JP2019120954A - 自発光感光性樹脂組成物、これを用いて製造された色変換層および表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る自発光感光性樹脂組成物は、中心金属としてアルミニウムまたはケイ素を有するテトラアザポルフィリン系化合物を含むことにより、優れた光学密度(Optical Density、O.D.)、蛍光効率(fluorescence efficiency)および発光強度(luminous intensity)特性を確保することができる。
Mは、アンモニア、水、およびハロゲン原子の中から選択された1つ以上のリガンドを有するか、リガンドを有しないAlまたはSiである。)
本発明の自発光感光性樹脂組成物に含まれる染料は、色変換層に通常用いられる染料を使用することができる。
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換もしくは非置換のフェノキシ基、置換もしくは非置換のチオフェノキシ基、または下記化学式3で表される置換基であり、かつR3、R4、R5およびR6がすべて同一ではない。)
X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子であり、かつX2、X3およびX4のうちの少なくとも1つ以上は、ハロゲン原子であり、
Yは、酸素原子または硫黄原子である。)
R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖または分枝鎖アルキル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のエステル基、およびアミン基から選択される置換基であり、かつR11、R12、R13およびR14のうちの少なくとも1つは、残りと置換基の種類または置換基の位置が異なるものであり、
Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、酸素(O)原子または硫黄(S)原子であり、
a、b、cおよびdは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。)
本発明の自発光感光性樹脂組成物に含有される結合剤樹脂は、通常、光や熱の作用による反応性およびアルカリ溶解性を有し、着色材料の分散媒として作用する。本発明の自発光感光性樹脂組成物に含有される結合剤樹脂は、染料に対する結合剤樹脂として作用し、色変換層の製造のための現像ステップで使用されたアルカリ性現像液に溶解可能な結合剤樹脂であればいずれも使用可能である。
本発明の自発光感光性樹脂組成物に含有される光重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用で重合できる化合物であって、単官能単量体、2官能単量体、その他の多官能単量体などが挙げられる。
本発明で使用される光重合開始剤は、アセトフェノン系化合物を含むことが好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンなどが挙げられる。また、前記アセトフェノン系以外の光重合開始剤を組み合わせて使用することができる。アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射することによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤、酸発生剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロホキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記活性ラジカル発生剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを使用することができる。前記酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。また、活性ラジカル発生剤として前記化合物中には活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
本発明の自発光感光性樹脂組成物に含有される溶剤は特に制限されず、着色感光性樹脂組成物の分野で用いられている各種有機溶剤を使用することができる。その具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
本発明の自発光感光性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、別の高分子化合物、顔料分散剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤を含むことも可能である。
また、本発明は、前記自発光感光性樹脂組成物で製造された色変換層を提供する。
また、本発明は、前記色変換層を含む表示装置を提供する。
文献(J.Am.Soc.,4839(1952))で公知の方法により、次のように化学式1−1で表されるテトラアザポルフィリン化合物を合成した。
酸化アルミニウムの代わりにケイ酸を用いたことを除き、前記合成例1と同様の方法により、化学式1−2で表される純粋なケイ素オクタフェニルテトラアザポルフィリンを得た。
酸化アルミニウムの代わりに無水マンガンを用いたことを除き、前記合成例1と同様の方法により、化学式1−3で表される純粋なマンガンオクタフェニルテトラアザポルフィリンを得た。
酸化アルミニウムの代わりに硝酸銅を用いたことを除き、前記合成例1と同様の方法により、化学式1−4で表される純粋な銅オクタフェニルテトラアザポルフィリンを得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコを準備した。モノマー滴下ロートとして、ベンジルマレイミド74.8g(0.20モル)、アクリル酸43.2g(0.30モル)、ビニルトルエン118.0g(0.50モル)、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40gを投入後、撹拌混合して準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール6g、PGMEA24gを入れて撹拌混合したものを準備した。この後、フラスコにPGMEA395gを導入し、フラスコ内の雰囲気を空気から窒素にした後、撹拌しながらフラスコの温度を90℃まで昇温した。次に、モノマーおよび連鎖移動剤を滴下ロートから滴下開始した。滴下は90℃を維持しながらそれぞれ2時間の間進行させ、1時間後に110℃に昇温して3時間維持した後、ガス導入管を導入して、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次に、グリシジルメタクリレート28.4g[(0.10モル)、(本反応に使用したアクリル酸のカルボキシル基に対して33モル%)]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4g、トリエチルアミン0.8gをフラスコ内に投入して、110℃で8時間反応させて、固形分酸価が70mgKOH/gの結合剤樹脂を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は16,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
カラム:TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度:40℃
移動相溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
注入量:50μl
検出器:RI
測定試料濃度:0.6質量%(溶剤=テトラヒドロフラン)
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製造)
下記表1に示した組成および含有量により実施例1〜6および比較例1〜3それぞれの自発光感光性樹脂組成物を製造した。
TAP−2:合成例2
TAP−3:比較合成例1
TAP−4:比較合成例2
A−1:合成例4
A−2:合成例5
A−3:合成例6
A−4:合成例7
A−5:合成例8
B:製造例の結合剤樹脂
C:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(Kayarad DPHA:日本化薬(株)製造)
D−1:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(Irgacure369;Ciba Specialty Chemical社製造)
D−2:4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズフェノン(EAB−F;保土谷化学(株)製造)
E:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
前記実施例1〜6と比較例1〜3で製造された自発光感光性樹脂組成物を用いて色変換層を製造した。すなわち、それぞれの自発光感光性樹脂組成物をスピンコーティング法でガラス基板上に塗布した後、加熱板上に置き、100℃の温度で3分間維持して薄膜を形成させた。次に、前記薄膜上に紫外線を照射した。この時、紫外線光源はウシオ電機(株)製の超高圧水銀ランプ(商品名USH−250D)を用いて、大気雰囲気下、40mJ/cm2の露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルタは用いなかった。前記紫外線の照射された薄膜をpH12.5のKOH水溶液現像溶液にスプレー現像器を用いて60秒間現像後、220℃の加熱オーブンで20分間加熱してパターンを製造した。前記製造された自発光カラー色変換層パターンのフィルムの厚さは3.0μmであった。色変換層の厚さは500μmまで多様に制御可能である。
前記実施例1〜6および比較例1〜3の自発光感光性樹脂組成物を用いて製造された厚さが3.0μmの自発光カラーパターンを量子効率測定器(QE−1000、大塚社製)を用いて、それぞれのコーティング基板に対する発光(Photo Luminescence、PL)を測定して、下記表2に記載した。測定された発光強度が高いほど優れた蛍光効率特性を有すると判断することができる。
Claims (12)
- 染料;および中心金属としてアルミニウム(Al)またはケイ素(Si)を有するテトラアザポルフィリン(tetraazaporphyrin)系化合物を含むことを特徴とする自発光感光性樹脂組成物。
- 前記テトラアザポルフィリン(tetraazaporphyrin)系化合物は、下記化学式1で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の自発光感光性樹脂組成物。
Mは、アンモニア、水、およびハロゲン原子の中から選択された1つ以上のリガンドを有するか、リガンドを有しないAlまたはSiである。) - 前記染料は、蛍光染料であることを特徴とする請求項1に記載の自発光感光性樹脂組成物。
- 前記蛍光染料は、赤色蛍光染料であることを特徴とする請求項3に記載の自発光感光性樹脂組成物。
- 前記赤色蛍光染料は、ペリレンビスイミド(perylene bis−imide)系化合物であることを特徴とする請求項4に記載の自発光感光性樹脂組成物。
- 前記ペリレンビスイミド系化合物は、下記化学式2で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の自発光感光性樹脂組成物。
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換もしくは非置換のフェノキシ基、置換もしくは非置換のチオフェノキシ基、または下記化学式3で表される置換基であり、かつR3、R4、R5およびR6がすべて同一ではない。)
X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子であり、かつX2、X3およびX4のうちの少なくとも1つ以上は、ハロゲン原子であり、
Yは、酸素原子または硫黄原子である。) - 前記ペリレンビスイミド系化合物は、下記化学式4で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の自発光感光性樹脂組成物。
R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖または分枝鎖アルキル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のエステル基、およびアミン基から選択される置換基であり、かつR11、R12、R13およびR14のうちの少なくとも1つは、残りと置換基の種類または置換基の位置が異なるものであり、
Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、酸素(O)原子または硫黄(S)原子であり、
a、b、cおよびdは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。) - 前記自発光感光性樹脂組成物は、色変換層形成用であることを特徴とする請求項1に記載の自発光感光性樹脂組成物。
- 前記自発光感光性樹脂組成物は、結合剤樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の自発光感光性樹脂組成物。
- 前記自発光感光性樹脂組成物の固形分の総重量に対して、結合剤樹脂5〜85重量%;および光重合性化合物5〜50重量%を含み、
前記結合剤樹脂および光重合性化合物の固形分の総重量に対して、光重合開始剤0.1〜40重量%を含み、
前記自発光感光性樹脂組成物の総重量に対して、テトラアザポルフィリン系化合物0.001〜15重量%;染料0.001〜30重量%;および溶剤60〜90重量%を含むことを特徴とする請求項9に記載の自発光感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の自発光感光性樹脂組成物で製造されることを特徴とする色変換層。
- 請求項11に記載の色変換層を含むことを特徴とする表示装置。
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