以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの斜視図であり、部分的に透視して搭載機器を示す。
図1において、油圧ショベル200は、自走可能な下部走行体10と、下部走行体10の上側に旋回可能に設けられた上部旋回体11と、上部旋回体11の前側に連結された作業装置12とを備えている。
下部走行体10は、左右のクローラ式走行装置13a(図中、左側のみ示す)を備えている。左側の走行装置13aでは、左走行モータ3aの前方向又は後方向の回転により、左クローラ(履帯)が前方向又は後方向に回転する。同様に、右側の走行装置では、右走行モータ3b(図2に示す)の前方向又は後方向の回転により、右クローラ(履帯)が前方向又は後方向に回転する。これにより、下部走行体10が走行するようになっている。
上部旋回体11は、旋回モータ4の回転によって、左方向又は右方向に旋回するようになっている。上部旋回体11の前部には運転室14が設けられ、上部旋回体11の後部にはエンジン15等の機器が搭載されている。運転室14内には、走行用操作装置1a,1b、作業用操作装置2a,2b等が設けられている。また、運転室14の乗降口には、上下に操作可能なゲートロックレバー16が設けられている。ゲートロックレバー16は、上昇位置に操作された場合にオペレータの乗降を許容し、下降位置に操作された場合にオペレータの乗降を妨げるようになっている。
コントロールバルブ20は、油圧ポンプ装置2から上述した左右の走行モータ3a,3b等の油圧アクチュエータにそれぞれ供給される圧油の流れ(流量と方向)を制御するものである。
作業装置12は、上部旋回体11の前側に回動可能に連結されたブーム17と、ブーム17の先端部に回動可能に連結されたアーム18と、アーム18の先端部に回動可能に連結されたバケット19とを備えている。ブーム17は、ブームシリンダ5の伸長又は伸縮により、上方向又は下方向に回動する。アーム18は、アームシリンダ6の伸長又は伸縮により、クラウド方向(引込み方向)又はダンプ方向(押出し方向)に回動する。バケット19は、バケットシリンダ7の伸長又は伸縮により、クラウド方向又はダンプ方向に回動する。
ブーム17、アーム18、及びバケットリンク19aには、それぞれIMU81〜83が設けられている。IMU81〜83は、ブーム17、アーム18、及びバケット19の各姿勢を検出する姿勢検出装置を構成している。なお、ブーム17、アーム18、及びバケット19の各姿勢は、ブームシリンダ5、アームシリンダ6、及びバケットシリンダ7の各ストロークから演算により求めても良い。その場合の姿勢検出装置は、ブームシリンダ5、アームシリンダ6、及びバケットシリンダ7にそれぞれ設けられたストロークセンサによって構成される。
図2は、図1に示す油圧ショベルに搭載された駆動システムの構成図である。なお、図2では、メインリリーフ弁、ロードチェック弁、リターン回路、及びドレン回路等の図示を省略している。
本実施形態の駆動システムは、大別して、主油圧制御回路とパイロット圧制御回路で構成されている。
主油圧制御回路は、エンジン15によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ8a,8b,8cと、複数の油圧アクチュエータ(詳細には、上述した左走行モータ3a、右走行モータ3b、旋回モータ4、ブームシリンダ5、アームシリンダ6、及びバケットシリンダ7)と、コントロールバルブ20とを備えている。油圧ポンプ8a,8b,8cには、ポンプ容量をそれぞれ変化させるレギュレータ9a,9b,9cが設けられている。コントロールバルブ20は、複数の油圧パイロット方式の方向制御弁(詳細には、左走行用方向制御弁21、右走行用方向制御弁22、旋回用方向制御弁23、ブーム用方向制御弁24a,24b、アーム用方向制御弁25a,25b、及びバケット用方向制御弁26)を備えている。
方向制御弁21〜23,24a,24b,25a,25b,26は、センタバイパス型の方向制御弁であり、油圧ポンプ8aの吐出側に接続された第1の弁グループと、油圧ポンプ8bの吐出側に接続された第2の弁グループと、油圧ポンプ8cの吐出側に接続された第3の弁グループに分類される。
第1の弁グループは、右走行用方向制御弁22、バケット用方向制御弁26、及びブーム用方向制御弁24aを有している。右走行用方向制御弁22のポンプポートは、バケット用方向制御弁26のポンプポート及びブーム用方向制御弁24aのポンプポートに対してタンデムに接続されている。バケット用方向制御弁26のポンプポート及びブーム用方向制御弁24aのポンプポートは、互いにパラレルに接続されている。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油がバケット用方向制御弁26及びブーム用方向制御弁24aよりも優先的に右走行用方向制御弁22に供給される。
第2の弁グループは、ブーム用方向制御弁24b及びアーム用方向制御弁25aを有している。ブーム用方向制御弁24bのポンプポート及びアーム用方向制御弁25aのポンプポートは、互いにパラレルに接続されている。
第3の弁グループは、旋回用方向制御弁23、アーム用方向制御弁25b、及び左走行用方向制御弁21を有している。旋回用方向制御弁23のポンプポート、アーム用方向制御弁25bのポンプポート、及び左走行用方向制御弁21のポンプポートは、互いにパラレルに接続されている。
パイロット圧制御回路は、エンジン15によって駆動されるパイロットポンプ27と、油圧パイロット方式の走行用操作装置1a,1bと、電気レバー方式の作業用操作装置2a,2bと、コントローラ100と、複数の電磁比例弁(詳細には、旋回用電磁比例弁41a,41b、ブーム用電磁比例弁42a,42b,42c,42d、アーム用電磁比例弁43a,43b,43c,43d、及びバケット用電磁比例弁44a,44b)とを備えている。
左側の走行用操作装置1aは、前後方向に操作可能な操作レバーと、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成する第1及び第2のパイロット弁45a,45bとを有している。
第1のパイロット弁45aは、操作レバーの中立位置からの前側の操作量に応じてパイロット圧を生成し、パイロットラインP1を介し左走行用方向制御弁21の一方側の操作部(受圧部)にパイロット圧を出力して、左走行用方向制御弁21のスプールを他方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8cからの圧油が左走行用方向制御弁21を介して左走行モータ3aに供給され、左走行モータ3aが前方向に回転する。
第2のパイロット弁45bは、操作レバーの中立位置からの後側の操作量に応じてパイロット圧を生成し、パイロットラインP2を介し左走行用方向制御弁21の他方側の操作部にパイロット圧を出力して、左走行用方向制御弁21のスプールを一方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8cからの圧油が左走行用方向制御弁21を介して左走行モータ3aに供給され、左走行モータ3aが後方向に回転する。
同様に、右側の走行用操作装置1bは、前後方向に操作可能な操作レバーと、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成する第3及び第4のパイロット弁45c,45dとを有している。
第3のパイロット弁45cは、操作レバーの中立位置からの前側の操作量に応じてパイロット圧を生成し、パイロットラインP3を介し右走行用方向制御弁22の一方側の操作部にパイロット圧を出力して、右走行用方向制御弁22のスプールを他方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油が右走行用方向制御弁22を介して右走行モータ3bに供給され、右走行モータ3bが前方向に回転する。
第4のパイロット弁45dは、操作レバーの中立位置からの後側の操作量に応じてパイロット圧を生成し、パイロットラインP4を介し右走行用方向制御弁22の他方側の操作部にパイロット圧を出力して、右走行用方向制御弁22のスプールを一方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油が右走行用方向制御弁22を介して右走行モータ3bに供給され、右走行モータ3bが後方向に回転する。
左側の作業用操作装置2aは、前後方向及び左右方向に操作可能な操作レバーと、第1〜第4のポテンションメータ61〜64とを有している。第1のポテンションメータ61は、操作レバーの中立位置からの前側の操作量に応じて操作信号(電気信号)を生成し、コントローラ100に出力する。第2のポテンションメータ62は、操作レバーの中立位置からの後側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。第3のポテンションメータ63は、操作レバーの中立位置からの左側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。第4のポテンションメータ64は、操作レバーの中立位置からの右側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。
同様に、右側の作業用操作装置2bは、前後方向及び左右方向に操作可能な操作レバーと、第5〜第8のポテンションメータ65〜68とを有している。第5のポテンションメータ65は、操作レバーの中立位置からの前側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。第6のポテンションメータ66は、操作レバーの中立位置からの後側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。第7のポテンションメータ67は、操作レバーの中立位置からの左側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。第8のポテンションメータ68は、操作レバーの中立位置からの右側の操作量に応じて操作信号を生成し、コントローラ100に出力する。
コントローラ100は、第1のポテンションメータ61からの操作信号に応じて指令電流を生成し、旋回用電磁比例弁41aのソレノイド部へ指令電流を出力して、旋回用電磁比例弁41aを駆動させる。旋回用電磁比例弁41aは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP5を介し旋回用方向制御弁23の一方側の操作部にパイロット圧を出力して、旋回用方向制御弁23のスプールを他方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8cからの圧油が旋回用方向制御弁23を介して旋回モータ4に供給され、旋回モータ4が一方向に回転する。
また、コントローラ100は、第2のポテンションメータ62からの操作信号に応じて指令電流を生成し、旋回用電磁比例弁41bのソレノイド部へ指令電流を出力して、旋回用電磁比例弁41bを駆動させる。旋回用電磁比例弁41bは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP6を介し旋回用方向制御弁23の他方側の操作部にパイロット圧を出力して、旋回用方向制御弁23のスプールを一方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8cからの圧油が旋回用方向制御弁23を介して旋回モータ4に供給され、旋回モータ4が反対方向に回転する。
なお、パイロットラインP5,P6には旋回用圧力センサ31a,31bが設けられており、各圧力センサで検出された実パイロット圧はコントローラ100に入力される。
コントローラ100は、第3のポテンションメータ63からの操作信号に応じて指令電流を生成し、アーム用電磁比例弁43a,43bのソレノイド部へ指令電流を出力して、アーム用電磁比例弁43a,43bを駆動させる。アーム用電磁比例弁43aは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP11を介しアーム用方向制御弁25aの一方側の操作部にパイロット圧を出力して、アーム用方向制御弁25aのスプールを他方側に駆動させる。アーム用電磁比例弁43bは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP12を介しアーム用方向制御弁25bの一方側の操作部にパイロット圧を出力して、アーム用方向制御弁25bのスプールを他方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8bからの圧油がアーム用方向制御弁25aを介しアームシリンダ6のロッド側に供給され、かつ、油圧ポンプ8cからの圧油がアーム用方向制御弁25bを介してアームシリンダ6のロッド側に供給され、アームシリンダ6が縮短する。
また、コントローラ100は、第4のポテンションメータ64からの操作信号に応じて指令電流を生成し、アーム用電磁比例弁43c,43dのソレノイド部へ指令電流を出力して、アーム用電磁比例弁43c,43dを駆動させる。アーム用電磁比例弁43cは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP13を介しアーム用方向制御弁25aの他方側の操作部にパイロット圧を出力して、アーム用方向制御弁25aのスプールを一方側に駆動させる。アーム用電磁比例弁43dは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP14を介しアーム用方向制御弁25bの他方側の操作部にパイロット圧を出力して、アーム用方向制御弁25bのスプールを一方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8bからの圧油がアーム用方向制御弁25aを介してアームシリンダ6のボトム側に供給され、かつ、油圧ポンプ8cからの圧油がアーム用方向制御弁25bを介してアームシリンダ6のボトム側に供給され、アームシリンダ6が伸長する。
なお、パイロットラインP11,P12,P13,P14にはアーム用圧力センサ33a,33b,33c,33dが設けられており、各圧力センサで検出された実パイロット圧はコントローラ100に入力される。
コントローラ100は、第5のポテンションメータ65からの操作信号に応じて指令電流を生成し、ブーム用電磁比例弁42a,42bのソレノイド部へ指令電流を出力して、ブーム用電磁比例弁42a,42bを駆動させる。ブーム用電磁比例弁42aは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP7を介しブーム用方向制御弁24aの一方側の操作部にパイロット圧を出力して、ブーム用方向制御弁24aのスプールを他方側に駆動させる。ブーム用電磁比例弁42bは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP8を介しブーム用方向制御弁24bの一方側の操作部にパイロット圧を出力して、ブーム用方向制御弁24bのスプールを他方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油がブーム用方向制御弁24aを介してブームシリンダ5のロッド側に供給され、かつ、油圧ポンプ8bからの圧油がブーム用方向制御弁24bを介してブームシリンダ5のロッド側に供給され、ブームシリンダ5が縮短する。
また、コントローラ100は、第6のポテンションメータ66からの操作信号に応じて指令電流を生成し、ブーム用電磁比例弁42c,42dのソレノイド部へ指令電流を出力して、ブーム用電磁比例弁42c,42dを駆動させる。ブーム用電磁比例弁42cは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP9を介しブーム用方向制御弁24aの他方側の操作部にパイロット圧を出力して、ブーム用方向制御弁24aのスプールを一方側に駆動させる。ブーム用電磁比例弁42dは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP10を介しブーム用方向制御弁24bの他方側の操作部にパイロット圧を出力して、ブーム用方向制御弁24bのスプールを一方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油がブーム用方向制御弁24aを介してブームシリンダ5のボトム側に供給され、かつ、油圧ポンプ8bからの圧油がブーム用方向制御弁24bを介してブームシリンダ5のボトム側に供給され、ブームシリンダ5が伸長する。
なお、パイロットラインP7,P8,P9,P10にはブーム用圧力センサ32a,32b,32c,32dが設けられており、各圧力センサで検出された実パイロット圧はコントローラ100に入力される。
コントローラ100は、第7のポテンションメータ67からの操作信号に応じて指令電流を生成し、バケット用電磁比例弁44aのソレノイド部へ指令電流を出力して、バケット用電磁比例弁44aを駆動させる。バケット用電磁比例弁44aは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP15を介しバケット用方向制御弁26の一方側の操作部にパイロット圧を出力して、バケット用方向制御弁26のスプールを他方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油がバケット用方向制御弁26を介してバケットシリンダ7のボトム側に供給され、バケットシリンダ7が伸長する。
また、コントローラ100は、第8のポテンションメータ68からの操作信号に応じて指令電流を生成し、バケット用電磁比例弁44bのソレノイド部へ指令電流を出力して、バケット用電磁比例弁44bを駆動させる。バケット用電磁比例弁44bは、パイロットポンプ27からの吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成し、パイロットラインP16を介しバケット用方向制御弁26の他方側の操作部にパイロット圧を出力して、バケット用方向制御弁26のスプールを一方側に駆動させる。これにより、油圧ポンプ8aからの圧油がバケット用方向制御弁26を介してバケットシリンダ7のロッド側に供給され、バケットシリンダ7が縮短する。
なお、パイロットラインP15,P16にはバケット用圧力センサ34a,34bが設けられており、各圧力センサで検出された実パイロット圧はコントローラ100に入力される。
コントローラ100は、各電磁比例弁の指令電流とその二次側の圧力センサで検出された実パイロット圧に基づき、各電磁比例弁に異常が生じているか否かを判定する。そして、電磁比例弁に異常が生じていると判定した場合は、電磁比例弁の異常状態を表示装置50に表示させ、オペレータに通知するようになっている。
パイロットポンプ27の吐出側にはリリーフ弁28が設けられており、パイロットポンプ27の吐出圧の上限値を規定するようになっている。また、パイロットポンプ27と上述した第1〜第4のパイロット弁45a〜45d及び電磁比例弁41a,41b,42a〜42d,43a〜43d,44a,44bとの間には、ゲートロック弁29が設けられている。
ゲートロックレバー16が上昇位置(ロック位置)に操作された場合は、スイッチが開成され、ゲートロック弁29のソレノイド部が励磁されないため、ゲートロック弁29が図中下側の中立位置となる。これにより、パイロットポンプ27から上述した第1〜第4のパイロット弁45a〜45d及び電磁比例弁41a,41b,42a〜42d,43a〜43d,44a,44bへの圧油供給が遮断され、油圧アクチュエータ3a,3b,4〜7が作動不能となる。一方、ゲートロックレバー16が下降位置(ロック解除位置)に操作された場合は、スイッチが閉成され、ゲートロック弁29のソレノイド部が励磁されるため、ゲートロック弁29が図中上側の切替位置となる。これにより、パイロットポンプ27から上述した第1〜第4のパイロット弁45a〜45d及び電磁比例弁41a,41b,42a〜42d,43a〜43d,44a,44bへ圧油が供給され、油圧アクチュエータ3a,3b,4〜7が作動可能となる。
エンジン15にはオルタネータ70が設けられている。オルタネータ70の出力端子には電力供給ライン71が接続されており、この電力供給ライン71には、作業用操作装置2a,2b、表示装置50、コントローラ100、バッテリ72、その他電装品(エアコン、ラジオ、ライト等)73が接続されている。オルタネータ70の出力端子には、オルタネータ70の出力電流(各電装品に供給される総電流)を検出する電流センサ(電流検出装置)74が設けられており、電流センサ74で検出された出力電流はコントローラ100に入力される。また、エンジン15の回転軸には、エンジン回転数を検出する回転数センサ(回転数検出装置)75が設けられており、回転数センサ75で検出されたエンジン回転数はコントローラ100に入力される。
次に、本実施例の要部であるコントローラ100の詳細について説明する。コントローラ100は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備え、ROMに格納されたプログラムをCPU上で作動させて演算処理を行うよう構成されている。コントローラ100は、オルタネータ70の出力電流が最大定格電流に達する前に、油圧アクチュエータ4〜7を駆動する電磁比例弁の指令電流を制限する。図3は図2に示すコントローラ100の機能ブロック図であり、図4はレバー操作量と目標パイロット圧との相関を示す図であり、図5は目標パイロット圧と指令電流との相関を示す図であり、図6はエンジン回転数とオルタネータ70の最大定格電流との相関を示す図であり、図7は図3に示す指令電流補正演算部113の処理を示すフローチャートであり、図8は図3に示す指令電流補正演算部113による指令電流の補正結果の一例を示す図である。
図3を用いてコントローラ100の処理内容について説明する。パイロット圧演算部110は、図4に示す相関に基づき、レバー操作量に応じた目標パイロット圧を出力する。なお、同じレバー操作量でも、エンジン回転数が低い時はエンジン回転数が高い時に比べて目標パイロット圧は小さくなる。指令電流演算部111は、図5に示す相関に基づき、パイロット圧演算部110が出力する目標パイロット圧を指令電流に変換する。
許容電流判定部112は、電流センサ74で検出されたオルタネータ70の出力流量が図6に示すエンジン回転数に応じたオルタネータ70の許容電流よりも大きいか否かを判定する。ここで、オルタネータ70の出力流量が最大定格電流(図6中、実線で示す)を超えると、オルタネータ70の出力電圧が低下し、各電装品の作動に支障を来たすおそれがある。そこで、最大定格電流に対して所定のマージンを持たせた電流量を許容電流(図6中、点線で示す)として設定している。
次に、図7を用いて指令電流補正演算部113における指令電流の補正手順について説明する。
まず、ステップS111でオルタネータ70の出力電流が許容電流よりも大きいかを判定する。ステップS111で許容電流以下である(NO)と判定した場合は、フローを終了する。
ステップS111でYES(許容電流よりも大きい)と判定した場合は、ステップS112に進み、バケット操作が行われているか否かを判定する。
ステップS112でYES(バケット操作が行われている)と判定した場合は、ステップS113に進み、当該バケット操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS111以降の処理を繰り返す。これにより、オルタネータ70の出力電流が許容電流以下となるまで、当該バケット操作に対応した電磁比例弁の指令電流が低下する。
ステップS112でNO(バケット操作が行われていない)と判定した場合は、ステップS114に進み、アーム操作が行われているか否かを判定する。
ステップS114でYES(アーム操作が行われている)と判定した場合は、ステップS115に進み、当該アーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS111以降の処理を繰り返す。これにより、オルタネータ70の出力電流が許容電流以下となるまで、当該アーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が低下する。
ステップS114でNO(アーム操作が行われていない)と判定した場合は、ステップS116に進み、旋回操作が行われているか否かを判定する。
ステップS114でYES(旋回操作が行われている)と判定した場合は、ステップS117に進み、当該旋回操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS111以降の処理を繰り返す。これにより、オルタネータ70の出力電流が許容電流以下となるまで、当該旋回操作に対応した電磁比例弁の指令電流が低下する。
ステップS117でNO(旋回操作が行われていない)と判定した場合は、ステップS118に進み、ブーム操作が行われているか否かを判定する。
ステップS118でYES(ブーム操作が行われている)と判定した場合は、ステップS119に進み、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS111以降の処理を繰り返す。これにより、オルタネータ70の出力電流が許容電流以下となるまで、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が低下する。
ステップS118でNO(ブーム操作が行われていない)と判定した場合は、指令電流を補正できる電磁比例弁が存在しないため、フローを終了する。
次に、図8を用いて本実施例における指令電流の補正方法について説明する。図8は、ブーム操作とバケット操作が同時に行なわれている最中にオルタネータ70の出力電流が許容電流を超えたケースを示している。許容電流判定部112(図3に示す)がオルタネータ70の出力電流が許容電流よりも大きいと判定した時点(時刻T1)から指令電流の制限を開始する。比較例(図中、破線で示す)のように各電磁比例弁の指令電流を一律に制限した場合、負荷の大きいブームシリンダ5が減速又は停止し、作業効率が損なわれるおそれがある。一方、本実施例では負荷の小さいバケットシリンダ7に対応した電磁比例弁の指令電流を負荷の大きいブームシリンダ5に対応した電磁比例弁の指令電流よりも優先して制限するため、ブームシリンダ5の減速又は停止を防止することができる。
以上のように構成した油圧ショベル200によれば、電磁比例弁41a,41b,42a〜42d,43a〜43d,44a,44bに対して、油圧アクチュエータ4〜7に作用する負荷の大きさ順とは逆順の補正優先順位が設定され、オルタネータ70の出力電流が最大定格電流よりも小さく設定された許容電流を超えた場合に、オルタネータ70の出力電流が許容電流以下となるように、補正優先順位の高い電磁比例弁から順に指令電流が制限される。これにより、オルタネータ70の出力電流が最大定格電流に達する前に、負荷の小さい油圧アクチュエータの駆動に対応した電磁比例弁から順に指令電流が制限されるため、作業効率の低下を抑制しつつオルタネータ70の電流不足を防ぐことができる。
本発明の第2の実施例に係る油圧ショベル200について、図9〜図11を用いて説明する。図9は本実施例におけるコントローラの機能ブロック図であり、図10は図9に示す指令電流補正演算部113Aの処理を示すフローチャートであり、図11は図9に示す指令電流補正演算部113Aによる指令電流の補正結果の一例を示す図である。
本実施例におけるコントローラ100Aの機能構成について図9を用いて説明する。本実施例におけるコントローラ100Aは、ブーム17及びアーム18の操作方向を判定する操作方向判定部114を有している点で第1の実施例におけるコントローラ100(図3に示す)と相違する。操作方向判定部114では、パイロット圧演算部110が出力する目標パイロット圧と姿勢検出装置が出力する姿勢情報を入力として、ブーム17及びアーム18が従重力方向に操作されているか抗重力方向に操作されているかを判定する。
次に、図10を用いて指令電流補正演算部113Aにおける指令電流の補正手順について説明する。
まず、ステップS131でオルタネータ70の出力電流が許容電流よりも大きいか否かを判定する。ステップS131で許容電流以下である(NO)と判定した場合は、フローを終了する。
ステップS131でYES(許容電流よりも大きい)と判定した場合は、ステップS132に進み、バケット操作が行われているか否かを判定する。
ステップS132でYES(バケット操作が行われている)と判定した場合は、ステップS133に進み、当該バケット操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS132でNO(バケット操作が行われていない)と判定した場合は、ステップS134に進み、アーム18が従重力方向に操作されているか否かを判定する。
ステップS134でYES(アーム18が従重力方向に操作されている)と判定した場合は、ステップS135に進み、当該アーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS134でNO(アームが従重力方向に操作されていない)と判定した場合は、ステップS136に進み、旋回操作が行われているか否かを判定する。
ステップS136でYES(旋回操作が行われている)と判定した場合は、ステップS137に進み、当該旋回操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS136でNO(旋回操作が行われていない)と判定した場合は、ステップS138に進み、ブーム17が従重力方向に操作されているか否かを判定する。
ステップS138でYES(ブーム17が従重力方向に操作されている)と判定した場合は、ステップS139に進み、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS138でNO(ブーム17が従重力方向に操作されていない)と判定した場合は、ステップS140に進み、アーム18が抗重力方向に操作されているか否かを判定する。
ステップS140でYES(アーム18が抗重力方向に操作されている)と判定した場合は、ステップS141に進み、当該アーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS140でNO(アーム18が抗重力方向に操作されていない)と判定した場合は、ステップS142に進み、ブームが抗重力方向に操作されているか否かを判定する。
ステップS142でYES(ブーム17が抗重力方向に操作されている)と判定した場合は、ステップS143に進み、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS142でNO(ブームが抗重力方向に操作されていない)と判定した場合は、指令電流を補正できる電磁比例弁が存在しないため、フローを終了する。
次に、図11を用いて本実施例における指令電流の補正方法について説明する。図11は、アームダンプ操作とブーム下げ操作が同時に行なわれている最中にオルタネータ70の出力電流が許容電流を超えたケースを示している。許容電流判定部112がオルタネータ70の出力電流が許容電流を超えたと判定した時点(時刻T1)から指令制限の制限を開始する。アーム18を抗重力方向に操作している時は、アームシリンダ6に作用する負荷が大きいため、当該アーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流は優先的に制限されない。一方、ブーム17を従重力方向に操作している時は、ブームシリンダ5に作用する負荷が小さいため、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が優先的に制限される。
以上のように構成した油圧ショベル200によれば、第1の実施例の効果に加えて以下の効果が得られる。
アーム18又はブーム17の従重力方向の操作に対応している電磁比例弁の指令電流を、アーム18又はブーム17の抗重力方向の操作に対応している電磁比例弁の指令電流よりも優先して制限することにより、アームシリンダ6又はブームシリンダ5に対応した電磁比例弁の指令電流が制限される頻度が抑えられるため、作業効率の低下を更に抑制することができる。
本発明の第3の実施例に係る油圧ショベル200について、図12〜図16を用いて説明する。図12は本実施例におけるコントローラの機能ブロック図であり、図13はオープンセンタ方式においてメインポンプからアクチュエータ及びタンクへ圧油が流れる原理を示す図であり、図14は方向制御弁のスプール開口特性(パイロット圧とスプール開口面積)との相関を示す図であり、図15は図12に示す指令電流補正演算部113Bの処理を示すフローチャートであり、図16は図12に示す指令電流補正演算部113Bによる指令電流の補正結果の一例を示す図である。
本実施例におけるコントローラの機能構成について図12を用いて説明する。本実施例におけるコントローラ100Bは、各方向制御弁のスプール開口特性を記憶するスプール開口特性記憶部115を有している点で第2の実施例におけるコントローラ100A(図9に示す)と相違する。
オープンセンタ方式におけるメインポンプからアクチュエータ及びタンクへの圧油の流れについて図13を用いて説明する。コントローラは、レバー操作量に応じた指令電流を電磁比例弁に出力する。指令電流に応じて電磁比例弁が開き、パイロットポンプの吐出圧を元圧として生成されたパイロット圧がコントロールバルブのスプールに作用する。パイロット圧がスプールを押すことで、メインポンプがアクチュエータ及びタンクと連通し、メインポンプからの圧油がアクチュエータ及びタンクに流れる。
次に、図14を用いてアクチュエータ及びタンクに圧油が流れる方法について説明する。パイロット圧が十分に小さい時(図中のPi1以下)にはタンク側のスプール開口が十分に大きくなっており、アクチュエータ側のスプール開口はゼロ、すなわち閉じきった状態である。このため、Pi1以下ではタンクにのみ圧油が流れる。一方、パイロット圧が十分に大きい時(図中のPi2以上)にはアクチュエータ側のスプール開口が十分に大きくなっており、タンク側の開口はゼロ、すなわち閉じきった状態である。このため、Pi2以上ではアクチュエータにのみ圧油が流れる。Pi1とPi2の間では、アクチュエータ側のスプール開口とタンク側のスプール開口が共に開いているのでどちらにも圧油が流れる。したがってアクチュエータを駆動するためには、アクチュエータ側のスプール開口が閉じ切らないようにパイロット圧を下限値Pi1(指令電流I1)よりも大きい値に保持する必要がある。
次に、図15を用いて指令電流補正演算部113Bにおける指令電流の補正手順について説明する。
まず、ステップS151でオルタネータ70の出力電流が許容電流よりも大きいか否かを判定する。ステップS151で許容電流以下である(NO)と判定した場合は、フローを終了する。
ステップS151でYES(許容電流よりも大きい)と判定した場合は、ステップS152に進み、バケット操作が行われ、かつ当該バケット操作に対応した電磁比例弁の指令電流が補正可能であるか否かを判定する。ここで、指令電流が指令電流下限値I1+α(所定のマージン)よりも大きい場合は補正可能と判定し、指令電流が指令電流下限値I1+α以下のときは補正不可と判定する。
ステップS152でYES(バケット操作が行われ、かつ指令電流の補正が可能である)と判定した場合は、ステップS153に進み、当該バケット操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS151以降の処理を繰り返す。
ステップS152でNO(バケット操作が行われていない、又は指令電流が補正不可である)と判定した場合は、ステップS154に進み、アーム18が従重力方向に操作され、かつ当該アーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が補正可能であるか否かを判定する。
ステップS154でYES(アーム18が従重力方向に操作され、かつ指令電流が補正可能である)と判定した場合は、ステップS155に進み、当該アーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS151以降の処理を繰り返す。
ステップS154でNO(アーム18が従重力方向に操作されていない、又は指令電流が補正不可である)と判定した場合は、ステップS156に進み、旋回操作が行われ、かつ当該旋回操作に対応した電磁比例弁の指令電流が補正可能であるか否かを判定する。
ステップS156でYES(旋回操作が行われ、かつ指令電流が補正可能である)と判定した場合は、ステップS157に進み、当該旋回操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS151以降の処理を繰り返す。
ステップS156でNO(旋回操作が行われていない、又は指令電流が補正不可である)と判定した場合は、ステップS158に進み、ブーム17が従重力方向に操作され、かつ当該ブーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が補正可能であるか否かを判定する。
ステップS158でYES(ブーム17が従重力方向に操作され、かつ指令電流が補正可能である)と判定した場合は、ステップS159に進み、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS151以降の処理を繰り返す。
ステップS158でNO(ブーム17を従重力方向に操作されていない、又は指令電流が補正不可である)と判定した場合は、ステップS160に進み、アーム18が抗重力方向に操作され、かつ当該アーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が補正可能であるか否かを判定する。
ステップS160でYES(アーム18が抗重力方向に操作され、かつ指令電流が補正可能である)と判定した場合は、ステップS161に進み、当該アーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS151以降の処理を繰り返す。
ステップS160でNO(アーム18が抗重力方向に操作されていない、又は指令電流が補正不可である)と判定した場合は、ステップS162に進み、ブーム17が抗重力方向に操作され、かつ当該ブーム操作に対応した電磁比例弁の指令電流が補正可能であるか否かを判定する。
ステップS162でYES(ブーム17が抗重力方向に操作され、かつ指令電流が補正可能である)と判定した場合は、ステップS163に進み、当該ブーム操作に対応した電磁比例弁に出力している指令電流を微小量ΔIだけ低下させ、ステップS151以降の処理を繰り返す。
ステップS162でNO(ブーム17が抗重力方向に操作されていない、又は指令電流が補正不可である)と判定した場合は、指令電流を補正できる電磁比例弁が存在しないため、フローを終了する。
次に、図16を用いて本実施例における指令電流の補正方法について説明する。図16は、アームクラウド操作とバケットクラウド操作が同時に行なわれている最中にオルタネータ70の出力電流が許容電流を超えたケースを示している。許容電流判定部112がオルタネータ70の出力電流が許容電流を超えたと判定した時点(時刻T1)から指令電流の制限を開始する。ここで、バケットシリンダ7に対応した電磁比例弁44a,44bの方がアームシリンダ6に対応した電磁比例弁43a〜43dよりも補正優先順位が高いため、バケットクラウド操作に対応した電磁比例弁44aから指令電流の制限を開始する。ただし、電磁比例弁44aの指令電流を電流下限値I1以下まで制限してしまうとバケットシリンダ7のボトム側に圧油が供給されず、バケットシリンダ7の伸長動作が停止してしまうため、電磁比例弁44aの指令電流が電流下限値I1+αに達した時点(時刻T2)からアームクラウド操作に対応した電磁比例弁43c,43dの指令電流を制限する。
以上のように構成した本実施例に係る油圧ショベル200によれば、第2の実施例の効果に加えて以下の効果が得られる。
オルタネータ70の出力電流が許容電流を超えた場合に、電磁比例弁41a,41b,42a〜42d,43a〜43d,44a,44bの各指令電流を指令電流下限値I1以下とならないように制限することにより、油圧アクチュエータ4〜7への圧油の供給が停止することを防止することができる。これにより、油圧アクチュエータ4〜7の意図しない停止による操作性の悪化を防ぐことができる。なお、本実施例では、指令電流下限値I1が全ての電磁比例弁で同一であると仮定しているが、対応する油圧アクチュエータ及びその駆動方向に応じて異なっていても良い。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。