表面修飾物等の影響は無視する。
サンプリング及び測定は、測定液調整後できるだけ速やかに行う。
好ましくは3〜50nm、より好ましくは5〜30nm、更に好ましくは5〜15nmである。
アルミニウム、カドミウム、セリウム、クロミウム、コバルト、銅、ガリウム、ゲルマニウム、金、インジウム、鉄、イリジウム、鉛、水銀、ニッケル、プラチナ、パラジウム、ケイ素、銀、錫、亜鉛、ジルコニウム、ヒ化アルミニウム、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、セレン化ガリウム、硫化ガリウム、ヒ化インジウム、リン化インジウム、窒化インジウム、セレン化インジウム、硫化インジウム、テルル化インジウム、セレン化鉛、硫化鉛、テルル化鉛、セレン化水銀、硫化水銀、テルル化水銀、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化カドミウム、酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化鉄、酸化鉛、酸化ニッケル、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、より好ましくは、
酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、更に好ましくは、
酸化チタン及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、更に好ましくは、酸化ジルコニウムである。
化合物Cは、光重合開始剤(好ましくは、光ラジカル重合開始剤)であり、使用する光源の波長に対して活性を有するものが配合され、適切な活性種を発生させるものを用いる。また、光重合開始剤は1種類のみでも、2種類以上用いてもよい。
硬化速度の速いものは、低エネルギー量の光線にて硬化出来るため、ロールtoロール方式などでの大量生産という観点で好ましい。
相溶性に優れるものは、結晶化などによる開始剤の析出が起き難く、また黄変が少ないものは、透明性に優れるなどの観点でそれぞれ好ましい。
Irgacure184、Irgacure819等のIrgacure(登録商標)シリーズ、
Darocur1173等のDarocur(登録商標)シリーズ、
Lucirin TPO等のLucirin(登録商標)シリーズ、
ESACUR日本シイベルヘグナー社のESACURE 1001M(1−[4−ベンゾイルフェニルスルファニル]フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン等が挙げられる。
本発明1は化合物A、B及びC以外にも、本発明1の効果を損なわない範囲で他の化合物を含めることができる。
例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等を含めることができる。
本発明1は、化合物A、化合物B及び化合物Cを含む光硬化性樹脂組成物であって、
化合物Aが、化合物A1及び/又は化合物A2を含み、
化合物A中、化合物A1及び/又は化合物A2の合計含有量が60〜100質量%であ
り、光硬化性樹脂組成抑制物1の屈折率が1.60以上である。
化合物A中、化合物A1及び/又は化合物A2の合計含有量は、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは65〜80質量%、更に好ましくは65〜75質量%であり、
化合物A中、化合物A1及び/又は化合物A2以外の他の化合物Aとしては、好ましくは(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマーである。
化合物A100質量部に対して、化合物Bは、好ましくは30〜90質量部、より好ましくは40〜80質量部、更に好ましくは50〜70質量部である。
化合物A100質量部に対して、化合物Cは、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜7質量部、更に好ましくは0.7〜3質量部である。
本発明1中、化合物A、化合物B及び化合物Cの合計含有量は、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。
屈折率が1.60以上に調整され、好ましくは1.61以上に調整され、より好ましくは1.62以上に調整される。
粘度が、好ましくは10〜10000mPa・s、より好ましくは20〜5000mPa・s、更に好ましくは50〜4000mPa・sに調整される。
本発明2は、(メタ)アクリレート化合物(以下、化合物A'という)、金属含有ナノ粒子(以下、化合物B'という)及び光重合開始剤(以下、化合物C'という)を含む光硬化性樹脂組成物(以下、光硬化性樹脂組成物2という)であって、化合物A'が、化合物A1を含む。
他の化合物としては、本発明1に含めることができる他の化合物を例示することができる。
本発明1中、化合物A'、化合物B'及び化合物C'の合計含有量は、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。
屈折率が、好ましくは1.60以上に調整され、より好ましくは1.61以上に調整され、更に好ましくは1.62以上に調整される。
粘度が、好ましくは10〜10000mPa・s、より好ましくは20〜5000mPa・s、更に好ましくは50〜4000mPa・sに調整される。
本発明3は、本発明1又は本発明2を硬化してなる高屈折性樹脂硬化体である。
フォトレジストの場合、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましく、
プリント配線基板の場合、10μm〜5mmであることが好ましく、100μm〜1mmであることがより好ましく、
光学薄膜の場合、0.1〜100μmであることが好ましく、0.3〜50μmであることがより好ましい。
加熱温度は、60〜250℃であることが好ましく、100〜200℃であることがより好ましく、
加熱時間は、1分〜2時間であることが好ましく、10分〜1時間であることがより好ましく、20分〜1時間であることが更に好ましく、30分〜1時間であることが更に好ましい。
露光後に被膜を加熱する場合、現像工程は、加熱工程の前に行ってもよく、加熱工程の後で行ってもよい。
また、基材上に他の機能層などを形成した後、その機能層の上に、本発明1又は本発明2で形成された層を形成してもよい。
(1)化合物A1:式(1)で表される化合物(R1が水素で、a=0)(POB−A、共栄社化学社)
(2)化合物A2:ベンジルアクリレート(FA-BZA、日立化成社)
(3)化合物a1(化合物A1及びA2以外の化合物A又はA'):エトキシo−フェニルフェノールアクリレート(A−LEN−10、共栄社化学社)
(4)化合物a2(化合物A1及びA2以外の化合物A又はA'):フルオレンアクリレート(EA−0200、大阪ガスケミカル社)
(5)化合物a3(化合物A1及びA2以外の化合物A又はA'):フルオレンアクリレート配合品(EA−F5710、大阪ガスケミカル社)
(6)化合物B又はB':酸化ジルコニウムナノ粒子(平均粒径11nm)70wt%MEK分散液(AX−ZP−153−A、日本触媒社)
(7)化合物C又はC':1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(I−184、BASF社)
表1に記載の光硬化性樹脂組成物の組成になるように、化合物A、AX−ZP−153−A及び化合物Cを、合計質量が100〜300gとなるように秤量して、容器(材質SUS316製、容量700ml)に充填し、80℃、大気圧下でスリーワンモーター(新東科学
表1記載の実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物(0.3g)を、PETフィルム1(パナック社製、品名ルミラー100T60、厚さ100μm)に塗布し、塗付された光硬化性樹脂組成物の厚みが0.1mmになるように上からPETフィルム2(パナック社製、品名ルミラー100T60、厚さ100μm)で被覆し、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製ECS−301)にて波長365nmの光を6000mJ/cm2照射して光硬化体を得た。
表1記載の実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物について、E型粘度計(東機産業社製RE−105U)を用いて25℃で測定した。
実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物並びに実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物を光硬化してなる硬化体の、25℃における波長589nmの光に対する屈折率を、アッベ屈折率計(2T:アタゴ社製)で測定した。
比較例1−1の光硬化性樹脂組成物は屈折率が1.60未満であり、
比較例1−2の光硬化性樹脂組成物は粘度が相対的に大きいのに対して、
実施例1の光硬化性樹脂組成物は屈折率が1.60以上あり、粘度も相対的に低いレベルに抑制されている。
実施例2−1は、屈折率が大きく増加するが粘度の増加は抑制され、
実施例2−2も、屈折率が1.60以上となるが粘度の増加は抑制されるのに対して、
比較例2は、粘度の増加が抑制されない。
Claims (3)
- (メタ)アクリレート化合物、金属含有ナノ粒子及び光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート化合物が、下記式(1):
前記(メタ)アクリレート化合物中、前記式(1)で表される化合物の含有量が60〜100質量%であり、
前記光硬化性樹脂組成物の屈折率が1.60以上である光硬化性樹脂組成物
(但し、前記光硬化性樹脂組成物は、
少なくとも3個の連続するアルキレンオキシド繰り返し単位を有する非芳香族多官能性(メタ)アクリレートモノマー;
少なくとも2個の(メタ)アクリレート基を含む、少なくとも1種のモノマー;
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物のモノマー、オリゴマー、プレポリマー及びマクロモノマーから選ばれる少なくとも1種の化合物;並びに、
式(2)で表されるフルオレン骨格を有する二官能(メタ)アクリレー化合物:
- 前記金属含有ナノ粒子が酸化ジルコニウム含有ナノ粒子である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物を光硬化してなる高屈折性樹脂硬化体。
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