JP2019123770A - ブテン系樹脂組成物および成形体 - Google Patents

ブテン系樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短いブテン系共重合体を主成分とし、結晶化度の低下が抑制されることにより機械特性の低下のおそれの小さいブテン系樹脂組成物を提供すること。【解決手段】要件(A1)〜(A2)を満たすブテン・α−オレフィン共重合体(A)を70〜99.9質量部、および要件(B1)〜(B4)を満たすポリブテン−1(B)を0.1〜30質量部(両者の合計を100質量部とする)を含むブテン系樹脂組成物。(A1)1−ブテン単位が80.0〜99.9モル%、α−オレフィン単位が0.1〜20.0モル%、(A2)極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/g、(B1)mmmm分率が94.0以上、(B2)rr分率が1.5%以下、(B3)極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/g、(B4)分子量が10000以下の成分の割合が1.3質量%未満【選択図】図1

Description

本発明は、ブテン・α−オレフィン共重合体を含むブテン系樹脂組成物、および前記組成物からなる成形体に関する。
ブテン系重合体からなる、パイプ、パイプ継手およびタンクは、耐クリープ特性、耐環境応力亀裂性、柔軟性、強靱性、耐熱性、高温・低温特性および耐摩耗性に優れていることから、給水・給湯用、床下暖房用、温泉配管用、薬剤散布用および排水用等の各種部材として利用されている。
ブテン系重合体には主に2種の結晶型が存在し、ブテン系重合体を溶融状態から成形体に冷却・賦形した直後は準安定なII型結晶構造(正方晶系変態)をとり、約1週間かけてより安定なI型結晶構造(六方晶系変態)へと固相結晶転移することが知られている(非特許文献1)。
ブテン系重合体には、前記結晶転移により成形後の寸法および剛性の変化が起こり、また結晶転移時間が長いため、顧客での品質管理および在庫管理が煩雑になるという欠点がある。すなわち、ブテン系重合体を溶融成形する技術分野では、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短い重合体が求められている。
この要求に対して、結晶転移時間を短縮させる目的で、ラジカル処理された結晶性オレフィン系重合体をブテン系重合体にブレンドする方法(特許文献1参照)、ブテン系重合体に添加剤を添加する方法(特許文献2、特許文献3参照)、コモノマーを導入する方法(特許文献4参照)が知られている。
一方、特許文献5には、アイソタクチック指数の高い2種のポリブテン系樹脂(とえば1−ブテン・プロピレン共重合体および1−ブテン単独重合体)を混合してなるポリブテン系樹脂が開示されている。また、特許文献6および7には、立体規則性の高い1−ブテン系重合体が開示されている。
特開昭61−037833号公報 特開昭57−036140号公報 特開昭57−092038号公報 特開2016−147983号公報 特開2002−256024号公報 国際公開第2014/050817号 国際公開第2017/130895号
Journal of Polymer Science:PartA volume1 page59−84(1963)
ブテン系重合体において、パイプ、パイプ継手およびタンク等への成形コストおよび結晶転移時間を短縮させる効果には、さらなる改善が求められている。上述のとおり結晶転移時間を短縮させるためにブテン系重合体にコモノマーを導入する方法がとられうるが、コモノマーを導入すると重合体の結晶化度が低下する。結晶化度の低下により機械特性の低下することが懸念される。コモノマーを導入することで結晶転移時間を短くしつつも結晶化度の低下が抑制され機械特性や長期物性等の低下がないことが望ましい。
本発明の目的は、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短いブテン系共重合体を主成分とし、結晶化度の低下が抑制されることにより機械特性の低下のおそれの小さいブテン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ベースとなるブテン系共重合体に対して立体規則性の高い1−ブテン単独重合体を添加することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]〜[3]に関する。
[1]
下記要件(A1)〜(A2)を満たすブテン・α−オレフィン共重合体(A)を70〜99.9質量部、および下記要件(B1)〜(B4)を満たすポリブテン−1(B)を0.1〜30質量部(ただし、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)の合計を100質量部とする。)を含むブテン系樹脂組成物。
(A1):1−ブテン由来の構成単位の含有量が80.0〜99.9モル%であり、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%である。(ただし、1−ブテン由来の構成単位の含有量と前記総含有量(K)との合計を100モル%とする)
(A2):135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gである。
(B1):13C−NMRにより測定されたアイソタクティックペンタッド分率が94.0%以上である。
(B2):13C−NMRにより測定されたシンジオタクティックトライアッド分率が1.5%以下である。
(B3):135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gである。
(B4):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、分子量が10,000以下の成分の割合が、1.3質量%未満である。
[2]
前記[1]のブテン系樹脂組成物からなる成形体。
[3]
パイプまたはパイプ継手である前記[2]の成形体。
本発明のブテン系樹脂組成物は、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短いブテン系共重合体を主成分としつつ、結晶化度の低下が抑制されていることにより機械特性の低下のおそれが小さい。
図1は、実施例および比較例のブテン系樹脂組成物において、ポリブテン−1の割合に対して融解熱量ΔHをプロットしたものである。 図2は、実施例および比較例のブテン系樹脂組成物において、ポリブテン−1の割合に対して結晶化温度85℃における半結晶化時間をプロットしたものである。
本発明をさらに詳細に説明する。
[ブテン系樹脂組成物]
本発明に係るブテン系樹脂組成物は、後述する要件(A1)〜(A2)を満たすブテン・α−オレフィン共重合体(A)を70〜99.9質量部、および後述する要件(B1)〜(B4)を満たすポリブテン−1(B)を0.1〜30質量部(ただし、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)の合計を100質量部とする)を含んでいる。
以下、1−ブテン単独重合体およびブテン系共重合体を、特に区別せずに「ブテン系重合体」と記載する場合もある。
〔(A)ブテン・α−オレフィン共重合体〕
ブテン・α−オレフィン共重合体(A)は、以下に説明する要件(A1)〜(A2)を充足し、好ましくは、以下に説明する要件(A3)〜(A4)からなる群から選ばれる少なくとも1つの要件をさらに充足し、より好ましくは以下に説明する要件(A3)および(A4)を充足する。
《要件(A1)》
要件(A1)は、1−ブテン由来の構成単位の含有量が80.0〜99.9モル%であり、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%である(ただし、1−ブテン由来の構成単位の含有量と前記総含有量(K)との合計を100モル%とする。)というものである。
本明細書において、「エチレン」および「炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィン」を「コモノマー」とも記載する。総含有量(K)は、コモノマー由来の構成単位(コモノマー単位)の総含有量である。前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)がコモノマー由来の構成単位を含む場合、当該構成単位は1種のコモノマーに由来する構成単位であってもよく、2種以上のコモノマーに由来する構成単位であってもよい。
前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)においては、1−ブテン由来の構成単位の含有量が85.0〜99.9モル%であり、前記総含有量(K)が0.1〜15.0モル%であることが好ましく、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜99.9モル%であり、前記総含有量(K)が0.1〜10.0モル%であることがより好ましい。1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜96.5モル%であり、前記総含有量(K)が3.5〜10.0モル%であることがさらに好ましく、1−ブテン由来の構成単位の含有量が93.2〜96.1モル%であり、前記総含有量(K)が3.9〜6.8モル%であることがとりわけ好ましい。
1−ブテン由来の構成単位の含有量および前記総含有量(K)が前記範囲であると、前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の結晶転移時間が短く、ひいては本発明のブテン系樹脂組成物の結晶転移時間が短くなるという効果と、ブテン系樹脂組成物の機械特性とが、バランス良く優れる。
上述したコモノマー由来の構成単位の含有量は、後述する実施例で採用した条件下で13C−NMRにより測定した場合のものである。
前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)中の各構成単位の含有量は、例えば、重合反応中に添加するそれぞれのオレフィン(例:1−ブテン、エチレン、炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィン)の量によって調整することができる。
炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンが挙げられる。
これらの中でも、プロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンおよび1−オクタデセンが好ましい。
コモノマーの中でも、エチレン、炭素数3〜10のα−オレフィンがより好ましく、その中でもエチレン、プロピレンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。プロピレンは、1−ブテンと結晶のらせん構造が類似していることにより、結晶転移時間の短縮が図れる。
コモノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)は、本発明の効果が損なわれない限り、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィン以外の、他のモノマーに由来する構成単位を有してもよい。他のモノマーに由来する構成単位の含有量の上限値は、1−ブテン由来の構成単位の含有量と前記総含有量(K)との合計100質量%に対して、例えば5質量以下である。
《要件(A2)》
要件(A2)は、135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gであるというものである。
前記極限粘度[η]は、好ましくは0.7〜5.0dl/g、より好ましくは0.7〜4.5dl/g、さらに好ましくは0.7〜4.0dl/g、特に好ましくは0.7〜2.8dl/gである。
前記極限粘度[η]が前記下限値以上であると、本発明のブテン系樹脂組成物から得られる成形体の強度が優れる。前記極限粘度[η]が前記上限値以下であると、本発明のブテン系樹脂組成物の成形性が優れ、かつ結晶転移時間の短縮または柔軟性の点で有利である。
前記極限粘度[η]は、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造の際の重合系の水素濃度および圧力等により調整でき、また、前記極限粘度[η]の異なるブテン・α−オレフィン共重合体(A)同士を混合して調整してもよい。
《要件(A3)》
要件(A3)は、後述する実施例で採用した条件下で13C−NMRにより測定されたアイソタクティックペンタッド分率(以下「mmmm分率」とも記載する。)が90.0%以上94.0%以下であるというものである。
前記mmmm分率が前記下限値以上であると前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の結晶化速度が速く、ひいては本発明のブテン系樹脂組成物の結晶化が促進される。前記mmmm分率は、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を重合する際の重合用触媒を適切に選択し、重合温度等の重合条件を設定することにより上記範囲内に調整することができる。
《要件(A4)》
要件(A4)は、後述する実施例で採用した条件下で13C−NMRにより測定されたシンジオタクティックトライアッド分率(以下「rr分率」とも記載する。)が1.5%以上3.0%以下であるというものである。
前記rrが前記上限値以下であると、前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の結晶化速度が速く、ひいては本発明のブテン系樹脂組成物の結晶化が促進される。前記rrは、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を重合する際の重合用触媒を適切に選択し、重合温度等の重合条件を適切に設定することにより上記範囲内に調整できる。
前記rr分率は、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を重合する際の重合用触媒の選択、重合温度等の重合条件の調整などによって、調整することができる。
(ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法)
前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)は、従来公知の触媒、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、マグネシウム担持型チタン触媒、または国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、もしくは特開平3−193796号公報中に記載のメタロセン触媒などを用いて、従来公知の重合法により製造することができる。
〔(B)ポリブテン−1〕
本発明に係るブテン系樹脂組成物は、ポリブテン−1(1−ブテン単独重合体)(B)を含有する。ポリブテン−1(B)は、以下に説明する要件(B1)〜(B4)を充足する。
《要件(B1)》
要件(B1)は、後述する実施例で採用した条件下で13C−NMRにより測定されたアイソタクティックペンタッド分率(mmmm分率)が94.0%以上であるというものである。
前記mmmm分率は、好ましくは94.0〜99.5%、より好ましくは95.0〜99.5%、さらにより好ましくは95.0〜99.0%、特に好ましくは95.0%〜98.5%、とりわけ好ましくは95.0%〜98.0%である。
前記mmmm分率が前記下限値以上であると前記ポリブテン−1(B)の結晶化速度が速く、ひいては本発明のブテン系樹脂組成物の結晶化が促進される。
前記mmmm分率は、ポリブテン−1(B)を重合する際の重合用触媒を適切に選択し、重合温度等の重合条件を設定することにより上記範囲内に調整できる。
《要件(B2)》
要件(B2)は、後述する実施例で採用した条件下で13C−NMRにより測定されたシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が1.5%以下であるというものである。
前記rr分率は、好ましくは1.3%以下、より好ましくは1.1%以下、さらにより好ましくは1.0%以下であり、特に好ましくは0.8%以下、さらに特に好ましくは0.5%以下、とりわけ好ましくは0.4%以下である。前記rr分率は低いほど好ましいが、その下限値は、たとえば0.01%であってもよい。
前記rr分率が前記上限値以下であると、前記ポリブテン−1(B)の結晶化速度が速く、ひいては本発明のブテン系樹脂組成物の結晶化が促進される。
前記rr分率は、ポリブテン−1(B)を重合する際の重合用触媒を適切に選択し、重合温度等の重合条件を適切に設定することにより上記範囲内に調整できる。
《要件(B3)》
要件(B3)は、135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gであるというものである。
前記極限粘度[η]は、好ましくは0.7〜5.0dl/g、より好ましくは0.7〜4.5dl/g、さらに好ましくは0.7〜4.0dl/g、特に好ましくは0.7〜2.8dl/gである。
前記極限粘度[η]が前記下限値以上であると、本発明のブテン系樹脂組成物から得られる成形体の強度が優れる。前記極限粘度[η]が前記上限値以下であると、本発明のブテン系樹脂組成物の成形性が優れ、かつ結晶転移時間の短縮または柔軟性の点で有利である。
前記極限粘度[η]は、ポリブテン−1(B)の製造の際の重合系の水素濃度および圧力等により調整でき、また、前記極限粘度[η]の異なるポリブテン−1同士を混合して調整してもよい。
《要件(B4)》
要件(B4)は、ポリブテン−1(B)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;標準ポリスチレン換算)で測定した、分子量が10,000以下の成分の割合が、1.3質量%未満であるというものである。この割合は好ましくは0.9質量%以下である。下限値は、たとえば0.1質量%であってもよい。
分子量が10,000以下の成分の割合が上記範囲内であると、成形体にした際のクリープ強度を損なう恐れのある低分子量成分が少ないため、本発明に係るブテン系樹脂組成物から耐クリープ特性に優れた成形体が得られる。
分子量が10,000以下の成分の割合は、ポリブテン−1(B)を重合する際の重合用触媒を適切に選択することで上記範囲内に調整できる。
(ポリブテン−1(B)の製造方法)
前記ポリブテン−1(B)は、従来公知の方法、たとえば国際公開第2017/130895号の[0059]〜[0144]に開示された方法において、原料モノマーとして1−ブテンのみを使用することで製造することができる。
〔ブテン系樹脂組成物〕
本発明に係るブテン系樹脂組成物は、前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を70〜99.9質量部、および前記ポリブテン−1(B)を0.1〜30質量部(ただし、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)の合計を100質量部とする)を含んでいる。
本発明に係るブテン系樹脂組成物は、好ましくは前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を75〜99質量部および前記ポリブテン−1(B)を1〜25質量部含み、さらに好ましくは前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を75〜95質量部および前記ポリブテン−1(B)を5〜25質量部含む(ただし、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)の合計を100質量部とする)。
本発明に係るブテン系樹脂組成物は、前記ポリブテン−1(B)を上記の割合で含むため、結晶転移時間が短く、かつ結晶化度が高い。
本発明のブテン系樹脂組成物の結晶化度を評価する手法として、例えばサンプル間の融解熱量ΔHを比較する方法がある。ΔHは示差走査型熱量測定(昇温速度:10℃/分)によって決定される。
ブテン系樹脂組成物の融解熱量ΔHは、以下の条件で測定する。ブテン系樹脂組成物について、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、500℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、更に10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、30℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温する。ここで、2回目の昇温時に発現した融解ピークは、II型結晶に由来する融点TmIIとして知られる。このII型結晶の融解ピークに基づく融解熱量を、ブテン系樹脂組成物の融解熱量ΔHとして評価する。
本発明のブテン樹脂組成物の結晶化速度を評価する手法として、例えばサンプル半結晶化時間τ1/2を評価する方法がある。半結晶化時間τ1/2は示差走査型熱量測定によって決定される。
ブテン系樹脂組成物の半結晶化時間τ1/2は、以下の条件で測定する。ブテン系樹脂組成物について、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、30℃から320℃/分の設定速度で200℃まで昇温し、10分間保持した後、所定の結晶化温度まで降温速度320℃/分の設定速度で降温し、等温下での結晶化ピークを測定する。測定した結晶化ピークから、結晶化が始まった時点から、結晶化が半分促進する時点(全体の結晶化ピーク面積に対して、面積が1/2になる時点)での時間をτ1/2として測定する。τ1/2が短いほど結晶化速度が速いといえる。
本発明において、ブテン系樹脂組成物の融解熱量ΔHおよび融点TmIIは、ポリブテン−1(B)の割合を増やす以外に、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の1−ブテン由来の構成単位の含有量を増やしたり、適切なオレフィン系触媒を選択して、mmmm(%)を高め、またrr(%)を低くすることにより、大きくなる。
本発明のブテン系樹脂組成物は、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)にmmmm(%)が高く、またrr(%)が低いポリブテン−1(B)をブレンドすることで、融解熱量ΔHについての加成性が成り立たず両者単味の融解熱量ΔHを結ぶ直線から導かれる値を上回る値の融解熱量ΔHを示す。すなわち、結晶化度が高い。
τ1/2の解析を行うと、mmmm(%)が高くかつrr(%)が低いポリブテン−1(B)は、τ1/2が短く、mmmm(%)が低くかつrr(%)が高いブテン単独重合体またはブテン系共重合体と比較して結晶化速度が速い。ブテン・α−オレフィン共重合体(A)に、mmmm(%)が高くかつrr(%)が低いポリブテン−1(B)をブレンドすると、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)のτ1/2は短くなる。すなわち、結晶化速度が速まる。ポリブテン−1(B)がブテン・α−オレフィン共重合体(A)の結晶化を促進させ結晶化度の増大が起こると考えられる。
(ブテン系樹脂組成物の任意成分等)
本発明のブテン系樹脂組成物は、上述したブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)を含む。
本発明のブテン系樹脂組成物は、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の重合体および樹脂用添加剤から選ばれる少なくとも1種を任意に含んでいてもよい。以下、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)以外の重合体を「他の重合体(C)」ともいい、樹脂用添加剤を「添加剤(D)」ともいう。
なお、本発明のブテン系樹脂組成物は、その一部または全部が極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄で後述する。
《ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)》
ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)の合計の含有量は、本発明のブテン系樹脂組成物の総質量に対して、0.1〜99.999質量%であることが好ましく、下限値は好ましくは20質量%であり、一実施態様として、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の含有量の下限値は、例えば40質量%、さらに好ましくは60質量%、特に好ましくは80質量%、最も好ましくは85質量%である。
ブテン・α−オレフィン共重合体(A)の一部または全部は、上記要件を満たす限り、極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄で後述する。
《他の重合体(C)》
他の重合体(C)としては、熱可塑性樹脂を広く用いることができる。他の重合体(C)の含有量は、本発明のブテン系樹脂組成物の総質量に対して、0.001〜99.9質量%であることが好ましく、上限値は好ましくは80質量%であり、一実施態様として、他の重合体(C)の含有量の上限値は、より好ましくは60質量%、さらに好ましくは40質量%、特に好ましくは20質量%、最も好ましくは15質量%である。
熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂:例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン−1(B)以外のポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、およびこれらのオレフィン系樹脂を変性した変性ポリオレフィン樹脂(上述した熱可塑性ポリオレフィン系樹脂のうち、例えばポリエチレン、ポリプロピレンは結晶核剤として用いることもでき、その場合の好ましい含有量はブテン系樹脂組成物の総質量に対して、0.001〜5質量%である。)、
熱可塑性ポリアミド系樹脂:例えば、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)、
熱可塑性ポリエステル系樹脂:例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー、
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂:例えば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、これらの水素添加物)、
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
共重合体ゴム:例えば、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム;
等が例示される。
熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、フッ素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂であり、より好ましくは、耐熱性向上、低温耐性向上、柔軟性の点で、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂である。
他の重合体(C)の一部または全部は、極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄で後述する。
他の重合体(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《添加剤(D)》
添加剤(D)としては、例えば、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤が挙げられる。
添加剤(D)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤(D)の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、本発明のブテン系樹脂組成物の総質量に対して、配合される添加剤それぞれについて0.001〜30質量%であることが好ましい。
核剤としては、ブテン系樹脂組成物の成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め結晶化速度を速めるために公知の核剤が使用可能である。具体的には、ジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。
核剤の配合量は、特に限定されないが、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)、ポリブテン−1(B)および他の重合体(C)の総含有量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。核剤は、重合中、重合後、あるいは成形加工時など適宜添加が可能である。
アンチブロッキング剤としては、公知のアンチブロッキング剤が使用可能である。具体的には、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末、アマイド系滑剤等が挙げられる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、本発明のブテン系樹脂組成物の総質量に対して、合計で、通常5質量%以下、好ましくは0.1〜3質量%である。
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維、カーボンブラック、シリカ、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、タルク、クレー等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等)、金属の炭酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム)および各種金属(マグネシウム、珪素、アルミニウム、チタン、銅等)粉末、マイカ、ガラスフレークが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド等)が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂が挙げられる。
離型剤としては、例えば、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィンが挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等)、リン系(トリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、イオウ系(チオジプロピオン酸ジラウリル等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)、ラクトン系の酸化防止剤等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、有機系難燃剤(含窒素系、含硫黄系、含珪素系、含リン系等)、無機系難燃剤(三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、赤リン等)が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
抗菌剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸やオレイン酸のエステルが挙げられ、高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
耐熱安定剤としては、例えば、アミン系安定剤、フェノール系安定剤および硫黄系安定剤などの従来公知の安定剤が挙げられる。具体的には、フェニルブチルアミンおよびN,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族2級アミン系安定剤;ジブチルヒドロキシトルエンおよびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系安定剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系安定剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾールおよび2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩;ジラウリルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネートなどの硫黄系安定剤などが挙げられる。これらの安定剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
架橋剤としては、例えば、有機ペルオキシドが用いられる。
有機ペルオキシドとしては、例えば、ジクミル有機ペルオキシド、ジ−tert−ブチル有機ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイル有機ペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイル有機ペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチル有機ペルオキシド、ラウロイル有機ペルオキシド、tert−ブチルクミル有機ペルオキシドが挙げられる。
有機ペルオキシドは、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)、ポリブテン−1(B)および他の重合体(C)の総含有量100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部の割合で用いられる。
有機ペルオキシドによる架橋処理に際し、架橋助剤として、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N'−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
上記化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが好適に用いられる。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、重合体との相溶性が良好であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を有し、有機ペルオキシドの分散剤として働く。このため、均質な架橋効果が得られ、流動性と物性とのバランスのとれた動的熱処理物が得られる。
上記架橋助剤は、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)、ポリブテン−1(B)および他の重合体(C)の総含有量100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部の割合で用いられる。
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の鉱物油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩、ナフテン酸又はその金属石鹸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。これらのうちで、石油系軟化剤および炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
軟化剤の量は、特に限定されないが、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)、ポリブテン−1(B)および他の重合体(C)の総含有量100質量部に対して、1〜200質量部の量であることが好ましい。軟化剤は、ブテン系樹脂組成物を調製する際に加工を容易にするとともにカーボンブラック等の分散を助ける。
《グラフト変性》
グラフト変性に用いられる極性モノマーとしては、例えば、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、カルボジイミド化合物が挙げられる。特に、不飽和カルボン酸またはその誘導体が好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物が挙げられる。不飽和基としては、例えば、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基が挙げられる。
極性モノマーとしては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔商標〕(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸、および不飽和カルボン酸の誘導体として、例えば、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルが挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートが挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、マレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が特に好ましく用いられる。
変性は、被変性体に、極性モノマーをグラフト重合させることにより得られる。被変性体に、極性モノマーをグラフト重合させる際には、極性モノマーは、被変性体100質量部に対して、通常1〜100質量部、好ましくは5〜80質量部の量で使用される。このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下にて行なわれる。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物およびアゾ化合物などを用いることができる。ラジカル開始剤は、被変性体および極性モノマーとそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
被変性体に極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
被変性体の極性モノマーによるグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、例えば被変性体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、通常70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。
押出機などを用いて、被変性体と極性モノマーとを反応させて、変性体を含むブテン系樹脂組成物を製造することもできる。この反応は、通常は被変性体の融点以上で行う。具体的には、熱可塑性樹脂を変性する場合には、例えば通常120〜300℃、好ましくは120℃〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行われることが望ましい。ブテン・α−オレフィン共重合体(A)を変性する場合には、例えば、通常160〜300℃、好ましくは180℃〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行われることが望ましい。
このようにして得られる変性体の変性量(極性モノマーのグラフト量)は、変性体を100質量%とした場合に、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜30質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%である。
本発明では、上記変性体と、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)のうち未変性体、および他の重合体(C)のうち未変性体から選ばれる未変性体の1種以上とを混練して、ブテン系樹脂組成物を得ることもできる。
また、本発明のブテン系樹脂組成物に極性モノマーを含有させ、変性を行うこともできる。極性モノマーの含有量は、特に限定されないが、ブテン系樹脂組成物100質量%に対して、0.001〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%、さらに好ましくは0.001〜5質量%であり、最も好ましくは0.01〜3質量%である。極性モノマーの含有量は、目的に応じて、例えば、グラフト条件を適宜に選択することにより、容易に設計できる。
また、シランカップリング剤を用いてグラフト変性することもできる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N'−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤を用いて架橋する際は、乾式処理法でも、湿式(スラリー法)処理法でもよい。シランカップリング剤を用いたポリマーの水架橋は、均一な架橋状態が得られ、産業用電線、パイプ等の強度・耐久性が求められる用途に使用される。
変性体を用いると、他の樹脂との接着性、相溶性に優れ、また得られた成形体表面の濡れ性が改良される場合がある。また、変性体を用いることにより、他の材料との相溶性または接着性を付加することができる場合もある。
また、極性モノマー(例:不飽和カルボン酸および/またはその誘導体)のグラフト量が上記範囲にあることにより、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)のグラフト体および/または上述した熱可塑性樹脂のグラフト体を含む組成物は、極性基含有樹脂(例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、PMMA、ポリカーボネート等)に対して高い接着強度を示す。
〔ブテン系樹脂組成物の製造方法〕
本発明のブテン系樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記ブテン・α−オレフィン共重合体(A)と、前記ポリブテン−1(B)と、必要に応じて任意成分とを上述の添加割合で混合したのち、溶融混練するか、または良溶媒中で溶解させ十分攪拌したのちに溶媒を乾燥させる方法があげられる。
溶融混練の方法は、特に制限されず、一般的に市販されている押出機等の溶融混練装置を用いて行うことが可能である。例えば、溶融混練装置にて混練を行う部分の温度は、通常120〜250℃、好ましくは120〜230℃である。混練時間は、通常0.5〜30分間、特に好ましくは0.5〜5分間である。
溶媒中での混合では、溶媒は特に制限されずブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)を溶解することができれば可能である。例えば熱キシレン中で溶解させることができる。
[成形体]
本発明のブテン系樹脂組成物から形成された各種成形体は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができる。成形体は、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、パウダースラッシュ成形、カレンダー成形、発泡成形等の公知の熱成形方法により得られる。
成形体の厚さは特に制限はなく、用途により適宜決めることができるが、通常0.1〜20mm、好ましくは0.15〜10mmの範囲にある(ただし、延伸フィルムを除く)。この範囲であると剛性と均一加工性のバランスがよい。
押出成形体としては、その形状および製品の種類は特に限定されない。例えば、シート、延伸または未延伸フィルム、パイプ、ホース、電線被覆、チューブが挙げられ、特にシート(表皮材)、フィルム、チューブ、カテーテル、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布が挙げられる。
押出成形には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、例えば、単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した前記ブテン系樹脂組成物を特定のダイスなどから押出すことにより所望の形状に成形することができる。
延伸フィルムは、上記のような押出シートまたは押出未延伸フィルムを、例えばテンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法等の公知の延伸方法により延伸して得ることができる。シートまたは未延伸フィルムを延伸する際の延伸倍率は、二軸延伸の場合には通常20〜70倍程度、また一軸延伸の場合には通常2〜10倍程度である。延伸によって、厚さ1〜500μm、好ましくは5〜200μm程度の延伸フィルムを得ることができる。
フィラメント成形体は、例えば、溶融した前記ブテン系樹脂組成物を、紡糸口金を通して押出すことにより製造することができる。このようにして得られたフィラメントを、さらに延伸してもよい。この延伸は、フィラメントの少なくとも一軸方向が分子配向する程度に行えばよく、通常5〜10倍程度の倍率で行うことが望ましい。フィラメントは、透明性、剛性、耐熱性、耐衝撃性および伸縮性に優れている。不織布は、具体的にはスパンボンド法、メルトブローン法を用いて製造することが出来る。
射出成形体としては、従来公知の射出成形装置を用いて公知の条件を採用して、前記ブテン系樹脂組成物を種々の形状に射出成形して製造することができる。射出成形体は、帯電しにくく、透明性、剛性、耐熱性、耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性および耐磨耗性などに優れており、パイプ継手、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製品のハウジング、容器などに幅広く用いることができる。
フィルムとして、インフレーションフィルムを製造することもできる。インフレーションフィルムは、例えば、日用雑貨包装材、食品包材、食品容器、レトルト容器、保護フィルム、化粧フィルム・シート、シュリンクフィルム、輸液バッグ、熱融着フィルム、延伸フィルム、延伸用原料フィルム、医療容器等の材料として好適に使用できる。
ここで、シュリンクフィルムは、本発明のブテン系樹脂組成物からなるフィルムを通常60〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で一軸または二軸に延伸して得ることができる。延伸方法は、従来通常に行われているポリオレフィン樹脂フィルムの延伸方法(例:一軸延伸、二軸延伸)が挙げられ、例えば加熱ロールによる一軸延伸方法が挙げられ、また、二軸延伸方法については、チューブラー法による同時二軸延伸法や加熱ロール/テンターによる逐次二軸延伸法、あるいはテンターによる同時二軸延伸法が挙げられる。フィルムの延伸倍率は、通常は3倍以上、好ましくは3〜10倍、より好ましくは4〜8倍である。
また、シートおよびフィルムは、帯電しにくく、引張弾性率などの剛性、耐熱性、伸縮性、耐衝撃性、耐老化性、透明性、透視性、光沢およびヒートシール性に優れており、包装用フィルム、保護フィルムなどとして幅広く用いることができる。この場合、シートおよびフィルムは、積層体(積層シート、フィルム)であってもよい。
ここで、積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に、本発明のブテン系樹脂組成物を押出しラミネートする方法、基材フィルムと本発明のブテン系樹脂組成物からなるフィルムとをアンカーコート剤を用いてドライラミネーとする方法、あるいは基材フィルムの原料となる熱可塑性重合体と本発明のブテン系樹脂組成物とを多層ダイを用いて共押出しフィルムを得る方法等、種々公知の製造方法により製造することができる。本発明の積層フィルムでは、前記ブテン系樹脂組成物からなるフィルムの厚みは、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜200μmである。
ブロー成形体としては、従来公知のブロー成形装置を用いて公知の条件を採用して、ブテン系樹脂組成物をブロー成形することにより製造することができる。この場合、ブロー成形体は、多層成形体であってもよい。
例えば押出ブロー成形では、前記ブテン系樹脂組成物を樹脂温度100℃〜300℃の溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後、空気を吹き込み、樹脂温度130℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に1.5〜5倍程度であることが好ましい。
例えば射出ブロー成形では、前記ブテン系樹脂組成物を樹脂温度100℃〜300℃でパリソン金型に射出してパリソンを成形し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度120℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍、横方向に1.3〜2.5倍であることが好ましい。
ブロー成形体は、透明性、剛性または柔軟性、耐熱性および耐衝撃性に優れるとともに防湿性にも優れている。ブロー成形体は、例えば、食品、調味料、化粧品、整髪剤、飲料水、清涼飲料水、炭酸飲料、アルコール類、漂白剤、洗剤、シャンプー、リンス、コンディショナー、柔軟剤、柔軟仕上げ剤、薬剤、接着剤、農薬、医療用、哺乳ビン、実験器具、灯油缶、発電機や芝刈り機・二輪車・自動車等のガソリンタンク等の容器、ボトル、カップに用いることができる。
プレス成形では、例えば、前記ブテン系樹脂組成物の溶融混練物を、120〜250℃に設定したプレス機を用い、5〜20MPaで1〜15分間加圧する。必要に応じて、10〜20℃に設定したプレス機を用い、5〜20MPaで1〜15分間加圧冷却する。このようにして、プレスシートを得ることができる。プレスシートの厚みは、例えば0.1〜6.0mmである。
プレス成形体としては、モールドスタンピング成形体が挙げられ、例えば基材と表皮材とを同時にプレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタンピング成形)する際の基材として、前記ブテン系樹脂組成物を用いることができる。このようなモールドスタンピング成形体としては、具体的には、ドアトリム、リアーパッケージトリム、シートバックガーニッシュ、インストルメントパネルなどの自動車用内装材が挙げられる。プレス成形体は、帯電しにくく、剛性または柔軟性、耐熱性、透明性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
真空成形を用いて成形体を用いて製造する場合は、例えば、予め、前記ブテン系樹脂組成物を公知の押出加工によりシートまたはフィルムを得た後に、真空成形する。シートまたはフィルムの厚みに特に制限はないが、例えば0.1〜3mmであることが好ましい。
真空成形の方法については、特に制限はない。通常、シートまたはフィルム状の成形体を加熱軟化して型に密着させ、型に設けられた排気口から空気を排出させて、成形体を型に密着させ、その後これを冷却することにより、二次加工成形体を製造できる。
真空成形時の成形体の表面温度は、通常120〜250℃の温度範囲であるが、好ましくは120〜220℃の温度範囲、より好ましくは120〜200℃の温度範囲である。表面温度が上記範囲にある場合には、ドローダウン性、付形性が良好となり、肉厚が均一となる。
真空成形体は、例えば、自動車内装材、自動車外装材、包装用ケース、保護用ケース、保護用シート、食品・飲料用等の容器、ボトル、カップ、情報端末用ケース、情報端末用保護カバー、表示材用フレーム・カバー、家具、家具用骨組みに好適に用いることができる。
本発明では、自動車のインストゥルメントパネル、ドアトリムなどの内装表皮材などの真空成形体も製造することができる。前記成形体は、帯電しにくく、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
本発明では、自動車部品、家電部品、玩具、雑貨などのパウダースラッシュ成形体も製造することができる。前記成形体は、帯電しにくく、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
本発明の成形体としては、本発明のブテン系樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層成形体を挙げることもできる。多層成形体は、少なくともその1層が本発明のブテン系樹脂組成物から形成された層である成形体である。具体的には、多層フィルム、多層シート、多層容器、多層チューブ、多層パイプ、水系塗料の一構成成分として含まれる多層塗膜積層体などが挙げられる。
本発明のブテン系樹脂組成物は、例えば、容器または不織布の形成材料として好適である。容器としては、例えば、冷凍保存容器、レトルトパウチなどの食品容器、ボトル容器が挙げられる。また医療容器、輸液バッグなども例示できる。
本発明のブテン系樹脂組成物は、上述した特性を有することから、パイプ、パイプ継手、ブロータンク等のタンク、シート、未延伸または延伸フィルム、フィラメント、他の種々形状の成形体にして利用することができる。ブロータンクとしては、例えば、給水・給湯用タンクが挙げられる。これらの中でも、パイプおよびパイプ継手が好ましく、ガス輸送用等に用いる他、より好ましくは、給水・給湯用、床下暖房用、温水暖房用、温泉配管用、薬剤散布用、排水用、散水用、洗濯機用、食洗機用、トイレ用、浴室用、ソーラーシステム用、ミスト発生装置用、農耕用などの液体輸送パイプおよびその継手に用いられ、特に好ましくは給水・給湯用パイプおよび継手である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[遷移金属錯体の合成]
国際公開第2014/050817号の合成例4に従い、(8‐オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドを合成した。この化合物を「触媒(a)」とも記載する。
〔比較例1〕1−ブテン/プロピレン共重合体
全圧を0.5MPaGとしたこと以外は特開2002−241553号公報の[製造例1]に記載のTi系触媒を用いた従来公知のブテン系重合体の重合方法により、評価用ポリマー(1−ブテン/プロピレン2元共重合体)を合成した。
〔比較例2〕1−ブテン/プロピレン共重合体
全圧を0.6MPaGに変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行い、評価用ポリマー(1−ブテン/プロピレン2元共重合体)を合成した。
〔製造例1〕1−ブテン単独重合体
充分に乾燥し窒素置換したシュレンク管に磁気攪拌子を入れ、メタロセン化合物として触媒(a)2.0μmolを入れ、修飾メチルアルミノキサンの懸濁液を触媒(a)に対して300当量分(n−ヘキサン溶媒、アルミニウム原子換算で0.60mmol)、攪拌しながら室温で加え、次いで触媒(a)が1μmol/mLとなる量のヘプタンを加えて、触媒液(a)を調製した。
充分に乾燥し窒素置換した内容積1,500mlのSUS製オートクレーブに、重合溶媒としてヘプタン500mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(Al=0.5M、0.75mmol)1.5mLとを装入し、次いで850回転/分で撹拌しながら1−ブテン180gを加えた後に、重合温度60℃に昇温した。その温度で284NmLの水素を加えた後にオートクレーブ内圧が0.5MPaGになるまで窒素を加えた。
このオートクレーブに上記で調製した触媒液を装入して重合を開始し、重合停止まで全圧0.5MPaGを保ち、重合開始から20分後にメタノールを加えて重合を停止した。
冷却/脱圧したオートクレーブから取り出した重合液を、メタノール中に投入し、ポリマーを析出させて濾過回収した。その後回収したポリマーを80℃で12時間減圧乾燥して、評価用ポリマー(1−ブテン単独重合体)を得た。
〔製造例2〕1−ブテン単独重合体
充分に乾燥し窒素置換した内容積1,500mlのSUS製オートクレーブに、重合溶媒としてヘプタン500mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(Al=0.5M、0.75mmol)1.5mLとを装入し、次いで850回転/分で撹拌しながら1−ブテン180gを加えた後に、重合温度60℃に昇温した。その温度で71.0NmLの水素を加えた後にオートクレーブ内圧が0.7MPaGになるまで窒素を加えた。
このオートクレーブに製造例1で調製した触媒液(a)を装入して重合を開始し、重合開始から15分後にメタノールを加えて重合を停止した。
冷却/脱圧したオートクレーブから取り出した重合液を、メタノール中に投入し、ポリマーを析出させて濾過回収した。その後回収したポリマーを80℃で10時間減圧乾燥して、評価用ポリマー(1−ブテン単独重合体)を得た。
〔製造例3〕1−ブテン単独重合体
プロピレンを用いなかったこと以外は比較例1と同様の操作を行い、評価用ポリマー(1−ブテン単独重合体)を合成した。
〔比較例3〕ブテン重合体ブレンド
比較例1で得られた1−ブテン/プロピレン共重合体と製造例3で得られた1−ブテン単独重合体とを質量比で75対25となるように磁気攪拌子を入れたサンプル瓶に秤量した。p−キシレン溶液を加え、140℃に設定したホットスターラーに置き溶解させ攪拌した。1時時間後、未溶解物がないことを確認し溶液をガラスシャーレに展開し室温で一晩放置した。翌日溶媒が蒸発した後の固形物をさらに120℃、窒素雰囲気において24時間乾燥させ、樹脂組成物を得た。
〔実施例1〕ブテン系重合体ブレンド
原料である樹脂およびその割合を、比較例1で得られた1−ブテン/プロピレン共重合体を95質量%および製造例1で得られた1−ブテン単独重合体を5質量%に変更したこと以外は比較例3と同様の操作を行い、樹脂組成物を得た。
〔実施例2〕ブテン系重合体ブレンド
原料である樹脂およびその割合を、比較例1で得られた1−ブテン/プロピレン共重合体を75質量%および製造例1で得られた1−ブテン単独重合体を25質量%に変更したこと以外は比較例3と同様の操作を行い、樹脂組成物を得た。
〔実施例3〕ブテン系重合体ブレンド
原料である樹脂およびその割合を、比較例1で得られた1−ブテン/プロピレン共重合体を75質量%および製造例2で得られた1−ブテン単独重合体を25質量%に変更したこと以外は比較例3と同様の操作を行い、樹脂組成物を得た。
〔実施例4〕ブテン系重合体ブレンド
原料である樹脂およびその割合を、比較例2で得られた1−ブテン/プロピレン共重合体を75質量%および製造例1で得られた1−ブテン単独重合体を25質量%に変更したこと以外は比較例3と同様の操作を行い、樹脂組成物を得た。
[各種物性の測定条件]
実施例等で得られたポリマーないし樹脂組成物の各種物性を、下記方法により測定した。結果を表1に示す。
〔コモノマー組成〕
ブテン・α−オレフィン共重合体中のプロピレン由来の構成単位(コモノマー単位)の含有量は、以下の装置および条件により、13C−NMRスペクトルより算出した。
ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は60mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、積算回数は128回、ブテン側鎖メチレンシグナル27.5ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。主鎖メチレンシグナルの積分値を用い、下記式によってコモノマー単位の含有量を算出した。
コモノマー単位の含有量(モル%)=[P/(P+M)]×100
ここで、Pはコモノマー主鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示し、Mは1−ブテン主鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示す。
〔mmmm分率〕
mmmm分率(%)は、下記式で表される。
mmmm分率(%)=Smmmm/S×100
ここで、13C−NMRスペクトルにおいて、Smmmmは27.50ppmをピークトップとするmmmm由来のブテン側鎖メチレンシグナルのピーク面積を示し、Sは29.0ppmから25.0ppmの範囲に現れる、ブテン側鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示す。
〔rr分率〕
rr分率(%)は、下記式で表される。
rr分率(%)=Srr/S×100
ここで、13C−NMRスペクトルにおいて、Srrは26.6ppmから25.0ppmの範囲に現れるrr由来のブテン側鎖メチレンシグナルのピーク面積を示し、Sは29.0ppmから25.0ppmの範囲に現れる、ブテン側鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示す。
〔極限粘度[η]〕
ブテン系重合体の極限粘度[η]は、デカリンを用いて、135℃で測定した。具体的には、前記重合で得られたブテン系重合体約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
〔分子量10,000以下の割合〕
ブテン系重合体の分子量10,000以下の成分の割合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、カラムとして東ソー株式会社製TSKgelGMH6−HT×2本およびTSKgelGMH6−HTL×2本(カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mm)を直列接続した、液体クロマトグラフ(Waters製Alliance/GPC2000型)を用いて、測定した。移動相媒体は、o−ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025質量%を用い、試料濃度は0.15%(V/W)、流速1.0ml/分、140℃で測定を行った。標準ポリスチレンは、分子量が500〜20,600,000については東ソー社製を用いた。得られたクロマトグラムはWaters製データ処理ソフトEmpower2を用いて、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、分子量10,000以下の成分の割合を算出した。
〔融解熱量ΔH〕
パーキンエルマ社製DSC測定装置(Diamond DSC)により、発熱・吸熱曲線を求め、昇温時の最大融解ピークの積算値から融解熱量ΔHを算出した。
測定は、以下の様にして行った。試料を約5mg切り出し、測定用アルミパンにつめ、500℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、30℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温した。2回目の昇温時に発現した融解ピークの積算値よりΔHを算出した。
〔半結晶化時間τ1/2
パーキンエルマ社製DSC測定装置(Diamond DSC)を用いて、半結晶化時間τ1/2を測定した。30℃から320℃/分の設定速度で200℃まで昇温し、10分間保持した後、85または80℃まで降温速度320℃/分の設定速度で降温し、等温下での結晶化ピークを測定した。測定した結晶化ピークから、結晶化が始まった時点から、結晶化が半分促進する時点(全体の結晶化ピーク面積に対して、面積が1/2になる時点)での時間をτ1/2とした。
Figure 2019123770
実施例と比較例との対比
図1は、実施例等において、ポリブテン−1の割合(質量パーセント)に対して融解熱量ΔHをプロットしたものである。図中点線はブレンド物を形成する単身のブテン・プロピレン共重合体およびポリブテン−1の融解熱量ΔH値を結んだものである。それぞれのブレンド物で点線よりも大きな融解熱量ΔHを示すことは、単純な加成性が成り立たないことを示す。したがって、ポリブテン−1の添加には結晶化促進効果があると言え、特に、実施例で示すようなmmmm分率の値が大きく、rr分率の小さなポリブテン−1添加した際の効果が顕著である。
図2は、実施例等において、ポリブテン−1の割合(質量パーセント)に対して結晶化温度85℃における半結晶化時間をプロットしたものである。mmmm分率の値が大きく、rr分率の小さなポリブテン−1(製造例1および2)は製造例3と比較して半結晶化時間が短く、結晶化速度が速いといえる。ポリブテン−1と比較してブテン・プロピレン共重合体は結晶化速度が遅い。主成分たるブテン・プロピレン共重合体と比較してより結晶化速度の速いポリブテン−1をブレンドすることでブレンド物の半結晶化時間は短縮された。このように結晶化速度の速いポリブテン−1を混ぜることでそれらが核となりブレンド物の結晶化を促進することができた。

Claims (3)

  1. 下記要件(A1)〜(A2)を満たすブテン・α−オレフィン共重合体(A)を70〜99.9質量部、および下記要件(B1)〜(B4)を満たすポリブテン−1(B)を0.1〜30質量部(ただし、ブテン・α−オレフィン共重合体(A)およびポリブテン−1(B)の合計を100質量部とする)を含むブテン系樹脂組成物。
    (A1):1−ブテン由来の構成単位の含有量が80.0〜99.9モル%であり、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%である。(ただし、1−ブテン由来の構成単位の含有量と前記総含有量(K)との合計を100モル%とする。)
    (A2):135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gである。
    (B1):13C−NMRにより測定されたアイソタクティックペンタッド分率が94.0%以上である。
    (B2):13C−NMRにより測定されたシンジオタクティックトライアッド分率が1.5%以下である。
    (B3):135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gである。
    (B4):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、分子量が10,000以下の成分の割合が、1.3質量%未満である。
  2. 請求項1に記載のブテン系樹脂組成物からなる成形体。
  3. パイプまたはパイプ継手である請求項2に記載の成形体。
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