JP6266431B2 - 建築材料用インクセット、画像形成方法、及び、加飾建築材料 - Google Patents

建築材料用インクセット、画像形成方法、及び、加飾建築材料 Download PDF

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Description

本発明は、建築材料用インクセット、画像形成方法、及び、加飾建築材料に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型又は溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また、熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ、廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
近年、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインク組成物(放射線硬化型インク組成物)を、インクジェットにより描画した後、紫外線などの放射線を照射して、インクを硬化する、無溶剤型のインクジェット記録方式が注目されている。
放射線硬化型インクによるインクジェット記録方式によれば、ガラス、金属、プラスチック被記録媒体といった非吸収性被記録媒体への描画が可能であり、被記録媒体の適応範囲が広く、描画画像の耐擦過性や耐溶剤性に優れ、感度が高く、生産性に優れ、揮発性の溶剤を含まないため環境への負荷が小さいといったメリットを有する。
放射線硬化型インクの硬化機構としては、ラジカル重合型とカチオン重合型に大別されるが、ラジカル重合型は、カチオン重合型と比較して、保存安定性に優れる、安価といったメリットを有しているため、市場で広く使用されている。
従来の放射線硬化型インクとしては、特許文献1及び2に記載のインク組成物が挙げられる。
特開2013−237834号公報 特開2012−214603号公報
本発明の目的は、硬化性、保存安定性に優れ、かつ、硬化したインク組成物の耐候性(以下、単に「耐候性」ともいう。)及び色再現性に優れた建築材料用インクセットを提供することである。更に、上記建築材料用インクセットを用いた画像形成方法及び加飾建築材料を提供することを目的とする。
上記目的は、下記<1>、<8>、及び、<14>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<7>、<9>〜<13>と共に以下に示す。
<1> シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、及び、グリーンインク組成物を含み、インク組成物がそれぞれ、(成分A)ラジカル重合性化合物と、(成分B)ラジカル重合開始剤と、(成分C)着色剤として無機顔料と、(成分D)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及び、ケトン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有し、マゼンタインク組成物が着色剤としてピグメントレッド101を含有することを特徴とする建築材料用インクセット、
<2> グリーンインク組成物及びマゼンタインク組成物が、更に(成分E)重合禁止剤を含有する、<1>に記載の建築材料用インクセット、
<3> グリーンインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWg質量%、マゼンタインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWm質量%としたとき、下記式(1)を満たす、<2>に記載の建築材料用インクセット、
7.5>Wm/Wg>1 (1)
<4> グリーンインク組成物が、成分Cとしてピグメントグリーン17、18、19、26及び50よりなる群から選択される緑色無機顔料を含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の建築材料用インクセット、
<5> 成分Dがアクリル樹脂である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の建築材料用インクセット、
<6> 成分Aとして、N−ビニルカプロラクタムを各インク組成物の全質量に対し5〜50質量%含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の建築材料用インクセット、
<7> インクジェット記録用である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の建築材料用インクセット、
<8> (a)<1>〜<7>のいずれか1つに記載の建築材料用インクジェットインクセットに含まれるインク組成物を建築材料上に付与するインク付与工程、及び、(b)付与されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する硬化工程、を含むことを特徴とする画像形成方法、
<9> 工程bの後に、(c)表面保護層を形成する工程を更に含む、<8>に記載の画像形成方法、
<10> 表面保護層が、水性エマルション塗料で形成される、<9>に記載の画像形成方法、
<11> 表面保護層がインクジェット方式又はスプレー方式により形成される、<9>又は<10>に記載の画像形成方法、
<12> 建築材料へのインク組成物の付与がインクジェット方式により行われる、<8>〜<11>のいずれか1つに記載の画像形成方法、
<13> 建築材料が、複合金属サイディング又は窯業系サイディングである、<8>〜<12>のいずれか1つに記載の画像形成方法、
<14> <8>〜<13>のいずれか1つに記載の画像形成方法により得られたことを特徴とする加飾建築材料。
本発明によれば、硬化性、保存安定性に優れ、かつ、硬化したインク組成物の耐候性、及び、色再現性に優れた建築材料用インクセットを提供することができる。更に、上記建築材料用インクセットを用いた画像形成方法及び加飾建築材料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「下限〜上限」の記載は「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、端点である上限及び下限を含む数値範囲を表す。また、本発明において、「(成分A)ラジカル重合性化合物」等を、単に「成分A」等ともいう。また、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
以下の説明において、好ましい態様の組合せは、より好ましい態様である。
(建築材料用インクセット)
本発明の建築材料用インクセット(以下、「建材用インクセット」、又は、単に「インクセット」ともいう。)は、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、及び、グリーンインク組成物を含み、上記インク組成物がそれぞれ、(成分A)ラジカル重合性化合物と、(成分B)ラジカル重合開始剤と、(成分C)着色剤として無機顔料と、(成分D)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及び、ケトン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有し、マゼンタインク組成物が着色剤としてピグメントレッド101を含有することを特徴とする。
なお、本発明の建材用インクセットを構成する各色インク組成物を単にインク組成物、又は、本発明のインク組成物ともいう。また、本発明の建材用インクセットを構成するシアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、及び、グリーンインク組成物を、それぞれ、本発明のシアンインク組成物、本発明のマゼンタインク組成物、本発明のイエローインク組成物、及び、本発明のグリーンインク組成物ともいう。
本発明の建築材料用インクセットを構成する各色インク組成物は、非水性のインク組成物であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、活性光線(活性放射線ともいう。)により硬化可能な油性のインク組成物であることが好ましい。また、本発明のインク組成物は、水及び揮発性の有機溶剤を含有しない非溶剤型のインクであることが好ましい。「活性光線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
放射線硬化型インクを用いて形成された画像を、建築材料用インク組成物として使用する場合、主に屋外で使用されるため、風雨や太陽光により、退色、変色を起こし、作製直後の色再現性が保持できない問題があり、耐候性の改良が求められていた。これを改良する目的で、無機顔料を使用する方法が提案されている。
本発明者が鋭意検討した結果、マゼンタ無機顔料としてピグメントレッド101を用いると、耐候性に優れる画像が得られる一方、ピグメントレッド101は、色域が狭く、ピグメントレッド101を含有するマゼンタインク組成物と、シアンインク組成物及びイエローインク組成物とを用いて画像を形成すると、色再現域に劣ることを見出した。
本発明者は、上記のシアンインク組成物、マゼンタインク組成物、及び、イエローインク組成物に加え、緑色無機顔料を含有するグリーンインク組成物を用いることにより、色再現域に優れた建築材料用インクセットが得られること、更には、各色インク組成物が成分A〜成分Dを含有することにより、耐候性(経時による色差が少ない)に優れたインクセットが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
そのメカニズムは明確ではないが、以下のように推定される。
緑色無機顔料を含有するグリーンインク組成物を用いることで、ピグメントレッド101による色域の狭さを補填し、色再現域が向上したものと推定される。
また、成分Dを含有することにより、建築材料上にインク組成物が付与された際に、成分Dがインク表面に偏在することで、バリア層を形成し、顔料を含む下層を保護する役割を果たし、これにより耐候性が向上するのではないかと推定される。なお、上記の効果は、インク組成物で形成した画像層の上に、更に表面保護層を有する場合に顕著である。
以下、本発明のインク組成物に含まれる各種成分について詳細に説明する。なお、本発明において、各色インク組成物は、それぞれ、成分A〜成分Dを含有するが、各色のインク組成物が含有する成分A、成分B及び成分Dは同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。
(成分A)ラジカル重合性化合物
本発明のインク組成物(シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物及びグリーンインク組成物)は、それぞれ、(成分A)ラジカル重合性化合物を含有する。
各色インク組成物が含有する成分Aは、同じでも異なっていてもよく、特に限定されないが、各色インク組成物において好ましい態様は共通しており、以下、好ましい態様について説明する。
本発明のインク組成物に含有されるラジカル重合性化合物は、重合可能な不飽和結合を有する化合物であれば限定されないが、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマーであることが好ましい。
本発明のインク組成物における成分Aの含有量は、インク組成物全質量に対して、30〜95質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましく、50〜90質量%が更に好ましく、60〜85質量%が特に好ましい。上記範囲であると、建築材料への密着性及びインクジェットインク組成物として使用した場合の吐出安定性により優れる。
本発明のインク組成物に使用される成分Aとして、(成分A−1)N−ビニル化合物を含むことが好ましい。
本発明のインク組成物に用いられるN−ビニル化合物としては、式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006266431
式(I)中、nは2〜6の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、建築材料との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは3〜5の整数であることが好ましく、nが3又は5であることがより好ましく、nが5である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の建築材料への良好な密着性が得られるので好ましい。
式(I)で表される化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、N−ビニル化合物、好ましくは上記式(I)で表される化合物、より好ましくは、N−ビニルカプロラクタムをインク組成物全体の5〜50質量%含有することが好ましい。10〜40質量%含有することがより好ましく、15〜30質量%含有することが更に好ましい。
N−ビニル化合物は、硬化性に優れ、インク組成物中の含有量が上記範囲内であると、成分Cの含有量が多い場合であっても、十分な感度を有するインク組成物が得られる。
本発明において、成分Aとして、(成分A−2)ベンジル(メタ)アクリレート及び/又は2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートを含有することがより好ましく、2−フェノキシエチルアクリレートを含有することが更に好ましい。
ベンジル(メタ)アクリレート及び2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートの総含有量は、インク組成物全体の10〜50質量%が好ましく、15〜45質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることが更に好ましい。
インク組成物中の含有量が上記範囲内であると、硬化性及び保存安定性に優れるので好ましい。
本発明において、成分Aとして、(成分A−3)下記式(II)で表される化合物、及び/又は、下記式(III)で表される化合物を含有することが好ましく、少なくとも式(III)で表される化合物を含有することがより好ましい。
Figure 0006266431
式(II)及び式(III)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A1及びA2はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。
式(II)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
式(II)中、A1は、単結合又は2価の連結基を表し、インク組成物の硬化性の観点から、単結合であることが好ましい。
1における2価の連結基としては、特に制限はないが、インク組成物の硬化速度の観点から、アルキレン基、アルキレン基を1つ以上と、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、及び、ウレタン結合よりなる群から選択された少なくとも1つの結合又は基とを連結した2価の基であることが好ましく、アルキレン基、アルキレンオキシ基、又は、ポリアルキレンオキシ基であることが好ましい。上記アルキレン基、アルキレンオキシ基及びポリアルキレンオキシ基におけるアルキレン基は、直鎖アルキレン基であっても、分岐アルキレン基であってもよい。また、アルキレン基は炭素原子数2〜8であることが好ましく、炭素原子数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素原子数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましい。
以下に、式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 0006266431
Figure 0006266431
Figure 0006266431
これらの中でも、テトラヒドロフルフリルアクリレート及びテトラヒドロフルフリルメタクリレートが好ましく、テトラヒドロフルフリルアクリレートがより好ましい。
式(III)中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
式(III)中、A2は、単結合又は2価の連結基を表し、インク組成物の硬化性の観点から、単結合であることが好ましい。
2における2価の連結基としては、特に制限はないが、インク組成物の硬化速度の観点から、アルキレン基、アルキレン基を1つ以上と、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、及び、ウレタン結合よりなる群から選択された少なくとも1つの結合又は基とを連結した2価の基であることが好ましく、アルキレン基、アルキレンオキシ基、又は、ポリアルキレンオキシ基であることがより好ましく、アルキレンオキシ基又はポリアルキレンオキシ基であることが更に好ましい。上記アルキレン基、アルキレンオキシ基及びポリアルキレンオキシ基におけるアルキレン基は、直鎖アルキレン基であっても、分岐アルキレン基であってもよい。また、アルキレン基は炭素原子数2〜8であることが好ましく、炭素原子数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素原子数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましい。
以下に、式(III)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 0006266431
これらの中でも、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマル(メタ)アクリレート(C−1)及びサイクリックトリメチロールプロパンフォーマルメタクリレート(C−2)が好ましく、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(C−1)がより好ましい。
式(II)で表される化合物及び/又は式(III)で表される化合物の含有量は、合計して、インク組成物全体の1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、成分Aとして、(成分A−4)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能又は2官能の(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
以下、成分A−4を(成分A−4−1)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、及び、(成分A−4−2)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物と2つに分け、それぞれについて説明する。
(成分A−4−1)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物
本発明のインク組成物は、成分Aとして(成分A−4−1)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
ここで、成分A−4−1は、(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に1つのみ有し、他にラジカル重合性基を有していない化合物を意味する。なお、例えば、後述するジシクロペンテニル基は、炭化水素環に不飽和結合を有しているが、このような不飽和結合はラジカル重合性が極めて低く、本発明においてラジカル重合性基には該当しない。
成分A−4−1は、下記式(a−4−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006266431
(式(a−4−1)中、RA10は、水素原子又はメチル基を表し、RA11は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を表す。)
式(a−4−1)中、RA10は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
式(a−4−1)中、RA11は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を表し、炭素数5〜20の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数9〜16の脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数9〜13の脂肪族炭化水素基であることが更に好ましい。また、上記脂肪族炭化水素基は、直鎖でも分岐を有していても環状構造を有していてもよいが、環状構造を有していることが好ましい。環状脂肪族炭化水素基は、単環でも多環でもよいが、多環構造を有していることが好ましい。また、飽和炭化水素環でもよく、不飽和結合を有する不飽和炭化水素環でもよく、特に限定されない。
なお、脂肪族炭化水素基の炭素数とは、隣接する(メタ)アクリル酸エステルの酸素原子から、炭素−炭素結合で連結された炭素の総数を表し、下記に示す置換基に含まれる酸素原子、窒素原子、硫黄原子等の炭素以外の原子で完全に中断された場合は、それら原子より先の末端までに含まれる炭素原子の数は含めない。
A11の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ドコサン等の直鎖又は分枝のアルカン類、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、スピロ[4.5]デカン、アダマンタン、ボルナン、ノルボルナン、cis−又はtrans−ヒドリンダン、cis−又はtrans−デカヒドロナフタレン、exo−又はendo−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン等の環状アルカン類、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、4−ノネン、7−テトラデセン、1−ヘプタデセン、ブタジエン、1,9−デカジエン等の直鎖又は分枝のアルケン類、シクロヘキセン、シクロオクテン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、2−ボルネン、2−ノルボルネン、exo−又はendo−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−エン、オクタヒドロナフタレン、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン等の環状アルケン類、ア1−ヘキシン、2−ヘキシン、3−ヘキシン等の直鎖又は分枝のアルキン類、シクロヘキシン等の環状アルキン類を構成する水素原子を1個除し、1価の脂肪族炭化水素基としたものを好ましく例示できる。
また、RA11は、置換基を1個以上有していてもよく、置換基としては水素を除く、1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、アルコキシシリル基(−Si(Oアルキル)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oアリール)3)、アリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。これら置換基は可能であるならば置換基同士、又は、置換している炭化水素基と結合して環を形成してもよく、置換基は更に置換されていてもよい。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基が挙げられ、置換基は有していない方が更に好ましい。
成分A−4−1としては、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、セチルアクリレート、ベヘニルアクリレート等の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基を有するアクリレート化合物や、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の環状構造を有する脂肪族炭化水素基を有するアクリレート化合物が例示される。
硬化性の観点から、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソボルニルアクリレートが好ましく、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソボルニルアクリレートがより好ましい。
(成分A−4−2)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物
本発明のインク組成物は、成分Aとして(成分A−4−2)炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
成分A−4−2は、以下の式(a−4−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006266431
(式(a−4−2)中、RA1は、炭素数が5以上の2価の脂肪族炭化水素基を表し、RA2は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
式(a−4−2)中、RA1は、炭素数が5以上の2価の脂肪族炭化水素基を表し、炭素数が5〜10の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数が9〜10の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。炭素数が上記範囲であると、密着性、吐出性、及び、保存安定性に優れたインク組成物を得ることができる。
また、上記脂肪族炭化水素基は、直鎖でも分岐を有していても環状構造を有していてもよいが、保存安定性の観点から環状構造を有していることが好ましく、環状脂肪族炭化水素基を有していることがより好ましい。環状脂肪族炭化水素基は、単環でも多環でもよいが、多環構造を有していることが好ましい。また、飽和炭化水素環でもよく、不飽和結合を有する不飽和炭化水素環でもよく、特に限定されない。
なお、脂肪族炭化水素基の炭素数とは、隣接する2個の(メタ)アクリル酸エステルの酸素原子を繋ぐ、炭素−炭素結で連結された炭素の総数を表し、下記に示す置換基に含まれる酸素原子、窒素原子、硫黄原子等の炭素以外の原子で完全に中断された場合は、それら原子より先の末端までに含まれる炭素原子の数は含めない。
A1の具体例としては、先に例示したRA11を構成する水素原子を更に1個除し、2価の脂肪族炭化水素基としたものを好ましく例示できる。
また、また、RA1は、RA11と同様に、置換基を1個以上有していてもよく、置換基の例は、RA11で例示したものを挙げることができる。
式(a−4−2)中、RA2は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。また、式(a−4−2)中、2つあるRA2は同一でも異なっていてもよいが、合成上の観点から同一であることが好ましい。
成分A−4−2としては、ネオペンチルグリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、等が挙げられ、吐出性、密着性、及び、保存安定性の観点から、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートが好ましく、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートがより好ましい。
成分A−4の含有量は、合計して、インク組成物全体の1〜40質量%であることが好ましく、3〜35質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが更に好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。
インク組成物中の成分A−4の総含有量が上記範囲内であると、硬化性及び経時安定性に優れたインク組成物が得られる。
成分A−4は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分A−4として、少なくとも成分A−4−2を含有することが好ましい。また、成分A−4を2種以上用いる場合は、成分A−4−1に該当する化合物と成分A−4−2に該当する化合物を併用することが好ましく、脂肪族炭化水素基が環状炭化水素構造を有する成分A−4−1に該当する化合物と、成分A−4−2に該当する化合物を併用することがより好ましく、脂肪族炭化水素基が環状構造を有する成分A−4−1に該当する化合物と、脂肪族炭化水素基が環状構造を有しない成分A−4−2に該当する化合物を併用することが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、成分A−1、成分A−2、成分A−3、及び、成分A−4以外の、(成分A−5)他のラジカル重合性化合物を含有していてもよい。
他のラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
他のラジカル重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物を用いることができ、成分A−1、成分A−2、成分A−3及び成分A−4以外の(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載のラジカル重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
他のラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
他のラジカル重合性化合物の具体例としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートが好ましく、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートがより好ましい。
また、本発明のインク組成物は、その他のラジカル重合性化合物として、多官能ラジカル重合性化合物を含有することが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
また、他のラジカル重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物も挙げられる。
本発明において、成分A−5としてラジカル重合性オリゴマー及び/又はラジカル重合性ポリマーを含有してもよい。なお、本発明において、ラジカル重合性モノマーとは、分子量が500以下の化合物であり、分子量が500を超える重合性化合物は、オリゴマー又はポリマーに該当する。
本発明における重合性オリゴマー又はポリマーとしては、オリゴエステルアクリレートが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ウレタンアクリレートが好ましく、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL210(アクリレート価:750g/価、Tg≦20℃)、230(アクリレート価:2,500g/価、Tg=−55℃)、244(アクリレート価:1,000g/価、Tg≦20℃)、270(アクリレート価:750g/価、Tg=−27℃)、4858(アクリレート価:300g/価、Tg≦20℃)、8402(アクリレート価:500g/価、Tg=14℃)、9270(アクリレート価:500g/価、Tg≦20℃))、新中村化学工業(株)製のU−200PA(アクリレート価:1,300g/価、Tg≦20℃)が例示される。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ポリエステル(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ポリエステル(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ポリエステル(メタ)アクリレートは、4官能以下のポリエステル(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能以下のポリエステル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
本発明に用いることができるポリエステル(メタ)アクリレートとしては、特に制限はないが、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等、Sartomer社製のCN292、CN293、CN294E、CN255、CN2256、CN2257、CN2259、CN2281、CN2505、CN2881、CN2271E、CN292、CN203、CN UVP210、CN2282、CN2255、CN2540、CN2560、CN2619等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に制限はないが、例えば、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等、Sartomer社製のCN173、CN1300、CN111、CN112、CN118、CN104、CN186、CN132、CN156、CN116、CN133等が挙げられる。
成分A−5について、更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
本発明のインク組成物が(成分A−5)他のラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明のインク組成物における他のラジカル重合性化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対し、1〜35質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物中の成分Aの総含有量は、インク組成物の全質量に対し、30〜90質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、55〜85質量%であることが更に好ましい。
(成分B)ラジカル重合開始剤
本発明のインク組成物は、(成分B)ラジカル重合開始剤を含む。支持体上に吐出されたインク組成物は、活性光線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれるラジカル重合開始剤が活性光線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能にラジカル重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。
なお、本発明におけるラジカル重合開始剤は、活性光線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物だけでなく、特定の活性放射線を吸収してラジカル重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる、増感剤)も含まれる。
本発明のインク組成物において、ラジカル重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、ラジカル重合開始剤と接触することによってラジカル重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。増感剤としては例えば、特開2008−208190号公報に記載のものが挙げられる。
なお、本発明における重合開始剤は、活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物だけでなく、特定の活性放射線を吸収して重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる、増感剤)も含まれる。
上記ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合反応に用いられる重合開始剤であり、本発明のインク組成物に含まれるラジカル重合開始剤としては、(成分B−1)アシルホスフィンオキサイド化合物、(成分B−2)チオキサントン化合物、(成分B−3)α−ヒドロキシケトン化合物、(成分B−4)ベンゾフェノン化合物、(成分B−5)α−アミノケトン化合物、及び、(成分B−6)アミノベンゾエート誘導体が好ましく挙げられる。
以下に、成分B−1〜B−6について説明する。
(成分B−1)アシルホスフィンオキサイド化合物
本発明において、(成分B)ラジカル重合開始剤として、(成分B−1)アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられる。(成分B−1)としては、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、モノアシルホスフィンオキサイド化合物が例示される。(成分B−1)としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物及びモノアシルホスフィン化合物が好ましく挙げられる。ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE819、BASF社製)が好ましく、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Lucirin TPO:BASF社製)が好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分B−1)アシルホスフィンオキサイド化合物を含有することが好ましく、モノアシルホスフィンオキサイド化合物を用いることがより好ましい。なお、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物はモノアシルホスフィンオキサイド化合物と比較して、低添加量でインクの感度を向上させることが可能であるが、一方、印刷物が黄色に着色されやすい傾向にある。このため、画像が黄色に変化することが目立ちにくいカラーインクにおいてはビスアシルホスフィンオキサイド化合物とモノアシルホスフィンオキサイド化合物とを併用してもよい。
インク組成物において、成分B−1の総含有量は、インク組成物の全質量に対し、3〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましい。
(成分B−2)チオキサントン化合物
本発明のインク組成物は、(成分B−2)チオキサントン化合物を好ましく含有することができる。
チオキサントン化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、式(b−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006266431
上記式(b−2)において、R1F、R2F、R3F、R4F、R5F、R6F、R7F及びR8Fはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基(一置換及び二置換の場合を含む。なお、以下においても同様である。)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。上記アルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、及び、アシル基におけるアルキル部分の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
1F、R2F、R3F、R4F、R5F、R6F、R7F及びR8Fは、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
チオキサントン化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、n−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、n−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリドが例示できる。これらの中でも、入手容易性や硬化性の観点から、チオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンが好ましく、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンがより好ましい。
成分B−2の含有量は、インク組成物全体の0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜4.0質量%であることがより好ましい。
(成分B−3)α−ヒドロキシケトン化合物
本発明のインク組成物は、(成分B−3)α−ヒドロキシケトン化合物を含有してもよい。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、α−ヒドロキシアルキルフェニルケトン化合物が好ましく、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物も含まれる。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮しうる範囲で任意に選択することができ、具体的には炭素数1〜4のアルキル基が例示できる。中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、BASF(株)製)がより好ましい。
成分B−3の含有量は、インク組成物全体の0〜5.0質量%であることが好ましく、0〜4.0質量%であることがより好ましい。
(成分B−4)ベンゾフェノン化合物
本発明のインク組成物は、(成分B−4)ベンゾフェノン化合物を好ましく含有することができる。
ベンゾフェノン化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルフェニルスルフィド等が挙げられ、中でも、ベンゾフェノン化合物及び4−フェニルベンゾフェノン化合物が好ましい。なお、本発明において、ベンゾフェノン化合物及び4−フェニルベンゾフェノン化合物には、ベンゾフェノン又は4−フェニルベンゾフェノンが任意の置換基で置換された化合物も含まれる。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮しうる範囲で任意に選択することができ、具体的には炭素数1〜4のアルキル基が例示できる。中でも、ベンゾフェノン(SPEEDCURE BP、Lambson Ltd.製)及び4−フェニルベンゾフェノン(SPEEDCURE PBP、Lambson Ltd.製)がより好ましい。
成分B−4の含有量は、インク組成物全体の0.3〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量%であることがより好ましい。
(成分B−5)α−アミノケトン化合物
本発明のインク組成物は、(成分B−5)α−アミノケトン化合物を含有してもよい。
α−アミノケトン化合物としては、α−アミノアルキルフェニルケトン化合物が好ましく、例えば、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−ヘキシルフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)ブタン−1−オン、及び、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられ、中でも2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(IRGACURE369、BASF社製)、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]ブタン−1−オン(IRGACURE379、BASF社製)、及び、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE907、BASF社製)が好ましく、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(IRGACURE369、BASF社製)がより好ましい。
成分B−5の含有量は、インク組成物全体の0〜5.0質量%であることが好ましく、0〜3.0質量%であることがより好ましい。
(成分B−6)アミノベンゾエート誘導体
本発明に用いることができるインク組成物は、硬化性の観点から、成分Bとしてアミノベンゾエート誘導体を含有することが好ましい。
アミノベンゾエート誘導体は、これらは酸素による重合阻害を軽減する化合物である。
アミノベンゾエート誘導体の例としては、特に限定されないが、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート等が挙げられる。
また、アミノベンゾエート誘導体としては、市販品として、SPEEDCURE EHA、SPEEDCURE EDB(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、LAMBSON社製)等が挙げられる。
成分B−6の含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物は、成分B−1〜B−6のラジカル重合開始剤以外のその他のラジカル重合開始剤を含んでもよい。その他のラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
上記重合開始剤の詳細については、当業者に公知であり、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されている。
本発明における成分Bの総含有量は、インク組成物全体の1.0〜20.0質量%であることが好ましく、3.0〜18.0質量%であることがより好ましく、5.0〜15.0質量%であることが更に好ましい。
上記範囲であると、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
本発明のインク組成物としては、ラジカル重合開始剤として、成分B−1を含有することが好ましく、成分B−1と、成分B−2及び/又は成分B−4とを含有することがより好ましく、成分B−1と、成分B−2及び/又は成分B−4と、成分B−6とを含有することが更に好ましく、成分B−1と、成分B−2と、成分B−4と、成分B−6とを含有することが特に好ましい。
上記態様であると、硬化感度に優れるインク組成物が得られる。
(成分C)着色剤として無機顔料
本発明のインク組成物は、(成分C)着色剤として無機顔料を含有する。
マゼンタインク組成物は、成分Cとしてピグメントレッド101を含有する。
シアンインク組成物は、成分Cとしてシアン無機顔料を含有し、イエローインク組成物は成分Cとしてイエロー無機顔料を含有し、グリーンインク組成物は成分Cとして緑色無機顔料を含有する。
なお、本発明において、各色インク組成物は、無機顔料の他に、着色剤として有機顔料や、染料を含有していてもよいが、優れた耐候性を得る観点から、着色剤として無機顔料のみを有することが好ましい。
以下、各色のインク組成物が含有する無機顔料について説明する。
<ピグメントレッド101>
本発明のインクセットにおいて、マゼンタインク組成物は、成分Cとしてピグメントレッド101(C.I.Pigment Red 101;以下、PR101ともいう。)を含有する。
PR101は、酸化鉄(III)からなるマゼンタ無機顔料である。本発明に用いることができるPR101は、特に制限はないが、下記の市販の顔料を好ましく用いることができる。
Sicoflush P Red 2817、Sicotrans Red L 2915 D、Xfast Brown 2915、Xfast Red 2817、Xfast Red 3390(以上、BASF社製)、Cappoxyt Red 4434B、Cappoxyt Red 4435B、Cappoxyt Red 4437B、Cappoxyt Red 4438B(以上、Cappelle社製)が挙げられる。
<緑色無機顔料>
本発明のインクセットにおいて、グリーンインク組成物は、成分Cとして緑色無機顔料を含有する。
本発明において、緑色無機顔料としては、緑色を呈する無機顔料であれば特に限定されないが、ピグメントグリーン(C.I.ピグメントグリーン)13、14、15、17、18、19、20、21、22、23、26、36、48、50が例示される。これらの中でも、ピグメントレッド101を含有するマゼンタインク組成物と併用した場合に色再現性に優れることから、C.I.ピグメントグリーン17、18、19、26及び50がより好ましく、C.I.ピグメントグリーン17、26、及び、50が更に好ましい。
上記無機顔料を含有することにより、耐候性及び色再現性に優れるインク組成物が得られる。
上記の緑色無機顔料は市販されているものを使用してもよく、例えば、アサヒ化成工業(株)製のGreen 2500(C.I.ピグメントグリーン26)、Green 2024、Green 2090(以上、C.I.ピグメントグリーン50);BASF製のXfast Green ED 7995(C.I.ピグメントグリーン17)、Sicopal Green K 9710(C.I.ピグメント50)が例示される。
<シアン無機顔料>
本発明のインクセットにおいて、シアンインク組成物は、成分Cとしてシアン無機顔料を含有する。
本発明において、シアン無機顔料としては、シアン色を呈する無機顔料であれば限定されないが、ピグメントブルー24、ピグメントブルー27(プルシアンブルー)、ピグメントブルー28(コバルトブルー)、ピグメントブルー29(ウルトラマリンブルー)、ピグメントブルー33(マンガンブルー)、ピグメントブルー34、ピグメントブルー35、ピグメントブルー36、ピグメントブルー36:1、ピグメントブルー71、ピグメントブルー72、ピグメントブルー73、ピグメントブルー74(コバルトブルーディープ)、ピグメントブルー81が例示される。
これらの中でも、シアン無機顔料としては、ピグメントブルー27、28、29が好ましく、ピグメントブルー27、28がより好ましく、ピグメントブルー28が更に好ましい。
シアン無機顔料は、市販されているものを使用してもよく、例えば、Luconyl NG Blue EH0843、Sicopal Blue L6210、Xfast Blue 6310(以上、ピグメントブルー28、BASF社製)、Luconyl NG Blue EH 0845(以上、ピグメントブルー29、BASF社製)、690H(ピグメントブルー27、大日精化工業(株)製)が例示される。
<イエロー無機顔料>
本発明のインクセットにおいて、イエローインク組成物は、成分Cとしてイエロー無機顔料を含有する。
本発明において、イエロー無機顔料としては、黄色を呈する無機顔料であれば限定されないが、ピグメントイエロー30、31、32、33、35、35:1、36(ジンクイエロー)、36:1、37、37:1、41、42、43、44、45、47、53、118、119、129、157、158、159、160、161、162、163、164、184、189、216、が例示される。
これらの中でも、イエロー無機顔料としては、ピグメントイエロー35、42、184、53、157、162、160、158が好ましく、ピグメントイエロー42、184、53がより好ましく、ピグメントイエロー42、184が更に好ましく、ピグメントイエロー42が特に好ましい。
イエロー無機顔料は、市販されているものを使用してもよく、例えば、Lysopac Yellow 6618B、Lysopac Yellow 6615B、Lysopac Yellow 6606B、Lysopac Yellow 6601B、Lysopac Yellow 6616B、Lysopac Yellow 6611B、Lysopac Yellow 6716B(以上、ピグメントイエロー184、Cappelle社製)、Cappoxyt Yellow 4214X、Cappoxyt Yellow 4212X(以上、ピグメントイエロー42、Cappelle社製)等が挙げられる。
本発明において、各色インク組成物は、上記無機顔料を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、特に限定されない。また、無機顔料に加えて、染料や有機顔料を含有していてもよいが、その含有量は、無機顔料100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることが更に好ましく、10質量部以下であることが特に好ましい。
上記無機顔料以外の着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられ、また、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料(例えば、顔料を分散媒として水、液状有機化合物や不溶性の樹脂等に分散させたもの、並びに樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等)も挙げられる。例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年、朝倉書店発行)、橋本勲著「有機顔料ハンドブック」(2006年、カラーオフィス発行)、W.Herbst,K.Hunger編「Industrial Organic Pigments」(1992年、Wiley−VHC発行)、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載のものが挙げられる。
無機顔料は、平均粒径が小さいほど発色性に優れるため、顔料分散物に適用する場合であれば、顔料分散物に含有される顔料の体積平均粒径は、0.01μm〜0.4μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.02μm〜0.3μmの範囲である。
また、顔料の最大粒径は、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。顔料の粒径は、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件の設定などにより調整することができる。
また、これらの無機顔料は顔料分散物としてインク組成物に含有させることができる。
本発明のインク組成物中の成分Cの含有量は、用いる無機顔料の諸物性、後述する顔料分散条件、及び、インクジェット用として使用する場合には、インクが搭載されるインクジェットプリンターのシステム条件に大きく依存するが、それぞれのインク組成物の全質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1.5〜20質量%であることが更に好ましく、2〜20質量%であることが特に好ましく、2〜15質量%であることが最も好ましい。
上記数値範囲内であると、保存安定性及び発色の良好なインク組成物を得ることができる。
<顔料分散剤>
本発明のインク組成物は、顔料分散剤を含むことが好ましい。
本発明における顔料分散剤は、成分Cの分散剤として作用乃至機能する高分子化合物であり、また、成分Cに対し吸着性及び/又は結合性を有することが好ましい。
また、顔料分散剤は、芳香族基を有しないことが好ましい。
顔料分散剤の重量平均分子量Mwは、2,000〜300,000の範囲であることが好ましく、3,000〜200,000がより好ましく、10,000〜100,000が更に好ましく、20,000〜100,000が特に好ましい。顔料分散剤の重量平均分子量が上記範囲であると、顔料の分散性が向上し、インク組成物の保存安定性、吐出性が良好となる。
重量平均分子量の測定方法としては、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する方法が挙げられる。具体的には、例えば、下記の条件でGPC分析を実施し、測定することができる。
1)機器装置:東ソー(株)製HLC−8220GPC
2)コラム(製造会社、コラム性質):TSK gel SuperAWM−H 3本連結
(6.0mmI.D.×15cm×3本)東ソー(株)製、親水性ビニルポリマーを基材とした微粒子ゲル
3)溶媒:N−メチルピロリドン(10mM LiBr)
4)流速:0.5mL/min
5)試料濃度:0.1質量%
6)注入量:60μL
7)温度:40℃
8)検出器:示差屈折計(RI)
顔料分散剤の主鎖骨格は、特に制限はないが、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリウレア骨格等が挙げられ、インク組成物の保存安定性の点で、ポリウレタン骨格、ポリエステル骨格が好ましい。また、顔料分散剤の構造に関しても特に制限はないが、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造、星型構造等が挙げられる。
顔料分散剤としては、ビックケミー社より市販されている湿潤分散剤DISPER BYKシリーズの101、102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、180、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2096、及び、2150、BASF社より市販されているEFKAシリーズの4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、5244、7701、7731、及び、7469、ルーブリゾール社より市販されているSOLSPERSEシリーズの3000、11200、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000SC、24000GR、26000、28000、31845、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、36000、36600、37500、38500、39000、41000、53095、54000、55000、56000、及び、71000、楠本化成(株)より市販されているDISPARLONシリーズの1210、1220、1831、1850、1860、2100、2150、2200、7004、KS−260、KS−273N、KS−860、KS−873N、PW−36、DN−900、DA−234、DA−325、DA−375、DA−550、DA−1200、DA−1401、及び、DA−7301、味の素ファインテクノ(株)より市販されているアジスパーシリーズのPB−711、PB−821、PB−822、PN−411、及び、PA−111、エアープロダクツ社より市販されているサーフィノールシリーズの104A、104C、104E、104H、104S、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、420、440、DF110D、DF110L、DF37、DF58、DF75、DF210、CT111、CT121、CT131、CT136、GA、TG、及び、TGE、日信化学工業(株)より市販されているオルフィンシリーズのSTG、及び、E1004、サンノプコ(株)製SNスパースシリーズの70、2120、及び、2190、(株)ADEKAより市販されているアデカコール及びアデカトールシリーズ、三洋化成工業(株)より市販されているサンノニックシリーズ、ナロアクティーCLシリーズ、エマルミンシリーズ、ニューポールPEシリーズ、イオネットMシリーズ、イオネットDシリーズ、イオネットSシリーズ、イオネットTシリーズ、及び、サンセパラー100が挙げられる。
顔料分散剤の、顔料分散物への添加濃度は特に限定されるものではなく、使用する分散剤の化学構造や顔料濃度を考慮して決定することが好ましい。
本発明のインク組成物中における顔料分散剤の含有量としては、分散性の観点から、インク組成物中の成分Cの総質量に対して、1〜75質量%であることが好ましく、2〜50質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることが特に好ましい。
(成分D)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及び、ケトン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂
本発明のインク組成物は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及び、ケトン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましく、耐候性の観点から、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことがより好ましく、アクリル樹脂を含有することが更に好ましい。
本発明において、上記の樹脂は重量平均分子量が500を超える。800以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることが更に好ましく、5,000以上であることが特に好ましく、10,000以上であることが最も好ましい。
上記の樹脂は、ラジカル重合性を有していない樹脂であり、ラジカル重合性のエチレン性不飽和基を有していない。なお、例えば、ラジカル重合性を有するポリウレタン樹脂は、成分Aに該当する。
上記成分Dのガラス転移温度(Tg)は、0℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることが更に好ましく、60℃以上であることが特に好ましい。また、上限は特に限定されないが、ポリマー又はオリゴマーの入手容易性の観点から、120℃以下であることが好ましい。
成分Dのガラス転移温度が上記範囲内である場合、密着性に優れたインク組成物を得ることができる。また、Tgが120℃以下であると、保護層を設けた場合には、保護層定着時にガラス転移し、保護層との密着性と耐候性の向上に有利である。
また、本発明においてガラス転移温度(Tg)は、実測によって得られる測定Tgを適用するものとする。具体的には、測定Tgは、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220を用いて通常の測定条件で測定された値を用いることができる。
ただし、ポリマーの分解等により測定が困難な場合は、下記計算式で算出される計算Tgを適用する。計算Tgは、下記の式(T)で計算する。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi) ・・・(T)
ここで、計算対象となるポリマーはi=1からnまでのn種のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook (3rd Edition) (J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用する。
<アクリル樹脂>
本発明のインク組成物は、成分Dとしてアクリル樹脂を含有することが好ましい。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリレート化合物の単独重合体であっても、共重合体であってもよいが、Tgのコントロールが容易であり、インクへの相溶性が良好であり、また、安価であるという観点から、単官能(メタ)アクリレート化合物の単独重合体又は共重合体であることが好ましく、2種以上の単官能(メタ)アクリレート化合物の共重合体であることがより好ましく、メチルメタクリレートと単官能(メタ)アクリレート化合物との共重合体であることが更に好ましい。
アクリル樹脂としては、不活性なアクリル樹脂が好ましい。本発明における、「不活性なアクリル樹脂」とは、アクリル樹脂が、更に連鎖重合反応可能な重合性の官能基をもたない、並びに、更に逐次架橋反応可能な架橋性及び/又は被架橋性の官能基をもたない重合体であることを意味する。すなわち、重合反応及び架橋反応を実質的に生じない状態のアクリル樹脂を指す。
また、アクリル樹脂の重量平均分子量は5,000〜300,000が好ましく、10,000〜250,000がより好ましく、15,000〜200,000が更に好ましく、20,000〜150,000が特に好ましい。15,000〜75,000が更に好ましく、20,000〜50,000が特に好ましい。
アクリル樹脂の分子量が上記範囲であると、硬化性、吐出性、及び密着性に優れ、また耐光性のよいインク組成物が得られる。
アクリル樹脂を合成する(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、2−α−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−β−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、1−フェナントリル(メタ)アクリレート、2−フェナントリル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フリル(メタ)アクリレート、2−フルフリル(メタ)アクリレート、2−チエニル(メタ)アクリレート、2−テニル(メタ)アクリレート、1−ピロリル(メタ)アクリレート、2−ピリジル(メタ)アクリレート、2−キノリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリル樹脂は、メタクリレート化合物の単独重合体又は共重合体であることが好ましい。
また、アクリル樹脂は、Tgのコントロールが容易であること、インクへの相溶性が良好であること、また、安価であるという観点から、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、及び、t−ブチルメタクリレートよりなる群から選ばれた2種以上のメタクリル化合物の共重合体であることが好ましく、メチルメタクリレートと、n−ブチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、及び、n−ラウリルメタクリレートよりなる群から選ばれたメタクリレート化合物との共重合体であることがより好ましく、メチルメタクリレートとn−ブチルメタクリレートとの共重合体であることが更に好ましい。
本発明に用いることができるアクリル樹脂としては、特に制限はないが、例えば、Dianal MB−2588、Dianal BR−101、Dianal BR−113(以上、三菱レイヨン(株)製)、等が挙げられる。
<ポリエステル樹脂>
本発明のインク組成物は、成分Dとしてポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は1,000を超え100,000以下が好ましく、1,000を超え50,000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂は、ポリオール成分と、多塩基酸成分との縮合反応(エステル化反応)により得られ、この反応は常圧下、減圧下のいずれで行ってもよい。また、得られたポリエステル樹脂の末端を更に変性してもよい。
ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂を好ましく使用することができる。すなわち、主鎖及び側鎖の内部及び末端にエチレン性不飽和結合を有していないポリエステル樹脂が好ましい。
このようなポリエステル樹脂としては、東洋紡(株)製のバイロンGK810(Mn=6,000、Tg=46℃)、バイロンGK780(Mn=11,000、Tg=36℃)、バイロンGK890(Mn=11,000、Tg=17℃)、バイロンGK590(Mn=7,000、Tg=15℃)、バイロンGK680(Mn=6,000、Tg=10℃)、バイロンGK180(Mn=10,000、Tg=0℃);荒川化学工業(株)製のアラキード7036(Mn=14,000、Tg=23℃)、アラキード7005(Mn=23,000、Tg=36℃)、アラキード7018(Mn=18,000、Tg=50℃);デグサ・エボニック社製のダイナポールL411(Mn=16,000、Tg=47℃)、ダイナポールL860(Mn=14,000、Tg=38℃)、ダイナポールL912(Mn=15,000、Tg=105℃)等が挙げられる。
<エポキシ樹脂>
本発明のインク組成物は、成分Dとしてエポキシ樹脂を含有してもよい。
エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有する樹脂の総称であり、エポキシ基の一部が変性されていてもよい。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は800を超え10,000以下が好ましく、850〜10,000がより好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用してもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとから合成され、例えば、エピコート828、エピコート1001及びエピコート1002(いずれもデグサ・エボニック社製)、エピトートYD−011、エピトートYD−012、エピトートYD−013、エピトートYD−901、エピトートYD−8125(新日鐵住金(株)製)、jER828、jER834、jER1001、jER1004、jER1007(三菱化学(株)製)、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン3050、エピクロン4050、エピクロン7050、HM−091(DICコーポレーション製)、NER−1202、NER−1302(日本化薬(株)製)、DER331、DER661、DER664、DER667(ダウ・ケミカル日本(株)製)を挙げることができる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコート807(デグサ・エボニック社製)等を挙げることができ、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としてはEBPS−200(日本化薬(株)製)及びエピクロンEXA−1514(大日本インキ化学工業(株)製)等を挙げることができる。また、ビフェノール型エポキシ樹脂としてはjER YL−6121(三菱化学(株)製)等を挙げることができ、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてはST−2004及びST−2007(いずれも東都化成(株)製)等を挙げることができる。
<ケトン樹脂>
本発明において、成分Dとしてケトン樹脂を含有してもよい。
ケトン樹脂とは、ケトン類とアルデヒド類との縮合反応によって得られる樹脂である。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、t−ブチルメチルケトンなどの非環式ケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどの飽和脂環式ケトン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、メチルナフチルケトン、ベンゾフェノン、プロピオフェノンなどの芳香族ケトン等が用いられる。
また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクリルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられ、また、ケトン樹脂の水素添加物等も好適に用いられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドを用いることが好ましい。
ケトン樹脂としては、ケトンレジンK−90(荒川化学工業(株)製)、10H、同111、同222(以上、日立化成工業(株)製)、ハロン80、同110H(本州化学(株)製)、ラロパールA81、同101、同K80(以上、BASFジャパン(株)製)TEGO VARIPLUS AP、同CK(以上、デグサ社製)などが挙げられる。
また、上記ケトン樹脂は、水酸基を有していてもよく、水酸基を有するケトン樹脂の具体例としては、デグサ社製のケトン樹脂(TEGO VARIPLUS SK等が挙げられる。
本発明において、各インク組成物は、成分Dを1種単独で含有してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物における成分Dの含有量としては、インク組成物の全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましく、1〜4質量%であることが特に好ましい。
成分Dの含有量が上記範囲であると、硬化性、吐出性及び密着性に優れたインク組成物が得られる。
(成分E)重合禁止剤
本発明において、各インク組成物は(成分E)重合禁止剤を含有することが好ましい。少なくともマゼンタインク組成物及びグリーンインク組成物が成分Eを含有することが好ましい。
グリーンインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWg質量%、マゼンタインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWm質量%としたとき、下記式(1)を満たすことが好ましい。
7.5>Wm/Wg>1 (1)
マゼンタインク組成物は、特に経時安定性が低く、成分Eの含有率を多くすることが好ましい。一方、含有量を多くし過ぎると、耐候性に劣る場合がある。従って、Wm/Wgが7.5未満であると、耐候性に優れ、Wm/Wgが1より大きいと、経時安定性に優れる。
上記Wm/Wgは、1.1以上5以下であることがより好ましく、1.1以上4以下であることが更に好ましく、1.2以上3以下であることが特に好ましい。
Wmは、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく、0.2〜1.5質量%であることが更に好ましい。
また、Wgは、0.01〜3質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.15〜1質量%であることが更に好ましい。
Wm及びWgが上記範囲内であると、経時安定性に優れると共に、耐候性に優れるので好ましい。
本発明において、イエローインク組成物は、成分Eを含有していてもよく、含有していなくてもよいが、成分Eを含有することが好ましい。イエローインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWy質量%としたとき、下記式(2)を満たすことが好ましい。
Wy≧Wm>Wg (3)
本発明において、Wyは、0.05〜6質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましく、0.2〜2.0質量%であることが更に好ましい。
また、シアンインク組成物は、成分Eを含有していてもよく、含有していなくてもよいが、成分Eを含有することが好ましい。シアンインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWcとしたとき、Wcは0.01〜3質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.15〜1質量%であることが更に好ましい。
重合禁止剤としては、従来公知のニトロソ系重合禁止剤(例えば、クペロンAl)や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、TEMPOL(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、重合禁止剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸塩、ニトロソ系重合禁止剤、置換又は無置換の2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル化合物が好ましく、ジメチルジチオカルバミン酸 銅、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン アルミニウム塩(クペロンAl)、TEMPO、TEMPOLがより好ましい。
重合禁止剤としては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、FLORSTAB UV1、FLORSTAB UV−12(クペロンAl)(以上、Kromachem社製)、4H−TEMPO(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、TEMPO(以上、エボニック社製)が例示される。
以下、成分A〜成分E以外に、本発明のインク組成物が含有しうる各種成分について説明する。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物は、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。また、上記界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(例えば、有機フルオロ化合物等)やシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン化合物等)を用いてもよい。上記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。上記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物としては、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物であることが好ましい。変性の例として、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの変性の方法は組み合わせて用いることができる。また、中でもポリエーテル変性ポリシロキサン化合物がインクジェットにおける吐出安定性改良の観点で好ましい。
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の例としては、例えば、SILWET L−7604、SILWET L−7607N、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2161(日本ユニカー(株)製)、BYK306、BYK307、BYK331、BYK333、BYK347、BYK348等(BYK Chemie社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(信越化学工業(株)製)、Tegorad−2100,2200、2250、2500、2700(テゴケミー社製)が挙げられる。
これらの中でも、界面活性剤としてはシリコーン系界面活性剤が好ましく挙げられる。
本発明のインク組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0〜2質量%であることが好ましく、0.0001〜1質量%であることが好ましい。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、建材との密着性を改良するため、顔料などの諸成分の分散媒として溶剤を添加してもよいが、無溶剤であることが好ましい。上記態様であると、耐溶剤性に優れ、VOC(Volatile Organic Compound)の問題を防ぐことができる。
使用する溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、トリプロリレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、γ―ブチロラクトンのような環状エステル系溶剤、2−メチルピロリドン、2−ピロリドンのようなアミド系溶剤などが挙げられる。
溶剤を添加する場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、水を含む溶剤の量はインク組成物の全質量に対し、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが更に好ましい。なお、溶剤を含有しないとは、空気中の湿気等により、微量の水分を含有することを排除するものではなく、水を含む溶剤を意図的に添加していないことを意味する。
<各成分の組成比>
インク組成物の全質量に対して、成分Aの含有量は30〜90質量%であることが好ましく、成分Bの含有量は1〜20質量%であることが好ましく、成分Cの含有量は0.01〜30質量%であることが好ましく、成分Dの含有量は0.1〜10質量%であることが好ましく、顔料分散剤の含有量は0〜20質量%であることが好ましく、重合禁止剤の含有量は0〜5質量%であることが好ましく、界面活性剤の含有量は0〜1質量%であることが好ましく、溶剤の含有量は0〜5質量%であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明のインク組成物は、必要に応じて、上記各成分以外に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、導電性塩類、高分子化合物、塩基性化合物等を含む。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
<インク物性>
本発明においては、インク組成物をインクジェット記録用に使用する場合には、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な建築材料を用いた場合でも、建築材料中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
上記インク組成物の粘度は、東機産業(株)製TVE−22LTにて測定される。
<建築材料用インクセットを構成するその他のインク組成物>
本発明の建築材料用インクセットは、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物及びグリーンインク組成物の4色のインク組成物を含有し、これらに加え、他の色のインク組成物を含有していてもよい。本発明の建築材料用インクセットは、上記の4色のインク組成物にブラックインク組成物を加えた5色のインクセットとしてもよく、ブラックインク組成物及びホワイトインク組成物を加えた6色のインクセットとしてもよい。
また、色調再現性の向上のため、更に中間色であるライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック等を含むインクセットとしてもよい。また、本発明のインクセットは、無色のクリアインクや、色調再現性の向上のため、特色インクであるオレンジインク、バイオレットインク等のインクを更に含んでもよい。
以下の他の色のインク組成物について説明する。
本発明において、各色のインク組成物は、耐候性を向上させるために、顔料として無機顔料を含有することが好ましく、他の色のインク組成物も同様に、無機顔料を含有することが好ましい。なお、クリアインク組成物の場合には、この限りではない。
ブラックインク組成物は、黒色無機顔料として、ピグメントブラック7を含有することが好ましい。
ピグメントブラック7は、カーボンブラックからなるブラック無機顔料である。本発明に用いることができるピグメントブラック7は、特に制限はないが、下記の市販の顔料を好ましく用いることができる。
LuconylNG 0060、0061、0066、Microlith Black 0066(以上、BASF社製)等が挙げられる。
ホワイトインク組成物が含有する白色無機顔料としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが例示される。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。従って、白色無機顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色無機顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
<建築材料>
本発明において、建築材料(以下、建材ともいう。)の具体例としては、床材(例えば、無垢板、合板などの板材;天然石、ガラス、陶器、ステンレス、メタルなどのタイル;コルク床;リノリウム、ビニルなどのシート床;石材、ブロック、レンガなどの舗装材)、壁材(例えば、複合金属サイディング、窯業系サイディング、木製サイディングなどのサイディング;外装木材、シート建材、外装膜材、外壁仕上げ材、外装仕上げ材などの外装材;内装仕上げ材、意匠材、化粧板、木製内装材などの内装材;目隠しルーバー、スクリーン、装飾ルーバーなどの外装ルーバー;フェンス材、ブロックなどの外構壁面;壁紙、障子、襖)、屋根材(粘土瓦、金属瓦、アルミニウム、アスファルトシングル、銅板など)、天井材などが挙げられる。
これらの中でも、耐候性を要求される建材が好ましく、壁材がより好ましく、JIS A 6711又はJIS A 5422に準拠した複合金属サイディング又は窯業系サイディングが好ましい。
また、本発明で用いる複合金属サイディング及び窯業系サイディングは、エンボス加工、絞り成形加工などによりタイル調、レンガ調、木目調などの凹凸が施されていてもよく、プレコート加工等によりあらかじめ下地塗装がなされていてもよい。
(画像形成方法及び加飾建築材料)
本発明の画像形成方法は、本発明のインク組成物を建築材料上に付与し、付与されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
本発明の画像形成方法は、(a)本発明の建築材料用インクジェットインクセットに含まれるインク組成物を建築材料上に付与するインク付与工程、及び、(b)付与されたインク組成物に活性放射線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程、を含むことが好ましい。
以下、(a)工程を単に「インク付与工程」ともいい、(b)工程を単に「硬化工程」ともいう。
本発明の画像形成方法は、上記インク付与工程及び上記硬化工程を含むことにより、硬化したインク組成物により建築材料上に画像が形成される。なお、インク付与工程において、本発明の建築材料用インクセットを構成するシアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、及び、グリーンインク組成物のそれぞれが、建築材料上に付与されることが好ましい。
また、本発明の別の好ましい態様は、本発明の画像形成方法により得られた加飾建築材料である。別の好ましい態様は、建築材料上に、画像層と、後述する表面保護層とをこの順で有する加飾建築材料であり、更に別の好ましい態様は、建築材料上に、後述するプライマー層と、画像層と、後述する表面保護層とをこの順で有する加飾建築材料である。
<インク付与工程>
本発明の画像形成方法におけるインク付与工程では、インクが所望の画像を形成するように付与されればよく、公知のインク付与方法から適宜選択することができる。
例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット方式等が例示される。これらの中でも、インクジェット方式により付与されることが好ましい。インクジェット方式は、高画質な画像を、安価な装置で得ることができ、また、小ロットの生産にも対応可能であるので好ましい。
本発明の画像形成方法におけるインク付与工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置を好ましく用いることができる。
〔インクジェット記録装置〕
本発明に使用できるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明の画像形成方法のインク付与工程における建築材料上へのインクの付与工程及び硬化工程を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いる場合、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が40mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
<硬化工程>
次に、硬化工程について説明する。
建築材料上に付与された本発明のインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれるラジカル重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と相互作用することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用されうる。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、320〜420nmであることが更に好ましく、活性放射線が、ピーク波長が340〜400nmの範囲の紫外線であることが特に好ましい。
また、本発明のインク組成物の、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。従って、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
紫外線光硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出しうるLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの建材上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射される。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、建材に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な建材に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の画像形成方法に適用することができる。
また、ライン方式(シングルパス方式)によって硬化を完了させてもよい。シングルパス方式とは、基材の全域をカバーするフルラインヘッドを用いて、上記フルラインヘッドと基材とを相対的に一回だけ移動させる動作で、基材の全面に画像を形成する方法である。
上述したような方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な建材に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の高い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の高いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。
本発明において、上記の4色のインク組成物(シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、及び、グリーンインク組成物)を使用する場合には、イエロー→グリーン→シアン→マゼンタの順で建築材料上に付与することが好ましい。また、これにブラックを加えた5色のインク組成物を使用する場合には、イエロー→グリーン→シアン→マゼンタ→ブラックの順で建築材料上に付与することが好ましい。更に、これにホワイトを加えて6色のインク組成物を使用する場合には、ホワイト→イエロー→グリーン→シアン→マゼンタ→ブラックの順で建築材料上に付与することが好ましい。
また、これに、ライトシアン、ライトマゼンタを加えて8色のインク組成物を使用する場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→グリーン→シアン→マゼンタ→ブラックの順で建築材料上に付与することが好ましい。
また、照射は、全色を吐出してからまとめて露光することができるが、1色毎に露光する方が、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化させることにより、建築材料の表面に所望の画像を形成した、加飾建築材料を得ることができる。
また、本発明において、建築材料上に形成した本発明のインク組成物の硬化層を「画像層」ともいう。
<前処理工程>
本発明の画像形成記録方法は、インク付与工程の前に、あらかじめ建築材料の印刷面上にプライマー層(下塗り層)を形成する前処理工程を含んでもよい。ここで、「印刷面」とは、建築材料の有する面のうち、本発明のインクセットを構成するインク組成物が付与される面を意味する。
プライマー層を設けることにより、建築材料の表面が平坦化され、インク組成物の建築材料への浸透が抑えられ、建築材料への画像層の密着性が改良される。建築材料の出荷前に前処理工程を施してもよい。
前処理工程において、プライマー層を形成するプライマー材を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、バーコーター塗布法、回転塗布法、スプレー塗布法、カーテン塗布法、ディップ塗布法、エアーナイフ塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法等を挙げられる。これらの中でも、プライマー層はインクジェット法により形成されることが好ましい。
また、プライマー層の形成量や厚さは、特に制限はないが、プライマー層は、0.01〜100g/m2で形成されることが好ましく、0.1〜20g/m2で形成されることがより好ましい。また、プライマー層の厚さは、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましい。
プライマー材としては、特に制限なく公知のプライマー材を使用することができるが、熱又は活性光線により硬化可能なプライマー材を使用することが好ましい。プライマー材の基体樹脂成分として、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等種々の樹脂が使用でき、必要に応じてポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物などの架橋剤も使用できる。これらは熱硬化型であってもよいし、活性光線によって硬化するものでもよい。また、インク付与工程を行う前に、熱又は活性光線により、プライマー材を硬化しておくことが好ましい。
<後処理工程>
本発明の画像形成方法は、硬化工程の後に、硬化したインク組成物上に表面保護層を形成する後処理工程を含むことが好ましい。
表面保護層を設けることにより、硬化したインク組成物が傷や汚れから保護され、耐候性が改良される。
後処理工程において、表面保護層を形成するトップコート(表面保護)材を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、インクジェット法(インクジェット方式)、スクリーン印刷法、バーコーター塗布法、回転塗布法、スプレー塗布法(スプレー方式)、カーテン塗布法、ディップ塗布法、エアーナイフ塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法等を挙げられる。これらの中でも、表面保護層がインクジェット方式又はスプレー方式により形成されることが好ましく、インクジェット方式により形成されることがより好ましい。
また、表面保護層の形成量や厚さは、特に制限はないが、表面保護層は、0.01〜100g/m2で形成されることが好ましく、0.1〜20g/m2で形成されることがより好ましい。また、表面保護層の厚さは、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましい。
トップコート材としては、特に制限なく公知のトップコート材を使用することができるが、各種クリヤー塗料、コーティング剤、ワニス等を使用することが好ましい。また、耐候性のよいトップコート材を使用することが好ましい。
トップコート材の基体樹脂成分として、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等種々の樹脂が使用でき、必要に応じてポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物などの架橋剤も使用できる。これらは熱硬化型であってもよいし、活性光線によって硬化するものでもよい。
これらの中でも、表面保護層が水性エマルション塗料にて形成されることが好ましい。すなわち、トップコート剤として、水性エマルション塗料を使用することが好ましい。ここで、水性エマルションとは、樹脂が水又は親水性溶剤に乳濁したエマルションである。
上記水性エマルション塗料における水性エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂系エマルション、アクリルシリコン樹脂系エマルション、フッ素樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション等を挙げることができる。
上記アクリル樹脂系エマルションとしては、例えば、アクリル系単量体と、アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体とをラジカル共重合により得られるもの等を挙げることができる。
上記アクリル系単量体としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブロビル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド含有(メタ)アクリル系単量体;アクリロニトリル等のニトリル基含有(メタ)アクリル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体等を挙げることができる。なお、本明細書における(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。
上記アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル単量体;マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸含有ビニル単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン等の塩素含有単量体;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル等の水酸基含有アルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテルジエチレングリコールモノアリルエーテル等のアルキレングリコールモノアリルエーテル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル等を挙げることができる。上記アクリル樹脂系エマルションは、耐光性、光沢の高さ、コスト面、樹脂設計の自由度の高さ等の点で有利である。
上記アクリルシリコン樹脂系エマルションとしては、例えば、珪素含有アクリル系単量体と、珪素含有アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体とをラジカル共重合により得られるもの等を挙げることができる。
上記珪素含有アクリル系単量体としては特に限定されず、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の加水分解性シリル基含有ビニル系単量体等を挙げることができる。
上記珪素含有アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、上述のアクリル樹脂系エマルションで使用されるアクリル系単量体やアクリル系単量体と共重合可能な他の単量体等を特に限定されず使用できる。上記アクリルシリコン樹脂系エマルションは、耐候性、耐黄変性等の点で有利である。
上記フッ素樹脂系エマルションとしては、例えば、フッ素含有単量体と、フッ素含有単量体と共重合可能な他の単量体とをラジカル共重合により得られるもの等を挙げることができる。
上記フッ素含有単量体としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフルオロオレフィン;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロへキシル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記フッ素含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、上述のアクリル樹脂系エマルションで使用されるアクリル系単量体やアクリル系単量体と共重合可能な他の単量体等を特に限定されず使用できる。上記フッ素樹脂系エマルションを用いた場合は、耐候性、耐黄変性等が有利である。
上記ウレタン樹脂系エマルションとは、塗膜形成後の塗膜中にウレタン結合を持つようになるエマルションを総称する。すなわち、塗膜形成前からウレタン結合を有するものでもよいし、塗膜形成後の反応によりウレタン架橋を形成するものでもよい。エマルションの形態としては、1液型でもよいし2液型であってもよい。
上記1液型としては、ウレタン結合を有する重合性単量体を他の共重合可能な単量体と共重合する方法、ウレタン結合を有する水性樹脂の存在下に重合性不飽和単量体を重合する方法、反応基を有する水性ウレタン樹脂と、上記反応基と反応することのできる基を含むエマルションとを混合する方法等を挙げることができる。上記2液型としては、水分敵性イソシアネートと水酸基含有エマルションとの組み合わせ等を挙げることができる。上記ウレタン樹脂系エマルションを用いた場合は、耐光性、耐久性等が有利である。
上記水性エマルションとしては、例えば、上述した水酸基とイソシアネート化合物とによる架橋反応以外に、カルボニル基とヒドラジド基、カルボン酸と金属イオン、エポキシ基とアミン、エポキシ基とカルボキシル基、カルボン酸とアジリジン、カルボン酸とカルボジイミド、カルボン酸とオキサゾリン、アセトアセテートとケチミン等を利用した架橋反応を形成するエマルション(架橋反応型エマルション)を使用することも可能である。上記架橋反応型エマルションは、1液タイプであっても、2成分以上の多成分タイプであってもよい。上記架橋反応型エマルションは、耐久性の点で有利である。
上記水性エマルション塗料には、必要に応じて、親水化処理用表面改質剤、硬化触媒、造膜助剤等を配合してもよい。また、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を単独又は併用して配合することができる。
表面保護層は、透明であることが好ましく、顔料及び染料等の着色剤の含有量がトップコート材の固形分総量(固形分とは、溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。)の3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。また、顔料及び染料等の着色剤を含有しないことが最も好ましい。
また、表面保護層は、耐候性の観点から、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ホルムアミジン系、シアノアクリレート系、サリシレート系、蓚酸アニリド系などの化合物を挙げることができ、光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、表面保護層は、耐候性の観点から、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系、などの化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
実施例及び比較例で使用したインク組成物の素材は、下記に示す通りである。
(顔料)
・Xfast Green ED7995(緑色無機顔料、C.I.ピグメントグリーン17、BASF社製)
・Green 2500(緑色無機顔料、C.I.ピグメントグリーン26、アサヒ化成工業(株)製)
・Sicopal Green K 9710(緑色無機顔料、C.I.ピグメントグリーン50、BASF社製)
・Heliogen Green L 8735(緑色有機顔料、C.I.ピグメントグリーン7、BASF社製)
・Sicopal Blue K 6310(シアン無機顔料、C.I.ピグメントブルー28、BASF社製)
・Sicopal Red L 2818(マゼンタ無機顔料、C.I.ピグメントレッド101、BASF社製)
・Sicotrans Yellow L 1915(イエロー無機顔料、C.I.ピグメントイエロー42、BASF社製)
・Heliogen Blue D 7110F(シアン有機顔料、C.I.ピグメントブルー15:4、BASF社製)
・Cinquasia Red L 4100 HD(マゼンタ有機顔料、C.I.ピグメントバイオレット19、BASF社製)
・Cromophtal YELLOW D1085(イエロー有機顔料、C.I.ピグメントイエロー150、BASF社製)
(顔料分散剤)
・SOLSPERSE 32000(芳香族基を含有しない顔料分散剤、日本ルーブリゾール(株)製)
(重合性化合物)
・PEA(2−フェノキシエチルアクリレート、商品名:SR339A、サートマー・ジャパン(株)製)
・NVC(N−ビニルカプロラクタム、BASFジャパン(株)製)
・CTFA(サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート、商品名:SR531、サートマー・ジャパン(株)製)
・HDDA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、商品名:SR238、サートマー・ジャパン(株)製)
(ラジカル重合開始剤)
・SPEEDCURE BP(光重合開始剤、ベンゾフェノン、Lambson社製)
・Lucirin TPO(光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)
・SPEEDCURE ITX(光重合開始剤、イソプロピルチオキサントン、Lambson社製)
・SPEEDCURE EDB(アミン共開始剤(重合促進剤)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、Lambson社製)
(樹脂)
・Dianal BR−113(アクリル樹脂、Tg=78℃、Mw=30,000、三菱レイヨン(株)製)
・ダイナポール L411(ポリエステル樹脂、Mn=16,000、Tg=47℃、エボニック・デグサ社製)
・エピコート1002(エポキシ樹脂、軟化点(環球法)=64℃、分子量=約1,200、三菱化学(株)製)
・ラロパールK80(ケトン樹脂、軟化点(DIN 53180)=75〜85℃、Mw=660)
(重合禁止剤)
・FLORSTAB UV12(重合禁止剤、有効成分20質量%、Kromachem社製)
・FLORSTAB UV1(重合禁止剤、有効成分20質量%、Kromachem社製)
・OH TEMPO(重合禁止剤、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、エボニック社製)
なお、以下の記載において、FLORSTAB UV12及びFLORSTAB UV1の添加量は、有効成分の添加量として記載している。
(その他)
・BYK307(シリコーン界面活性剤、ビックケミー・ジャパン(株)製)
(ミルベースの調製)
シアン、マゼンタ、イエロー、グリーンの各ミルベースを表1の組成にて混合し、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて10分撹拌した。その後、ビーズミル分散機DISPERMAT LS(VMA社製)に入れ、直径0.65mmのYTZボール((株)ニッカトー製)を用い、2,500回転/分で10時間分散を行った。なお、表1中、各数値は添加した各成分の質量部を表し、「−」は当該成分を添加していないことを意味する。
Figure 0006266431
(実施例1)
<インク組成物の調製>
下記の成分を、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて15分撹拌した。その後、日本ポール(株)製カートリッジフィルター(製品名:プロファイルII AB01A01014J)を用いてろ過し、グリーンインクG1を得た。
東機産業(株)製TVE−22LTを用いて測定した25℃における粘度は22.5mPa・s、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定した25℃における表面張力は22.6mN/mであった。
−グリーンインクG1−
グリーンミルベース(無機G1) 25.0質量部
NVC 20.0質量部
PEA 合計100質量部となる量
CTFA 7.68質量部
HDDA 16.5質量部
SPEEDCURE BP 1.2質量部
Lucirin TPO 5.3質量部
SPEEDCURE ITX 1.5質量部
SPEEDCURE EDB 1.5質量部
FLORSTAB UV1 0.02質量部(有効成分量)
Dianal BR113 1.2質量部
(試験用建築板)
作製したグリーンインクG1を富士フイルム(株)製UVインクジェットプリンターLuxelJet UV550GTWに装填し、プロダクションモード、ランプ7の条件で、JIS A 5422「窯業系サイディング」の「3.種類」に記載されている「現場塗装用サイディングS」に準拠した基材上にA2サイズの単色ベタ画像(10g/m2)を印刷した。
その上に、水性のアクリルシリコン樹脂塗料(製品名「ビュートップシリコンクリヤー」、菊水化学工業(株)製)をウェット塗布量で250g/m2となるようにスプレー塗布し、乾燥させた。
(評価)
<耐候性評価>
作製した印刷物を、アトラス社製ウェザオメータCi4000を用い、ISO 4892−2に準拠して促進耐候性試験を行った。単色ベタ画像について、初期のサンプルと2,000時間経過後のサンプルとのCIELAB値(L*、a*、b*)を、コニカミノルタオプティクス(株)製分光測色計CM−2600dを用いて、光源D65、視野角2°、SCE(正反射光除去)の条件で測定し、色差ΔEを求めた。概ねΔEが3.0以下であれば人の目に色の変化は認識されない。
<硬化性評価>
硬化性は、100%濃度部の触感による印刷物表面のべたつきと、印刷物にコート紙(王子製紙(株)製、OKトップコート+)を重ねて1日放置した後の画像部の転写の有無を下記基準で評価した。評価が3〜5であれば、実用上の問題は生じない。
5:印刷物表面にべたつきはなく、転写もなかった。
4:印刷物表面が僅かにべたついているが、転写はなかった。
3:印刷物表面に僅かにべたついており、僅かに転写も生じた。
2:印刷物表面がべたついており、転写を生じた。
1:印刷物表面が非常にべたついており、酷い転写を生じた。
<保存安定性評価>
得られたインク組成物をガラス製バイアル瓶に入れ、60℃、4週間保管後の粘度の上昇率を評価した。上昇率が小さいものほど保存安定性は良好であり、概ね20%以下であれば実用上の問題を生じない。
上昇率(%)=(保管後の粘度−保管前の粘度)/保管前の粘度×100
上記のグリーンインクG1と同様にして、表2の組成にて各インク組成物を調製した。なお、表2中、各数値は添加した各成分の質量部を表し、「−」は当該成分を添加していないことを意味する。
Figure 0006266431
(インクセットを用いた評価)
<評価画像の形成>
上記で作製したインクを富士フイルム(株)製UVインクジェットプリンターLuxelJet UV550GTWのヘッドに装填し、プロダクションモード、ランプ7の条件で画像1(ISO12642出力ターゲット)を出力した。基材はJIS A 5422「窯業系サイディング」の「3.種類」に記載されている「現場塗装用サイディングS」に準拠した基材を使用した。
その上に、水性のアクリルシリコン樹脂塗料(製品名「ビュートップシリコンクリヤー」、菊水化学工業(株)製)をウェット塗布量で250g/m2となるようにスプレー塗布し、乾燥させた。
<耐候性評価>
画像1から赤・黄・青・緑のセルを2つずつ計8つのセルを選び、上記と同様にして、初期のサンプルと2,000時間経過後のサンプルとの色差ΔEを算出し、これらの中で最大値を示すセルを選んだ。概ねΔEが3.0以下であれば人の目に色の変化は認識されない。
<色再現性試験>
画像1の各パッチのCIELAB値(L*、a*、b*)を測色計で選定し、色立体を計算した。次に、L=75における色立体の断面図を用い、色相角100−120度の範囲における彩度を測色計で5点測定し、平均値を計算した。色再現域の評価基準の点数は、以下の表に示す。点数が大きい方が好ましく、5〜3点が実用上好ましい範囲である。
Figure 0006266431
Figure 0006266431

Claims (14)

  1. シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、及び、グリーンインク組成物を含み、
    インク組成物がそれぞれ、(成分A)ラジカル重合性化合物と、(成分B)ラジカル重合開始剤と、(成分C)着色剤として無機顔料と、(成分D)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及び、ケトン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有し、
    マゼンタインク組成物が着色剤としてピグメントレッド101を含有することを特徴とする
    建築材料用インクセット。
  2. グリーンインク組成物及びマゼンタインク組成物が、更に(成分E)重合禁止剤を含有する、請求項1に記載の建築材料用インクセット。
  3. グリーンインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWg質量%、マゼンタインク組成物全質量に対する成分Eの含有率をWm質量%としたとき、下記式(1)を満たす、請求項2に記載の建築材料用インクセット。
    7.5>Wm/Wg>1 (1)
  4. グリーンインク組成物が、成分Cとしてピグメントグリーン17、18、19、26及び50よりなる群から選択される緑色無機顔料を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築材料用インクセット。
  5. 成分Dがアクリル樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築材料用インクセット。
  6. 成分Aとして、N−ビニルカプロラクタムを各インク組成物の全質量に対し5〜50質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の建築材料用インクセット。
  7. インクジェット記録用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の建築材料用インクセット。
  8. (a)請求項1〜7のいずれか1項に記載の建築材料用インクジェットインクセットに含まれるインク組成物を建築材料上に付与するインク付与工程、及び、
    (b)付与されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する硬化工程、を含むことを特徴とする
    画像形成方法。
  9. 工程bの後に、(c)表面保護層を形成する工程を更に含む、請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 表面保護層が、水性エマルション塗料で形成される、請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 表面保護層がインクジェット方式又はスプレー方式により形成される、請求項9又は10に記載の画像形成方法。
  12. 建築材料へのインク組成物の付与がインクジェット方式により行われる、請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  13. 建築材料が、複合金属サイディング又は窯業系サイディングである、請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法により得られたことを特徴とする
    加飾建築材料。
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