JP2021095728A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】コスト上昇を抑えつつ、ネガティブコントロール方式により制御される可変容量ポンプの故障を精度よく判定することができる建設機械を提供する。【解決手段】油圧ショベルは、エンジンによって駆動される可変容量ポンプと、第1ネガコン圧力センサ51hと、第2ネガコン圧力センサ51iと、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧のうち小さいほうの信号圧である第3ネガコン信号圧に基づき可変容量ポンプの吐出量を制御する統合コントローラ7とを備え、エンジンの回転数に基づき演算された理論ポンプ流量と、第3ネガコン信号圧に基づき演算された実ポンプ流量とに基づいて故障判定を行う第1判定部71と、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分に基づいて故障判定を行う第2判定部72と、第1判定部71と第2判定部72の判定が何れも故障である場合に可変容量ポンプが故障であると判定する故障判定部73とを備える。【選択図】図3
Description
本発明は、建設機械に関する。
下記特許文献1には、両吐出型ポンプのドレンポートから排出される作動油のドレン圧力を検出し、検出されたドレン圧力が所定の圧力を超えた両吐出型ポンプは故障した両吐出型ポンプであると判定する方法が開示されている。
下記特許文献2には、理論上の総流量と実流量を比較することにより、ポンプの故障判定を行う技術が開示されている。
特許文献1の方法では、ドレン圧力は絶対値が小さいことから、標高等の環境要因により精度の信頼性が十分であるとは言えない。また、ドレンポートは、サクションラインと連通していることから、ポンプ制御に伴うポンプ流量の変化によってドレン圧力が変動する場合があり、同様の問題が生じる場合がある。特許文献2の技術では、実流量の検出に流量センサを使用していることからコストが上昇するという問題点がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、コスト上昇を抑えつつ、ネガティブコントロール方式により制御される可変容量ポンプの故障を精度よく判定することができる建設機械を提供することを目的とする。
本発明の建設機械は、原動機と、前記原動機によって駆動される第1吐出ポート及び第2吐出ポートを有するスプリットフロー型の可変容量ポンプと、前記第1吐出ポートから吐出された圧油の流量及び方向を制御する第1方向切換弁と、前記第1方向切換弁が中立位置のときに油タンクに連通する第1センターバイパス油路と、前記第1センターバイパス油路の最下流に配置された第1ネガコン絞りの上流の圧力を第1ネガコン信号圧として検知する第1ネガコン信号圧検知装置と、前記第2吐出ポートから吐出された圧油の流量及び方向を制御する第2方向切換弁と、前記第2方向切換弁が中立位置のときに油タンクに連通する第2センターバイパス油路と、前記第2センターバイパス油路の最下流に配置された第2ネガコン絞りの上流の圧力を第2ネガコン信号圧として検知する第2ネガコン信号圧検知装置と、前記第1ネガコン信号圧と前記第2ネガコン信号圧のうち小さいほうの信号圧を第3ネガコン信号圧とし、前記第3ネガコン信号圧に基づき前記可変容量ポンプの吐出量を制御するネガティブコントロール制御部と、を備え、
前記原動機の回転数に基づき演算された前記可変容量ポンプの理論ポンプ流量と、前記第3ネガコン信号圧に基づき演算された前記可変容量ポンプの実ポンプ流量とに基づいて前記可変容量ポンプの故障判定を行う第1判定部と、
前記第1ネガコン信号圧と前記第2ネガコン信号圧の差分に基づいて前記可変容量ポンプの故障判定を行う第2判定部と、
前記第1判定部と前記第2判定部の判定が何れも故障である場合に前記可変容量ポンプが故障であると判定する故障判定部と、を備える。
前記原動機の回転数に基づき演算された前記可変容量ポンプの理論ポンプ流量と、前記第3ネガコン信号圧に基づき演算された前記可変容量ポンプの実ポンプ流量とに基づいて前記可変容量ポンプの故障判定を行う第1判定部と、
前記第1ネガコン信号圧と前記第2ネガコン信号圧の差分に基づいて前記可変容量ポンプの故障判定を行う第2判定部と、
前記第1判定部と前記第2判定部の判定が何れも故障である場合に前記可変容量ポンプが故障であると判定する故障判定部と、を備える。
本発明によれば、ネガティブコントロール方式により制御されるスプリットフロー型の可変容量ポンプにおいて、実ポンプ流量と理論ポンプ流量との比較、及び第1吐出ポートの第1ネガコン信号圧と第2吐出ポートの第2ネガコン信号圧との比較という2つの判定要素に基づき可変容量ポンプの最終的な故障判定を行うため、精度よく故障の判定を行うことができる。また、可変容量ポンプの流量制御のためのネガコン信号圧に基づき故障判定を行うため、別途流量センサ等を設ける必要がなく、コスト上昇を抑えることができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[油圧ショベルの構造]
まず、図1を参照しながら、建設機械の一例としての油圧ショベル1の概略構造について説明する。
まず、図1を参照しながら、建設機械の一例としての油圧ショベル1の概略構造について説明する。
下部走行体2は、エンジン42(原動機に相当する)からの動力を受けて駆動し、油圧ショベル1を走行させる。下部走行体2は、左右一対のクローラ21,21及び左右一対の走行モータ22,22(図1では右走行モータ22は図示していない)を備える。油圧モータである左右の走行モータ22,22が左右のクローラ21,21をそれぞれ駆動することで油圧ショベル1の前後進を可能としている。また、下部走行体2には、ブレード23、及びブレード23を上下方向に回動させるための油圧アクチュエータであるブレードリフトシリンダ24が設けられている。
作業機3は、エンジン42からの動力を受けて駆動し、土砂等の掘削作業を行うものである。作業機3は、ブーム31、アーム32、及びバケット33を備え、これらを独立して駆動することによって掘削作業を可能としている。ブーム31、アーム32、及びバケット33は、それぞれ作業部に相当し、油圧ショベル1は、複数の作業部を有する。
ブーム31は、基端部が上部旋回体4の前部に支持されて、伸縮自在に可動するブームシリンダ31aによって回動される。また、アーム32は、基端部がブーム31の先端部に支持されて、伸縮自在に可動するアームシリンダ32aによって回動される。そして、バケット33は、基端部がアーム32の先端部に支持されて、伸縮自在に可動するバケットシリンダ33aによって回動される。ブームシリンダ31a、アームシリンダ32a、及びバケットシリンダ33aは、作業部を駆動する油圧アクチュエータに相当する。
バケット33は、作業機3の先端に設けられ、掘削作業を行うためのツメを備えた容器状の部材である。バケット33は、アーム32の先端にピン34を介して回動可能に取り付けられている。さらに、バケット33は、リンク機構35を介してバケットシリンダ33aと連結されている。
上部旋回体4は、下部走行体2に対して旋回ベアリング(図示しない)を介して旋回可能に構成されている。上部旋回体4には、操縦部41、エンジン42、旋回台43、旋回モータ44等が配置されている。油圧モータである旋回モータ44の駆動力で上部旋回体4が旋回ベアリングを介して旋回する。また、上部旋回体4には、エンジン42により駆動される複数の油圧ポンプ(図1では図示していない)が配設される。これらの油圧ポンプが、走行モータ22,22、ブレードリフトシリンダ24、旋回モータ44、ブームシリンダ31a、アームシリンダ32a、及びバケットシリンダ33a等に圧油を供給する。
操縦部41には、操縦席411が配置されている。操縦席411の左右に一対の作業操作レバー412,412、前方に一対の走行レバー413,413が配置されている。作業者は、操縦席411に着座して作業操作レバー412,412、走行レバー413,413等を操作することによって、エンジン42、各油圧モータ、各油圧アクチュエータ等の制御を行い、走行、旋回、作業等を行うことができる。
また、油圧ショベル1は、制御装置としての統合コントローラ7(図1には図示していない)と、統合コントローラ7からの指令に基づいてエンジン42の駆動を制御するエンジンECU42aとを有する。統合コントローラ7は、油圧ショベル1の制御システムを司り、上述した油圧ポンプへの制御指示やエンジンECU42aへの制御指示を出力する。
[油圧回路の構成]
図2を用いて、油圧ショベル1が有する油圧回路5について説明する。油圧回路5は、第1走行用モータ22a、第2走行用モータ22b(左走行モータ22、右走行モータ22のいずれか)、第1作業機アクチュエータ30a、第2作業機アクチュエータ30b、第3作業機アクチュエータ30c(ブームシリンダ31a、アームシリンダ32a、バケットシリンダ33aのいずれか)、油圧作業アタッチメント(油圧ハンマ等)のアタッチメント用モータ30d、旋回モータ44と、可変容量ポンプ51と、固定容量ポンプ52と、パイロットポンプ53と、を有する。
図2を用いて、油圧ショベル1が有する油圧回路5について説明する。油圧回路5は、第1走行用モータ22a、第2走行用モータ22b(左走行モータ22、右走行モータ22のいずれか)、第1作業機アクチュエータ30a、第2作業機アクチュエータ30b、第3作業機アクチュエータ30c(ブームシリンダ31a、アームシリンダ32a、バケットシリンダ33aのいずれか)、油圧作業アタッチメント(油圧ハンマ等)のアタッチメント用モータ30d、旋回モータ44と、可変容量ポンプ51と、固定容量ポンプ52と、パイロットポンプ53と、を有する。
可変容量ポンプ51及び固定容量ポンプ52は、エンジン42によって駆動され、油圧アクチュエータ(第1走行用モータ22a、第2走行用モータ22b、第1作業機アクチュエータ30a、第2作業機アクチュエータ30b、第3作業機アクチュエータ30c、アタッチメント用モータ30d、旋回モータ44)へ供給される圧油を吐出する。可変容量ポンプ51は、第1走行用モータ22a、第2走行用モータ22b、第1作業機アクチュエータ30a、第2作業機アクチュエータ30b、第3作業機アクチュエータ30c、及びアタッチメント用モータ30dに圧油を供給して駆動する。固定容量ポンプ52は、旋回モータ44に圧油を供給して駆動する。
可変容量ポンプ51は、ポンプレギュレータ51aの駆動により可動斜板51bの傾斜角度を変更することで圧油の吐出量を制御可能としている。ポンプレギュレータ51aは、パイロットポンプ53から吐出されたパイロット油の圧力(パイロット圧)により駆動される。
ポンプレギュレータ51aとパイロットポンプ53との間の油路53aには、ポンプレギュレータ51aの制御用の電磁比例弁51cが設けられている。電磁比例弁51cは、統合コントローラ7からの制御指令によりポンプレギュレータ51aに入力される圧力信号(パイロット信号圧)を調圧可能となっている。
可変容量ポンプ51は、第1吐出ポートP1と第2吐出ポートP2を有する、いわゆるスプリットフロー型の油圧ポンプである。第1吐出ポートP1から吐出された圧油は、第1センターバイパス油路51dを介して後述する第1走行用方向切換弁55e及びアタッチメント用方向切換弁55dへ供給され、第2吐出ポートP2から吐出された圧油は、第2センターバイパス油路51eを介して後述する第2走行用方向切換弁55f、第3作業機用方向切換弁55c、第2作業機用方向切換弁55b、及び第1作業機用方向切換弁55aへ供給される。本発明において、第1走行用方向切換弁55e及びアタッチメント用方向切換弁55dのうち少なくとも一つが第1方向切換弁に相当し、第2走行用方向切換弁55f、第3作業機用方向切換弁55c、第2作業機用方向切換弁55b、及び第1作業機用方向切換弁55aのうち少なくとも一つが第2方向切換弁に相当する。
第1センターバイパス油路51dの最下流には、第1ネガコン絞り51fが設けられている。第1ネガコン絞り51fは、第1センターバイパス油路51dを流れる圧油の流れを制限して第1ネガコン絞り51fの上流で第1ネガコン圧を発生させる。同様に、第2センターバイパス油路51eの最下流には、第2ネガコン絞り51gが設けられている。第2ネガコン絞り51gは、第2センターバイパス油路51eを流れる圧油の流れを制限して第2ネガコン絞り51gの上流で第2ネガコン圧を発生させる。
第1ネガコン圧力センサ51h(第1ネガコン信号圧検知装置に相当する)は、第1ネガコン圧を検出し、検出した値を電気信号に変換し、電気的な第1ネガコン信号圧として統合コントローラ7に対して出力する。同様に、第2ネガコン圧力センサ51i(第2ネガコン信号圧検知装置に相当する)は、第2ネガコン圧を検出し、検出した値を電気信号に変換し、電気的な第2ネガコン信号圧として統合コントローラ7に対して出力する。
低圧選択弁51jは、第1センターバイパス油路51d及び第2センターバイパス油路51eのそれぞれを流れる圧油のうち低圧の圧油を選択して出力する弁である。低圧選択弁51jは、3つのポート511,512,513を有しており、第1ポート511が第1センターバイパス油路51dに接続され、第2ポート512が第2センターバイパス油路51eに接続されている。第3ポート513は、第3ネガコン圧力センサ51kに接続されている。低圧選択弁51jは、スプール514を摺動させることにより複数のポジションに切り換えることが可能である。スプール514は、第1ネガコン圧及び第2ネガコン圧を互いに抗するように受圧しており、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧の差圧に応じてポジションを変える。
具体的には、スプール514は、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧が同じ場合、スプリングの付勢力により、図2に示す中立位置に保持される。中立位置では、3つのポート511,512,513がすべて連通しており、第3ネガコン圧力センサ51kは、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧の平均相当の圧力を検出する。
一方、第1ネガコン圧が第2ネガコン圧よりも低い場合、スプール514は図2で左方へ移動する。この位置では、第2センターバイパス油路51eが遮断され、第1センターバイパス油路51dが第3ネガコン圧力センサ51kに接続される。これにより、第3ネガコン圧力センサ51kは、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧のうち低圧側の第1ネガコン圧を検出する。また、第2ネガコン圧が第1ネガコン圧よりも低い場合、スプール514は図2で右方へ移動する。この位置では、第1センターバイパス油路51dが遮断され、第2センターバイパス油路51eが第3ネガコン圧力センサ51kに接続される。これにより、第3ネガコン圧力センサ51kは、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧のうち低圧側の第2ネガコン圧を検出する。以上により、第3ネガコン圧力センサ51kは、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧のうち低圧側のネガコン圧を検出し、検出した値を電気信号に変換し、電気的な第3ネガコン信号圧として統合コントローラ7に対して出力する。
第1ネガコンリリーフ弁51mは、第1ネガコン絞り51fと並列に配置されている。第1ネガコンリリーフ弁51mは、第1ネガコン絞り51fの上流側の第1センターバイパス油路51dの圧力が所定のリリーフ圧を超えた場合に、第1センターバイパス油路51dの圧油を油タンクに逃す。これにより、第1ネガコンリリーフ弁51mは、第1ネガコン絞り51fの上流における第1ネガコン圧が予め設定されたリリーフ圧以上になった場合に、圧油を油タンクに排出して第1ネガコン圧をかかるリリーフ圧未満に制御することができる。
同様に、第2ネガコンリリーフ弁51nは、第2ネガコン絞り51gと並列に配置されており、第2ネガコン絞り51gの上流における第2ネガコン圧が予め設定されたリリーフ圧以上になった場合に、圧油を油タンクに排出して第2ネガコン圧をかかるリリーフ圧未満に制御することができる。
固定容量ポンプ52から吐出された圧油は、第3センターバイパス油路52aを介して後述する旋回用方向切換弁55gへと供給される。
油圧アクチュエータ(第1作業機アクチュエータ30a、第2作業機アクチュエータ30b、第3作業機アクチュエータ30c、アタッチメント用モータ30d、第1走行用モータ22a、第2走行用モータ22b、旋回モータ44)には、それぞれ対応する方向切換弁55が設けられ、方向切換弁55は、可変容量ポンプ51及び固定容量ポンプ52から油圧アクチュエータへ圧送する圧油の方向と容量を切り換え可能なパイロット式の方向切換弁である。方向切換弁55は、スプールを摺動させることにより複数のポジションに切り換えることが可能である。方向切換弁55の2つのパイロットポートのいずれにもパイロット信号圧が付与されない場合、スプリングの付勢力により、方向切換弁55は中立位置に保持される。方向切換弁55が中立位置にある場合、圧油は、対応する油圧アクチュエータに供給されず、第1センターバイパス油路51d、第2センターバイパス油路51e、及び第3センターバイパス油路52aを通って油タンクに流れる。一方、方向切換弁55の何れかのパイロットポートにパイロット信号圧が付与された場合、方向切換弁55が中立位置から他のポジションに切り換えられて、圧油は、対応する油圧アクチュエータに供給される。
本実施形態においては、第1作業機アクチュエータ30aに対応する第1作業機用方向切換弁55a、第2作業機アクチュエータ30bに対応する第2作業機用方向切換弁55b、第3作業機アクチュエータ30cに対応する第3作業機用方向切換弁55c、アタッチメント用モータ30dに対応するアタッチメント用方向切換弁55d、第1走行用モータ22aに対応する第1走行用方向切換弁55e、第2走行用モータ22bに対応する第2走行用方向切換弁55f、旋回モータ44に対応する旋回用方向切換弁55gが設けられている。これらの方向切換弁は、まとめてコントロールバルブと呼ばれる。
パイロットポンプ53は、主に方向切換弁55へ入力される指令としてのパイロット油を吐出する。ただし、図2ではパイロットポンプ53から方向切換弁55に至る油路は記載していない。パイロットポンプ53は、エンジン42によって駆動され、圧油を吐出することにより、油路53a内にパイロット信号圧を発生させる。
また、油圧回路5には、操作装置56が接続されている。操作装置56は、例えば第1作業機アクチュエータ30aを操作するためのものである。図2では操作装置56のみ示しているが、その他の作業機アクチュエータを操作するために不図示の操作装置がそれぞれ設けられる。操作装置は、一対の作業操作レバー412,412で構成される。
操作装置56は、第1作業機用方向切換弁55aに供給されるパイロット圧油の向きと圧力を切り換えるための第1作業機用リモコン弁56aを有する。第1作業機用リモコン弁56aには、パイロットポンプ53から吐出された圧油が油路53aを介して供給される。第1作業機用リモコン弁56aは、油路53aから分岐される油路53bに接続される。油路53bの中途部には、開閉弁53cが配置されている。開閉弁53cは、電磁バルブで構成され、ソレノイド53dを備えている。
また、油圧回路5には、カットオフレバー57が接続されている。カットオフレバー57は、上下に回動可能に構成されており、下方に回動操作されると操作装置56の操作による第1作業機アクチュエータ30aの作動が可能の状態となり、上方に回動操作されると操作装置56を操作しても第1作業機アクチュエータ30aが作動しないロック状態となるように構成されている。カットオフレバー57には、カットオフレバー57の回動位置を検知するカットオフスイッチ57aが設けられている。カットオフスイッチ57aは、カットオフレバー57が下方に回動されるとONされ、一方、カットオフレバー57が上方に回動されるとOFFされるように構成されている。
カットオフスイッチ57aは、開閉弁53cのソレノイド53dに接続されている。ソレノイド53dは、カットオフレバー57が下方に回動されてカットオフスイッチ57aがONのとき、通電されて、開閉弁53cを連通状態とする。これにより、パイロットポンプ53からの圧油が開閉弁53cを介して第1作業機用リモコン弁56aへ供給される。一方、カットオフレバー57が上方に回動されると、カットオフスイッチ57aはスプリングの付勢力によりOFFとなり、ソレノイド53dに通電されなくなり、開閉弁53cはスプリングの付勢力により遮断状態となる。これにより、パイロットポンプ53からの圧油が第1作業機用リモコン弁56aへ供給されなくなり、操作装置56を操作しても第1作業機用方向切換弁55aにパイロット圧が付与されないため、第1作業機アクチュエータ30aに圧油が供給されず、第1作業機アクチュエータ30aの操作が制限される。よって、カットオフレバー57は、下方に回動操作されると操作装置56の操作による第1作業機アクチュエータ30aの作動が可能の状態となり、上方に回動操作されると操作装置56を操作しても第1作業機アクチュエータ30aが作動しないロック状態となる。
[制御系の構成]
統合コントローラ7には、第1ネガコン圧力センサ51h、第2ネガコン圧力センサ51i、第3ネガコン圧力センサ51k、エンジンECU42a、及び電磁比例弁51c等が電気的に接続されている。
統合コントローラ7には、第1ネガコン圧力センサ51h、第2ネガコン圧力センサ51i、第3ネガコン圧力センサ51k、エンジンECU42a、及び電磁比例弁51c等が電気的に接続されている。
統合コントローラ7は、電磁比例弁51cに制御指令を発信する。電磁比例弁51cは、統合コントローラ7によって作動制御されており、印加される制御電流値の大きさに応じて、ポンプレギュレータ51aに対するパイロット信号圧を調圧することができる。すなわち、制御指令は、例えば制御電流値である。統合コントローラ7は、第3ネガコン圧力センサ51kから入力された第3ネガコン信号圧に基づいて制御指令を生成する。これにより、統合コントローラ7は、第3ネガコン信号圧に基づき可変容量ポンプ51の吐出量を制御することができ、ネガティブコントロール制御部として機能する。なお、ポンプレギュレータ51aに第3ネガコン圧を直接入力することでネガティブコントロール制御をすることもできる。
また、統合コントローラ7は、第1判定部71と、第2判定部72と、故障判定部73とを備える。
第1判定部71は、エンジン42の回転数に基づき演算された可変容量ポンプ51の理論ポンプ流量と、第3ネガコン信号圧に基づき演算された可変容量ポンプ51の実ポンプ流量とに基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う。
第1判定部71は、理論ポンプ流量演算部71aを備えている。理論ポンプ流量演算部71aは、エンジン42の回転数に基づき可変容量ポンプ51の理論ポンプ流量Qpを演算する。具体的には、理論ポンプ流量Qpは、下記の式(1)で求められる。なお、qはポンプ容量を表し、Nはエンジン42の回転数を表す。エンジン42の回転数Nは、エンジン42に設けられたエンジン回転数センサ42bにより計測され、エンジンECU42aを介して第1判定部71に入力される。
第1判定部71は、実ポンプ流量演算部71bを備えている。実ポンプ流量演算部71bは、第3ネガコン信号圧に基づき可変容量ポンプ51の実ポンプ流量Qaを演算する。具体的には、実ポンプ流量Qaは、下記の式(2)で求められる。なお、aは第1ネガコン絞り51f又は第2ネガコン絞り51gの開口面積(第1ネガコン絞り51fの開口面積と第2ネガコン絞り51gの開口面積は等しい)を表し、cは補正係数を表し、ΔPは第3ネガコン圧を表す。第3ネガコン圧は第3ネガコン信号圧から計算される。なお、ΔPとして、ポンプレギュレータ51aに入力される圧油の圧力をセンサで測定して、その測定値から計算してもよい。
第1判定部71は、理論ポンプ流量Qpと実ポンプ流量Qaとに基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う。具体的には、第1判定部71は、実ポンプ流量Qaと理論ポンプ流量Qpとの比であるポンプ容積効率ηv(=Qa/Qp)が第1閾値η1より小さい場合、可変容量ポンプ51が故障であると判定する。第1判定部71は、ポンプ容積効率ηvが第1閾値η1以上である場合、可変容量ポンプ51が正常であると判定する。
第2判定部72は、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分Dに基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う。可変容量ポンプ51が正常であれば、第1吐出ポートP1からの吐出量と第2吐出ポートP2からの吐出量は同じであり、また、第1ネガコン絞り51fの開口面積と第2ネガコン絞り51gの開口面積は同じであるため、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧は略同じである。第2判定部72は、差分Dが第2閾値η2より大きい場合、可変容量ポンプ51が故障であると判定する。第2判定部72は、差分Dが第2閾値η2以下である場合、可変容量ポンプ51が正常であると判定する。
故障判定部73は、第1判定部71と第2判定部72の判定が何れも故障である場合に可変容量ポンプ51が故障であると判定する。このように実ポンプ流量Qaと理論ポンプ流量Qpとの比較、及び第1吐出ポートP1の第1ネガコン信号圧と第2吐出ポートP2の第2ネガコン信号圧との比較という2つの判定要素に基づき可変容量ポンプ51の故障を総合的に判定するため、精度よく故障の判定を行うことができる。また、可変容量ポンプ51の流量制御のためのネガコン信号圧に基づき故障判定を行うため、別途流量センサ等を設ける必要がなく、コスト上昇を抑えることができる。
以上のように、本実施形態に係る油圧ショベル1は、エンジン42と、エンジン42によって駆動される第1吐出ポートP1及び第2吐出ポートP2を有するスプリットフロー型の可変容量ポンプ51と、第1吐出ポートP1から吐出された圧油の流量及び方向を制御する第1方向切換弁(第1走行用方向切換弁55e及びアタッチメント用方向切換弁55dのうち少なくとも一つ)と、前記第1方向切換弁が中立位置のときに油タンクに連通する第1センターバイパス油路51dと、第1センターバイパス油路51dの最下流に配置された第1ネガコン絞り51fの上流の圧力を第1ネガコン信号圧として検知する第1ネガコン圧力センサ51hと、第2吐出ポートP2から吐出された圧油の流量及び方向を制御する第2方向切換弁(第2走行用方向切換弁55f、第3作業機用方向切換弁55c、第2作業機用方向切換弁55b、及び第1作業機用方向切換弁55aのうち少なくとも一つ)と、前記第2方向切換弁が中立位置のときに油タンクに連通する第2センターバイパス油路51eと、第2センターバイパス油路51eの最下流に配置された第2ネガコン絞り51gの上流の圧力を第2ネガコン信号圧として検知する第2ネガコン圧力センサ51iと、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧のうち小さいほうの信号圧を第3ネガコン信号圧とし、前記第3ネガコン信号圧に基づき可変容量ポンプ51の吐出量を制御する統合コントローラ7と、を備え、
エンジン42の回転数に基づき演算された可変容量ポンプ51の理論ポンプ流量Qpと、第3ネガコン信号圧に基づき演算された可変容量ポンプ51の実ポンプ流量Qaとに基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う第1判定部71と、
第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分に基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う第2判定部72と、
第1判定部71と第2判定部72の判定が何れも故障である場合に可変容量ポンプ51が故障であると判定する故障判定部73と、を備える。
エンジン42の回転数に基づき演算された可変容量ポンプ51の理論ポンプ流量Qpと、第3ネガコン信号圧に基づき演算された可変容量ポンプ51の実ポンプ流量Qaとに基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う第1判定部71と、
第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分に基づいて可変容量ポンプ51の故障判定を行う第2判定部72と、
第1判定部71と第2判定部72の判定が何れも故障である場合に可変容量ポンプ51が故障であると判定する故障判定部73と、を備える。
この構成によれば、ネガティブコントロール方式により制御されるスプリットフロー型の可変容量ポンプ51において、実ポンプ流量Qaと理論ポンプ流量Qpとの比較、及び第1吐出ポートP1の第1ネガコン信号圧と第2吐出ポートP2の第2ネガコン信号圧との比較という2つの判定要素に基づき可変容量ポンプ51の最終的な故障判定を行うため、精度よく故障の判定を行うことができる。また、可変容量ポンプ51の流量制御のためのネガコン信号圧に基づき故障判定を行うため、別途流量センサ等を設ける必要がなく、コスト上昇を抑えることができる。
図4に示すように、油圧ショベル1は、故障診断モード選択装置74を備えるようにしてもよい。故障診断モード選択装置74は、統合コントローラ7に電気的に接続されている。故障診断モード選択装置74は、可変容量ポンプ51の故障の有無を診断する故障診断モードを選択するものであり、例えばモニタに表示された故障診断モード開始アイコンである。作業者によって故障診断モードが選択されると、カットオフレバー57が上方に回動されていること、すなわちカットオフスイッチ57aがOFFとなっていることを条件に、故障診断モードが開始される。
統合コントローラ7は、故障診断モード指示部75(目標回転数設定装置に相当する)を備えており、故障診断モード指示部75は、故障診断モードの選択信号をトリガーとして、エンジンECU42aに対してエンジン42の目標回転数を故障診断モード用の目標回転数に設定する指令を出力する。故障診断モード用の目標回転数は、故障診断に適したエンジン回転数であり、第1ネガコン圧及び第2ネガコン圧が第1ネガコンリリーフ弁51m及び第2ネガコンリリーフ弁51nで設定されたリリーフ圧を超えないように設定される。エンジンECU42aは、エンジン回転数が故障診断モード用の目標回転数となるようにエンジン42を制御する。このとき、第1判定部71の理論ポンプ流量演算部71aは、故障診断モード用の目標回転数に基づき可変容量ポンプ51の理論ポンプ流量Qpを演算することとなる。故障判定部73による最終的な故障判定結果は、モニタ76に出力され、作業者はモニタ76に表示された故障判定結果を確認することができる。なお、モニタ76は、故障診断モード選択装置74としての故障診断モード開始アイコンが表示されるモニタと同じであっても異なっていてもよい。
以上のように、油圧ショベル1は、故障判定部73の判定結果を出力する故障診断モードを選択することができる故障診断モード選択装置74と、エンジン42の目標回転数を設定する故障診断モード指示部75と、を備え、前記故障診断モードが選択されると、前記目標回転数が、故障診断モード用の目標回転数に設定されるようにしてもよい。この構成によれば、故障診断に最適なエンジン回転数に設定され、かつ作業機アクチュエータがロックされていることにより、可変容量ポンプ51の吐出量が故障診断に最適な安定した流量となり、精度の高い故障診断結果が得られる。
図5に示すように、油圧ショベル1は、第1ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置77a及び第2ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置77bを備えるようにしてもよい。第1ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置77aは、第1ネガコンリリーフ弁51mと電気的に接続されており、第1ネガコンリリーフ弁51mのリリーフ圧を設定することができる。第2ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置77bは、第2ネガコンリリーフ弁51nと電気的に接続されており、第2ネガコンリリーフ弁51nのリリーフ圧を設定することができる。
作業者によって故障診断モードが選択されると、故障診断モード指示部75は、第1ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置77a及び第2ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置77bに対し、第1ネガコンリリーフ弁51m及び第2ネガコンリリーフ弁51nのリリーフ設定圧を第1設定圧SP1から第1設定圧SP1より高い第2設定圧SP2に変更する指令を出力する。故障診断モード選択時に、第1ネガコン圧及び第2ネガコン圧の上限を規定するリリーフ設定圧を高くすることで、第1ネガコン信号圧及び第2ネガコン信号圧の絶対値を大きくすることができるため、故障判定の精度を上げることができる。
油圧ショベル1は、故障診断モード選択喚起装置78(報知装置に相当する)をさらに備えるようにしてもよい。故障診断モード選択喚起装置78は、故障診断モードが選択されていない時に故障判定部73が可変容量ポンプ51が故障であると判定すると、故障診断モードを選択することを促す報知を行う。故障診断モード選択喚起装置78は、例えばモニタ上の故障診断モード開始アイコンを点滅させることにより作業者に故障診断モードを選択することを促す。油圧ショベル1の作動中に故障判定部73により所定の精度で故障判定を行い、故障の可能性がある場合に、精度の高い故障診断モードによる診断を行うことで精度の高い診断を最適なタイミングで行うことができる。
以上のように、油圧ショベル1は、第1センターバイパス油路51dに第1ネガコン絞り51fと並列に配置された第1ネガコンリリーフ弁51mと、第2センターバイパス油路51eに第2ネガコン絞り51gと並列に配置された第2ネガコンリリーフ弁51nと、を備え、前記故障診断モードが選択されると、第1ネガコンリリーフ弁51mと第2ネガコンリリーフ弁51nのリリーフ設定圧が、第1設定圧SP1から第1設定圧SP1より高い第2設定圧SP2に変更されるようにしてもよい。この構成によれば、故障診断モード選択時に、第1ネガコン圧及び第2ネガコン圧の上限を規定するリリーフ設定圧を高くすることで、第1ネガコン信号圧及び第2ネガコン信号圧の絶対値を大きくすることができるため、故障判定の精度を上げることができる。
また、油圧ショベル1は、前記故障診断モードが選択されていない時に故障判定部73が可変容量ポンプ51が故障であると判定すると、前記故障診断モードを選択することを促す報知を行う故障診断モード選択喚起装置78を備えるようにしてもよい。この構成によれば、油圧ショベル1の作動中に故障判定部73により所定の精度で故障判定を行い、故障の可能性がある場合に、精度の高い故障診断モードによる診断を行うことで精度の高い診断を最適なタイミングで行うことができる。
また、図6に示すように、故障診断モードが選択されると、故障診断モード指示部75は、第1判定部71に対してポンプ容積効率ηvの閾値を第1閾値η1から第1閾値η1より大きい第3閾値η3に変更する指令を出力し、第2判定部72に対して第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分Dの閾値を第2閾値η2から第2閾値η2より小さい第4閾値η4に変更する指令を出力するようにしてもよい。故障判定を行うための閾値を最適値に変更することで、より精度の高い故障判定を行うことができる。
図7は、故障診断の手順の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、第1判定部71は、ポンプ容積効率ηvが第1閾値η1より小さいか否かを判定する。ポンプ容積効率ηvが第1閾値η1より小さい場合、第1判定部71により可変容量ポンプ51が故障であると判定され、ステップS2に進む。一方、ポンプ容積効率ηvが第1閾値η1以上である場合、ステップS1を繰り返す。
次いで、ステップS2において、第2判定部72は、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分Dが第2閾値η2より大きいか否かを判定する。差分Dが第2閾値η2より大きい場合、第2判定部72により可変容量ポンプ51が故障であると判定され、その結果、故障判定部73により可変容量ポンプ51が故障であると判定され、ステップS3に進む。一方、差分Dが第2閾値η2以下である場合、ステップS1に戻る。
ステップS3において、モニタに表示された故障診断モード開始アイコンが点滅する。次いで、ステップS4において、カットオフレバー57を上方に回動させると、ステップS5に進む。
ステップS5において、故障診断モード開始アイコンが選択されると、ステップS6において故障診断モードが開始する。
故障診断モードが選択され、故障診断モードが開始すると、ステップS7において、ポンプ容積効率ηvの閾値を第1閾値η1から第3閾値η3に変更し、ステップS8において、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分Dの閾値を第2閾値η2から第4閾値η4に変更する。
次いで、ステップS9において、第1判定部71は、ポンプ容積効率ηvが第3閾値η3より小さいか否かを判定する。ポンプ容積効率ηvが第3閾値η3より小さい場合、第1判定部71により可変容量ポンプ51が故障であると判定され、ステップS10に進む。一方、ポンプ容積効率ηvが第3閾値η3以上である場合、可変容量ポンプ51が正常であると判定され、ステップS12に進み、可変容量ポンプ51の故障無しの旨がモニタに表示される。
次いで、ステップS10において、第2判定部72は、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分Dが第4閾値η4より大きいか否かを判定する。差分Dが第4閾値η4より大きい場合、第2判定部72により可変容量ポンプ51が故障であると判定され、その結果、故障判定部73により可変容量ポンプ51が故障であると判定され、ステップS11に進み、可変容量ポンプ51の故障有りの旨がモニタに表示される。一方、差分Dが第4閾値η4以下である場合、可変容量ポンプ51が正常であると判定され、ステップS12に進み、可変容量ポンプ51の故障無しの旨がモニタに表示される。
以上のように、第1判定部71は、実ポンプ流量Qaと理論ポンプ流量Qpとの比であるポンプ容積効率ηvが第1閾値η1より小さい場合に故障であると判定し、第2判定部72は、第1ネガコン信号圧と第2ネガコン信号圧の差分Dが第2閾値η2より大きい場合に故障であると判定し、前記故障診断モードが選択されると、第1閾値η1が第1閾値η1より大きい第3閾値η3に変更され、第2閾値η2が第2閾値η2より小さい第4閾値η4に変更されるようにしてもよい。この構成によれば、故障診断のために最も適した状態に油圧ショベル1の状態を設定することから、故障判定を行うための閾値を最適値に変更することができ、より精度の高い故障判定を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
[他の実施形態]
上記の実施形態では、低圧選択弁51jを用いて第1ネガコン圧と第2ネガコン圧のうち低圧側のネガコン圧を選択して、選択されたネガコン圧を第3ネガコン圧力センサ51kが検出して第3ネガコン信号圧に変換しているが、これに限定されない。例えば、統合コントローラ7が、第1ネガコン圧力センサ51hから入力された第1ネガコン信号圧と第2ネガコン圧力センサ51iから入力された第2ネガコン信号圧とを比較することにより、低圧側のネガコン信号圧を選択して第3ネガコン信号圧としてもよい。
上記の実施形態では、低圧選択弁51jを用いて第1ネガコン圧と第2ネガコン圧のうち低圧側のネガコン圧を選択して、選択されたネガコン圧を第3ネガコン圧力センサ51kが検出して第3ネガコン信号圧に変換しているが、これに限定されない。例えば、統合コントローラ7が、第1ネガコン圧力センサ51hから入力された第1ネガコン信号圧と第2ネガコン圧力センサ51iから入力された第2ネガコン信号圧とを比較することにより、低圧側のネガコン信号圧を選択して第3ネガコン信号圧としてもよい。
1 :油圧ショベル
5 :油圧回路
7 :統合コントローラ
42 :エンジン
51 :可変容量ポンプ
51a :ポンプレギュレータ
51d :第1センターバイパス油路
51e :第2センターバイパス油路
51f :第1ネガコン絞り
51g :第2ネガコン絞り
51h :第1ネガコン圧力センサ
51i :第2ネガコン圧力センサ
51j :低圧選択弁
51k :第3ネガコン圧力センサ
51m :第1ネガコンリリーフ弁
51n :第2ネガコンリリーフ弁
55 :方向切換弁
57 :カットオフレバー
57a :カットオフスイッチ
71 :第1判定部
71a :理論ポンプ流量演算部
71b :実ポンプ流量演算部
72 :第2判定部
73 :故障判定部
74 :故障診断モード選択装置
75 :故障診断モード指示部
76 :モニタ
77a :第1ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置
77b :第2ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置
78 :故障診断モード選択喚起装置
P1 :第1吐出ポート
P2 :第2吐出ポート
5 :油圧回路
7 :統合コントローラ
42 :エンジン
51 :可変容量ポンプ
51a :ポンプレギュレータ
51d :第1センターバイパス油路
51e :第2センターバイパス油路
51f :第1ネガコン絞り
51g :第2ネガコン絞り
51h :第1ネガコン圧力センサ
51i :第2ネガコン圧力センサ
51j :低圧選択弁
51k :第3ネガコン圧力センサ
51m :第1ネガコンリリーフ弁
51n :第2ネガコンリリーフ弁
55 :方向切換弁
57 :カットオフレバー
57a :カットオフスイッチ
71 :第1判定部
71a :理論ポンプ流量演算部
71b :実ポンプ流量演算部
72 :第2判定部
73 :故障判定部
74 :故障診断モード選択装置
75 :故障診断モード指示部
76 :モニタ
77a :第1ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置
77b :第2ネガコンリリーフ弁設定圧設定装置
78 :故障診断モード選択喚起装置
P1 :第1吐出ポート
P2 :第2吐出ポート
Claims (5)
- 原動機と、前記原動機によって駆動される第1吐出ポート及び第2吐出ポートを有するスプリットフロー型の可変容量ポンプと、前記第1吐出ポートから吐出された圧油の流量及び方向を制御する第1方向切換弁と、前記第1方向切換弁が中立位置のときに油タンクに連通する第1センターバイパス油路と、前記第1センターバイパス油路の最下流に配置された第1ネガコン絞りの上流の圧力を第1ネガコン信号圧として検知する第1ネガコン信号圧検知装置と、前記第2吐出ポートから吐出された圧油の流量及び方向を制御する第2方向切換弁と、前記第2方向切換弁が中立位置のときに油タンクに連通する第2センターバイパス油路と、前記第2センターバイパス油路の最下流に配置された第2ネガコン絞りの上流の圧力を第2ネガコン信号圧として検知する第2ネガコン信号圧検知装置と、前記第1ネガコン信号圧と前記第2ネガコン信号圧のうち小さいほうの信号圧を第3ネガコン信号圧とし、前記第3ネガコン信号圧に基づき前記可変容量ポンプの吐出量を制御するネガティブコントロール制御部と、を備え、
前記原動機の回転数に基づき演算された前記可変容量ポンプの理論ポンプ流量と、前記第3ネガコン信号圧に基づき演算された前記可変容量ポンプの実ポンプ流量とに基づいて前記可変容量ポンプの故障判定を行う第1判定部と、
前記第1ネガコン信号圧と前記第2ネガコン信号圧の差分に基づいて前記可変容量ポンプの故障判定を行う第2判定部と、
前記第1判定部と前記第2判定部の判定が何れも故障である場合に前記可変容量ポンプが故障であると判定する故障判定部と、を備える、建設機械。 - 前記故障判定部の判定結果を出力する故障診断モードを選択することができる故障診断モード選択装置と、前記原動機の目標回転数を設定する目標回転数設定装置と、を備え、
前記故障診断モードが選択されると、前記目標回転数が、故障診断モード用の目標回転数に設定される、請求項1に記載の建設機械。 - 前記第1センターバイパス油路に前記第1ネガコン絞りと並列に配置された第1ネガコンリリーフ弁と、前記第2センターバイパス油路に前記第2ネガコン絞りと並列に配置された第2ネガコンリリーフ弁と、を備え、
前記故障診断モードが選択されると、前記第1ネガコンリリーフ弁と前記第2ネガコンリリーフ弁のリリーフ設定圧が、第1設定圧から前記第1設定圧より高い第2設定圧に変更される、請求項2に記載の建設機械。 - 前記故障診断モードが選択されていない時に前記故障判定部が前記可変容量ポンプが故障であると判定すると、前記故障診断モードを選択することを促す報知を行う報知装置を備える、請求項2又は3に記載の建設機械。
- 前記第1判定部は、前記実ポンプ流量と前記理論ポンプ流量との比であるポンプ容積効率が第1閾値より小さい場合に故障であると判定し、前記第2判定部は、前記差分が第2閾値より大きい場合に故障であると判定し、前記故障診断モードが選択されると、前記第1閾値が前記第1閾値より大きい第3閾値に変更され、前記第2閾値が前記第2閾値より小さい第4閾値に変更される、請求項4に記載の建設機械。
Priority Applications (1)
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JP2019227197A JP2021095728A (ja) | 2019-12-17 | 2019-12-17 | 建設機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019227197A JP2021095728A (ja) | 2019-12-17 | 2019-12-17 | 建設機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021095728A true JP2021095728A (ja) | 2021-06-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019227197A Pending JP2021095728A (ja) | 2019-12-17 | 2019-12-17 | 建設機械 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021095728A (ja) |
-
2019
- 2019-12-17 JP JP2019227197A patent/JP2021095728A/ja active Pending
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