JP2019119748A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性に優れ、得られた硬化膜の延伸性、特に低温での延伸性に優れ、かつ、色相に優れ、吐出安定性が優れた高画質が得られるインクジェットインキセットを提供すること。【解決手段】少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを含むインクジェットインキセットであって、濃色インキ及び淡色インキが、いずれも顔料(A)、光重合開始剤(B)、重合性化合物(C)、を含み、被記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°における、前記濃色インキの色相角H°(X)と、前記淡色インキの色相角H°(Y)が、|X−Y|<30°の関係を満たすことを特徴とするインクジェットインキセット。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを含むインクジェットインキセットに関する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されてきた。このうち、インキの微小液滴を飛翔・着弾させ、画像や文字を形成するインクジェット方式は、安価な装置であり、必要とされる画像部のみにインキを吐出し被記録媒体上に直接画像を形成するため、効率がよく、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット方式は騒音が小さく、記録方法として優れている。
近年、インクジェット方式の記録方法において、水性インクジェットインキや溶剤インクジェットインキと比較して、高い塗膜耐性を有し、かつ、乾燥性に優れ画像が滲みにくく様々な被記録媒体、例えばプラスチックやガラスなどの非吸収性の被記録媒体にも記録できるインキとして、紫外線などの照射により硬化する活性エネルギー線硬化型インクジェットインキが注目を集めている。
また、インクジェット方式では、粒状性を改善した滑らかな階調性を得るために、濃色インキと淡色インキからなる同じ色相のインキセットを用いる方法が知られている。
しかしながら、1つ以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、光重合開始剤などによって構成される活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは、使用する光重合開始剤によって硬化膜の色相が変化する。さらに、強い活性エネルギー線を照射し硬化させるため、光重合開始剤が分解することでも硬化膜の色相が変化する。特に、淡色インキにおいて顕著であり、濃色インキと淡色インキからなる同じ色相のインキセットを用いても目的の高品質の画質を得ることができないという課題があった。
例えば、特許文献1では、着色剤の含有量がインク組成物全体の2質量%以下で、特定の増感剤を使用した硬化感度に優れ、かつ硬化して得られる画像の色再現性に優れる淡色インク組成物が開示されている。
また、特許文献2では、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクを含有し、濃色インク中の単官能モノマー/多官能モノマーの質量比(X)と淡色インク中の単官能モノマー/多官能モノマーの質量比(Y)が、X>Yとすることによって、生産性に優れ、得られた硬化膜の延伸性に優れ、かつ、色相に優れ粒状性が低減された画像を得られるインクジェット記録用インキセットが開示されている。
また、特許文献3では、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インク組成物及び淡色インク組成物を含有し、濃色インク組成物中の顔料とチオキサントン系重合開始剤の質量比が4:1〜1:1、淡色インク組成物中の顔料とチオキサントン系重合開始剤の質量比が1:1〜1:8とすることによって、硬化感度に優れ、得られた硬化膜の被記録媒体との密着性に優れ、かつ、色相に優れ粒状性が低減された画像を得られるインクジェット記録用インキセットが開示されている。
特開2010−018703号公報 特開2012−140490号公報 特開2012−140492号公報
しかしながら、上記特許文献1の淡色インキでは、特定の増感剤によって淡色インキが黄変し、色再現性が劣る問題があった。さらに、硬化感度が上がる一方で、記録物を屋外に展示等した場合に、塗膜の延伸性が悪化する問題があった。上記特許文献2のインクジェットインキセットでは、淡色にチオキサントンを含むために淡色インキが黄変し、色再現性が劣る問題があった。さらに、十分な延伸性を得ることができず、特に記録物を屋外に展示等した場合に、塗膜の延伸性が悪化する問題があった。上記特許文献3のインクジェットインキセットでは、淡色にチオキサントンを含むために淡色インキが黄変し、色再現性が劣る問題があった。
本発明では、上記課題を解決するためになされたもので、硬化性に優れ、得られた硬化膜の延伸性、特に低温での延伸性に優れ、かつ、色相に優れ、吐出安定性が優れた高画質が得られるインクジェットインキセットを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示すインクジェットインキにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキおよび淡色インキを含むインクジェットインキセットであって、濃色インキ及び淡色インキが、いずれも顔料(A)、光重合開始剤(B)、重合性化合物(C)、を含み、
被記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°における、前記濃色インキの色相角H°(X)と、前記淡色インキの色相角H°(Y)が、
|X−Y|<30°
の関係を満たすことを特徴とするインクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記濃色インキ及び上記淡色インキが、上記光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)を含むことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記濃色インキが、上記光重合開始剤(B)として、さらに、チオキサントン系化合物(B−2)及び/又はα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)を含むことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記淡色インキが、上記光重合開始剤(B)として、上記チオキサントン系化合物(B−2)を、実質的に含まないことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記淡色インキが、上記光重合開始剤(B)として、上記α−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)を、実質的に含まないことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記淡色インキ中の上記光重合開始剤(B)の含有量が、上記濃色インキ中の前記光重合開始剤(B)の含有量より多いことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記濃色インキと上記淡色インキが、上記重合性化合物(C)として、単官能モノマー(C−1)及び多官能モノマー(C−2)を含み、
上記濃色インキ中の上記多官能モノマー(C−2)/重合性化合物(C)の質量比(α)と、前記淡色インキ中の上記多官能モノマー(C−2)/重合性化合物(C)の質量比(β)が、α<βの関係を満たすことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記単官能モノマー(C−1)が、分子内に環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)を含むことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記分子内に環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)として、アクリロイル基を有し、かつ、複素環構造を有する単官能モノマー及び/又はアクリロイル基を有し、かつ、脂環構造を有する単官能モノマーを含むことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記分子内に環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)が、N−ビニルカプロラクタムを含み、
前記N−ビニルカプロラクタムの含有量が、インクジェットインキの全質量に対して、5〜35質量%であることを特徴とするインクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記多官能モノマー(C−2)が、アクリロイル基を2個有し、かつ、分子内に環状構造を有する2官能モノマーであることを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
また、本発明は、上記濃色インキとして、シアンインキ及びマゼンタインキを含み、
上記淡色インキとして、ライトシアンインキ及びライトマゼンタインキを含むことを特徴とする上記インクジェットインキセットに関する。
本発明によって、硬化性に優れ、得られた硬化膜の延伸性、特に低温での延伸性に優れ、かつ、色相に優れ、吐出安定性が優れた高画質が得られるインクジェットインキセットを提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<インクジェットインキセット>
本発明のインクジェットインキセットは、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを含むインクジェットインキセットであって、被記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°において、前記濃色インキの色相角H°(X)と、前記淡色インキの色相角H°(Y)が、|X−Y|<30°の関係を満たすことを特徴とする。
以下、本発明のインクジェットインキセットについて詳細に説明する。
本発明のインクジェットインキセットを構成するインキは、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを含む。ここで、「1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキ」とは、多色のインクジェット記録をする際に使用されるインクジェットインキの色相が実質的に同じであって、色の濃淡のみが異なる少なくとも2種のインキを1対としたものであり、色材の含有量が異なる1対のインキを意味する。さらに、濃度の異なる3種以上のインキを含有してもよい。
本発明において、淡色インキは、同じ色相の濃色インキの名に「ライト」をつけて表す。例えば、濃色インキがシアンインキの場合、同じ色相の淡色インキはライトシアンインキとなる。
上記濃色インキと淡色インキにより構成される1対のインキの色相は、特に限定されないが、上記濃色インキとしては、例えば、シアンインキ、マゼンタインキ、イエローインキ及びブラックインキからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。上記淡色インキとしては、例えば、ライトシアンインキ、ライトマゼンタインキ、ライトイエローインキ及びグレーインキからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。中でも、画像を形成する際に、使用頻度が高い濃色インキであるシアンインキ、マゼンタインキ及びブラックインキから選ばれることが好ましく、より使用頻度が高いシアンインキ及びマゼンタインキからなる群から選ばれることがより好ましい。さらに、シアンインキであることが特に好ましい。
本発明において、例えば、淡色インキがライトシアンインキである場合、インキセット全体としては、濃色インキとしてシアンインキを含み、更に、その他にイエロー、マゼンタ、ブラック及びホワイトよりなる群から選択された濃色インキを含むことが好ましい。さらに、濃色インキとして、オレンジインキ、グリーンインキ、バイオレットインキを含むことができる。
[色相角H°]
本発明のインクジェットインキセットは、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを備えたインクジェットインキセットであって、被記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°において、上記濃色インキの色相角H°(X)と、上記淡色インキの色相角H°(Y)が、|X−Y|<30°の関係を満たすことが好ましく、|X−Y|<20°がより好ましい。上記範囲内であると、粒状感が抑制され、滑らかな階調性のある画質が得られる。
本明細書で、「色相角H°」とは、JIS Z 8781−4:2013に準拠して計算される相関量を意味する。色相角H°は、H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0の場合)、又は、H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0の場合)により求められる。
「a*」及び「b*」は、各色のインキを単色で網点面積率が100%の画像を形成した際のCIE1976La**色空間における値である。また、測定機は、グレタグ社製SPM100−IIを用いる。
なお、網点面積率とは、単位面積あたりに占める網点の面積の割合を百分率で表したものを意味する。
上記被記録媒体は、軟質塩化ビニルであることが好ましい。軟質塩化ビニルとしては、例えばMETAMARK社製のMD5などが挙げられる。
上記濃色インキとして、シアンインキの色相角H°が200〜260°、マゼンタインキの色相角H°が330〜360°、イエローインキの色相角H°が80〜110°の範囲であることが好ましい。
上記淡色インキとして、ライトシアンインキの色相角H°が200〜260°、ライトマゼンタインキの色相角H°が330〜360°、イエローインキの色相角H°が80〜110°の範囲であることが好ましい。
以下、本発明のインクジェットインキを構成する濃色インキ及び淡色インキ(以下、本発明のインクジェットインキともいう)に含まれるか、又は含まれ得る成分について説明する。
<インクジェットインキ>
[顔料(A)]
本発明のインクジェットインキは、顔料を含む。本発明に用いることができる顔料としては、特に制限はなく、公知の顔料を用いることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができる。印刷用途及び塗料用途に一般的に使用される顔料であってよく、それら顔料から発色性及び耐光性等の必要となる用途に応じて適切な顔料を選択することができる。
上記無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる
上記有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料; β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料;銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系等の多環式顔料および複素環式顔料などが挙げられる。
さらに詳しくは、C.I.カラーインデックスで示すと、上記シアン色を呈する顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、2、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62などが挙げられる。
上記マゼンタ色を呈する顔料としては、C.I.Pigment RED 1、3、5、19、21、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、50、52、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、90、104、108、112、114、122、144、146、148、149、150、166、168、169、170、172、173、176、177、178、184、185、187、193、202、209、214、242、254、255、264、266、269、C.I.Pigment Violet 19などが挙げられる。
上記イエロー色を呈する顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、18、24、73、74、75、83、93、95、97、98、100、108、109、110、114、120、128、129、138、139、174、150、151、154、155、167、180、185、213などが挙げられる。
上記ブラック色を呈する顔料としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、28、26、31などが挙げられる。
上記ホワイト色を呈する顔料としては、C.I.Pigment White 5、6、7、12、28などが挙げられる。
上記グリーン色を呈する顔料としては、C.I.Pigment Green 1、2、3、4、7、8、10、15、17、26、36、45、50などが挙げられる。
上記バイオレット色を呈する顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、2、3、4、5:1、12、13、15、16、17、19、23、25、29、31、32、36、37、39、42などが挙げられる。
上記オレンジ色を呈する顔料としては、C.I.Pigment Orange 13、16、20、34、36、38、39、43、51、61、63、64、74などが挙げられる。
上記顔料の中でも、シアン色を呈する顔料は、C.I.Pigment Blue 15:3、15:4がより好ましく、マゼンタ色を呈する顔料は、C.I.Pigment RED 122、202、C.I.Pigment Violet 19がより好ましく、イエロー色を呈する顔料は、C.I.Pigment Yellow 74、120、150、180、185、213がより好ましく、ブラック色を呈する顔料は、C.I.Pigment Black 7がより好ましい。
本発明において、上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、上記濃色インキと上記淡色インキの顔料(A)は、同じC.I.カラーインデックスである顔料を用いることがより好ましい。例えば、濃色インキとしてシアンインキに、C.I.Pigment Blue 15:3を用いた場合、淡色インキとしてライトシアンインキにも、C.I.Pigment Blue 15:3を用いる。
本発明において、上記濃色インキ中の顔料(A)の含有量は、濃色インキの全質量に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。含有量を上記範囲にすることで、印刷物の色濃度や耐光性の点で良好な結果を得ることが容易となる。特に、シアンインキの場合、2〜4質量%が好ましく、マゼンタインキの場合、4〜6質量%が好ましい。
上記淡色インキ中の顔料(A)の含有量は、淡色インキの全質量に対して、0.05〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましく、0.2〜0.1.2質量%がさらに好ましい。特に、ライトシアンインキの場合、0.2〜0.8質量%が好ましく、ライトマゼンタインキの場合、0.7〜1.2質量%が好ましい。
同じ色相を有する濃色インキと淡色インキの顔料(A)の含有量の質量比は、30:1〜4:1が好ましく、20:1〜5:1がより好ましく、10:1〜6:1がさらに好ましい。含有量の質量比が上記範囲内であると、滑らかな階調性のある画質が得られる。
[光重合開始剤(B)]
本発明のインクジェットインキは、光重合開始剤(B)を含む。本発明に用いることができる光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。
また、光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、光重合開始剤は、活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物だけでなく、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる増感剤)も含まれる。
本発明において、濃色インキ及び淡色インキが含有する光重合開始剤(B)は、いずれもアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)を含むことが好ましい。
(アシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1))
アシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)としては、具体的に、ジフェニルアシルフェニルフォスフィンオキサイド、エトキシ(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。中でも、硬化性、色相、重合性化合物の溶解性の観点から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
本発明において、濃色インキ中のアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)の含有量は、濃色インキの全質量に対して、1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%がより好ましく、7〜12質量%がさらに好ましい。含有量が、上記範囲内であると、濃色インキは、硬化性に優れる。
また、淡色インキ中のアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)の含有量は、淡色インキの全質量に対して、3〜20質量%であることが好ましく、6〜15質量%がより好ましく、9〜12質量%がさらに好ましい。含有量が、上記範囲内であると、淡色インキは、硬化膜の色相変化が少なく、硬化性にも優れる。
また、淡色インキ中のアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)の含有量は、濃色インキ中のアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)の含有量より多いことが好ましい。
また、淡色インキ中のアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)の含有量と濃色インキ中のアシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)の含有量の質量比は、3:1〜1:1が好ましく、2:1〜1.01:1がより好ましい。
本発明において、濃色インキは、光源として、発光ピーク波長が380〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(以下、「UV−LED」)を用いる場合、硬化性の観点から、チオキサントン系化合物(B−2)及び/又はα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)を含むことが好ましい。
(チオキサントン系化合物(B−2))
チオキサントン系化合物(B−2)としては、具体的に、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。中でも、硬化性の観点から、2−イソプロピルチオキサントンが好ましい。
本発明において、濃色インキ中のチオキサントン系化合物(B−2)の含有量は、濃色インキの全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜7質量%がより好ましく、0.2〜5質量%がさらに好ましい。
淡色インキ中のチオキサントン系化合物(B−2)の含有量は、0〜5質量%が好ましく、0〜2質量%がより好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。なお、実質的に含まないとは、淡色インキの全質量に対して、0.05質量%未満である。
(α−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3))
α−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)としては、具体的に、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル−1−ブタノンなどが挙げられる。中でも、光源として、UV−LEDを用いる場合、硬化性の観点から、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル−1−ブタノンが好ましい。
本発明において、濃色インキ中のα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)の含有量は、濃色インキの全質量に対して、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
淡色インキ中のα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)の含有量は、0〜5質量%が好ましく、0〜2質量%がより好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。なお、実質的に含まないとは、淡色インキの全質量に対して、0.05質量%未満である。
本発明において、チオキサントン系化合物(B−2)及び/又はα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)は、顔料(A)を1.0質量%以上含むインクジェットインキに用いることが好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。
上述したように、硬化膜の色相は、光重合開始剤又はそれらの分解物により変化し、特に、淡色インキで顕著になる。例えば、光源として、UV−LEDを用いる場合、380〜420nmに高い吸収をもつ光重合開始剤であるα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)や重合開始剤の分解を促進させるチオキサントン系化合物(B−2)を使用する。このような化合物を用いた場合、硬化性には優れるが、硬化膜の色相が黄色味にずれて色再現性が損なわれる。そのため、特に、濃色インキと淡色インキの顔料(A)の含有量の質量比が、6:1以上の場合、淡色インキには、チオキサントン系化合物(B−2)を実質的に含まないことが好ましく、8:1〜10:1の場合にはチオキサントン系化合物(B−2)を実質的に含まないことがより好ましい。さらに、α−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)を実質的に含まないことが特に好ましい。
なお、実質的とは、インクジェットインキの全質量に対して、0.05質量%未満である。
本発明の効果が低下しない範囲で、光重合開始剤(B−1)〜(B−3)以外のその他の光重合開始剤を含んでもよい。具体的には、ベンゾフェノン系化合物、アミン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物などが挙げられる。中でも、表面硬化性の点から、ベンゾフェノン系化合物、アミン系化合物が好ましい。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等が挙げられる。中でも、表面硬化性の観点から4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィドが好ましい。ベンゾフェノン系化合物を含む場合、インクジェットインキの全質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましい。
前記アミン系化合物としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、及び4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及びエチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート等の3級アミン化合物が挙げられる。中でも、硬化性の観点からエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。前記アミン系化合物を含む場合、インクジェットインキの全重量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましい。
光重合開始剤(B)の総含有量は、後述する重合性化合物(C)の全質量に対して、2〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。光重合開始剤(B)の総含有量が5質量%以上であると、良好な硬化性を得ることが容易である。一方、光重合開始剤(B)の総含有量が20質量%以下であると、低温度においても光重合開始剤の未溶解成分が発生せず、良好な吐出安定性を得ることができる。
本発明において、淡色インキ中の光重合性開始剤(B)の総含有量を(α)、濃色インキ中の光重合性開始剤(B)の総含有量を(β)とした場合、α>βであることが好ましい。より好ましくは、0.1<α−β<10で、さらに好ましくは、0.2<α−β<5である。上記範囲であると、濃色インキと淡色インキの硬化性が同じになり、濃色インキと淡色インキ間での滲みが抑制され、粒状性がなく滑らかな画質を得ることができる。
[重合性化合物(C)]
ここで本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」といった記載は、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/またはメタクリロイル」、「アクリル酸及び/またはメタクリル酸」、「アクリレート及び/またはメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/またはメタクリロイルオキシ」を意味する。また、「PO」は「プロピレンオキサイド」を、「EO」は「エチレンオキサイド」を表す。
本発明のインクジェットインキは、重合性化合物(C)を含む。本発明に用いることができる重合性化合物は、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、二量化反応など公知の重合性もしくは架橋性材料を用いることができる。中でも、塗膜耐性、密着性、硬化性の観点から、ラジカル重合性化合物であることが好ましく、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であることがさらに好ましい。具体的には、分子内に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)を有する化合物が好ましい。中でも、硬化性の点で、(メタ)アクリロイル基、ビニル基を有する化合物がさらに好ましい。
また、本発明に用いることができる重合性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明のインクジェットインキは、重合性化合物(C)として、単官能モノマー(C−1)及び多官能モノマー(C−2)を含み、濃色インキ中の多官能モノマー(C−2)と重合性化合物(B)の質量比((C−2)/(B))であるγと、淡色インキ中の多官能モノマー(C−2)と重合性化合物(C)の質量比((C−2)/(C))であるδが、γ<δの関係を満たすことが好ましい。より好ましくは、1.05<δ/γ<4であり、さらに好ましくは、1.1<δ/γ<2である。上記範囲であると、濃色インキと淡色インキの硬化性が同じになり、濃色インキと淡色インキ間での滲みが抑制され、粒状性がなく滑らかな画質を得ることができる。
(単官能モノマー(C−1))
単官能モノマー(C−1)は、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物である。具体的には、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)を有する化合物が好ましい。中でも、硬化性の点で、(メタ)アクリロイル基、ビニル基を有する化合物がさらに好ましい。単官能モノマー(C−1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
(メタ)アクリロイル基を有する単官能モノマーとしては、具体的に、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノールアクリレート、2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
ビニル基を有する単官能モノマーとしては、具体的に、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミドなどが挙げられる。
本発明において、単官能モノマー(C−1)は、環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)を含むことが好ましい。なお、環状構造を有する単官能モノマーは、複素環構造を有する単官能モノマー、脂環構造を有する単官能モノマー、芳香環構造を有する単官能モノマーを含む。
本発明において、環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)として、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、複素環構造を有する単官能モノマーを含むことが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、複素環構造を有する単官能モノマーとしては、具体的に、(2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。中でも、硬化膜の延伸性、特に屋外暴露した後の硬化膜の延伸性の観点から、(2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートの何れか1つを含むことが好ましく、テトラヒドロフルフリルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレートの何れか1つを含むことがより好ましい。
本発明において、前記(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、複素環構造を有する単官能モノマーの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、5〜20%質量%であることが好ましく、5〜15%質量%がより好ましい。含有量が、上記範囲内であると、屋外暴露した後の硬化膜の延伸性に優れる。
本発明において、環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)として、さらに、ビニル基を有し、かつ、複素環構造を有する単官能モノマーを含むことが好ましい。中でも、硬化性の観点から、N−ビニルカプロラクタムを含むことが好ましい。
本発明において、N−ビニルカプロラクタムの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、5〜35質量%であることが好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%がさらに好ましい。含有量が、上記範囲内であると、吐出安定性を損なうことなく、優れた硬化性を得ることができる。
前記脂環構造を有する単官能モノマーとしては、具体的に、4−tert−ブチルシクロヘキノール(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、基材への密着性の観点から、4−tert−ブチルシクロヘキノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートの何れか1つを含むことが好ましい。
本発明において、前記脂環構造を有する単官能モノマーの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、1〜20%質量%であること好ましく、3〜10%質量%より好ましい。含有量が、上記範囲内であると、吐出安定性を損なうことなく、優れた密着性を得ることができる。
前記芳香環構造を有する単官能モノマーとしては、具体的に、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)クリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、硬化膜の延伸性の観点から、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)クリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレートの何れか1つを含むことが好ましい。
本発明において、前記芳香環構造を有する単官能モノマーの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、30〜80%質量%であることが好ましい。
単官能モノマー(C−1)のホモポリマーのガラス転移温度は、−50〜120℃が好ましく、−20〜100℃がより好ましく、−10〜80℃がさらに好ましい。−50℃以上で柔軟性が向上し、120℃以下で硬化性が向上する。
ここでホモポリマーのガラス転移温度は、カタログ値がある場合はその値を採り、カタログ値がない場合、示差走査熱量測定(DSC)法によって測定した。DSC装置としては、SeikoInstrumentsDSC120Uを用い、測定温度は30℃〜300℃、昇温速度は1分間に2.5℃で測定した。
本発明において、単官能モノマー(C)の総含有量は、硬化性の観点から、インクジェットインキの全質量に対して、60〜90質量%であることが好ましく、65〜80質量%がより好ましい。さらに、延伸性の観点から、環状構造を有する単官能モノマー(B−1−1)の含有量が、単官能モノマー(B−1)の全質量に対して、80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%がより好ましい。
(多官能モノマー(C−2))
前記多官能モノマー(C−2)は、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有する化合物である。具体的には、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)を有する化合物が好ましい。中でも、硬化性の点で、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。多官能モノマー(C−2)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、具体的に、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレートなどの2官能モノマー、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの3官能モノマー、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能モノマー、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの5官能モノマー、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの6官能モノマーなどが挙げられる。
本発明において、多官能モノマー(C−2)の分子量は、200〜2,000が好ましく、300〜1,500がより好ましく、500〜1,000がさらに好ましい。分子量200以上で延伸性が良好であり、2,000以下では硬化性が良好である。
本発明において、多官能モノマー(C−2)のホモポリマーのガラス転移温度は、−30〜120℃が好ましく、−20〜100℃がより好ましく、−10〜80℃がさらに好ましい。−30℃以上で柔軟性が向上し、120℃以下で硬化性が向上する。
本発明において、多官能モノマー(C−2)は、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する2官能モノマーを含むことが好ましい。硬化膜の延伸性の観点から、3官能以上の多官能モノマーの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下がより好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。なお、実質的に含まないとは、0.1%質量未満である。
本発明において、多官能モノマー(C−2)は、分子内で環状構造を有する多官能モノマーを含むことが好ましい。なお、環状構造を有する多官能モノマーは、複素環構造を有する多官能モノマー、脂環構造を有する多官能モノマー、芳香環構造を有する多官能モノマーを含む。
分子内で環状構造を有する多官能モノマーとしては、具体的に、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等の2官能モノマー、
ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどの3官能モノマーなどが挙げられる。
中でも、硬化膜の延伸性、特に、屋外暴露した後の硬化膜の延伸性の観点から、芳香環構造を有する多官能モノマーを含むことが好ましく、例えば、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレートが挙げられ、硬化性、延伸性の点からビスフェノールAのEO4モル付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO10モル付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのEO4モル付加物ジ(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明において、芳香環構造を有する多官能モノマーの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。含有量が、上記範囲であると、屋外暴露した後の硬化膜の延伸性を損なうことなく、優れた硬化性を得ることができる。
本発明において、インクジェットインキに含まれる多官能モノマー(C−2)の含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、1〜25質量%を含むことが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。含有量が、上記範囲であると、硬化膜の延伸性を損なうことなく、優れた硬化性を得ることができる。
[重合性オリゴマー]
重合性化合物(C)として、重合性オリゴマーを含有してもよい。重合性オリゴマーは、分子内にエチレン性不飽和結合として、(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。オリゴマーに含まれるチレン性不飽和結合数は、柔軟性と硬化性のバランスの観点から、1分子あたり1〜15が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましく、2が特に好ましい。オリゴマーの重量平均分子量は400〜10,000が好ましく、500〜5,000がより好ましい。ここで、「重量平均分子量」は、一般的なゲルパーミッションクロマトグラフィー(以下GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
本発明においては、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にDMFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
重合性オリゴマーとしては、例えば、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーなどのウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルエステルオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。延伸性の点から、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。また、重合性オリゴマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
硬化性と延伸性の両立という観点から、重合性オリゴマーの含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜8質量%がさらに好ましい。
本発明において、分子内に環状構造を有する重合性化合物の含有量は、重合性化合物(C)の全質量に対して、90質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
[顔料分散剤]
本発明において、顔料の分散性及びインクジェットインキの保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を使用することが好ましい。
本発明に用いることができる顔料分散剤としては、特に制限はなく、公知の顔料分散剤を用いることができる。中でも、塩基性官能基を有する樹脂型顔料分散剤が好ましく、前記塩基性官能基としては一級、二級、または三級アミノ基、ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素複素環などを挙げることができる。
また、前記樹脂型顔料分散剤を構成する骨格としては、脂肪酸アミン骨格、及び/又は、ウレタン骨格が、保存安定性良好な顔料分散体が容易に得られることからさらに好ましい。
上記顔料分散剤は、重量平均分子量が5,000〜50,000、酸価(mgKOH/g)が5〜20、アミン価(mgKOH/g)が20〜50であることが好ましい。
「酸価」とは、分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることが出来る。
「アミン価」とは、分散剤固形1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
上記顔料分散剤としては、具体的に、ルーブリゾール社製のソルスパーズ32000、76400、76500、J100、及びJ180;並びにDisperbyk−161、162、163、164、165、166、167、及び168などが挙げられる。
上記顔料分散剤の含有量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択される。例えば、インクジェットインキの流動特性に優れるのは、顔料100質量部に対して顔料分散剤を25〜150質量部とした場合である。上記範囲内で顔料分散剤を使用した場合、インクジェットインキの分散安定性が良好となり、長期経時後も初期と同等の品質を示す傾向があるため好ましい。さらに、顔料100質量部に対して顔料分散剤を40〜100質量部とした場合、インクジェットインキの分散性と吐出性の双方の観点で好ましい。
特に、ライトシアンインキでは、顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して顔料分散剤は25〜200質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましく、50〜120質量部がさらに好ましい。ライトマゼンタインキでは、顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して顔料分散剤は25〜150質量部が好ましく、40〜100質量部がより好ましく、50〜100質量部がさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明のインクジェットインキには、必要に応じて上記成分以外に、不活性樹脂、表面調整剤、重合禁止剤、有機溶剤、消泡剤、及び酸化防止剤などを含有することができる。
(不活性樹脂)
一実施形態において、印刷物に任意の物性を与える目的で、不活性樹脂を含有してもよい。なお「不活性樹脂」には、顔料分散剤は含まれない。
本明細書において「不活性樹脂」とは、反応性基を含有しない、重量平均分子量が1,000以上である化合物を意味する。
一実施形態において用いる不活性樹脂は、例えば、ポリアクリル酸樹脂、スチレンアクリル酸共重合樹脂、及びブタジエンーアクリルニトリル共重合樹脂等のアクリル樹脂;スチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、及び塩化ビニル酢酸ビニルマレイン酸共重合樹脂等の塩化ビニル系樹脂;ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等のポリビニル系樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリ乳酸樹脂;セルロース樹脂;セルロースアセテート樹脂;ブチラール樹脂等が挙げられる。上記の中でも、インキに含まれる重合性化合物との相溶性に優れるとともに、優れた吐出安定性や密着性を発現できる点から、ポリアクリル酸樹脂、及び/またはスチレンアクリル酸共重合樹脂を使用することがより好ましい。
なお、上記ポリアクリル酸樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体や、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体である。またスチレンアクリル酸共重合樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸及び/または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、スチレン系モノマーとの共重合体である。
一実施形態において好適に用いられる、ポリアクリル酸樹脂、及び/またはスチレンアクリル酸共重合体は、フレーク状、水溶液状または水分散状(エマルジョン)のものが市販されている。市販品の具体例としては、BASF社製のJoncryl(登録商標)シリーズ、東亜合成社製のARUFON(登録商標)シリーズ、Cray Valley USA社のSMAシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、上記不活性樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましい。また、400mg/KOH以下が好ましく、300mg/KOH以下がより好ましく、250mgKOH/g以下がさらに好ましい。上記範囲内では、密着性が優れるだけでなく、インキの保存安定性を好適に保つことができる。
また、上記不活性樹脂の重量平均分子量は、1,000以上50,000以下であることが好ましく、1,500以上45,000以下であることがより好ましく、1,500以上15,000以下であることがさらに好ましい。上記範囲に収めることで、高速・連続印刷時の吐出安定性が良好になるだけでなく、印刷時のインクジェットインキの濡れ拡がり性、印刷画質、光沢性が良好になり、被記録媒体への密着性も優れる。
(表面調整剤)
本明細書において表面調整剤とは、添加によってインキの表面張力を低下させる物質を意味する。表面調整剤として、例えば、シリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、アセチレングリコール系表面調整剤等が挙げられる。表面張力低下の能力、重合性モノマーとの相溶性との観点から、シリコーン系表面調製剤を使用することが好ましい。
シリコーン系表面調整剤としては、具体的に、ジメチルシロキサン骨格の変性体が挙げられる。中でも、ポリエーテル変性シロキサン系表面調整剤が好ましい。
ポリエーテルとは、例えば、ポリエチレンオキサイド、及び/またはポリプロピレンオキサイドであってよい。本発明の一実施形態では、市販品として入手できるポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を使用することができる。
好ましく使用できる代表的な製品の例として、ビックケミー社のBYK(登録商標)−378、348、及び349等のポリエーテル変性シロキサン;並びにBYK―UV3500、及びUV3510等のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが挙げられる。また、エボニックデグサ社のTEGO(登録商標)GLIDE 450、440、435、432、410、406、130、110、及び100等のポリエーテル変性シロキサンコポリマーが挙げられる。これらの中でも、印刷画質向上の観点から、BYK−331、333、378、348、UV3510、TEGO GLIDE 450、440、432、及び410等のポリエーテル変性シリコーン系表面調整剤が好ましい。
シリコーン系表面調整剤の含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましい。上記含有量を0.05質量%以上にすることにより、インクジェットインキの被記録媒体への濡れ性を向上できる。一方、上記含有量を5質量%以下にすることより、インクジェットインキの保存安定性を確保することが容易となる。
(重合禁止剤)
インクジェットインキの経時における粘度安定性、経時後の吐出安定性、インクジェット記録装置内での粘度安定性を高めるため、重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物が特に好適に使用される。
具体的には、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩などが挙げられる。
中でも、ヒンダードフェノール系化合物及び/又はフェノチアジン系化合物を含むことが好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジンを含むことがより好ましい。
硬化性を維持しつつ経時安定性を高める観点から、重合禁止剤の含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、0.01〜2質量%であることが好ましい。
(有機溶剤)
一実施形態において、インクジェットインキの低粘度化、及び被記録媒体への濡れ性を向上させるために、有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤の沸点は、120℃〜300℃が好ましく、140〜270℃がより好ましく、160〜260℃がさらに好ましい。
有機溶剤としては、グリコール化合物の、モノアセテート類、ジアセテート類、ジオール類、モノアルキルエーテル類、ジアルキルエーテル類、乳酸エステル等が挙げられる。
中でも、グリコール化合物の、モノアセテート類、モノアルキルエーテル類、ジアルキルエーテル類が好ましい。
中でも、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
上記有機溶剤の含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、0.1〜10質量%含むことが好ましい。含有量を、上記範囲内にすることによって、硬化性、吐出安定性及び密着性の各特性について良好な結果を得ることが容易となる。硬化性の観点から、上記有機溶剤の含有量は、インクジェットインキの全質量に対して、0.2〜5質量%がより好ましい。さらに吐出安定性の点から、0.5〜4質量%が好ましい。
<インキ物性>
[粘度]
本発明のインクジェットインキは、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、さらに好ましくは7〜30mPa・sである。
また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。
本発明のインクジェットインキは、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。
[表面張力]
本発明のインクジェットインキの25℃における表面張力は、20〜40mN/mであることが好ましい。より好ましくは22〜39mN/mである。
軟質塩化ビニル、アクリル、ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では40mN/m以下が好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェットインキセットは、インクジェット記録用として使用される。
本発明のインクジェットインキセットは、被記録媒体上に、本発明の本発明のインクジェットインキを吐出する工程、及び、吐出されたインクジェットインキに、活性エネルギー線を照射して、硬化する工程、を含むことを特徴とする。
[被記録媒体]
本発明において、被記録媒体としては、具体的に、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリスチレン、発泡スチロール、アクリル(PMMA等)などの材料からなるプラスチック基材;アートコート紙、セミグロスコート紙、キャストコート紙、上質紙などの紙基材;ガラス基材;ステンレス、アルミニウム蒸着紙等の金属基材などが挙げられる。
前記被記録媒体は、その表面が滑らかであっても、凹凸の形状を有しても良く、透明、半透明、または不透明のいずれであっても良い。また、被記録媒体は、上記多種の基材の2種以上を互いに貼り合わせたものでも良い。さらに、被記録媒体は、印字面の反対側に剥離粘着層等の機能層を有しても良い。被記録媒体の別の実施形態では、印字後、印字面に粘着層等の機能層を設けても良い。
特に、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、アクリル(PMMA等)、ポリカーボネート等のプラスチック基材が好ましい。
プラスチック基材の厚みは、2〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましい。
プラスチック基材やコート紙表面に、コロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施すことが好ましい。例えば、コロナ放電処理により、基材表面の分子結合が破断し、さらにコロナ放電によって生じた大気中の酸素ラジカルやオゾンと反応することで、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等の極性官能基が導入される。この極性基とインキ中に含まれるジアリルフタレート構造もしくはジアリルイソフタレート構造を有する樹脂の相互作用により、良好な密着性、光沢を発現させることができる。
本発明のインクジェットインキセットの記録に用いられる記録装置は、特に制限はなく、目的とする解像度を達成するためのインクジェットヘッドを備えた公知のインクジェット記録装置を用いることができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェットインキの被記録媒体への吐出ができる。
[吐出工程]
インクジェットヘッドの解像度(ノズル密度)は、90,000dot/inch2(150×600dpi)以上が好ましく、180,000dot/inch2(300×600dpi)以上がより好ましく、360,000dot/inch2(600×600dpi)以上がさらに好ましい。
[硬化工程]
硬化工程における光源としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
具体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、UV−LED、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等のLED(発光ダイオード)やガス・固体レーザーなどが挙げられる。中でも、UV−LEDを使用することが好ましい。
硬化性の観点から、380〜420nmが好ましく、380〜410nmがより好ましい。380nm以上であると、安全性に優れる。また、420nm以下であると、硬化性に優れるので好ましい。
本発明のインクジェットインキは、十分な感度を有するため、低出力の活性放射線であっても十分に硬化する。具体的には、被記録媒体表面における最高照度が10〜2,000mW/cm2の範囲内で十分に硬化する。
被記録媒体表面における最高照度が10mW/cm2以上であると、硬化性に優れ、画像のベタツキや画質の低下が生じない。
また、被記録媒体表面における最高照度が2,000mW/cm2以下であると、吐出されたインク組成物の硬化が過剰に早く進行することがなく、画像表面に凹凸が形成されることによる画質の低下が抑制される。
被記録媒体表面における最高照度は、画質及び生産性の観点から、100〜1,800mW/cm2が好ましく、200〜1,500mW/cm2がより好ましい。
本発明のインクジェットインキは、このような紫外線に、好ましくは0.01〜2秒、より好ましくは0.1〜1.5秒、さらに好ましくは0.3〜1秒照射されることが適当である。
活性エネルギー線の照射方法は、具体的には、インクジェット記録装置を含むインクジェットヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。
このように、稼働部に設けられる光源として小型かつ軽量のUV−LEDを用いることにより、インクジェット記録装置の小型化及び省エネルギー化を図ることができ、高い生産性で画像を形成することができる。また、UV−LEDは、露光条件の可変性に優れているため、インクジェットインキに応じて好適な露光条件を設定することができ、高い生産性で画像を形成することができる。
硬化工程において、UV−LEDにより付与するエネルギー、すなわち紫外線の照射により被記録媒体上のインクジェットインキに付与するエネルギー(積算光量)は、100〜1,000mJ/cm2が好ましく、150〜800mJ/cm2がより好ましく、200〜700mJ/cm2がさらに好ましい。上記範囲内であると、生産性と硬化性を両立できるため好ましい。
インクジェット記録方法には、本発明のインクジェットインキセットを使用する。吐出するインクジェットインキの順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低いインクジェットインキから被記録媒体に付与することが好ましい。
例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等の淡色インキとシアン、マゼンタ、ブラック、イエロー、ホワイトの濃色インキの計7色が少なくとも含まれるインクジェットインキセットとして使用する場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→マゼンタ→シアン→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。このようにして、紫外線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」及び「%」とは「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。
<インクジェットインキの製造方法>
[顔料分散体の作成]
下記のような配合でシアン顔料分散体を作成した。以下分散体は、重合性化合物に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7400G(トーヨーカラー社製 フタロシアニン顔料 C.I.Pigment Blue 15:4) 30部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 9部
・フェノキシエチルアクリレート 61部
下記のような配合でマゼンタ顔料分散体を作成した。分散体の作成方法は、シアン分散体と同様の方法で作成した。
・Hostaperm Red E5B02(クラリアント社製 キナクリドン顔料 C.I.Pigment Violet 19) 20部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 74部
[インクジェットインキの作成]
表1に記載の原料を混合、2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インクジェットを作成した。なお、なお、表1中の数値は特に断りがない限り「質量部」を表し、空欄は配合していないことを表す。
Figure 2019119748
Figure 2019119748
表1中の各成分は、以下の通りである。
・VCAP: N−ビニルカプロラクタム(BASF社製「NVC」)
・THFA: テトラヒドロフルフリルアクリレート(アルケマ株式会社製「SR285」)
・CTFA: 環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(アルケマ株式会社製「SR531」)
・TBCH: 4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(アルケマ株式会社製「SR217」)
・IBXA: イソボルニルアクリレート(アルケマ株式会社製「SR506」)
・PEA: フェノキシエチルアクリレート(アルケマ株式会社製「SR339」)
・LA: ラウリルアクリレート(アルケマ株式会社製「SR335」)
・BisA−EO4A: エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート(アルケマ株式会社製「SR601」)
・BisA−EO10A: エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート(アルケマ株式会社製「SR602」)
・BisA−EO30A: エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート(Miwon Specialty Chemical Co., Ltd製「MiramerM2300」)
・DPGDA: ジプロピレングリコールジアクリレート(アルケマ株式会社製SR508」)
・TMPTA: トリメチロールプロパントリアクリレート(アルケマ株式会社製「SR351」)
・TPO: 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「DAROCUR TPO」)
・Ir819: ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「イルガキュア819」)
・Ir369: 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF社製「イルガキュア369」)
・ITX: 2―イソプロピルチオキサントン(LAMBSON社製「SpeedCure2−ITX」)
・Ir907: 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製「イルガキュア907」)
・BHT: ジブチルヒドロキシトルエン(本州化学社製「H−BHT」)
・フェノチアジン: 精工化学社製「フェノチアジン」
・BYK−UV3510: ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−Chemie社製)
<試験サンプルの作成方法>
インクジェット記録装置を用いて、以下の印刷方法で被記録媒体である軟質塩化ビニルに12μmの硬化膜を作成し、試験サンプルを作成した。
インクジェットヘッドは、10〜30plのマルチサイズドットで360×2160dpiの解像度で射出できるように駆動した。
被記録媒体にインクジェットインキが着弾して0.1秒〜0.3秒後に照射が始まり、200mW/cm2の紫外線が6回照射されるように露光条件、主走査速度及び射出周波数を調整した。
紫外線ランプには、波長395nmの紫外線を発光する、Phoseon Technology社製のUV−LEDを使用した。
[色相角]
上記方法で作成した試験サンプルを用いて、グレタグ社製SPM100−IIにて色相角を測定した。2以上で、実用上問題ないレベルであると評価する。
5:濃色インキの硬化膜と淡色インキの硬化膜の色相角の差が0°以上8°未満
4:濃色インキの硬化膜と淡色インキの硬化膜の色相角の差が8°以上15°未満
3:濃色インキの硬化膜と淡色インキの硬化膜の色相角の差が15°以上23°未満
2:濃色インキの硬化膜と淡色インキの硬化膜の色相角の差が23°以上30°未満
1:濃色インキの硬化膜と淡色インキの硬化膜の色相角の差が30°以上
[粒状性評価]
上記印刷方法を用いて、各濃色インキと淡色インキで、16階調のハーフトーンの画像を作成し、ハイライト部分(10〜30%)の粒状性を評価した。3以上で、実用上問題ないレベルであると評価する。
5:画像にざらつき感が見られない。
4:画像に僅かにざらつき感がみられる。
3:画像に少しざらつき感がみられる。
2:画像にざらつき感がみられる。
1:画像にかなりざらつき感が見られる。
[硬化性評価]
上記方法で作成した試験サンプルを、作成してから1分後に、硬化膜表面を爪でこすり硬化状態を確認することで硬化性を評価した。2以上で、実用上問題ないレベルであると評価する。
5:爪で強くこすっても硬化膜が剥がれない。表面にタック感がない。
4:爪で強くこすると硬化膜が一部剥がれる。表面にタック感がない。
3:爪でこすると硬化膜が一部剥がれる。表面にタック感がない。
2:爪でこすると硬化膜が一部剥がれる。表面に少しタック感がある。
1:爪をあてると簡単に硬化膜が剥がれる。表面に少しタック感がある。
[延伸性評価]
上記方法で作成した試験サンプルを180°に折り曲げたのち、折り曲げ部分を目視及びルーペにて観察した。3以上で、実用上問題ないレベルであると評価する。
5:目視、ルーペのどちらで観察した場合も、亀裂が見られなかった。
4:目視で亀裂が見られなかったが、ルーペでわずかに亀裂が見られた。
3:目視でわずかに亀裂が見られた。
2:目視で明らかな亀裂が見られた。
1:塗膜が剥がれ落ちた。
[屋外暴露後の延伸性評価]
上記方法で作成した試験サンプルを、屋外に2週間放置した後、上記延伸性評価と同様方法で評価を行った。
[吐出安定性評価]
コート紙(UPM Rafratac社製 Raflacoat)上に、前記インクジェット装置でノズルチェックパターンを印刷し、ノズル抜けがないことを確認した。次いで、各ノズルから10万発の液滴を吐出させたのち、再度コート紙上にノズルチェックパターンを印刷し、ノズル抜けの個数を数えることで吐出安定性を評価した。2以上で、実用上問題ないレベルであると評価する。
5:10万発印字後にノズル抜けなし
4:10万発印字後にノズル抜け1〜2コ
3:10万発印字後にノズル抜け3〜5コ
2:10万発印字後にノズル抜け6〜10コ
1:10万発印字後にノズル抜け10コ以上
Figure 2019119748
本発明の実施形態によれば、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを含むインクジェットインキセットにおいて、硬化性に優れ、得られた硬化膜の延伸性、特に低温での延伸性に優れ、かつ、色相に優れ、吐出安定性が優れた高画質が得られるインクジェットインキセットを得ることができると分かった。

Claims (12)

  1. 少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インキ及び淡色インキを含むインクジェットインキセットであって、
    濃色インキ及び淡色インキが、いずれも顔料(A)、光重合開始剤(B)、重合性化合物(C)、を含み、
    被記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°における、前記濃色インキの色相角H°(X)と、前記淡色インキの色相角H°(Y)が、
    |X−Y|<30°
    の関係を満たすことを特徴とするインクジェットインキセット。
  2. 前記濃色インキ及び前記淡色インキが、前記光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド系化合物(B−1)を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインキセット。
  3. 前記濃色インキが、前記光重合開始剤(B)として、さらに、チオキサントン系化合物(B−2)及び/又はα−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットインキセット。
  4. 前記淡色インキが、前記光重合開始剤(B)として、前記チオキサントン系化合物(B−2)を、実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインキセット。
  5. 前記淡色インキが、前記光重合開始剤(B)として、前記α−アミノアルキルフェノン系化合物(B−3)を、実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインキセット。
  6. 前記淡色インキ中の前記光重合開始剤(B)の含有量が、前記濃色インキ中の前記光重合開始剤(B)の含有量より多いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインキセット。
  7. 前記濃色インキと淡色インキが、前記重合性化合物(C)として、単官能モノマー(C−1)及び多官能モノマー(C−2)を含み、
    前記濃色インキ中の前記多官能モノマー(C−2)/重合性化合物(C)の質量比(γ)と、前記淡色インキ中の前記多官能モノマー(C−2)/重合性化合物(C)の質量比(δ)が、γ<δの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインキセット。
  8. 前記単官能モノマー(C−1)が、分子内に環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)を含むことを特徴とする請求項7に記載のインクジェットインキセット。
  9. 前記分子内に環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)が、アクリロイル基を有し、かつ、複素環構造を有する単官能モノマー及び/又はアクリロイル基を有し、かつ、脂環構造を有する単官能モノマーを含むことを特徴とする請求項8に記載のインクジェットインキセット。
  10. 前記分子内に環状構造を有する単官能モノマー(C−1−1)が、N−ビニルカプロラクタムを含み、前記N−ビニルカプロラクタムの含有量が、インクジェットインキの全質量に対して、5〜35質量%であることを特徴とする請求項8又は9に記載のインクジェットインキセット。
  11. 前記多官能モノマー(C−2)が、アクリロイル基を2個有し、かつ、分子内に環状構造を有する2官能モノマーを含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のインクジェットインキセット。
  12. 前記濃色インキが、シアンインキ及びマゼンタインキを含み、
    前記淡色インキが、ライトシアンインキ及びライトマゼンタインキを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェットインキセット。
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