JP2019117864A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再配線層に対する封止樹脂の密着性を向上させることができる半導体装置およびその製造方法を提供する。【解決手段】パッド17が形成された第1面8を有する半導体層2と、半導体層2の第1面8を覆うように形成された下地層3と、下地層3上に形成され、パッド17から半導体層2の第1面8に沿う方向に延びる再配線層4と、再配線層4を覆うように形成された封止樹脂5と、封止樹脂5の第1面36に配置され、再配線層4と電気的に接続された外部端子7とを含み、下地層3には、再配線層4の端縁34から再配線層4の下方領域へ半導体層2の第1面8に沿う方向に延びる凹部6が形成されており、封止樹脂5の一部が凹部6を介して再配線層4の下方領域に入り込んでいる。【選択図】図5

Description

本発明は、再配線層を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
たとえば、特許文献1は、シリコン基板と、シリコン基板上の端子パッドと、WL−CSPの再配線によって端子パッドに接続された接続配線と、接続配線を封止するモールド樹脂(封止樹脂)と、モールド樹脂上のバンプと、モールド樹脂内に形成され、接続配線とバンプとを接続する銅ポストとを備える、半導体装置を開示している。
特開2007−134552号公報
上記のような半導体装置は、たとえば、配線基板等のランドに外部端子としてのバンプが接続された状態で、配線基板と半導体装置との間に樹脂(アンダーフィル剤)が注入される。そして、アンダーフィル剤を熱硬化させることによって、半導体装置の実装が完了する。
しかしながら、この実装時のアンダーフィル剤による樹脂応力や熱履歴によって、半導体装置内においては、再配線層(接続配線)とモールド樹脂との間に応力がかかることがある。そのため、再配線層に対するモールド樹脂の密着性は、比較的高い方が好ましい。
そこで、本発明の一実施形態は、再配線層に対する封止樹脂の密着性を向上させることができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、パッドが形成された第1面を有する半導体層と、前記半導体層の前記第1面を覆うように形成された絶縁性の下地層と、前記下地層上に形成され、前記パッドから前記半導体層の前記第1面に沿う方向に延びる再配線層と、前記再配線層を覆うように形成された封止樹脂と、前記封止樹脂の前記半導体層側の面とは反対側の第1面に配置され、前記再配線層と電気的に接続された外部端子とを含み、前記下地層には、前記再配線層の端縁から前記再配線層の下方領域へ前記半導体層の前記第1面に沿う方向に延びる凹部が形成されており、前記封止樹脂の一部が前記凹部を介して前記再配線層の下方領域に入り込んでいる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、パッドが形成された第1面を有する半導体層の前記第1面を覆うように、絶縁性の下地層を形成する工程と、前記半導体層の前記第1面に沿うように、前記パッドから延びる再配線層を形成する工程と、前記再配線層から露出する前記下地層を等方的に除去することによって、前記下地層に、前記再配線層の端縁から前記再配線層の下方領域へ前記半導体層の前記第1面に沿う方向に延びる凹部を形成する工程と、前記再配線層を覆うように、かつ記凹部を介して前記再配線層の下方領域に入り込むように封止樹脂を形成する工程と、前記封止樹脂の前記半導体層側の面とは反対側の第1面に、前記再配線層と電気的に接続されるように外部端子を形成する工程とを含む。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な斜視図である。 図2は、図1の半導体装置の底面図であって、一部を透視して示している。 図3Aは、図2の二点鎖線IIIAで囲まれた部分の拡大図である。 図3Bは、図2の二点鎖線IIIBで囲まれた部分の拡大図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図5は、図4の二点鎖線Vで囲まれた部分の拡大図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部のSEM画像を図面化したものである。 図7は、図6の要部拡大図である。 図8Aは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を示す図である。 図8Bは、図8Aの次の工程を示す図である。 図8Cは、図8Bの次の工程を示す図である。 図8Dは、図8Cの次の工程を示す図である。 図8Eは、図8Dの次の工程を示す図である。 図8Fは、図8Eの次の工程を示す図である。 図8Gは、図8Fの次の工程を示す図である。 図8Hは、図8Gの次の工程を示す図である。 図8Iは、図8Hの次の工程を示す図である。 図8Jは、図8Iの次の工程を示す図である。 図8Kは、図8Jの次の工程を示す図である。 図8Lは、図8Kの次の工程を示す図である。 図8Mは、図8Lの次の工程を示す図である。 図8Nは、図8Mの次の工程を示す図である。 図8Oは、図8Nの次の工程を示す図である。 図8Pは、図8Oの次の工程を示す図である。 図8Qは、図8Pの次の工程を示す図である。 図9は、本発明の他の実施形態に係る半導体装置の模式的な斜視図である。 図10は、図9の半導体装置の要部を示す断面図である。 図11は、本発明の他の実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の模式的な斜視図である。図2は、図1の半導体装置1の底面図であって、一部を透視して示している。より具体的には、封止樹脂5を透視して示している。図3Aおよび図3Bは、それぞれ、図2の二点鎖線IIIAおよびIIIBで囲まれた部分の拡大図である。図4は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の模式的な断面図である。なお、図4は、この実施形態の説明に必要な構成を模式的に示したものであり、図1および図2に示す半導体装置1の特定位置での断面を示すものではない。図5は、図4の二点鎖線Vで囲まれた部分の拡大図である。図6は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の要部のSEM画像を図面化したものである。図7は、図6の要部拡大図である。なお、図6および図7の構造は、図1〜図5に示した構造と完全に一致するものではないが、本発明の特徴を備えているという点では共通している。
半導体装置1は、パッケージ形式としてWL−CSP(Wafer Level Chip Size Package)が適用された半導体装置である。半導体装置1のサイズは、たとえば、長さL=0.3mm〜10mm、幅W=0.3mm〜10mm、高さH=0.1mm〜2mmであってもよい。
半導体装置1は、半導体層2と、下地層3と、再配線層4と、封止樹脂5と、外部端子7とを含む。
半導体層2としては、たとえば、Si基板、SiC基板等の各種半導体素材を適用できる。半導体層2は、たとえば、50μm〜1000μmの厚さを有する四角板状に形成されており、第1面8と、当該第1面8の四辺それぞれから延びる4つの第2面9と、第1面8の反対側の第3面10とを有している。別の言い方で、第1面8を半導体層2の表面、第2面9を半導体層2の側面、および第3面10を半導体層2の裏面と称してもよい。
この実施形態では、半導体装置1にWL−CSPが適用されていることから、半導体層2の側面である第2面9がパッケージ端面として露出している。一方、半導体層2の裏面である第3面10には、保護層11が形成されている。
保護層11は、この実施形態のように、半導体層2の第3面10の全面を覆っていてもよいし、第3面10の一部を選択的に露出させるように覆っていてもよい。保護層11としては、たとえば、エポキシ樹脂等の絶縁材料を適用できる。保護層11の厚さは、たとえば、5μm〜100μmである。
半導体層2の第1面8には、素子12が形成されている。素子12は、たとえば、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)やダイオード等の能動素子、抵抗やキャパシタ等の受動素子を含んでいてもよい。
また、半導体層2の第1面8には、素子12を覆うように絶縁層13が形成されている。絶縁層13は、この実施形態のように、半導体層2の第1面8の全面を覆っていてもよいし、第1面8の一部を選択的に露出させるように覆っていてもよい。
絶縁層13は、半導体層2の第1面8に単層構造として形成されていてもよいし、多層構造として形成されていてもよい。多層構造の絶縁層13が適用される場合、積層方向に隣り合う絶縁層13の間に素子12に電気的に接続される配線を設けることによって、絶縁層13が多層配線構造として構成されていてもよい。
また、絶縁層13としては、たとえば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料を適用できる。
絶縁層13上には、素子12に電気的に接続された配線14が形成されている。配線14としては、たとえば、再配線層4とは異なる材料からなる配線(Al配線等)を適用できる。
この配線14を覆うように、表面保護層15が形成されている。表面保護層15としては、たとえば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料を適用できる。
表面保護層15には、配線14の一部をパッド17として露出させる四角形状のパッド開口16が形成されている。この実施形態では、パッド開口16から露出するパッド17は、複数形成されている。
複数のパッド17は、図2に示すように、半導体層2の第1面8上に多数設けられており、規則的に配列されていてもよいし、不規則的に配列されていてもよい。たとえば、図2の第1パッド群18のように、複数のパッド17が互いに等しい間隔を空けて直線状に規則的に配列されていてもよいし、第2パッド群19のように、複数のパッド17が互いに等しい間隔を空けて屈曲するように規則的に配列されていてもよい。また、図2の第3パッド群20のように、複数のパッド17が互いに異なる間隔を空けて不規則的に配列されていてもよい。
下地層3は、表面保護層15を覆うように形成されている。下地層3としては、たとえば、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を適用できる。また、下地層3の厚さは、3μm〜20μmである。
下地層3は、図5に示すように、パッド開口16においては、パッド17の露出を確保するように、パッド開口16の周縁部を選択的に覆っている。つまり、下地層3の一部がパッド開口16に入り込み、パッド開口16の側面を覆っている。
再配線層4は、パッド17から半導体層2の第1面8に沿って下地層3上に形成されている。再配線層4は、平面形状(底面形状)として、様々な形状を有している。たとえば、図2に示すように、再配線層4は、複数のパッド17のうち一つのパッド17に接続された第1再配線層21や、複数のパッド17に共通に接続された第2再配線層22を含んでいてもよい。
図2および図3Aを参照して、この実施形態では、第1再配線層21は、パッド17を覆うようにパッド17の直上領域に配置され、パッド開口16を介してパッド17に接続された第1コンタクト部23と、パッド17の直上領域から第1面8に沿う方向に離れた領域であって、外部端子7の直下領域に配置された第1ランド部24と、第1コンタクト部23から半導体層2の第1面8に沿って第1ランド部24まで延びる第1配線部25とを含む。
この実施形態では、第1再配線層21に、一つの外部端子7が電気的に接続されていることによって、一つのパッド17と一つの外部端子7とが一対一で電気的に接続されている。各パッド17は、図3Aに示すように、対応する外部端子7に隣接して配置されていてもよい。また、各パッド17は、図2に示すように(図3Aのパターンは除く)、対応する外部端子7との間に当該パッド17と電気的に分離された別の外部端子7を挟むように、離れて配置されていてもよい。互いに対応するパッド17と外部端子7とが離れている場合、第1配線部25は、隣り合う別の外部端子7の間の領域を通過するように延びていてもよい。
また、たとえば図3Aに示すように、第1コンタクト部23は、平面視(底面視)において、パッド17よりも大きな四角形状であってもよい。第1ランド部24は、平面視(底面視)において、外部端子7よりも大きな多角形状であってもよい。第1配線部25は、平面視(底面視)において、直線状であってもよい。
一方、図2および図3Bを参照して、この実施形態では、第2再配線層22は、複数のパッド17を一括して覆うようにパッド17の直上領域に配置され、パッド開口16を介して複数のパッド17に接続された第2コンタクト部26と、パッド17の直上領域から第1面8に沿う方向に離れた領域であって、外部端子7の直下領域に配置された第2ランド部27と、第2コンタクト部26から半導体層2の第1面8に沿って第2ランド部27まで延びる第2配線部28とを含む。
この実施形態では、図3Bに示すように、第2再配線層22に、複数の外部端子7が電気的に接続されていることによって、複数のパッド17と複数の外部端子7とが一括して電気的に接続されている。
第2再配線層22に複数の外部端子7が電気的に接続されている場合、一つの外部端子7の直下の第2ランド部27と、別の外部端子7の直下の第2ランド部27とは、これら第2ランド部27よりも狭い幅を有する連結部29によって接続されていてもよい。また、一つの第2再配線層22に電気的に接続された複数の外部端子7は、行列パターンで配列された外部端子7において、互いに隣り合う位置であってもよい。
一方、図2に示すように、複数のパッド17に電気的に接続された第2再配線層22に、一つの外部端子7が電気的に接続されていてもよい。
また、たとえば図3Bに示すように、第2再配線層22に関して、第2コンタクト部26、第2ランド部27および第2配線部28は、平面視(底面視)において、個々の形状が区別されず、全体として多角形状であってもよい。
次に、図4および図5を参照して、再配線層4の断面形状を説明する。この断面形状は、上記第1再配線層21および第2再配線層22に共通する構成であり、図面の明瞭化のため、第1再配線層21と第2再配線層22とを区別せずに説明する。
まず、図4に示すように、再配線層4は、一方表面およびその反対側の他方表面がパッド開口16の内面に沿うように形成された第1層30と、第1層30上に形成され、パッド開口16内に一部が埋め込まれた第2層31とを含む。第1層30は、外部端子7(はんだ端子)の下方に配置され、外部端子7をパッド17に電気的に接続するためのものであり、たとえば、UBM(Under Bump Metal)と称してもよい。また、第2層31は、第1層30上に形成する際の手法(後述)に基づいて、めっき層と称してもよい。
第1層30は、さらに、図5に示すように、パッド17に近い側の下層32と、下層32とは異なる導電材料からなる下層32上の上層33とを含み、下層32は、上層33の端縁34に対して上層33の下方領域へ後退した端縁35を有している。
また、再配線層4の材料としては、たとえば、第1層30の下層32と上層33とが互いに異なる材料からなり、第2層31が、第1層30の上層33と同じ材料からなっていてもよい。より具体的には、第1層30の下層32がTiからなり、第1層30の上層33がCuからなり、第2層31がCuからなっていてもよい。この場合、第1層30の上層33と第2層31とがいずれもCuからなるため、これらの界面は、図5に示すように明確に形成されていなくてもよい。つまり、半導体装置1の製造途中において、第1層30の上層33と第2層31とが一体化されていてもよい。また、再配線層4の厚さ(高さ)は、5μm〜15μmであってもよい。
そして、この半導体装置1では、下地層3には、凹部6が形成されている。たとえば、図5に示すように、凹部6は、再配線層4から露出する下地層3の部分に形成され、再配線層4の半導体層2の第1面8側の面(たとえば、下面)42よりも、半導体層2の第1面8に近い底面43を有するように形成されている。
凹部6は、図3Aおよび図3Bに示すように、各再配線層4の外方に形成され、平面視で再配線層4から露出する露出部60と、再配線層4の端縁(この実施形態では、端縁34)から再配線層4の下方領域へ半導体層2の第1面8に沿う方向に延びて形成され、平面視では再配線層4に覆われて隠れる隠蔽部61とを含む。
露出部60の底面43は、図7のように、粗面化された凹凸構造62を有している。
隠蔽部61は、図3Aおよび図3Bに破線で示すように、各再配線層4の周縁全周に連続して、再配線層4の下方領域に形成されている。つまり、隠蔽部61は、各再配線層4に独立して形成され、平面視における再配線層4と同じ輪郭を有している。また、各隠蔽部61は、図5〜図7に示すように、半導体層2の第1面8へ膨出するように湾曲する曲面63を有している。なお、図7では、絶縁層13が、複数積層された配線層64と、これらの配線層64を接続するビア65とを含む多層配線構造として示されている。
また、この実施形態では、凹部6は、図4に示すように、再配線層4から露出する下地層3の部分の全体に形成されており、隣り合う再配線層4の間に跨って形成されている。つまり、一つの再配線層4(たとえば、図4の紙面左側の再配線層4)の隠蔽部61と、別の再配線層4(たとえば、図4の紙面右側の再配線層4)の隠蔽部61とが、共通の露出部60を介して連続している。
封止樹脂5は、再配線層4を覆うように、半導体層2の第1面8側に形成されている。封止樹脂5は、たとえば、10μm〜200μmの厚さを有する四角板状に形成されており、半導体層2側の面とは反対側の第1面36と、当該第1面36の四辺それぞれから延びる4つの第2面37とを有している。別の言い方で、第1面36を封止樹脂5の表面、第2面37を封止樹脂5の側面と称してもよい。
この実施形態では、半導体装置1にWL−CSPが適用されていることから、図1に示すように、封止樹脂5の側面である第2面37がパッケージ端面として露出している。当該封止樹脂5の第2面37は、半導体層2の第2面9と同一平面上に形成されている。また、封止樹脂5の第1面36は、半導体装置1において外部端子7が配置される面であり、パッケージの実装面として露出している。
また、封止樹脂5としては、各種樹脂を適用することができ、たとえば、エポキシ樹脂を適用できる。また、封止樹脂5は、図5および図7に示すように、下地層3の凹部6の隠蔽部61に入り込むことで、再配線層4の端縁34から再配線層4の下方領域に突出し、再配線層4と下地層3との間に挟まれた第1部分66を有している。
封止樹脂5の第1面36には、外部端子7が配置されている。外部端子7は、図2に示すように、平面視(底面視)において、行列パターンで配列されている。この実施形態では、10×10のパターンで配列されている。また、外部端子7の材料としては、たとえば、はんだ、Au/Ni等を適用でき、この実施形態では、外部端子7が、球状のはんだ端子(はんだバンプ)で構成されている。
各外部端子7は、この実施形態では、中間導電材39を介して再配線層4に電気的に接続されている。
中間導電材39は、封止樹脂5の第1面36から再配線層4に達するように封止樹脂5を厚さ方向に貫通して設けられている。中間導電材39は、たとえば、再配線層4(第1ランド部24および第2ランド部27)から鉛直に延びる柱状(円柱状)に形成されており、その形態に基づいて、ポストと称してもよい。
中間導電材39の厚さ(高さ)は、再配線層4の厚さよりも厚く、たとえば、90μm〜110μmであってもよい。そして、各外部端子7は、封止樹脂5の第1面36に露出する中間導電材39の端面40に接合されている。
この実施形態では、図4および図5に示すように、半導体層2の第1面8側に、半導体層2の第2面9に形成された段差によって生じた凹部45が形成されている。凹部45は、半導体層2の外周全周にわたって形成されている。
この凹部45は、下地層3の半導体層2側とは反対側の面から半導体層2へ向かって形成されている。凹部45は、下地層3および半導体層2に跨って形成され、半導体層2の第2面9に対して傾斜した第1壁面46と、第1壁面46の半導体層2側の端部において第1壁面46と連なって形成され、第1壁面46とは異なる角度で傾斜した第2壁面47とを有している。第1壁面46と第2壁面47とは、たとえば90°を超える角度で交差している。
そして、封止樹脂5が凹部45に入り込み、凹部45に入り込んだ封止樹脂5の部分48の第2面37が、図1に示すように、パッケージ端面として露出している。当該封止樹脂5の部分48の第2面37は、半導体層2の第2面9と同一平面上に形成され、パッケージ端面においては、その全周にわたって半導体層2の第2面9と封止樹脂5の第2面37との境界49が形成されている。
図8A〜図8Qは、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の製造方法の一部を工程順に示す図である。
半導体装置1を製造するには、図8Aに示すように、たとえば、ウエハ状の半導体層2(たとえば、200μm〜1000μm厚)が準備され、当該半導体層2に素子12が形成される。素子12の形成後、素子12を覆う絶縁層13が形成され、絶縁層13上に配線14が形成される。
次に、配線14を覆うように絶縁層13上に表面保護層15が形成され、当該表面保護層15をパターニングすることによってパッド開口16が形成され、配線14の一部がパッド17として露出する。
次に、たとえば、スピンコート法、スプレーコート法等によって、表面保護層15上に下地層3が形成される。その後、下地層3をパターニングすることによって、下地層3で覆われていたパッド17が露出する。パッド開口16内には、下地層3がパッド開口16の側面を覆った状態で残ることとなる。
次に、図8Bに示すように、たとえば、スパッタリングによって、下地層3上に再配線層4の第1層30が形成される。なお、図8Bでは示さないが、第1層30は、下層32および上層33(図5参照)がこの順に積層されることによって形成されてもよい。
次に、図8Cに示すように、第1層30上に、たとえばフォトレジスト等のマスク材料が塗布され、このマスク材料をパターニングすることによって、マスク51が形成される。マスク51は、再配線層4のパターンと同じパターンを有する開口52を有している。
次に、図8Dに示すように、たとえば、めっき法によって、再配線層4の第2層31が、マスク51の開口52から露出する第1層30の部分から成長する。これにより、第1層30および第2層31からなる再配線層4が形成される。なお、この段階では、各第2層31に接する第1層30は、マスク51で覆われた部分(マスク51の下方の部分)を介して互いに連なっている。
次に、図8Eに示すように、マスク51が除去される。
次に、図8Fに示すように、たとえばドライフィルム等のマスク材料が塗布(ラミネート)されることによって、再配線層4上にマスク53が形成される。
次に、図8Gに示すように、マスク53をパターニングすることによって、マスク53に、中間導電材39のパターンと同じパターンを有する開口54が形成される。
次に、図8Hに示すように、たとえば、めっき法によって、中間導電材39が、マスク53の開口54から露出する再配線層4(第2層31)の部分から成長する。これにより、再配線層4から鉛直に延びる中間導電材39が形成される。
次に、図8Iに示すように、マスク53が除去される。
次に、図8Jに示すように、たとえば、ウエットエッチングによって、再配線層4の第1層30のうち、第2層31から露出する部分が除去される。これにより、隣り合う再配線層4の間に、下地層3が露出する。この際、第1層30の下層32(たとえば、Ti)が、第2層31や中間導電材39(たとえば、Cu)と異なる材料であることによって、第1層30の上層33の除去後、下層32を選択的に除去することができる。また、隣り合う再配線層4間の短絡を防止するために下層32をオーバーエッチングしてもよく、このオーバーエッチングによって、図5に示すように、下層32の端縁35が、上層33の端縁34に対して上層33の下方領域へ後退してもよい。
次に、図8Kに示すように、たとえば、ダイシングブレード等のカッターが半導体層2の第1面8側から半導体層2の厚さ方向途中部まで入れられることによって、下地層3から半導体層2の厚さ方向途中部に達する溝55が形成される(ハーフカット)。この際、溝55が、図5に示すような傾斜角が互いに異なる第1壁面46および第2壁面47を有するように、カッターの先端形状を選択してもよい。溝55は、互いに対向する第1壁面46および第2壁面47によって区画され、その底部には、第2壁面47同士が交差してなる先端部56が形成される。
次に、図8Lに示すように、たとえば、アッシング処理によって、再配線層4から露出する下地層3が等方的にエッチングされる。これにより、前述した形状の凹部6が形成される。
次に、図8Mに示すように、再配線層4を覆うように封止樹脂5が形成される。封止樹脂5は、中間導電材39が完全に隠れる厚さで形成される。この際、凹部6の隠蔽部61および溝55にも、封止樹脂5が入り込む。
次に、図8Nに示すように、たとえば、研削、研磨等によって、封止樹脂5が、封止樹脂5の第1面36側から薄化される。この薄化は、中間導電材39の端面40が露出するまで続けられる。これにより、中間導電材39の端面40が封止樹脂5の第1面36から露出する。
次に、図8Oに示すように、たとえば、研削、研磨等によって、半導体層2が第3面10側から薄化される。これにより、半導体層2の厚さが、たとえば、50μm〜1000μmとなる。その後、たとえば、スピンコート法、スプレーコート法等によって、半導体層2の第3面10に保護層11の樹脂材料が塗布されることによって、保護層11が形成される。
次に、図8Pに示すように、封止樹脂5から露出する中間導電材39の端面40に外部端子7(たとえば、はんだバンプ)が接合され、たとえば、180℃〜270℃の温度でリフロー処理が行われる。
次に、図8Qに示すように、たとえば、溝55を形成した時のカッターよりも狭い幅を有するカッターによって、ウエハ状の半導体層2が各半導体装置1(チップ)に切り分けられる。この際、溝55に残っていた封止樹脂5は、半導体装置1のパッケージ側面(として露出する。以上の工程を経て、前述の半導体装置1が得られる。
以上、この半導体装置1によれば、下地層3に凹部6が形成されており、その凹部6を介して、封止樹脂5の一部(第1部分66)が再配線層4の下方領域に入り込んでいる。そのため、半導体装置1の実装時に、アンダーフィル剤による樹脂応力や熱履歴によって再配線層4と封止樹脂5との間に応力が加わっても、半導体層2の第1面8に沿う方向においては、封止樹脂5と下地層3との接触面が増え、封止樹脂5の密着性を向上させることができるので、当該応力による影響を抑えることができる。さらに、下地層3の露出部60に凹凸構造62が形成されていることからも、半導体層2の第1面8に沿う方向の応力による影響を抑えることができる。
一方、半導体層2の第1面8に交差する方向においては、再配線層4の下方領域に入り込んだ封止樹脂5の第1部分66のアンカー効果によって、封止樹脂5の密着性を向上させること。その結果、半導体層2の第1面8に交差する方向の応力による影響も抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、半導体層2の第1面8側に凹部45が形成されていたが、たとえば、図9および図10に示すように、凹部45が形成されていなくてもよい。この場合、半導体装置1のパッケージ側面として、半導体層2および封止樹脂5に加えて、下地層3、表面保護層15および絶縁層13が露出していてもよい。このような形態は、たとえば、図8Qの工程でウエハ状の半導体層2を切断する際に、溝55を形成した時のカッターよりも広い幅を有するカッターによって、ウエハ状の半導体層2が各半導体装置1(チップ)に切り分ければよい。
また、前述の実施形態では、再配線層4と外部端子7とが、中間導電材39を介して接続されていたが、たとえば、図11に示すように、外部端子7が、直接、再配線層4に接続されていてもよい。この場合、封止樹脂5を貫通し、再配線層4の一部を露出させる開口59が形成されていてもよく、外部端子7は、この開口59内で再配線層4に接続されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 半導体装置
2 半導体層
3 下地層
4 再配線層
5 封止樹脂
6 凹部
7 外部端子
8 (半導体層)第1面
9 (半導体層)第2面
10 (半導体層)第3面
14 配線
17 パッド
21 第1再配線層
22 第2再配線層
30 第1層
31 第2層
32 下層
33 上層
34 (上層)端縁
35 (下層)端縁
36 (封止樹脂)第1面
37 (封止樹脂)第2面
39 中間導電材
40 (中間導電材)端面
42 (再配線層)下面
43 (凹部)底面
45 凹部
46 第1壁面
47 第2壁面
48 (封止樹脂)凹部内の部分
60 (凹部)露出部
61 (凹部)隠蔽部
62 凹凸構造

Claims (18)

  1. パッドが形成された第1面を有する半導体層と、
    前記半導体層の前記第1面を覆うように形成された絶縁性の下地層と、
    前記下地層上に形成され、前記パッドから前記半導体層の前記第1面に沿う方向に延びる再配線層と、
    前記再配線層を覆うように形成された封止樹脂と、
    前記封止樹脂の前記半導体層側の面とは反対側の第1面に配置され、前記再配線層と電気的に接続された外部端子とを含み、
    前記下地層には、前記再配線層の端縁から前記再配線層の下方領域へ前記半導体層の前記第1面に沿う方向に延びる凹部が形成されており、
    前記封止樹脂の一部が前記凹部を介して前記再配線層の下方領域に入り込んでいる、半導体装置。
  2. 前記下地層上には、複数の前記再配線層が形成されており、
    前記凹部は、隣り合う前記再配線層の間に跨って形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記凹部の周縁は、前記半導体層側へ膨出するように湾曲する曲面を含む、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記凹部は、前記再配線層の周縁全周に連続して、前記再配線層の下方領域に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記凹部の底面は、粗面化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記封止樹脂の前記第1面から前記再配線層に達するように前記封止樹脂を貫通して設けられ、前記再配線層と前記外部端子とを電気的に接続する中間導電材をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記下地層は、前記パッドを露出させる開口を有しており、
    前記再配線層は、一方表面およびその反対側の他方表面が前記開口の内面に沿うように形成された第1層と、前記第1層上に形成され、前記開口内に一部が埋め込まれた第2層とを含み、
    前記第1層は、前記パッドに近い側の下層と、前記下層とは異なる導電材料からなる前記下層上の上層とを含み、
    前記下層は、前記上層の端縁に対して前記上層の下方領域へ後退した端縁を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記第1層の下層がTiからなり、前記第1層の上層がCuからなり、
    前記第2層がCuからなる、請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記半導体層の前記第1面側には、この第1面に交差する前記半導体層の第2面に形成された段差によって生じた凹部が形成されており、
    前記封止樹脂は、前記凹部に入り込んでいる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
  10. 前記下地層は、前記半導体層の前記第1面に交差する前記半導体層の第2面に連続するように、前記半導体層の前記第2面側で露出している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
  11. 前記半導体層には、複数の前記パッドが配置されており、
    前記再配線層は、一つの前記パッドに接続された第1再配線層を含み、
    前記第1再配線層には、一つの前記外部端子が電気的に接続されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
  12. 前記半導体層には、複数の前記パッドが配置されており、
    前記再配線層は、複数の前記パッドに共通に接続された第2再配線層を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体装置。
  13. 前記第2再配線層には、一つの前記外部端子が電気的に接続されている、請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記第2再配線層には、複数の前記外部端子が電気的に接続されている、請求項12または13に記載の半導体装置。
  15. 前記外部端子が、はんだ端子を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の半導体装置。
  16. WL−CSPである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の半導体装置。
  17. パッドが形成された第1面を有する半導体層の前記第1面を覆うように、絶縁性の下地層を形成する工程と、
    前記半導体層の前記第1面に沿うように、前記パッドから延びる再配線層を形成する工程と、
    前記再配線層から露出する前記下地層を等方的に除去することによって、前記下地層に、前記再配線層の端縁から前記再配線層の下方領域へ前記半導体層の前記第1面に沿う方向に延びる凹部を形成する工程と、
    前記再配線層を覆うように、かつ記凹部を介して前記再配線層の下方領域に入り込むように封止樹脂を形成する工程と、
    前記封止樹脂の前記半導体層側の面とは反対側の第1面に、前記再配線層と電気的に接続されるように外部端子を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法。
  18. 前記下地層を等方的に除去する工程は、前記下地層をアッシング処理する工程を含む、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
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