本発明のカーテンウォールユニットの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールユニットは、建物のカーテンウォールに用いられて、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置される。
図1は、本実施形態のカーテンウォール1を示す正面図であり、建物10の壁部11に設けられたカーテンウォール1の一部を室外側からみて示している。図1において、上下方向が垂直方向であり、左右方向が水平方向である。
図示のように、建物10は、壁部11に、複数の壁材12と開口部13を備えている。複数の壁材12は、例えば、PC板であり、建物躯体(図示せず)に取り付けられている。開口部13は、上下方向に離隔した壁材12の間に形成されている。
カーテンウォール1は、建物10の壁部11に並べて配置された複数のカーテンウォールユニット2を備えている。カーテンウォールユニット2は、カーテンウォール1の一部を構成するユニットであり、隣り合うカーテンウォールユニット2と組み合わされている。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の開口部13に配置されて、建物10の壁部11に設置されている。ここでは、カーテンウォール1は、連窓であり、複数のカーテンウォールユニット2は、1つの開口部13で左右方向に並べて設置されている。
図2は、本実施形態のカーテンウォールユニット2を示す正面図であり、図1に示すカーテンウォール1の1つのカーテンウォールユニット2を示している。
図示のように、カーテンウォール1の各カーテンウォールユニット2は、パネル体2Aと、パネル体2Aを囲む枠体3と、枠体3に装着されるシール部材4、5(図2のハッチングを付した部分)を備えている。パネル体2Aは、枠体3に取り付けられたパネル状部材であり、枠体3の開口部3Aに配置されている。また、パネル体2Aは、複数のガラス板を有する複層ガラスであり、枠体3に嵌め込まれている。
枠体3は、開口部3Aを形成する開口枠であり、枠体3の方形状の開口部3Aは、方形状のパネル体2Aにより閉鎖されている。シール部材4、5は、弾性変形可能な弾性シール部材であり、環状に形成されて、枠体3の外側に配置されている。シール部材4、5は、枠体3に連続して装着されて、枠体3と建物10の部材との間、又は、隣り合う2つの枠体3の間に配置される。
図3は、本実施形態のカーテンウォールユニット2の枠体3を示す斜視図であり、枠体3の概略構成を示している。
図示のように、枠体3は、開口部3Aを形成する本体ユニット6と、本体ユニット6の室外側に連結された連結ユニット7と、シート状の止水材3Bを有している。本体ユニット6と連結ユニット7は、互いに独立した個別のユニットとして構成されており、その状態で組み合わされて連結される。
本体ユニット6は、枠体3の枠状に形成された本体であり、枠組みされた4つの枠6A〜6C(上枠6A、下枠6B、一対の縦枠6C)を有している。枠6A〜6Cは、例えば、押出成形により形成された形材であり、それぞれパネル体2Aの縁部に沿って配置されている。4つの枠6A〜6Cが方形状に組み合わされて、枠6A〜6Cの長手方向の端部同士が接続されている。上枠6Aと下枠6Bは、横方向(左右方向)に延びる一対の横枠であり、一対の縦枠6Cの間に設けられている。
一対の縦枠6Cは、上枠6Aの端部と下枠6Bの端部の間で縦方向(上下方向)に延びる。上枠6Aと下枠6Bが一対の縦枠6Cの端部(上端部、下端部)の間に配置されて、取付部材(例えば、ビス)により、一対の縦枠6Cの端部が上枠6Aの端部と下枠6Bの端部に取り付けられている。4つの枠6A〜6Cにより、方形状の本体ユニット6が形成されるとともに、本体ユニット6の内側に開口部3Aが形成されている。パネル体2Aは、本体ユニット6に取り付けられて、本体ユニット6に保持されている。本体ユニット6は、開口部3Aに配置されたパネル体2Aとともに室内外を区画している。従って、本体ユニット6及びパネル体2Aにより区画された一方側が、室内外方向における室外側であり、本体ユニット6及びパネル体2Aにより区画された他方側が、室内外方向における室内側である。
止水材3Bは、例えば、ゴム製のシーラーであり、本体ユニット6と連結ユニット7の連結部分3Cに配置されて、本体ユニット6と連結ユニット7の間に挟まれている。連結部分3Cは、枠体3における本体ユニット6と連結ユニット7とが連結された部分である。止水材3Bにより、本体ユニット6と連結ユニット7の連結部分3Cがシールされて、本体ユニット6と連結ユニット7の間への水の浸入が防止される。
連結ユニット7は、本体ユニット6の上部に連結されており、枠体3は、連結ユニット7が位置する上部において室外側に屈曲している。ここでは、連結ユニット7は、本体ユニット6の上枠6Aに連結されており、連結部分3Cは、本体ユニット6の上枠6Aと連結ユニット7とが連結された部分である。止水材3Bは、室外側に位置する上枠6Aの室外側部52で上枠6Aの両端部に設けられて、上枠6A(室外側部52)と連結ユニット7の間に挟まれる。2つの止水材3Bにより、連結部分3Cの両端部がシールされて、連結部分3Cの両端部からの水の浸入が防止される。
図4は、本実施形態のカーテンウォールユニット2の縦断面図であり、図1のX1−X1線で切断したカーテンウォールユニット2と建物10の壁材12を示している。
図3、図4に示すように、連結ユニット7は、本体ユニット6(上枠6A)から室外側に向かって配置される室外側ユニットであり、本体ユニット6の室外側で本体ユニット6に連結されている。また、連結ユニット7は、本体ユニット6から室外側に突出する突出ユニットであり、本体ユニット6の室外側に位置する壁材12(室外側壁材12A)に対して室内側に配置される。
連結ユニット7は、枠状に形成されて、本体ユニット6の室外側に位置する建物10の部材(ここでは、室外側壁材12A)と対向する。室外側壁材12Aは、室外側部材であり、枠体3、本体ユニット6、上枠6A、及び、連結ユニット7よりも室外側に位置する。連結ユニット7は、本体ユニット6の上枠6Aから室外側壁材12Aに向かって突出して、室外側壁材12Aの室内側部12Bと対向する。また、連結ユニット7は、室外側壁材12Aと対向する対向部7Aと、本体ユニット6に取り付けられる取付部7Bと、対向部7Aと取付部7Bに接続する一対の接続部7Cを有している。対向部7A、取付部7B、及び、一対の接続部7Cは、例えば、押出成形により形成された形材であり、方形状に組み合わされて、長手方向の端部同士が接続されている。
対向部7Aと取付部7Bは、横方向に延びる一対の横材であり、一対の接続部7Cの間に設けられている。一対の接続部7Cは、対向部7Aの端部と取付部7Bの端部の間で室内外方向に延びる一対の接続材である。対向部7Aと取付部7Bが一対の接続部7Cの端部の間に配置されて、取付部材(例えば、ビス)により、一対の接続部7Cの端部が対向部7Aの端部と取付部7Bの端部に取り付けられている。対向部7A、取付部7B、及び、一対の接続部7Cにより、方形状の連結ユニット7が形成されるとともに、連結ユニット7の内側に開口部7Dが形成されている。
連結ユニット7は、カーテンウォールユニット2に機能を付加する機能ユニットであり、ここでは、空調装置の通気路14(図4参照)に接続される通気ユニットである。連結ユニット7の開口部7Dは、通気口であり、通気路14の室外側の開口部に接続する。複数のグリル羽根15が、連結ユニット7に取り付けられて、開口部7Dの下側に並列して配置されている。空気は、開口部7D及び通気路14を通って、カーテンウォールユニット2の室外側と室内側との間で流れる。
対向部7Aは、室外側に位置する連結ユニット7の室外側部であり、連結ユニット7の先端部に位置している。取付部7Bは、対向部7Aの室内側に位置しており、対向部7Aに並列して配置されている。接続部7Cは、対向部7Aに接続して、対向部7Aから本体ユニット6まで配置されている。また、接続部7Cは、対向部7Aの端部及び取付部7Bの端部に接続するとともに、対向部7Aの端部から本体ユニット6の上枠6Aの端部及び縦枠6Cの端部(上端部)まで配置されて、上枠6Aの端部及び縦枠6Cの端部に接続している。
図5は、本実施形態のカーテンウォール1の横断面図であり、図1のX2−X2線で切断したカーテンウォール1を示している。また、図5では、横方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6C側の部分を示している。図6、図7は、本実施形態のカーテンウォールユニット2の縦断面図である。図6は、図4に示すカーテンウォールユニット2の下枠6B側の部分を示し、図7は、図4に示すカーテンウォールユニット2の上枠6A側の部分を示している。
図示のように、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2において、枠6A〜6Cのそれぞれの見付け方向は、室内側又は室外側からみたときの各枠6A〜6Cの幅方向である。枠6A〜6Cのそれぞれの見込み方向は、室内側又は室外側からみたときの各枠6A〜6Cの奥行方向である。また、各枠6A〜6Cの見込み方向は、室内外方向である。見込み方向の一方側は、室外側であり、見込み方向の他方側は、室内側である。本体ユニット6の内周側は、本体ユニット6の開口部3A側であり、本体ユニット6の外周側は、本体ユニット6の開口部3Aの反対側である。
カーテンウォールユニット2は、外気圧と等圧となる空間(等圧空間20)を形成する2列のシール部材4、5(第1シール部材4、第2シール部材5)を備えている。2列のシール部材4、5は、枠体3に装着されて、枠体3の外側の等圧空間20をシールする。等圧空間20は、本体ユニット6、連結ユニット7、及び、2列のシール部材4、5により、枠体3の外側に連続して形成される環状の空間であり、枠体3の所定の外側部(枠体3の外側止水部)に沿って形成される。
2列のシール部材4、5は、それぞれ枠体3の本体ユニット6と連結ユニット7に連続して装着されるとともに、互いに離隔した状態で、枠体3の本体ユニット6と連結ユニット7に並列して配置されている。また、2列のシール部材4、5は、枠体3の外側部に沿って環状に配置されて、互いの間に等圧空間20を形成する。等圧空間20は、第1シール部材4に形成された通気孔(図示せず)により、カーテンウォールユニット2の室外と連通しており、第1シール部材4の通気孔を通して、室外との間で空気が出入りする。そのため、等圧空間20内の圧力は、室外の圧力(外気圧)と同じ圧力に維持される。
枠体3は、2列のシール部材4、5が装着される2列の装着部8、9(第1装着部8、第2装着部9)を有している。2列の装着部8、9は、枠体3の本体ユニット6と連結ユニット7に連続して形成されるとともに、互いに離隔した状態で並列して形成されている。また、2列の装着部8、9は、枠体3の外側部に沿って環状に形成されている。シール部材4、5は、装着部8、9のそれぞれに連続して装着されて、装着部8、9に保持されている。
第1シール部材4は、止水部材であるヒレ状のレインバリアであり、第2シール部材5は、気密部材であるチューブ状のウインドバリアである。装着部8、9は、溝状に形成された装着溝であり、シール部材4、5に向かって開放されている。シール部材4、5は、装着部8、9(装着溝)に係止される係止部4A、5Aを有している。係止部4A、5Aは、シール部材4、5の基部(挿入部)であり、装着部8、9内に挿入された状態で装着部8、9に係止される。これにより、係止部4A、5Aが装着部8、9に取り付けられて、シール部材4、5が装着部8、9に装着される。
横方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の組み合わせ部分で(図5参照)、2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6Cは、横方向に隣接して、互いに対向して配置されている。また、縦枠6Cは、板状の見込み部30と、パネル体2Aを保持する保持部31と、保持部31に取り付けられた押縁32と、見込み部30に対して本体ユニット6の外周側に位置する2列の装着部8、9(第1装着部8A、第2装着部9A)を有している。縦枠6Cの各部30〜32、8A、9Aは、縦枠6Cの長手方向である縦方向(上下方向)に沿って延びる。
見込み部30は、縦枠6Cの内周部33であり、縦枠6Cの見込み方向に沿って形成されている。縦枠6Cの内周部33は、本体ユニット6の内周部の一部(側部)である。保持部31は、見込み部30の室外側の端部に連続して形成されて、見込み部30よりも室外側に位置する。パネル体2Aの縦縁部は、保持部31に配置されて、押縁32により、保持部31及び縦枠6Cに保持されている。装着部8A、9Aは、縦枠6Cに形成された縦枠装着部であり、縦枠6Cの長手方向の両端部の間で連続して形成されている。
2列の装着部8A、9Aは、縦枠6Cの見込み方向に離隔しており、見込み部30から横方向(側方)に突出している。第1装着部8Aは、縦枠6Cの室外側装着部であり、第1シール部材4は、第1装着部8Aに装着されている。第2装着部9Aは、縦枠6Cの室内側装着部であり、第2シール部材5は、第2装着部9Aに装着されている。縦枠6Cにおいて、第1装着部8A及び第1シール部材4は、第2装着部9A及び第2シール部材5よりも室外側に位置し、第2装着部9A及び第2シール部材5は、第1装着部8A及び第1シール部材4よりも室内側に位置する。
2列のシール部材4、5は、装着部8A、9Aから横方向に突出し、それぞれ横方向に隣接する他のカーテンウォールユニット2のシール部材4、5と当接する。横方向に隣接する2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6C(見込み部30、装着部8A、9A)とシール部材4、5により、縦枠6Cの等圧空間20(縦枠等圧空間21)が形成される。等圧空間20の縦枠等圧空間21は、縦枠6Cの長手方向(縦方向)に沿って連続して形成される。縦枠等圧空間21の室外側部分が第1シール部材4によりシールされ、縦枠等圧空間21の室内側部分が第2シール部材5によりシールされる。
なお、カーテンウォールユニット2の横方向に建物10の部材(例えば、壁材12、又は、壁材12に装着されたシール部材)が隣接するときには、縦枠6Cの装着部8A、9A及びシール部材4、5は、建物10の部材と対向する。また、シール部材4、5は、建物10の部材と当接する。この場合には、縦枠等圧空間21は、縦枠6C、シール部材4、5、及び、建物10の部材により形成される。
下枠6B(図6参照)は、本体ユニット6の内周側に位置する内周部40と、本体ユニット6の外周側に位置する外周部41と、パネル体2Aを保持する保持部42と、保持部42に取り付けられた押縁43と、押縁43に取り付けられたガスケット44と、外周部41に形成された2列の装着部8、9(第1装着部8B、第2装着部9B)を有している。下枠6Bの各部40〜44、8B、9Bは、下枠6Bの長手方向である横方向(左右方向)に沿って延びる。下枠6Bの外周部41と装着部8B、9Bは、下枠6Bの下側に位置する建物10の部材(ここでは、壁材12(下側壁材12C))に対して上側に配置されて、下側壁材12Cと対向する。
内周部40は、下枠6Bの見込み方向に沿って形成された見込み部であり、かつ、本体ユニット6の内周部の一部(下部)である。外周部41は、本体ユニット6の外周部の一部(下部)であり、内周部40の下側に位置する。保持部42は、外周部41よりも室外側に位置する。パネル体2Aの下縁部は、保持部42に配置されて、押縁43により、保持部42及び下枠6Bに保持されている。ガスケット44は、水止め部材であるスプラッシュバリアであり、下側壁材12Cと当接する。
2列の装着部8B、9Bは、下枠6Bに形成された下枠装着部であり、下枠6Bの見込み方向に離隔して、下枠6Bの長手方向の全体にわたって形成されている。第1装着部8Bは、下枠6Bの室外側装着部であり、第1シール部材4は、第1装着部8Bに装着されている。第2装着部9Bは、下枠6Bの室内側装着部であり、第2シール部材5は、第2装着部9Bに装着されている。下枠6Bにおいて、第1装着部8B及び第1シール部材4は、第2装着部9B及び第2シール部材5よりも室外側に位置し、第2装着部9B及び第2シール部材5は、第1装着部8B及び第1シール部材4よりも室内側に位置する。
2列のシール部材4、5は、装着部8B、9Bから下側に突出し、それぞれ下側壁材12Cと当接する。下枠6B(外周部41、装着部8B、9B)、シール部材4、5、及び、下側壁材12Cにより、下枠6Bの等圧空間20(下枠等圧空間22)が形成される。等圧空間20の下枠等圧空間22は、下枠6Bの長手方向(横方向)に沿って連続して形成される。下枠等圧空間22の室外側部分が第1シール部材4によりシールされ、下枠等圧空間22の室内側部分が第2シール部材5によりシールされる。
上枠6A(図7参照)は、連結ユニット7が連結される連結枠であり、連結ユニット7の室内側に配置されている。また、上枠6Aは、本体ユニット6の内周側に位置する内周部50と、本体ユニット6の外周側に位置する外周部51と、室外側(連結ユニット7側)に位置する室外側部52と、室内側に位置する室内側部53と、パネル体2Aを保持する保持部54と、板状のカバー55を有している。上枠6Aの各部50〜55は、上枠6Aの長手方向である横方向(左右方向)に沿って延びる。
内周部50は、上枠6Aの見込み方向に沿って形成された見込み部であり、かつ、本体ユニット6の内周部の一部(上部)である。外周部51は、本体ユニット6の外周部の一部(上部)であり、上枠6Aの見込み方向に沿って形成されて、内周部50の上側に位置する。また、外周部51は、室外側部52に対して、本体ユニット6の外周側に位置しており、本体ユニット6の外周側に位置する室外側部52の端部(外周側端部)から室内側に向かって形成されている。
室外側部52は、壁状に形成された室外側壁部であり、連結ユニット7及び取付部7Bの室内側に配置されて、連結ユニット7及び取付部7Bと対向する。室内側部53は、壁状に形成された室内側壁部であり、内周部50の室内側の端部から上側に向かって形成されている。室外側部52と室内側部53は、上枠6Aの見付け方向に沿って形成されている。保持部54は、室外側部52よりも下側、かつ、内周部50よりも室外側に位置する。カバー55は、外周部51の室内側の端部から上方に突出する背板であり、外周部51の室内側の端部、及び、室内側部53の上側の端部に取り付けられている。
本体ユニット6と連結ユニット7の連結部分3Cは、本体ユニット6の上枠6Aと連結ユニット7の取付部7Bとの連結部分である。連結ユニット7は、パネル体2Aの室外側面2Bよりも室内側で本体ユニット6に連結されており、連結部分3Cは、パネル体2Aの室外側面2Bよりも室内側に位置している。また、連結ユニット7は、パネル体2Aよりも本体ユニット6の外周側(上側)で本体ユニット6に連結されており、連結部分3Cは、パネル体2Aよりも本体ユニット6の外周側に位置している。ここでは、連結ユニット7は、パネル体2Aの室内側面2C及び保持部54よりも室内側で本体ユニット6に連結されており、連結部分3Cは、パネル体2Aの室内側面2C及び保持部54よりも室内側に位置している。
上枠6Aは、連結ユニット7との連結位置に配置された連結枠であり、連結ユニット7を保持する。連結ユニット7の取付部7Bは、上枠6Aに保持される被保持部であり、上枠6Aに当接して、固定手段27により、上枠6Aに固定されている。また、取付部7Bは、上枠6Aの長手方向(横方向)に沿って配置されて、上枠6Aに取り付けられている。取付部7Bは、上枠6Aの長手方向の全体にわたって上枠6Aに当接する。取付部7Bに取り付けられた押縁58により、パネル体2Aの上縁部は、保持部54及び上枠6Aに保持されている。取付部7Bは、パネル体2Aの上側に配置されている。
連結ユニット7の取付部7Bは、上枠6Aの室外側部52に固定される固定部60と、上枠6Aの外周部51を覆うカバー部61を有している。固定部60は、壁状に形成された固定壁部であり、上枠6Aの見付け方向に沿って形成されている。また、固定部60は、室外側部52の室外側に配置されて、室外側部52に装着されている。固定部60は、室外側部52と当接する当接部であり、室外側部52に沿って配置されて、固定手段27により、室外側部52に固定されている。固定手段27は、上枠6Aの室外側部52と取付部7Bの固定部60とを貫通するボルト28と、ボルト28がねじ込まれるナット29からなる。
固定部60の室外側部52への固定により、取付部7Bが上枠6Aに取り付けられて、連結ユニット7が本体ユニット6に連結される。カバー部61は、固定部60から室内側に突出する板状の突出部であり、上枠6Aの外周部51に重ね合わせて配置されて、外周部51と当接する。カバー部61は、外周部51に装着されて、外周部51の少なくとも室外側の部分を覆う。また、カバー部61は、固定部60に連続して形成されて、上枠6Aの外周部51と室外側部52の間の角部、及び、連結部分3Cを覆う。
連結ユニット7の対向部7Aは、上枠6A及び取付部7Bの室外側に位置しており、2列の装着部8、9(第1装着部8C、第2装着部9C)を有している。装着部8C、9Cは、対向部7Aの室外側(室外側壁材12A側)に形成され、対向部7Aの長手方向である横方向(左右方向)に沿って延びる。対向部7A及び装着部8C、9Cは、対向部7Aの室外側に位置する建物10の部材(ここでは、壁材12(室外側壁材12A))に対して室内側に配置されて、室外側壁材12Aと対向する。
2列の装着部8C、9Cは、対向部7Aに形成された対向装着部であり、対向部7Aの幅方向(上下方向)に離隔して、対向部7Aの長手方向の全体にわたって形成されている。第1装着部8Cは、対向部7Aの下側装着部であり、第1シール部材4は、第1装着部8Cに装着されている。第2装着部9Cは、対向部7Aの上側装着部であり、第2シール部材5は、第2装着部9Cに装着されている。対向部7Aにおいて、第1装着部8C及び第1シール部材4は、第2装着部9C及び第2シール部材5よりも下側に位置し、第2装着部9C及び第2シール部材5は、第1装着部8C及び第1シール部材4よりも上側に位置する。
2列のシール部材4、5は、装着部8C、9Cから室外側に突出し、それぞれ室外側壁材12Aと当接する。対向部7A、シール部材4、5、及び、室外側壁材12Aにより、対向部7Aの等圧空間20(対向等圧空間23)が形成される。等圧空間20の対向等圧空間23は、対向部7Aの長手方向(横方向)に沿って連続して形成される。対向等圧空間23の下側部分が第1シール部材4によりシールされ、対向等圧空間23の上側部分が第2シール部材5によりシールされる。
図8は、本実施形態のカーテンウォール1の斜視図であり、横方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の一部を斜め下側からみて示している。
図示のように、2つのカーテンウォールユニット2は、互いの縦枠6Cの間に等圧空間20(縦枠等圧空間21)を形成する。また、2つのカーテンウォールユニット2の連結ユニット7の間にも、連結ユニット7の接続部7C(図3参照)とシール部材4、5により、等圧空間20が形成される。横方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の組み合わせ部分で、2つのカーテンウォールユニット2の接続部7Cは、横方向に隣接して、互いに対向して配置されている。
図9、図10、図11は、本実施形態のカーテンウォールユニット2の枠体3を示す斜視図であり、枠体3の上側部分の一部を示している。また、図9、図10は、シール部材4、5を装着していない枠体3を示し、図11は、シール部材4、5を装着した枠体3を示している。図9は、開口部3A側からみた枠体3の上コーナー部を示し、図10、図11は、開口部3Aの外側からみた枠体3の上側部分の一部を示している。
図示のように、連結ユニット7は、縦枠6Cの端部(上端部)に当接して、縦枠6Cの端部に載置されており、縦枠6Cにより支持されている。シーリング材34(図9参照)が、連結ユニット7と本体ユニット6とが接する部分に設けられて、連結ユニット7と本体ユニット6の間の部分をシールしている。
連結ユニット7の接続部7Cは、縦枠6Cの端部から室外側に向かって突出しており、縦枠6Cの端部から対向部7Aの長手方向の端部まで配置されている。対向部7Aは、一対の接続部7Cの室外側の端部(先端部)の間に配置され、対向部7Aの両端部は、それぞれ接続部7Cの室外側の端部と当接する。接続部7Cは、2列の装着部8、9(第1装着部8D、第2装着部9D)を有している。装着部8D、9Dは、接続部7Cにおける連結ユニット7の外側(横側)に形成され、接続部7Cの長手方向である室内外方向に沿って延びる。
2列の装着部8D、9Dは、接続部7Cに形成された接続装着部であり、接続部7Cの幅方向(上下方向)に離隔して、接続部7Cの長手方向の全体にわたって形成されている。第1装着部8Dは、接続部7Cの下側装着部であり、第1シール部材4は、第1装着部8Dに装着されている。第2装着部9Dは、接続部7Cの上側装着部であり、第2シール部材5は、第2装着部9Dに装着されている。接続部7Cにおいて、第1装着部8D及び第1シール部材4は、第2装着部9D及び第2シール部材5よりも下側に位置し、第2装着部9D及び第2シール部材5は、第1装着部8D及び第1シール部材4よりも上側に位置する。
2列のシール部材4、5は、装着部8D、9Dから横方向に突出し、それぞれ横方向に隣接する他のカーテンウォールユニット2のシール部材4、5と当接する。横方向に隣接する2つのカーテンウォールユニット2の接続部7Cとシール部材4、5により(図11参照)、接続部7Cの等圧空間20(接続等圧空間24)が形成される。等圧空間20の接続等圧空間24は、接続部7Cの長手方向(室内外方向)に沿って連続して形成される。接続等圧空間24の下側部分が第1シール部材4によりシールされ、接続等圧空間24の上側部分が第2シール部材5によりシールされる。
なお、カーテンウォールユニット2の横方向に建物10の部材(例えば、壁材12、又は、壁材12に装着されたシール部材)が隣接するときには、接続部7Cの装着部8D、9D及びシール部材4、5は、建物10の部材と対向する。また、シール部材4、5は、建物10の部材と当接する。この場合には、接続等圧空間24は、接続部7C、シール部材4、5、及び、建物10の部材により形成される。
縦枠6C(図10参照)は、第2シール部材5の縦枠6Cへの装着を補助する補助部材35を有している。補助部材35は、第2装着部9Aを有しており、縦枠6Cの端部に取り付けられている。補助部材35の第2装着部9Aは、縦枠6Cの第2装着部9Aの一部であり、室内外方向に沿って配置されている。従って、補助部材35の第2装着部9Aを含む縦枠6Cの第2装着部9Aは、連結ユニット7と連結する縦枠6Cの端部において、室外側に向かって屈曲している。第2シール部材5は、屈曲する第2装着部9Aに連続して装着されて、縦枠6Cの端部において、室外側に向かって屈曲している。
接続部7Cの室外側の端部で、接続部7Cの装着部8D、9Dと対向部7Aの装着部8C、9Cは、それぞれ端部同士を当接させて連続する。また、接続部7Cの室内側の端部で、接続部7Cの装着部8D、9Dと縦枠6Cの装着部8A、9Aは、それぞれ端部同士を当接させて連続する。接続部7Cの装着部8D、9Dは、対向部7Aの装着部8C、9Cの端部から室内側に向かって縦枠6Cの装着部8A、9Aの端部まで連続して延びる。枠体3の2列の装着部8、9のそれぞれは、下枠6B、一対の縦枠6C、一対の接続部7C、及び、対向部7Aに沿って連続して延び、環状に形成されている。
本体ユニット6は、一対の縦枠6Cに形成された2列の縦枠装着部(装着部8A、9A)と、下枠6Bに形成された2列の下枠装着部(装着部8B、9B)を有している。縦枠6Cの装着部8A、9Aと下枠6Bの装着部8B、9Bは、本体ユニット6に形成された本体装着部であり、本体ユニット6は、本体ユニット6の外側部に並列して形成された2列の本体装着部を有している。連結ユニット7は、対向部7Aに形成された2列の対向装着部(装着部8C、9C)と、一対の接続部7Cに形成された2列の接続装着部(装着部8D、9D)を有している。対向部7Aの装着部8C、9Cと接続部7Cの装着部8D、9Dは、連結ユニット7に形成された連結装着部であり、連結ユニット7は、連結ユニット7の外側部に並列して形成された2列の連結装着部を有している。枠体3の2列の装着部8、9は、それぞれ本体ユニット6の本体装着部(装着部8A、9A、装着部8B、9B)と、対向部7Aの対向装着部(装着部8C、9C)と、接続部7Cの接続装着部(装着部8D、9D)を有している。
接続装着部(装着部8D、9D)は、対向装着部の端部(装着部8C、9Cの端部)から本体装着部の端部(装着部8A、9Aの端部)まで配置されて、対向装着部の端部と本体装着部の端部に連続して接続している。2列のシール部材4、5は、それぞれ装着部8、9の本体装着部(装着部8A、9A、装着部8B、9B)、接続装着部(装着部8D、9D)、及び、対向装着部(装着部8C、9C)に連続して装着されている。
具体的には、枠体3の第1装着部8は、順に連続する第1本体装着部(第1装着部8A、第1装着部8B)、第1接続装着部(第1装着部8D)、及び、第1対向装着部(第1装着部8C)を有している。第1シール部材4は、第1装着部8の第1本体装着部、第1接続装着部、及び、第1対向装着部に順に連続して装着されて、第1装着部8に沿って連続して延びる。枠体3の第2装着部9は、順に連続する第2本体装着部(第2装着部9A、第2装着部9B)、第2接続装着部(第2装着部9D)、及び、第2対向装着部(第2装着部9C)を有している。第2シール部材5は、第2装着部9の第2本体装着部、第2接続装着部、及び、第2対向装着部に順に連続して装着されて、第2装着部9に沿って連続して延びる。
2列のシール部材4、5により、枠体3の外側の等圧空間20は、下枠6B、一対の縦枠6C、一対の接続部7C、及び、対向部7Aに沿って連続して形成されて、環状に形成される。一対の縦枠6Cの縦枠等圧空間21と下枠6Bの下枠等圧空間22は、本体ユニット6の外側に形成された本体等圧空間であり、本体ユニット6の外側部に沿って形成されている。対向部7Aの対向等圧空間23と一対の接続部7Cの接続等圧空間24は、連結ユニット7の外側に形成された連結等圧空間であり、連結ユニット7の外側部に沿って形成されている。枠体3の等圧空間20は、順に連続する本体等圧空間(縦枠等圧空間21、下枠等圧空間22)、接続等圧空間24、及び、対向等圧空間23を有しており、2列のシール部材4、5によりシールされる。
以上説明したように、本実施形態のカーテンウォールユニット2では、連結ユニット7を本体ユニット6に連結している。これにより、枠体3の構造が複雑になるのを抑制できるとともに、シール部材4、5を枠体3に容易に連続して装着することができる。そのため、シール部材4、5を連続して装着するための手間やコストを削減することができる。枠体3の外側で、シール部材4、5によるシールを確実に行えるとともに、等圧空間20を本体ユニット6と連結ユニット7に沿って容易に連続して形成することもできる。また、枠体3を簡単に製造することができる。
本体ユニット6と連結ユニット7の間の止水材3B(図3参照)により、本体ユニット6と連結ユニット7の間への水の浸入を防止して、カーテンウォールユニット2の止水性能を向上することができる。連結ユニット7をパネル体2Aの室外側面2Bよりも室内側で本体ユニット6に連結しており(図7参照)、パネル体2Aの室外側面2Bは、本体ユニット6と連結ユニット7の連結部分3Cよりも室外側に位置する。これに伴い、雨水等の水がパネル体2Aにより遮られるため、水が本体ユニット6と連結ユニット7の連結部分3Cまで到達するのを抑制することができる。その結果、カーテンウォールユニット2の止水性能を向上することができる。
連結ユニット7の取付部7Bを本体ユニット6の上枠6A(連結枠)に取り付けることで、連結ユニット7を本体ユニット6に簡単かつ確実に連結することができる。また、連結ユニット7の取付部7Bを上枠6Aの長手方向に沿って配置するため、連結ユニット7の取付部7Bを上枠6Aにより安定して支持でき、本体ユニット6に連結された連結ユニット7を安定させることもできる。取付部7Bの固定部60を上枠6Aの室外側部52の室外側に固定するため、連結ユニット7の取付部7Bを上枠6Aに容易に取り付けることができる。
固定部60の室外側部52への固定に加えて、取付部7Bのカバー部61を上枠6Aの外周部51に装着するため、連結ユニット7の取付部7Bを上枠6Aに安定した状態で取り付けることができる。連結ユニット7と本体ユニット6の連結をより確実に行うこともできる。カバー部61により上枠6Aの外周部51を覆うことで、本体ユニット6と連結ユニット7の連結部分3Cにおいて、本体ユニット6と連結ユニット7の間への水の浸入を抑制することができる。そのため、連結部分3Cにおける止水性能を向上することができる。
なお、装着部8、9は、シール部材4、5が装着可能な部分であればよく、溝状の装着溝以外の装着部であってもよい。また、止水材3B(図3参照)は、上枠6Aの長手方向に沿って配置してもよく、上枠6Aの長手方向の全体にわたって配置してもよい。連結ユニット7を連結する連結枠は、本体ユニット6の上枠6A以外の枠(例えば、下枠6B、縦枠6C)であってもよい。連結ユニット7を本体ユニット6の枠6A〜6C以外の部分に連結してもよい。複数の連結ユニット7を本体ユニット6の複数箇所(例えば、上枠6Aと下枠6B、一対の縦枠6C、上部と下部)に連結してもよい。
連結ユニット7を通気ユニット以外の用途に用いるようにしてもよい。例えば、連結ユニット7の開口部7Dにガラスパネルを設けて、連結ユニット7を副窓ユニットとして用いてもよい。また、連結ユニット7の開口部7Dに装飾部材を設けて、連結ユニット7を装飾ユニットとして用いてもよい。連結ユニット7の開口部7Dに照明装置を設けて、連結ユニット7を照明ユニットとして用いてもよい。これに対し、連結ユニット7に開口部7Dを形成しないようにしてもよい。
本実施形態では、連結ユニット7の対向部7Aが室外側壁材12Aと対向する例について説明したが、対向部7Aと対向する建物10の部材は、他の部材(例えば、室外側壁材12Aに取り付けられた部材、建物10の壁部11に設けられる部材、建物10の梁、建物10の躯体)であってもよい。