JP2019113828A - トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

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【課題】従来のプロセスカラーでは再現できない、紫外線照射下の蛍光発光性を有するインビジブルUV発光トナーの提供。【解決手段】一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含有するトナーであって、トナーの水酸基価が、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であるトナーである。(ただし、前記一般式(1)中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲンからなる群から選択される置換基を有していてもよい2−ナフチル基であり、Rは、炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基であり、R1、R2、R3、及びR4は、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真方式によりフルカラー画像を形成するには、3色プロセスカラー(単にプロセスカラーと称する場合もある)である、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーにブラックトナーを組み合わせたトナーセットを用いることが一般的である。
フルカラー画像を形成するに際してのトナーの現像順序に限定はないが、例えば、原稿からの光を色分解フィルターを通して感光体上に露光するか、あるいはスキャナーで読み取った像をレーザーで感光体上に書き込み露光して、該感光体上にイエロー画像部の静電潜像を形成する。この静電潜像をイエロートナーで現像して得られたイエロートナー画像を紙等の記録媒体に転写する。次いで、同様の工程によりマゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーを用いて得られたマゼンタトナー画像、シアントナー画像、及びブラックトナー画像を順次イエロートナー画像上に重ね合わせることにより、フルカラー画像が形成される。
近年、電子写真式のカラー画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。特にデザイン、広告の分野などでは、従来のプロセスカラーの組み合わせでは再現できない色へのニーズが高まっており、特に、セキュリティー分野では、可視光のもとでは無色透明で、紫外線照射下(UV)のもとで発光するインビジブルUV発光トナーへのニーズが高まっている。
これに関して、特定の構造を有するユウロピウム錯体を用いた紫外線励起型インキ組成物が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、従来のプロセスカラーでは再現できない、紫外線照射下の蛍光発光性を有するインビジブルUV発光トナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
本発明のトナーは、下記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含有するトナーであって、前記トナーの水酸基価が、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である。
(ただし、前記一般式(1)中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲンからなる群から選択される置換基を有していてもよい2−ナフチル基であり、Rは、炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基であり、R、R、R、及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基である。)
本発明によると、従来のプロセスカラーでは再現できない、紫外線照射下の蛍光発光性を有するインビジブルUV発光トナーを提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例における要部構成を示す概略図である。 図3は、本発明の画像形成装置の一例における他の要部構成を示す概略図である。 図4は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
(トナー)
本発明のトナーは、下記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含有するトナーであって、前記トナーの水酸基価が、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である。
(ただし、前記一般式(1)中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲンからなる群から選択される置換基を有していてもよい2−ナフチル基であり、Rは、炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基であり、R、R、R、及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基である。)
以下、本発明に係るトナー、現像剤及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明のトナーは、特許文献1で開示されたユウロピウム錯体をトナーに用いる場合には、その材料特性から十分な帯電性が得られないという問題があるという知見に基づくものである。また、本発明のトナーは、従来のトナーでは、市場要求に耐え、実用に耐えうる帯電性を有する十分な蛍光発色性のあるインビジブルUV発光トナーは得られていないという問題があるという知見に基づくものである。
本発明のトナーは、前記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含み、結着樹脂、離型剤を含むことが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含む。
前記トナーの水酸基価は、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である。
<トナーの水酸基価>
前記トナーの水酸基価は、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であり、30mgKOH/g以上40mgKOH/g以下が好ましい。
発明者らが検討した結果、前記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含有するトナーの帯電性は、結着樹脂の水酸基価によって大きく異なることがわかった。トナーの水酸基価が、上記した範囲内であれば、前記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体が結着樹脂に安定かつ十分に分散し、所望の帯電性を得ることができることを確認した。
前記トナーの水酸基価が20mgKOH/g以上であると、トナーの帯電性が低くなるとともに、蛍光強度が低下するという問題を有効に防止することができる。前記トナーの水酸基価が40mgKOH/g以下であると、高温高湿条件でトナー同士が凝集するという問題を有効に防止することができる。
トナーの水酸基価は、トナーの大部分を占める材料である結着樹脂の水酸基価とほぼ等しいため、結着樹脂の水酸基価を調整することによりトナーの水酸基価を調整することができる。
[トナーの水酸基価の測定]
トナーの水酸基価の測定は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定することができる。
1)THFにトナーを溶解させ、沈殿物をろ過して除去する。ろ液を蒸発乾固させた物を測定用の試料として使用する。
試料0.5g〜2.0gを200mL平底フラスコに精秤する。精秤した試料量をWgとする。
2)これにアセチル化試薬(無水酢酸25gを全量フラスコ(100mL)に取り、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分攪拌する)を5mL加える。
3)フラスコの口に小さなロートを置き、温度95℃〜100℃のグリセリン浴中に低部約1cmを浸して加熱する。フラスコの首がグリセリン浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円板をフラスコの首の付け根に被せる。
4)1時間後フラスコにグリセリン浴から取り出し、放冷後ロートから水1mLを加えて振り動かし無水酢酸を分解する。
5)更に、分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール5mLでロート及びフラスコ壁を洗う。
6)フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が焼く30秒間続いたときを終点とする。
7)空試験は樹脂を入れないで2)〜6)を行う。
8)試料が溶解しにくい場合は、少量のピリジンを追加するか、キシレン又はトルエンを加え溶解する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ただし、
A:水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
C:滴定に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
f:0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:樹脂の量
D:酸価
28.05:水酸化カリウムの式量56.11×1/2
[トナーの酸価の測定]
トナーの酸価の測定は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定することができる。
1)THFにトナーを溶解させ、沈殿物をろ過して除去する。ろ液を蒸発乾固させた物を測定用の試料として使用する。
試料0.5g〜2.0gを200mL平底フラスコに精秤する。精秤した試料量をWgとする。
2)300(mL)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(mL)を加え溶解する。
3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定測定装置を用いて測定する。(例えば、京都電子株式会社の電位差的定測定装置AT−400(winworkstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)
4)この時のKOH溶液の使用量をS(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(mL)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
<ユウロピウム錯体>
ユウロピウム錯体は、下記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体であり、可視光照射下で無色透明で、紫外光照射下で発光する。
(ただし、前記一般式(1)中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲンからなる群から選択される置換基を有していてもよい2−ナフチル基であり、Rは、炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基であり、R、R、R、及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基である。)
前記Aとしては、例えば、2−ナフチル基;1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、4−エチル−2−ナフチル基等の炭素数1乃至4のアルキル基置換2−ナフチル基;1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基等の炭素数1乃至4のアルコキシ基置換2−ナフチル基;ハロゲン置換2−ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、2−ナフチル基が好ましい。
前記Rとしては、例えば、CF基、CFH基、CFH基、C基、CH(CF基、CFCFCF基等の炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基などが挙げられる。これらの中でも、CF基が好ましい。
前記R、R、R、及びRとしては、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1乃至5のアルキル基;フェニル基、置換フェニル基等のアリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体の中でも、下記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体が好ましい。
前記トナーにおける前記ユウロピウム錯体の含有量としては、前記トナー中の前記結着樹脂と前記離型剤との合計量を100質量部としたとき、又は、離型剤を含有しない場合には、トナー中の結着樹脂を100質量部としたときに、0.5質量部以上10.0質量部以下が好ましい。0.5質量部以上であれば、充分な蛍光強度が得られないことがあり、所望の蛍光強度を得るためのトナー付着量が多くなり、可視光照射下でもトナー付着部が目立つようになる、粒状度や細線再現性などの画質が悪くなるという問題を有効に防止することができる。また、10.0質量部以下であれば、トナーの帯電特性が不安定となったり、トナーの熱物性に影響を与え定着性が低下するという問題を有効に防止することができる。
<トナーの特性>
<<トナーのガラス転移温度(Tg)及びトナーの1/2流出温度〔T(F1/2)〕>>
前記トナーのガラス転移温度(Tg)、及び前記トナーの1/2流出温度〔T(F1/2)〕は、トナーの耐高温高湿保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、例えば、Tgは、45℃〜75℃が好ましく、50℃〜60℃がより好ましい。T(F1/2)は、90℃〜150℃が好ましく、105℃〜120℃がより好ましい。
Tg及びT(F1/2)が、前記上限値以下であり、前記値の範囲内であれば、トナーの定着下限温度が高くなることにより、トナーの低温定着性が悪化するという問題を有効に防止することができ、さらに光沢度が低くなりすぎ、紙(記録媒体)や他色トナー付着画像との光沢差が大きくなりすぎ、インビジブルUV発光トナー付着画像が目立つようになりインビジブル性が失われるという問題を有効に防止することができる。
Tg及びT(F1/2)が、前記下限値以上であり、前記値の範囲内であれば、トナーの耐高温高湿保存性、耐ホットオフセット性が悪化するという問題を有効に防止することができる。
[Tg、T(F1/2)の測定]
Tgの測定にあたっては、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて、試料0.01g〜0.02gをアルミニウムパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分間で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をTgとする。
T(F1/2)の測定にあたっては、フローテスター(株式会社島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度をT(F1/2)とする。
<<トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量>>
前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、6,000〜12,000が好ましく、7,000〜10,000がより好ましい。
前記重量平均分子量が6,000以上であれば、トナーのガラス転移温度が低くなり、トナーとしての保存性が悪くなってしまい、保存環境でトナーが凝集してしまうという問題を有効に防止することができる。また、高温での粘弾性が低くなりすぎ、耐ホットオフセット性が損なわれてしまうという問題を有効に防止することができる。さらに、T(1/2)温度が低下し画像光沢が高くなりすぎ、紙(記録媒体)や他色トナー付着画像との光沢差が大きくなりすぎ、インビジブルUV発光トナー付着画像が目立つようになりインビジブル性が失われるという問題を有効に防止することができる。
前記重量平均分子量が12,000以下であれば、粘弾性が高くなり、延展性が劣り、低温定着性と光沢性が損なわれるという問題を有効に防止することができる。さらに光沢度が低くなりすぎ、紙(記録媒体)や他色トナー付着画像との光沢差が大きくなりすぎ、インビジブルUV発光トナー付着画像が目立つようになりインビジブル性が失われるという問題を有効に防止することができる。
前記トナーの重量平均分子量は、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定することで得られる。
測定は、カラム(KF801〜807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行う。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流す。次いで、試料0.05gとTHF5gを混合し、23±1℃で24時間間攪拌した後、前処理用フィルター(例えば、平均孔径0.45μmクロマトディスク(倉敷紡績株式会社製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05質量%〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50μL〜200μL注入して測定する。
試料のTHF溶解分の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.、あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
<トナーの各成分分析>
<<GC−MSによる成分分析による蛍光着色剤の分析について>>
トナー中の蛍光着色剤の存在の確認、定量は以下の手順・装置・条件により行うことができる。
〔試料処理〕
約1mg程度の試料にメチル化剤〔テトラメチルアンモニウムヒドロキシド20%メタノール溶液:TMAH〕を約1μL滴下した物を試料とする。
〔測定〕
熱分解−ガスクロマトグラフ質量分析(Py−GCMS)計
分析装置 :株式会社島津製作所製QP2010
加熱炉 :フロンティア・ラボ株式会社製Py2020D
加熱温度 :320℃
カラム :Ultra ALLOY−5L=30m I.D=0.25mm
Film=0.25μm
カラム温度 :50℃(保持1分間)〜昇温(10℃/分間)〜340℃(保持7分間)
スプリット比 :1:100
カラム流量 :1.0mL/min
イオン化法 :EI法(70eV)
測定モード :スキャンモード
検索用データ :NIST 20 MASS SPECTRAL LIB.
<<NMRによる成分分析による蛍光着色剤の分析について>>
トナー中の蛍光着色剤の存在の確認、定量は以下の手順・装置・条件により行うことができる。
[試料調製]
(1)H−NMR用
試料約40mg〜50mgを、テトラメチルシラン(TMS)を含む約0.7mL(d=1.48)のCDClに溶解させたものを用いる。
(2)13C−NMR用
試料約250mg〜260mgを、TMSを含む約0.7mL(d=1.48)のCDClに溶解させたものを用いる。
[分析装置・測定条件]
日本電子株式会社製 ECX−500 NMR 装置
(1)測定核=H(500MHz)、測定パルスファイル=single pulse.ex2(1H)、45°パルス
積算 16回、Relaxation Delay 5 秒、データポイント32K、観測幅=15ppm
(2)測定核=13C(125MHz)、測定パルスファイル=single pulse dec.ex2 (1H), 30°パルス
積算 1000回(RNC−501のみ1039回)、Relaxation Delay 2秒、データポイント32K、
Offset 100ppm 、観測幅=250ppm
<結着樹脂>
本発明において、トナー材料として用いられる前記結着樹脂(定着用樹脂)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、従来公知の樹脂を使用することができる。
前記結着樹脂としては、例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
本発明においては結着樹脂(定着用樹脂)としてポリエステル樹脂を含有することが好ましく、特にポリエステル樹脂を主成分とすることがより好ましい。ポリエステル樹脂は一般的に他の樹脂に比べ、耐高温高湿保存性を維持したまま低温定着が可能であるため本発明には適した結着樹脂である。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られる。
前記アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;1、4−ビス(ヒドロキシメタ)シクロヘキサン、ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類;その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体などが挙げられる。
前記カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
ここで、ポリエステル樹脂のTgとしては50℃以上75℃以下が好ましい。
<離型剤>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナー層上にさらに画像を作成する等の画像を重ねて作成する場合には、最表面に存在するトナー層(蛍光トナー層)には、特に高い耐ホットオフセット性が求められるが、トナー中に離型剤を含有させると、定着部材との離型性を大きくすることができる。
前記離型剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックス、及びこれらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物等の脂肪族炭化水素;牛脂、魚油等の動物油;やし油、大豆油、菜種油、米ぬかワックス、カルナウバワックス等の植物油;モンタンワックス等の高級脂肪族アルコール・高級脂肪酸;脂肪酸アマイド、脂肪酸ビスアマイド;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛等の金属石鹸;脂肪酸エステル、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。
<その他の成分>
本発明のトナーは、例えば、帯電制御剤、外添用の無機微粒子(外添剤)などのその他の成分を含有することができる。
<<帯電制御剤>>
前記トナーは、帯電制御剤を含有することができる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;ホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料;高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;有機金属錯体、キレート化合物、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体;第四級アンモニウム塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類;ビスフェノール等のフェノール誘導体類などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤を前記トナーの内部に添加する場合、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましい。また、前記帯電制御剤により着色される場合もあるため、ブラックトナーである場合を除いて、できるだけ透明色のものを選定することが好ましい。
<<外添用の無機微粒子>>
本発明に用いられる外添用の無機微粒子(外添剤)としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、けい砂、クレー、雲母、けい灰石、珪藻土、酸化クロム、酸化セリウム、べんがら、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素などが挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタンが好ましい。
また、前記無機微粒子として疎水化処理剤により表面処理されたものを使用してもよい。前記疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが挙げられる。また、シリコーンオイルを疎水化処理剤として用いても十分な効果が得られる。
前記無機微粒子の一次平均粒子径としては、5nm〜500nmが好ましく、5nm〜200nmがより好ましい。5nm以上であれば、無機微粒子の凝集が発生することにより、トナー中での無機微粒子の均一な分散が行われないという問題を有効に防止することができる。500nm以下であると、フィラー効果による耐高温高湿保存性の向上が期待できる。
ここで、前記一次平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により得られる写真より直接測定することができる。少なくとも100個以上の粒子を観察し、その長径の平均値を用いることが好ましい。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、本発明で規定する上記要件を満たすことができれば公知のものが適宜使用可能であり、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法などが挙げられる。
例えば、本発明のトナーを作製するには、まず、前記ユウロピウム錯体、結着樹脂、必要に応じて離径剤、内添用無機微粒子、更に必要に応じて帯電制御剤などを組み合わせて、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの混合機により十分混合する。次いで加熱ロール、ニーダ、エクストルーダーなどの熱溶融混練機を用いて溶融混練して素材類を十分に混合した後、冷却固化後微粉砕及び分級を行ってトナーを得る。この時の粉砕方法としては高速気流中にトナーを包含させ、衝突板にトナーを衝突させそのエネルギーで粉砕するジェットミル方式やトナー粒子同士を気流中で衝突させる粒子間衝突方式、更には高速に回転したローターと狭いギャップ間にトナーを供給し粉砕する機械式粉砕法などが使用できる。
また、本発明のトナーを作製するには、トナー材料を有機溶媒相に溶解又は分散させた油相を、水系媒体相中に分散させ、樹脂の反応を行った後、脱溶剤し、濾過と洗浄、乾燥することにより、トナーの母体粒子を製造する溶解懸濁法でも可能である。
(現像剤)
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含む。現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
好ましい態様として、本発明のトナーをキャリアと混合して二成分現像剤とし、二成分現像方式の電子写真画像形成方法に用いる。
二成分現像剤方式を用いる場合、磁性キャリアに用いる磁性体微粒子としては、例えば、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を使用できる。
その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合は鉄等の強磁性微粒子を用いることが好ましい。また、化学的な安定性を考慮するとマグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトを用いることが好ましい。
具体的には、MFL−35S、MFL−35HS(パウダーテック株式会社製)、DFC−400M、DFC−410M、SM−350NV(DOWA IP クリエイション株式会社製)などが好適な例として挙げられる。
強磁性微粒子の種類及び含有量を選択することにより所望の磁化を有する樹脂キャリアを使用することもできる。この時のキャリアの磁気特性は1,000エルステッドにおける磁化の強さが30emu/g〜150emu/gであることが好ましい。このような樹脂キャリアは磁性体微粒子と絶縁性バインダー樹脂との溶融混練物をスプレードライヤーで噴霧して製造したり、磁性体微粒子の存在下に水性媒体中でモノマーないしプレポリマーを反応、硬化させ縮合型バインダー中に磁性体微粒子が分散された樹脂キャリアを製造できる。
磁性キャリアの表面には正又は負帯電性の微粒子又は導電性微粒子を固着させたり、樹脂をコーティングしたりして帯電性を制御できる。
表面のコート材(樹脂)としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、さらに正又は負帯電性の微粒子又は導電性微粒子を含んでコーティングすることができるが、シリコーン樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
本発明において、現像装置内に収容される現像剤中のキャリアの質量比率は、85質量%以上98質量%未満であることが好ましい。85質量%以上であると、現像装置からのトナーの飛散が発生しやすくなることによる不良画像の発生を抑制することができる。現像剤中のキャリアの質量比率が98質量%未満であれば、電子写真現像用トナーの帯電量が過度に上昇したり、電子写真現像用トナーの供給量が不足することを抑制でき、画像濃度の低下、不良画像の発生を有効に防止することができる。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、より好ましくは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含む。
また、本発明の画像形成方法は、より好ましくは、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含む。
前記現像手段、及び前記現像工程において、前記トナーが使用される。好ましくは、前記トナーを含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、前記トナー像を形成するとよい。
本発明の画像形成装置は、前記現像手段が複数色のトナーの組み合わせからなることが好ましい。複数色のトナーのうち、1つは、本発明のトナー(インビジブルUV発光トナー)が用いられるが、その他には、目的に応じて適宜各色トナーが選択される。
例えば、前記現像手段が5つであり、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローのトナーと、本発明のトナーの組み合わせからなる態様が好ましい。
前記蛍光ピンク色の本発明のトナーに組み合わせて用いられる他の各色トナーとしては、下記に示す着色剤含有トナーが挙げられる。
例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのプロセスカラートナー、及び白色トナー、グリーントナー、ブルートナー、メタリックトナーなどの特色トナーが挙げられる。
これらのトナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される着色剤を適宜選択して使用することができる。
ブラックトナーとしては、カーボンブラック単独もしくはカーボンブラックを主成分として銅フタロシアニンなどを混合し、色相を及び明度を調整したものが好ましい。
シアントナーとしては、ピグメントブルー15:3である銅フタロシアニン、もしくは前記着色剤にアルミフタロシアニン混合したものが好ましい。
マゼンタトナーとしては、ピグメントレッド53:1、ピグメントレッド81、ピグメントレッド122、ピグメントレッド269を単独、もしくは混合して用いられる。
イエロートナーとしては、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー185が単独もしくは混合で用いられるが、好ましくはピグメントイエロー185単独もしくはピグメントイエロー74との混合で用いることが彩度、保存性の面から好ましい。
白色トナーとしては、二酸化チタンにケイ素、ジルコニア、アルミ、ポリオールなどの表面処理を施したもの等を用いることができる。
グリーントナーとしては、ピグメントグリーン7等を用いることができるが、安全面に留意する必要がある。
ブルートナーとしては、ピグメントブルー15:1やピグメントバイオレット23等が挙げられる。
図1に本実施形態に係る画像形成装置の概略図を示す。図1では本発明のトナーの現像手段は省略されているが、本発明のトナーの現像手段も、他のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック色のトナーの現像手段と同様に設けられている(図3参照)。図1の画像形成装置は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、本発明のトナーの5つのトナー像形成部20Y、C、M、K、Aが並列配置され、各トナー像形成部により形成されたイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、本発明のトナー(A)の各色トナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する、いわゆるタンデム型(複数感光体方式)画像形成装置である。なお、各色のトナー像形成部の並びに、特に制限はない。
各トナー像形成部20Y、C、M、K、Aは、それぞれ像担持体として回転駆動される感光体ドラム4Y、C、M、K、Aを備えている。また、各感光体ドラム4Y、C、M、K、Aに各色の画像情報に基づいてレーザ光又はLED光により露光して潜像を形成する露光装置45が設けられている。
また、各トナー像形成部20Y、C、M、K、Aに対向するように、中間転写体としての中間転写ベルト60が表面移動可能に配設されている。中間転写ベルト60を介して感光体ドラム4Y、C、M、K、Aと相対する位置には、感光体ドラム4Y、C、M、K、A上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト60に転写する一次転写ローラ61Y、C、M、K、Aが配置されている。
一次転写ローラ61Y、C、M、K、Aは、後述する各トナー像形成部20Y、C、M、K、Aにより形成された各色トナー像を、中間転写ベルト60上に順次転写し、重ね合わせることによりフルカラー画像を形成する。
また、中間転写ベルト60の表面移動方向に関して1次転写ローラ61Y、C、M、K、Aの下流には、中間転写ベルト60上のトナー像を転写紙に一括転写する2次転写装置65が配置されている。さらに、2次転写装置65よりも下流には、中間転写ベルト60表面に残留するトナーを取り除くためのベルトクリーニング装置66が設けられている。
画像形成装置の下部には、給紙カセット71、給紙ローラ72等からなる給紙部70が設けられており、レジストローラ73に向かって転写紙を送り出す。レジストローラ73は上記トナー像形成のタイミングに合わせて、中間転写ベルト60と2次転写装置65との対向部に向かって転写紙を送り出す。中間転写ベルト60上のフルカラートナー像は、2次転写装置65により転写紙上に転写され、定着装置90により定着された後に、機外に排出される。
次に、各トナー像形成部20Y、C、M、K、Aについて説明する。各トナー像形成部20Y、C、M、K、Aは、収容されるトナーの色が異なる以外は、構成及び動作がほぼ同一であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、K、Aを省略して、トナー像形成部20構成及び動作について説明する。図2は、画像形成装置の一実施形態における要部構成を説明するための概略図である。
トナー像形成部20の感光体ドラム4の周囲には、帯電装置40、現像装置50、クリーニング装置30等の電子写真プロセスを実行する各手段が配置されており、公知の動作で感光体ドラム4上に各色トナー像を形成する。このようなトナー像形成部20は、一体的に形成され、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
図3に現像手段を5つ備えた画像形成装置の一例における要部構成についての概略図を示す。なお、上記画像形成装置と同様の点についての説明は省略する。
本実施形態の画像装置は、感光体5、11、17、23、29を備え、前記感光体の周りには、帯電器6、12、18、24、30と、現像手段8、14、20、26、32と、転写器10、16、22、28、34と、クリーニング装置9、15、21、27、33とを備えており、前記感光体には露光光7、13、19、25、31が照射される。
各色の現像ユニットは、前記感光体、前記帯電器、前記現像手段、前記クリーニング装置等を備えている。現像ユニット35は本発明のトナー、現像ユニット36はブラックトナー、現像ユニット37はシアントナー、現像ユニット38はマゼンタトナー、現像ユニット39はイエロートナーにより、それぞれ作像を行い、中間転写ベルト40に転写し、作像を行う。中間転写ベルト40に作像された画像は、転写装置41により記録媒体に転写され、定着装置43により定着される。
なお、本発明においては、前記転写材は、記録媒体、記録材、転写紙、記録用紙などとも称されるが、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
図4に本発明の画像形成装置の他の一例の概略図を示す。図4に示すカラー画像形成装置1100Aは、いわゆるリボルバー型(単一感光体方式)画像形成装置であり、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム110(以下「感光体110」と称することがある)と、前記帯電手段としての帯電ローラ120と、前記露光手段としての露光装置130と、前記現像手段としての現像器140と、中間転写体150と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置160と、前記除電手段としての除電ランプ170とを備える。
中間転写体150は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ151によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ151の一部は、中間転写体150へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体150の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置190が配置されている。また、中間転写体150の近傍には、記録媒体としての転写紙195に現像像(トナー画像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ180が、中間転写体150に対向して配置されている。中間転写体150の周囲には、中間転写体150上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器158が、該中間転写体150の回転方向において、感光体110と中間転写体150との接触部と、中間転写体150と転写紙195との接触部との間に配置されている。
現像器140は、前記現像剤担持体としての現像ベルト141と、現像ベルト141の周囲に併設したブラック(Bk)現像ユニット145K、イエロー(Y)現像ユニット145Y、マゼンタ(M)現像ユニット145M、シアン(C)現像ユニット145C、及び本発明のトナーを含有する現像ユニット145Aとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット145Kは、現像剤収容部142Kと現像剤供給ローラ143Kと現像ローラ144Kとを備えている。イエロー現像ユニット145Yは、現像剤収容部142Yと現像剤供給ローラ143Yと現像ローラ144Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット145Mは、現像剤収容部142Mと現像剤供給ローラ143Mと現像ローラ144Mとを備えている。シアン現像ユニット145Cは、現像剤収容部142Cと現像剤供給ローラ143Cと現像ローラ144Cとを備えている。ユニット145Aは、現像剤収容部142Aと現像剤供給ローラ143Aと現像ローラ144Aとを備えている。また、現像ベルト141は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体110と接触している。
以下、画像形成方法の具体的な態様について説明する。画像処理部(以下、「IPU」という)に送られた画像データは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)、Aの5種(5色)の各画像信号を作成する。次に画像処理部でY、M、C、K、Aの各画像信号は、書き込み部へ伝達される。上記書き込み部はY、M、C、K、A用の5つのレーザービームをそれぞれ変調・走査して、帯電部によって感光体ドラム上を帯電した後に順次各感光体ドラム上に、静電潜像を作る。ここでは、例えば第1の感光体ドラムがKに、第2の感光体ドラムがYに、第3の感光体ドラムがMに、第4の感光体ドラムがCに、第5の感光体ドラムAに対応している。次に、現像付着手段としての現像ユニットによって各種(各色)のトナー像が上記感光体ドラム上に作られる。 また、給紙部によって給紙された転写紙は、転写ベルト上を搬送され、転写チャージャによって順次に上記感光体ドラム上のトナー像が転写紙上に転写される。この転写工程終了後、上記転写紙は定着ユニットに搬送されて、この定着ユニットで、上記転写されたトナー像は転写紙上に定着される。転写工程終了後、上記感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニング部によって除去される。
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジなどが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することにより、従来のプロセスカラーでは再現できない、紫外線照射下の蛍光発光性を有する前記トナー(インビジブルUV発光トナー)の特徴を活かした画像形成を行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(トナー1の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
下記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
なお、本実施例における前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体は、特開2002−173622号公報に記載された方法により得たものである。
上記のトナー原材料を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、一軸混練機(Buss製、コニーダ混練機)で100℃〜130℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物を室温まで冷却後、ロートプレックスにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、100AFG)を用いて、重量平均粒径が6.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した。その後、気流分級機(株式会社マツボー製、EJ−LABO)で、重量平均粒径が7.0±0.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.20以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0部、及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0部をヘンシェルミキサーで撹拌混合しトナー1を作製した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー1)の水酸基価は38.9mgKOH/g、Mwは11,461、Tgは56.9℃、T(1/2)は107.6℃であった。
なお、トナーの水酸基価の測定は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して行った。Mwは、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定し、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線に基づき算出した。Tgは、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて測定した。T(1/2)は、フローテスター(株式会社島津製作所製、CFT−500D)を用いて測定した。
(トナー2の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−263(花王株式会社製、水酸基価49.0mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー2を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー2)の水酸基価は、46.8mgKOH/g、Mwは7,251、Tgは57.4℃、T(1/2)は106.2℃あった。
(トナー3の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−300(花王株式会社製、水酸基価31.0mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー3を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー3)の水酸基価は31.8mgKOH/g、Mwは8,301、Tgは57.0℃、T(1/2)は114.6℃であった。
(トナー4の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RLC−16(花王株式会社製、水酸基価16.5mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー4を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー4)の水酸基価は19.7mgKOH/g、Mwは7,960、Tgは58.1℃、T(1/2)は110.7℃であった。
(トナー5の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 31.6部
ポリエステル樹脂RLC−16(花王株式会社製、水酸基価16.5mgKOH/g) 63.2部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー5を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー5)の水酸基価は22.9mgKOH/g、Mwは9,520、Tgは58.0℃、T(1/2)は111.6℃であった。
(トナー6の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RLC−16(花王株式会社製、水酸基価16.5mgKOH/g) 52.6部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 26.3部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー6を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー6)の水酸基価は26.1mgKOH/g、Mwは8,690、Tgは57.7℃、T(1/2)は114.8℃であった。
(トナー7の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 52.6部
ポリエステル樹脂RLC−16(花王株式会社製、水酸基価16.5mgKOH/g) 42.1部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー7を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー7)の水酸基価は27.2mgKOH/g、Mwは10,240、Tgは57.1℃、T(1/2)は114.1℃であった。
(トナー8の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 94.7部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー8を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー8)の水酸基価は35.8mgKOH/g、Mwは48,606、Tgは58.4℃、T(1/2)は128.6℃であった。
(トナー9の製造例)
ポリエステル樹脂RN−263(花王株式会社製、水酸基価49mgKOH/g) 84.2部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 10.5部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
前記構造式(2)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー9を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー9)の水酸基価は48.0mgKOH/g、Mwは9,230、Tgは56.5℃、T(1/2)は99.1℃であった。
(トナー10の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
下記構造式(3)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
なお、前記構造式(3)で表されるユウロピウム錯体は、特開2002−173622号公報に記載された方法により得たものである。
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー10を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー10)の水酸基価は38.9mgKOH/g、Mwは12,301、Tgは56.4℃、T(1/2)は107.0℃であった。
(トナー11の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
下記構造式(4)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
なお、前記構造式(4)で表されるユウロピウム錯体は、特開2002−173622号公報に記載された方法により得たものである。
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー11を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー11)の水酸基価は38.9mgKOH/g、Mwは11,620、Tgは56.7℃、T(1/2)は107.1℃であった。
(トナー12の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
下記構造式(5)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
なお、前記構造式(5)で表されるユウロピウム錯体は、特開2002−173622号公報に記載された方法により得たものである。
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー12を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー12)の水酸基価は38.9mgKOH/g、Mwは11,400、Tgは57.0℃、T(1/2)は107.6℃であった。
(トナー13の製造例)
ポリエステル樹脂RN−290(花王株式会社製、水酸基価35.8mgKOH/g) 15.8部
ポリエステル樹脂RN−306(花王株式会社製、水酸基価39.5mgKOH/g) 78.9部
カルナウバワックスWA−05(株式会社セラリカNODA製) 5.3部
下記構造式(6)で表されるユウロピウム錯体 4.0部
なお、前記構造式(6)で表されるユウロピウム錯体は、特開2002−173622号公報に記載された方法により得たものである。
トナー1において、上記のトナー原材料を使う以外はトナー1と同様にして、トナー13を製造した。
上記のようにして作製されたトナー粒子(トナー13)の水酸基価は38.9mgKOH/g、Mwは11,280、Tgは56.4℃、T(1/2)は107.0℃であった。
(二成分現像剤の製造)
<キャリアの作製>
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコ−ン) 100部
トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。このコート層形成液を、芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布及び乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアAを得た。
<二成分現像剤の作製>
作製した各トナーと、キャリアAとを、ターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合して帯電させ、二成分現像剤を作製した。なお、トナーとキャリアの混合比率は、評価機の初期現像剤のトナー濃度:4質量%に合わせて混合した。
(評価)
上記トナー1〜13から製造した二成分現像剤について、下記評価方法に基づいて評価した。結果を表1−1、表1−2、及び表1−3に示す。
<蛍光性>
トナー1〜13から製造した二成分現像剤について、Imagio Neo C350(株式会社リコー製)の現像ユニットに投入し、好適な色特性が得られる付着量0.65mg/cmになるよう調整し、PODグロスペーパー(王子製紙株式会社製)へベタ画像を出力した。なお、付着量は、転写紙に対してトナーが付着する量である。
この画像について、m1光源で測定したL*値、およびm2光源で測定したL*値を求め、(m2光源で測定したL*値)−(m1光源で測定したL*値)の値を蛍光性の指標値△L*とし、下記評価基準により評価した。△L*が大きいほど蛍光性が高く、「×」を不合格とした。
測定値は分光濃度計X−riteEXACT(X−rite社製)にて測色ステータスTの条件で測色し求めた。
[評価基準]
〇:0.2超
△:0.1超0.2以下
×:0.1以下
<耐高温高湿保存性>
遠心機用チューブにトナー0.5gを計量し、温度40℃、相対湿度70%の条件下にて2週間保管した。その後、目開き106μmのメッシュを通して篩がけを行い、メッシュ上に残存した緩凝集体量を計測した。
緩凝集体量の数値に基づいて耐高温高湿保存性を以下の基準で評価した。
「×」を不合格とした。
[評価基準]
〇:200mg/g以下
△:200mg/g超250mg/g以下
×:250mg/g超
<光沢感>
トナー1〜13から製造した二成分現像剤について、MP C3503(株式会社リコー製)の現像ユニットに投入し、好適な色特性が得られる付着量0.65mg/cmになるよう調整し、PODグロスペーパー(王子製紙株式会社製)へベタ画像を出力した。なお、付着量は、転写紙に対してトナーが付着する量である。
この画像について、目視での官能評価に基づいて光沢感を以下の基準で評価した。「×」を不合格とした。
[評価基準]
〇:画像部と非画像部の光沢差が感じられない
△:見る角度によっては画像部と非画像部の光沢差が感じられる
×:見る角度によらず画像部と非画像部の光沢差が感じられる
<帯電性>
トナー1〜13から製造した二成分現像剤について、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて帯電量を測定した。この測定値を用いて、帯電性を以下の基準で評価した。「×」を不合格とした。
[評価基準]
〇:27(−μC/g)超
△:23(−μC/g)超27(−μC/g)以下
×:23(−μC/g)以下
実施例のトナーは従来のプロセスカラーでは実現できない蛍光性と実用性を実現していることがわかる。これに対して、比較例のトナーは、蛍光性の不足(比較例4、及び5)、帯電性の不足(比較例2、6、及び7)、耐高温高湿保存性の不足(比較例1、3、4、及び6)、光沢感の不具合(比較例3)がみられ、実施例のトナーに比べて性能が劣っていた。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含有するトナーであって、
前記トナーの水酸基価が、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とするトナーである。
(ただし、前記一般式(1)中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲンからなる群から選択される置換基を有していてもよい2−ナフチル基であり、Rは、炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基であり、R、R、R、及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基である。)
<2> 前記水酸基価が、30mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量が、6,000以上12,000以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量が、7,000以上10,000以下である前記<3>に記載のトナーである。
<5> 前記トナーの1/2流出温度が、105℃以上120℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 前記トナーのガラス転移温度が、50℃以上60℃以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 前記ユウロピウム錯体が、下記構造式(2)で表される前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 前記トナーが、結着樹脂を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有する前記<8>に記載のトナーである。
<10> 前記トナー中の前記結着樹脂の含有量100質量部に対する、前記ユウロピウム錯体の含有量が、0.5質量部以上10.0質量部以下である前記<8>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 前記トナーが、離型剤を更に含有し、
前記トナー中の前記結着樹脂と前記離型剤とを合わせた含有量100質量部に対する、前記ユウロピウム錯体の含有量が、0.5質量部以上10.0質量部以下である前記<8>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<13> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニットである。
前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナー、前記<12>に記載の画像形成装置、前記<13>に記載の画像形成方法、及び前記<14>に記載のトナー収容ユニットによれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2002−173622号公報

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるユウロピウム錯体を含有するトナーであって、
    前記トナーの水酸基価が、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とするトナー。
    (ただし、前記一般式(1)中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲンからなる群から選択される置換基を有していてもよい2−ナフチル基であり、Rは、炭素数1乃至3の含フッ素アルキル基、又はメチル基であり、R、R、R、及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基である。)
  2. 前記水酸基価が、30mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量が、6,000以上12,000以下である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 前記トナーの1/2流出温度が、105℃以上120℃以下である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記ユウロピウム錯体が、下記構造式(2)で表される請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含み、
    前記トナーが、請求項1から5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、
    前記トナーが、請求項1から5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
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