JP2019119048A - 白色ポリエステルフィルム - Google Patents
白色ポリエステルフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019119048A JP2019119048A JP2017252734A JP2017252734A JP2019119048A JP 2019119048 A JP2019119048 A JP 2019119048A JP 2017252734 A JP2017252734 A JP 2017252734A JP 2017252734 A JP2017252734 A JP 2017252734A JP 2019119048 A JP2019119048 A JP 2019119048A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- film
- polyester resin
- titanium oxide
- white
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
Description
上記のように、ポリエステル樹脂に酸化チタンを充填した単層または複層のフィルムが種々提案されているが、白度の向上と製缶治具の磨耗の改善、さらには、深絞り比の増大や加工速度のアップに対応したフィルム表面の優れた滑り性とを同時に満足するものはなかった。
しかし、中間層に酸化チタンを高濃度に偏在化させることにより、酸化チタン表面の有機処理剤の影響が強くなり、フィルムを構成する樹脂は、耐熱性の低下から分子量や粘度の低下を引き起こし、結果としてフィルムの強度、成形性に問題が出てくることがあった。また外層に酸化チタンを少量含む場合、近年益々厳しくなるラミネート金属板の製造条件、缶の成形加工条件によっては、金属板との密着が不十分になり、その後の加工で剥離等が生じることもあった。
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
条件(1):(A)層と(C)層は、いずれもヘーズが50%以下である。
条件(2):(B)層中に平均粒径0.15〜0.3μmの酸化チタンを含有する。
条件(3):(B)層の厚み(L、μm)と(B)層における酸化チタン濃度(c、質量%)から算出される値(L×c/100)が2〜5である。
条件(4):アルミ板にラミネートされた後のL*a*b*表色系のb*値が−2.5以下である。(ラミネート条件:220℃に加熱した金属ロールと、100℃に加熱したゴムロールとの間に、白色ポリエステルフィルムと厚みが0.3mmのアルミ板(L*a*b*表色系のL*a*b*表=37.6/−1.3/−6.7)とを重ね合わせて供給し、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱接着し、冷却する。)
条件(5):積層フィルム中に酸化防止剤を300〜3000ppm含有する。
(2)ポリエステル樹脂(A)層および/または(C)層中に、数平均分子量が1000〜8000のオレフィン系ポリマーを0.01〜1.0質量%含有することを特徴とする(1)記載の白色ポリエステルフィルム。
(3)隠蔽度が0.35以上であることを特徴とする(1)または(2)記載の白色ポリエステルフィルム。
(4)ポリエステル樹脂(A)層、(B)層および(C)層を構成するポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル樹脂との混合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の白色ポリエステルフィルム。
(5)共重合ポリエステル樹脂が、イソフタル酸を共重合成分として2〜15モル%含有するポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする(4)記載の白色ポリエステルフィルム。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、白色顔料として酸化チタンを含有し、ポリエステル樹脂層が3層積層されてなる積層フィルムであって、ポリエステル樹脂層は、(A)層/(B)層/(C)層の順に積層される。
本発明において、ポリエステル樹脂(B)層は、酸化チタンを含有することが必要である。酸化チタンの平均粒径は、0.15〜0.3μmであることが必要であり、0.2〜0.25μmであることが好ましく、0.2〜0.23μmであることがより好ましい。
酸化チタンは、平均粒径が0.3μmを超えると、光散乱効率が低下しはじめるため、白色ポリエステルフィルムは、隠蔽性や白度が不足し、また散乱効率が最も大きい波長が、青系統から黄系統の波長に変化していくため、L*a*b*表色系のb*値が高くなる傾向であり好ましくない。酸化チタンの平均粒径が0.15μm未満の場合は、可視光の波長より小さくなり、可視光線がフィルムを通過するおそれがあり、フィルムは、隠蔽性や白度が不足することにより、下地の金属板の影響を受け、b*値が高くなるので好ましくない。
上記値が2未満の場合、白色ポリエステルフィルムは、白度、隠蔽性が不足することにより、下地の金属板の影響を受け、b*値が高くなるので好ましくない。一方、5を超えると、酸化チタンの分散性が低下しはじめ、白色ポリエステルフィルムは、色相が変化し黄色みが増すため、b*値が高くなるとともに、強度が低下し、また金属ラミネート後のフィルムは、成形性が劣る。
しかしながら、酸化チタンを高濃度含有するポリエステル樹脂層においては、酸化チタンの表面処理剤の影響により、ポリエステル樹脂の分子量や粘度低下が起こることがあるので、これを防ぐ観点から、本発明では、積層フィルム中に酸化防止剤を300〜3000ppm含有することが必要であり、1000〜2000ppm含有することが好ましい。酸化防止剤の含有量が300ppm未満では、フィルム製膜、金属との熱ラミネート、成形加工等の工程中で、フィルムの強度低下が生じる可能性が高い。一方、酸化防止剤の3000ppm以上の含有は過剰であり、熱処理後の粘度低下の程度に差はみられず、逆に低分子量の酸化防止剤が多くなるにつれて、フィルムが脆くなる場合や、フィルム表面に析出し、金属板との密着や、滑り性が低下する場合がある。
また、酸化防止剤は、(B)層のみに含有させることがより好ましい。さらに、酸化防止剤の添加方法として、酸化チタンマスターを作製し、このマスター中に含有させることが好ましく、これにより、マスター作製時に受ける剪断による樹脂の熱劣化を抑制することができる。
なお、高濃度酸化チタンによるポリエステル樹脂の粘度低下の対策として、ポリエステル樹脂自体の粘度を上げる方法もあるが、効果がみられるほどに粘度を上げたポリエステル樹脂は、製膜機械への負荷が大きく、成形加工性が損なわれる。このため酸化チタンによるポリエステル樹脂の粘度低下を、酸化防止剤の添加により抑制することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂(A)層、(B)層および(C)層を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートと少なくとも1種以上の共重合ポリエステル樹脂との混合物、またはポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとの混合物であることが好ましい。ポリエステル樹脂を混合物とすることで、フィルムの結晶性のバランスを調整することができる。すなわち、耐熱性、レトルト後の耐衝撃性等強度に必要な結晶性を、ポリエチレンテレフタレートにより維持し、金属板への熱ラミネート性、成形加工性を、共重合ポリエステル樹脂またはポリブチレンテレフタレートにより得ることができる。
混合物における共重合ポリエステル樹脂またはポリブチレンテレフタレートの含有量は、40〜80質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。
また、アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合成分は2種以上併用してもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)層および/または(C)層は、高次の製缶工程である絞り成形やしごき成形等に必要な滑り性を付与する観点から、数平均分子量が1000〜8000のオレフィン系ポリマーを0.01〜1.0質量%含有することが好ましく、0.05〜0.2質量%含有することがより好ましい。
数平均分子量が1000〜8000である低分子量のオレフィン系ポリマーを、非相溶のポリエステル樹脂中に含有させることにより、延伸フィルムの表面を荒らして滑り性を向上させることができる上、フィルムの融点以上の温度で熱処理して結晶を融解させるアモルファス化処理を行った後においても、フィルム表面を荒れた状態に保持することができる。
オレフィン系ポリマーの含有量が0.01質量%未満では、滑り性改良の効果が認められないことがある。一方、オレフィン系ポリマーの含有量が1.0質量%を超えると、フィルム表面の滑り性については過剰品質となるばかりでなく、非相溶の樹脂が多くなることから、フィルムが脆くなる場合や、得られる金属缶が衝撃性に劣る場合がある。
オレフィン系ポリマーは、数平均分子量が1000未満であると、分子量が低すぎてフィルム加工時またはフィルムをアモルファスにする際にフィルムの表面に析出してしまい、缶の加工工程で治具を汚したり、逆にフィルム自体に傷をつける場合がある。一方、オレフィン系ポリマーは、分子量が8000を超えると、フィルムをアモルファスにした後のフィルム表面を荒らす効果が十分ではなく、缶加工時の滑り性が劣る場合がある。
ポリエステル樹脂(A)層と(C)層は、いずれも、単層でのヘーズが50%以下であることが必要であり、40%以下であることが好ましい。単層でのヘーズが50%以下であり、(B)層と屈折率の異なる(A)層および(C)層が(B)層に積層されることにより、積層フィルムは、(B)層単層の場合と比較してb*値が低下し、青みが増すので好ましい。一方、(A)層および(C)層のヘーズが50%を超えると、積層フィルムは、(A)層および(C)層の色調の影響、屈折率の違いによる影響が大きくなり、b*値が高くなるため好ましくない。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、アルミ板にラミネートした後のL*a*b*表示系のb*値が−2.5以下であることが必要であり、−2.8以下であることが好ましい。
また、本発明の白色ポリエステルフィルムは、アルミ板にラミネートした後のL*a*b*表示系のL*値が70以上であることが好ましく、中でも80以上であることが好ましい。L*値が70未満であると白度に劣るものとなる。
上記b*値とL*値は、市販のアルミ板(L*/a*/b*=37.6/−1.3/−6.7)を使用して測定した値であり、金属板の種類、色調によって変化する。ラミネートは、220℃に加熱した金属ロールと、100℃に加熱したゴムロールとの間に、試料フィルムと厚みが0.3mmのアルミ板とを重ね合わせて供給し、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱接着し、冷却しておこなう。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、隠蔽度が0.35以上であることが好ましい。白色ポリエステルフィルムは、隠蔽度が0.35未満では、金属板とラミネート後、金属色が感じられ、印刷の下地としては不十分であることがある。
本発明のフィルムは、各層を構成する樹脂組成物を別々の押出機を用いて溶融し、フィードブロック法により重ね合わせてダイスより押出す方法、溶融した樹脂組成物をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押出す方法、および前記方法を組み合わせた方法等を用いて未延伸シートを製造し、次にテンター式二軸延伸法あるいはインフレーション法を用いて延伸することにより得ることができる。
また、本発明のフィルムは、各層を構成する延伸フィルムを製造してから、これらを貼り合わせる方法を用いて得ることもできる。
さらに、本発明の白色ポリエステルフィルムは、フィルム外観や印刷性を向上させるために、たとえば、フィルムにシリコーン化合物等を含有してもよく、また、金属板とのラミネート性や、強度のさらなる向上のために、フィルム製造中のインラインコーティングもしくはフィルム製造後のポストコーティングにより、接着層等の任意のコーティング層を形成してもよい。
実施例および比較例におけるフィルムの特性の測定法、評価法は、次の通りである。
積層構成の白色ポリエステルフィルムから各層を剥離し、ポリエステル樹脂(A)層と(C)層を、それぞれJIS−K7136:2000に基づき、ヘーズメーター(日本電色製工業社製 NDH4000)を用いて測定した。
白色ポリエステルフィルムと、アルミ板(光社製 HA0523、厚み0.3mm、L*a*b*表色系のL*a*b*表=37.6/−1.3/−6.7)とを重ね合わせて、220℃に加熱した金属ロールと、100℃に加熱したゴムロールとの間に、金属ロール側がアルミ板、ゴムロール側が白色ポリエステルフィルムとなるようにして供給し、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱接着し、冷却して、アルミ板に白色ポリエステルフィルムをラミネートした。
JIS Z8781−4:2013に基づき(旧JIS−K−7105に準じる)、分光色差計(日本電色工業社製 NF555)を用いて、光源D65、視野角2°、反射の条件で、アルミ板にラミネートした白色ポリエステルフィルムを測定した。明度をL*、色相と彩度を示す色度をa*、b*で表わし、b*は黄方向、−b*は青方向を示す。
光学濃度計(Macbeth社製TD932)により白色ポリエステルフィルムの隠蔽度を測定した。垂直透過光束を試料に照射し、試料が無い状態との比をlog(対数)で表した。
200℃に加熱した金属ロールと、シリコンゴムロールとの間に、白色ポリエステルフィルムと、厚みが0.3mmのアルミ板とを重ね合わせて、金属ロール側がアルミ板、シリコンゴムロール側が白色ポリエステルフィルムとなるようにして供給し、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱接着後、冷却してラミネート金属板を得た。
得られたラミネート金属板から、幅18mmの短冊状の試験片(短辺端部のフィルムとアルミ板は接着せず、ラミネートされた部分がMDに8cm以上確保されるようにする)をTDに11枚切り出した。
次に、この試験片のフィルム面に、JIS Z−1522に規定された粘着テープを貼り付け、島津製作所社製オートグラフで、10mm/minの速度で180度剥離試験を行い、次の基準にしたがって熱ラミネート性を4段階で評価した。
◎:接着不良はみられない。
○:フィルム端部に一部接着不良が見られるが、ほぼ接着している。
△:フィルム全面積中の一部が金属板に接着せず、剥離が生じている。
×:フィルム全面積中の半分以上が金属板に接着せず、剥離が生じている。
フェノール/四塩化エタンの等質量混合溶媒を用いて、温度20℃、濃度0.5g/dlで測定した溶液粘度から求めた。
白色ポリエステルフィルムとアルミ板との間に離型紙をはさむ以外は、上記「D.熱ラミネート性」に記載された方法でラミネート金属板を得た。
得られたラミネート金属板を用いて、280℃×40s、280℃×50sの条件でそれぞれ熱処理を行なった。熱処理後のラミネート金属板から白色ポリエステルフィルムを剥離し、上記と同様に極限粘度を測定し、熱処理前の極限粘度に対する割合(保持率、%)を算出した。
上記「D.熱ラミネート性」に記載された方法で得られたラミネート金属板を、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆(硬度HB〜3H)を用いて、JISK5600−5−4(1999)が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて、フィルム表面の鉛筆硬度を測定した。
また、ラミネート金属板を290℃×60sの条件で熱処理を行った後、上記と同様にしてフィルム表面の鉛筆硬度を測定した。
上記「D.熱ラミネート性」に記載された方法で得られたラミネート金属板を用い、23℃雰囲気中にて重量500gのクロム鋼球3点荷重式滑走子を速度133mm/minで滑らせた際の動摩擦係数(μ)を測定した。
・PET:ポリエチレンテレフタレート〔日本エステル社製、NEH−2050、極限粘度(IV)0.78dl/g〕
・IPA1:イソフタル酸を4mol%共重合したPET〔日本エステル社製、SA−1325P、極限粘度(IV)0.78dl/g〕
・IPA2:イソフタル酸を8mol%共重合したPET〔日本エステル社製、SA−1346P、極限粘度(IV)1.07dl/g〕
・IPA3:イソフタル酸を20mol%共重合したPET〔極限粘度(IV)0.78dl/g〕
・PBT:ポリブチレンテレフタレート〔三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュラン5010CS、極限粘度(IV)1.1dl/g〕
・酸化チタン2:平均粒径0.3μm
・酸化チタン3:平均粒径0.35μm
・酸化チタン4:平均粒径0.1μm
・酸化防止剤:BASF社製、イルガノックス1010
・オレフィン系ポリマー2:ポリエチレン(クラリアントジャパン製、リコワックス190、数平均分子量5500)
(A)層と(C)層を構成するポリエステル樹脂として、PETとIPA1とを質量比(PET/IPA1)25/75で混合したものを用い、この混合樹脂中にオレフィン系ポリマー1を0.1質量%となるように添加し、温度280℃で溶融した。
(B)層を構成するポリエステル樹脂として、PETとIPA1を質量比(PET/IPA1)25/75で混合したものを用い、この混合樹脂中に、平均粒径0.2μmの酸化チタン1を20質量%となるように、また酸化防止剤を、積層フィルム中に1300ppmとなるように添加し、温度280℃で溶融した。
(A)層/(B)層/(C)層の順に積層されるように各樹脂組成物を配し、Tダイからシート状に押出し、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。
得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機に供給し、温度90℃、延伸倍率をMD3.0、TD3.3として同時二軸延伸した後、TDの弛緩率を5%として、温度155℃で4秒間の熱処理を施した後、冷却して巻き取り、厚さ20μmの白色ポリエステルフィルム〔(A)層/(B)層/(C)層の厚みが、3/13/4(μm)〕を得た。
白色ポリエステルフィルムの層構成、各層のポリエステル樹脂を構成するポリエチレンテレフタレート以外の樹脂の種類、酸化チタンの平均粒径と各層の濃度、酸化防止剤の含有量、オレフィン系ポリマーの種類と含有量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして、白色ポリエステルフィルムを得た。
実施例3では、(A)層と(C)層と(B)層を構成するポリエステル樹脂として、PETとIPA1とを質量比(PET/IPA1)50/50で混合したものを用い、実施例4では、(A)層と(C)層と(B)層を構成するポリエステル樹脂として、PETとIPA2とを質量比(PET/IPA2)37.5/62.5で混合したものを用い、白色ポリエステルフィルムの層構成、酸化防止剤の含有量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして、白色ポリエステルフィルムを得た。
これに対し、比較例では、下記の通り上記のすべての性能を満足するものは得られなかった。比較例1のフィルムは、酸化チタンの平均粒径が0.3μmより大きいため、b*値が−2.5を超え、また隠蔽度が低いものであった。比較例2のフィルムは、酸化チタンの平均粒径が0.15μm未満であるため、b*値が−2.5を超え、また白度(L*値)、隠蔽度が低いものであった。
比較例3のフィルムは、(B)層の厚み(L、μm)と(B)層における酸化チタン濃度(c、質量%)から算出される値(L×c/100)が2未満であるため、b*値が−2.5を超え、また白度、隠蔽度が低いものであった。比較例4のフィルムは、上記値が5を超えるため、酸化チタンの分散性が低下し、b*値が−2.5を超え、熱処理後に、粘度や鉛筆硬度が低下した。
比較例5のフィルムは、酸化防止剤の濃度が300ppm未満であるため、酸化チタンにより樹脂の粘度が低下し、熱処理後に粘度保持率や鉛筆硬度が低下した。比較例6のフィルムにおいては、酸化防止剤は、濃度が3000ppmを超えるため、フィルムの表面に一部析出し、金属板との密着不良や、滑り性の低下がみられた。
比較例7のフィルムは、(A)と(C)層中に酸化チタンを含有するため、ヘーズが高く、また、金属板との熱ラミネート性が低いものであった。
比較例8のフィルムは、単層構成であり、金属板との接着面に酸化チタンを含むため、金属板との熱ラミネート性が低いものであった。
Claims (5)
- ポリエステル樹脂層が3層積層されてなる積層フィルムであって、ポリエステル樹脂層は、(A)層/(B)層/(C)層の順に積層され、下記条件(1)〜(5)の全てを満足することを特徴とする白色ポリエステルフィルム。
条件(1):(A)層と(C)層は、いずれもヘーズが50%以下である。
条件(2):(B)層中に平均粒径0.15〜0.3μmの酸化チタンを含有する。
条件(3):(B)層の厚み(L、μm)と(B)層における酸化チタン濃度(c、質量%)から算出される値(L×c/100)が2〜5である。
条件(4):アルミ板にラミネートされた後のL*a*b*表色系のb*値が−2.5以下である。(ラミネート条件:220℃に加熱した金属ロールと、100℃に加熱したゴムロールとの間に、白色ポリエステルフィルムと厚みが0.3mmのアルミ板(L*a*b*表色系のL*a*b*表=37.6/−1.3/−6.7)とを重ね合わせて供給し、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱接着し、冷却する。)
条件(5):積層フィルム中に酸化防止剤を300〜3000ppm含有する。 - ポリエステル樹脂(A)層および/または(C)層中に、数平均分子量が1000〜8000のオレフィン系ポリマーを0.01〜1.0質量%含有することを特徴とする請求項1記載の白色ポリエステルフィルム。
- 隠蔽度が0.35以上であることを特徴とする請求項1または2記載の白色ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂(A)層、(B)層および(C)層を構成するポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の白色ポリエステルフィルム。
- 共重合ポリエステル樹脂が、イソフタル酸を共重合成分として2〜15モル%含有するポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項4記載の白色ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017252734A JP2019119048A (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 白色ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017252734A JP2019119048A (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 白色ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019119048A true JP2019119048A (ja) | 2019-07-22 |
Family
ID=67307072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017252734A Pending JP2019119048A (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 白色ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019119048A (ja) |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07207039A (ja) * | 1994-01-10 | 1995-08-08 | Toray Ind Inc | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム |
JPH10175279A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-06-30 | Teijin Ltd | 金属板貼合せ加工用白色積層ポリエステルフィルム |
JPH10180969A (ja) * | 1996-10-23 | 1998-07-07 | Unitika Ltd | 金属ラミネート用白色フィルム及びその製造方法 |
JPH11245359A (ja) * | 1998-03-03 | 1999-09-14 | Unitika Ltd | 金属ラミネート用白色フィルム |
JP2000177085A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-06-27 | Toray Ind Inc | 貼合わせ用ポリエステルフィルム |
JP2003127309A (ja) * | 2001-10-26 | 2003-05-08 | Toyobo Co Ltd | 金属板ラミネート用白色ポリエステル系フィルム、フィルムラミネート金属板および金属容器 |
JP2005342912A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-15 | Jfe Steel Kk | 容器用樹脂被覆金属板 |
JP2006199917A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-08-03 | Toyobo Co Ltd | 金属板貼合せ用ポリエステルフィルム、ラミネート金属板及び金属容器 |
JP2017030231A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム |
-
2017
- 2017-12-28 JP JP2017252734A patent/JP2019119048A/ja active Pending
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07207039A (ja) * | 1994-01-10 | 1995-08-08 | Toray Ind Inc | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム |
JPH10175279A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-06-30 | Teijin Ltd | 金属板貼合せ加工用白色積層ポリエステルフィルム |
JPH10180969A (ja) * | 1996-10-23 | 1998-07-07 | Unitika Ltd | 金属ラミネート用白色フィルム及びその製造方法 |
JPH11245359A (ja) * | 1998-03-03 | 1999-09-14 | Unitika Ltd | 金属ラミネート用白色フィルム |
JP2000177085A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-06-27 | Toray Ind Inc | 貼合わせ用ポリエステルフィルム |
JP2003127309A (ja) * | 2001-10-26 | 2003-05-08 | Toyobo Co Ltd | 金属板ラミネート用白色ポリエステル系フィルム、フィルムラミネート金属板および金属容器 |
JP2005342912A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-15 | Jfe Steel Kk | 容器用樹脂被覆金属板 |
JP2006199917A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-08-03 | Toyobo Co Ltd | 金属板貼合せ用ポリエステルフィルム、ラミネート金属板及び金属容器 |
JP2017030231A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004224051A (ja) | ポリエステルフィルム及びその製造方法 | |
JP2005314700A (ja) | 白色二軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法 | |
JP2019524501A (ja) | 多層ポリエステルフィルム及びアルミニウムシートから製造される積層体、かかる積層体を製造する方法、及びかかる積層体から製造される飲料缶蓋 | |
JP2007022047A (ja) | 金属板被覆用積層シート、および積層シート被覆金属板 | |
KR20040067917A (ko) | 산소차단성이 개선된 폴리(m-크실렌아디프아미드) 함유외층을 갖는 폴리에스테르 필름, 그 제조방법 및 용도 | |
KR100487087B1 (ko) | 금속의표면에라미네이트되는백색의필름및그제조방법 | |
KR20060048565A (ko) | 폴리(m-크실렌아디파미드)를 포함하는 금속화된 또는세라믹 코팅된 폴리에스테르 필름 | |
WO2020050351A1 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP4059966B2 (ja) | 金属ラミネート用白色フィルム | |
JP4009467B2 (ja) | 金属板ラミネート用フィルム、フィルムラミネート金属板、および金属容器 | |
JP4799197B2 (ja) | 金属板貼り合わせ成形加工用積層フィルム | |
JP2019119048A (ja) | 白色ポリエステルフィルム | |
JP2004017438A (ja) | 金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム | |
JP2000313755A (ja) | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム | |
JP2006160999A (ja) | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム、ラミネート金属板、および金属容器 | |
JP2009221315A (ja) | 金属板ラミネート用フィルム、フィルムラミネート金属板、および金属容器 | |
JP4121316B2 (ja) | 金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム | |
JP4759250B2 (ja) | 金属板貼合せ成形加工用フィルム | |
EP4029801B9 (en) | Polyester film and method for producing same | |
JP2000177085A (ja) | 貼合わせ用ポリエステルフィルム | |
JPH1060135A (ja) | 金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムとその製造法 | |
JPH10180969A (ja) | 金属ラミネート用白色フィルム及びその製造方法 | |
JP3262995B2 (ja) | 金属ラミネート用白色フィルム | |
JPH11207908A (ja) | 金属ラミネート用白色フィルム | |
WO2021182402A1 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210826 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210831 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20211022 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220301 |