JP2019116537A - 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散媒として有機溶剤を用いているにもかかわらず、導電性及び耐光性が高い導電層を容易に形成できる導電性高分子分散液及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、ジオール化合物を85質量%以上100質量%以下含有する分散媒とを含有する。本発明の導電性高分子分散液の製造方法は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と水とを含有する原料水分散液から水を除去して導電性複合体の固形物を形成する工程と、前記導電性複合体の固形物とジオール化合物とを混合して導電性高分子分散液を得る工程とを有する。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法に関する。
導電層を形成するための塗料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルホン酸がドープした導電性高分子水分散液を使用することがある。
通常、導電層が塗工されるフィルム基材は疎水性のプラスチックフィルムであることが多い。水系塗料である前記導電性高分子水分散液は、プラスチックフィルムに対する親和性が低い傾向にあった。また、導電性高分子分散液が水系であると、疎水性樹脂又は疎水性樹脂を形成する硬化性化合物の分散性が低くなるため、それらをバインダ成分として使用することが困難になる。そのため、水系の導電性高分子分散液では、バインダ成分の種類が限定される。
そこで、導電性高分子水分散液の分散媒である水を有機溶剤に置換した導電性高分子有機溶剤分散液を用いることがある。
導電性高分子有機溶剤分散液としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオンからなる導電性複合体を含む導電性高分子水分散液を凍結乾燥して乾燥体を得た後、該乾燥体に有機溶剤及びアミン化合物を添加して得たものが知られている(特許文献1)。
また、π共役系導電性高分子及びポリアニオンからなる導電性複合体を含む導電性高分子水分散液に、オキシラン基及びオキセタン基の少なくとも一方を有する環状エーテル化合物と有機溶剤とを添加して、導電性高分子有機溶剤分散液を得ることが知られている(特許文献2)。特許文献2に記載の方法では、π共役系導電性高分子にドープしていないアニオン基に、環状エーテル化合物のオキシラン基又はオキセタン基を反応させて疎水化することにより、導電性複合体を有機溶剤分散性にする。
特開2011−032382号公報 国際公開第2014/125827号
しかし、従来の導電性高分子有機溶剤分散液では、それより得られる導電層の耐光性が低くなることがあった。
そこで、本発明は、分散媒として有機溶剤を用いているにもかかわらず、導電性及び耐光性が高い導電層を容易に形成できる導電性高分子分散液及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、導電性及び耐光性が高い導電層を備える導電性フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、ジオール化合物を85質量%以上100質量%以下含有する分散媒とを含有する、導電性高分子分散液。
[2]前記導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が0質量%以上1.0質量%以下である、[1]に記載の導電性高分子分散液。
[3]前記ジオール化合物が25℃において液体である、[1]又は[2]に記載の導電性高分子分散液。
[4]前記ジオール化合物の標準気圧における沸点が250℃以下である、[1]から[3]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液。
[5]前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
[6]前記導電性高分子分散液がさらにバインダ成分を含有する、[1]から[5]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液。
[7]前記バインダ成分が有機溶剤溶解性の化合物である、[1]から[6]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液。
[8]前記バインダ成分が活性エネルギー線硬化性アクリル化合物である、[7]に記載の導電性高分子分散液。
[9]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、[1]から[8]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液。
[10]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]から[9]のいずれか一に導電性高分子分散液。
[11]基材と、前記基材の少なくとも一方の面に[1]から[10]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液が塗工されて形成された導電層と、を備える、導電性フィルム。
[12]π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と水とを含有する原料水分散液から水を除去して導電性複合体の固形物を形成する工程と、前記導電性複合体の固形物とジオール化合物とを混合して導電性高分子分散液を得る工程とを有し、前記導電性高分子分散液に含まれる分散媒におけるジオール化合物の含有量が85質量%以上100質量%以下になるように、前記導電性複合体の固形物と前記ジオール化合物とを混合する、導電性高分子分散液の製造方法。
[13]前記導電性複合体の固形物と前記ジオール化合物とを混合した後に、前記導電性複合体の固形物と前記ジオール化合物とを含む混合液に分散処理を施す、[12]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[14]前記原料水分散液を凍結乾燥することにより前記原料水分散液から水を除去する、[12]又は[13]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[15][1]から[10]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液を基材の少なくとも一方の面に塗工して導電層を形成する、導電性フィルムの製造方法。
本発明の導電性高分子分散液は、分散媒として有機溶剤を用いているにもかかわらず、導電性及び耐光性が高い導電層を容易に形成できる。
本発明の導電性高分子分散液の製造方法によれば、前記の効果を有する導電性高分子分散液を容易に製造できる。
本発明の導電性フィルムは、導電性及び耐光性が高い導電層を備える。
本発明の導電性フィルムの製造方法によれば、前記効果を有する導電性フィルムを容易に製造できる。
<導電性高分子分散液>
本発明の導電性高分子分散液の一態様について説明する。
本態様の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、ジオール化合物を含む分散媒とを含有する。
また、本態様の導電性高分子分散液は、導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が0質量%以上1.0質量%以下である。
(導電性複合体)
本態様における導電性複合体は、π共役系導電性高分子と、アニオン基を有するポリアニオンとを含む。前記ポリアニオンは前記π共役系導電性高分子に配位し、ポリアニオンのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープするため、導電性を有する導電性複合体を形成する。
ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。余剰のアニオン基は親水基である。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
前記π共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
ポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、又はカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンのアニオン基は親水性であり、有機溶剤に対する親和性が低いため、前記アニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を反応させて疎水性置換基を形成させてもよい。しかし、本態様においては、導電性高分子分散液から形成される導電層の耐光性がより高くなることから、ポリアニオンのアニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を反応させないことが好ましい。ポリアニオンのアニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を反応させる場合であっても、アミン化合物及びエポキシ化合物の添加量は少量であることが好ましい。
具体的には、アミン化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して0質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0質量部以上0.1質量部以下であることがさらに好ましい。アミン化合物の添加量が前記上限値以下であれば、導電性高分子分散液から形成される導電層の耐光性をより向上させることができる。
エポキシ化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して0質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0質量部以上0.1質量部以下であることがさらに好ましい。エポキシ化合物の添加量が前記上限値以下であれば、導電性高分子分散液から形成される導電層の耐光性をより向上させることができる。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。ポリアニオンの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて溶出時間を測定し、分子量既知のポリスチレン標準物質から予め得た、溶出時間対分子量の校正曲線に基づいて求めた質量基準の分子量のことである。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値以上であれば、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が強くなる傾向にあり、導電性がより高くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子を充分に含有させることができるから、充分な導電性を確保できる。
本態様の導電性高分子分散液においては、導電性高分子分散液の総質量に対する導電性複合体の含有量が0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(分散媒)
本態様における分散媒は、ジオール化合物を含有する。
ジオール化合物は、ヒドロキシ基を2つ有する有機化合物である。
ジオール化合物としては、炭素数2〜8の直鎖状脂肪族炭化水素の水素原子の一つがヒドロキシ基で置換された化合物であることが好ましい。また、ジオール化合物は、分散媒としての役割を充分に果たす点では、25℃において液体であることが好ましい。さらには、ジオール化合物は、塗工した後に揮発させやすく、導電性高分子分散液を製造しやすいことから、標準気圧(1013hPa)における沸点が250℃以下であることが好ましい。また、ジオール化合物の標準気圧における沸点は、ジオール化合物の揮発を抑制する点では、100℃以上であることが好ましい。
ジオール化合物のなかでも、導電性複合体をより分散させやすい点では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオール(1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。なお、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオールは、25℃において液体であり且つ標準気圧における沸点が250℃以下のジオール化合物である。
分散媒におけるジオール化合物の含有割合は、分散媒100質量%に対して85質量%以上100質量%以下であり、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、99質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましい。分散媒におけるジオール化合物の含有割合が前記下限値未満であると、分散媒中における導電性複合体の分散性が低下することがある。
分散媒におけるジオール化合物の含有割合が100質量%でない場合には、分散媒には、ジオール化合物以外の分散媒が含まれる。ジオール化合物以外の分散媒としては、水、ジオール化合物以外の他の有機溶剤が挙げられる。
他の有機溶剤としては、アルコール系溶剤(前記ジオール化合物を除く。)、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。他の有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロプレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
本態様の導電性高分子分散液においては、水の含有量が、導電性高分子分散液の総質量に対して、0質量%以上1.0質量%以下であり、0質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。本態様における導電性高分子分散液中の水の含有量は、カールフィッシャー滴定により測定した値である。
導電性高分子分散液における水の含有量が前記上限値以下であれば、プラスチックフィルムに対する導電性高分子分散液の親和性がより高くなる。また、導電性高分子分散液における水の含有量が前記上限値以下であれば、バインダ成分として疎水性樹脂又は疎水性樹脂を形成する硬化性化合物を配合する場合、そのバインダ成分の分散性がより高くなる。
(バインダ成分)
本態様の導電性高分子分散液は、バインダ成分を含有してもよい。バインダ成分は、導電性高分子分散液を塗工して形成する導電層の機械的強度や硬度を向上させ得る成分である。
バインダ成分としては、前記のπ共役系導電性高分子及びポリアニオン以外の重合体又は重合体を形成する化合物が使用される。具体的には、バインダ成分としては、樹脂、熱硬化性化合物、活性エネルギー線硬化性化合物が挙げられる。前記導電性高分子分散液に熱硬化性化合物が含有される場合には、熱重合開始剤も含有されることが好ましく、活性エネルギー線硬化性化合物が含有される場合には、光重合開始剤も含有されることが好ましい。
バインダ成分として使用できる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性化合物及び活性エネルギー線硬化性化合物としては、ビニル基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、オキセタン基を有する化合物等が挙げられる。これらは、モノマーでもよいし、オリゴマーでもよい。
これらバインダ成分は、ジオール化合物に分散又は溶解させやすいことから、有機溶剤溶解性の化合物、すなわち疎水性樹脂又は疎水性樹脂を形成する硬化性化合物であることが好ましい。
また、バインダ成分は、活性エネルギー線硬化性アクリル化合物であることが好ましい。ここで、「活性エネルギー線硬化性」とは、紫外線、電子線、可視光線のいずれかの照射によってラジカル重合して硬化する性質を意味する。
バインダ成分が活性エネルギー線硬化性化合物であれば、導電性高分子分散液の塗工性が高くなり、また、導電性高分子分散液から導電層を容易に形成できる。また、活性エネルギー線硬化性化合物は疎水性であり、ジオール化合物に対する溶解性又は分散性に優れる。
活性エネルギー線硬化性アクリル化合物としては、例えば、アクリレート、メタクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。前記活性エネルギー線硬化性アクリル化合物がその分子中に有するラジカル重合性官能基の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート等が挙げられる。
メタクリレートとしては、例えば、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピペリジン等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば、酪酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。
また、前記アクリル化合物は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリアクリルアクリレート等の、アクリルモノマーと他の化合物とを反応させて得たアクリレートであってもよい。
前記アクリル化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
バインダ成分の固形分含有量は、前記導電性複合体100質量部に対して、例えば、10質量部以上100000質量部以下であることが好ましく、100質量部以上10000質量部以下であることがより好ましく、500質量部以上5000質量部以下であることがさらに好ましい。バインダ成分の固形分含有量が前記下限値以上であれば、導電性高分子分散液から形成される導電層の強度及び硬度をさらに向上させることができる。
バインダ成分の固形分含有量が前記上限値以下であれば、導電性複合体の含有率の低下を抑制し、良好な導電性を確保できる。
バインダ成分が活性エネルギー線硬化性である場合には、導電性高分子分散液が光重合開始剤をさらに含有することが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、BASF社製のイルガキュアシリーズが挙げられる。
バインダ成分が熱硬化性である場合には、導電性高分子分散液が熱重合開始剤をさらに含有することが好ましい。熱重合開始剤としては、例えば、公知の無機系過酸化物、公知の有機系過酸化物を使用できる。
(高導電化剤)
本態様の導電性高分子分散液は、高導電化剤を含有してもよい。
高導電化剤は、導電層の導電性をより向上させる成分である。ここで、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、分散媒及びバインダ成分は、高導電化剤に分類されない。
高導電化剤は、糖類、窒素含有芳香族性環式化合物、3個以上のヒドロキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
導電性高分子分散媒に含有される高導電化剤は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
高導電化剤を添加する場合、導電性高分子分散液における高導電化剤の含有割合は導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、10質量部以上5000質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上2500質量部以下であることがさらに好ましい。導電性高分子分散液における高導電化剤の含有割合が前記下限値以上であれば、高導電化剤添加による導電性向上効果が充分に発揮され、前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下と透明性の低下を防止できる。
(添加剤)
本態様の導電性高分子分散液は、添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、π共役系導電性高分子、ポリアニオン、ジオール化合物、バインダ成分及び高導電化剤以外の化合物からなる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本態様の導電性高分子分散液が上記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、導電性複合体の固形分100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の範囲とすることができる。
(導電性高分子分散液の製造方法)
本態様の導電性高分子分散液の製造方法について説明する。
本態様の導電性高分子分散液の製造方法は、下記の第1工程及び第2工程を有する。
(第1工程)
本態様における第1工程は、原料水分散液に含まれる水を除去して導電性複合体の固形物を得る工程である。ここで、前記原料水分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含有する水分散液である。原料水分散液における有機溶剤の含有量は、導電性複合体の分散性を高める観点から、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
原料水分散液を製造する方法としては、例えば、ポリアニオンの水溶液中で、π共役系導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合する方法が挙げられる。
また、原料水分散液は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの導電性複合体を含む市販の水分散液を使用しても構わない。
前記化学酸化重合には、公知の触媒を適用してもよい。例えば、触媒及び酸化剤を用いることができる。触媒としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩が挙げられる。酸化剤は、還元された触媒を元の酸化状態に戻すことができる。
原料水分散液に含まれる導電性複合体の固形分濃度は、原料水分散液の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
第1工程において、原料水分散液から水を除去する方法としては、例えば、原料水分散液を凍結乾燥する方法、原料水分散液を加熱して水を蒸発させる方法、原料水分散液を減圧して水を蒸発させる方法、原料水分散液を減圧しながら加熱して水を蒸発させる方法、膜分離により水を除去する方法等が挙げられる。前記の水の除去方法のなかでも、水を充分に除去できることから、原料水分散液を凍結乾燥する方法が好ましい。
第1工程においては、得られる導電性複合体の固形分における水の含有量が好ましくは0質量%以上50質量%以下、より好ましくは0質量%以上10質量%になるまで水を除去する。第1工程において、導電性複合体の固形分における水の含有量を前記上限値以下にすれば、本態様の導電性高分子分散液における水の含有量を容易に1.0質量%以下にできる。
(第2工程)
本態様における第2工程は、前記導電性複合体の固形物とジオール化合物とを混合して導電性高分子分散液を得る工程である。
第2工程において、導電性複合体の固形物とジオール化合物とを混合した後には、導電性複合体の固形物とジオール化合物とを含有する混合液に分散処理を施すことが好ましい。前記混合液に分散処理を施せば、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性が向上するため、導電性高分子分散液の塗工によって得られる導電層の導電性をより向上させることができる。
分散処理は、導電性複合体の固形物とジオール化合物とを含有する混合液に、せん断力を付与して各成分を分散させる処理である。
分散処理においては、分散機を用いることが好ましい。分散機としては、例えば、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ビーズミル等が挙げられる。分散機のなかでも、簡便に各成分の分散性を高くできることから、高圧ホモジナイザーが好ましい。
高圧ホモジナイザーは、例えば、分散処理する被処理液を加圧する高圧発生部と、分散を行う対向衝突部、オリフィス部又はスリット部とを備える装置が挙げられる。高圧発生部としては、プランジャーポンプ等の公知の高圧ポンプが用いられる。高圧ホモジナイザーの具体例としては、例えば、吉田機械興業製の商品名ナノマイザー、マイクロフルイディスク製の商品名マイクロフルイダイザー、スギノマシン製のアルティマイザーなどが挙げられる。
導電性複合体の固形物に添加するジオール化合物の添加量は、導電性高分子分散液の分散媒におけるジオール化合物の含有割合が85質量%以上100質量%以下になる量とし、90質量%以上100質量%以下になる量とすることが好ましく、95質量%以上100質量%以下になる量とすることがより好ましく、99質量%以上100質量%以下になる量とすることがさらに好ましい。前記ジオール化合物の含有割合は、分散媒の質量を100質量%としたときの割合である。分散媒中のジオール化合物の含有割合は、ガスクロマトグラフィーを用いた分析によって求めることができる。
分散媒におけるジオール化合物の含有割合が前記下限値未満であると、分散媒中における導電性複合体の分散性が低下することがある。
(その他の成分の添加)
任意成分であるバインダ成分、高導電化剤及び添加剤は、各々、原料水分散液に添加してもよいし、ジオール化合物と共に導電性複合体の固形物に添加してもよいし、ジオール化合物を添加する前又は添加した後に導電性複合体の固形物に添加してもよい。他の有機溶剤は、ジオール化合物と共に導電性複合体の固形物に添加してもよいし、ジオール化合物を添加する前又は添加した後に導電性複合体の固形物に添加してもよい。
導電層の耐光性をより高める点では、原料水分散液には、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を添加しないことが好ましい。原料水分散液にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を添加する場合であっても、その添加量は少ないことが好ましい。
具体的には、原料水分散液におけるアミン化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して0質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0質量部以上0.1質量部以下であることがさらに好ましい。アミン化合物の添加量が前記上限値以下であれば、導電性高分子分散液から形成される導電層の耐光性をより向上させることができる。
原料水分散液におけるエポキシ化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して0質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0質量部以上0.1質量部以下であることがさらに好ましい。エポキシ化合物の添加量が前記上限値以下であれば、導電性高分子分散液から形成される導電層の耐光性をより向上させることができる。
(作用効果)
本態様では、有機溶媒であるジオール化合物を85質量%以上含有する分散媒に導電性複合体を分散させる。ジオール化合物は有機溶剤であるが、導電性複合体を高い分散性で分散できる。特に、導電性複合体を構成するポリアニオンのアニオン基を、アミン化合物又はエポキシ化合物等によって疎水化しなくても、ジオール化合物は導電性複合体を容易に分散できる。
また、ジオール化合物を含む分散媒に導電性複合体を分散させた本態様の導電性高分子分散液によれば、分散媒として有機溶剤を使用しているにもかかわらず、導電性及び耐光性に優れた導電層を容易に形成できる。
<導電性フィルム>
本発明の導電性フィルムの一態様について説明する。
本態様の導電性フィルムは、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された導電層とを備える。
前記基材としては、樹脂フィルム、ガラス板、繊維を抄造したシート等が挙げられる。本態様で使用される導電性高分子分散液は溶剤系であるから、本態様では、疎水性が高い樹脂フィルムが好適である。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合樹脂、プロピレン−αオレフィン共重合樹脂等が挙げられる。
また、樹脂フィルムは、未延伸のものでもよいし、延伸されたものでもよい。
前記基材の平均厚みとしては、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であることがより好ましい。基材の平均厚みが前記下限値以上であれば、破断しにくくなり、前記上限値以下であれば、フィルムとして充分な可撓性を確保できる。
基材の厚さは、任意の10箇所以上について厚さを、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて測定し、その測定値を平均した値である。
本態様の導電性フィルムを構成する導電層は、前記態様の導電性高分子分散液が塗工されて形成された層である。したがって、本態様における導電層は、少なくとも、導電性複合体と、蒸発しなかったジオール化合物とを含有する。
また、導電性高分子分散液がバインダ成分を含有する場合には、導電層はバインダ樹脂を含有する。導電性高分子分散液に含まれるバインダ成分が硬化性化合物である場合には、バインダ成分の硬化物がバインダ樹脂になる。導電性高分子分散液に含まれるバインダ成分が樹脂である場合には、バインダ成分がそのままバインダ樹脂になる。
また、導電性高分子分散液が、高導電化剤及び添加物の少なくとも一方をさらに含有する場合には、導電層も高導電化剤及び添加物の少なくとも一方をさらに含有する。
前記導電層の平均厚さとしては、10nm以上20000nm以下であることが好ましく、20nm以上10000nm以下であることがより好ましく、30nm以上5000nm以下であることがさらに好ましい。導電層の平均厚さが前記下限値以上であれば、充分に高い導電性を発揮でき、前記上限値以下であれば、導電層を容易に形成できる。
導電層の厚さは、任意の10箇所以上について厚さを、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて測定し、その測定値を平均した値である。
導電層は、前記導電性高分子分散液を基材の少なくとも一方の面に塗工することにより形成される。
導電性高分子分散液を塗工する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
上記のうち、導電性高分子分散液を簡便に塗工できることから、バーコーターを用いることがある。バーコーターにおいては、種類によって塗工厚が異なり、市販のバーコーターでは、種類ごとに番号が付されており、その番号が大きい程、厚く塗工できるものとなっている。
導電性高分子分散液を塗工した後には、塗工した導電性高分子分散液を乾燥することが好ましい。
その乾燥方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、通常は50℃以上150℃以下の範囲であり、好ましくは60℃以上130℃以下、より好ましくは70℃以上120℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。
また、充分に分散媒を除去する点で、乾燥時間は5分以上であることが好ましい。
本態様の導電性フィルムを構成する導電層は、前記態様の導電性高分子分散液から形成された層であるから、導電性が高いだけでなく、耐光性にも優れている。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に限定されない。
以下の例において、導電性高分子分散液の水分量は、カールフィッシャー滴定により測定した。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち攪拌を行いながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくりと添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去した。この操作を3回繰り返した。次に、得られた溶液に、200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)を水洗した。この操作を8回繰り返して、固形分濃度1.2質量%のPEDOT−PSS水分散液を得た。
(製造例3)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液1000gを凍結乾燥して、凍結乾燥体からなる12gの導電性複合体の固形物を得た。
(製造例4)
イソプロパノール1000gに製造例3で得た導電性複合体の固形物6.0gと5.25gのトリオクチルアミンとを添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して、導電性複合体のイソプロパノール分散液を得た。
本例においては、導電性複合体のアニオン基にトリオクチルアミンのアミノ基が反応して疎水性置換基を形成している。
(製造例5)
製造例4においてイソプロパノールをプロピレングリコールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体のプロピレングリコール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体とプロピレングリコールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例6)
製造例4においてイソプロパノールをエチレングリコールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体のエチレングリコール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体とエチレングリコールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例7)
製造例4においてイソプロパノールを1,4−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の1,4−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と1,4−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例8)
製造例4においてイソプロパノールを1,2−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の1,2−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と1,2−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例9)
製造例4においてイソプロパノールを1,3−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の1,3−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と1,3−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例10)
製造例4においてイソプロパノールを2,3−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の2,3−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と2,3−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例11)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液100gにメタノール300gとエポキシ化合物(共栄社化学株式会社製エポライトM−1230、C12,13混合高級アルコールグリシジルエーテル)25gを添加し、60℃で4時間加熱攪拌した。これにより、析出した析出物をろ取し、1.5gの導電性複合体を得た。次いで、前記導電性複合体1.5を198.5gのメチルエチルケトンに添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して、導電性複合体のメチルエチルケトン分散液を得た。
本例においては、導電性複合体のアニオン基にエポキシ化合物のエポキシ基が反応して疎水性置換基を形成している。
(製造例12)
製造例11においてメチルエチルケトンをプロピレングリコールに変えたこと以外は同様にして導電性複合体のプロピレングリコール分散液を作製しようとしたが導電性複合体とプロピレングリコールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例13)
製造例11においてメチルエチルケトンをエチレングリコールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体のエチレングリコール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体とエチレングリコールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例14)
製造例11においてメチルエチルケトンを1,4−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の1,4−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と1,4−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例15)
製造例11においてメチルエチルケトンを1,2−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の1,2−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と1,2−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例16)
製造例11においてメチルエチルケトンを1,3−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の1,3−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と1,3−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例17)
製造例11においてメチルエチルケトンを2,3−ブタンジオールに変更したこと以外は同様にして導電性複合体の2,3−ブタンジオール分散液を作製しようとしたが、導電性複合体と2,3−ブタンジオールが分離し分散液を得られなかった。
(製造例18)
ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製アートレジンUN−904M、固形分濃度80質量%、メチルエチルケトン溶液)100gにメタノール100gと光重合開始剤(BASF社製イルガキュア127)1.6gを添加し、バインダ成分溶液を得た。
(実施例1)
製造例3で得た導電性複合体の固形物0.6gにプロピレングリコール(表中では、「PG」と表記する。)99.4gを添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して導電性高分子分散液を得た。
得られた導電性高分子分散液を、No.4のバーコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーT60)上に塗工し、150℃で1分間乾燥させた。これにより、導電層を形成して、導電性フィルムを得た。
(実施例2)
プロピレングリコールをエチレングリコール(表中では、「EG」と表記する。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例3)
プロピレングリコールを1,4−ブタンジオール(表中では、「1,4−BD」と表記する。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例4)
プロピレングリコールを1,2−ブタンジオール(表中では、「1,2−BD」と表記する。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例5)
プロピレングリコールを1,3−ブタンジオール(表中では、「1,3−BD」と表記する。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例6)
プロピレングリコールを2,3−ブタンジオール(表中では、「2,3−BD」と表記する。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例1)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液50gに水50gを添加して得たものを導電性高分子分散液としたこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例2)
導電性高分子分散液を製造例4で得た導電性複合体のイソプロパノール分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例3)
導電性高分子分散液を製造例11で得た導電性複合体のメチルエチルケトン分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例7)
実施例1で得た導電性高分子分散液8gに製造例18で得たバインダ成分溶液2gを添加してバインダ成分含有導電性高分子分散液を得た。
得られた導電性高分子分散液を、No.8のバーコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーT60)上に塗工し、150℃で1分間乾燥させ、400mJの紫外線を照射した。これにより、バインダ成分を硬化させ、導電層を形成して、導電性フィルムを得た。
(実施例8)
実施例1で得た導電性高分子分散液を実施例2で得た導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例9)
実施例1で得た導電性高分子分散液を実施例3で得た導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例10)
実施例1で得た導電性高分子分散液を実施例4で得た導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例11)
実施例1で得た導電性高分子分散液を実施例5で得た導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例12)
実施例1で得た導電性高分子分散液を実施例6で得た導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例4)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液50gに水50gを添加して得たものを導電性高分子分散液とし、この導電性高分子分散液に製造例18で得たバインダ成分溶液を添加したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例5)
導電性高分子分散液を製造例4で得た導電性複合体のイソプロパノール分散液に変更し、製造例4で得た導電性複合体のイソプロパノール分散液に製造例18で得たバインダ成分溶液を添加したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例6)
導電性高分子分散液を製造例11で得た導電性複合体のメチルエチルケトン分散液に変更し、製造例11で得た導電性複合体のメチルエチルケトン分散液に製造例18で得たバインダ成分溶液を添加したこと以外は実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例7)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液100gにプロピレングリコール200gを添加し、エバポレーターを用いて水を除去して、225gの導電性高分子分散液を得た。得られた導電性高分子分散液を使用してバインダ成分含有導電性高分子分散液(ジオール含有量77.4質量%)を調製し、実施例7と同様にして導電性フィルムを得ようとしたが、塗膜に多数の異物が見られ、均一な塗膜を形成できなかったため、導電性フィルムの製造を中止した。
<評価>
各例の導電性フィルムの導電層の表面抵抗値を、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリティック製ハイレスタ)を用い、印加電圧10Vの条件で測定した。表面抵抗値(表中では、「初期表面抵抗値」と表記する。)の測定結果を表1に示す。
また、カーボンアーク式の耐光試験機を用い、各例の導電性フィルムに紫外線を100時間照射した。紫外線照射後、前記と同様に導電性フィルムの表面抵抗値を測定した。表面抵抗値(表中では、「耐光試験後表面抵抗値」と表記する。)の測定結果を表1に示す。なお、表中、「1.0×10<」は1.0×10を超えたことを意味し、「1.0×1012<」は1.0×1012を超えたことを意味する。
表1には、初期の表面抵抗値に対する耐光試験後の表面抵抗値の上昇量(耐光試験後の表面抵抗値/初期の表面抵抗値)を示す。この上昇量が小さい程、耐光性に優れる。なお、表中、「5.0×10<」は5.0×10を超えたことを意味し、「5.0×10<」は5.0×10を超えたことを意味し、「5.0×10<」は5.0×10を超えたことを意味し、「2.5×10<」は2.5×10を超えたことを意味する。
Figure 2019116537
表1中には、導電性高分子分散液を構成する分散媒中のジオール化合物の含有割合を示す。
<結果>
分散媒中のジオール化合物の含有量が85質量%以上であり、水分量が1.0質量%以下である各実施例の導電性高分子分散液によれば、導電性及び耐光性が高い導電層を備える導電性フィルムを製造できた。
PEDOT−PSS水分散液を水で希釈した比較例1の導電性高分子分散液では、それより形成された導電層の耐光性が低かった。
分散媒としてジオール化合物を使用しなかった比較例2,3,5,6の導電性高分子分散液では、それより形成された導電層の耐光性が低かった。

Claims (15)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、ジオール化合物を85質量%以上100質量%以下含有する分散媒とを含有する、導電性高分子分散液。
  2. 前記導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が0質量%以上1.0質量%以下である、請求項1に記載の導電性高分子分散液。
  3. 前記ジオール化合物が25℃において液体である、請求項1又は2に記載の導電性高分子分散液。
  4. 前記ジオール化合物の標準気圧における沸点が250℃以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  5. 前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  6. 前記導電性高分子分散液がさらにバインダ成分を含有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  7. 前記バインダ成分が有機溶剤溶解性の化合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  8. 前記バインダ成分が活性エネルギー線硬化性アクリル化合物である、請求項7に記載の導電性高分子分散液。
  9. 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1から8のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  10. 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1から9のいずれか一項に導電性高分子分散液。
  11. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に請求項1から10のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液が塗工されて形成された導電層と、を備える、導電性フィルム。
  12. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と水とを含有する原料水分散液から水を除去して導電性複合体の固形物を形成する工程と、
    前記導電性複合体の固形物とジオール化合物とを混合して導電性高分子分散液を得る工程と、を有し、
    前記導電性高分子分散液に含まれる分散媒におけるジオール化合物の含有量が85質量%以上100質量%以下になるように、前記導電性複合体の固形物と前記ジオール化合物とを混合する、導電性高分子分散液の製造方法。
  13. 前記導電性複合体の固形物と前記ジオール化合物とを混合した後に、前記導電性複合体の固形物と前記ジオール化合物とを含む混合液に分散処理を施す、請求項12に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
  14. 前記原料水分散液を凍結乾燥することにより前記原料水分散液から水を除去する、請求項12又は13に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
  15. 請求項1から10のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液を基材の少なくとも一方の面に塗工して導電層を形成する、導電性フィルムの製造方法。
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