JP2019117889A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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秀徳 染井
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岳行 福島
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Abstract

【課題】電池性能が高く、かつ高温での経時的信頼性が高い色素増感太陽電池を提供する。【解決手段】電極11、電極11に対向して配置される対電極12、電極11と対電極12との間に挟まれた電解質層16、及び電極11の対電極12側の表面に設けられ、増感色素14が担持された酸化物半導体粒子13からなる発電層15、を有する色素増感太陽電池であって、電解質層16が、常温常圧で固体の高分子化合物からなるマトリクス中に電解質が分散されてなる色素増感太陽電池10とする。【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池に関する。
近年最も普及している太陽電池モジュールの一つに、結晶性シリコン太陽電池が挙げられる。結晶性シリコン太陽電池は、太陽光が照射された場合に光電変換効率が高いことが特徴であり、近年では光電変換効率が20%台のものが市販されている。そして、結晶性シリコン太陽電池は、家屋の屋根に設置するタイプを始め、メガソーラーのような大規模発電量用等、多岐に亘って使用されている。
一方で、有機系太陽電池の開発が進められている。有機系太陽電池は、従来のアモルファスシリコン太陽電池と比較して、単位面積当たりの発電量が高いことが知られている。例えば、特許文献1には、高温においてもゲルの溶解を抑制することができる耐熱性に優れたゲル状電解質を用いた色素増感太陽電池が記載されている。
また、特許文献2には、液状電解質に代えて固体状電解質層を備えた色素増感太陽電池の製造方法が記載されている。
またさらに、特許文献3には、電子輸送層に安息香酸基を有するアミノ化合物を含有する太陽電池が記載されている。この太陽電池によれば、低照度でも良好な光電変換性が得られることが記載されている。
特開2005−149821号公報 特開2017−147389号公報 特開2017−98372号公報
特許文献1の色素増感太陽電池は、ゲル電解質中に常温常圧で液体の溶媒を過剰に含むため、電解質のイオン伝導が高く、光照射時の発電量が高い。ところが、特許文献1のゲル電解質には、プロピレンカーボネートやアセトニトリルといった溶媒が過剰に含まれるため、信頼性が低下する場合がある。すなわち、プロピレンカーボネートのような高沸点溶媒は、極性を有する有機化合物を溶解する性質があり、特に高温保持の場合には、発電層に吸着した色素でさえも溶解させ、発電性能を著しく低下させる場合がある。また、アセトニトリルのような低沸点溶媒は、発電層に吸着した色素を溶解させるとともに、高温時には揮発してセル内圧を上昇させ、セルを破壊させる場合がある。
そこで、特許文献1では、溶媒による性能低下を抑制するために、電解液にモノマーと重合開始剤を混合し、電解液中でモノマーを重合してゲル電解質を得る方法が用いられている。
しかしながら、電解液中で重合を行うと、電解質自体が反応することから、特許文献1では、ゲル電解質を用いた実施例の光電変換効率は、比較例のそれよりも低い値となっている。
一方、特許文献2の固体電解質では、固体電解質中に溶媒を含まず電解質のみで構成されている。固体電解質をセル内に充填する方法は、あらかじめ電解質が融解する温度まで昇温して液状となった電解質をセル内に充填するものである。したがって、電解質は、室温に戻した際には固体化している。電解質は、単独で固体化すると結晶化する。そうすると、電解質はイオンに解離せず、セル内の電子キャリア及び正孔キャリアが減少し、結果として発電性能が大きく低下する。したがって、信頼性は向上するものの、定常状態でのセル性能は低くなる、という問題がある。
特許文献3に記載の技術では、新規なアミノ化合物を合成しており、結果として太陽電池のコストの増大が懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電池性能が高く、かつ高温での経時的信頼性が高い色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
これまで、電解質層を固体に変更すると電解質の解離が阻害されて電池性能が低下するということが懸念され、その対策のため添加物を工夫するというアプローチがなされていた。
しかしながら、本発明者らは、電解質中の過剰な有機溶媒を特定の化合物に代替することにより、電解質層の固体化を可能にしながら、電解質の解離を促進することができることを見出した。さらに、発明者らは、電解質層の固体化により、発電層に吸着している色素が電解質層に溶出することを抑制しつつ、発電特性も良好であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の色素増感太陽電池は、
電極、
電極に対向して配置される対電極、
電極と対電極との間に挟まれた電解質層、および
電極の対電極側の表面に設けられ、増感色素が担持された酸化物半導体粒子からなる発電層、
を有する色素増感太陽電池であって、電解質層が、常温常圧で固体の高分子化合物からなるマトリクス中に電解質が分散されてなる色素増感太陽電池である。
ここで、常温とは、20℃±15℃(5〜35℃)の範囲の温度を意味する。本発明においては、20℃±15℃の範囲のいずれかの温度で固体であればよい。また、常圧とは大気圧に等しい圧力を意味する。
常温常圧で固体の高分子化合物は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも一つを含む構成単位を主鎖に有するものが好ましい。
常温常圧で固体の高分子化合物は、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも一つであることがより好ましい。
常温常圧で固体の高分子化合物は、置換基を有していてもよい。
置換基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アミノ基、アルキルアミノ基、およびアミド基から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
常温常圧で固体の高分子化合物の重量平均分子量は、2000以上であることが好ましい。
ここで、本明細書において、高分子化合物の重量平均分子量は、以下のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;Gel permeation chromatography)およびカラムを用いてポリスチレン換算した重量平均分子量を意味する。
GPC装置:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製)
本発明の色素増感太陽電池は、さらに、電極と発電層との間に、発電層よりも緻密な膜構造を有する逆電子移動防止層を有していてもよい。
逆電子移動防止層の厚さは、1nm以上1μm以下であることが好ましい。
電解質は、I およびIを含み、
の濃度が1〜10mol/Lであり、かつ、Iの濃度が、I の濃度に対して200万倍以上2億倍以下であることが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池は、屋内で使用するためのものであることが好ましい。
本発明によれば、発電層に吸着している増感色素が電解質に溶出することを抑制することができ、電池性能が高く、かつ高温での経時的信頼性が高い色素増感太陽電池を得ることができる。また、新規な化合物を合成する必要が無いため、コスト増大を防止することができる。
図1は、本発明の色素増感太陽電池の一実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明の色素増感太陽電池の他の実施形態を示す概略断面図である。 図3は、実施例及び比較例の電力量の80℃での経時変化を示すグラフである。
以下、本発明の色素増感太陽電池について図面を参照しながら説明する。
[色素増感太陽電池]
図1に示すように、本発明の色素増感太陽電池10は、電極11、電極11に対向して配置される対電極12、電極11と対電極12との間に挟まれた電解質層16、および電極11の対電極12側の表面に設けられ、増感色素14が担持された酸化物半導体粒子13からなる発電層15、を有する色素増感太陽電池であって、電解質層16が、常温常圧で固体の高分子化合物からなるマトリクス中に電解質が分散されてなるものである。電極11にリード線19が接続され、対電極12にリード線18が接続されている。リード線18及び19は電流計20に接続されている。
以下、色素増感太陽電池10の構成要素について説明する。
(電極)
電極11は、色素増感太陽電池10の負極として機能する。電極11の材料については、公知の色素増感太陽電池の負極材料を参照することができる。例えば、高い導電性及び透光性を重視する観点から、酸化亜鉛、インジウム−錫複合酸化物、インジウム−錫複合酸化物層と銀層とからなる積層体、アンチモンがドープされた酸化錫、フッ素がドープされた酸化錫(FTO)等を用いてガラス基板などの透光性基板表面に形成することができる。なかでも、導電性及び透光性が特に高い、ITOおよびFTOが好ましい。
電極11の厚みは任意に定めることができる。例えば、0.3μm〜10μmが好ましい。
電極11の表面抵抗は、例えば約200Ω/□以下の低いものが好ましい。なお、太陽光の下で使用される色素増感太陽電池では、電極11のシート抵抗が10Ω/□程度であることが多い。しかし、屋内用の色素増感太陽電池では、太陽光よりも照度の低い蛍光灯等下での使用が想定され、光電子量(光電流値)が小さく、電極11に含まれる抵抗成分による悪影響を受けにくいため、電極11のシート抵抗は、極端な低抵抗でなく、例えば、20Ω/□〜200Ω/□であってもよい。
(対電極)
対電極12は、色素増感太陽電池10の正極として作用する。対電極12の材質は特に制限は無く、電極11と同様のものを用いることができる。また、対電極12は、電解質の酸化体に電子を与える触媒作用を有する材料を含んでもよい。対電極12としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、ルテニウム等の金属、グラファイト、白金を担持したカーボン、及びインジウム−錫複合酸化物、アンチモンがドープされた酸化錫、フッ素がドープされた酸化錫等の金属酸化物を挙げることができる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフエン)(PEDOT)、ポリチオフェン等の有機半導体等も挙げられる。なかでも、白金、グラファイト等が特に好ましい。
(電解質層)
本発明の色素増感太陽電池10は、電極11と対電極12との間に挟まれた電解質層16を有する。電解質層16は、常温常圧で固体の高分子化合物からなるマトリクス中に電解質が分散されてなるものである。
−マトリクス−
本発明の色素増感太陽電池の電解質層16を構成するマトリクスは、常温常圧で固体の高分子化合物からなるものである。従来の色素増感太陽電池の電解質層には、電解質が分散される媒体として過剰な溶媒が用いられていたが、本発明はその過剰な溶媒に代えて固体の高分子化合物を用いるものである。
マトリクスとしての固体の高分子化合物は、電解質層16中、1wt%以上50wt%以下である。本発明の電解質層16は、電荷移動の媒体としての液体の物質(溶媒を含む)を過剰に含まないものである。しかしながら、後述する添加剤が液体である場合にはその添加量の範囲で液体の添加剤を含有してもよい。
なお、電解質層16は、後述するが、電解質層16の製造過程において溶媒を用いて形成される。その溶媒が残留していてもよい。
また、電解質層16は、製造過程において空気中の水分が微量含有される場合があるが、その濃度は約100ppm(質量基準)以下であることが好ましい。
常温常圧で固体の高分子化合物は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、フッ素原子及びケイ素原子から選ばれる少なくとも一つを含む構成単位を主鎖に有するものが好ましい。
常温常圧で固体の高分子化合物として、具体的には、ポリエチレングリコール(分子量2000〜20000)、ポリエチレンオキシド(分子量20000〜10000000)、ポリビニルピロリドン(分子量10000〜1000000)、ポリビニルアルコール(分子量10000〜100000)を挙げることができる。高温での経時的信頼性の向上の観点からは、好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールであり、より好ましくはポリエチレンオキシドである。
高分子化合物は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アミノ基、アルキルアミノ基、及び、アミド基から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。光電変換効率、及び高温での経時的信頼性を向上させる観点から、カルボニル基より好ましくは、ヒドロキシル基であり、さらに好ましくは、エーテル基である。
なお、高分子化合物の重量平均分子量は、2千以上1000万以下であることが好ましく、2万以上200万以下がより好ましい。特に、重量平均分子量が2万以上であることにより、高温、例えば100℃以上でも色素がマトリクス中に溶解することがないのでセル性能を向上させることができる。また、重量平均分子量が200万以下であることにより、電解質を良好にマトリクス内に分散させることができるので光電変換効率を向上させることができる。
常温常圧で固体の高分子化合物を用いることにより、電解質の解離を促進しながらも電解質の固体化が可能となるうえ、発電層15に吸着している増感色素14が電解質に溶出することを抑制することができる。
−電解質−
電解質としては、色素増感太陽電池に使用されている公知のものを使用することができる。例えば、例えば、I/I 系、Br/Br 系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。これらの中でもI/I 系が特に好ましい。テトラプロピルアンモニウムヨージド等のテトラアルキルアンモニウムヨージド、メチルトリプロピルアンモニウムヨージド、ジエチルジブチルアンモニウムヨージド等の非対称なアルキルアンモニウムヨージド、又は、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物とヨウ素との組合せが好ましい。
これらの化合物は高分子化合物中で電離し、アルキル基を含むアンモニウムイオンを生成する。電解質層16が、アルキル基を含むアンモニウムイオンを含むと、低照度下においても、比較的高い電圧値を達成することができる。
さらには、上記アルキル基を構成する原子のうちの少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、またはハロゲン原子等で置換されていることが好ましい。また、アンモニウムイオンが、複数のアルキル基を含む場合、複数のアルキル基のうちの一部のアルキル基が、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基で置換されていることが好ましい。これらのアンモニウムイオンの電離により生成するヨウ素化合物は、固体の高分子化合物中でイオンとして存在する。
ヨウ素化合物は、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージドや、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)、ブチルメチルイミダゾリウムヨージド(BMII)、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物等であってもよい。
ここで、電解質層16に含まれるIの濃度は1〜10mol/Lであることが好ましい。この濃度は、公知の色素増感太陽電池における電解質層中のIの濃度より格段に高い。さらに、電解質層16中のIの濃度はI の濃度に対して200万〜2億倍の濃度である。この濃度比は、公知の色素増感太陽電池における濃度比よりも格段に高い。I 及びIの濃度は、ヨウ素Iとヨウ化物イオンIを生成する上述のヨウ素化合物との存在比率で決まる。電解質層16の形成方法の詳細については後述するが、電解質層16は、溶媒を含む固体電解質前駆体(塗布組成物)を塗布及び過剰な溶媒の除去工程を経て形成される。固体電解質前駆体中でI及びIは、I+I→I という反応により、I イオンが生成する。よって、I とIとの濃度比を調節するためには、ヨウ素化合物に対して、ごく少量のIを加えることにより、化学反応が進行してごく少量のI を生成させることができる。電解質層16中のI とIの濃度は、核磁気共鳴スペクトル測定法等により測定することができる。
電解質層16中のIの濃度を1〜10mol/Lにすることにより、Iから増感色素14への電子移動を促進するという作用が期待される。電解質層16中のIをI に対して200万〜2億倍の濃度にすることにより、電極11、酸化物半導体粒子13、及び増感色素14からI への電子移動を抑制するという作用が期待される。これらの作用が相挨って、特に、低照度環境下において、発電量の増加と発電電流の増加が期待される。
また、電解質層16中のIの濃度が高いことにより、I の、電極11、酸化物半導体粒子13、及び増感色素14への接触確率が低下するため、発電量がさらに高くなることが期待される。
電解質層16の形成方法は、まず、上記固体の高分子化合物と、電解質とを溶媒中に溶解させて均一に混合して固体電解質前駆体を調製する。次に、この固体電解質前駆体を負極11の発電層15上に塗布する。最後に、加熱、又は、減圧若しくは真空加熱処理によって、過剰な溶媒を除去する。
−添加剤−
電解質層16は添加剤を含有してもよい。添加剤として、ピリジン、ピリジン誘導体、イミダゾール、及びイミダゾール誘導体からなる群や、ホウ酸トリ−o−クレシルエステル((CHO)B)などが挙げられる。
添加剤の含有量は、電解質層16中0.1wt%以上20wt%未満含有されることが好ましい。より好ましくは、1wt%以上10wt%未満である。
(発電層)
発電層15は、電極11の対電極12側の表面に設けられ、増感色素14が担持された酸化物半導体粒子13からなる。
−増感色素−
増感色素14の材質は、例えば、金属錯体色素、有機色素など各種色素を用いることができる。金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、ルテニウム−トリス錯体、ルテニウム−ビス錯体、オスミウム−トリス錯体、オスミウム−ビス錯体などの、遷移金属錯体、または亜鉛−テトラ(4−力ルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、及びフタロシアニン等が挙げられる。有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、カルバゾール化合物系色素等が挙げられる。
増感色素14の付与方法は、特に限定は無く、例えば、増感色素14を含む溶液を、酸化物半導体粒子13からなる層上に塗布した後、乾燥する方法がある。または、酸化物半導体粒子13を設けた電極11を増感色素14を含む溶液に浸漬した後、乾燥する方法もある。増感色素14を含む溶液の溶媒としては、例えば、水、アルコール、アセトニトリル、トルエン、及びジメチルホルムアミド等が挙げられる。
−酸化物半導体粒子−
発電層15を構成する酸化物半導体粒子13の個々の粒子サイズは概ね直径5nm〜1μmが好ましい。
発電層15を構成する酸化物半導体粒子13としては、例えば、Cd,Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Cr、Nb等の金属の酸化物、SrTiO、CaTiO等のペロブスカイト型酸化物等が挙げられる。これらの酸化物のうち1種でもよく、2種以上を含む複合体としてもよい。なかでも、化学的に安定で、光電変換特性が優れるTiOが好ましい。
酸化物半導体粒子13は、電子を粒子表面に担持され光を吸収した増感色素14から電極11に受け渡す役割を担い、かつ酸化物半導体粒子13付近に存在する微小な空隙に電解質を保持する作用を担っている。
発電層15の厚さは、100nm以上40μm以下であることが好ましい。100nm以上であることによりI の電極11への接触を良好に抑制することができる。また、40μm以下であることにより、電子を電極11に良好に移動させることができる。
発電層15は、例えば、酸化物半導体粒子13を含むペーストを塗布した後乾燥および加熱する方法等により製造することができる。
(逆電子移動防止層)
本発明の増感色素太陽電池は、図2に示すように、さらに、電極11と発電層15との間に、逆電子移動防止層17を有してもよい。逆電子移動防止層17は、酸化物半導体粒子からなり、発電層15よりも緻密な膜構造を有するものである。逆電子移動防止層17に用いられる酸化物半導体粒子は、発電層15の酸化物半導体粒子13と同様の材料を用いることができる。そして、逆電子移動防止層17の酸化物半導体粒子と、発電層15の酸化物半導体粒子13は、同一材料でもよく、異なってもよい。逆電子移動防止層17を有する場合、増感色素14は、逆電子移動防止層17の表面の少なくとも一部に吸着されることが好ましい。または、増感色素14と酸化物半導体粒子13とは混然一体として存在してもよい。
緻密な膜構造を成す逆電子移動防止層17の存在は、断面構造の化学組成分析を伴う電子顕微鏡観察によって確認することができる。具体的には、電極11の表面に対して対電極12側から電極11の表面へ近づくにつれて、相対的に粒子サイズの大きな酸化物半導体粒子13が部分的に隙間を空けて集積している様子が観察され、さらに電極11の表面へと近づくと、相対的に粒子サイズの小さな酸化物半導体粒子が密集してなる膜構造が観察され、この膜構造が逆電子移動防止層17であると同定することができる。
また、逆電子移動防止層17を構成する酸化物半導体粒子の個々のサイズは概ね直径0.1〜5nmが好ましい。逆電子移動防止層17は、発電層15の酸化物半導体粒子13とは相異なる作用を担っていると推察される。逆電子移動防止層17は、I の電極11への接触を抑制するという役割を担っていると考えられる。
逆電子移動防止層17の厚さは、1nm以上1μm以下であることが好ましい。1nm以上であることによりI の電極11への接触を良好に抑制することができる。また、1μm以下であることにより、電子を電極11に良好に移動させることができる。
−逆電子移動防止層の製造方法−
緻密な膜構造を成す逆電子移動防止層17の製造方法としては、目的の酸化物を構成する金属を含むアルコキシドを用いたゾルゲル法などが挙げられる。この製造方法に限らず、微粒子からなる成膜方法に関する従来技術を適宜参照することができる。
(その他の構成要素)
上記構成要素に加えて、本発明の色素増感太陽電池は、封止層を有してもよい。封止層は、熱、光、電子線等で硬化する樹脂接着剤、例えばアクリル樹脂接着剤やエポキシ樹脂接着剤を封止部に塗布した後、硬化させることによって作製することができる。スペーサーとしては、5〜100μmの一定の厚みを有するポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等の高分子フィルムを用いることができる。
本発明の色素増感太陽電池は、屋外用及び屋内用のいずれの装置にも使用することができるが、特に、低照度環境下での使用に適しており、屋内での使用される電子機器等に搭載されることも好ましい。例えば、本発明により、照度200ルクスの低照度環境下で、発電量が3.5×10−6W/cm以上であり、電流値が8.2×10−6A/cm以上である色素増感太陽電池を容易に得ることができる。
本発明の色素増感太陽電池は低照度環境下での使用に優れることから、これを電子部品内に搭載して使用することもできる。電子部品としては、例えば、本発明の色素増感太陽電池を主電源あるいは補助電源として組み込んだワイヤレスセンサ、ビーコン等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1の色素増感太陽電池として、図2に示す態様の色素増感太陽電池を作製した。
ガラス/FTO基板のFTO(負極、電極11に相当する)表面に、チタンアルコキシドから調製したアルコール溶液を塗布し、550℃で加熱することにより逆電子移動防止層17を形成した。
次に、酸化チタンペースト(商品名「PST−30NRD」、日揮触媒化成製)をスクリーン印刷法により1cmの面積で印刷を行った。塗布した酸化チタンペーストをガラス/FTO基板ごと550℃で30分程度加熱し、酸化チタンペースト中に含まれる有機物成分を消失させて酸化チタン粒子の層を形成した。
このようにして得られた酸化チタン粒子の層を、アセトニトリルとt−ブタノールを体積比率1:1で混合した有機溶媒に溶解させて調製した増感色素14を含む溶液(ルテニウム錯体色素:CYC−B11(K)、濃度:0.2mM、田中貴金属工業株式会社製)に浸漬し、50℃で4時間静置することで酸化物チタン粒子(酸化物半導体粒子13)に増感色素14を吸着させ、発電層15を形成した。
別途、ガラス/FTO基板のFTO表面に白金をスパッタし、正極(対電極12に相当する)を作製した。
−固体電解質前駆体の調製−
1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)、ヨウ素I、ポリエチレンオキシド(Johnson Matthey社製のAlfa Aesar(登録商標)、重量平均分子量1000000)を、アセトニトリル中、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリエチレンオキシドが4.38wt%となるように、均一に混合して固体電解質前駆体を調製した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
固体電解質前駆体を、負極(電極11)の発電層15上に、20μL滴下し、発電層15を100℃に加熱して5分間維持することで、固体電解質前駆体に含まれる過剰なアセトニトリルを揮発させ、電解質層16を形成した。加熱の際、減圧工程を組み合わせてもよい。
正極12の白金上に枠状に封止材料を塗布し、所定の処理を行うことで封止準備を行った。なお、封止剤は必要に応じてガラス/FTO基板上の発電層15側にも形成することができる。電解質層16を浸漬させた発電層15を室温に戻し、発電層15側を正極12の白金側と対向させ、封止材料で正負両極を減圧又は真空封止することで小型の色素増感太陽電池を作製した。
[実施例2]
固体電解質前駆体への添加高分子化合物としてのポリビニルピロリドンK90(重量平均分子量360000、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
−固体電解質前駆体の調製−
アセトニトリル中、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリビニルピロリドンが4.38wt%となるように、均一に混合して固体電解質前駆体を調製した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
[実施例3]
固体電解質前駆体への添加高分子化合物として、ポリビニルアルコール(重合度2000、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
−固体電解質前駆体の調製−
アセトニトリル及び水の混合溶媒中、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリビニルアルコールが4.38wt%となるように、均一に混合して固体電解質前駆体を調製した。アセトニトリルおよび水の混合溶媒は87.4wt%であった。
[実施例4]
固体電解質前駆体への添加高分子化合物として、ポリエチレングリコール(重量平均分子量2000、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
−固体電解質前駆体の調製−
アセトニトリル中、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリエチレングリコール2000が4.38wt%となるように、均一に混合して固体電解質前駆体を調製した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
[実施例5]
固体電解質前駆体への添加高分子化合物として、ポリエチレングリコール(重量平均分子量20000、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
−固体電解質前駆体の調製−
アセトニトリル中、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリエチレングリコール20000が4.38wt%となるように、均一に混合して固体電解質前駆体を調製した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
[実施例6]
逆電子移動防止層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
ガラス/FTO基板のFTO(負極、電極11に相当する)表面に逆電子移動防止層を形成すること無く、酸化チタンペースト(商品名「PST−30NRD」、日揮触媒化成製)をスクリーン印刷法により1cmの面積で印刷を行った。
[比較例1]
固体電解質前駆体への添加高分子化合物として、ポリエチレングリコール(重量平均分子量200、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
−固体電解質前駆体の調製−
アセトニトリル中、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリエチレングリコール200が4.38wt%となるように、均一に混合して固体電解質前駆体を調製した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
[比較例2]
電解液としてゲル化電解質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
ゲル化電解質前駆体として、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)、ヨウ素I、ポリエチレンオキシド、及び、溶媒としてのプロピレンカーボネートを、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、ポリエチレンオキシドが2.19wt%、溶媒としてプロピレンカーボネートが2.19wt%となるように、アセトニトリル中で均一に混合した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
前駆体中の過剰なアセトニトリルを、固体電解質前駆体を100℃で加熱することにより除去した。
[比較例3]
固体の高分子化合物の代わりに電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
電解液前駆体として、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)、及びヨウ素I、溶媒としてのプロピレンカーボネートを、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)が8.19wt%、ヨウ素Iが4.2×10−7wt%、プロピレンカーボネートが4.38wt%となるように、アセトニトリル中で均一に混合した。アセトニトリルは87.4wt%であった。
過剰なアセトニトリルを、電解液前駆体を100℃で加熱することにより除去した。
[電池性能評価]
<低照度の場合>
実施例及び比較例の色素増感太陽電池について、低照度の白色LED電球(照度:200ルクス)を照射した場合における発電量及び電流値を評価した。評価結果を表1に示す。








表1に示すように、実施例の本発明の色素増感太陽電池は、固体電解質前駆体に添加する高分子化合物の種類を変えても良好な発電量と電流値を示した。
また、実施例1、実施例4、及び実施例5から、固体電解質前駆体に添加する高分子化合物の種類をポリエチレングリコール及びポリエチレンオキシドに固定し、それらの分子量を変えた場合でも、良好な発電量と電流値を示した。
一方、比較例1に示すように、常温常圧で液体であるポリエチレングリコール(分子量200)を用いた場合には、発電量と電流値が低下した。
また、実施例及び比較例の色素増感太陽電池の発電量及び電流値は、固体電解質(実施例1)、ゲル化電解質(比較例2)、及び電解液(比較例3)のいずれも同等であった。すなわち、溶媒としてのプロピレンカーボネートを含まない(実施例1)ことによるセル性能の低下は見られなかった。
<中照度の場合>
実施例及び比較例の色素増感太陽電池について、中照度の白色LED電球(照度:10000ルクス)を照射した場合における発電量及び電流値を評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例の本発明の色素増感太陽電池は、中照度照射の場合においても、固体電解質前駆体に添加する高分子化合物の種類を変えても良好な発電量と電流値を示した。また、実施例1、実施例4、及び実施例5に示すように、固体電解質前駆体に添加する高分子化合物の種類をポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドに固定して、その分子量を変えた場合でも、良好な発電量と電流値を示した。
一方、常温常圧で液体であるポリエチレングリコール(分子量200)用いた場合には、発電量と電流値が低下した。
<高照度の場合>
実施例及び比較例の色素増感太陽電池について、高照度の擬似太陽光(1SUN、照度:108000ルクス)を照射した場合における発電量及び電流値を評価した。評価結果を表3に示す。
表3に示すように、本発明の色素増感太陽電池は、高照度照射の場合においては、固体電解質前駆体に添加する高分子化合物の種類をポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドに固定して、その分子量を変えた場合に、低照度および中照度と相関した発電量と電流値を示していないことがわかる。これは、固体電解質中の電解質の比率が高照度領域にマッチしていないためと推測される。
一方、比較例1に示すように、常温常圧で液体であるポリエチレングリコール(分子量200)を用いた場合には、電流値は高いものの発電量は大きく低下した。
[80℃での電力保持率]
実施例1、比較例2、及び比較例3の色素増感太陽電池を80℃信頼性試験に投入し、80℃保持時間に対する電力量を観察した。条件は以下の通りである。
試験条件(温度湿度):80℃、0%RH
測定条件(照度):白色LED、200ルクス
初期の電力量を1として80℃保持時間に対する電力比を図3に示す。
図3に示すように、過剰な溶媒を含まない固体電解質を用いた実施例1は1000時間後も電力保持率は90%以上となった。
一方、溶媒としてのプロピレンカーボネートを含むゲル化電解質を用いた比較例2は、約400時間で電力保持率が80%以下となり、溶媒としてのプロピレンカーボネートを含む電解液を用いた比較例3は20時間後には電力保持率が50%程度に低下した。
10 色素増感太陽電池
11 電極(負極)
12 対電極(正極)
13 酸化物半導体粒子
14 増感色素
15 発電層
16 電解質層
17 逆電子移動防止層
18、19 リード線
20 電流計

Claims (10)

  1. 電極、
    該電極に対向して配置される対電極、
    前記電極と前記対電極との間に挟まれた電解質層、および
    前記電極の前記対電極側の表面に設けられ、増感色素が担持された酸化物半導体粒子からなる発電層、
    を有する色素増感太陽電池であって、
    前記電解質層が、常温常圧で固体の高分子化合物からなるマトリクス中に電解質が分散されてなる色素増感太陽電池。
  2. 前記高分子化合物が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも一つを含む構成単位を主鎖に有する請求項1記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記高分子化合物が、ポリエチレンオキシドである請求項2記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記高分子化合物が、置換基を有する請求項1から3いずれか1項記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記置換基が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アミノ基、アルキルアミノ基、およびアミド基から選ばれる少なくとも一つである請求項4記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記高分子化合物の重量平均分子量が、2000以上である請求項1から5いずれか1項記載の色素増感太陽電池。
  7. さらに、前記電極と前記発電層との間に、前記発電層よりも緻密な膜構造を有する逆電子移動防止層を有する請求項1から6いずれか1項記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記逆電子移動防止層の厚さが、1nm以上1μm以下である請求項1から7いずれか1項記載の色素増感太陽電池。
  9. 前記電解質が、I およびIを含み、
    の濃度が1〜10mol/Lであり、かつ、Iの濃度が、I の濃度に対して200万倍以上2億倍以下である請求項1から8いずれか1項記載の色素増感太陽電池。
  10. 屋内で使用するためのものである請求項1から9いずれか1項記載の色素増感太陽電池。
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