JP2019115303A - 柑橘果汁感向上剤、柑橘果汁含有飲料、容器詰柑橘果汁含有飲料、果汁含有飲料の製造方法、及び果汁含有飲料の果汁感の強化方法 - Google Patents

柑橘果汁感向上剤、柑橘果汁含有飲料、容器詰柑橘果汁含有飲料、果汁含有飲料の製造方法、及び果汁含有飲料の果汁感の強化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】柑橘果汁含有飲料が香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができる柑橘果汁感向上剤の提供。又、香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を感じることができる柑橘果汁含有飲料の提供。又、柑橘果汁含有飲料が香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができる柑橘果汁感の強化方法の提供。【解決手段】ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む柑橘果汁感向上剤。ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む柑橘果汁含有飲料。果汁として少なくとも柑橘果汁を選択すること、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を選択すること、柑橘果汁とミント抽出物及び前記ルイボス抽出物の少なくとも一方とを含む混合物を調製することを含む果汁含有飲料の果汁感の強化方法。【選択図】なし

Description

本発明は、柑橘果汁感向上剤、柑橘果汁含有飲料、容器詰柑橘果汁含有飲料、果汁含有飲料の製造方法、及び果汁含有飲料の果汁感の強化方法に関する。
製造・流通技術の発達により、多種多様な容器詰飲料が上市されるようになった。その中でも容器詰果汁含有飲料は、古くから製造・販売されている容器詰飲料の1つであり、現在でも、数多くの消費者が愛飲している。
果汁を含有する従来の容器詰果汁飲料においては、香料を単独、あるいは複数種組み合わせて添加し、果汁の香り立ちを増強又は保持することで、果汁特有の味わいを演出している。
例えば、特許文献1には、果実成分を含有する低果汁含有飲料にハーブ成分を添加した飲料が開示されている。ここに開示された発明は、ハーブ成分の渋み及び苦味を抑え、かつ新規な清涼感をもった飲料を提供することを課題とするものであり、果実成分及びハーブ成分は合成したフレーバー等の香料であってもよいことや、香料、酸化防止剤等の食品添加物を添加してもよいことが記載されている(特に、段落0003、0007、0010、0015等)。
また、特許文献2には、フレーバーで香味付された無果汁又は低果汁含有飲料にメチルジャスモネート又はメチルジヒドロジャスモネートを添加して果汁感を向上する方法が開示されている。メチルジャスモネート又はメチルジヒドロジャスモネートの添加方法として、香料と配合された香料製剤として添加することが好ましい形態として記載されている(段落0014等)。特許文献3には、飲食品の柑橘果実のフレッシュ感や果汁感を増強することを目的に、食品用香料としてロタンドンを有効成分とする柑橘香味強化剤を用いることが開示されている(段落0011、0012)。
しかしながら、近年の健康志向の高まりやオーガニックブーム等により、消費者は、食糧品や飲料等における添加物(食品添加物)を敬遠しつつある。この傾向は容器詰果汁飲料においても例外ではなく、特に香料に由来する強すぎる香りや不自然な香りを嫌う消費者が増えている。
特開平11−215973号公報 特開2017−79607号公報 特開2016−198025号公報
飲料の果汁含有率が、例えば10質量%未満の低果汁である場合、果汁感の向上は難しい。さらに、自然な香味を損なわず、且つ、香料等の食品添加物を使用せずに、果汁含有飲料における果実本来の果汁感を向上することはより一層難しい。
本発明は、果汁含有飲料の中でも特に柑橘果汁含有飲料に着目して開発されたものであり、柑橘果汁含有飲料が香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができる柑橘果汁感向上剤を提供することを目的とする。
本発明はまた、香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を感じることができる柑橘果汁含有飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、柑橘果汁含有飲料が香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができる柑橘果汁感の強化方法を提供することを目的とする。
本発明の第一側面によると、ハーブ抽出物を含む柑橘感向上剤であり、上記ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む柑橘果汁感向上剤が提供される。
本発明の第二側面によると、柑橘果汁とハーブ抽出物を含む柑橘果汁含有飲料であり、上記ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む柑橘果汁含有飲料が提供される。
本発明の第三側面によると、果汁含有飲料の製造方法であり、果汁として少なくとも柑橘果汁を選択すること、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を選択すること、上記柑橘果汁と、上記ミント抽出物及び上記ルイボス抽出物の少なくとも一方とを含む混合物を調製することを含む果汁含有飲料の製造方法が提供される。
本発明の第四側面によると、果汁含有飲料の果汁感の強化方法であり、果汁として少なくとも柑橘果汁を選択すること、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を選択すること、上記柑橘果汁と上記抽出物及び上記ルイボス抽出物の少なくとも一方とを含む混合物を調製することを含む果汁含有飲料の果汁感の強化方法が提供される。
本発明により、柑橘果汁含有飲料が香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができる柑橘果汁感向上剤を提供することが可能となった。
また、本発明により、香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を感じることができる柑橘果汁含有飲料及びその製造方法を提供することが可能となった。
また、本発明により、柑橘果汁含有飲料が香料を含まず且つ低果汁であっても、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができる柑橘果汁感の強化方法を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施形態につき説明する。なお、本発明の構成を逸脱しない限りにおいて、実施形態に記載した以外の成分を添加等することもできる。
本実施形態に係る柑橘果汁感向上剤は、柑橘果汁含有飲料に添加することにより、柑橘果実本来の果汁感を向上させることができるものであり、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を有効成分として含む。有効成分とは、柑橘果実本来の果汁感を向上させるという機能を発揮できる程度に含有していることを意味し、その含有率は適宜調整することができる。
実施形態において、ミント抽出物又はルイボス抽出物の好ましい含有率(2種以上含有する場合は合計の含有率)は、柑橘系果汁感向上剤の全質量を基準として0.1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましく、20〜100質量%が更に好ましい。
他の実施形態に係る柑橘果汁含有飲料は、果汁として少なくとも柑橘果汁と、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む飲料であり、例えば、後述する容器に充填された容器詰柑橘果汁含有飲料であってもよい。
果汁含有飲料にハーブ抽出物を添加してなる飲料において、果汁として柑橘果汁を選択した場合、ハーブ抽出物としてミント(Mentha spp.)抽出物及びルイボス(Aspalathus linearis)抽出物の少なくとも一方を選択したとき、これら含有物同士の相乗効果により、顕著な柑橘果汁感向上効果を生じる。この効果は、柑橘果汁の含有率が低い場合や、香料又は食品添加物を含まない場合においても得られる。実施形態において、柑橘果汁感向上剤は、香料を含まないことが好ましく、また、食品添加物を含まないことが好ましい。また、実施形態において、柑橘果汁含有飲料は、香料を含まないことが好ましく、また、食品添加物を含まないことが好ましい。
本明細書において「香料」とは、後述する「食品添加物」の一種であり、食品の製造の過程において、香気を保持、増強、又は付与するために添加される添加物及びその製剤を意味する。具体的には、果汁含有飲料に含まれる果汁、すなわち、柑橘果汁及び/又は後述する任意成分として添加される他の果汁由来の香味を、保持、増強、又は付与することを目的として添加される添加物及びその製剤を意味する。
したがって、「香料」には、合成香料だけではなく、上記目的のために天然物から精製された天然香料も含まれる。例えば、果汁やハーブ抽出物から精製された香気成分は、果汁やハーブ抽出物という形態ではなく、上記目的のために果汁やハーブ抽出物と別に添加される場合は「香料」に該当する。例えば、柚子果汁が含む香気成分であるd−リモネン、(6Z、8E)−undeca−6、8、10−trien-3−one;ミント抽出物が含む香気成分であるメチルジャスモネート(ジャスモン酸メチル、すなわち、メチル3−オキソ−2−(cis−2−ペンテニル)−シクロペンチルアセテート)、及びメチルジヒドロジャスモネート(ジヒドロジャスモン酸メチル、すなわち、メチル3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチルアセテート、いわゆる“Hedione”の名で知られる);ロタンドン((3S、5R、8S)−3、8−dimethyl−5−(prop−1−en−2−yl)−3、4、5、6、7、8−hexahydroazulen−1(2H)−one)は、それぞれ、柚子果汁由来の成分、ミント抽出物由来の成分、及び香附子(こうぶし)抽出物由来の成分であるが、上記目的のために柚子果汁、ミント抽出物、及び香附子抽出物から精製されて添加される場合には、「香料」に該当し、果汁やハーブ抽出物とは区別される。
本明細書において、「食品添加物」とは、食品の製造の過程において、食品の加工又は保存の目的で添加される添加物及びその製剤を意味する。したがって、上記目的で使用される限り、化学的に合成された化合物だけではなく、上記目的のために天然物から精製された化合物も含む。一方、ハチミツ、果汁、及びハーブ抽出物は含まない。具体的には、酸化防止剤(ビタミンC等)、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機塩類、甘味料(ハチミツを除く)、乳化剤、保存料、調味料、酸味料、香料、着色料、pH調整剤(クエン酸等)、品質安定剤等の食品添加物を挙げることができる。
本明細書において、「香料を含まない」とは、香料をまったく含まないこと、及び、香料を実質的に含まないことを意味する。すなわち、香料としての効果を奏しないわずかな量を含む場合を除くものではないが、香料をまったく含まないことが好ましい。本発明の実施形態において、香料の含有率は、果汁含有飲料の全質量を基準として0〜0.1質量%であることが好ましく、0〜0.01質量%であることがより好ましく、0〜0.001質量%が更に好ましく、0質量%であることが最も好ましい。なお、本明細書において、「果汁含有飲料の全質量」とは、容器を含まない果汁含有飲料の全質量を意味する。
本明細書において、「食品添加物を含まない」とは、食品添加物をまったく含まないこと、及び、食品添加物を実質的に含まないことを意味する。すなわち、食品添加物としての効果を奏しないわずかな量を含む場合を除くものではないが、食品添加物をまったく含まないことが好ましい。本発明の実施形態において、食品添加物の含有率は、果汁含有飲料の全質量を基準として、0〜0.1質量%であることが好ましく、0〜0.01質量%であることがより好ましく、0質量%であることが更に好ましい。
(果汁含有飲料)
果汁含有飲料は、果汁を含有する飲料であり、例えば「果汁系ニアウォーター」など、果汁の使用割合が10質量%に満たない新たなカテゴリーの果汁成分含有飲料を含む。本実施形態に係る果汁含有飲料では、主たる果汁として柑橘果汁、例えば、柚子果汁、シークワーサー果汁、グレープフルーツ果汁、温州ミカン果汁、日向夏果汁を使用した。
(柑橘果汁)
本発明における柑橘果汁とは、柑橘類に属する果実(柑橘果実)を搾汁したものであって、例えば、透明果汁、混濁果汁、濃縮透明果汁、濃縮混濁果汁、ペースト、及びピューレ等が挙げられる。ここで「柑橘類」は、ミカン属、キンカン属、カラタチ属などの総称として使用されるが、飲用に適した柑橘果汁が好ましいことから、柑橘類の中でもミカン属の果汁が好ましく、ミカン属の果汁の中でもミカン類、グレープフルーツ類、雑柑類、及び香酸系柑橘類の果汁が特に好ましい。
ミカン類の果実としては、例えば、温州ミカン、紀州ミカン、カラマンダリン、及びマンダリンオレンジ等が挙げられる。グレープフルーツ類の果実としては、例えば、グレープフルーツ及びオランジェロが挙げられる。雑柑類の果実としては、例えば、夏ミカン、八朔、日向夏、及び不知火等が挙げられる。また、香酸系柑橘類の果実としては、例えば、柚子、かぼす、すだち、ライム、シークワーサー、レモン及びダイダイ等が挙げられる。上記の果実は1種を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。特に柑橘果実としてレモンが使用される場合は、他の柑橘果実と組み合わせて使用されることが好ましい。
柑橘果汁は、上述したように柑橘果実を搾汁したものであるが、例えば、柑橘果実を破砕して搾汁又は裏ごし等を施し、皮、種子等を除去したものである。これらの果汁には、皮、種子等を除去した後の搾汁液又は裏ごし液を濃縮又は希釈していないストレート果汁だけでなく、搾汁液又は裏ごし液を濃縮した濃縮果汁、濃縮果汁をさらに希釈した還元果汁等が含まれる。さらに、これらの果汁には、搾汁液又は裏ごし液に酵素処理等を施すことで清澄化した透明果汁、果実に由来する混濁成分や不要成分等の固形分を含む混濁果汁等が含まれる。本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料においては、これらの果汁のうちの1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。後掲の実施例では、上述した方法で得られた柚子果汁、シークワーサー果汁、グレープフルーツ果汁、及び温州ミカン果汁を使用した。
また本実施形態において、柑橘果汁は、混濁果汁が好ましく、濃縮果汁がより好ましい。濃縮果汁を用いることで、柑橘果実本来の果汁感を一段と醸し出すことができる。
本実施形態において、柑橘果汁の含有率(2種以上含有する場合は合計の含有率)は、果汁含有飲料の全質量を基準として、ストレート果汁換算で10質量%未満であることが好ましく、0.07質量%以上10質量%未満であることがより好ましく、0.10〜9.0質量%であることが更に好ましく、0.15〜9.0質量%であることが最も好ましい。但し、レモン果汁は、上述の通り他の柑橘果汁と組み合わせて使用されることが好ましく、その場合のレモン果汁の含有率は、果汁含有飲料の全質量を基準として、ストレート果汁換算で0.05〜1.00質量%未満であることが好ましく、0.1〜0.9質量%であることがより好ましく、0.2〜0.8質量%であることが更に好ましい。
ここで、「ストレート果汁換算」とは、果汁含有飲料の全質量に対する果汁量の比率(質量%)を、ストレート果汁が含む果汁量を基準とした比率(質量%)に換算したことを意味する。
さらに、本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料は、柑橘果汁に加えて、他の果汁を含んでいてもよい。他の果汁として、例えば、カムカム果汁などが挙げられる。このような他の果汁は、柑橘果汁含有飲料の柑橘果実本来の果汁感を更に向上させるだけでなく、柑橘果汁含有飲料の物性・成分を調整する機能を有する場合がある。例えば、カムカム果汁が挙げられる。特に、カムカム果汁は、風味のバランスを損なうことなく柑橘果実本来の果汁感を向上させるため、食品添加物を含まない柑橘果汁含有飲料において好適な果汁である。
実施形態に係る柑橘果汁含有飲料がカムカム果汁を含有する場合、カムカム果汁の含有率は、果汁含有飲料の全質量を基準として、ストレート果汁換算で0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.3〜2.0質量%であることがより好ましく、0.5〜1.5質量%であることが更に好ましい。
(ハーブ抽出物)
ハーブ抽出物は、公知の方法でハーブを抽出して得られる混合物、すなわちハーブエキスであり、その抽出物の濃縮物も含む。例えば、原料植物としてのハーブをそのまま、あるいは切断・粉砕した状態で、水、お湯又は有機溶媒等の溶媒に投入し、常圧下又は加圧下で抽出し、抽出液を回収後、任意の濃度に濃縮することによって得られるエキスである。また、濃縮の方法は特に限定されることはなく、例えば、減圧濃縮、膜濃縮等が挙げられる。本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料では、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を使用した。
(ミント抽出物)
ここで、ミントは、ハッカ属植物の総称であり、ペパーミント系とスペアミント系に分類される。ペパーミント系には、例えば、ペパーミント、ニホンハッカが挙げられる。
ミント抽出物又はルイボス抽出物に替え、香料を柑橘果汁含有飲料に添加する場合、柑橘果実本来の果汁感を向上させることは困難であり、柑橘果汁含有飲料の風味が損なわれてしまう場合がある。これは柑橘果汁の含有率が低くなるほど顕著である。香料として、例えばミント抽出物から単離されたメチルジャスモネート又はメチルジヒドロジャスモネートを使用した場合も同様である。その理由は必ずしも明らかではないが、香料を添加した場合、香料に由来する風味のみが強調されることで、柑橘果汁含有飲料の風味全体のバランスが崩れるためと推測される。
一方、原料植物としてのミント又はルイボスを溶媒に接触させて得られるエキス(混合物)であるミント抽出物又はルイボス抽出物を柑橘果汁含有飲料に添加する場合、ミント抽出物又はルイボス抽出物に含まれる様々な成分によって、柑橘果汁含有飲料の風味全体のバランスが崩されることなく、柑橘果汁含有飲料の風味が向上すると推測される。これにより、柑橘果実本来の自然な風味を損なうことなく、柑橘果汁感が強調される。
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料がミント抽出物及びルイボス抽出物のいずれか一方のみを含有する場合、その含有率は、果汁含有飲料の全質量を基準として、0.01質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、0.04質量%以上0.30質量%以下であることがより好ましく、0.070質量%以上0.100質量%以下であることが更に好ましい。他の実施形態において、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の双方を含有する場合、双方の合計の含有率が上記範囲であることが好ましい。
(ハチミツ)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料は、更にハチミツを含有することが好ましい。ハチミツは、花から集めた蜜を主原料として巣の中に貯蔵している天然の甘味料である。本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料がハチミツを含有する場合、ハチミツの含有率は、果汁含有飲料の全質量を基準として、0.1〜8.0質量%であることが好ましく、0.5〜6.0質量%であることがより好ましく、1.0〜5.0質量%であることが更に好ましい。
特に、ハチミツは、柑橘果汁と、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方とを含む柑橘果汁含有飲料にさらに含有させることで、柑橘果実本来の果汁感を向上させるだけでなく、柑橘果汁含有飲料の果汁とハーブ抽出物との相性をより良くすることができる。
また、ハチミツの含有により、ハーブ抽出物に由来する刺激的な香味も抑制される。その結果、この柑橘果汁含有飲料全体の香味にまろやかさがもたらされ、柑橘果実本来の果汁感をより深く感じることができる。
(水)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料は、通常、水を含有する。水は、一般的な清涼飲料水に用いる水であればよく、市水、天然水、或いはイオン交換処理や膜処理を施した精製水や純水等の水を用いることができる。特に、天然水を用いることが好ましい。なお、本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料で使用する水は、炭酸ガス封入の有無は問わない。炭酸ガスを封入した水を用いる場合、炭酸飲料(果汁炭酸飲料)が得られる。また、炭酸ガスを封入しない水を用いる場合、非炭酸飲料(果汁非炭酸飲料)が得られる。
(容器)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料は、一形態において、容器詰の形態で提供される。容器形態は特に限定されるものではなく、例えば金属缶(スチール缶、アルミニウム缶など)、PET容器、紙容器、瓶等を挙げることができる。
(糖度)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料の糖度(Bx)は、0.2〜5.0であることが好ましく、0.5〜4.5であることがより好ましく、0.86〜3.96であることが更に好ましい。
(酸度)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料の酸度は、品温20℃において、0.001〜0.20であることが好ましく、0.003〜0.10であることがより好ましく、0.006〜0.069であることが更に好ましい。
(糖酸比)
糖酸比は、上記の方法で得た糖度(Bx)値を、上記の方法で得た酸度で除して得られる。本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料の糖酸比は、10.0〜200.0であることが好ましく、11.0〜170.0であることがより好ましく、12.5〜100.0であることが更に好ましい。
この範囲に糖酸比を調整することで、本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料の柑橘果汁とハーブ抽出物との相性が良くなる。
(pH)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料のpHは、品温20℃において、3.0〜6.0であることが好ましく、3.1〜4.0であることがより好ましく、3.3〜3.8であることが更に好ましい。
(製造方法)
本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料は、本発明の部分を除き、従来公知の方法により製造することができる。例えば、まず、飲用に適した水に、果汁として柑橘果汁を、ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を添加して攪拌し、柑橘果汁含有飲料を調製する。その際、柑橘果汁含有飲料の糖度、酸度、糖酸比及びpHの少なくとも何れかを、上述した範囲となるよう調整することが好ましい。
ハーブ抽出物は、例えば、抽出溶媒として水を使用して得ることができる。この場合、ニーダー等の抽出機に原料となるハーブの質量を基準として、20〜80倍量(kg)の水を張り、水温を50〜90℃とし、ハーブを投入し、1〜20分間抽出することが好ましい。ハーブ抽出物の抽出効率は、溶媒の温度や加水倍率、攪拌頻度、抽出時間によって調整することができる。
水抽出により得られた抽出液はステンレスメッシュ、サラン又はネルを用い、不溶成分等の濾過除去を行うことが好ましい。その際は濾過助剤を併用しても良く、例えば、ケイソウ土、酸性白土、活性白土、タルク類、粘土、ゼオライト、粉末セルロース等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。さらに、濾過とは異なる手段として遠心分離で不純物の除去を行うことも良く、単独、あるいは濾過と併用しても良い。
また、例えば、植物原料をガラス又はステンレスなど適宜な材質のカラムに充填し、該カラムの上部もしくは下部より、室温〜100℃の熱水を、定量ポンプなどを用いて流し、カラム抽出することによって得られる抽出液を使用することもできる。かかるカラム抽出は所望により複数のカラムを直列に接続して行うことができる。
水蒸気による抽出を行う場合には、原料であるハーブに水蒸気を通気し、水蒸気に伴われて留出してくるエキスを水蒸気とともに凝縮させる方法が挙げられる。例えば、加圧水蒸気蒸留、常圧水蒸気蒸留、減圧水蒸気蒸留、気−液多段式交流接触蒸留(スピニングコーンカラム)などの方法を採用することができる。
例えば、常圧水蒸気蒸留を用いる方法は、植物原料またはその粉砕物を仕込んだ水蒸気蒸留釜の底部から水蒸気を吹き込み、上部の留出側に接続した冷却器で留出蒸気を冷却することにより、凝縮物としてエキスを得ることができる。
このようにして得られる本実施形態に係る柑橘果汁含有飲料によれば、柑橘果汁と、ハーブ抽出物、特にミント抽出物又はルイボス抽出物の少なくとも一方とを含有してなることで、柑橘果実本来の果汁感が強化される。さらにハチミツを含むことで、柑橘果汁含有飲料の果汁とハーブ抽出物との相性をより良くすることができる。この効果は、柑橘果汁の含有率が低い場合や、香料又は食品添加物を含まない場合にも得られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することができる。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下、本願の具体的な実施形態について、実施例及び比較例を挙げて説明する。
<試験1>
天然水(長野県安曇野市:硬度21)に、果汁含有飲料の全質量を基準として、表1に記載の柚子果汁0.170質量%(柚子混濁ストレート果汁と柚子ペーストの合計)と、各抽出物を表1に記載の割合で混合した。
次いで、ハチミツ1.800質量%及びカムカム透明濃縮果汁1.200質量%(ストレート果汁換算値)を混合し、各混合液のpH(品温20℃)、糖度(Bx)、及び酸度(Ac)(品温20℃)を調整した。
得られた各果汁含有飲料液を、UHT殺菌機により殺菌し、200mlPETボトルに充填することで、容器詰された各果汁含有飲料を製造した(実施例例1A〜6A)。また、上記各果汁含有飲料に対し、抽出物を添加しない以外は同様の条件及び方法で、コントロール用の容器詰果汁含有飲料を製造した(参考例A)。
[果汁]
各果汁含有飲料において、柚子果汁として柚子混濁ストレート果汁(Bx6)及び柚子ペースト(星野科学社製)を用いた。また、酸度の調整にはカムカム透明濃縮果汁(Bx30)を用いた。
[抽出物]
各果汁含有飲料において、抽出物として、ミントエキスGL72509(小川香料社製)、ルイボス茶エキスT−75(佐藤食品社製)、ガラナエキスパウダー(日本粉末薬品社製)、ドライトマトエキス(三菱フードテック社製)、昆布エキスKA(マルハチ村松社製)、及び緑茶エキスMD(佐藤食品社製)のいずれかを用いた。また、糖度の調整には精製ハチミツ(Bx78)を用いた。
各果汁含有飲料のpH、糖度(Bx)、酸度(Ac)は下記方法により測定した。
<pH>
堀場製作所F−52型・卓上pHメーターを用い、品温20℃にて測定した。
<糖度(Bx)>
光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いて、品温20℃にて測定した。
<酸度(Ac)>
自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1750)を用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を使用した電位差滴定法に基づいて、クエン酸換算で算出した。
各果汁含有飲料について、果汁感、並びに、果汁と各抽出物との香味の相性について官能評価を行った。
[官能評価]
官能評価は、果汁含有飲料の開発を専門に担当する訓練された5名のパネラーにより、行った。参考例をコントロールとして用い、予め参考例の果汁感をパネラー5人の共通認識とした。
[評価項目]
<果汁感>
−1:参考例と比較して果汁感が弱く、課題を解決していない。
0:参考例と同等の果汁感であり、課題を解決していない。
1:参考例と比較して果汁感がやや強く、課題を解決している。
2:参考例と比較して果汁感が強く、課題を解決している。
<果汁と抽出物の香味の相性>
0:果汁と抽出物の香味の相性が良くない。
1:果汁と抽出物の香味の相性が良好である。
2:果汁と抽出物の香味の相性が極めて良好である。
ここで、「果汁感」とは、果汁含有飲料が含む「果汁の味わいの強さ」のことであり、「果汁感が強い」とは、「果汁の味わいが強い」ことを意味する。また、「果汁と抽出物の香味の相性」とは、「果汁と抽出物の組み合わせにより生じる風味の良さ」のことであり、「果汁と抽出物の香味の相性が良い」とは、「果汁と抽出物の組み合わせにより生じる風味が良い」ことを意味する。
試験1の結果から、柚子果汁含有飲料に対し、ミント抽出物又はルイボス抽出物を配合することで、柚子果汁感が向上することが確認された。特にミント抽出物であると、より一層柚子の果汁感が向上することが確認された。また、ミント抽出物及びルイボス抽出物は、柚子果汁との相性が極めてよく、良好な風味が得られることが確認された。
<試験2>
試験1において製造した柚子果汁を使用した実施例1A〜6A及び参考例Aの果汁含有飲料各々に対し、柚子果汁(0.170質量%)に替えてりんご果汁(ストレート換算で0.170質量%)を使用した以外は同様の条件及び方法で、実施例1B〜6B及び参考例Bの果汁含有飲料を製造した。
同様に、パイナップル果汁(ストレート換算で0.170質量%)を使用した果汁含有飲料(実施例1C〜6C及び参考例C)、ぶどう果汁(ストレート換算で0.170質量%)を使用した果汁含有飲料(実施例1D〜6D及び参考例D)、もも果汁(ストレート換算で0.170質量%)を使用した果汁含有飲料(実施例1E〜6E及び参考例E)、うめ果汁(ストレート換算で0.170質量%)を使用した果汁含有飲料(実施例1F〜6F及び参考例F)を製造した。なお、実施例1〜6A及び参考例Aの果汁含有飲料と同様、各果汁含有飲料のpH(品温20℃)、糖度(Bx)、及び酸度(Ac)(品温20℃)を調整した。
[果汁]
各果汁含有飲料において、上記りんご果汁としてりんご混濁濃縮果汁(Bx45)を用い、上記パイナップル果汁としてパイナップル混濁濃縮果汁(Bx60)を用い、上記ぶどう果汁として赤ぶどう濃縮果汁(Bx68)を用い、上記もも果汁として白桃混濁濃縮果汁(Bx36)を用い、上記うめ果汁としてうめ濃縮果汁(Bx29)を用いた。また、酸度の調整にはカムカム透明濃縮果汁(Bx30)を用いた。
[官能評価]
得られた各果汁含有飲料を、試験1と同様の方法で、果汁感、及び、果汁と各抽出物との香味の相性について官能評価を行った。結果を表2に示す。尚、表2において、例1A〜6A及び参考例Aは、表1に記載の例1A〜6A及び参考例Aと同じである。
試験2の結果から、果汁含有飲料にミント抽出物又はルイボス抽出物を配合した場合に果汁感が向上するのは柚子果汁含有飲料の場合のみであり、柚子果汁以外の果汁含有飲料にミント抽出物又はルイボス抽出物を配合しても、果汁感は向上せず、却って果汁感が弱まる場合があることが確認された。また、果汁含有飲料にミント抽出物又はルイボス抽出物を配合した場合に、果汁と抽出物との香味の相性は、柚子果汁の場合に特に顕著に向上することが確認された。
これらの結果から、柚子果汁含有飲料にミント抽出物又はルイボス抽出物を配合することで柚子果汁感が向上することは、柚子果汁とミント抽出物又はルイボス抽出物との間において特異的に生じる効果であることがわかった。
<試験3>
天然水(長野県安曇野市:硬度21)に、
果汁含有飲料の全質量を基準として、表3に記載の各果汁1.000質量%(ストレート果汁換算値)及びミントエキス(GL72509(小川香料社製))0.070質量%を混合した。
次いで、ハチミツ1.80質量%及びカムカム透明濃縮果汁1.200質量%(ストレート果汁換算値)を添加し、表3に示す含有率にしたがって混合し、pH、糖度(Bx)、酸度及び糖酸比を調整した。pH、糖度(Bx)及び酸度(Ac)の測定方法は、試験1に記載の方法と同様の方法を用いた。得られた各果汁含有飲料を、UHT殺菌機により殺菌し、200mlPETボトルに充填することで、容器詰果汁含有飲料を製造した(実施例G、H、I及びJ)。また、上記各果汁含有飲料に対し、ミント抽出物を添加しない以外は同様の条件及び方法で、コントロール用の容器詰果汁含有飲料を製造した(参考例G、H、I及びJ)。
[官能評価]
得られた各果汁含有飲料を、試験1と同様の方法で、果汁感、及び、果汁と抽出物との香味の相性について官能評価を行った。結果を表3に示す。
試験3の結果から、ミント抽出物による果汁感向上効果は、柚子果汁に限定されるものではなく、柚子果汁以外の他の柑橘果汁に対しても発揮されることが確認された。また、ミント抽出物は、柚子果汁以外の他の柑橘果汁との相性も優れていることが確認された。
<試験4>
(試験4−1)
試験1において製造した柚子果汁とミント抽出物を使用した実施例1Aの果汁含有飲料に対し、ミント抽出物の含有率(0.070質量%)を、表4に記載の含有率に変更した以外は同様の条件及び方法で、実施例1A−1〜実施例1A−5の果汁含有飲料を製造した。
得られた各果汁含有飲料を、試験1と同様の方法で、果汁感、及び、果汁と抽出物との香味の相性について官能評価を行った。結果を表4に示す。
試験4−1の結果から、ミント抽出物の含有率が0.01質量%以上0.50質量%以下の場合、好ましくはミント抽出物の含有率が0.040質量%以上0.30質量%以下の場合に果汁感向上効果が確認された。特に、ミント抽出物の含有率が0.07質量%以上0.100質量%以下の場合に、顕著な果汁感向上効果が確認された。
(試験4−2)
試験1において製造した柚子果汁とミント抽出物を使用した例1Aの果汁含有飲料に対し、ハチミツに替えて果糖ぶどう糖液糖を使用した以外は同様の条件及び方法で、表5に記載の実施例1A−11及び1A−12の果汁含有飲料を製造した。
得られた各果汁含有飲料を、試験1と同様の方法で、果汁感、及び、果汁と抽出物との香味の相性について官能評価を行った。結果を表5に示す。
試験4−2の結果から、ミント抽出物に加えてさらにハチミツを含有させることで、柑橘果実本来の果汁感が向上するだけでなく、果汁と抽出物との相性をより良くすることが確認された。
(試験4−3)
試験1において製造した柚子果汁とミント抽出物を使用した例1Aの果汁含有飲料に対し、ミント抽出物に替えてミント香料を使用した以外は同様の条件及び方法で、表6に記載の比較例1A−21及び1A−22の果汁含有飲料を製造した。
得られた各果汁含有飲料を、試験1と同様の方法で、果汁感、及び、果汁と抽出物との香味の相性について官能評価を行った。結果を表6に示す。
試験4−3の結果から、柚子果汁含有飲料にミント香料を添加しても、ミント抽出物を添加したときに得られる果汁感向上効果は得られないことがわかった。実施例1Aで使用したミントエキス(GL72509(小川香料社製))は、香り自体は非常に弱いものであり、また、その添加量もわずかであることなどから、柑橘果汁感の向上効果に寄与しているものは、ミント抽出物の香気成分ではなく、呈味成分(特に甘さ)ではないかと推測される。
(試験4−4)
また、試験1において製造した柚子果汁とミント抽出物を使用した例1Aの果汁含有飲料に対し、精製ハチミツ及びカムカム濃縮果汁を用いることで、糖度、酸度及び糖酸比を調整した結果、糖度としては0.86〜3.96、酸度としては0.006〜0.069、糖酸比としては12.5〜100.0の範囲であることで、実施例1Aと同様の果汁感向上効果が確認された。
(試験4−5)
表4に記載の実施例1A、実施例1A−2、実施例1A−3、及び実施例1A−4の各果汁含有飲料に、炭酸ガスをガスボリュームが2.4となるように吹き込み、炭酸果汁含有飲料を得た。各果汁含有飲料を、試験1と同様の方法で果汁感について官能評価を行った結果、実施例1A、実施例1A−2、実施例1A−3、及び実施例1A−4と同様の果汁感向上効果が確認された。

Claims (14)

  1. ハーブ抽出物を含む柑橘果汁感向上剤であり、前記ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む柑橘果汁感向上剤。
  2. 前記ハーブ抽出物として少なくとも前記ミント抽出物を含む請求項1に記載の柑橘果汁感向上剤。
  3. 前記柑橘果汁感は柚子感である請求項1又は2に記載の柑橘果汁感向上剤。
  4. 柑橘果汁とハーブ抽出物を含む柑橘果汁含有飲料であり、前記ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を含む柑橘果汁含有飲料。
  5. 前記柑橘果汁として柚子果汁、シークワーサー果汁、グレープフルーツ果汁、温州ミカン果汁、及び日向夏果汁からなる群から選択される1種を少なくとも含む請求項4に記載の柑橘果汁含有飲料。
  6. 前記柑橘果汁として少なくとも前記柚子果汁を含む請求項5に記載の柑橘果汁含有飲料。
  7. ハチミツをさらに含む請求項4〜6のいずれか1つに記載の柑橘果汁含有飲料。
  8. 香料を含まない請求項4〜7のいずれか1つに記載の柑橘果汁含有飲料。
  9. 前記柑橘果汁の含有率が10質量%未満である請求項4〜8のいずれか1つに記載の柑橘果汁含有飲料。
  10. 請求項4〜9のいずれか1つに記載の柑橘果汁含有飲料が容器に充填された容器詰柑橘果汁含有飲料。
  11. 果汁含有飲料の製造方法であり、
    果汁として少なくとも柑橘果汁を選択すること、
    ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を選択すること、
    前記柑橘果汁と、前記ミント抽出物及び前記ルイボス抽出物の少なくとも一方とを含む混合物を調製すること
    を含む果汁含有飲料の製造方法。
  12. 前記ミント抽出物及び前記ルイボス抽出物は、原料植物としてのミント又はルイボスを溶媒に接触させて得られる抽出液又は当該抽出液の濃縮液である請求項11に記載の果汁含有飲料の製造方法。
  13. 果汁含有飲料の果汁感の強化方法であり、
    果汁として少なくとも柑橘果汁を選択すること、
    ハーブ抽出物としてミント抽出物及びルイボス抽出物の少なくとも一方を選択すること、
    前記柑橘果汁と、前記ミント抽出物及び前記ルイボス抽出物の少なくとも一方とを含む混合物を調製すること
    を含む果汁含有飲料の果汁感の強化方法。
  14. 前記ミント抽出物及び前記ルイボス抽出物は、原料植物としてのミント又はルイボスを溶媒に接触させて得られる抽出液又は当該抽出液の濃縮液である請求項13に記載の果汁含有飲料の果汁感の強化方法。
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