JP2022074200A - 換気装置、内窓、二重窓 - Google Patents

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久夫 大西
Hisao Onishi
直路 田中
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【課題】 24時間換気が行える換気装置の提供。【解決手段】 外周側フレーム65と内周側フレーム66とを備え、外周側フレーム65と内周側フレーム66との間に室内外に連通する通気経路67が形成してあり、外周側フレーム65又は内周側フレーム66の室外側寄りの位置に、火災時に通気経路67の室外側開口部76,78を塞ぐための加熱発泡材80aが全長に設けてあり、外周側フレーム65又は内周側フレーム66の室内側寄りの位置に、火災時に通気経路67の室内側開口部79を塞ぐための加熱発泡材80bが全長に設けてある。【選択図】 図1

Description

本発明は、換気装置と、当該換気装置を備える内窓及び二重窓に関する。
建物の室内環境は、空調設備で制御していたが、窓からの熱の出入りが多く電気代がかかるため、電気代の削減に貢献できる窓が求められていた。
本発明は以上に述べた実情に鑑み、24時間換気が行える換気装置と、当該換気装置を備える内窓及び二重窓の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による換気装置は、外周側フレームと内周側フレームとを備え、外周側フレームと内周側フレームとの間に室内外に連通する通気経路が形成してあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室外側寄りの位置に、火災時に通気経路の室外側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室内側寄りの位置に、火災時に通気経路の室内側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあることを特徴とする。
請求項2記載の発明による換気装置は、外周側フレームと内周側フレームと連結材とを備え、連結材は、長手方向に間隔をおいて配置してあって、外周側フレームと内周側フレームをつないでおり、外周側フレームと内周側フレームとの間に室内外に連通する通気経路が形成してあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室外側寄りの位置に、火災時に通気経路の室外側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室内側寄りの位置に、火災時に通気経路の室内側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあることを特徴とする。
請求項3記載の発明による内窓は、窓の外周側に請求項1又は請求項2記載の換気装置を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明による二重窓は、外窓と内窓を備え、内窓の外周側に請求項1又は請求項2記載の換気装置を備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明による換気装置は、外周側フレームと内周側フレームとを備え、外周側フレームと内周側フレームとの間に室内外に連通する通気経路が形成してあるので、通気経路を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。さらに本発明の換気装置は、外周側フレーム又は内周側フレームの室外側寄りの位置に、火災時に通気経路の室外側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室内側寄りの位置に、火災時に通気経路の室内側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあることで、防火性能を付与できる。
請求項2記載の発明による換気装置は、外周側フレームと内周側フレームと連結材とを備え、連結材は、長手方向に間隔をおいて配置してあって、外周側フレームと内周側フレームをつないでおり、外周側フレームと内周側フレームとの間に室内外に連通する通気経路が形成してあるので、通気経路を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。さらに本発明の換気装置は、外周側フレーム又は内周側フレームの室外側寄りの位置に、火災時に通気経路の室外側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室内側寄りの位置に、火災時に通気経路の室内側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあることで、防火性能を付与できる。
請求項3記載の発明による内窓は、窓の外周側に請求項1又は2記載の換気装置を備えることで、換気装置の通気経路を通じて室内外を空気が流通するので、電気代の削減に貢献できる。また、火災時に通気経路の室外側及び室内側の開口部が加熱発泡材で塞がれることで、防火性能を発揮する。
請求項4記載の発明による二重窓は、外窓と内窓とを備え、内窓の外周側に請求項1又は2記載の換気装置を備えることで、換気装置の通気経路を通じて室内外を空気が流通するので、電気代の削減に貢献できる。また、火災時に通気経路の室外側及び室内側の開口部が加熱発泡材で塞がれることで、防火性能を発揮する。
本発明による換気装置の第1実施形態を示す縦断面図である。 本発明の二重窓の一実施形態を示す縦断面図である。 同二重窓の横断面図である。 図2に示す二重窓の外窓の上枠側の部分を拡大して示す縦断面図である。 図4のA矢視図である。 図4のB矢視図である。 (a)は通気枠本体の側面図、(b)は通気枠本体の室外側面図、(c)は通気枠本体の室内側面図である。 第1実施形態の換気装置の縦断面図であって、火災時に加熱発泡材が発泡したときの状態を示す。 本発明の換気装置の第2実施形態を示す縦断面図である。 同換気装置の縦断面図であって、火災時に加熱発泡材が発泡したときの状態を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の換気装置64の第1実施形態を示しており、図2~4は本発明の二重窓の一実施形態を示している。本二重窓は、建物の窓開口部の室外側に設置した外窓13と、窓開口部の室内側に設置した内窓14とを備えている。
外窓13は、図2,3に示すように、アルミ形材よりなる上枠15と下枠16と左右の縦枠17,17とを枠組みしてなる枠18と、上下枠15,16に沿って摺動可能に設けた外障子19a及び内障子19bと、上枠15の外周側に設けた通気枠1とを備えている。枠18は、一般的なビル用の引き違いサッシの枠をそのまま用いている。通気枠1は、図2,4に示すように、室外から室内(外窓・内窓間の中間層20)に連通する通気経路2を有している。
通気枠1は、横枠のみからなり、図4に示すように、通気枠本体21と、通気枠本体21の室外側に取付けた室外側カバー材(カバー材)3と、通気枠本体21の室内側に取付けた室内側カバー材22とを有する。通気枠1は、室外側に室外側カバー材3により室外側空間23が形成され、室内外方向の中間部に通気枠本体21により中間空間24が形成され、室内側に室内側カバー材22により室内側空間25が形成されている。通気枠本体21と室外側カバー材3と室内側カバー材22は、それぞれアルミ形材で形成した長尺材である。通気枠1の長手方向両端部には、側板26が取付けてある。
室外側カバー材3は、図4に示すように、見付壁4と見込壁5を有しており、見込壁5は見付壁4の下端より15mm上に上がった位置に設けてある。見込壁5には、室外と通じる通気口6aが内周側に向けて開口して設けてある。通気口6aは、図5に示すように、略矩形の長孔状で、長手方向に間隔をおいて複数形成されている。通気口6aは、見込方向の寸法をできるだけ大きくし、通気口6a同士の間隔は通気口6aの左右寸法に対して短くしてあって、見込壁5の面積の半分以上を通気口6aが占めている。このように見込壁5に通気口6aが大きく形成してあっても、図4に示すように、通気口6aの室外側に見付壁4が垂下していることで、雨水が通気口6aから浸入するのを防いでいる。
見込壁5の上面には防虫網27が取付けてあり、通気口6aからの虫の侵入を防いでいる。防虫網27は、ステンレス製の金網で形成してあり、室内外方向の両端部を見込壁5の上面に対向して形成した溝28に係止して取付けてある。見込壁5は、左右両端部を側板26に取付けられた金具29に下方からのねじ32でねじ止めしてある。
見付壁4の上端部室内側面には、断面略C字形の嵌合溝30が形成してあり、この嵌合溝30を通気枠本体21の室外側に形成された軸部31に室外側から嵌着することでヒンジ部7が構成されている。室外側カバー材3は、ねじ32を外すと、図4中に仮想線で示すように、ヒンジ部7を支点として室外側に回動自在となる。
通気枠本体21は、図4に示すように、上壁33と下壁34と室外側の見付壁10と室内側の見付壁11とで中間空間24が形成されている。室外側の見付壁10には、通気口6bが大きく形成してある。通気口6bは、図7(b)に示すように、略矩形の長孔状で、長手方向に間隔をおいて複数形成されている。通気口6bは、上下方向の寸法をできるだけ大きくし、通気口6b同士の間隔は通気口6bの左右寸法に対して短くしてあり、見付壁10の面積の大部分を通気口6bが占めている。なお、室外側の見付壁10の室外側面にも、防虫網27を取付けることができる。
図4に示すように、通気口6bの下方に隣接する位置には、室外側に向けて突出する水返し片36が設けてあり、該水返し片36により雨水が通気口6bに浸入するのを防いでいる。
室内側の見付壁11には、図4と図7(c)に示すように、細い長孔状の通気口6cが長手方向に間隔をおいて複数形成してある。室内側の見付壁11の通気口6cは室外側の見付壁10の通気口6bと比べて小さくなっている。したがって、室内側の見付壁11の通気口6cの合計面積は、室外側の見付壁10の通気口6bの合計面積よりも小さくなっている。
下壁34は、室外側が低くなるように傾斜した傾斜面37が設けてある。
通気枠1は、上記のように室外側カバー材3の見込壁5と通気枠本体21の室外側の見付壁10とに通気口6a,6bを大きく形成し、通気枠本体21の室内側の見付壁11に通気口6cを小さく形成してあることで、室外側空間23と中間空間24が外気と等圧になっている。これにより、内外圧力差により雨水が通気経路2に吸い込まれるのを防いでおり、多少雨水が通気口6a,6bより浸入したとしても、室外側の通気口6aから速やかに排水される。室内側空間25は、室内に近い気圧になっている。
上壁33は、図4に示すように、室外側の見付壁10よりも室外側に突出しており、その突出した部分は室外側が低くなるように傾斜しており、先端部が下向きに曲がっている。室外側カバー材3が連結される軸部31は、上壁33から下方に離間して設けてあり、上壁33の先端部がヒンジ部7を覆うひさし38になっている。これにより、ヒンジ部7からの雨水の浸入を防いでいる。
上壁33の室内外方向の中間位置には、外周側に向けて突出する突出片39を有し、その室内側にアンカー40の係止部41を有し、該係止部41に係止したアンカー40により通気枠1が躯体42に固定されている。通気枠本体21と躯体42との間は、室外側からシール材43を充填してシールしてある。
通気枠本体21の下面の室内側寄りには、中空の突部44が形成してあり、突部44の下面側に上枠15のアンカー係合部45に係合する係合片46と、上枠15をねじ止めするためのねじ止め片47を有している。通気枠本体21は、係合片46を上枠15のアンカー係合部45に係合し、上枠15の突出片48を突部44の室外側壁に室外側からのねじ49でねじ止めし、ねじ止め片47を上枠15に室内側からのねじ50でねじ止めして、上枠15と連結してある。上枠15と通気枠本体21との隙間は、室外側からシール材51を充填してシールしてあり、シール材51は室外側の通気口6aよりも室内側に位置している。シール材51の充填作業は、図中に二点鎖線で示すように、室外側カバー材3をヒンジ部7を支点に室外側に回動させた状態で行うことができる。
室内側カバー材22は、図4に示すように、略L形断面の二部材22a,22bを組み合わせて矩形断面の中空状に形成され、そのうちの室外側部材22aの見付壁52に通気口6dが通気枠本体21の通気口6cに連通して形成してある。室外側部材22aの見込壁8と、その下方に取付けた樹脂カバー53の見込壁9とには、通気口6e,6fが下向きに開口して設けてある。通気口6e,6fは、図6に示すように、小さなスリット状で、長手方向に間隔をおいて多数形成してある。上下の通気口6e,6fの間には、図4,6に示すように、摘み54を操作することで左右方向にスライドして通気口6e,6fを開閉できるシャッター板55と、埃や花粉等の侵入を防ぐフィルタ75が設けてある。
図4に示すように、室内側カバー材22の室内側面には、板状の整流体56が室内側からのノブボルト57で着脱自在に取付けてある。整流体56は、下部が室外側に向けて少し曲がっており、これにより室内側の通気口6fから流出する空気を室外側に曲げて外窓13の障子19a,19bのガラス面に沿わせられる。
以上に述べたように通気枠1は、室外側カバー材3の見込壁5に設けた通気口6aと、通気枠本体21の室外側及び室内側の見付壁10,11に設けた通気口6b,6cと、室内側カバー材22の見付壁52に設けた通気口6dと、室内側カバー材22及び樹脂カバー53の見込壁8,9に設けた通気口6e,6fとにより、室内外に連通する通気経路2がコ字状の曲がった形で形成してある(図4参照)。
このように通気経路2をコ字状の曲がった形とすること自体にも雨水の浸入を防ぐ効果があるが、本通気枠1は、室外側カバー材3の見付壁4を通気口6aが設けられた見込壁5よりも下方にのばすこと、通気枠本体21の室外側の見付壁10に形成した通気口6bの下方に隣接して、室外側に突出する水返し片36を設けることで、雨水の浸入をより確実に防いでいる。
さらに本通気枠1は、通気枠本体21の室内側の見付壁11の通気口6cの合計面積を室外側の見付壁10の通気口6bの合計面積よりも小さくしてあることで、室外空間23と中間空間24の室外との圧力差が小さくなるので、雨水が内外圧力差によって通気経路2に吸い込まれるのを防ぐことができ、荒天時に雨水が通気経路2に入ったとしても、室外側の通気口6aから排水される。
また本通気枠1は、室外側カバー材3が見付壁4の上部に設けたヒンジ部7を支点に室外側に回動自在であり、室外側カバー材3を室外側に回動させることで、通気枠1内のメンテナンス、例えば防虫網27の交換等を容易に行うことができる。さらに、室外側カバー材3を室外側に回動させることで、通気枠本体21と上枠15間にシール材51を充填する作業も容易に行うことができる。室外側カバー材3がヒンジ部7で通気枠本体21と連結されているため、上記の通気枠1のメンテナンス作業や通気枠本体21と上枠15間のシール作業を行う際に室外側カバー材3が脱落することがなく、作業性が良い。
内窓14は、図2,3に示すように、四周の額縁58の内周側面に取付けた上枠59と下枠60及び左右の縦枠61,61と、上下枠59,60間に引違い状に開閉自在に収めた外障子62a及び内障子62bを備えている。枠59,60,61と障子62a,62bの框は、樹脂製である。障子62a,62bのガラス63は、複層ガラスである。
内窓14は、図2に示すように、上枠59の外周側に換気装置64が設けてある。換気装置64は、図1に示すように、アルミ形材よりなる外周側フレーム65と内周側フレーム66とを上下に組み合わせて構成してあり、外周側フレーム65と内周側フレーム66の間に室内外方向に連通する通気経路67が設けてある。
内周側フレーム66は、室外側端部と室内側端部とに上向きに突出して突片68a,68bが形成してあり、室外側の突片68aと外周側フレーム65との間に室外側開口部76が長手方向に形成され、室内側の突片68bと外周側フレーム65との間に室内側開口部77が長手方向に形成されている。
外周側フレーム65は、室外側端部に整流板70が垂下して一体に設けてあり、整流板70は室外側開口部76の室外側に対向している。また外周側フレーム65は、室外側開口部76と室内側通気口77の間に2つの連結壁71a,71bが垂下して設けてあり、各連結壁71a,71bの先端部を内周側フレーム66の上面に形成された溝72に係合することで、外周側フレーム65と内周側フレーム66とが連結されている。室外側の連結壁71aには、室外側開口部78が長手方向に間隔をおいて複数形成してある。室内側の連結壁71bには、室内側開口部79が長手方向に間隔をおいて複数形成してある。
本換気装置64は、図1に示すように、内周側フレーム66の室外側の突片68aの室内側に隣接する上面に、火災の熱により発泡・膨張する加熱発泡材80aが長手方向の全長に設けてある。火災時には、図8に示すように、この加熱発泡材80aが発泡・膨張して突片68aと連結壁71aとの間の空間を埋め、発泡・膨張した加熱発泡材80aで室外側開口部76,78が塞がれる。
また本換気装置64は、図1に示すように、内周側フレーム66の室内側の突片68bの室外側面に、室内側開口部79の室内側に対向するように加熱発泡材80bが長手方向の全長に設けてある。火災時には、図8に示すように、この加熱発泡材80bが発泡・膨張して突片68bと連結壁71bとの間の空間を埋め、発泡・膨張した加熱発泡材80bで室内側開口部79が塞がれる。そして、通気経路67内で室外側寄りに位置する室外側開口部76,78と室内側寄りに位置する室内側開口部79が加熱発泡材80a,80bで塞がれることで、通気経路67からの火炎や煙の連通を阻止し、延焼を防止することができる。
上述の実施形態では、室外側開口部76と室外側開口部78が両方とも加熱発泡材80aで塞がれるようになっているが、室外側開口部76と室外側開口部78の何れか一方だけが塞がれるようになっていてもよい。
また、上述の実施形態では、通気経路67内の室外側と室内側の両方に加熱発泡材80a,80bが設けてあり、火災時に室外側開口部76,78と室内側開口部79が両方とも加熱発泡材80a,80bで塞がれるようになっているが、通気経路67内の室外側と室内側のどちらか一方にだけ加熱発泡材を設け、火災時に室外側開口部76,78と室内側開口部79のどちらか一方だけが加熱発泡材で塞がれるようになっていてもよい。その場合でも、火災時に通気経路67が加熱発泡材で遮断されるため、通気経路67からの火炎や煙の連通を防ぐことができる。
なお、実施形態のように換気装置67内の室外側と室内側の両方に加熱発泡材80a,80bが設けてあれば、室外側で火災が発生したときには室外側の加熱発泡材80aが速やかに発泡して室外側開口部76,78を塞ぎ、室内側で火災が発生したときには室内側の加熱発泡材80bが速やかに発泡して室内側開口部79を塞ぐため、火災発生時に早い段階で通気経路67を遮断し、火炎や煙の連通を確実に防ぐことができる。
本換気装置64は、図1に示すように、外周側フレーム65に内周側から挿入したねじ81a,81bで躯体(額縁)58に取付けてある。ねじ81a,81bは、整流板70と室外側の連結壁71aとの間と、室外側の連結壁71aと室内側の連結壁71bの間の位置の2箇所に、長手方向に間隔をおいて複数配置されている。室外側の連結壁71aと室内側の連結壁71bの間には鉄板82が長手方向の全長に配置され、ねじ81bを介して鉄板82で外周側フレーム65を躯体58に押し付けている。これにより、火災時に外周側フレーム65が火災の熱で波打つように変形して躯体58との間に隙間ができるのを防ぐことができる。
外周側フレーム65の外周側面には、室外側寄りの位置と室内側寄りの位置の2箇所に加熱発泡材83a,83bが全長に設けてある。これにより、仮に外周側フレーム65が火災の熱で変形して躯体58との間に隙間ができたとしても、その隙間を加熱発泡材83a,83bで塞いで火炎や煙の連通を防ぐことができる。なお、加熱発泡材83a,83bは、必ずしも室外側と室内側の両方に設けてなくてもよく、どちらか一方だけ設けてあってもよい。
内窓14は、上述のように換気装置64に防火性能を付与してあると共に、内窓14自体にも防火性能を付与してある。
具体的には、図1,2に示すように、上枠59と下枠60は、障子62a,62bを案内するレール98a,98bがコ字形断面のアルミ形材よりなるレール構成材99により厚肉に形成してあり、火災時にレールが変形するのを防いである。レール構成材99の内周側面には加熱発泡材100が設けてあり、火災時には、図8に示すように、この加熱発泡材100が発泡・膨張して上枠59と障子62a,62b間の隙間を塞ぐ。上枠59と下枠60の外周側面にも、室外側と室内側に加熱発泡材101が設けてある。また、レール構成材99の外周側面にも、室外側と室内側に加熱発泡材109が設けてある。火災時に樹脂製の上枠59が溶けても、これらの加熱発泡材101,109が発泡・膨張することで換気装置64の内周側フレーム66とレール構成材99間に隙間ができるのを防ぐ。
また、図1に示すように、障子62a,62bの上框と下框のレール呑み込み溝102内に加熱発泡材103が設けてあり、火災時には、図8に示すように、この加熱発泡材103が発泡・膨張してレール呑み込み溝102を埋める。また、上枠59には、図1に示すように、内障子62bが浮き上がって枠から外れるのを防ぐ外れ止め108が取付けてある。
さらに、図3に示すように、内外障子62a,62bの召合せ部、内外障子62a,62bの戸先框と縦枠61間にも、加熱発泡材104,105が設けてある。内外障子62a,62bの各框は、中空部内に金属製の補強材106を入れて補強してあり、補強材106には加熱発泡材107が設けてある。
図9は、本発明の換気装置64の第2実施形態を示している。本換気装置64は、外周側フレーム65と内周側フレーム66と連結材84とを有している。
外周側フレーム65は、アルミ形材で形成したものであり、室外側端部に下向きに突出する室外側折り返し部85aを有し、室内側端部に室外側の下方に湾曲しながら下向きに突出する1/4円弧状の室内側折り返し部86aを有している。室外側折り返し部85aから室内側に離間した位置には下向きの突条87が形成してあり、突条87と室内側折り返し部86aの先端部とで連結材84を見込方向に位置決めしている。
内周側フレーム66も、アルミ形材で形成したものであり、室外側端部に上向きに突出する室外側折り返し部85bを有し、室内側端部に上向きに突出する室内側折り返し部86bを有している。さらに、室内外方向の中央部に上向きに突出する中空台形断面の突部88が形成してある。内周側フレーム66には、内窓14の上枠59が下方からのねじ89で取付けてあり、当該ねじ89の先端部は突部88の中空部内に収まっている。
連結材84は、外周側フレーム65及び内周側フレーム66の長手方向に間隔をおいて複数配置され、外周側フレーム65と内周側フレーム66をつないでいる。連結材84は、スチール製の板を折り曲げて形成したピース状の部材であって、図9に示すように、上壁90と前壁91と後壁92と下壁93とを有する側面視略C字形断面に形成され、左右両側に壁を有しないものとなっている。すなわち連結材84は、左右方向に沿う壁90,91,92,93のみで形成され、左右方向を遮る壁が無く、左右方向に抜けた形状となっている。下壁93は、室内外方向の中央部が途切れており、その途切れた部分に内周側フレーム66の突部88が配置されている。連結材84は、図9に示すように、外周側フレーム65の突条87と室内側折り返し部86aとで見込方向に位置決めして配置し、上壁90を上方からのねじ94で外周側フレーム65に固定し、下壁93を下方からのねじ95で内周側フレーム66に固定してある。
換気装置64は、図9に示すように、外周側フレーム65の室外側折り返し部85aと内周側フレーム66の室外側折り返し部85bとの間に、中間層20に向けて開口した室外側開口部96が長手方向の全長にわたって形成され、外周側フレーム65の室内側折り返し部86aと内周側フレーム66の室内側折り返し部86bとの間に、室内に向けて開口した室内側開口部97が長手方向の全長にわたって形成されている。そして、外周側フレーム65と内周側フレーム66との間に室内外方向に連通した通気経路67が形成されている。これにより本換気装置64は、空気を長手方向の略全体から室内外に流通させられる。
外周側フレーム65の室内側折り返し部86aと内周側フレーム66の室内側折り返し部86bとは、見込方向にずれた位置にあり、先端部同士がほぼ重合している。これにより本換気装置64は、光や視線が通過しないようにしている。
本換気装置64は、図9に示すように、内周側フレーム66の室外側折り返し部85bの室内側に隣接する上面に、火災の熱により発泡・膨張する加熱発泡材80aが長手方向の全長に設けてある。火災時には、図10に示すように、この加熱発泡材80aが発泡・膨張して室外側開口部96を塞ぐ。
また本換気装置64は、図9に示すように、内周側フレーム66の室内側折り返し部86bの室外側面に加熱発泡材80bが長手方向の全長に設けてある。火災時には、図10に示すように、この加熱発泡材80bが発泡・膨張して室内側開口部97を塞ぐ。こうして室外側開口部96と室内側開口部97が加熱発泡材80a,80bで塞がれることで、通気経路67からの火炎や煙の連通を阻止し、延焼を防止することができる。
第2実施形態の換気装置64は、外周側フレーム65と内周側フレーム66間に壁(連結壁)がないので、通気のために壁に孔を開けたりする必要がなく、長手方向のほぼ全長から通気できるため、通気抵抗を小さくでき、換気性能に優れる。
以上に述べたように本換気装置(第1実施形態)64は、外周側フレーム65と内周側フレーム66とを備え、外周側フレーム65と内周側フレーム66との間に室内外に連通する通気経路67が形成してあるので、通気経路67を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。さらに本換気装置64は、外周側フレーム65又は内周側フレーム66の室外側寄りの位置に、火災時に通気経路67の室外側開口部76,78を塞ぐための加熱発泡材80aが全長に設けてあり、外周側フレーム又65は内周側フレーム66の室内側寄りの位置に、火災時に通気経路67の室内側開口部79を塞ぐための加熱発泡材80bが全長に設けてあることで、防火性能を付与できる。
本換気装置(第2実施形態)64は、外周側フレーム65と内周側フレーム66と連結材84とを備え、連結材84は、長手方向に間隔をおいて配置してあって、外周側フレーム65と内周側フレーム66をつないでおり、外周側フレーム65と内周側フレーム66との間に室内外に連通する通気経路67が形成してあるので、通気経路67を通じて24時間換気が行え、空調設備による電気代の削減に貢献できる。さらに本換気装置64は、外周側フレーム65又は内周側フレーム66の室外側寄りの位置に、火災時に通気経路67の室外側開口部96を塞ぐための加熱発泡材80aが全長に設けてあり、外周側フレーム65又は内周側フレーム66の室内側寄りの位置に、火災時に通気経路67の室内側開口部97を塞ぐための加熱発泡材80bが全長に設けてあることで、防火性能を付与できる。
さらに本換気装置(第1・第2実施形態)64は、外周側フレーム65は、躯体58にねじ止めしてあり、ねじ81a,81bを介して外周側フレーム65を躯体58に押し付ける鉄板82が長手方向に設けてあるので、火災時に外周側フレーム65が波打つように変形して躯体58との間に隙間ができるのを防止できる。
また、本換気装置(第1・第2実施形態)64は、外周側フレーム65は、躯体58にねじ止めしてあり、外周側面の室外側寄りの位置及び/又は室内側寄りの位置に加熱発泡材83a,83bが全長に設けてあることで、仮に外周側フレーム65が火災の熱で変形して躯体58との間に隙間ができたとしても、その隙間を加熱発泡材83a,83bで塞いで火炎や煙の連通を防ぐことができる。
本二重窓は、樹脂製の枠59,60,61及び框と複層ガラス63を用いた内窓14を設けたことに加え、外窓13の通気枠1に設けた通気経路2と中間層20と内窓14上部に設けた通気経路67を通じて室内外を空気が流れ、その際に中間層20を空気が外窓13の内側面と内窓14の外側面に沿うように迂回して流れることで、空気の流入する方向とは逆方向の熱移動が妨げられ、非常に優れた断熱性能を発揮し、空調設備の電気代のより一層の削減に寄与する。
冬期の場合について説明すると、換気扇等により室内を負圧に調整し、図2に示すように、本二重窓を空気が室外から室内に向けて流れるようにする。外窓13の通気枠1から流入した冷たい空気(外気)は、室内側の通気口6fが下向きに開口しており、尚且つその室内側に整流体56が垂下して設けてあることにより、外窓13のガラス74の室内側面に沿うように下向きに流出する。その後、冷たい空気はコールドドラフトにより中間層20の下まで流れてから折り返し、内窓14のガラス63から室内の熱が伝わることで暖められ、ガラス63の室外側面に沿って上昇し、この間にガラス63から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収する。その後、暖められた空気は内窓14上部の通気経路67を通って室内に流入する。外周側フレーム65に整流板70が垂下して設けてあることで、ガラス63の室外側面に沿って上昇した空気が室外側に逆流するのを防ぎ、通気経路67へと導くことができる。空気が通気経路67を通過する際にも、室内の熱で暖められた換気装置64や上枠59の熱を空気の流れによって回収する。そうして暖められた空気を室内に取り入れることで、回収した熱を室内に戻すことができる。
このように、中間層20内を外窓13と内窓14に沿うように迂回して空気が流れることで、室内から室外に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室内に戻すことで、室内から室外への熱の損失がほとんどなくなるので、非常に高い断熱性が得られる。また、外気を暖めて室内に採り込めるので、室内に居る人が冷たい風を感じることがなく、暖房効率も良い。
夏期には、換気扇等により室内を正圧に調整し、冬期とは逆に室内から室外に空気が流れるようにする。内窓14の通気経路67から出た空気は整流板70に当たって下向きに流れを変え、室内の空気の温度は室外よりも低いので、空気は内窓14のガラス63の室外側面に沿って下向きに流れ、その後、中間層20の下部で折り返し、外窓13のガラス74等の熱が伝わることで外窓13のガラス74の室内側面に沿って上昇し、この間にガラス74を通じて室外から室内に入ってくる熱と日射熱を空気の流れによって回収する。その後、外窓13の通気枠1を通って空気が室外に放出される。空気が通気枠1を通過する際、通気枠1を伝って室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収する。そして、空気が室外に放出されることで、ガラス74や通気枠1から回収した熱と日射熱を室外に捨てる。
このように日射熱及び室外から室内に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室外に捨てることで、空気が流出する方向とは逆方向である室外側から室内側への熱輸送が妨げられ、優れた断熱効果を発揮して、室内が涼しく保たれる。
以上に述べたように本二重窓は、外窓13の外周側に通気枠1を有し、内窓14の外周側に換気装置64を有し、外窓13の通気枠1の通気経路2と中間層20と内窓14の換気装置64の通気経路67を通じて室内外を空気が流通するため、24時間換気を行って電気代の削減に貢献できる。特に本二重窓は、室内外を空気が流通する際に、中間層20を空気が外窓13の内側面と内窓14の外側面に沿うように迂回して流れることで、冬期には室内から室外に逃げる熱を回収し、夏期には室外から室内に入ってくる熱を室外に捨てるので、換気をしながら窓からの熱の出入りを少なくし、冷暖房負荷を抑えることができる。第1実施形態及び第2実施形態の換気装置64を採用したことで、火災時に通気経路67の室外側及び室内側の開口部76,78,79,96,97が加熱発泡材80a,80bで塞がれるため、防火性能を発揮する。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本発明の換気装置は、二重窓ではなく、単体の窓に用いることもできる。窓種は、引き違い窓に限らず、嵌め殺し窓、すべり出し窓など、すべての窓種に対応することができる。本発明の換気装置は、縦枠の外周側に設けることもできる。外周側フレーム、内周側フレーム、連結材の形状、材質は、適宜変更することができる。室外側開口部及び室内側開口部の形状は任意であり、スリット状や矩形の長孔状に限らず、例えば円形であってもよい。加熱発泡材は、外周側フレームに取付けてあってもよい。本発明は、新築の建物に外窓と内窓を新たに設置する場合の他、既存の単体のサッシ(外窓)が取付けられた窓に、後から内窓を増設して二重窓とする場合にも適用でき、既存の外窓を利用することで、コストが抑えられる。
13 外窓
14 内窓
64 換気装置
65 外周側フレーム
66 内周側フレーム
67 通気経路
76,78,96 室外側開口部
77,79,97 室内側開口部
80a,80b 加熱発泡材

Claims (4)

  1. 外周側フレームと内周側フレームとを備え、外周側フレームと内周側フレームとの間に室内外に連通する通気経路が形成してあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室外側寄りの位置に、火災時に通気経路の室外側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室内側寄りの位置に、火災時に通気経路の室内側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあることを特徴とする換気装置。
  2. 外周側フレームと内周側フレームと連結材とを備え、連結材は、長手方向に間隔をおいて配置してあって、外周側フレームと内周側フレームをつないでおり、外周側フレームと内周側フレームとの間に室内外に連通する通気経路が形成してあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室外側寄りの位置に、火災時に通気経路の室外側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあり、外周側フレーム又は内周側フレームの室内側寄りの位置に、火災時に通気経路の室内側開口部を塞ぐための加熱発泡材が全長に設けてあることを特徴とする換気装置。
  3. 窓の外周側に請求項1又は2記載の換気装置を備えることを特徴とする内窓。
  4. 外窓と内窓を備え、内窓の外周側に請求項1又は請求項2記載の換気装置を備えることを特徴とする二重窓。
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JP2019120022A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 株式会社Lixil 二重サッシ

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