以下、本発明の一実施形態に係る二重サッシについて、図1から図12に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る二重サッシを屋内側から見た正面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図1のB−B線断面図である。
図1から図3に示すように、二重サッシ100は、建築物の壁部Wの開口部Pに設けられ、屋外側に配置された外窓1と、屋内側に配置された内窓4と、を備えている。
なお、以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向と称する。また、屋内外方向と直交する方向のうち水平方向に沿う方向を左右方向と称する。また、屋内側から見て左側、右側を、それぞれ左側、右側と称する。
図2及び図3に示すように、外窓1は、開口部Pに設けられ四角形枠状に形成された枠体10と、枠体10に対して左右方向にスライド可能に設けられた外障子20A、内障子20B及び網戸30と、を有している。外窓1は、いわゆる引違いサッシである。
枠体10は、左右方向に延在する上枠11及び下枠12と、上枠11の両端部と下枠12の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する縦枠13と、を有している。本実施形態では、枠体10は、アルミ製の押出成形部材で構成されている。
外障子20Aは枠体10の屋外側に設けられ、内障子20Bは枠体10の屋内側に設けられている。外障子20A及び内障子20Bが閉じた状態で、外障子20A及び内障子20Bが枠体10内を閉塞するように配置されている。外障子20A及び内障子20Bは、それぞれ四方枠状に形成された框体21と、框体21内に納められたガラス29と、を有している。
各框体21は、左右方向に延在する上框22及び下框23と、上框22の両端部と下框23の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する戸先框24及び召合せ框25と、を有している。本実施形態では、框体21は、アルミ製の押出成形部材で構成されている。
各框22,23,24,25においてガラス29側を向く各端面(内周面)には、外方に向かって凹むガラス保持溝27が形成されている。ガラス保持溝27内には、ガラス29の周縁部が嵌め込まれている。
外障子20Aと内障子20Bとは、互いの召合せ框25に設けられたクレセント錠(不図示)をロックすることによりスライド移動がロックされ、クレセント錠を解除することによりスライド移動が可能となるように構成されている。
網戸30は、四方枠状に形成された網戸框体31と、網戸框体31内に設けられた網戸本体39とを有している。網戸框体31は、左右方向に延在する網戸上框32及び網戸下框33と、網戸上框32の両端部と網戸下框33の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する網戸縦框34と、を有している。
図1に示すように、内窓4は、開口部Pの上縁部に沿って設けられた換気ユニット6と、四角形枠状に形成された枠体40と、枠体40に対して左右方向にスライド可能に設けられた外障子50A及び内障子50Bと、を有している。内窓4は、いわゆる引違いサッシである。
図2及び図3に示すように、枠体40は、左右方向に延在する上枠41及び下枠42と、上枠41の両端部と下枠42の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する縦枠43と、を有している。本実施形態では、枠体40は、合成樹脂製の押出成形部材で構成されている。
外障子50Aは枠体40の屋外側に設けられ、内障子50Bは枠体40の屋内側に設けられている。外障子50A及び内障子50Bが閉じた状態で、外障子50A及び内障子50Bが枠体40内を閉塞するように配置されている。外障子50A及び内障子50Bは、それぞれ四方枠状に形成された框体51と、框体51内に納められたガラス59と、を有している。
各框体51は、左右方向に延在する上框52及び下框53と、上框52の両端部と下框53の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する戸先框54及び召合せ框55と、を有している。本実施形態では、框体51は、合成樹脂製の押出成形部材で構成されている。
図2及び図3に示すように、各框52,53,54,55においてガラス59側を向く各端面(内周面)には、外方に向かって凹むガラス保持溝57が形成されている。ガラス保持溝57内には、ガラス59の周縁部が嵌め込まれている。
外障子50Aと内障子50Bとは、互いの召合せ框55に設けられたクレセント錠550(図1参照。以下同じ。)をロックすることによりスライド移動がロックされ、クレセント錠550を解除することによりスライド移動が可能となるように構成されている。
次に、各部の構成について詳細に説明する。
まず、外窓1の上枠11について説明する。
図4は、図2のC部拡大図である。
図4に示すように、上枠11は、上枠板部111と、上枠板部111から下方に延びる網戸突出枠壁部112、屋外側突出枠壁部113、屋内側突出枠壁部114及び下向き枠壁部115と、を有している。網戸突出枠壁部112、屋外側突出枠壁部113、屋内側突出枠壁部114、下向き枠壁部115は、この順に屋外側から屋内側に向かって配置されている。
上枠板部111は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。上枠板部111は、建築物の躯体Qに螺子等で固定されている。
網戸突出枠壁部112、屋外側突出枠壁部113、屋内側突出枠壁部114及び下向き枠壁部115は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。
下向き枠壁部115の下端部には、屋内側に向けて延びる取付壁部116が設けられている。取付壁部116は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。取付壁部116は、開口部Pの上端に設けられた上額縁Rの下面に螺子等で固定されている。
次に、外窓1の外障子20Aの上框22について説明する。
上框22は、屋外側に配置される上外板部221と、屋内側に配置される上内板部222と、上外板部221と上内板部222とを連結する上連結板部223と、を有している。
上外板部221及び上内板部222は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。
上連結板部223は、上外板部221の上下方向の中間と上内板部222の上下方向の中間とを連結している。
上外板部221の上部には、屋内側に向かって延びる一対の延出壁部226,227が設けられている。一対の延出壁部226,227は、上下方向に間隔を有して配置されている。延出壁部226は、延出壁部227の上方に配置されている。
延出壁部226の屋内側の端部には、下方に延びる下向き係止片226aが設けられている。延出壁部227の屋内側の端部には、上方に延びる上向き係止片227aが設けられている。
上外板部221の上端部には、気密材229が設けられている。気密材229は、上外板部221及び延出壁部226,227で囲まれた空間内に設けられる固定部229aと、固定部229aから屋内側に延びる気密片229bと、を有している。気密片229bの屋内側の端部は、上枠11の屋外側突出枠壁部113の屋外側の面に当接している。上内板部222には、気密材が設けられていない。
外窓1の内障子20Bの上框22の構成は、外障子20Aの上框22の構成と同様であり、同様に構成については同一の符号を付して説明を省略する。外窓1の内障子20Bにも、気密材229が設けられている。内障子20Bに設けられた気密片229bの屋内側の端部は、上枠11の屋内側突出枠壁部114の屋外側の面に当接している。内障子20Bの上内板部222には、気密材が設けられていない。
次に、外窓1の外障子20Aの戸先框24(図3参照。以下同じ。)及び召合せ框25(図3参照。以下同じ。)に設けられた振れ止め部材224について説明する。
図3に示すように、戸先框24及び召合せ框25には、それぞれ内部に上下方向全体にわたって框空間部T1が形成されている。框空間部T1の上端部には、それぞれ振れ止め部材224(図4参照)が挿入配置されている。
図4に示すように、各振れ止め部材224は、框空間部T1(図3参照。以下同じ。)内で屋外側に配置された屋外側振れ止め部224aと、框空間部T1内で屋内側に配置された屋内側振れ止め部224cと、屋外側振れ止め部224aの下端部と屋内側振れ止め部224cの下端部とを連結する下部振れ止め部224bと、を有している。屋外側振れ止め部224a、屋内側振れ止め部224c及び下部振れ止め部224bは、一体として形成されている。屋外側振れ止め部224aと屋内側振れ止め部224cとの間に、上枠11の屋外側突出枠壁部113が配置されている。屋外側振れ止め部224aと屋内側振れ止め部224cとで屋外側突出枠壁部113を屋内外方向に挟み込むことで、外障子20Aの屋内外方向の移動が規制されている。
次に、外窓1の内障子20Bの戸先框24及び召合せ框25に設けられた振れ止め部材225について説明する。
各振れ止め部材225は、框空間部T1内で屋外側に配置された屋外側振れ止め部225aと、框空間部T1内で屋内側に配置された屋内側振れ止め部225cと、屋外側振れ止め部225aの下端部と屋内側振れ止め部225cの下端部とを連結する下部振れ止め部(不図示)と、を有している。屋外側振れ止め部225a、屋内側振れ止め部225c及び下部振れ止め部は、一体として形成されている。屋外側振れ止め部225aと屋内側振れ止め部225cとの間に、上枠11の屋内側突出枠壁部114が配置されている。屋外側振れ止め部225aと屋内側振れ止め部225cとで屋内側突出枠壁部114を屋内外方向に挟み込むことで、内障子20Bの屋内外方向の移動が規制されている。
次に、外窓1の網戸縦框34(図3参照。以下同じ。)について説明する。
網戸縦框34の上端部には、上端部から下方に向かって凹む係合溝321が形成された網戸振れ止め部322が設けられている。係合溝321内に、外窓1の上枠11の網戸突出枠壁部112が配置され、網戸30の屋内外方向の移動が規制されている。
次に、内窓4の換気ユニット6について説明する。
図5は、図2のD部拡大図である。図6は、二重サッシ100の第二換気部の構成を示し、図5の上部に相当する図である。
図5及び図6に示すように、換気ユニット6は、開口部Pに設けられる上額縁(開口部の上縁部)Rと、上額縁Rの下方に設けられる上枠41との間の隙間R1に設置されている。換気ユニット6は、開口部Pの左右方向の略全長に設置されている。換気ユニット6は、換気機構(設置体)60と、カバー体70と、を有している。
換気機構60は、上フレーム(上部材)61と、下フレーム(下部材)62と、方立(連結部材)63と、第一回動弁体64(図5参照。)と、第二回動弁体66(図6参照。)と、を有している。上フレーム61、下フレーム62、方立63、第一回動弁体64及び第二回動弁体66は、アルミニウム等の金属部材で構成されている。
図5に示すように、上フレーム61は、上額縁部Rの下面に沿って配置され、上額縁Rの左右方向にわたって設けられている。
図7は、換気機構60の構成を示す分解斜視図である。
図7に示すように、上フレーム61は、上額縁R(図5参照。以下同じ。)の下面に沿って配置される上フレーム板部611を有している。上フレーム板部611は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。図5に示すように、上フレーム板部611は、下方から上額縁Rに螺子(上側固定螺子)612で螺合されている。螺子612のねじ頭は、後述する方立63で覆われている。
図7に示すように、上フレーム板部611の上面には、上方に突出する上向き片613が、屋内外方向に間隔を有して複数設けられている。上向き片613は、上フレーム板部611の屋内側の端部、屋外側の端部及び屋内外方向の中間に複数箇所設けられている。
上フレーム板部611の屋外側の端部には、下方に突出する下向き片614が設けられている。上フレーム板部611の屋外側の端部では、上向き片613と下向き片614とが上下方向に連続して形成されている。
上フレーム板部611の下面には、下方に突出する下向き壁部616,617が屋内側方向に間隔を有して一対設けられている。下向き壁部616は、下向き壁部617よりも屋外側に配置されている。
下向き壁部616の下端部には、屋内側に向かって延びる係止壁部618が設けられている。下向き壁部617の下端部には、屋外側に向かって延びる係止壁部619が設けられている。
上フレーム板部611には、上下方向に貫通する複数の取付孔611a,611bが形成されている。取付孔611a,611bは、この順に屋外側から屋内側に向かって配置されている。
図5に示すように、下フレーム62は、上枠41の上面に沿って配置され、上枠41の左右方向にわたって設けられている。
図7に示すように、下フレーム62は、上枠41(図5参照。以下同じ。)の上面に沿って配置される下フレーム板部621を有している。下フレーム板部621は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。
図8は、換気機構60の下部の構成を示す分解斜視図である。なお、図8において、第一回動弁体64及び第二回動弁体66の図示を省略している。
図8に示すように、下フレーム板部621の上面には、上方に突出する上向きリブ622が、左右方向に間隔を有して複数設けられている。上向きリブ622は、下フレーム板部621と一体として設けられている。
各上向きリブ622は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。複数の上向きリブ622は、鉛直方向且つ左右方向に沿う同一平面上に配置されている。隣り合う上向きリブ622の間には、詳細については後述する方立63及びシート材629が配置される。
下フレーム板部621の下面には、下方に突出する下向き片623が、屋内外方向に間隔を有して複数設けられている。下向き片623は、下フレーム板部621の屋内側の端部、屋外側の端部及び屋内外方向の中間に複数箇所設けられている。
下フレーム板部621の屋外側の端部には、上方に突出する上向き片624が設けられている。下フレーム板部621の屋外側の端部では、下向き片623と上向き片624とが上下方向に連続して形成されている。
下フレーム板部621には、上下方向に貫通する複数の取付孔621a、作業用孔(貫通孔)621b及び取付孔621cが形成されている。取付孔621a、作業用孔621b及び取付孔621cは、この順に屋外側から屋内側に向かって配置されている。
作業用孔621bは、取付孔621a,621cよりも大きく形成されている。作業用孔621bは、上フレーム61を上額縁Rに取り付けるための螺子612(図5参照。以下同じ。)を直上に挿通させるためのものである。
下フレーム板部621の上面において、上向きリブ622間には、シート材629が設けられている。
シート材629は、後述する方立63の空間部R2に対応した平面形状をなしている。シート材は、シーラー等の止水性、気密性が高い材料(止水材)が採用されている。
シート材629には、上下方向に貫通する取付孔629a、貫通孔629b及び取付孔629cが形成されている。取付孔629a、貫通孔629b及び取付孔629cは、この順に屋外側から屋内側に向かって配置されている。
貫通孔629bは、平面視矩形状に形成されている。貫通孔629bは、上フレーム61を上額縁Rに取り付けるための螺子612を直上に挿通させるとともに、螺子439の先端部を挿通させるためのものである。
方立63は、シート材629の上面に設けられている。方立63は、角筒状に形成された角筒状部631を有している。方立63の内部には、上下方向に貫通する空間部R2が形成されている。
図9は、図5のE−E線断面図であり、換気ユニット6の構成を示している。図10は、図9のF矢視図である。
図9及び図10に示すように、方立63は、下フレーム62の左右方向に間隔を有して複数設けられている。方立63は、隣り合う第一回動弁体64と第二回動弁体66とを区画するように配置されている。方立63は、下フレーム62に左右方向に間隔を有して配置された上向きリブ622の間に配置されている。本実施形態では、方立63は、下フレーム62の左右方向の両端部及び左右方向の中間に2箇所の4箇所に設けられている。
図8に示すように、角筒状部631は、左右方向に対向配置された一対の側壁部632と、屋内外方向に対向配置された一対の前後壁部633と、を有している。
各側壁部632の外面には、対向する側壁部632側と反対側(側方)に向かって突出する側方リブ634が設けられている。側方リブ634は、側壁部632と一体として設けられている。
図7に示すように、側方リブ634は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。側方リブ634は、上向きリブ622の左右方向の端部の上方に当接配置されている。なお、側方リブの左右方向の端部に、上向きリブの左右方向の端部が当接するように構成されていてもよい。
前後壁部633の内面には、対向する前後壁部633側に向かって突出するように螺子螺合部639が設けられている。
図8に示すように、下フレーム62の取付孔621a,621cにそれぞれ挿通された螺子621d,621eは、方立63の螺子螺合部639の下部に螺合されている。
図7に示すように、上フレーム61の取付孔611a,611bにそれぞれ挿通された螺子611c,611dは、方立63の螺子螺合部639の上部に螺合されている。
図8に示すように、後述する下枠42の取付孔(挿通孔)436に挿通された螺子(下側固定螺子、ドリル螺子)439は、下フレーム62の下フレーム板部621に螺合されている。螺子439はシート材629の貫通孔629bを貫通して、先端部が方立63の空間部R2に挿入配置されている。換言すると、平面視で、螺子439は、方立63の空間部R2と重なって配置されている。
図5に示すように、方立63の前後壁部633の上部に沿って、上フレーム61の下向き片614が設けられている。方立63の前後壁部633の下部に沿って、下フレーム62の上向き片624が設けられている。換言すると、上フレーム61及び下フレーム62に対して、方立63及びシート材629(図8参照)は屋外側寄りに配置されている。
図9及び図10に示すように、第一回動弁体64は、上フレーム61及び下フレーム62の左右方向の中間に配置された2箇所の方立63A間に配置されている。第二回動弁体66は、上フレーム61及び下フレーム62の左右方向の両端部に配置された方立63Bと方立63Aとの間に配置されている。つまり、第一回動弁体64と第二回動弁体66とは、左右方向の位置を異ならせて配置されている。第一回動弁体64は屋外側に開くものであり、第二回動弁体66は屋内側に開くものである(図9の矢印参照)。
図7に示すように、第一回動弁体64は、係止壁部618,619に係止された軸受け部640と、軸受け部640に回動可能に支持された弁部650と、を有している。
軸受け部640は、左右方向に延びている。軸受け部640は、上フレーム61の上フレーム板部611の下面に沿って配置される基板部641と、基板部641から下方に延びる一対の支持壁部642,643と、を有している。
支持壁部642は、支持壁部643よりも屋外側に配置されている。支持壁部643の下端部は、支持壁部642の下端部よりも下方に位置している。
支持壁部643の下端部には、屋外側に向かって延びる係止壁部644が設けられている。
弁部650は、左右方向に延びる円柱状をなす軸部651と、軸部651から径方向外側に延びる弁本体652と、を有している。
軸部651は、支持壁部642、基板部641、支持壁部643及び係止壁部644によって形成される空間内に、回動自在に嵌合されている。
図11は、弁部650を示す図であり、(a)左側(または右側)から見た図であり、(b)屋内側(または屋外側)から見た図である。
図11に示すように、弁本体652の一方側の面には、左右方向の両端部及び下端部(軸部651側と反対側の端部)に、気密材653が設けられている。弁部650は、気密材653が屋内側を向くように配置されている。
図5に示すように、弁部650は、左右方向及び上下方向(鉛直面)に沿って配置された姿勢の閉位置から、軸部651を中心に回動して、下端部を屋外側に向けるように屋外側に傾斜した姿勢の開位置(二点鎖線参照)まで回動可能とされている。
閉位置では、弁部650は、上フレーム61と下フレーム62との間、詳細には上フレーム61の上フレーム板部611と下フレーム62の上向きリブ622との間の空間P1を閉塞している。弁部650の気密材653は、側方リブ634の屋外側を向く面及び上向きリブ622の屋外側を向く面に当接している。開位置では、空間部P1が開放されている。
図6に示すように、第二回動弁体66は、第一回動弁体64の軸受け部640及び弁部650を、屋内外方向の向きを反転させて設置されている。
第二回動弁体66において、軸受け部640の支持壁部642は、支持壁部643よりも屋内側に配置されている。弁部650は、気密材653が屋外側を向くように配置されている。
弁部650は、左右方向及び上下方向(鉛直面)に沿って配置された姿勢の閉位置から、軸部651を中心に回動して、下端部を屋内側に向けるように屋内側に傾斜した姿勢の開位置(二点鎖線参照)まで回動可能とされている。
閉位置では、弁部650は、上フレーム61と下フレーム62との間、詳細には上フレーム61の上フレーム板部611と下フレーム62の上向きリブ622との間の空間P1を閉塞している。弁部650の気密材653は、側方リブ634の屋内側を向く面及び上向きリブ622の屋内側を向く面に当接している。開位置では、空間部P1が開放されている。
図9に示すように、第一回動弁体64が設置される部分の左右方向の長さL1は、第二回動弁体66が設置される部分の左右方向の長さL2と長さL3との合計よりも長い。第一回動弁体64が設置される部分の空間部P1の高さH1(図5参照。以下同じ。)と、第二回動弁体66が設置される部分の空間部P1の高さH2(図6参照。以下同じ。)は同じである。よって、第一回動弁体64が設置される部分の総開口面積(L1×H1程度)は、第二回動弁体66が設置される部分の総開口面積((L2+L3)×H2程度)よりも大きい。なお、総開口面積とは、各回動弁体が設置される部分の開口面積の合計のことである。
図5に示すように、カバー体70は、上カバー71と、下カバー72と、を有している。カバー体70は、換気機構60の第一回動弁体64、第二回動弁体66(図6参照。以下同じ。)及び方立63よりも屋内側に配置されている。
上カバー71は、上フレーム61の左右方向の全長にわたって設けられている。上カバー71は、上側板部711と、上向き板部712と、下向き板部713と、を有している。
上側板部711は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。上側板部711は、上フレーム61の上フレーム板部611の下面に沿って配置される。
上向き板部712は、上側板部711の屋内側の端部から上方に向かって延びている。上向き板部712は、上フレーム61の上向き片613の屋内側を向く面に沿って配置されている。
下向き板部713は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。下向き板部713は、上側板部711の屋外側の端部から下方に向かって延びている。下向き板部713は、方立63の屋内側を向く前後壁部633に沿って配置されている。
上カバー71は、上側板部711の下方から螺子714で上フレーム61の上フレーム板部611に固定されている。上カバー71は、第一回動弁体64及び第二回動弁体66の屋内側に間隔を有して配置されている。
下カバー72は、下フレーム62の左右方向の全長にわたって設けられている。下カバー72は、上カバー71の鉛直下方に配置されている。下カバー72は、下側板部721と、上向き板部722と、下向き板部723と、を有している。
下側板部721は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。下側板部721は、下フレーム62の下フレーム板部621の上面に沿って配置される。下側板部721の屋外側の端部は、方立63の屋内側を向く前後壁部633の近傍まで達している。
上向き板部722は、下側板部721の屋内側の端部から上方に向かって延びている。上向き板部722は、上カバー71の上向き板部712の直下に配置されている。
上向き板部722は、上カバー71の下向き板部713よりも屋内側に配置されている。また、上向き板部722の上端部は、下向き板部713の下端部よりもわずかに下方に配置されている(屋内外方向から見て重なって配置されていない)。
下向き板部723は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。下向き板部723は、上枠41の屋内側の端部に沿って配置されている。
下カバー72は、下側板部721の上方から螺子724で下フレーム62の下フレーム板部621に固定されている。下カバー72は、第一回動弁体64及び第二回動弁体66の屋内側に間隔を有して配置されている。
空気の流入量を確保するために、以下の間隔を全て等間隔または基準の間隔(長さ)よりも広くしている。上側板部711から上向き板部722の上端部までの間隔、上向き板部722から下向き板部713までの間隔、下側板部721から下向き板部713の下端部までの間隔、空間部P1の上下方向の長さ、上フレーム61の下向き片614の下端部から下フレーム62の上向き片624の上端部までの間隔、第一回動弁体64の弁部650が開位置にあるときの弁部650と下フレーム板部621との間隔、第一回動弁体64の弁部650が開位置にあるときの弁部650の下端部と下フレーム62の上向き片624の上端部までの間隔、第二回動弁体66の弁部650が開位置にあるときの弁部650の下端部と下側板部721の間隔。
また、図6に示すように、第二回動弁体66の弁部650が開位置にあるときに、弁部650の下端部と下側板部721とは基準の間隔よりも広く設けられているため、弁部650が上カバー71に接触しても十分か換気量を確保することができる構成となっている。
上記の換気ユニット6を上額縁Rに取り付ける際には、予め換気ユニット6を組み立てておく。まず、上フレーム61の屋内側の端部に上カバー71を設置して、下方から螺子714で固定する。下フレーム62の屋内側の端部に下カバー72を設置して、上方から螺子724で固定する。そして、下フレーム62上にシート材629を設置して、その上に方立63を設置する。螺子621d,621eを下フレーム62の取付孔621a,621cに挿通させ、方立63の螺子螺合部639の下部に螺合させる。次に、方立63上に上フレーム61を設置する。螺子611c,611dを上フレーム61の取付孔611a,611bに挿通させ、方立63の螺子螺合部639の上部に螺合させる。
次に、螺子612を、下フレーム62の作業用孔621b及びシート材629の貫通孔629bに挿通させて、上フレーム61を上額縁Rに螺子止めする。これにより、換気ユニット6が上額縁Rに取り付けられる。
次に、内窓4の上枠41について説明する。
図5に示すように、上枠41は、上枠板部411と、上枠板部411から下方に延びる屋外側突出部412、屋内側突出部422及び下向き枠壁部429と、を有している。屋外側突出部412、屋内側突出部422、下向き枠壁部429は、この順に屋外側から屋内側に向かって配置されている。
上枠板部411は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。上枠板部411は、下フレーム62の下フレーム板部621に沿って配置されている。
屋外側突出部412は、上枠板部411から下方に延び、屋内外方向に間隔を有して配置された一対の屋外側突出枠壁部413,414と、一対の屋外側突出枠壁部413,414の下端部どうしを連結する屋外側連結枠壁部415と、を有している。屋外側突出枠壁部413は、屋外側突出枠壁部414よりも屋外側に配置されている。
屋内側突出部422は、上枠板部411から下方に延び、屋内外方向に間隔を有して配置された一対の屋内側突出枠壁部423,424と、一対の屋内側突出枠壁部423,424の下端部どうしを連結する屋内側連結枠壁部425と、を有している。屋内側突出枠壁部423は、屋内側突出枠壁部424よりも屋外側に配置されている。
下向き枠壁部429は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。
上枠板部411には、屋外側突出部412と屋内側突出部422との間に、上下方向に貫通する複数の取付孔436が形成されている。取付孔436に挿通された螺子439が、下フレーム62に螺合されている。取付孔436は、平面視で、方立63の空間部R2と重なって配置されている。
次に、内窓4の外障子50Aの上框52について説明する。
上框52は、屋外側に配置される上外板部521と、屋内側に配置される上内板部522と、上外板部521と上内板部522とを連結する上連結板部523と、を有している。
上外板部521及び上内板部522は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。
上連結板部523は、平板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。上連結板部523は、上外板部521の上下方向の中間と上内板部522の上下方向の中間とを連結している。
上外板部521の上端部には、屋内側に向かって延びる延出壁部526が設けられている。延出壁部526の屋内側の端部には、下方に向かって延びる取付壁部527が設けられている。
取付壁部527の屋内側の面には、気密材529が設けられている。気密材529は、取付壁部527に固定される固定部529aと、固定部529aの下端部から屋内側に向かうにしたがって次第に上方に向かって延びる気密片529bと、を有している。気密片529bの屋内側の端部(上端部)は、上枠41の屋外側突出枠壁部413の屋外側の面に当接している。
上内板部522の上端部には、屋外側に向かって延びる延出壁部536が設けられている。延出壁部536の屋外側の端部には、下方に向かって延びる取付壁部537が設けられている。
取付壁部537の屋外側の面には、気密材539が設けられている。気密材539は、取付壁部537に固定される固定部539aと、固定部539aの下端部から屋外側に向かうにしたがって次第に上方に向かって延びる気密片539bと、を有している。気密片539bの屋外側の端部(上端部)は、上枠41の屋外側突出枠壁部414の屋内側の面に当接している。
内窓4の内障子50Bの上框52の構成は、外障子50Aの上框52の構成と同様であり、同様に構成については同一の符号を付して説明を省略する。内窓4の内障子50Bにも、気密材529,539が設けられている。気密材529の気密片529bの屋内側の端部(上端部)は、上枠41の屋内側突出枠壁部423の屋外側の面に当接している。気密材539の気密片539bの屋外側の端部(上端部)は、上枠41の屋内側突出枠壁部424の屋内側の面に当接している。
次に、上記の二重サッシ100において、負圧が生じた際の空気の流れや圧力について説明する。
外窓1及び内窓4が閉塞された閉塞状態で、負圧が生じると、内窓4では、図5に二点鎖線で示すように、第一回動弁体64の弁部650は、軸部651を中心に回動して、下端部を屋外側に向けるように屋外側に傾斜した開位置まで回動する。これにより、空気が、屋内側から屋外側に流通する。なお、第二回動弁体66の弁部650は、閉位置にある。
図12は、二重サッシ100の外窓1において、負圧が生じた際の挙動を示す図である。
また、図12に示すように、外窓1では、外障子20A及び内障子20Bが負圧を受けて屋外側に変位すると、外障子20Aの振れ止め部材224の屋内側振れ止め部224cが上枠11の屋外側突出枠壁部113の屋内側の面に当接する。また、内障子20Bの振れ止め部材225の屋内側振れ止め部225cが上枠11の屋内側突出枠壁部114の屋内側の面に当接する。外障子20A及び内障子20Bの上内板部222と屋外側突出枠壁部113及び屋内側突出枠壁部114との間には、それぞれ隙間S1が生じている。
また、外障子20A及び内障子20Bの気密材229と屋外側突出枠壁部113及び屋内側突出枠壁部114との間には、それぞれ形成される隙間S2が生じている。
図12では外障子20A及び内障子20Bの上外板部221、上内板部222及び上連結板部223の左右方向の両端部側の挙動を二点鎖線で示し、上外板部221、上内板部222及び上連結板部223の左右方向の中央側の挙動を実線で示している。外障子20A及び内障子20Bの左右方向の両端部側では、振れ止め部材224の屋内側振れ止め部224c及び振れ止め部材225の屋内側振れ止め部225cがそれぞれ屋外側突出枠壁部113及び屋内側突出枠壁部114に当接して、外障子20A及び内障子20Bの変位が抑制されている。外障子20A及び内障子20Bの左右方向の中央側では、左右方向の両端部側よりも、屋外側に撓むように変位している。これにより、隙間S2は、左右方向の中央側で大きくなっている。
上記のように内窓4を通過してきた空気は、内窓4と外窓1との間から、外窓1の内障子20Bの上框22の上内板部222と屋内側突出枠壁部114との間の隙間S1を通過して、上框22の気密材229と上枠11の屋内側突出枠壁部114との間の隙間S2を通過する。さらに、空気は、外障子20Aの上框22の上内板部222と屋外側突出枠壁部113との間の隙間S1を通過して、上框22の気密材229と上枠11の屋外側突出枠壁部113との間の隙間S2を通過する。
このように、内窓4から外窓1まで、連通して隙間(空気の流路)が生じるため、内窓4の屋内側と屋外側との圧力差が低減される。
また、正圧が生じると、内窓4では、図6に二点鎖線で示すように、第二回動弁体66の弁部650は、軸部651を中心に回動して、下端部を屋内側に向けるように屋内側に傾斜した開位置まで回動する。これにより、空気が、屋外側から屋内側に流通する。なお、第一回動弁体64の弁部650は、閉位置にある。なお、外窓1では、不図示の風止め板と障子20A,20B等の隙間等各隙間から空気の流通が可能である。
このように構成された二重サッシ100では、開口部Pの上額縁Rと上枠41との間に形成された隙間R1には、金属材料で形成された換気機構60が設けられている。開口部Pの上額縁Rに沿って上フレーム61が配置され、上枠41に沿って下フレーム62が配置され、上フレーム61と下フレーム62とは方立63で連結されている。方立63の内部には上下方向に貫通する空間部R2が形成され、上枠41を下フレーム62に固定する螺子439は平面視で空間部R2と重なって配置されている。方立63内(空間部R2)は空気の流通がなく結露がしにくく、螺子439の上部は空間部R2に挿通されているため、螺子439を介して結露水が屋内側に漏れ出てくることが抑制される。
また、下フレーム62と連結する螺子439が挿通される取付孔436は、平面視で、方立63の空間部R2と重なって配置されている。よって、取付孔436から結露水が屋内側に漏れ出てくることが抑制される。
また、上フレーム61を開口部Pの上額縁Rに固定する螺子612は、方立63で覆われている。方立63内(空間部R2)は空気の流通がなく結露がしにくく、螺子612の下部は空間部R2に挿通されているため、螺子612を介して結露水が屋内側に漏れ出てくることが抑制される。
また、下フレーム62に形成された螺子612を固定作業するための作業用孔621dは、平面視で、螺子439と異なる位置に形成されている。通常、固定作業用の作業用孔は螺子孔よりも大きすぎたりするため螺子を螺合させることができないところ、本実施形態では、作業用孔621dが螺子439の螺子止め位置とは異なる位置に形成されているため、螺子439を作業用孔621dとは異なる孔(取付孔621b)に螺合させることができる。
また、上フレーム61に設けられた弁部650に圧力等が作用すると、弁部650が左右方向を軸線方向として回動して、上フレーム61と下フレーム62との間の空間P1が開放され、空気を屋内外方向に流通させることができる。
また、下フレーム62と方立63との間には、止水性が高いシート材629が設けられていているため、螺子439を介して結露水が屋内側に漏れ出てくることがより一層抑制される。
(変形例1)
次に、本発明の一実施形態の変形例1について、主に図13を用いて説明する。
なお、以下の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図13は、本発明の一実施形態の変形例1に係る二重サッシの換気機構の一部を示す斜視図である。なお、図13において、第一回動弁体64(図5参照。以下同じ。)及び第二回動弁体66(図6参照。以下同じ。)の図示を省略している。
図13に示すように、本変形例の換気ユニット6Xでは、上フレーム61Xの屋内側の端部及び下フレーム62Xの屋内側の端部に跨って設けられたカバー部材70Xを有している。
上フレーム61Xの屋外側の端部には、上方に向かって開口する係止溝660が形成されている。係止溝660は、上フレーム61の上フレーム板部611の屋内側の端部から下方に向かって延びる下向き壁部661と、下向き壁部661の下端部から屋内側に向かって延びる延出壁部662と、延出壁部662の屋内側の端部から上方に向かって延びる端部壁部663と、を有している。
下フレーム62Xの屋外側の端部には、下方に向かって開口する係止溝670が形成されている。係止溝670は、下フレーム62の下フレーム板部621の屋内側の端部から上方に向かって延びる上向き壁部671と、上向き壁部671の上端部から屋内側に向かって延びる延出壁部672と、延出壁部672の屋内側の端部から下方に向かって延びる端部壁部673と、を有している。
カバー部材70Xは、左右方向及び上下方向に沿う面に沿って配置される換気板部701を有している。換気板部701は、平板状に形成され、板厚方向を屋内外方向に向けて配置されている。
換気板部701には、屋内外方向に貫通する換気孔702が、左右方向に間隔を有して複数形成されている。換気孔702は、上下方向に長い長孔形状をなしている。換気孔702を通して、空気の屋内外方向の流通が可能となる。
換気板部701の上端部には、係止部703が設けられている。係止部703は、換気板部701の上端部から屋外側に向かって延びる延出壁部704と、延出壁部704の屋外側の端部から下方に向かって延びる下向き壁部705と、を有している。
係止部703の下向き壁部705は、上フレーム60Xの上端部に設けられた係止溝660に係止されている。
換気板部701の下端部には、係止部707が設けられている。係止部707は、換気板部701の下端部から屋外側に向かって延びる延出壁部708と、延出壁部708の屋外側の端部から上方に向かって延びる上向き壁部709と、を有している。
係止部707の上向き壁部709は、上フレーム60Xの下端部に設けられた係止溝670に係止されている。
このように構成された二重サッシ100では、開口部Pの上額縁Rと上枠41との間に形成された隙間R1には、金属材料で形成された換気機構60が設けられている。開口部Pの上額縁Rに沿って上フレーム61が配置され、上枠41に沿って下フレーム62が配置され、上フレーム61と下フレーム62とは方立63で連結されている。方立63の内部には上下方向に貫通する空間部R2が形成され、上枠41を下フレーム62に固定する螺子439は平面視で空間部R2と重なって配置されている。よって、方立63内(空間部R2)は空気の流通がなく結露がしにくく、螺子439の上部は空間部R2に挿通されているため、螺子439を介して結露水が屋内側に漏れ出てくることが抑制される。
(変形例2)
次に、本発明の一実施形態の変形例2について、主に図14を用いて説明する。
図14は、本発明の一実施形態の変形例2に係る二重サッシの換気機構の一部を示す斜視図である。
上記に示す実施形態では、方立63Yの側壁部632には、側壁部632と一体に側方リブ634が設けられているが、本変形例では、図14に示すように、L金具635が側壁部632に螺子止めされている。
L金具635は、側壁部632の外面に沿って配置される取付壁部636と、取付壁部の屋内側の端部から、側方に向かって突出する突出壁部637と、を有している。取付壁部636は、方立63Yの側壁部632に螺子638で固定されている。第一回動弁体64の弁部650に設けられた気密材653(図7参照。以下同じ。)は、突出壁部637の屋外側を向く面に当接可能とされている。また、第二回動弁体66の弁部650に設けられた気密材653は、突出壁部637の屋内側を向く面に当接可能とされている。
このように構成された二重サッシ100では、開口部Pの上額縁Rと上枠41との間に形成された隙間R1には、金属材料で形成された換気機構60が設けられている。開口部Pの上額縁Rに沿って上フレーム61が配置され、上枠41に沿って下フレーム62が配置され、上フレーム61と下フレーム62とは方立63で連結されている。方立63の内部には上下方向に貫通する空間部R2が形成され、上枠41を下フレーム62に固定する螺子439は平面視で空間部R2と重なって配置されている。よって、方立63内(空間部R2)は空気の流通がなく結露がしにくく、螺子439の上部は空間部R2に挿通されているため、螺子439を介して結露水が屋内側に漏れ出てくることが抑制される。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、設置体として換気機構を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、他の機能を有する装置等であってもよい。
また、上記に示す実施形態では、外窓1は引違いサッシであるが、本発明はこれに限られない。外窓は、圧力が生じた際に、空気を屋内外方向へ流通可能となればよく、片引戸や上げ下げ窓であってもよい。
また、上記に示す実施形態では、外窓1及び内窓4のガラス29,59は、それぞれ単層の板ガラスであるが、本発明はこれに限られず、複層ガラス等であってもよい。