JP2022067048A - 建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 24時間換気が行える建具の提供。【解決手段】 上枠15を備え、上枠15は、室外側に設けた見込壁5と、室内側に設けた見込壁8,9と、室外側の見込壁5と室内側の見込壁8,9の間に位置する見付壁10,11,52を有し、これらの見込壁5,8,9と見付壁10,11,52とに通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fが設けてあり、これらの通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fにより、室内外に連通する通気経路2が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形で形成してある。【選択図】 図1

Description

本発明は、室内外に連通する通気経路を設けた建具に関する。
建物の室内環境は、空調設備で制御していたが、窓からの熱の出入りが多く電気代がかかるため、電気代の削減に貢献できる窓が求められていた。
本発明は以上に述べた実情に鑑み、24時間換気が行える建具の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による建具は、上枠を備え、上枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形で形成してあることを特徴とする。
請求項2記載の発明による建具は、上枠を備え、上枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がってから室内側に向けて曲がった形で形成してあることを特徴とする。
請求項3記載の発明による建具は、下枠を備え、下枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の外周側から室内の内周側にクランク字状に曲がった形で形成してあることを特徴とする。
請求項1記載の発明による建具は、上枠を備え、上枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形で形成してあるので、通気経路を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。
請求項2記載の発明による建具は、上枠を備え、上枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がってから室内側に向けて曲がった形で形成してあるので、通気経路を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。
請求項3記載の発明による建具は、下枠を備え、下枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の外周側から室内の内周側にクランク字状に曲がった形で形成してあるので、通気経路を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。
図2に示す建具の外窓の上枠側の部分を拡大して示す縦断面図である。 本発明の建具の第1実施形態を示す縦断面図である。 同建具の横断面図である。 図1のA矢視図である。 図1のB矢視図である。 (a)は通気枠本体の側面図、(b)は通気枠本体の室外側面図、(c)は通気枠本体の室内側面図である。 外窓の上枠側の部分を拡大して示す縦断面図であって、火災時に加熱発泡材が発泡したときの状態を示す。 通気枠の他の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の建具の第2実施形態を示す縦断面図である。 同建具の上枠側の部分を拡大して示す縦断面図である。 本発明の建具の第3実施形態を示す縦断面図である。 同建具の上枠側の部分を拡大して示す縦断面図である。 本発明の建具の第4実施形態を示す縦断面図である。 同建具の上枠側の部分を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~3は、本発明の建具の第1実施形態(請求項1に係る発明の実施形態)を示している。本建具は、図2,3に示すように、外窓13と内窓14とからなる二重窓の外窓13に適用したものである。
外窓13は、図2,3に示すように、アルミ形材よりなる上枠15と下枠16と左右の縦枠17,17とを枠組みしてなる枠18と、上下枠15,16に沿って摺動可能に設けた外障子19a及び内障子19bとを備えている。上枠15は、図1,2に示すように、上枠本体76と、上枠本体76の外周側に設けた通気枠1とで構成されている。上枠本体76は、下枠16及び左右の縦枠17,17と枠組みされて枠18を形成するものであり、通気枠1は、枠18を枠組みした後、上枠本体76の外周側に取付けられる。枠18は、一般的なビル用の引き違いサッシの枠をそのまま用いている。通気枠1は、図1,2に示すように、室外から室内(外窓・内窓間の中間層20)に連通する通気経路2を有している。
通気枠1は、横枠のみからなり、図1に示すように、通気枠本体21と、通気枠本体21の室外側に取付けた室外側カバー材(カバー材)3と、通気枠本体21の室内側に取付けた室内側カバー材22とを有する。通気枠1は、室外側に室外側カバー材3により室外側空間23が形成され、室内外方向の中間部に通気枠本体21により中間空間24が形成され、室内側に室内側カバー材22により室内側空間25が形成されている。通気枠本体21と室外側カバー材3と室内側カバー材22は、それぞれアルミ形材で形成した長尺材である。通気枠1の長手方向両端部には、側板26が取付けてある。
室外側カバー材3は、図1に示すように、見付壁4と見込壁5を有しており、見込壁5は見付壁4の下端より15mm上に上がった位置に設けてある。見込壁5には、室外と通じる通気口6aが内周側に向けて開口して設けてある。通気口6aは、図4に示すように、略矩形の長孔状で、長手方向に間隔をおいて複数形成されている。通気口6aは、見込方向の寸法をできるだけ大きくし、通気口6a同士の間隔は通気口6aの左右寸法に対して短くしてあって、見込壁5の面積の半分以上を通気口6aが占めている。このように見込壁5に通気口6aが大きく形成してあっても、図1に示すように、通気口6aの室外側に見付壁4が垂下していることで、雨水が通気口6aから浸入するのを防いでいる。
見込壁5の上面には防虫網27が取付けてあり、通気口6aからの虫の侵入を防いでいる。防虫網27は、ステンレス製の金網で形成してあり、室内外方向の両端部を見込壁5の上面に対向して形成した溝28に係止して取付けてある。見込壁5は、左右両端部を側板26に取付けられた金具29に下方からのねじ32でねじ止めしてある。
見付壁4の上端部室内側面には、断面略C字形の嵌合溝30が形成してあり、この嵌合溝30を通気枠本体21の室外側に形成された軸部31に室外側から嵌着することでヒンジ部7が構成されている。室外側カバー材3は、ねじ32を外すと、図1中に仮想線で示すように、ヒンジ部7を支点として室外側に回動自在となる。
通気枠本体21は、図1に示すように、上壁33と下壁34と室外側の見付壁10と室内側の見付壁11とで中間空間24が形成されている。室外側の見付壁10には、通気口6bが大きく形成してある。通気口6bは、図6(b)に示すように、略矩形の長孔状で、長手方向に間隔をおいて複数形成されている。通気口6bは、上下方向の寸法をできるだけ大きくし、通気口6b同士の間隔は通気口6bの左右寸法に対して短くしてあり、見付壁10の面積の大部分を通気口6bが占めている。なお、室外側の見付壁10の室外側面にも、防虫網27を取付けることができる。
図1に示すように、通気口6bの下方に隣接する位置には、室外側に向けて突出する水返し片36が設けてあり、該水返し片36により雨水が通気口6bに浸入するのを防いでいる。
室内側の見付壁11には、図1と図6(c)に示すように、細い長孔状の通気口6cが長手方向に間隔をおいて複数形成してある。室内側の見付壁11の通気口6cは室外側の見付壁10の通気口6bと比べて小さくなっている。したがって、室内側の見付壁11の通気口6cの合計面積は、室外側の見付壁10の通気口6bの合計面積よりも小さくなっている。
下壁34は、室外側が低くなるように傾斜した傾斜面37が設けてある。
通気枠1は、上記のように室外側カバー材3の見込壁5と通気枠本体21の室外側の見付壁10とに通気口6a,6bを大きく形成し、通気枠本体21の室内側の見付壁11に通気口6cを小さく形成してあることで、室外側空間23と中間空間24が外気と等圧になっている。これにより、内外圧力差により雨水が通気経路2に吸い込まれるのを防いでおり、多少雨水が通気口6a,6bより浸入したとしても、室外側の通気口6aから速やかに排水される。室内側空間25は、室内に近い気圧になっている。
上壁33は、図1に示すように、室外側の見付壁10よりも室外側に突出しており、その突出した部分は室外側が低くなるように傾斜しており、先端部が下向きに曲がっている。室外側カバー材3が連結される軸部31は、上壁33から下方に離間して設けてあり、上壁33の先端部がヒンジ部7を覆うひさし38になっている。これにより、ヒンジ部7からの雨水の浸入を防いでいる。
上壁33の室内外方向の中間位置には、外周側に向けて突出する突出片39を有し、その室内側にアンカー40の係止部41を有し、該係止部41に係止したアンカー40により通気枠1が躯体42に固定されている。通気枠本体21と躯体42との間は、室外側からシール材43を充填してシールしてある。
通気枠本体21の下面の室内側寄りには、中空の突部44が形成してあり、突部44の下面側に上枠15のアンカー係合部45に係合する係合片46と、上枠15をねじ止めするためのねじ止め片47を有している。通気枠本体21は、係合片46を上枠15のアンカー係合部45に係合し、上枠15の突出片48を突部44の室外側壁に室外側からのねじ49でねじ止めし、ねじ止め片47を上枠15に室内側からのねじ50でねじ止めして、上枠15と連結してある。上枠15と通気枠本体21との隙間は、室外側からシール材51を充填してシールしてあり、シール材51は室外側の通気口6aよりも室内側に位置している。シール材51の充填作業は、図中に二点鎖線で示すように、室外側カバー材3をヒンジ部7を支点に室外側に回動させた状態で行うことができる。
室内側カバー材22は、図1に示すように、略L形断面の二部材22a,22bを組み合わせて矩形断面の中空状に形成され、そのうちの室外側部材22aの見付壁52に通気口6dが通気枠本体21の通気口6cに連通して形成してある。室外側部材22aの見込壁8と、その下方に取付けた樹脂カバー53の見込壁9とには、通気口6e,6fが下向きに開口して設けてある。通気口6e,6fは、図5に示すように、小さなスリット状で、長手方向に間隔をおいて多数形成してある。上下の通気口6e,6fの間には、図1,5に示すように、摘み54を操作することで左右方向にスライドして通気口6e,6fを開閉できるシャッター板55と、埃や花粉等の侵入を防ぐフィルタ76が設けてある。
図1に示すように、室内側カバー材22の室内側面には、板状の整流体56が室内側からのノブボルト57で着脱自在に取付けてある。整流体56は、下部が室外側に向けて少し曲がっており、これにより室内側の通気口6fから流出する空気を室外側に曲げて外窓13の障子19a,19bのガラス面に沿わせられる。
以上に述べたように通気枠1は、室外側カバー材3の見込壁5に設けた通気口6aと、通気枠本体21の室外側及び室内側の見付壁10,11に設けた通気口6b,6cと、室内側カバー材22の見付壁52に設けた通気口6dと、室内側カバー材22及び樹脂カバー53の見込壁8,9に設けた通気口6e,6fとにより、室内外に連通する通気経路2が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形で形成してある(図1参照)。
このように通気経路2をコ字状に曲がった形とすること自体にも雨水の浸入を防ぐ効果があるが、本通気枠1は、室外側カバー材3の見付壁4を通気口6aが設けられた見込壁5よりも下方にのばすこと、通気枠本体21の室外側の見付壁10に形成した通気口6bの下方に隣接して、室外側に突出する水返し片36を設けることで、雨水の浸入をより確実に防いでいる。
さらに本通気枠1は、通気枠本体21の室内側の見付壁11の通気口6cの合計面積を室外側の見付壁10の通気口6bの合計面積よりも小さくしてあることで、室外空間23と中間空間24の室外との圧力差が小さくなるので、雨水が内外圧力差によって通気経路2に吸い込まれるのを防ぐことができ、荒天時に雨水が通気経路2に入ったとしても、室外側の通気口6aから排水される。
本通気枠1は、図1に示すように、室外側カバー材3の見付壁4の室内側面の見込壁5の上方に隣接する位置に、火災の熱により発泡・膨張する加熱発泡材12aが長手方向の全長に設けてある。さらに、通気枠本体21の水返し片36の上面に、見付壁10の通気口6bの室外側に隣接して加熱発泡材12bが長手方向の全長に設けてある。火災時には、図7に示すように、これらの加熱発泡材12a,12bが発泡・膨張して室外側空間23を埋め、発泡・膨張した加熱発泡材12a,12bで室外側寄りに位置する通気口6a,6bが塞がれる。加熱発泡材12bは、加熱発泡材12aに押されることで、一部が通気口6bより中間空間24に入り込む。
また、室内側カバー材22の見込壁8の上面に、通気口6eの室外側に隣接して加熱発泡材12cが長手方向の全長に設けてある。火災時には、図7に示すように、この加熱発泡材12cが発泡・膨張して室内側空間25を埋め、発泡・膨張した加熱発泡材12cで室内側寄りに位置する通気口6d,6eが塞がれる。そして、通気経路2内で室外側寄りに位置する通気口6a,6bと室内側寄りに位置する通気口6d,6eが加熱発泡材12a,12b,12cで塞がれることで、通気経路2からの火炎や煙の連通を阻止し、延焼を防止することができる。
上述の実施形態では、通気枠1の室外側空間23内の2箇所に加熱発泡材12a,12bを設け、火災時には見込壁5の通気口6aと見付壁10の通気口6bが両方とも塞がれるようにしているが、室外側空間23内の1箇所にだけ加熱発泡材を設け、見込壁5の通気口6aと見付壁10の通気口6bの何れか一方だけが塞がれるようになっていてもよい。
また、上述の実施形態では、通気枠1の室外側空間23内と室内側空間25内の両方に加熱発泡材12a,12b,12cが設けてあるが、室外側空間23内と室内側空間内25内のどちらか一方にだけ加熱発泡材が設けてあってもよい。その場合でも、火災時に室外側空間23と室内側空間25のどちらか一方が発泡した加熱発泡材で埋まることで、通気経路2からの火炎や煙の連通を防ぐことができる。
なお、実施形態のように通気枠1の室外側空間23内と室内側空間25内の両方に加熱発泡材12a,12b,12cが設けてあれば、室外側で火災が発生したときには室外側の加熱発泡材12a,12bが速やかに発泡して室外側空間23が埋まり、室内側で火災が発生したときには室内側の加熱発泡材12cが速やかに発泡して室内側空間25が埋まるため、室外側で火災が発生したときと室内側で火災が発生したときの何れの場合も、火災発生時に早い段階で通気経路2を遮断し、火炎や煙の連通を確実に防ぐことができる。
また本通気枠1は、室外側カバー材3が見付壁4の上部に設けたヒンジ部7を支点に室外側に回動自在であり、室外側カバー材3を室外側に回動させることで、通気枠1内のメンテナンス、例えば防虫網27の交換等を容易に行うことができる。さらに、室外側カバー材3を室外側に回動させることで、通気枠本体21と上枠15間にシール材51を充填する作業も容易に行うことができる。室外側カバー材3がヒンジ部7で通気枠本体21と連結されているため、上記の通気枠1のメンテナンス作業や通気枠本体21と上枠15間のシール作業を行う際に室外側カバー材3が脱落することがなく、作業性が良い。
図8は、通気枠1の他の実施形態を示している。室外側カバー材3は、見込壁5が室外側が高くなるように傾斜して設けてある。このように見込壁5を傾斜して設けることで、見込壁5の通気口6aから雨水が浸入したときに、雨水が見込壁5上に溜まらずに流下するため、排水性が向上する。
内窓14は、図2,3に示すように、四周の額縁58の内周側面に取付けた上枠59と下枠60及び左右の縦枠61,61と、上下枠59,60間に引違い状に開閉自在に収めた外障子62a及び内障子62bを備えている。枠59,60,61と障子62a,62bの框は、樹脂製である。障子62a,62bのガラス63は、複層ガラスである。外窓13の枠18と内窓14の枠59,60,61の間には木製の額縁58があるため、外窓13と内窓14とは熱的に分離されている。
内窓14は、図2に示すように、上枠59の外周側に換気装置64が設けてある。換気装置64は、アルミ形材よりなる上形材65と下形材66とを上下に組み合わせて構成してあり、上形材65と下形材66の間に室内外方向に連通する通気部67が設けてある。
下形材66は、室外側端部と室内側端部とに上向きに突出して突片68a,68bが形成してあり、室外側の突片68aと上形材65との間に室外側通気口69aが長手方向に形成され、室内側の突片68bと上形材65との間に室内側通気口69bが長手方向に形成されている。
上形材65は、室外側端部に整流板70が垂下して一体に設けてあり、整流板70は室外側通気口69aの室外側に対向している。また上形材65は、室外側通気口69aと室内側通気口69bの間に2つの連結壁71a,71bが垂下して設けてあり、各連結壁71a,71bの先端部を下形材66の上面に形成された溝72に係合することで、上形材65と下形材66とが連結されている。連結壁71a,71bには、通気口73が長手方向に間隔をおいて複数形成してある。
本建具は、樹脂製の枠59,60,61及び框と複層ガラス63を用いた内窓14を設けたことに加え、外窓13の通気枠1に設けた通気経路2と中間層20と内窓14上部に設けた通気部67を通じて室内外を空気が流れ、その際に中間層20を空気が外窓13の内側面と内窓14の外側面に沿うように迂回して流れることで、空気の流入する方向とは逆方向の熱移動が妨げられ、非常に優れた断熱性能を発揮し、空調設備の電気代のより一層の削減に寄与する。
冬期の場合について説明すると、換気扇等により室内を負圧に調整し、図2に示すように、本二重窓を空気が室外から室内に向けて流れるようにする。外窓13の通気枠1から流入した冷たい空気(外気)は、室内側の通気口6fが下向きに開口しており、尚且つその室内側に整流体56が垂下して設けてあることにより、外窓13のガラス74の室内側面に沿うように下向きに流出する。その後、冷たい空気はコールドドラフトにより中間層20の下まで流れてから折り返し、内窓14のガラス63から室内の熱が伝わることで暖められ、ガラス63の室外側面に沿って上昇し、この間にガラス63から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収する。その後、暖められた空気は内窓14上部の通気部67を通って室内に流入する。上形材65に整流板70が垂下して設けてあることで、ガラス63の室外側面に沿って上昇した空気が室外側に逆流するのを防ぎ、通気部67へと導くことができる。空気が通気部67を通過する際にも、室内の熱で暖められた換気装置64や上枠59の熱を空気の流れによって回収する。そうして暖められた空気を室内に取り入れることで、回収した熱を室内に戻すことができる。
このように、中間層20内を外窓13と内窓14に沿うように迂回して空気が流れることで、室内から室外に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室内に戻すことで、室内から室外への熱の損失がほとんどなくなるので、非常に高い断熱性が得られる。また、外気を暖めて室内に採り込めるので、室内に居る人が冷たい風を感じることがなく、暖房効率も良い。
夏期には、換気扇等により室内を正圧に調整し、冬期とは逆に室内から室外に空気が流れるようにする。内窓14の通気部67から出た空気は整流板70に当たって下向きに流れを変え、室内の空気の温度は室外よりも低いので、空気は内窓14のガラス63の室外側面に沿って下向きに流れ、その後、中間層20の下部で折り返し、外窓13のガラス74等の熱が伝わることで外窓13のガラス74の室内側面に沿って上昇し、この間にガラス74を通じて室外から室内に入ってくる熱と日射熱を空気の流れによって回収する。その後、外窓13の通気枠1を通って空気が室外に放出される。空気が通気枠1を通過する際、通気枠1を伝って室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収する。そして、空気が室外に放出されることで、ガラス74や通気枠1から回収した熱と日射熱を室外に捨てる。
このように日射熱及び室外から室内に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室外に捨てることで、空気が流出する方向とは逆方向である室外側から室内側への熱輸送が妨げられ、優れた断熱効果を発揮して、室内が涼しく保たれる。
本建具は、外窓13の上枠15の外周側に通気枠1を設け、通気枠1に室内外に連通する通気経路2を設けたので、外窓13の枠18や障子19a,19bに通気部を設ける必要がない。通気枠1は、室外に面した通気口6aが下向きに開口して設けてあり、その通気口6aの室外側に見付壁4が垂下して設けてあることや、通気枠1の室外側空間23及び中間空間24を外気と等圧としてあることなどにより、外窓13に通気経路2を有しながら雨水の浸入を防止することができ、水密性能を確保できる。さらに通気枠2は、通気経路2内の室外側及び室内側で通気口6a,6b,6d,6eを塞ぐ加熱発泡材12a,12b,12cが設けてあるので、防火性能を付与できる。
図9,10は、本発明の建具の第2実施形態(請求項1に係る発明の実施形態)を示している。第1実施形態の建具(外窓)は、上枠15が上枠本体76と通気枠1とで構成されていたが、本実施形態の建具の上枠15は、上枠本体76に相当する部分と通気枠1に相当する部分とを一体で形成してある。その点を除けば、図10に示すように、室外側に室外側カバー材3が取付けてあり、室内側に室内側カバー材22が取付けてある点や、室内外に連通する通気経路2が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形に設けてある点など、基本的に第1実施形態と同様の構造となっている。
本実施形態の建具は、第1実施形態と同様に二重窓の外窓13として用いることができ、外窓13と内窓14に沿うように中間層20を空気が迂回して流れることで、窓からの熱の出入りを抑える効果が得られる。
上枠15側の額縁58は、図10に示すように、下面が上枠15の室内側カバー材22の下面と同じ高さになるように配置され、額縁58のラインと上枠15のラインを揃えてある。これにより、室内側から見て上枠15の大部分が隠れるので、すっきりした内観意匠になる。
第2実施形態の建具は、上枠15に通気経路2を一体に設けたことで、上枠15の見付寸法(上下寸法)が小さくなり、これに伴って窓のガラス面積や障子19a,19bを開けたときの開口面積を増大できる。さらに、額縁58のラインと上枠15のラインと揃えることで、すっきりした内観意匠になる。また、枠組みした枠18に後から通気枠1を取付けたり、枠18と通気枠1の間の隙間をシールしたりする手間が要らないので、施工が簡便になる。
図11,12は、本発明の建具の第3実施形態(請求項2に係る発明の実施形態)を示している。本実施形態は、第2実施形態と同様に、上枠15に通気経路2が一体に設けてある。
上枠15は、図12に示すように、室内に通じる通気口6eが設けられた見込壁8の内周側に、通気口6eと対向するようにカバー片77が設けてあるとともに、カバー片77の室内側端部に立ち上がり片78が設けてあり、これにより通気口6eよりも内周側にスリット状の通気口6gが室内に向けて開口して形成されている。
上枠15は、上記のとおりカバー片77と立ち上がり片78が設けてあることで、室内外に連通する通気経路2が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がってから室内側に向けて曲がった形で形成してある。
本実施形態によれば、通気経路2を通じて24時間換気を行うことができ、しかも壁(額縁)58に沿って空気が流れるため、換気の効果が得やすい。
図13,14は、本発明の建具の第4実施形態(請求項3に係る発明の実施形態)を示している。本実施形態は、室内外に連通する通気経路2を上枠15ではなく下枠16に設けてある点が、これまでに説明した実施形態と異なっている。
下枠16は、図14に示すように、第1~3実施形態の上枠15と同様に、室外側に室外側カバー材3が取付けてあり、室内側に室内側カバー材22が取付けてある。下枠16は、室外側に室外側カバー材3により室外側空間23が形成され、室内外方向の中間部に中間空間24が形成され、室内側に室内側カバー材22により室内側空間25が形成してある。そして、これまでに説明した実施形態と同様に、室外側カバー材3の見込壁5に通気口6aが下向きに開口して設けられ、室外側空間23と中間空間24との間の見付壁10、及び中間空間24と室内側空間25との間の見付壁11,52に通気口6b,6c,6dが設けてある。室内側カバー材22は、内周側の見込壁8と、その上方に取付けた樹脂カバー53の見込壁9とに、通気口6e,6fが上向きに開口して設けてある。
下枠16は、これらの通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fにより、室内外に連通する通気経路2が室外の外周側から室内の内周側にクランク状に曲がった形で形成してある。
本実施形態の建具は、下枠16に設けた通気経路2を通じて24時間換気を行うことができ、通気経路2が室外の外周側から室内の内周側にクランク状に曲がった形で形成してあることで、通気経路2から雨水が浸入するのを防ぐことができ、水密性能が出しやすい。
以上に述べたように本建具(第1,2実施形態)は、上枠15を備え、上枠15は、室外側に設けた見込壁5と、室内側に設けた見込壁8,9と、室外側の見込壁5と室内側の見込壁8,9の間に位置する見付壁10,11,52を有し、これらの見込壁5,8,9と見付壁10,11,52とに通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fが設けてあり、これらの通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fにより、室内外に連通する通気経路2が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形で形成してあるので、通気経路2を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。
本建具(第1,2実施形態)を二重窓の外窓13として用い、外窓13と内窓14に沿うように中間層20を空気が迂回して流れるようにすることで、窓からの熱の出入りを抑える効果が得られる。
第2実施形態の建具は、額縁58のラインと上枠15のラインを揃えたことで(図10参照)、すっきりした内観意匠になる。
本建具(第3実施形態)は、上枠15を備え、上枠15は、室外側に設けた見込壁5と、室内側に設けた見込壁8と、室外側の見込壁5と室内側の見込壁8の間に位置する見付壁10,11,52を有し、これらの見込壁5,8と見付壁10,11,52とに通気口6a,6b,6c,6d,6eが設けてあり、これらの通気口6a,6b,6c,6d,6eにより、室内外に連通する通気経路2が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がってから室内側に向けて曲がった形で形成してあるので(図12参照)、通気経路2を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。
しかも本建具(第3実施形態)は、壁(額縁)58に沿って空気が流れるため、換気の効果が得やすい。
本建具(第4実施形態)は、下枠16を備え、下枠16は、室外側に設けた見込壁5と、室内側に設けた見込壁8,9と、室外側の見込壁5と室内側の見込壁8,9の間に位置する見付壁10,11,52を有し、これらの見込壁5,8,9と見付壁10,11,52とに通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fが設けてあり、これらの通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fにより、室内外に連通する通気経路2が室外の外周側から室内の内周側にクランク字状に曲がった形で形成してあるので(図14参照)、通気経路2を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。
しかも、通気経路2が室外の外周側から室内の内周側にクランク状に曲がった形で形成してあることで、通気経路2から雨水が浸入するのを防ぐことができ、水密性能が出しやすい。
本建具(第1~4実施形態)は、通気口6a,6b,6c,6d,6e,6fが枠(上枠15又は下枠16)の長手方向に間隔をおいて複数設けてあることで、枠の強度を維持しつつ換気量を適宜調節したり、雨水が入りにくくしたりすることができる。
また本建具(第1~4実施形態)は、室内側の見付壁11の通気口6cの合計面積を室外側の見付壁10の通気口6bの合計面積よりも小さくしてあることで、室内側の見付壁11よりも室外側の通気経路2内の室外との圧力差が小さくなるため、圧力差によって雨水が通気経路2に吸い込まれるのを防ぐことができ、仮に通気経路2に雨水が浸入したとしても室外側の通気口6aから排水できる。
また本建具(第1~4実施形態)は、上枠15又は下枠16は、室外側にカバー材(室外側カバー材)3が設けてあり、カバー材3は、見付壁4と見込壁5を有し、見込壁5に室外に面した通気口6aが設けてあり、見付壁4の上端部に設けたヒンジ部7を支点に室外側に回動自在であるため、カバー材3をヒンジ部7を支点に室外側に回動させることで、上枠15又は下枠16内部のメンテナンスが行え、その際にカバー材3が脱落することがない。さらに、ヒンジ部7を覆うひさし38を有しているので、ヒンジ部7から雨水が浸入するのを防ぐことができる。また、カバー材3は、見付壁4の下部が見込壁5より下方に突出していることで、見込壁5の通気口6aから雨水が浸入するのを防ぐことができる。
また本建具(第1~4実施形態)は、通気経路2内に火災時に室外側の通気口6a,6b及び室内側の通気口6d,6eを塞ぐ加熱発泡材12a,12b,12cが設けてあることで、防火性能を付与できる。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本発明の建具は、二重窓ではなく、単体でも用いることができる。窓種は、引き違い窓に限らず、嵌め殺し窓、すべり出し窓など、すべての窓種に対応することができる。上枠や下枠の形状、材質は、適宜変更することができる。通気口の形状は任意であり、矩形の長孔状に限らず、例えば円形であってもよい。
1 通気枠
2 通気経路
3 室外側カバー材(カバー材)
4 見付壁
5 室外側の見込壁
6a,6b,6c,6d,6e,6f 通気口
7 ヒンジ部
8,9 室内側の見込壁
10,11 見付壁
12a,12b,12c 加熱発泡材
15 上枠
16 下枠

Claims (3)

  1. 上枠を備え、上枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がった形で形成してあることを特徴とする建具。
  2. 上枠を備え、上枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の内周側から室内の内周側にコ字状に曲がってから室内側に向けて曲がった形で形成してあることを特徴とする建具。
  3. 下枠を備え、下枠は、室外側に設けた見込壁と、室内側に設けた見込壁と、室外側の見込壁と室内側の見込壁の間に位置する見付壁を有し、これらの見込壁と見付壁とに通気口が設けてあり、これらの通気口により、室内外に連通する通気経路が室外の外周側から室内の内周側にクランク字状に曲がった形で形成してあることを特徴とする建具。
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