JP2019115274A - 芋焼酎、芋焼酎含有炭酸飲料、芋焼酎の製造方法、及び、芋焼酎の香味向上方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、芋焼酎の香味に関して、より良いものを創出すべく、研究開発が進められている。
そして、特許文献1には、芋焼酎独特の香味に加えて豊潤なスモーキーフレーバーの芳香を有する芋焼酎を提供できると記載されている。
そして、特許文献2には、甘い豊潤な芳香を有する芋焼酎を提供できると記載されている。
しかしながら、この芋焼酎の独特の豊潤な香味を、飲用者が重く感じてしまうことで、飲み難さを助長してしまう場合がある。よって、本発明者らは、芋焼酎の飲み易さを向上させるために、芋焼酎本来の香味の「濃厚さ」は有しつつも、芋焼酎の香味に「さわやかさ」や「メリハリ」を付与することを検討した。
(1)単式蒸留焼酎である芋焼酎であって、β−シトロネロールの含有量が120〜600ppbであり、リノール酸エチルの含有量が60〜300ppbである芋焼酎。
(2)単式蒸留焼酎である芋焼酎の混和割合がA%である混和焼酎であって、β−シトロネロールの含有量が120×A/100〜600×A/100ppbであり、リノール酸エチルの含有量が60×A/100〜300×A/100ppbである芋焼酎。
(3)芋焼酎を含有する炭酸飲料であって、β−シトロネロールの含有量が40〜200ppbであり、リノール酸エチルの含有量が20〜100ppbである芋焼酎含有炭酸飲料。
(4)単式蒸留焼酎である芋焼酎の製造方法であって、β−シトロネロールの含有量を120〜600ppbとし、リノール酸エチルの含有量を60〜300ppbとする工程を含む芋焼酎の製造方法。
(5)単式蒸留焼酎である芋焼酎の若葉的なさわやかさ、バター的な口内への残り感、及び、ハーブ様の苦味の落差を増強させる香味向上方法であって、前記芋焼酎のβ−シトロネロールの含有量を120〜600ppbとし、リノール酸エチルの含有量を60〜300ppbとする芋焼酎の香味向上方法。
本発明に係る芋焼酎含有炭酸飲料によると、β−シトロネロールとリノール酸エチルとの含有量が所定範囲に特定されていることから、濃厚な香味であるとともに、香味のさわやかさとメリハリとが増強した炭酸飲料とすることができる。
本発明に係る芋焼酎の製造方法によると、β−シトロネロールとリノール酸エチルとの含有量を所定範囲とする工程を含むことから、濃厚な香味であるとともに、香味のさわやかさとメリハリとが増強した芋焼酎を製造することができる。
本発明に係る芋焼酎の香味向上方法によると、β−シトロネロールとリノール酸エチルとの含有量を所定範囲とすることから、芋焼酎のさわやかさ(詳細には、若葉的なさわやかさ)、濃厚さ(詳細には、バター的な口内への残り感)、及び、メリハリ(詳細には、ハーブ様の苦味の落差)を増強させる。
まず、焼酎に関する定義等について簡単に説明する。
(単式蒸留焼酎)
単式蒸留焼酎とは、穀類又は芋類、これらの麹及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもの等であって、酒税法第3条第10号に規定されるものである。なお、単式蒸留焼酎は、焼酎乙類、乙類焼酎とも呼ばれる。そして、単式蒸留焼酎は、蒸留が基本的に1回であるため、原料由来の独特な風味を有する。
連続式蒸留焼酎とは、アルコール含有物を連続式蒸留機(連続して供給されるアルコール含有物を蒸留しつつ、フーゼル油、アルデヒドその他の不純物を取り除くことができる蒸留機)により蒸留したものであって、酒税法第3条第9号に規定されるものである。なお、連続式蒸留焼酎は、焼酎甲類、甲類焼酎とも呼ばれる。そして、連続式蒸留焼酎は、何度も蒸留を行うため、単式蒸留焼酎と比較し、独特な風味は減少するが、連続蒸留機を用いて製造することから大量生産に適しているため、比較的安価である。
混和焼酎とは、単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎とを混和したものである。
そして、本明細書において、混和焼酎の単式蒸留焼酎の混和割合は特に制限されず、0%を超え100%未満の範囲内であればよい。また、単式蒸留焼酎の混和割合が0%を超え50%未満であるものは、連続式・単式蒸留混和焼酎(甲乙混和焼酎)に分類され、単式蒸留焼酎の混和割合が50%以上100%未満であるものは単式・連続式蒸留混和焼酎(乙甲混和焼酎)に分類される。
芋焼酎とは、主原料(掛原料)として芋類を用いて製造された焼酎である。そして、主原料である芋類としては、サツマイモ、ジャガイモ、キャッサバ、ヤマノイモ、サトイモ、コンニャクイモ等を用いることができ、特に制限されない。
次に、本実施形態に係る芋焼酎が単式蒸留焼酎である場合について説明する。
本実施形態に係る芋焼酎(単式蒸留焼酎)は、β−シトロネロールの含有量とリノール酸エチルの含有量が所定範囲に特定されている。
β−シトロネロール(β−citronellol)は、分子式がC10H20Oで示されるモノテルペンアルコール類の化合物である。
このβ−シトロネロールは、驚くべきことに、後記のリノール酸エチルと相乗的に作用し、芋焼酎のさわやかさ(詳細には、若葉的なさわやかさ)、濃厚さ(詳細には、バター的な口内への残り感)、及び、メリハリ(詳細には、ハーブ様の苦味の落差)を増強させる。
β−シトロネロールの含有量(純アルコール換算値)は、480ppb以上が好ましく、600ppb以上がより好ましく、720ppb以上がさらに好ましく、840ppb以上が特に好ましい。また、β−シトロネロールの含有量(純アルコール換算値)は、2400ppb以下が好ましく、1800ppb以下がより好ましく、1680ppb以下がさらに好ましく、1200ppb以下が特に好ましい。
なお、純アルコール換算値とは、製造時にアルコール収率を計算する際に用いる一つの指標であって、飲料中の所定成分の含有量の値を、当該飲料のアルコール度数で除した後、100を乗じて算出される値である。例えば、アルコール度数25v/v%の飲料中にβ−シトロネロールが120ppb含有していた場合、β−シトロネロールの含有量(純アルコール換算値)は、480ppb(=120ppb/25×100)となる。
SPEMファイバー:Polydimethylsiloxane/Divinylbenzene(PDMS/DVB)
カラム::HP−1MS(長さ30m、内径0.25mm、膜厚1μm)
注入口温度:270℃
キャリアガス:He
流速:1.0ml/min
カラムオーブン:40℃→5℃/分→200℃→10℃/分→320℃
リノール酸エチル(Ethyl linoleate)は、分子式がC20H36O2で示されるエステル化合物である。
このリノール酸エチルは、驚くべきことに、前記のβ−シトロネロールの相乗的に作用し、芋焼酎のさわやかさ(詳細には、若葉的なさわやかさ)、濃厚さ(詳細には、バター的な口内への残り感)、及び、メリハリ(詳細には、ハーブ様の苦味の落差)を増強させる。
リノール酸エチルの含有量(純アルコール換算値)は、240ppb以上が好ましく、360ppb以上がより好ましく、480ppb以上がさらに好ましく、600ppb以上が特に好ましい。また、リノール酸エチルの含有量(純アルコール換算値)は、1200ppb以下が好ましく、1080ppb以下がより好ましく、960ppb以下がさらに好ましく、840ppb以下が特に好ましい。
カラム:DB-WAX(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
注入口温度:270℃
キャリアガス:He
流速:1.0ml/min
カラムオーブン:40℃→5℃/分→250℃
本実施形態に係る芋焼酎が単式蒸留焼酎である場合、45v/v%以下であり、例えば、10〜45v/v%であり、18〜40v/v%であり、20〜30v/v%である。
本実施形態に係る芋焼酎(単式蒸留焼酎)は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲において、一般的に芋焼酎に含まれる成分、例えば、無機成分、エタノール以外のアルコール分、エステル化合物、カルボニル化合物、フェノール化合物、有機酸、含硫化合物、窒素化合物等を含んでいてもよい。
次に、本実施形態に係る芋焼酎が混和焼酎である場合について説明する。
本実施形態に係る芋焼酎(混和焼酎)は、β−シトロネロールの含有量とリノール酸エチルの含有量が所定範囲に特定されている。
なお、混和焼酎を説明するに際して、前記の単式蒸留焼酎と共通する部分については説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
よって、混和焼酎におけるβ−シトロネロールとリノール酸エチルとの含有量は、単式蒸留焼酎の混和割合をA%とした場合、以下のとおりとなる。
β−シトロネロールの含有量は、120×A/100ppb以上が好ましく、150×A/100ppb以上がより好ましく、180×A/100ppb以上がさらに好ましく、210×A/100ppb以上が特に好ましい。
また、β−シトロネロールの含有量は、600×A/100ppb以下が好ましく、450×A/100ppb以下がより好ましく、420×A/100ppb以下がさらに好ましく、300×A/100ppb以下が特に好ましい。
リノール酸エチルの含有量は、60×A/100ppb以上が好ましく、90×A/100ppb以上がより好ましく、120×A/100ppb以上がさらに好ましく、150×A/100ppb以上が特に好ましい。
また、リノール酸エチルの含有量は、300×A/100ppb以下が好ましく、270×A/100ppb以下がより好ましく、240×A/100ppb以下がさらに好ましく、210×A/100ppb以下が特に好ましい。
本実施形態に係る芋焼酎が混和焼酎である場合、単式蒸留焼酎の混和割合は特に限定されないものの、例えば、10〜30%であり、13〜17%である。
本実施形態に係る芋焼酎が混和焼酎である場合、アルコール度数は特に限定されないものの、例えば、10〜35v/v%であり、20〜30v/v%である。
本実施形態に係る芋焼酎(混和焼酎)は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲において、一般的に混和焼酎に含まれる物質、例えば、白砂糖、クエン酸、酒石酸等を含んでいてもよい。
次に、本実施形態に係る芋焼酎含有炭酸飲料について説明する。
本実施形態に係る芋焼酎含有炭酸飲料は、前記した芋焼酎を含有し、β−シトロネロールの含有量とリノール酸エチルの含有量が所定範囲に特定されている。
なお、芋焼酎含有炭酸飲料を説明するに際して、前記の単式蒸留焼酎と共通する部分については説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
よって、芋焼酎含有炭酸飲料におけるβ−シトロネロールとリノール酸エチルとの含有量は、以下のとおりとなる。
β−シトロネロールの含有量は、40ppb以上が好ましく、50ppb以上がより好ましく、60ppb以上がさらに好ましく、70ppb以上が特に好ましい。
また、β−シトロネロールの含有量は、200ppb以下が好ましく、150ppb以下がより好ましく、140ppb以下がさらに好ましく、100ppb以下が特に好ましい。
リノール酸エチルの含有量は、20ppb以上が好ましく、30ppb以上がより好ましく、40ppb以上がさらに好ましく、50ppb以上が特に好ましい。
また、リノール酸エチルの含有量は、100ppb以下が好ましく、90ppb以下がより好ましく、80ppb以下がさらに好ましく、70ppb以下が特に好ましい。
本実施形態に係る芋焼酎含有炭酸飲料は、発泡性である。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm2以上であることをいい、例えば、1.0〜5.0kg/cm2であり、1.8〜3.3kg/cm2である。
本実施形態に係る芋焼酎含有炭酸飲料は、基本的に、芋焼酎と割り材である炭酸飲料とから構成される。そして、割り材である炭酸飲料は、芋焼酎の香味を邪魔しないような炭酸水(炭酸ガスを含む水)が好ましいが、本発明の所望の効果が阻害されない範囲において、各種炭酸飲料(果汁、甘味料、酸味料、フレーバリング等が加えられた炭酸飲料)であってもよい。
本実施形態に係る芋焼酎含有炭酸飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲において、一般的に焼酎ハイボール(酎ハイ)に含まれる物質、例えば、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維、果汁、安定剤、着色料等を含んでいてもよい。
また、以上説明したように、本実施形態に係る芋焼酎含有炭酸飲料によれば、β−シトロネロールとリノール酸エチルとの含有量が所定範囲に特定されていることから、濃厚な香味であるとともに、香味のさわやかさとメリハリとが増強した炭酸飲料とすることができる。
次に、本発明の実施形態に係る芋焼酎の製造方法について説明する。
本実施形態に係る芋焼酎(単式蒸留焼酎)の製造方法は、一次仕込み工程、二次仕込み工程、蒸留工程、蒸留後ろ過工程、割水工程等を含む。
この二次仕込み工程で使用する主原料の芋について、サツマイモの使用比率、及び、芋の皮の使用比率を調製することによって、β−シトロネロールの含有量を調製する(例えば、サツマイモの使用比率を上げる、又は、芋の皮の使用比率を上げると、β−シトロネロールの含有量を増加させる)ことができる。
この蒸留後ろ過工程でのろ過処理の精度を調製することによって、リノール酸エチルの含有量を調製する(例えば、孔径の大きなろ過層を使用すると、リノール酸エチルの含有量を増加させる)ことができる。
なお、蒸留後ろ過工程後、適宜、貯蔵し熟成させる工程を実施してもよい。
なお、割水工程の後、適宜、アルコール度数が低くなることで析出する油脂成分を除去するために再度ろ過を施す工程を実施してもよい。
そして、これらの工程を経た芋焼酎をビン詰め、検査を実施した後、出荷する。
次に、連続式蒸留焼酎、及び混和焼酎の製造方法について説明する。
連続式蒸留焼酎の製造方法については、単式蒸留焼酎の製造方法と異なる点を中心に説明する。
まず、連続式蒸留焼酎の製造方法について、単式蒸留焼酎の製造方法と大きく異なる点は、蒸留工程において、単式蒸留機ではなく連続式蒸留機を用いる点である。
そして、連続式蒸留焼酎の製造方法は連続式蒸留機を用いることから、当該蒸留機により蒸留された原酒には、油性成分がほとんど含まれていない。したがって、通常、油性成分を除去するような蒸留後ろ過工程や割水後の再度のろ過工程の処理は施さず、不純物を取り除く程度の簡易なろ過処理のみ行えばよい。
なお、連続式蒸留焼酎の製造方法における蒸留の対象として、糖蜜等から作られる酒類原料用アルコールや、穀物等のデンプン質原料を麹等で糖化し発酵させたものが用いられることが多い。
混和焼酎の製造方法は、前記した製造方法で製造された単式蒸留焼酎と、前記した製造方法で製造された連続式蒸留焼酎とを混和する混和工程を含んで構成される。また、混和工程後に、油性成分を除去するための混和後ろ過工程を設けてもよい。
なお、混和工程では、全ての工程を経て得られた単式蒸留焼酎と、連続式蒸留焼酎とを混和してもよいが、蒸留工程の後、蒸留後ろ過工程の後、又は割水工程の後の単式蒸留焼酎と、連続式蒸留焼酎とを混和してもよい。これらの場合は、混和工程の後に、油性成分を除去するための混和後ろ過工程を設けるのが好ましい。
次に、芋焼酎含有炭酸飲料の製造方法について説明する。
芋焼酎含有炭酸飲料の製造方法は、前記した製造方法で製造された単式蒸留焼酎、又は、混和焼酎に対し、割り材である炭酸飲料等を加える混合工程を含んで構成される。
なお、前記した製造方法で製造された単式蒸留焼酎、又は、混和焼酎に対し、水等を加えた後、炭酸ガスを付加するという方法であってもよい。
次に、芋焼酎の香味向上方法について説明する。
本実施形態に係る芋焼酎の香味向上方法は、単式蒸留焼酎である芋焼酎の若葉的なさわやかさ、バター的な口内への残り感、及び、ハーブ様の苦味の落差を増強させる香味向上方法であって、芋焼酎のβ−シトロネロールの含有量とリノール酸エチルの含有量とを所定範囲とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記の「単式蒸留焼酎の芋焼酎」において説明した値と同じである。
ます、ベースとなる芋焼酎(単式蒸留焼酎、アルコール度数25度、主原料:芋、麹:黒麹、β−シトロネロール:約46ppb、リノール酸エチル:約4ppb、黒伊佐錦、市販品)を用意した。
この芋焼酎をベースとし、β−シトロネロール及びリノール酸エチルの含有量が表に記載の値となるように、β−シトロネロール(和光純薬工業株式会社製)、リノール酸エチル(東京化成工業株式会社製)を添加し、各サンプル(単式蒸留焼酎)を準備した。
また、前記の方法で準備した一部のサンプル(単式蒸留焼酎)について、表に記載の混和割合となるように連続式蒸留焼酎(アルコール度数25度、β−シトロネロール:0ppb、リノール酸エチル:0ppb、サッポロビール株式会社群馬工場製造品)を混和してサンプル(混和焼酎)を準備した。
また、前記の方法で準備した一部のサンプル(単式蒸留焼酎)について、炭酸水を用いて表に記載の希釈倍率で希釈し、20℃におけるガス圧が約2.0kg/cm2のサンプル(芋焼酎含有炭酸飲料)を準備した。
サンプルを準備する際に使用した芋焼酎(市販の単式蒸留焼酎と製造品の連続式蒸留焼酎)のβ−シトロネロール及びリノール酸エチルの含有量については、前記の[単式蒸留焼酎の芋焼酎]において説明した方法で測定を行った。
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル6名が下記評価基準に則って「若葉的なさわやかさ」、「バター的な口内への残り感」、「ハーブ様の苦味の落差」について、1〜5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
5点:若葉的なさわやかさが基準サンプルと比較して非常に強く感じる。
4点:若葉的なさわやかさが基準サンプルと比較して強く感じる。
3点:若葉的なさわやかさが基準サンプルと比較して少し強く感じる。
2点:若葉的なさわやかさが基準サンプルと比較して僅かに感じる。
1点:若葉的なさわやかさがなく、基準サンプルと同程度である。
なお、表1、2に挙げたサンプルは、サンプル1−1を基準サンプル(1.00)として評価を行い、表3に挙げたサンプルは、サンプル3−1を基準サンプル(1.00)として評価を行い、表4に挙げたサンプルは、サンプル4−1を基準サンプル(1.00)として評価を行った。
なお、「若葉的なさわやかさ」とは、簡単に説明すると香味の「さわやかさ」であるが、詳細には、若葉をちぎった際に感じられるようなフレッシュなさわやかさである。
5点:バター的な口内への残り感が基準サンプルと比較して非常に強く感じる。
4点:バター的な口内への残り感が基準サンプルと比較して強く感じる。
3点:バター的な口内への残り感が基準サンプルと比較して少し強く感じる。
2点:バター的な口内への残り感が基準サンプルと比較して僅かに感じる。
1点:バター的な口内への残り感がなく、基準サンプルと同程度である。
なお、表1、2に挙げたサンプルは、サンプル1−1を基準サンプル(1.00)として評価を行い、表3に挙げたサンプルは、サンプル3−1を基準サンプル(1.00)として評価を行い、表4に挙げたサンプルは、サンプル4−1を基準サンプル(1.00)として評価を行った。
なお、「バター的な口内への残り感」とは、簡単に説明すると香味の「濃厚さ」であるが、詳細には、芋焼酎本来の濃厚でまろやかな香味がバターのように後に残る感覚である。
5点:ハーブ様の苦味の落差が基準サンプルと比較して非常に強く感じる。
4点:ハーブ様の苦味の落差が基準サンプルと比較して強く感じる。
3点:ハーブ様の苦味の落差が基準サンプルと比較して少し強く感じる。
2点:ハーブ様の苦味の落差が基準サンプルと比較して僅かに感じる。
1点:ハーブ様の苦味の落差がなく、基準と同程度である。
なお、表1、2に挙げたサンプルは、サンプル1−1を基準サンプル(1.00)として評価を行い、表3に挙げたサンプルは、サンプル3−1を基準サンプル(1.00)として評価を行い、表4に挙げたサンプルは、サンプル4−1を基準サンプル(1.00)として評価を行った。
なお、「ハーブ様の苦味の落差」とは、簡単に説明すると香味の「メリハリ」であるが、詳細には、ハーブの様な好ましい苦味の強弱に基づく香味の落差である。
サンプル1−1〜1−7の結果から、β−シトロネロールの含有量が所定範囲内となることにより、芋焼酎(単式蒸留焼酎)の「若葉的なさわやかさ」、「バター的な口内への残り感」、「ハーブ様の苦味の落差」の点数が高くなることが確認できた。
また、サンプル2−1〜2−7の結果から、β−シトロネロールの含有量が所定範囲となり、さらにリノール酸エチルの含有量が所定範囲内となることにより、芋焼酎(単式蒸留焼酎)の「若葉的なさわやかさ」、「バター的な口内への残り感」、「ハーブ様の苦味の落差」の点数がより高くなることが確認できた。
Claims (5)
- 単式蒸留焼酎である芋焼酎であって、
β−シトロネロールの含有量が120〜600ppbであり、
リノール酸エチルの含有量が60〜300ppbである芋焼酎。 - 単式蒸留焼酎である芋焼酎の混和割合がA%である混和焼酎であって、
β−シトロネロールの含有量が120×A/100〜600×A/100ppbであり、
リノール酸エチルの含有量が60×A/100〜300×A/100ppbである芋焼酎。 - 芋焼酎を含有する炭酸飲料であって、
β−シトロネロールの含有量が40〜200ppbであり、
リノール酸エチルの含有量が20〜100ppbである芋焼酎含有炭酸飲料。 - 単式蒸留焼酎である芋焼酎の製造方法であって、
β−シトロネロールの含有量を120〜600ppbとし、リノール酸エチルの含有量を60〜300ppbとする工程を含む芋焼酎の製造方法。 - 単式蒸留焼酎である芋焼酎の若葉的なさわやかさ、バター的な口内への残り感、及び、ハーブ様の苦味の落差を増強させる香味向上方法であって、
前記芋焼酎のβ−シトロネロールの含有量を120〜600ppbとし、リノール酸エチルの含有量を60〜300ppbとする芋焼酎の香味向上方法。
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