JP2019119724A - 美白用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酵素処理、加熱処理又は加水分解処理のうち1又は2以上の処理を経て得られたプラセンタ抽出物を用いて、チロシナーゼ活性阻害剤のチロシナーゼ活性阻害作用が高められた美白用組成物を提供する。【解決手段】 例えば、パイナップルの果芯部を乳酸菌で培養して得られる培養物のようなチロシナーゼ活性阻害剤と、酵素処理、加熱処理又は加水分解処理のうち1又は2以上の処理を経て得られたプラセンタ抽出物及びその他必要な製剤用基材成分等を用いて、美白用組成物とする。【選択図】図5

Description

本発明は美白用組成物に関する。
胎盤の抽出物(プラセンタ抽出物)は、種々の作用効果を有することから多くの化粧用組成物や食品組成物、医薬品等に用いられている。例えば、特許文献1(特開2002−179523号公報)や特許文献2(特開2002−187812号公報)にはブタやウマの胎盤抽出物がチロシナーゼ活性阻害作用や肌荒れ改善作用を有するので、化粧用組成物として好適に使用し得ることが記載されている。
その一方で、例えば特許文献3(特開2016−44141号公報)には、プラセンタ抽出物にはチロシナーゼ活性阻害作用がほとんどないか、あるいは極めて活性が弱いものがあるが、遊離チロシン含有量を所定量以下とすると、高いチロシナーゼ活性阻害作用が得られることが記載されている。
ところで、特許文献4(特開2006−8566号公報)には、パイナップル果汁などのある種の果汁の乳酸菌発酵物にもチロシナーゼ活性阻害作用が認められることが記載されている。しかしながら、果実から果汁を搾り取った後には、果汁の絞り滓を始め、果皮やパイナップルの果芯部などの各種の廃棄物が得られるために、これらの廃棄物を有効に利用することが重要な課題となっている。
これらの廃棄物の利用法として、例えば、特許文献5(特開2016−044129号公報)には、パイナップルの果芯をセルラーゼ処理することで保湿作用のある果芯処理物が得られることが記載されている。
しかしながら、パイナップル果芯のようなパイナップルの非可食部の乳酸菌培養物について、チロシナーゼ活性阻害作用などの機能性が見いだされたとの報告は見当たらない。
特開2002−179523号公報 特開2002−187812号公報 特開2016−44141号公報 特特開2006−8566号公報 特開2016−044129号公報
本願発明者らは、上記背景技術に鑑みて鋭意研究を行ったところ、パイナップルの果芯の乳酸菌による培養物にチロシナーゼに対する阻害活性を見いだした。
また、本願発明者らが試験したところ、遊離チロシン含有量が低いプラセンタ抽出物であっても、チロシナーゼ活性阻害作用がほとんどないか、あるいは極めて活性が弱いことが確認された。しかしながら、チロシナーゼ活性阻害作用がほとんどないか、あるいは極めて活性が弱いプラセンタ抽出物であっても、パイナップル果芯の乳酸菌培養物を組み合わせたところ、より強いチロシナーゼ活性阻害作用を見いだせた。
すなわち、本願発明が解決しようとする課題はチロシナーゼ活性阻害作用に基づく新規な美白用組成物を提供することにある。
本願の主たる発明は、酵素処理、加熱処理又は加水分解処理のうち何れか1又は2以上の処理を経て得られたプラセンタ抽出物を用いて、組成物中に含まれるチロシナーゼ活性阻害剤のチロシナーゼ阻害活性よりも阻害活性が高められた美白用組成物を提供する。
本願の主たる発明によると、チロシナーゼ活性阻害作用がほとんどないと言えるプラセンタ抽出物であっても、他のチロシナーゼ活性阻害剤と組み合わせることで、より効果の強い美白用組成物が提供される。
パイナップル果芯の乳酸菌培養物Aのチロシナーゼ阻害活性を示す図である。 パイナップル果芯の乳酸菌培養物Aと、パイナップル果汁の乳酸菌培養物の比較を示す図である。 プラセンタエキスAのチロシナーゼ阻害活性を示す図である。 パイナップル果芯の乳酸菌培養物とプラセンタエキスを併用した場合のチロシナーゼ阻害活性を示す図である。 パイナップル果芯の乳酸菌培養物とプラセンタエキスを併用した場合のチロシナーゼ阻害活性を示す図である。
本願発明に係る美白用組成物はチロシナーゼ阻害活性剤とプラセンタエキスを含む。用いられ得るチロシナーゼ阻害活性剤は、特に限定されることはなく、チロシナーゼ阻害活性を有する化合物、各種の動植物・微生物の抽出物やそれらの培養物、それらの加水分解物などであり得る。チロシナーゼ阻害活性を有する化合物としては、アルブチンやコウジ酸、グルタチオン、エラグ酸などが、動植物・微生物の抽出物としては、藤茶抽出物(特開2002−370962号公報)やタイム・レモンバームの抽出物(特開平06−199647号公報)が、動植物の発酵物としては緑茶抽出物の麹菌培養物(特開2012−92100号公報)、パイナップル果汁やブドウ果汁の乳酸菌培養物(特許文献2006−8566号公報)が、また加水分解物としては、シロウリの抽出物の加水分解物(特開2011−256147号公報)が例示される。これら以外にもチロシナーゼ阻害作用があるとして市販されているライチ種子エキス、月見草エキス、キウイ種子エキス、温オウゴンエキス、イチョウ葉エキス、ラクトフェリンなども使用され得る。また、本願発明に係るチロシナーゼ活性阻害剤であるパイナップル果芯の乳酸菌培養物や、果芯を含むパイナップル果実の乳酸菌培養物でもあり得る。美白用組成物には、これらのチロシナーゼ活性阻害剤の1種又は2種以上が用いられる。
本願発明に係るチロシナーゼ活性阻害剤であるパイナップル果芯の乳酸菌による培養物(乳酸菌培養物)は、パイナップルの果芯を含む培地で乳酸菌を培養して得られる培養物である。培養物には、好気的条件下で培養して得られる培養物だけでなく、嫌気的あるいは微好気的条件下で培養して得られるいわゆる乳酸発酵物であってもよい。パイナップルの果芯は、パイナップルの果実から果皮を取り除いた後、可食部を得るために除去される芯の部分である。得られた果芯はそのまま培地として用いられ得るが、好ましくは果芯を破砕した破砕物が培地として用いられる。培地成分としては、果芯やその破砕物以外に少量の可食部や果汁が含まれることもあり、可食部や果汁を完全に取り除くことなく用いても差し支えない。さらには、本願発明ではパイナップルの果実の破砕物、すなわち、果芯部のみならず可食部、さらには果皮を含む果実を培地として用いて得られた乳酸菌培養物も用いることもできる。
培養に用いられる乳酸菌は代謝産物として乳酸を産生する菌であればよく、ラクトバシラス属、ペディオコッカス属、ロイコノストック属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属に属する細菌やビフィドバクテリウム属に属する細菌であり得る。例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブルッキー、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトコッカス・ラクティス、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィディウムが示される。培養には、1種のみの乳酸菌だけでなく2種以上の乳酸菌も用いられ得る。
培養は好気的条件から嫌気的条件の下で行われる。その培養条件、例えば、培養温度や培養時間等は当業者により適宜設定される。一例を挙げると、培地に乳酸菌を接種した後、37℃で24時間〜48時間培養される。また、培地には必要に応じて、水、炭酸カルシウムなどのpH調整剤、蛋白分解物などの窒素源、ブドウ糖、乳糖などの糖類、発酵促進剤などが加えられることもある。
得られた培養物はそのままチロシナーゼ活性阻害剤として用いられる場合もあれば、凍結乾燥などの方法により乾燥させた後に用いられる場合や濃縮してエキス状として用いられる場合もある。また、水、アルコールなどの極性溶媒やその他の非極性溶媒で抽出したエキスとしても用いられ得る。さらに必要に応じて、乳糖やデンプンなどの基材などが添加されたチロシナーゼ活性阻害剤として用いられる場合もある。
本願発明において用いられるプラセンタエキスは、動物の胎盤から得られたエキスであって、エキスの製造工程中において加熱処理、酵素処理又は加水分解処理の少なくとも1又は2以上の処理を経て得られるものである。これらの処理によってプラセンタエキスのチロシナーゼ阻害活性が失活し、チロシナーゼ阻害活性が低い、好ましくは活性がないとされるプラセンタエキスが用いられる。阻害活性が低いプラセンタエキスとは、具体的にはチロシナーゼ阻害活性が50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、より望ましくは5%以下のプラセンタエキスである。ここで言うチロシナーゼ阻害活性は、チロシナーゼ活性阻害剤と共に用いられるプラセンタエキスが液状の場合はその200μLを試料溶液とし、粘稠状のプラセンタエキスなど液状以外の場合にはその粉末(蒸発固形分)の5mgを200μLの水に溶解した液を試料溶液とし、下記実施例の記載の方法に従って測定した場合におけるチロシナーゼ阻害活性(%)を意味する。参考として述べると、200μLの試料溶液(実施例中のプラセンタエキスA)は、特許文献1に記載されたプラセンタエキスの固形分と比較して、固形分換算で約30倍の量である。また、10%のチロシナーゼ阻害活性は実施例記載の方法ではアルブチン約5mM、5%のチロシナーゼ阻害活性は同様にアルブチン約2mMの濃度に相当し、チロシナーゼ阻害活性が10%以下であればチロシナーゼ阻害活性は実質的にないと言える。従って、本願発明においては200μLの試料溶液でチロシナーゼ阻害活性10%以下のプラセンタエキス、さらに100μLの試料溶液で検出限界以下となるプラセンタエキスが好ましく用いられ得る。
プラセンタエキスの由来は問われず、その由来はウシであり、ウマであり、ブタであり、ヒトであり、サメであり得る。また、エキスの製造工程も特に問われることはないが、製造段階において、加熱処理、酵素処理、加水分解処理の何れかの処理若しくはこれらの処理のうち2以上の処理を経ていることが必要とされる。このような処理によってチロシナーゼ阻害活性が著しく低下し、又はほとんど活性を認められなくなったプラセンタエキスでも、他のチロシナーゼ阻害活性剤と用いることでチロシナーゼ阻害活性が高められた美白用組成物を得られるからである。こうした加熱処理、酵素処理、加水分解処理の何れか1又は2以上の処理を経て得られたプラセンタエキスの製造方法の一例を挙げると、胎盤を凍結・融解を行い破砕した後、加熱抽出する方法がある。これらのプラセンタエキスは、各社から上市されているプラセンタエキスから選択され得る。
本願発明に係る美白用組成物中のチロシナーゼ活性阻害剤やプラセンタエキスの量は適宜当業者によって定められる。チロシナーゼ活性阻害剤の活性やプラセンタエキスの固形分濃度や窒素含量、製造工程によっても異なるが、プラセンタエキスの配合量はチロシナーゼ阻害活性剤によるチロシナーゼ阻害活性を高めることができる量が加えられる。プラセンタエキスの添加量は、例えばチロシナーゼ阻害活性剤濃度の1/1000であり、1/100であり、1/10であり、等倍であり、2倍であり、5倍であり、10倍であり、100倍の濃度であり得る。
本願発明に係る美白用組成物は、化粧用組成物であり、食品組成物であり、医薬組成物でもあり得る。その剤型も固形、液体等を問わない。当該美白用組成物はチロシナーゼ阻害剤やプラセンタエキスの他に、化粧品や食品、医薬品の製造に一般的に用いられる成分、例えば、油性成分や水、アルコールなどの製剤用基材成分や、チロシナーゼ活性阻害剤以外の美白剤、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤、ビタミン類、保存料などの各種添加成分を必要に応じて含み得る。
本願発明によると、チロシナーゼ阻害活性が著しく低いかほとんど活性のないプラセンタエキスであっても、チロシナーゼ活性阻害剤と共に用いることでよりチロシナーゼ阻害活性の高い美白用組成物が得られる。特に、加熱処理、酵素処理、加水分解処理されたことによりチロシナーゼ阻害活性が失われ、実質的にチロシナーゼ阻害活性がないプラセンタエキスを用いることで、少なくともチロシナーゼ活性阻害剤の有するチロシナーゼ阻害活性とプラセンタエキスの有するチロシナーゼ阻害活性の総和よりも大きなチロシナーゼ阻害活性を有する組成物を、より好ましくはチロシナーゼ活性阻害剤のチロシナーゼ阻害活性よりも大きなチロシナーゼ阻害活性を有する組成物を得ることができる。また、廃棄物であるパイナップル果芯の有効利用も図ることができる。
次に本願発明について下記の実施例に基づいて具体的に説明するが、本願発明は下記の実施例に限定されないのは言うまでもない。
〔パイナップル果芯の乳酸菌培養物のチロシナーゼ阻害活性〕
表1に示す各種の乳酸菌を廃棄物として得られたパイナップル果芯の破砕物に接種して、37℃で46時間静置培養した。得られた培養物A〜Fをそれぞれ凍結乾燥して得られた乾燥物5gに100mLの純水を加え、12,000rpmで20分間遠心分離して上清を得た。この上清を試料溶液として、下記の測定方法に従ってチロシナーゼ阻害活性を測定した。その結果を表1に示した。なお、実施例で用いられた乳酸菌は、国立研究開発法人、理化学研究所 バイオリソースセンター微生物材料開発室 (JCM)から入手したものである。
(チロシナーゼ阻害活性の測定方法)
チロシナーゼの阻害活性は、マッシュルーム由来のチロシナーゼを用いて測定した。20mM(pH6.5)のリン酸緩衝液に溶解した5mM L-DOPA 0.5mLに、試料溶液200μLと水を加えて0.5mLに調製した溶液を加え、25℃で5分間プレインキュベートののち、400units/mlのマッシュルーム由来のチロシナーゼを10μL添加し、25℃で15分間反応した。反応終了後475nmの吸光度を測定した。チロシナーゼ活性阻害率は次式により算出した。
阻害率(%)=(1−(A−A)/(B−B))×100
A: 試料溶液を含む反応液の吸光度
B: 試料溶液を含まない反応液の吸光度
: Aのチロシナーゼの代わりにリン酸緩衝液を添加した反応液の吸光度
: Bのチロシナーゼの代わりにリン酸緩衝液を添加した反応液の吸光度
次にパイナップルの果芯の破砕物に、乳酸菌Lactobacillus casei IAM1045を接種して37℃で2日間静置培養した。得られた培養物について、試料溶液の使用量を変えて上記方法と同様にしてチロシナーゼ阻害活性を測定した。また、参考として、パイナップル果汁についても同様に培養させた後、チロシナーゼ阻害活性を測定し、果芯培養物と比較した。それらの結果を図1及び図2に示した。なお、振盪培養したところ、静置培養と同様な結果が得られた。
表1に示すようにパイナップル果芯の培養物A〜Fは20時間又は46時間の培養でほぼ50%以上のチロシナーゼ阻害活性を示し、培養することでチロシナーゼ阻害活性が増加した。また、各培養物は容量依存性を示し、200μLの使用量で強いチロシナーゼ阻害活性を示した(図1参照)。一方、果汁を用いて同様に培養した場合には、図2に示すように果芯を用いた場合に比べて、チロシナーゼ阻害活性が出現するまでにより多くの時間を必要とした。
〔プラセンタエキスのチロシナーゼ阻害活性〕
市販されているウマ胎盤由来のプラセンタエキス2種類(ロットの異なるプラセンタエキスA及びプラセンタエキスB)を使用して、実施例1と同様にしてチロシナーゼ阻害活性を調べた。それらの結果を表2及び図3に示した。これらのプラセンタエキスは、ウマの胎盤を、凍結、融解したものに冷水を加えた後、加熱抽出、脱臭操作して得られたエキスである。
図3は、プラセンタエキスAによるチロシナーゼ阻害活性について実施例1に記載の方法に準じて調べた結果であるが、100μL以下の添加量では全く活性を示さなかった。さらに、プラセンタエキスA,Bの各200μLを用いて、各プラセンタエキスのチロシナーゼ阻害活性を測定した。表2に示したように、プラセンタエキスA,Bの阻害活性はそれぞれ10%以下であり、プラセンタエキスA,Bにはほとんどチロシナーゼ阻害活性は認められなかいと言えるか、極めて低い活性であった。
〔パイナップル果芯の乳酸菌培養物とプラセンタエキスの併用効果〕
次に、実施例1で得られた果芯の乳酸菌培養物とプラセンタエキスの併用効果について調べた。図4に示す割合となるように、実施例1で得られた果芯の乳酸菌培養物AとプラセンタエキスAを混合して試料溶液を調整した後、実施例1に記載した方法に準じて、チロシナーゼ阻害活性を測定した。その結果を図4に示す。また、実施例1で得られた果芯の乳酸菌培養物BとプラセンタエキスA,Bを混合した場合についても同様にチロシナーゼ阻害活性を測定した。その結果を図5に示した。
その結果、得られた乳酸菌培養物の試料溶液に対して、等量のプラセンタエキスを加えた場合には、その活性は約2倍以上に増加した。チロシナーゼ阻害活性がほとんど認められないプラセンタエキスを用いて、用いたパイナップル果芯の乳酸菌培養物のチロシナーゼ阻害活性以上のチロシナーゼ阻害活性が得られることが確認された。
ちなみに、上記で用いられたプラセンタエキスの固形分(蒸発残留分)は、エキスAが1.45w/v%、エキスBが2.23w/v%であった。また、液体クロマトグラフにより、エキス中の遊離のアミノ酸含量及びチロシン含量を測定したところ、遊離のアミノ酸含量はそれぞれ1.49mg/mL、1.23mg/mLであり、チロシン含量はそれぞれ0.03mg/mL、0.04mg/mLであった。このように、固形分中の遊離チロシン含量が低い、例えば特許文献3の比較例にあるような10%以下、さらには5%以下のプラセンタエキスや、プラセンタエキスA、Bのように特許文献3の実施例にあるような0.3%以下などのような遊離チロシン含量が低いプラセンタエキスであっても極めて低いチロシナーゼ阻害活性しか得られない場合があることが確認された。また、特許文献3に記載の方法に準じて、これらのプラセンタエキスのタンパク量を求めたところ、分子量3000を越えるタンパク量はいずれも30?60mg/100mL(固形分に対して2?3%)程度であった。これらのことから、プラセンタエキスA,Bは何れも特許文献3の比較例にあるプラセンタエキスと同様に、酵素処理や加熱処理等によりタンパクやペプチド等が分解してチロシナーゼ阻害活性が失われていると推測される。そして、加熱処理や酵素処理等により低いチロシナーゼ阻害活性しか示されないプラセンタエキスであっても、例えそのチロシン含有量が低いとしても、他のチロシナーゼ活性阻害剤と組み合わせることで、より効果の高い美白用組成物を得ることができると言える。
次に下記に示す処方例に従って各種の美白用組成物を作製したところ、プラセンタエキスを加えない場合に比べてチロシナーゼ阻害活性が高められ、より強い美白効果が期待される美白用組成物が得られた。なお、処方例1,2では、実施例1で得られたパイナップル果芯の乳酸菌培養物を凍結乾燥し、20倍量の精製水を加えて抽出し、遠心分離して得られた上清画分を、乳酸発酵パイナップル果芯エキスとして使用し、処方例4では、実施例1で得られたパイナップル果芯の乳酸発酵培養物を滅菌処理後、凍結乾燥したものを使用した。また、プラセンタエキスA末は、プラセンタエキスAを凍結乾燥したものである。
(処方例1:化粧水)
下記組成の化粧水を常法により製造した。
プラセンタエキスA 0.02g
乳酸発酵パイナップル果芯エキス 0.02g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.02g
グルタチオン 0.001g
1,3−ブチレングリコール 8g
ペンチレングリコール 3.5g
キサンタンガム 0.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
(処方例2:ゲルクリーム)
下記組成のゲルクリームを常法により製造した。
プラセンタエキスB 0.3g
乳酸発酵パイナップル果芯エキス 0.1g
グリセリン 6g
ミリスチン酸イソプロピル 3g
ジメチコン 3g
シクロメチコン 1g
1,3−ブチレングリコール 0.7g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.03g
スクワラン 0.5g
オリーブ油 0.2g
エタノール 0.2g
精製水 残部(全量を100gとする)
(処方例3:エッセンス)
下記組成のエッセンスを常法により製造した。
プラセンタエキスA 2g
月見草エキス 0.5g
1,2−ヘキサンジオール 0.04g
カプリリルグリコール 0.04g
精製水 残部(全量を100gとする)
(処方例4:清涼飲料水)
下記組成の清涼飲料水を常法により製造した。
プラセンタエキスA末 10g
乳酸発酵パイナップル果芯エキス 30g
グラニュー糖 12g
コラーゲン 10g
ヒハツエキス 0.15g
ローヤルゼリー 0.05g
ビタミンC 0.75g
クエン酸 0.075g
香料 0.3ml
精製水 残部(全量を100gとする)
(処方例5:錠剤型サプリメント)
下記組成の混合物を打錠し、常法により錠剤型サプリメントを製造した。
プラセンタエキスB末 350g
キウイ種子エキス 175g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 60g
本願発明は、プラセンタエキスを含む新たな美白用組成物の製造に寄与する。

Claims (16)

  1. チロシナーゼ活性阻害剤と、酵素処理、加熱処理又は加水分解処理のうち何れか1又は2以上の処理を経て得られたプラセンタ抽出物を含む美白用組成物。
  2. 前記チロシナーゼ活性阻害剤は、動植物の乳酸菌培養物及び/又は動植物の抽出物である請求項1に記載の美白用組成物。
  3. 前記乳酸菌培養物はパイナップル果実の乳酸菌培養物である請求項2に記載の美白用組成物。
  4. 前記乳酸菌培養物はパイナップル果芯の乳酸菌培養物である請求項2に記載の美白用組成物。
  5. チロシナーゼ活性阻害剤と、酵素処理、加熱処理又は加水分解処理のうち何れか1又は2以上の処理を経て得られたプランセンタ抽出物を用いて、前記チロシナーゼ活性阻害剤のチロシナーゼ阻害活性よりもチロシナーゼ阻害活性が高められた美白用組成物を製造する方法。
  6. 前記組成物のチロシナーゼ阻害活性が、前記プラセンタ抽出物のチロシナーゼ阻害活性と前記チロシナーゼ活性阻害剤のチロシナーゼ阻害活性の総和よりも高められた請求項5に記載の方法。
  7. 前記チロシナーゼ活性阻害剤は、動植物の乳酸菌培養物及び/又は動植物の抽出物である請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記乳酸菌培養物はパイナップル果実の乳酸菌培養物である請求項7に記載の方法。
  9. 前記乳酸菌培養物はパイナップル果芯の乳酸菌培養物である請求項7に記載の方法。
  10. チロシナーゼ阻害活性剤を含む組成物において、酵素処理、加熱処理又は加水分解処理のうち何れか1又は2以上の処理を経て得られたプラセンタ抽出物を含ませることで、当該組成物中の前記チロシナーゼ阻害活性剤のチロシナーゼ阻害活性よりもチロシナーゼ阻害活性を高める方法。
  11. 前記組成物のチロシナーゼ阻害活性を、前記プラセンタ抽出物のチロシナーゼ阻害活性と前記チロシナーゼ活性阻害剤のチロシナーゼ阻害活性の総和よりも高める請求項10に記載の方法。
  12. 前記チロシナーゼ活性阻害剤は、動植物の乳酸菌培養物及び/又は動植物の抽出物である請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記乳酸菌培養物はパイナップル果実の乳酸菌培養物である請求項12に記載の美白用組成物。
  14. 前記乳酸菌培養物はパイナップル果芯の乳酸菌培養物である請求項12に記載の美白用組成物。
  15. パイナップル果芯の乳酸菌培養物を含むチロシナーゼ活性阻害剤。
  16. パイナップル果芯の乳酸菌培養物を含む美白用組成物。
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