JP2022032573A - 建具 - Google Patents
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Abstract
Description
枠6は、アルミ形材よりなる上枠8と下枠9と左右の縦枠10,10とを枠組みして構成されている。外障子7a及び内障子7bは、アルミ形材よりなる上框11と下框12と戸先框13と召合せ框14とを框組みし、その内側にガラス15を嵌め込んで構成されている。
外障子7a及び内障子7bの下框12の内周側には、図1に示すように、換気框16が設けてある。換気框16は、室外側壁と室内側壁とに通気孔17,18を設け、室外から外窓・内窓間の中間層19に連通する通気部4を形成してある。通気孔17,18は、図3(a)に示すように、縦長のスリット状で、左右方向に間隔をあけて框の長手方向の全長に亘って多数設けてある。室外側壁の通気孔17は、図1に示すように、斜め下方に面した傾斜面に形成してあり、室内側壁の通気孔18より低い位置に設けてある。これにより、通気部4から雨水が入りにくくしている。通気部4内には、通気部4を開閉するシャッター板20が設けてある。
上枠22の上部には、換気ブレス27を備えている。換気ブレス27は、室外側と室内側の見付面に多数の通気孔28を設け、中間層19から室内に連通する通気部5が設けてある。通気孔28は、図3(b)に示すように、縦長のスリット状で、左右方向に間隔をあけて上枠22の長手方向の全長に亘って多数設けてある。通気部5の室内側には、埃や花粉等の侵入を防ぐフィルター29が設けてある。
同図より明らかなように、比較例では400~1000Hz付近に落ち込みがあるが、第1実施形態ではそのような落ち込みがなくなり、遮音性能が向上していることが分かる。
冬期には、室内に設けた換気扇等により室内を負圧に調整し、図4(a)に示すように、建具を室外から室内に向けて空気が流れるようにする。外窓1の通気部4より流入した冷たい外気は、内窓2のガラス26から室内の熱が伝わることで暖められ、内窓2のガラス26の室外側面に沿って上昇し、この間にガラス26から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収する。また、窓に日射を受ける場合は、このように中間層19をガラス26の外側面に沿うように流れる間に、日射熱を取得することができる。その後、暖められた外気の大部分が内窓2上部に設けた通気部5より室内に流入し、これにより回収した熱を室内に戻すことができる。内窓2の外側面に沿って上昇する外気の一部は、室外側に逆流して回収した熱の一部をロスするが、内窓2の通気部5の室外側に整流体3が設けてあることで、室外側に逆流する空気の量を少なくできる。
このように室外から室内に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室外に捨てることで、空気が流出する方向とは逆方向である室外側から室内側への熱輸送が妨げられ、優れた断熱効果を発揮して、室内が涼しく保たれる。
外窓1は、図6に示すように、枠6内で引き違い状に開閉する外障子7aと内障子7bを有し、外障子7aの下框12の内周側にだけ換気框16を設け、外障子7aの下部にだけ室外と連通する通気部4を設けてある。
内窓2は、図6に示すように、枠6内で引き違い状に開閉する外障子25aと内障子25bを有し、内障子25bの上框32の内周側にだけ換気框16を設け、内障子25bの上部にだけ室内と連通する通気部5を設けてある。したがって、第2実施形態の建具は、図7に示すように、外窓1の通気部4が設けてある範囲33と、内窓2の通気部5が設けてある範囲34とが、左右にずれた位置にある。
このように整流体3を取付けることで、先に説明した第1実施形態と同様に、冬期には室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収して室内に戻し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収して室外に捨てることで断熱性能が向上し、冷暖房負荷を抑えることができる。
外窓1は、図9に示すように、枠6内で引き違い状に開閉する外障子7aと内障子7bを有し、外障子7aの上框11の内周側にだけ換気框16を設け、外障子7aの上部にだけ室外と連通する通気部4を設けてある。
内窓2は、図9に示すように、枠6内で引き違い状に開閉する外障子25aと内障子25bを有し、内障子25bの上框32の内周側にだけ換気框16を設け、内障子25bの上部にだけ室内と連通する通気部5を設けてある。したがって、第3実施形態の建具は、第2実施形態と同様に、外窓1の通気部4が設けてある範囲33と、内窓2の通気部5が設けてある範囲34とが、左右にずれた位置にある(図7参照)。
本実施形態の建具は、外窓1の通気部4と内窓2の通気部5が左右にずれた範囲に設けてある上、外窓1の通気部4と内窓2の通気部5とに対向して整流体3が設けてあることで、整流体3で音の通過が妨げられるため、遮音性能が向上する。
冬期には換気扇等により室内を負圧に調整し、図11(a)に示すように、本建具を空気が室外から室内に向けて流れるようにする。外窓1の通気部4から流入した冷たい外気は、整流体3に当たることで下向きに流れの向きを変え、その後、温度が低く下降流の勢いが強い外窓1のガラス15の内側面に沿う流れに引き寄せられながら下降する。その後、冷たい外気は中間層19の下まで流れてから折り返し、内窓2のガラス26から室内の熱が伝わることで暖められ、ガラス26の室外側面に沿って上昇し、この間にガラス26から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収する。また、窓に日射を受ける場合は、このように中間層19を空気が外窓1の内側面と内窓2の外側面に沿うように流れる間に、日射熱を取得することができる。その後、暖められた外気は内窓2上部の通気部5を通って室内に流入する。そうして暖められた外気を室内に取り入れることで、回収した熱を室内に戻すことができる。
内窓2は、第1実施形態と同様に上枠22上に換気ブレス27を設け、換気ブレス27に室内と連通する通気部5が設けてある。
外窓1の通気部4は外障子7aのみに設けてあり、内窓2の通気部5は上枠22の全長にわたって設けてあるため、外窓1の通気部4の面積(通気孔18の合計面積)は内窓2の通気部5の面積(通気孔28の合計面積)のほぼ半分になっている。
中間層19には、上側の額縁21より垂下して整流体3が設けてあり、整流体3は外窓1の通気部4と内窓2の通気部5とに対向している。
また、中間層19を空気が外窓1の内側面と内窓2の外側面に沿うように迂回して流れることで、冬期には室内から室外に逃げる熱を回収し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を回収して室外に捨てることで、換気を行いながら熱の出入りを少なくし、冷暖房負荷を抑えることができる。
通気枠36は、上記のように通気枠本体37の室外側壁54に通気孔56を大きく、室内側壁55に通気孔58を小さく形成してあることで、室外側空間40と中間空間41とが外気と等圧になっている。これにより、雨水が通気部4に吸い込まれないようにしている。室内側空間42は、室内に近い気圧になっている。
図16(b)に示す例は、通気孔60の数を少なくし、通気枠36の全長に等間隔で分散して配置している。外窓1の通気部4の面積(通気孔60の合計面積)は、内窓2の通気部5の面積(通気孔28の合計面積)の約1/10としてある。
図16(c)に示す例は、通気孔60を通気枠36の左右両端部に寄せて配置してある。外窓1の通気部4の面積(通気孔60の合計面積)は、内窓2の通気部5の面積(通気孔28の合計面積)の約1/10としてある。
図16(d)に示す例は、通気孔60を通気枠36の左右方向の中間部(中央部)に寄せて配置してある。外窓1の通気部4の面積(通気孔60の合計面積)は、内窓2の通気部5の面積(通気孔28の合計面積)の約1/10としてある。
同図に示すとおり、通気孔60を全長に多数設けた図16(a)のものは、400~1000Hz付近で落ち込みが見られるが、通気孔60の数を少なくした図16(b),(c),(d)では、そのような落ち込みが無くなり、遮音性能が向上している。通気孔60の数を少なくしたもののうちでは、全長に分散して配置した図16(b)よりも、端部寄り又は中央寄りにかためて配置した図16(c),(d)のものの方が、遮音性能が良かった。
また、中間層19を空気が外窓1の内側面と内窓2の外側面に沿うように迂回して流れることで、冬期には室内から室外に逃げる熱を回収し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を回収して室外に捨てることで、換気を行いながら熱の出入りを少なくし、冷暖房負荷を抑えることができる。
また、換気の際に、外側仕切体1の通気部4から入った外気が内側仕切体2の外側面に沿って上昇してから内側仕切体2の通気部5より室内に流入するか、内側仕切体2の通気部5から出た内気が内側仕切体2の外側面に沿って下降してから外側仕切体1の通気部4から室外に流出することで、冬期には室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収して室内に戻し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収して室外に捨てることで、換気をしながら熱の出入りを少なくでき、冷暖房負荷を抑えることができる。
中間層19に整流体3を設けたことで、空気の逆流を抑制することができ、上記の作用がより効率よく発揮される。
また、換気の際に、外側仕切体1の通気部4から入った外気が内側仕切体2の外側面に沿って上昇してから内側仕切体2の通気部5より室内に流入するか、内側仕切体2の通気部5から出た内気が内側仕切体2の外側面に沿って下降してから外側仕切体1の通気部4から室外に流出することで、冬期には室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収して室内に戻し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収して室外に捨てることで、換気をしながら熱の出入りを少なくでき、冷暖房負荷を抑えることができる。
中間層19に整流体3を設けた場合には、空気の逆流を抑制することができ、上記の作用がより効率よく発揮される。
外側仕切体1の通気部4又は内側仕切体2の通気部5を、左右方向の中間に寄せて設けるか、左右方向の一方又は両方の端部に寄せて設けることで、遮音性能が向上する。
外側仕切体1の通気部4と内側仕切体2の通気部5の面積を異ならせることで、遮音性能が向上する。
中間層19に整流体3を設けた場合には、外側仕切体1の通気部4から入った外気が外側仕切体1の内側面に沿って一方向に流れ、中間層19の端部付近で折り返し、内側仕切体2の外側面に沿って他方向に流れ、内側仕切体2の通気部5より室内に流入するか、内側仕切体2の通気部5から出た内気が内側仕切体2の外側面に沿って一方向に流れ、中間層19の端部付近で折り返し、外側仕切体1の内側面に沿って他方向に流れ、外側仕切体1の通気部4より室外に流出することで、冬期には室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収して室内に戻し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収して室外に捨てることで、換気をしながら熱の出入りを少なくでき、冷暖房負荷を抑えることができる。また、整流体3を設けることで、遮音性能が向上する効果もある。
外側仕切体1の通気部4又は内側仕切体2の通気部5を、左右方向の中間に寄せて設けるか、左右方向の一方又は両方の端部に寄せて設けることで、遮音性能が向上する。
外側仕切体1の通気部4と内側仕切体2の通気部5の面積を異ならせることで、遮音性能が向上する。
整流体3が外側仕切体1の通気部4と内側仕切体2の通気部5に対向して設けてあることで、外側仕切体1の通気部4から入った外気が外側仕切体1の内側面に沿って一方向に流れ、中間層19の端部付近で折り返し、内側仕切体2の外側面に沿って他方向に流れ、内側仕切体2の通気部5より室内に流入するか、内側仕切体2の通気部5から出た内気が内側仕切体2の外側面に沿って一方向に流れ、中間層19の端部付近で折り返し、外側仕切体1の内側面に沿って他方向に流れ、外側仕切体1の通気部4より室外に流出することで、冬期には室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収して室内に戻し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収して室外に捨てることで、換気をしながら熱の出入りを少なくでき、冷暖房負荷を抑えることができる。
外側仕切体1の通気部4又は内側仕切体2の通気部5を、左右方向の中間に寄せて設けるか、左右方向の一方又は両方の端部に寄せて設けることで、遮音性能が向上する。
外側仕切体1の通気部4と内側仕切体2の通気部5の面積を異ならせることで、遮音性能が向上する。
外側仕切体は、室外空間と中間層とに仕切るものであればよく、ガラス入りの外窓の他、シャッター、雨戸、ロールスクリーン等であってもよい。内側仕切体は、中間層と室内空間とに仕切るものであればよく、ガラス入りの内窓の他、カーテン、ロールスクリーン、障子等であってもよい。
整流体は、外側仕切体と内側仕切体の間で下降する空気と上昇する空気とがぶつかり合って空気の流れが阻害されるのを防ぎ、外側仕切体の内側面と内側仕切体の外側面に沿うように迂回する空気の流れを形成できるものであればよく、板状のものの他、ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムスクリーン等であってもよい。
本発明の建具は、空気が流れる向きが室外から室内だけのもの、室内から室外だけのもの、室外から室内と室内から室外の両方向に空気が流れるものの何れであってもよい。
本発明は、新築の建物に外窓と内窓を新たに設置する場合の他、既存の単体のサッシ(外窓)が取付けられた窓に、後から内窓を増設して二重窓とする場合にも適用でき、既存の外窓を利用することで、コストが抑えられる。
2 内窓(内側仕切体)
3 整流体
4 外窓の通気部
5 内窓の通気部
Claims (1)
- 外側仕切体と内側仕切体とを備え、外側仕切体の下部に室外と連通する通気部を有し、内側仕切体の上部に室内と連通する通気部を有することを特徴とする建具。
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