JP7175087B2 - 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 - Google Patents
導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7175087B2 JP7175087B2 JP2018024465A JP2018024465A JP7175087B2 JP 7175087 B2 JP7175087 B2 JP 7175087B2 JP 2018024465 A JP2018024465 A JP 2018024465A JP 2018024465 A JP2018024465 A JP 2018024465A JP 7175087 B2 JP7175087 B2 JP 7175087B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive polymer
- polymer dispersion
- conductive
- producing
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
Description
通常、導電層が塗工されるフィルム基材は疎水性のプラスチックフィルムであることが多い。水系塗料である前記導電性高分子水分散液は、プラスチックフィルムに対する親和性が低い傾向にあった。また、導電性高分子分散液が水系であると、疎水性樹脂又は疎水性樹脂を形成する硬化性化合物の分散性が低くなるため、それらをバインダ成分として使用することが困難になる。そのため、水系の導電性高分子分散液では、バインダ成分の種類が限定されている。
そこで、導電性高分子水分散液の分散媒である水を有機溶剤に置換した導電性高分子有機溶剤分散液を用いることがある。
分散媒を有機溶剤とした導電性高分子分散液の製造方法としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオンからなる導電性複合体を含む導電性高分子水分散液を凍結乾燥して乾燥体を得た後、該乾燥体に有機溶剤及びアミン化合物を添加する方法が知られている(特許文献1)。
また、分散媒を有機溶剤とした導電性高分子分散液の他の製造方法としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオンからなる導電性複合体を含む導電性高分子水分散液にアミン化合物又はエポキシ化合物を添加して、導電性複合体を疎水化して析出させ、得られた析出物を有機溶剤に再分散させる方法が知られている(特許文献2,3)。
本発明は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性複合体を有機溶剤に分散させた導電性高分子分散液を簡便に製造できる導電性高分子分散液の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、導電性フィルムの製造コストを削減できる導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
[1]π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含有する導電性高分子水分散液に、アミン化合物及び非水溶性有機溶剤を添加して、導電性複合体のアミン付加物を生成すると共に前記導電性複合体のアミン付加物を非水溶性有機溶剤中に抽出して導電性高分子分散液を得る工程を有する、導電性高分子分散液の製造方法。
[2]前記アミン化合物と前記導電性複合体との質量比(前記アミン化合物の質量/前記導電性複合体の質量)が1.0以上3.0以下である、[1]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[3]前記導電性高分子水分散液に、前記アミン化合物及び前記非水溶性有機溶剤に加えて水溶性有機溶剤を添加する、[1]又は[2]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[4]前記水溶性有機溶剤がイソプロパノールである、[3]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[5]前記抽出により得た前記導電性高分子分散液を分液により分取する工程をさらに有する、[1]から[4]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[6]分液により回収した前記導電性高分子分散液を水で洗浄する、[5]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[7]分液により回収した前記導電性高分子分散液にさらに希釈用有機溶剤を添加する工程を有する、[5]又は[6]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[8]前記希釈用有機溶剤がイソプロパノール及びメチルエチルケトンの少なくとも一方である、[7]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[9]分液により回収した前記導電性高分子分散液にさらにバインダ成分を添加する工程を有する、[4]から[8]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[10]前記バインダ成分が活性エネルギー線硬化性を有する、[9]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[11]前記非水溶性有機溶剤がトルエンである、[1]から[10]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[12]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、[1]から[11]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[13]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]から[12]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[14]前記アミン化合物がトリオクチルアミン及びトリブチルアミンの少なくとも一方である、[1]から[13]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[15][1]から[14]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液の製造方法により導電性高分子分散液を製造する工程と、前記導電性高分子分散液をフィルム基材の少なくとも一方の面に塗工する工程と、塗工した導電性高分子分散液を乾燥する工程と、を有する導電性フィルムの製造方法。
[16]前記導電性高分子分散液が活性エネルギー線硬化性のバインダ成分を含有する場合、塗工した導電性高分子分散液を乾燥して形成した塗膜に活性エネルギー線を照射する工程をさらに有する、[15]に記載の導電性フィルムの製造方法。
本発明の導電性フィルムの製造方法によれば、導電性フィルムの製造コストを削減できる。
本発明の導電性高分子分散液の製造方法の一態様について説明する。
本態様の製造方法によって製造される導電性高分子分散液は、少なくとも、導電性複合体と非水溶性有機溶剤とを含有する分散液である。
本態様の導電性高分子分散液においては、導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量を0質量%以上5.0質量%以下、特に0質量%以上1.0質量%以下にすることができる。
本態様における導電性複合体は、π共役系導電性高分子と、アニオン基を有するポリアニオンとを含む。前記ポリアニオンは前記π共役系導電性高分子に配位し、ポリアニオンのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープするため、導電性を有する導電性複合体を形成する。
ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。本態様においては、前記の余剰のアニオン基の少なくとも一部に、アミン化合物が付加している。余剰のアニオン基にアミン化合物が付加していることにより、導電性複合体を疎水化できる。疎水化した導電性複合体は、有機溶剤との親和性に優れる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)が挙げられる。
前記π共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、又はカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、導電性複合体の詳細な分析は必ずしも容易ではないが、ポリアニオンのアニオン基とアミン化合物との反応によって、-HNR1R2R3で示される疎水性置換基が形成されると推測される。前記R1,R2,R3は、後述するアミン化合物に由来する置換基である。例えば、R1,R2,R3の少なくとも1つは炭化水素基(但し、その炭化水素基の水素原子の少なくとも一つがアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。)である。R1,R2,R3のうち炭化水素基でないものは水素原子である。
前記疎水性置換基は、アニオン基の酸素原子に結合する。
第一級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、本態様の導電性高分子分散液を容易に製造できることから、第三級アミンが好ましく、トリオクチルアミン及びトリブチルアミンの少なくとも一方がより好ましい。
非水溶性有機溶剤は、温度20℃において水100gに対して溶解量が1g未満の有機溶剤である。非水溶性有機溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
非水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶性有機溶剤のなかでも、本態様における導電性高分子分散液を容易に製造できる点では、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、トルエンがより好ましい。
本態様の導電性高分子分散液には、水溶性有機溶剤が含まれてもよい。
水溶性有機溶剤は、温度20℃において水100gに対して溶解量が1g以上の有機溶剤である。水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、窒素原子含有溶剤等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(イソプロパノール)、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、アリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
窒素原子含有溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本態様の導電性高分子分散液を導電層形成用塗工液として使用する場合、塗工液としての適性が良好になることから、2-プロパノール及びメチルエチルケトンの少なくとも一方を希釈用溶剤として使用することが好ましい。
バインダ成分は、導電層において導電性複合体を結着させ、導電層の強度を高める成分である。本態様の導電性高分子分散液に含まれるバインダ成分は、π共役系導電性高分子及びポリアニオン以外の非硬化性の樹脂であってもよいし、π共役系導電性高分子及びポリアニオン以外の樹脂を形成する硬化性成分であってもよい。
非硬化性の樹脂状のバインダ成分、硬化性のバインダ成分から形成された樹脂の具体例としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
前記硬化性成分は、硬化速度が速いことから、活性エネルギー線硬化性であることが好ましい。ここで、活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、可視光線のことである。活性エネルギー線としては、特に紫外線が使用されることが多い。活性エネルギー線によって硬化性成分を硬化させる場合には、光重合開始剤を併用する。
(メタ)アクリル化合物は、前記(メタ)アクリル化合物にウレタン化合物を反応させて得たウレタンアクリレート、前記(メタ)アクリル化合物にエポキシ化合物を反応させて得たエポキシアクリレート、アクリル酸エステル共重合体の側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入した共重合体等であってもよい。
バインダ成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子分散液は、導電層の導電性をより向上させるために、高導電化剤を含んでもよい。ここで、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、アミン化合物、非水溶性有機溶剤、水溶性有機溶剤、及びバインダ成分は、高導電化剤に分類されない。
高導電化剤は、糖類、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
導電性高分子分散液に含有される高導電化剤は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
高導電化剤の含有割合は導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、10質量部以上5000質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上2500質量部以下であることがさらに好ましい。高導電化剤の含有割合が前記下限値以上であれば、高導電化剤添加による導電性向上効果が充分に発揮され、前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下を防止できる。
導電性高分子分散液には、公知のその他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、重合開始剤、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、アミン化合物、非水溶性有機溶剤、水溶性有機溶剤、バインダ成分及び高導電化剤以外の化合物からなる。
重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤が挙げられる。前記バインダ成分としての硬化性化合物は、光重合開始剤の存在下、活性エネルギー線を照射された際に、ラジカル重合が生じて硬化可能である。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基又はアミノ基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電性高分子分散液が上記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、導電性複合体の固形分100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の範囲とすることができる。
本態様の導電性高分子分散液の製造方法は、導電性高分子水分散液から導電性複合体を非水溶性有機溶剤に抽出する抽出工程を有する。
本態様において使用する導電性高分子水分散液は、導電性複合体が水に分散した分散液である。前記導電性高分子水分散液を製造する方法としては、例えば、ポリアニオンの水溶液中で、π共役系導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合する方法が挙げられる。
また、導電性高分子水分散液は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの導電性複合体を含む市販の水分散液を使用しても構わない。
前記化学酸化重合には、公知の触媒を適用してもよい。例えば、触媒及び酸化剤を用いることができる。触媒としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩が挙げられる。酸化剤は、還元された触媒を元の酸化状態に戻すことができる。化学酸化重合後、これらの触媒及び酸化剤は、導電性高分子水分散液中に残留する。
導電性高分子水分散液に含まれる導電性複合体の固形分濃度は、水分散液の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
導電性複合体にアミン化合物を添加すると、導電性複合体のポリアニオンのフリーのアニオン基にアミン化合物が付加し、親水性が失われて疎水性になる。そのため、導電性複合体のアミン付加物は水相から非水溶性有機溶剤に移行する。したがって、導電性複合体のアミン付加物を非水溶性有機溶剤中に抽出することができる。
導電性高分子水分散液にアミン化合物及び非水溶性有機溶剤を添加し、混合し、静置した後には、油相である上層と水相である下層とに分離する。上層は、導電性複合体のアミン付加物が非水溶性有機溶剤に分散した導電性高分子分散液であり、下層は、導電性高分子水分散液から導電性複合体が抽出されて残った水系残液である。
抽出後の導電性高分子分散液における導電性複合体の固形分濃度は、導電性高分子分散液の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
(アミン化合物の質量/導電性複合体の質量)を前記下限値以上にすれば、導電性複合体を非水溶性有機溶剤に分散させた導電性高分子分散液がゲル化することを抑制でき、塗工液としての適性がより高くなる。(アミン化合物の質量/導電性複合体の質量)を前記上限値以下にすれば、導電性複合体の含有割合が多くなるため、導電性高分子分散液から形成した導電層の導電性が高くなる。
抽出工程において、(アミン化合物の質量/導電性複合体の質量)を前記範囲内にすることによって、塗工液として適した導電性高分子分散液を容易に製造でき、導電性高分子分散液から形成した導電層が優れた導電性を発揮できる。
導電性高分子水分散液に、アミン化合物、非水溶性有機溶剤、及び必要に応じて水溶性有機溶剤を添加した後には、前記成分を攪拌混合することが好ましい。前記成分を攪拌混合することによって、導電性高分子水分散液に含まれる導電性複合体を非水溶性有機溶媒に充分に抽出できる。
攪拌混合においては、撹拌機を使用してもよいし、前記成分を入れた容器を振とうさせてもよい。
分液工程においては、導電性高分子分散液を容易に分液できることから、分液漏斗を用いてもよい。分液漏斗を用いる場合には、導電性高分子水分散液とアミン化合物と非水溶性有機溶剤とを混合した混合液を分液漏斗内に入れ、分液漏斗を振とうさせて混合液をかき混ぜた後、しばらく静置して上層の油相と下層の水相とに分離する。その後、下層のみを分液漏斗から抜き出し、残った油相の導電性高分子分散液を回収する。
分液により分取した前記導電性高分子分散液を水で洗浄する方法の例としては、水相を取り除いて得た油相の導電性高分子分散液に水を添加し、混合した後、静置して、上層の油相と下層の水相とに分離し、下層の水相を除去する。これにより導電性高分子分散液を水により洗浄する。この洗浄操作は複数回繰り返すことが好ましい。
水による洗浄の際、抽出した導電性高分子分散液には、導電性高分子分散液の体積に対して、好ましくは0.1倍以上100倍以下、より好ましくは0.5倍以上50倍以下の体積の水を添加する。水の添加量が前記下限値以上であれば、充分な洗浄効果が得られる。水の添加量が前記上限値以下であれば、簡便に導電性高分子分散液を洗浄できる。
希釈用有機溶剤としては特に制限されず、前記非水溶性有機溶剤及び前記水溶性有機溶剤と同様の溶剤を使用できる。得られる導電性高分子分散液の塗工液の適性がより高くなる点では、希釈用有機溶剤は水溶性有機溶剤が好ましく、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及びケトン系溶剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤がより好ましく、イソプロパノール及びメチルエチルケトンの少なくとも一方がさらに好ましい。希釈用有機溶剤を添加すれば、導電性高分子分散液を適度な粘度に容易に調整でき、塗工性が高くなるため、塗工液としての適性がより高くなる。
希釈用有機溶剤の添加量は、希釈後に得られる導電性高分子分散液の固形分濃度が、導電性高分子分散液の総質量に対して0.05質量%以上10質量%以下になる量であることが好ましく、0.1質量%以上5.0質量%以下になる量であることがより好ましい。希釈用有機溶剤の添加量が前記下限値以上であれば、導電性高分子分散液の塗工液としての適性をより向上させることができる。希釈用有機溶剤の添加量が前記上限値以下であれば、導電性高分子分散液から形成する導電層の厚さを容易に厚くできる。
バインダ成分は疎水性であることが多い。そのため、添加したバインダ成分は、分散媒が有機溶剤である導電性高分子分散液に溶解しやすい。
バインダ成分の添加量は、導電性複合体の固形分100質量部に対して、100質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、100質量部以上5000質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上1000質量部以下であることがさらに好ましい。バインダ樹脂の添加量が前記下限値以上であれば、導電層の強度を向上させることができる。しかし、バインダ樹脂の添加量が前記上限値を超えると、導電性複合体の含有割合が低下するため、導電性が低下することがある。バインダ成分の添加量が前記上限値以下であれば、導電層の導電性を確保できる。
また、本態様の導電性高分子分散液の製造方法によれば、有機溶剤に導電性複合体が均一に分散した導電性高分子分散液を容易に製造できる。
また、本態様の導電性高分子分散液の製造方法によれば、導電性高分子分散液中の水分量を容易に少なくできる。例えば、導電性高分子分散液における水の含有量を0質量%以上5質量%以下、特に0質量%以上1質量%以下にすることができる。
本発明の導電性フィルムの製造方法の一態様について説明する。
本態様における導電性フィルムは、フィルム基材と、前記フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された導電層とを備える。
また、フィルム基材は、未延伸のものでもよいし、延伸されたものでもよい。
フィルム基材の厚さは、任意の10箇所以上について厚さを、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて測定し、その測定値を平均した値である。
また、導電性高分子分散液が、高導電化剤及び添加物の少なくとも一方をさらに含有する場合には、導電層も高導電化剤及び添加物の少なくとも一方をさらに含有する。
導電層の厚さは、任意の10箇所以上について厚さを、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて測定し、その測定値を平均した値である。
導電性高分子分散液を塗工する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
上記のうち、導電性高分子分散液を簡便に塗工できることから、バーコーターを用いることがある。バーコーターにおいては、種類によって塗工厚が異なり、市販のバーコーターでは、種類ごとに番号が付されており、その番号が大きい程、厚く塗工できるものとなっている。
その乾燥方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、通常は50℃以上150℃以下の範囲であり、好ましくは60℃以上130℃以下、より好ましくは70℃以上120℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。
また、充分に分散媒を除去する点で、乾燥時間は5分以上であることが好ましい。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光線等が挙げられる。紫外線の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源を用いることができる。
紫外線照射における照度は100mW/cm2以上が好ましい。照度が100mW/cm2未満であると、活性エネルギー線硬化性のバインダ成分が充分に硬化しないことがある。また、積算光量は50mJ/cm2以上が好ましい。積算光量が50mJ/cm2未満であると、充分に架橋しないことがある。なお、本明細書における照度、積算光量は、トプコン社製UVR-T1(工業用UVチェッカー、受光器;UD-T36、測定波長範囲;300nm以上390nm以下、ピーク感度波長;約355nm)を用いて測定した値である。
また、前記態様の導電性高分子分散液の製造方法によって得られた導電性高分子分散液は、有機溶剤に導電性複合体が均一に分散した分散液であるから、塗工して形成した導電層は導電性を充分に発揮できる。
下記の例において、質量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィを用いて溶出時間を測定し、分子量既知のポリスチレン標準物質から予め得た、溶出時間対分子量の校正曲線に基づいて求めた質量基準の分子量のことである。
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。得られたポリスチレンスルホン酸の質量平均分子量は20万であった。
次いで、得られたポリスチレンスルホン酸を水に溶解し、固形分濃度10質量%のポリスチレンスルホン酸水溶液を得た。
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した0.76gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。得られたポリスチレンスルホン酸の質量平均分子量は30万であった。
次いで、得られたポリスチレンスルホン酸を水に溶解し、固形分濃度10質量%のポリスチレンスルホン酸水溶液を得た。
60℃に加熱した220gのイソプロピルアルコールに、4gのラジカル重合開始剤(日油株式会社製、パーロイル355S、脂肪族ジアシルパーオキサイド)と25gのイソプロパノールとの混合溶液を添加して、重合開始剤溶液を得た。
次いで、前記重合開始剤溶液に、メタクリル酸メチル30gとアクリル酸ブチル30gとメタクリル酸2-ヒドロキシエチル30gとメタクリル酸10gとを含むモノマー混合液を、3時間かけて連続的に添加した。これにより、前記モノマーを重合させて、固形分濃度29質量%のアクリルポリマー溶液を得た。
0.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェンと、15gの製造例1のポリスチレンスルホン酸水溶液を137.6mlのイオン交換水に溶かした溶液とを、20℃で混合させた。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、かき混ぜながら、0.3gの過硫酸アンモニウム及び1.1gの硫酸第二鉄を13.6mlのイオン交換水に溶かした酸化触媒溶液を徐々に添加し、3時間攪拌を継続した。これにより、3,4-エチレンジオキシチオフェンを重合させて、固形分濃度1.2質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT-PSS水分散液)を得た。
得られたPEDOT-PSS水分散液168.1gに、2gのトリオクチルアミンと84gのイソプロパノールとの混合液を添加し、2時間攪拌して、PEDOT-PSSのトリオクチルアミン付加物を析出させた。次いで、PEDOT-PSSのトリオクチルアミン付加物を含む前記混合液に、42gのトルエンを添加し、2時間攪拌した後、静置して、上層(油相)及び下層(水相)の2層に分離させた。次いで、下層を分離除去した後、上層の60mlに対して160mlのイオン交換水を添加し、再び下層を分離除去するという操作を2回繰り返して、PEDOT-PSSのトリオクチルアミン付加物を含むトルエン溶液を得た。
次いで、得られたPEDOT-PSSのトリオクチルアミン付加物を含むトルエン溶液に、固形分濃度が0.6質量%になるように希釈用有機溶剤としてイソプロパノールを添加した後、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理した。これにより、固形分濃度0.6質量%のPEDOT-PSSのトリオクチルアミン付加物を含むイソプロパノール溶液を得た。
得られたPEDOT-PSSのトリオクチルアミン付加物を含むイソプロパノール溶液100gに、5gのN-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドを添加し、30分間攪拌した。さらに、100gの製造例3のアクリルポリマー溶液を混合して、導電性高分子分散液を得た。
ポリスチレンスルホン酸水溶液の添加量及び種類、トリオクチルアミンの添加量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を得た。
トリオクチルアミンをトリブチルアミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を得た。
希釈用有機溶剤をイソプロパノールからメチルエチルケトンに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を得た。
トリオクチルアミンの添加量を1gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を得た。
トリオクチルアミンの添加量を7gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を得た。
トリオクチルアミンの添加量を1gに変更したこと以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を得た。
トリオクチルアミンの添加量を7gに変更したこと以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を得た。
実施例1においてトルエンを添加しなかったこと以外は同様にして検討を行った。しかしながら、2時間攪拌した後、静置しても、上層(油相)及び下層(水相)の2層に分離しなかったため中止した。
各例の導電性高分子分散液を、No.4のバーコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT-60)に塗工し、120℃で1分間乾燥して、導電層を備える導電性フィルムを得た。
各例の導電性フィルムの表面抵抗値を、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製ハイレスタ)を用い、印加電圧10V、印加時間10秒の条件で測定した。測定結果を表1に示す。
実施例1~12の導電性高分子分散液から形成した導電層は、表面抵抗値が小さく、導電性が高かった。
なお、(アミン化合物質量/導電性複合体質量)が1未満であった実施例13,15は、導電性高分子分散液にゲル化が見られたが、例えば、非水溶性有機溶剤又は水溶性有機溶剤で希釈することにより使用可能になることがある。
(アミン化合物質量/導電性複合体質量)が3超であった実施例14,16は、導電層の表面抵抗値が大きかったが、導電層は導電性複合体を含んでいるため、僅かであるが導電性を有する。
なお、実施例13~16は比較例である。
実施例1の導電性高分子分散液70gに、さらにペンタエリスリトールトリアクリレート30gと光重合開始剤(BASF社製イルガキュア184)1.2gとを添加して、光硬化性導電性高分子分散液を得た。得られた光硬化性導電性高分子分散液の外観に異常は見られず、有機溶剤中の導電性複合体の分散性は良好であった。
前記光硬化性導電性高分子分散液を、No.12のバーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT-60)に塗工し、100℃で1分間乾燥して塗膜を形成した。次いで、前記塗膜に400mJの紫外線を照射して、塗工した光硬化性導電性高分子分散液を硬化させた。これにより、導電層を備える導電性フィルムを得た。
得られた導電性フィルムについて、前記実施例と同様に、表面抵抗値を測定したところ、2.0×108Ω/□であり、導電性が高かった。
Claims (15)
- π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水と、前記π共役系導電性高分子の化学酸化重合に用いた触媒及び酸化剤と、を含有する導電性高分子水分散液に、アミン化合物及び非水溶性有機溶剤を添加して、導電性複合体のアミン付加物を生成すると共に前記導電性複合体のアミン付加物を非水溶性有機溶剤中に抽出して導電性高分子分散液を得る工程を有し、
前記アミン化合物と前記導電性複合体との質量比(前記アミン化合物の質量/前記導電性複合体の質量)が1.0以上3.0以下である、導電性高分子分散液の製造方法。 - 前記導電性高分子水分散液に、前記アミン化合物及び前記非水溶性有機溶剤に加えて水溶性有機溶剤を添加する、請求項1に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記水溶性有機溶剤がイソプロパノールである、請求項2に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記抽出により得た前記導電性高分子分散液を分液により分取する工程をさらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 分液により回収した前記導電性高分子分散液を水で洗浄する、請求項4に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 分液により回収した前記導電性高分子分散液にさらに希釈用有機溶剤を添加する工程を有する、請求項4又は5に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記希釈用有機溶剤がイソプロパノール及びメチルエチルケトンの少なくとも一方である、請求項6に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 分液により回収した前記導電性高分子分散液にさらにバインダ成分を添加する工程を有する、請求項4から7のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記バインダ成分が活性エネルギー線硬化性を有する、請求項8に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記非水溶性有機溶剤がトルエンである、請求項1から9のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1から10のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1から11のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 前記アミン化合物がトリオクチルアミン及びトリブチルアミンの少なくとも一方である、請求項1から12のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
- 請求項1から13のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液の製造方法により導電性高分子分散液を製造する工程と、前記導電性高分子分散液をフィルム基材の少なくとも一方の面に塗工する工程と、塗工した導電性高分子分散液を乾燥する工程と、を有する導電性フィルムの製造方法。
- 前記導電性高分子分散液が活性エネルギー線硬化性のバインダ成分を含有する場合、 塗工した導電性高分子分散液を乾燥して形成した塗膜に活性エネルギー線を照射する工程をさらに有する、請求項14に記載の導電性フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018024465A JP7175087B2 (ja) | 2018-02-14 | 2018-02-14 | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018024465A JP7175087B2 (ja) | 2018-02-14 | 2018-02-14 | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019137815A JP2019137815A (ja) | 2019-08-22 |
JP7175087B2 true JP7175087B2 (ja) | 2022-11-18 |
Family
ID=67693270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018024465A Active JP7175087B2 (ja) | 2018-02-14 | 2018-02-14 | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7175087B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7475156B2 (ja) * | 2020-02-14 | 2024-04-26 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子分散液、導電性積層体及びその製造方法 |
JP7496737B2 (ja) * | 2020-08-21 | 2024-06-07 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 |
JP7471212B2 (ja) | 2020-12-11 | 2024-04-19 | 信越ポリマー株式会社 | 修飾型導電性複合体含有液の製造方法、及び導電性積層体の製造方法 |
JP7550727B2 (ja) | 2021-06-25 | 2024-09-13 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法 |
CN115193275B (zh) * | 2022-07-08 | 2023-07-18 | 中国科学院生态环境研究中心 | 电响应膜及其制备方法和应用 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004175373A (ja) | 2002-11-25 | 2004-06-24 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | カバーテープ及び包装体 |
JP2008115215A (ja) | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性高分子溶液の製造方法 |
-
2018
- 2018-02-14 JP JP2018024465A patent/JP7175087B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004175373A (ja) | 2002-11-25 | 2004-06-24 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | カバーテープ及び包装体 |
JP2008115215A (ja) | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性高分子溶液の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019137815A (ja) | 2019-08-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7175087B2 (ja) | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
EP1857504B1 (en) | Electroconductive-polymer solution, antistatic coating material, antistatic hard coating layer, optical filter, electroconductive coating film, antistatic pressure-sensitive adhesive, antistatic pressure-sensitive adhesive layer, protective material, and process for producing the same | |
JP6774968B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP6548329B2 (ja) | アルコール含有導電性高分子分散液及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP6504706B2 (ja) | 導電性高分子有機溶剤分散液の製造方法 | |
JP6900308B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP7045276B2 (ja) | 導電性高分子含有液の製造方法 | |
JP7033514B2 (ja) | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP2017025262A (ja) | 導電性高分子分散液及び導電性フィルム | |
JP7269870B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP6611317B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP6590692B2 (ja) | 導電性高分子分散液の製造方法及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP7311412B2 (ja) | 高導電性複合体の製造方法、高導電性複合体の水系分散液の製造方法、高導電性複合体の有機溶剤分散液の製造方法、導電性フィルムの製造方法 | |
JP7253464B2 (ja) | 高導電性複合体の製造方法、高導電性複合体の水系分散液の製造方法、高導電性複合体の有機溶剤分散液の製造方法、導電性フィルムの製造方法 | |
JP7265841B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2022092880A (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法 | |
JP7116636B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP7496741B2 (ja) | 修飾型導電性複合体の製造方法、修飾型導電性複合体分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP2021014520A (ja) | 導電性高分子分散液、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP7479160B2 (ja) | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP7291555B2 (ja) | 導電性高分子含有液、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP7550727B2 (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法 | |
JP7269817B2 (ja) | 高導電性複合体の製造方法、高導電性複合体の有機溶剤分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP6465485B2 (ja) | 導電性固形物の製造方法、導電性高分子有機溶剤分散液の製造方法、及び帯電防止フィルムの製造方法 | |
JP2023018388A (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180308 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220701 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221018 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7175087 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |