JP2019115461A - 使い捨ておむつおよび使い捨ておむつの製造方法 - Google Patents

使い捨ておむつおよび使い捨ておむつの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポケットに流入した排泄物の逆流を抑制可能とした使い捨ておむつおよび使い捨ておむつの製造方法を提供する。【解決手段】第1外装体および第2外装体と、前後方向における両端部に第1外装体および第2外装体と重なる端部領域を備え、第1外装体と第2外装体との間に股下部を構成する吸収性本体16と、端部領域における肌と接する内面を覆い、股下部10Cを向いた第1開口端30Pを有する第1ポケット30Fと、吸収性本体16の内面において、胴周り開口部を向いた第2開口端30Qを有する第2ポケット30Yとを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、使い捨ておむつおよび使い捨ておむつの製造方法に関する。
使い捨ておむつには、肌と接触する内面に、股下部に向けて開口したポケットを備えるものが知られている。ポケットは、股下部から腹や背に向けて流れる排泄物を収容することで、排泄物の腹漏れや背漏れを抑制する(特許文献1参照)。
特許第6229787号公報
しかしながら、上述したポケットの構成では、ポケットに収容された排泄物が、吸収体に吸収される前に、股下部に向けて逆流してしまうおそれがある。
本発明は、ポケットに流入した排泄物の逆流を抑制可能とした使い捨ておむつおよび使い捨ておむつの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための使い捨ておむつは、左右両端部が接合されて上端部に胴周り開口部を構成する第1外装体および第2外装体と、前後方向における両端部に前記第1外装体および前記第2外装体と重なる端部領域を備え、前記第1外装体と前記第2外装体との間に股下部を構成する吸収性本体と、前記吸収性本体の少なくとも一方の前記端部領域における肌と接する内面を覆い、前記胴周り開口部を構成する上端部に近い基端から前記股下部を向いた第1開口端を有する第1ポケットと、前記吸収性本体の内面に設けられ、前記基端を向いた第2開口端を有する第2ポケットとを備える。
上記構成によれば、第2ポケットは、着用者が立ったり、寝返りしたりして、第1ポケットに流入した排泄物が股下部の方向に戻ろうとしても、第2ポケットに流入し股下部への逆流を抑えることができる。したがって、着用者の股下が汚損することを抑えることができる。
上記使い捨ておむつにおいて、前記第2開口端は、前記第1ポケットと重なった位置に設けられているようにしてもよい。
上記構成によれば、第1ポケットに流入した排泄物が逆流しようとするときに、より確実に第2ポケットに排泄物を流入させることができる。
上記使い捨ておむつにおいて、前記第2開口端には、左右方向に延在される弾性部材を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、第2開口端が開きやすくなり、第1ポケットから逆流する排泄物が第2ポケットに流入し易くなる。
上記使い捨ておむつにおいて、前記第2ポケットは、前記端部領域の内面に対して、シート素材を接着して構成されているようにしてもよい。
上記構成によれば、第2ポケットを吸収性本体の内面に一体的に設けることができる。
上記使い捨ておむつにおいて、前記第2ポケットは、前記吸収性本体に対して前記肌とは反対側に位置するシート部であって、胴周り方向における前記吸収性本体の外側に位置する前記シート部に対して、シート素材を接着して構成されているようにしてもよい。
上記構成によれば、第2ポケットの第2開口端の左右方向の幅を広くすることができる。すなわち、第2開口端の幅を吸収性本体の左右方向の幅に合わせることができ、より確実に第1ポケットから逆流する排泄物が第2ポケットに流入し易くなる。
上記使い捨ておむつにおいて、前記吸収性本体の内面は、最も肌側に位置するトップシートによって構成され、前記第2ポケットは、前記トップシートを、折線が前記内面の左右方向に形成されるように段折りして、前記第2開口端となる自由端部が前記股下部とは反対側を向くひだを設けることによって構成されているようにしてもよい。
上記構成によれば、吸収性本体の構成要素であるトップシートを用いて簡単な構成の第2ポケットを吸収性本体に対して一体的に設けることができる。
上記使い捨ておむつにおいて、前記第1外装体および前記第2外装体の少なくとも1つの外装体は、胴周り方向に延在され伸縮する弾性部材を備え、当該弾性部材をシートで挟み込んで構成した内側弾性部であって、前記吸収性本体より肌側となる内側に位置する前記内側弾性部と、前記吸収性本体より肌とは反対側の外側であって、少なくとも前記内側弾性部と対向して位置するシート部であって、前記内側弾性部が前記端部領域の周囲において接着される前記シート部とを備え、前記第1ポケットは、前記内側弾性部と前記端部領域の内面との間に構成されているようにしてもよい。
上記構成によれば、内側弾性部を端部領域に対して内側にして肌との密着性が向上されたおむつにおいて、内側弾性部と端部領域との間に設けられた第1ポケットから逆流する排泄物が流出することを抑える第2ポケットを設けることができる。
上記課題を解決するための使い捨ておむつの製造方法は、第1外装体および第2外装体と、前後方向における両端部に前記第1外装体および前記第2外装体と重なる端部領域を備え、前記第1外装体と前記第2外装体との間に股下部を構成する吸収性本体とを備えた使い捨ておむつの製造方法において、前記第1外装体および前記第2外装体を構成するシート部に対して前記吸収性本体の端部領域を接着する工程と、少なくとも一方の前記端部領域における肌と接する内面を覆い、胴周り開口部を構成する上端部に近い基端から前記股下部を向いた第1開口端を有する第1ポケットを形成する工程と、前記吸収性本体の内面において、前記基端を向いた第2開口端を有する第2ポケットを形成する工程とを備える。
上記使い捨ておむつの製造方法において、前記第2開口端は、前記第1ポケットと重なった位置に設けるようにしてもよい。
上記使い捨ておむつの製造方法において、前記第2ポケットの第2開口端に、左右方向に延在される弾性部材を配置する工程を備えるようにしてもよい。
上記使い捨ておむつの製造方法において、前記第2ポケットを形成する工程では、前記端部領域の内面に対して、シート素材を接着して前記第2ポケットを形成するようにしてもよい。
上記使い捨ておむつの製造方法において、前記第2ポケットを形成する工程では、胴周り方向における前記吸収性本体の外側に位置する前記シート部に対して、シート素材を接着して前記第2ポケットを形成するようにしてもよい。
上記使い捨ておむつの製造方法において、前記吸収性本体の内面は、トップシートによって構成され、前記第2ポケットを形成する工程では、前記トップシートを、折線が前記内面の左右方向に形成されるように段折りして、前記第2開口端となる自由端部が前記股下部とは反対側を向くひだを設けることによって前記第2ポケットを形成するようにしてもよい。
上記使い捨ておむつの製造方法において、前記第1外装体および前記第2外装体の少なくとも1つの外装体は、胴周り方向に延在され伸縮する弾性部材を備え、当該弾性部材をシートで挟み込んで構成した内側弾性部であって、前記吸収性本体より肌側となる内側に位置する前記内側弾性部を備え、前記製造方法は、前記弾性部材をシートで挟み込んで前記内側弾性部を構成し、前記内側弾性部を、前記端部領域の内面上に重ね、前記端部領域を前記シート部と前記内側弾性部とで挟み込み、前記シート部と前記内側弾性部とを接着して、前記内側弾性部と前記端部領域の内面との間に前記第1ポケットを形成するようにしてもよい。
本発明によれば、ポケットに流入した排泄物の逆流を抑制可能とした使い捨ておむつおよび使い捨ておむつの製造方法を提供することができる。
本発明の使い捨ておむつを具体化した第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの斜視図。 (a)は、第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)の2B−2B断面図。 (a)は、上部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図、(b)は、下部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図。 おむつが装着された状態の要部断面図。 第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの製造工程を示す図であり、(a)は、外側シート部に対して上部弾性部材および下部弾性部材を配置した状態を示す図、(b)は、上部弾性部材および下部弾性部材の上に1枚の内側シート部を重ねた状態を示す図、(c)は、吸収性本体の端部領域を接着する領域および内側弾性部を接着する領域に接着剤を塗布した状態を示す図、(d)は、吸収性本体を載置した状態を示す図、(e)は、内側弾性部を折り返す状態を示す図、(f)は、内側弾性部を配置した状態を示す図。 第2実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第3実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図。 第3実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの製造工程を示す図であり、(a)は、外側シート部に対して上部弾性部材および下部弾性部材を配置した状態を示す図、(b)は、上部弾性部材および下部弾性部材の上に1枚の内側シート部を重ねる状態を示す図、(c)は、吸収性本体の端部領域を接着する領域および内側弾性部を接着する領域に接着剤を塗布した状態を示す図、(d)は、吸収性本体およびポケットシートを載置した状態を示す図、(e)は、内側弾性部を折り返す状態を示す図、(f)は、内側弾性部を配置した状態を示す図。 (a)は、第4実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)の9B−9B断面図。 第5実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。
図1ないし図10を参照して本発明における使い捨ておむつを具体化した一実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつについて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、パンツ型使い捨ておむつ10(以下、単に「おむつ10」という。)は、人体の腹部形状に追従する形状を有する前身頃10Fと、人体の背部形状に追従する形状を有する後身頃10Rと、前身頃10Fおよび後身頃10Rを繋ぐ股下部10Cとを備える。
前身頃10Fにおいて股下部10Cと反対側は、人体の胴周りの部分を取り囲む胴周り部10Wを構成し、上端に、胴周り開口部10Aを備えている。また、前身頃10Fにおける左右両端部、後身頃10Rにおける左右両端部、および、股下部10Cにおける左右両端部の下側とは、人体の太股部分を取り囲む形状を有した左右一対の脚周り開口部10Lを構成している。また、前身頃10Fと後身頃10Rの胴周り方向となる左右方向Xの左右両端部は、接合部11となっている。
図2(a)は、パンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)の2B−2B断面図である。なお、図2(b)において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
前身頃10Fにおける胴周り部10Wは、第1外装体としての腹側外装体12Fで構成され、後身頃10Rにおける胴周り部10Wは、第2外装体としての背側外装体12Rで構成されている。
腹側外装体12Fおよび背側外装体12Rは、左右方向Xを長手方向とした矩形形状を有している。外装体を構成するシートは、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布であり、また、透液性シート、不透液性シートの何れであってもよい。そして、腹側外装体12Fは、腹側外装体12Fを構成するシート間に腹側上部弾性部材15FUおよび腹側下部弾性部材15FDが挟まれて構成されている。背側外装体12Rもまた、背側外装体12Rを構成するシート間に背側上部弾性部材15RUおよび背側下部弾性部材15RDが挟まれて構成されている。これらの弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンなどから選ばれる1つ以上の材料により形成された弾性体であり、糸状または紐状に形成されている。弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、複数本が互いに平行に、左右方向Xに沿って配置されている。
腹側外装体12Fと背側外装体12Rとは、股下部10Cを構成する吸収性本体16で連結される。吸収性本体16は、前後方向Yを長手方向とした矩形形状を有している。図2(b)に示すように、吸収性本体16は、液不透過性を有したバックシート17と、吸収体18と、液透過性を有したトップシート19と、バックシート17に対して外側に重ねられるカバーシート20とを備えている。おむつ10において、トップシート19は、着用者の肌と接する内側に配置され、バックシート17は、吸収体18に対して外側に配置され、カバーシート20は、バックシート17を覆うように、最外に配置される。そして、吸収性本体16において、外側から、カバーシート20、バックシート17、吸収体18、トップシート19の順に重なっている。
バックシート17を形成する材料は、例えば、液不透過性を有したポリエチレン樹脂製のフィルムである。バックシート17は、通気性を確保するため、微細孔が多数形成されている。トップシート19およびカバーシート20を形成する材料は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルムなどから選ばれる1以上の材料である。また、トップシート19は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維であって親水化処理が施された繊維から構成される液透過性を有した不織布などが用いられる。カバーシート20は、最外のシートであり、使用者に触れるシートであるため、手触り感を向上させる不織布などで構成されている。
吸収体18は、前身頃10F、股下部10C、および、後身頃10Rに跨るように細長い帯形状を有している。吸収体18は、吸収性材料の成形体と、成形体を包むコアラップとで構成されている。吸収体18を形成する吸収性材料の成形体は、例えば、フラッフパルプ、高吸収性ポリマー、親水性シートなどの吸収性材料を成形したものである。また、コアラップは、ティシュや不織布などで構成されている。そして、吸収体18は、バックシート17とトップシート19との間に配置され接合される。吸収体18は、腹側外装体12Fと背側外装体12Rとの間に延在され、腹側端部18Fと背側端部18Rとを備えている。なお、吸収体18において、コアラップは省略されていてもよい。
バックシート17、トップシート19、および、カバーシート20は、吸収体18に対して一回り大きな矩形形状を有したシートであり、中央領域に吸収体18が配置され、吸収体18の周辺部には吸収体18は存在しない。吸収性本体16における前後方向Yの両側縁部は、吸収体18が存在しないシート側縁部18Aである。シート側縁部18Aは、一例として、バックシート17、トップシート19、および、カバーシート20が重なって構成されている。また、シート側縁部18Aは、一例として、カバーシート20の前後方向Yに延びる両側縁部を内側に折り返して構成されている。また、吸収性本体16の前後方向Yにおける外装体12F,12Rと重なる領域の内面と外面は、外装体を構成するシートが接着される端部領域16Aとなる。端部領域16Aは、吸収性本体16の前後方向Yの両端部であって、吸収体18の腹側端部18Fおよび背側端部18Rと、これら端部18F,18Rの周辺部と、シート側縁部18Aとを含む領域である。
腹側外装体12Fは、腹側上部領域12FUと腹側下部領域12FDとを備えている。背側外装体12Rも、背側上部領域12RUと背側下部領域12RDとを備えている。
図2(b)に示すように、腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUでは、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUが吸収性本体16に対して内側、すなわちトップシート19側に配置されており、胴周り開口部10Aや胴周り部10Wの一部を構成している。腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDでは、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDが吸収性本体16に対して外側、すなわちバックシート17やカバーシート20側に配置されており、胴周り部10Wの一部を構成している。
腹側上部領域12FUには、複数本の腹側上部弾性部材15FUが左右方向Xを長手方向としたシート間(腹側外側シート部26Fと腹側内側シート部25Fの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って伸長された状態で配置されている。背側上部領域12RUには、複数本の背側上部弾性部材15RUが左右方向Xを長手方向としたシート間(背側外側シート部26Rと背側内側シート部25Rとの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って伸長された状態で配置されている。
また、腹側下部領域12FDには、複数本の腹側下部弾性部材15FDが左右方向Xを長手方向としたシート間(腹側外側シート部26Fと腹側内側シート部25Fの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って配置されている。背側下部領域12RDには、複数本の背側下部弾性部材15RDが左右方向Xを長手方向としたシート間(背側外側シート部26Rと背側内側シート部25Rとの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って配置されている。これら弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、胴周り部10Wにおいて、ウェストギャザーやタミーギャザーを構成し、腹漏れや背漏れの発生を抑制する。
図2(b)に示すように、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDは、吸収性本体16における端部領域16Aのカバーシート20に直接接着されている。図2(a)に示すように、腹側下部弾性部材15FDは、端部領域16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。また、大半の背側下部弾性部材15RDは、端部領域16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。これにより、吸収性本体16は、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDの収縮に合わせて吸収性本体16が収縮し、吸収性本体16にひだが形成されることを抑制することができる。そして、吸収性本体16と肌との間に隙間が生じることを抑制でき、腹漏れや背漏れを抑制することができる。
複数本の背側下部弾性部材15RDのうちで背側上部領域12RUの近くにおいて背側上部領域12RUの下端部に沿って位置する複数本の背側下部弾性部材15RD1は、吸収体18の背側端部18R上において、伸長した状態、すなわち切断されていない状態で配置されている。したがって、背側下部弾性部材15RD1が配置された領域では、背側端部18Rにひだ16Bが形成される。ひだ16Bが形成された背側端部18Rでは、吸収体18の厚さがひだ16Bが形成されていない領域よりも厚くなり、吸収性本体16の端部領域16Aと腹側内側シート部25Fおよび背側内側シート部25Rとの間に尿などの排泄物が導かれる案内部として機能させることができる。
図2(b)に示すように、腹側上部領域12FUは、腹側上部弾性部材15FUをシート(腹側外側シート部26Fと腹側内側シート部25F)で挟み込んで腹側内側弾性部27Fを構成している。また、腹側下部領域12FDも、腹側下部弾性部材15FDをシート(腹側外側シート部26Fと腹側内側シート部25F)で挟み込んだ腹側外側弾性部28Fを構成している。腹側上部領域12FUおよび腹側下部領域12FDは、腹側外側シート部26Fと腹側内側シート部25Fとによって、一連に繋がっている。
背側上部領域12RUは、背側上部弾性部材15RUをシート(背側外側シート部26Rと背側内側シート部25R)で挟み込んで背側内側弾性部27Rを構成している。また、背側下部領域12RDも、背側下部弾性部材15RDをシート(背側外側シート部26Rと背側内側シート部25R)で挟み込んで背側外側弾性部28Rを構成している。背側上部領域12RUおよび背側下部領域12RDは、背側外側シート部26Rと背側内側シート部25Rとによって、一連に繋がっている。
腹側外側シート部26Fおび背側外側シート部26Rは、肌とは反対側の最も外側に位置するとともに、胴周り開口部10Aの部分で内側に折り曲げられて最も肌側に位置するシートである。腹側内側シート部25Fおよび背側内側シート部25Rは、腹側外側シート部26Fおよび背側外側シート部26Rに対向するシートである。
腹側内側弾性部27Fを構成している腹側外側シート部26Fおよび腹側内側シート部25Fは、腹側上部弾性部材15FUおよび腹側下部弾性部材15FDを挟み込み、ホットメルト接着剤などの第1接着剤24で接着されている。腹側外側シート部26Fおよび腹側内側シート部25Fの折り返し部分は、胴周り開口部10Aを構成し、胴周り開口部10Aをシートの2枚重ねで構成することによって、強度を高めている(図2(b)中左A部参照)。
背側内側弾性部27Rを構成している背側外側シート部26Rおよび背側内側シート部25Rは、背側上部弾性部材15RUおよび背側下部弾性部材15RDを挟み込み、ホットメルト接着剤などの第1接着剤24で接着されている。背側外側シート部26Rおよび背側内側シート部25Rの折り返し部分は、胴周り開口部10Aを構成し、胴周り開口部10Aをシート2枚重ねで構成することによって、強度を高めている(図2(b)中右A部参照)。
腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rにおいて、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUと隣接する腹側内側シート部25Fおよび背側内側シート部25Rは、端部領域16Aのトップシート19に対して非接着とされる。また、腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rにおいて、端部領域16Aの周囲の領域では、胴周り開口部10Aで折り返された腹側内側シート部25F同士がホットメルト接着剤などの第2接着剤25によって接着される。また、端部領域16Aのカバーシート20も腹側内側シート部25Fに対してホットメルト接着剤などの第2接着剤25によって接着される。
ここで、図3(a)は、上部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図、図3(b)は、下部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図である。
図2(b)および図3(a)に示すように、腹側上部領域12FUにおいて、端部領域16Aのカバーシート20が腹側内側シート部25Fに対して第2接着剤25によって接着される領域が、第1接着領域22Aとなる。腹側の第1接着領域22Aは、第2接着剤25がベタ塗りされている。そして、第1接着領域22Aでは、端部領域16Aのカバーシート20が腹側内側シート部25Fに対して第2接着剤25によって全面接着される。また、背側上部領域12RUにおいても、端部領域16Aのカバーシート20が背側内側シート部25Rに対して第2接着剤25によって接着される領域が、第1接着領域22Aとなる。背側の第1接着領域22Aも、第2接着剤25がベタ塗りされ、端部領域16Aのカバーシート20が背側内側シート部25Rに対して第2接着剤25によって全面接着される。
また、腹側上部領域12FUにおける腹側内側弾性部27Fにおいて、第1接着領域22Aの周囲であって、胴周り開口部10Aで折り返された腹側内側シート部25F同士が第2接着剤25によって接着される領域が、第2接着領域22Bとなる。また、背側上部領域12RUにおける背側内側弾性部27Rにおいて、胴周り開口部10Aで折り返された背側内側シート部25R同士が第2接着剤25によって接着される領域が、第2接着領域22Bとなる。
腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rにおける第2接着領域22Bは、端部領域16Aの周囲となることで、股下部10Cを向いた凹部形状となる。凹部形状の内側部分において、腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rは、端部領域16Aのトップシート19に対して非接着部となる。これにより、腹側内側弾性部27Fの腹側内側シート部25Fと端部領域16Aのトップシート19との間には、腹側第1ポケット30Fが設けられる。また、背側内側弾性部27Rの背側内側シート部25Rと端部領域16Aのトップシート19との間には、背側第1ポケット30Rが設けられる。
腹側第1ポケット30Fは、股下部10Cを向いた第1開口端30Pを備え、背側第1ポケット30Rは、胴周り開口部10Aに近い側の基端から股下部10Cを向いた第1開口端30Pを備える。すなわち、腹側第1ポケット30Fおよび背側第1ポケット30Rは、底部を胴周り開口部10Aに近い位置としている。腹側第1ポケット30Fは、内側に吸収体18が存在することによって、排泄物などの液体を吸収することができる。なお、背側第1ポケット30Rには、端部領域16Aが存在していないが、腹側と同様に、吸収体18が存在するようにしてもよい。これにより、背側第1ポケット30Rにおいても、吸収体18が存在することによって、排泄物などの液体を吸収することができる。第2接着領域22Bは、胴周り開口部10Aと端部領域16Aの前後方向Yの先端部との間に所定の幅を有する余白部34を備えている。
また、図3(b)に示すように、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDにおいて、腹側外側弾性部28Fおよび背側外側弾性部28Rの腹側内側シート部25Fおよび背側内側シート部25Rが端部領域16Aのバックシート17に対して接着される領域が、第3接着領域22Cとなる。第3接着領域22Cにおいても、第2接着剤25がベタ塗りされている。そして、第3接着領域22Cでは、端部領域16Aのカバーシート20が腹側内側シート部25Fに対して第2接着剤25によって全面接着される。
ここで、腹側第1ポケット30Fおよび背側第1ポケット30Rの大きさについて説明する。図4に示すように、例えば乳幼児の体型は、腹部36側は股間部分において窪み部37を有しており、背部38側は、臀部39が出っ張っている。したがって、腹側第1ポケット30Fの第1開口端30Pは、股間部分が窪んでいることで開いた状態になり易く、排泄物も腹側第1ポケット30F内に流入し易くなる。また、腹側第1ポケット30Fは、尿などの液体が多く流入する傾向があり、小さ過ぎると腹漏れの原因となる。そこで、腹側第1ポケット30Fは、背側第1ポケット30Rに対して大きく深いものとし、尿などの排泄物を収容するための容積を十分確保し、腹漏れの発生を抑えるようにしている。そして、腹側第1ポケット30Fには、おむつ10を廃棄する際に、腹側第1ポケット30F以外の部分が丸められた状態で収容される。
また、背側第1ポケット30Rは、腹側第1ポケット30Fに対して小さく浅いものとなっているので、臀部39によって、背側第1ポケット30Rの開口端が塞がれにくくなっている。
図2(a)および(b)に示すように、腹側第1ポケットの位置において、肌側の端部領域16Aのトップシート19には、シート素材であるポケットシート30Xが接着されて第2ポケット30Yが設けられている。ポケットシート30Xは、外装体を構成するシートと同じような透液性シートや不透液性シートで構成されている。ポケットシート30Xは、矩形形状のシートであり、長手方向が吸収性本体16の左右方向Xと同じ寸法を有している。そして、第2ポケット30Yは、股下部10Cとは反対側となる胴周り開口部10Aの方向、すなわち腹側第1ポケット30Fの基端の方向を第2開口端30Qとしている。ポケットシート30Xは、端部領域16Aの外周縁部であって腹側外側シート部26Fにはみ出さない位置が接着領域30Zとなるようにホットメルト接着剤や熱溶着によってトップシート19に対して接着されている。すなわち、接着領域30Zは、胴周り開口部10Aの方向を開口端とした凹部形状を有している。第2ポケット30Yは、腹側第1ポケット30F内に位置し、腹側第1ポケット30Fの第1開口端30Pに対して前後方向Yに沿った2つの接着領域30Zの分だけ狭い有効幅の第2開口端30Qを備えている。すなわち、第2開口端30Qの左右方向Xの有効幅は、腹側第1ポケット30Fの左右方向Xの幅より若干狭いだけである。したがって、着用者が立ったり、寝返りしたりして、腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に逆流しようとしたとしても、大半の排泄物は、第2ポケット30Yに流入し、股下部10Cへ漏れてしまうことを抑えることができる。したがって、着用者の股下が汚損することを抑えることができる。第2ポケット30Yは、排泄物の収容空間がポケットシート30Xとトップシート19との間に構成されることになり、第2ポケット30Yに流入した排泄物は、トップシート19を通じて吸収体18に吸収される。
吸収性本体16の内面、すなわちトップシート19上には、前後方向Yに沿う両端部に立体ギャザー21が配置されている。各立体ギャザー21は、吸収性本体16の前後方向Yに延在する第1弾性部材21Eと、第1弾性部材21Eを挟み込むサイドシート21Sとを備えている。第1弾性部材21Eは、複数本が互いに平行な状態で、かつ、ホットメルト接着剤が塗布され伸長された状態でサイドシート21Sに対して配置され、サイドシート21Sが二つ折りされることで、サイドシート21Sによって挟み込まれる。第1弾性部材21Eは、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDと同様な材料で構成されている。サイドシート21Sも、トップシート19やカバーシート20と同様なシートで構成され、例えば、液不透過性を有した不織布などを含んだ前後方向Yに延びる長尺のシート体で構成されている。
サイドシート21Sは、前後方向Yにおいて、腹側上部領域12FU、股下部10C、および、背側上部領域12RUに跨る長さを有している。第1弾性部材21Eは、サイドシート21Sの前後方向Yにおける長さよりも短く、一例として、腹側下部領域12FD、股下部10C、および、背側下部領域12RDに跨る長さを有している。
また、吸収性本体16のシート側縁部18Aは、カバーシート20の前後方向Yに沿う両側縁部を、中央側に折り返して構成されている。そして、折り返されたシート側縁部18Aは、レグギャザー23を備えている。レグギャザー23は、シート側縁部18Aで吸収性本体16の前後方向Yに延在する第2弾性部材23Eを挟み込んで構成されている。
第2弾性部材23Eも、複数本が互いに平行な状態で、かつ、ホットメルト接着剤が塗布され伸長された状態で、腹側下部領域12FDから股下部10Cを介して背側下部領域12RDに亘って延在される。
立体ギャザー21を構成するサイドシート21Sの前端部や後端部は、熱溶着やホットメルト接着剤によってシール部21Cで接着されている。また、レグギャザー23もシート側縁部18Aの前端部や後端部は、シール部21Cで接着されている。一例として、第2ポケット30Yを設けるための前後方向Yの2つの接着領域30Zは、シール部21Cと重なるように設けられており、立体ギャザー21の第1弾性部材21Eやレグギャザー23の第2弾性部材23Eの延在位置に重ならないようにし、第1弾性部材21Eや第2弾性部材23Eの延在範囲を狭めないようにしている。
次に、おむつ10の製造方法について説明する。図5(a)〜図5(f)は、腹側外装体12Fの製造工程を示している。背側外装体12Rの製造工程は、第2ポケット30Yの工程を除いて腹側外装体12Fの製造工程と同じであるため詳細は省略する。
図5(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。そして、上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bとを備えている。
上部第1領域31Aには、上部弾性部材15FUが伸長した状態で図中手前の面31A´に配置され、また、下部領域相当部分32には、下部弾性部材15FDが伸長した状態で図中手前の面32´に配置される。そして、図5(b)に示すように、外側シート部26の全面には、接着剤25Aが塗布され、上部弾性部材15FUおよび下部弾性部材15FDを被覆するように1枚の内側シート部29が重ねられる。または、接着剤25Aが塗布された上部弾性部材15FUおよび下部弾性部材15FDが配置され、外側シート部26に対して内側シート部29が重ねられる。これにより、接着剤25Aは、外側シート部26と内側シート部29とを接着し一体化する。そして、内側弾性部27Fと外側弾性部28Fとが構成されることになる。
図5(c)に示すように、上部領域相当部分31の上部第2領域31Bにおいて、第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、第2接着剤25が塗布される。ここで、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cは、第2接着剤25がベタ塗りされる。そして、第2接着領域22Bには、第2接着剤25が塗布される。図5(d)に示すように、吸収性本体16の端部領域16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。端部領域16Aには、予め第2ポケット30Yが設けられている。吸収性本体16は、第2ポケット30Yを上側にして第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに跨って載置されることになる。
図5(e)に示すように、上部弾性部材15FUをシートで挟み込んだ内側弾性部27Fは、谷折りされて、上部第2領域31Bに重ねられる。図5(f)に示すように、内側弾性部27Fは、端部領域16Aに対して非接着であり、端部領域16Aと内側弾性部27Fとの間には、非接着の腹側第1ポケット30Fが形成されることになる。そして、腹側第1ポケット30Fの内側に位置する第2ポケット30Yを設けることができる。
以上のような第1実施形態におけるおむつ10にあっては、以下のような効果を得ることができる。
(1−1)第2ポケット30Yは、着用者が立ったり、寝返りしたりして、腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に戻ろうとしても、第2ポケット30Yに流入し逆流を抑える。したがって、着用者の股下が汚損することを抑えることができる。また、第2ポケット30Yは、第2開口端30Qが腹側第1ポケット30F内に位置していることから、より確実に逆流する排泄物が流入するようになる。
(1−2)第2ポケット30Yは、腹側第1ポケット30Fの左右方向Xの幅より接着領域30Zの分だけ若干狭いだけである。したがって、腹側第1ポケット30Fの何れの場所から排泄物が逆流しようとしても、第2ポケット30Yで逆流を抑えることができる。
(1−3)内側弾性部27Fは、吸収性本体16との直接の接着部分が無くなることで、上部弾性部材15FUが自由に伸縮することができる。したがって、おむつ10では、肌との密着性が良くなり、また、着用者の動きに対する追従性が悪くなることを抑制することができる。そして、このような密着性や追従性に優れたおむつ10において、腹側第1ポケット30Fの内側に第2ポケット30Yを設けて、腹側第1ポケット30F内の排泄物の逆流を第2ポケット30Yで防ぐことができる。
(1−4)第2ポケット30Yは、吸収性本体16の製造過程で設けることができるので、外装体と吸収性本体とを接着する工程が複雑化することを防ぐことができる。すなわち、既存の製造設備を利用することができる。
〔第2実施形態〕
図6は、第2実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図である。第2実施形態のおむつ10は、第2ポケット30Yの開口端に左右方向に弾性部材30Eが延在されている。弾性部材30Eは、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDと同様な材料で構成されている。弾性部材30Eは、ポケットシート30Xにおける第2ポケット30Yの第2開口端30Qを構成する部分において、ポケットシート30Xの端部を折り返すことによって固定されている。なお、弾性部材30Eは、当該弾性部材30Eに対してホットメルト接着剤を塗布し、ポケットシート30Xの該当部分を折り返して構成してもよいし、ポケットシート30Xの該当部分にホットメルト接着剤を塗布して弾性部材30Eを挟み込むようにしてもよい。第2ポケット30Yは、ポケットシート30Xにおける第2ポケット30Yの第2開口端30Qを構成する部分に弾性部材30Eを配置したポケットシート30Xを端部領域16Aにおけるトップシート19に接着して設けることができる。そして、図5(a)〜(f)に示した製造方法によって、第2実施形態のおむつ10を製造することができる。
以上のような第2実施形態におけるおむつ10にあっては、以下のような効果を得ることができる。
(2−1)第2ポケット30Yの第2開口端30Qは、弾性部材30Eが収縮することによって立ち上がり、第2ポケット30Yの第2開口端30Qが立ち上がり開きやすくなる。したがって、腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に逆流しようとしたとしても、第2ポケット30Yの第2開口端30Qが第1実施形態の場合よりも高い確度で開いていることから、排泄物は、第2ポケット30Yに流入し易くなる。
(2−2)第2ポケット30Yの第2開口端30Qは、腹側第1ポケット30Fの第1開口端30Pの近くでもある。したがって、腹側第1ポケット30Fの第1開口端30Pを広げる方向の補助力としても作用する。したがって、腹側第1ポケット30Fの第1開口端30Pも開き易くなる。
〔第3実施形態〕
図7は、第3実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図である。第3実施形態のおむつ10は、第2ポケット30Yの左右方向Xにおける幅が第1実施形態や第2実施形態の第2ポケット30Yの左右方向Xにおける幅より広くなっている。具体的には、ポケットシート30Xは、矩形形状のシートであり、長手方向が吸収性本体16の左右方向Xより、のり代の分若干長く形成されている。そして、ポケットシート30Xは、端部領域16Aの外側、すなわち端部領域16Aから前後方向Yの部分がはみ出し、腹側外側シート部26Fと重なった位置が接着領域30Zとなり、ホットメルト接着剤や熱溶着によって腹側外側シート部26Fに接着することができる。第3実施形態の第2ポケット30Yの左右方向Xにおける有効幅は、接着領域30Zが端部領域16Aからはみ出すことから、端部領域16Aの左右方向Xの幅と一致する。したがって、着用者が立ったり、寝返りしたりして、腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に逆流しようとしたとしても、第1実施形態や第2実施形態の場合よりも、より確実に第2ポケット30Yに排泄物が流入し、股下部10Cへ漏れてしまうことを抑えることができる。したがって、着用者の股下が汚損することを抑えることができる。
次に、第3実施形態におけるおむつ10の製造方法について説明する。図8(a)〜(c)までは、上述した第1実施形態におけるおむつ10の製造方法(図5(a)〜(c))と同じため詳細は省略する。また、図8(a)〜図8(f)は、腹側外装体12Fの製造工程を示している。背側外装体12Rの製造工程は、第2ポケット30Yの工程を除いて腹側外装体12Fの製造工程と同じであるため詳細は省略する。
図8(d)に示すように、第3実施形態では、吸収性本体16としては、第2ポケット30Yを設けていないものを用意する。そして、吸収性本体16の端部領域16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。次いで、ポケットシート30Xを用意し、ポケットシート30Xを端部領域16Aを覆うように配置する。これにより、ポケットシート30Xは、端部領域16Aからはみ出した部分が第2接着領域22Bに接着される。なお、第2ポケット30Yの底部に相当する領域30X1だけは、端部領域16Aの幅に相当する分だけホットメルト接着剤などの接着剤が塗布される。また、第2実施形態のように、第2開口端30Qに弾性部材30Eを配置するときは、予め、ポケットシート30Xに対して弾性部材30Eを配置させておけばよい。
この後、図5(e)に示すように、上部弾性部材15FUをシートで挟み込んだ内側弾性部27Fは、谷折りされて、上部第2領域31Bに重ねられる。図5(f)に示すように、内側弾性部27Fは、端部領域16Aに対して非接着であり、端部領域16Aと内側弾性部27Fとの間には、非接着の腹側第1ポケット30Fが形成されることになる。これにより、腹側第1ポケット30Fの内側に位置する第2ポケット30Yを設けることができる。
以上のような第3実施形態におけるおむつ10にあっては、以下のような効果を得ることができる。
(3−1)第2ポケット30Yは、左右方向Xにおける幅が第1実施形態や第2実施形態の第2ポケット30Yよりも広くなっている。したがって、一層、腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に戻ろうとしても、第2ポケット30Yに流入し逆流を抑えることができる。
なお、上記第1実施形態〜第3実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第2ポケット30Yは、図3(a)および(b)の状態において、立体ギャザー21の先端部21Pを基準に、左右方向Xの内側であっても外側であってもよい。具体的には、ポケットシート30Xの長手方向の幅は、立体ギャザー21の先端部21Pの間の幅と一致していてもよい。この場合、前後方向Yの接着領域30Zの分を差し引くと、第2ポケット30Yにおける第2開口端30Qの有効幅は、立体ギャザー21の先端部21Pの間の幅より狭くなる。勿論、ポケットシート30Xの長手方向の幅は、立体ギャザー21の先端部21Pの間の幅より狭くてもよい。
・ポケットシート30Xの長手方向の幅は、立体ギャザー21の先端部21Pの間の幅より広くてもよい。この場合、前後方向Yの接着領域30Zは、立体ギャザー21の先端部21Pに沿った外側の隣接位置に設けられることになり、第2ポケット30Yにおける第2開口端30Qの有効幅は、立体ギャザー21の先端部21Pの間の幅と一致することになる。勿論、第2開口端30Qの有効幅は、立体ギャザー21の先端部21Pの間の幅より広くてもよい。
・また、ポケットシート30Xは、立体ギャザー21(2つに折り返されたサイドシート21S)とトップシート19との間に配置して第2ポケット30Yを設けてもよいし、立体ギャザー21より上(トップシート19とは反対側)に配置するようにしてもよい。
・第2ポケット30Yの左右方向Xにおける有効幅は、端部領域16Aの左右方向Xの幅より広くてもよい。これにより、第2ポケット30Yは、より広い範囲でより多くの逆流する排泄物を受け止めることができる。
〔第4実施形態〕
図9は、第4実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)の9B−9B断面図である。第4実施形態では、第2ポケット30Yを、トップシート19を段折りし、ひだによって構成したものである。具体的には、吸収性本体16を製造するときに、左右方向Xに折線が付くように山折りと谷折りを交互に行うことによってひだを形成している。そして、第2ポケット30Yは、ひだの先端側の自由端部が胴周り開口部10Aの方向を向き第2開口端30Qとなり、基端部が股下部10Cの方向に位置するように構成されている。そして、ひだの基端部は、重なった2枚のシートの間に塗布された接着剤30Aによって固定されている。そして、ひだの自由端部である第2ポケット30Yの第2開口端30Qには、弾性部材30Eが延在されている。弾性部材30Eは、弾性部材30Eまたはトップシート19に塗布された接着剤30Aによって固定される。なお、弾性部材30Eは省略してもよい。また、第2ポケット30Yは、前後方向Yの両側縁部がトップシート19の上側に位置するサイドシート21Sのシール部21Cによって接着され凹部形状となっている。
以上のような第4実施形態におけるおむつ10にあっては、以下のような効果を得ることができる。
(4−1)第2ポケット30Yは、吸収性本体16の構成要素であるトップシート19を段折りすることによって構成されることから、部品点数が増加することを防ぐことができ、また、簡単な構造で構成することができる。
(4−2)腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に戻ろうとしても、第2ポケット30Yに流入し逆流を抑えることができる。そして、第2ポケット30Yに流入した排泄物は、トップシート19を通じて吸収体18に吸収される。
(4−3)第2ポケット30Yの第2開口端30Qは、弾性部材30Eが収縮することによって立ち上がり、第2開口端30Qが立ち上がり開き易くなる。したがって、腹側第1ポケット30Fに流入した排泄物が股下部10Cの方向に逆流しようとしたとしても、第2開口端30Qが開いていることから、排泄物は、第2ポケット30Yに流入し易くなる。
〔第5実施形態〕
図10は、第5実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図である。第5実施形態は、第4実施形態の変形例であって、第2ポケット30Yの内側であってひだの基端部に接着剤30Aを塗布しトップシート19に固定するようにしている。このような構成であっても、第4実施形態の第2ポケット30Yと同様な効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第1ポケットの構成としては、内側弾性部27Fを吸収性本体16の端部領域16Aの肌側に配置する構成に限定されるものではない。一例として、端部領域16Aの内面に対して第1開口端30Pが股下部10Cを向くようにシート要素を接着する構成としてもよい。
・おむつ10としては、上部領域12FU,12RUと下部領域12RD,12RDとを区画した構成に限定されるものではない。一例として、端部領域16Aに対して外側に位置する外側弾性部28F,28Rを省略する構成としてもよい。
・腹側外装体12F、背側外装体12Rの何れか一方の外装体にだけ内側弾性部27Fが設けられる構成であってもよい。
・第2ポケット30Yの第2開口端30Qに位置する弾性部材30Eは、1本でも複数本であってもよい。複数本の場合は、互いに平行に延在されることが好ましい。
・第2ポケット30Yの開口端に位置する弾性部材30Eは省略してもよい。例えば、弾性部材30Eを用いなくても、ポケットシート30Xが弾性シートで構成することによって、第2ポケット30Yの開口端を塞がりにくくすることができる。
・第2ポケット30Yは、背側第1ポケット30Rの内側だけに設けるようにしてもよいし、腹側第1ポケット30Fの内側と背側第1ポケット30Rの内側の両方に設けるようにしてもよい。これにより、背側外装体12Rでの排泄物の背側第1ポケット30Rからの股下部10Cへの逆流を抑えることができる。
・第2ポケット30Yの胴周り開口部10Aを向いた第2開口端30Qは、第1ポケットの股下部10C側を向いた第1開口端30Pより股下部10C側に位置していてもよい。すなわち、第2開口端30Qは、第1ポケットと重なっていなくてもよい。このような構成によっても、第1ポケットから戻ろうとする排泄物が流入するからである。
・第2ポケット30Yは、全体が第1ポケットの内側に収まっていなくてもよい。すなわち、第2開口端30Qは、第1開口端30Pより上側(第1ポケット内)に位置するだけで、第2ポケット30Yの収容部は、第1開口端30Pより下側(第1ポケット外)に位置していてもよい。
・上部領域12FU,12RUと下部領域12FD,12RDとは、外側シート部26や内側シート部29で繋がっていなくてもよい。
・吸収性本体16に対して内側に位置する上部弾性部材15FU,15RUが配置された領域と外側に位置する下部弾性部材15FD,15RDが配置された領域とは、重なっていてもよい。また、上部弾性部材15FU,15RUが配置された領域の下端部と下部弾性部材15FD,15RDが配置された領域の上端部とが、境界部分において、同じ位置に位置していてもよい。
・使い捨ておむつとしては、テープ型のおむつであってもよい。
・乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつであってもよい。また、ペット用であってもよい。
10…おむつ、10A…胴周り開口部、10L…脚周り開口部、10C…股下部、10W…胴周り部、11…接合部、12F…腹側外装体、12R…背側外装体、12FD…腹側下部領域、12RD…背側下部領域、12FU…腹側上部領域、12RU…背側上部領域、15FD…腹側下部弾性部材、15FU…腹側上部弾性部材、15RD,15RD1…背側下部弾性部材、15RU…背側上部弾性部材、16…吸収性本体、16A…端部領域、17…バックシート、18…吸収体、18A…シート側縁部、18F…腹側端部、18R…背側端部、19…トップシート、20…カバーシート、21…立体ギャザー、21C…シール部、21E…第1弾性部材、21P…先端部、21S…サイドシート、22A…第1接着領域、22B…第2接着領域、22C…第3接着領域、23…レグギャザー、23E…第2弾性部材、24…第1接着剤、25…第2接着剤、25A…接着剤、25F…腹側内側シート部、25R…背側内側シート部、26R…背側外側シート部、27F…腹側内側弾性部、27R…背側内側弾性部、28F…腹側外側弾性部、28R…背側外側弾性部、29…内側シート部、30A…接着剤、30E…弾性部材、30F…腹側第1ポケット、30R…背側第1ポケット、30P…第1開口端、30Q…第2開口端、30X…ポケットシート、30X1…領域、30Y…第2ポケット、30Z…接着領域、31…上部領域相当部分、31A…上部第1領域、31B…上部第2領域、32…下部領域相当部分、34…余白部、36…腹部、37…窪み部、38…背部、39…臀部。

Claims (14)

  1. 左右両端部が接合されて上端部に胴周り開口部を構成する第1外装体および第2外装体と、
    前後方向における両端部に前記第1外装体および前記第2外装体と重なる端部領域を備え、前記第1外装体と前記第2外装体との間に股下部を構成する吸収性本体と、
    前記吸収性本体の少なくとも一方の前記端部領域における肌と接する内面を覆い、前記胴周り開口部を構成する上端部に近い基端から前記股下部を向いた第1開口端を有する第1ポケットと、
    前記吸収性本体の内面に設けられ、前記基端を向いた第2開口端を有する第2ポケットと
    を備える使い捨ておむつ。
  2. 前記第2開口端は、前記第1ポケットと重なった位置に設けられている
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記第2開口端には、左右方向に延在される弾性部材を備える
    請求項1または2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記第2ポケットは、前記端部領域の内面に対して、シート素材を接着して構成されている
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記第2ポケットは、前記吸収性本体に対して前記肌とは反対側に位置するシート部であって、胴周り方向における前記吸収性本体の外側に位置する前記シート部に対して、シート素材を接着して構成されている
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記吸収性本体の内面は、最も肌側に位置するトップシートによって構成され、
    前記第2ポケットは、前記トップシートを、折線が前記内面の左右方向に形成されるように段折りして、前記第2開口端となる自由端部が前記股下部とは反対側を向くひだを設けることによって構成されている
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記第1外装体および前記第2外装体の少なくとも1つの外装体は、胴周り方向に延在され伸縮する弾性部材を備え、当該弾性部材をシートで挟み込んで構成した内側弾性部であって、前記吸収性本体より肌側となる内側に位置する前記内側弾性部と、
    前記吸収性本体より肌とは反対側の外側であって、少なくとも前記内側弾性部と対向して位置するシート部であって、前記内側弾性部が前記端部領域の周囲において接着される前記シート部とを備え、
    前記第1ポケットは、前記内側弾性部と前記端部領域の内面との間に構成されている
    請求項1ないし6のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
  8. 第1外装体および第2外装体と、前後方向における両端部に前記第1外装体および前記第2外装体と重なる端部領域を備え、前記第1外装体と前記第2外装体との間に股下部を構成する吸収性本体とを備えた使い捨ておむつの製造方法において、
    前記第1外装体および前記第2外装体を構成するシート部に対して前記吸収性本体の端部領域を接着する工程と、
    少なくとも一方の前記端部領域における肌と接する内面を覆い、胴周り開口部を構成する上端部に近い基端から前記股下部を向いた第1開口端を有する第1ポケットを形成する工程と、
    前記吸収性本体の内面において、前記基端を向いた第2開口端を有する第2ポケットを形成する工程と
    を備える使い捨ておむつの製造方法。
  9. 前記第2開口端は、前記第1ポケットと重なった位置に設ける
    請求項8に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  10. 前記第2ポケットの第2開口端に、左右方向に延在される弾性部材を配置する工程を備える
    請求項8または9に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  11. 前記第2ポケットを形成する工程では、前記端部領域の内面に対して、シート素材を接着して前記第2ポケットを形成する
    請求項8ないし10のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  12. 前記第2ポケットを形成する工程では、胴周り方向における前記吸収性本体の外側に位置する前記シート部に対して、シート素材を接着して前記第2ポケットを形成する
    請求項8ないし10のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  13. 前記吸収性本体の内面は、トップシートによって構成され、
    前記第2ポケットを形成する工程では、前記トップシートを、折線が前記内面の左右方向に形成されるように段折りして、前記第2開口端となる自由端部が前記股下部とは反対側を向くひだを設けることによって前記第2ポケットを形成する
    請求項8ないし10のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  14. 前記第1外装体および前記第2外装体の少なくとも1つの外装体は、胴周り方向に延在され伸縮する弾性部材を備え、当該弾性部材をシートで挟み込んで構成した内側弾性部であって、前記吸収性本体より肌側となる内側に位置する前記内側弾性部を備え、
    前記製造方法は、
    前記弾性部材をシートで挟み込んで前記内側弾性部を構成し、前記内側弾性部を、前記端部領域の内面上に重ね、前記端部領域を前記シート部と前記内側弾性部とで挟み込み、前記シート部と前記内側弾性部とを接着して、前記内側弾性部と前記端部領域の内面との間に前記第1ポケットを形成する
    請求項8ないし13のうち何れか1項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
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