JP2019113775A - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
前記結着樹脂が、主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
前記結着樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であって主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
前記油相を水系媒体中に分散させて乳化分散液を調製する工程と、
前記乳化分散液中で前記活性水素基含有化合物と前記ビニル系樹脂とを反応させ、有機溶媒を除去する工程と、を有し、
前記ビニル系樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう。)は、主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を結着樹脂として含有し、当該ウレタン結合・ウレア結合が高極性であり、ウレタン結合・ウレア結合に挟まれたアルキル鎖部分は低極性であることから、形成されるトナー画像層は各種軟包装材用の基材に対して接着性に優れる。また、当該ビニル系樹脂は弾性に優れることから、トナー画像層の可撓性及びハーフトーン画像再現性に優れる。また、当該ビニル系樹脂は、ポリエステル系の樹脂と比較して、分子内で加水分解等が生じにくいため、トナー画像層の耐候性にも優れる。さらに、当該ビニル系樹脂は弾性に優れることから、トナーの弾性が向上して耐熱保管性に優れたトナーとすることができる。
本発明においては、前記主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物に由来する骨格を有することが好ましい。これにより、当該ビニル系樹脂の主鎖中にはエステル結合が含まれないため、加水分解等を引き起こすことがなく、トナーの耐候性を向上させることができる。また、当該ビニル系樹脂が、ビニル系ポリオールの反応生成物に由来する骨格を有するため、ウレタン結合及びウレア結合の両方を有するビニル系樹脂を構成し、軟包装材用の基材、特に、PETフィルム等の極性の高い基材に対する接着性を向上させることができる。
また、本発明においては、前記主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂の含有量が、前記結着樹脂全体に対して5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、軟包装材用の基材に対する接着強度、ハーフトーン画像再現性、及び現像剤としての保管性をさらに向上させることができる。
また、本発明においては、前記結着樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂を含有することが好ましい。これにより、トナーとしての定着性を向上させることができ、軟包装材用の基材に対する接着強度、トナー画像層の可撓性、及びハーフトーン画像再現性をさらに向上させることができる。また、ウレタン結合及びウレア結合を有しない樹脂は、他のビニル系樹脂と馴染みやすいため、トナーの製造を容易にすることができる。
また、本発明においては、前記ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂の重量平均分子量が、3000〜10000の範囲内であることが好ましい。これにより、軟包装材用の基材に対する接着強度、トナー画像層の可撓性、及び現像剤としての保管性をさらに向上させることができる。
また、本発明においては、メチルエチルケトンに対する不溶分が、20〜60質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、軟包装材用の基材に対する接着強度、トナー画像層の可撓性、及び現像剤としての保管性をさらに向上させることができる。
また、本発明においては、メチルエチルケトンに対する不溶分が、25〜40質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、軟包装材用の基材に対する接着強度、トナー画像層の可撓性、及び現像剤としての保管性をさらに向上させることができる。
また、本発明においては、前記トナー母体粒子が、コア・シェル構造を有することが好ましい。これにより、現像剤としての保管性をさらに向上させることができるとともに、トナーの帯電性が均一となり、ハーフトーン画像再現性をさらに向上させることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂を含有するトナー母体粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂が、主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有することを特徴とする。
本発明のトナーは、メチルエチルケトンに対する不溶分を、例えば、20〜60質量%の範囲内で含有することが好ましく、25〜40質量%の範囲内で含有することがより好ましい。20質量%以上であると、トナーの耐熱保管性及びトナー画像層の可撓性が向上し、60質量%以下であると、トナーの定着性が向上する。
トナー1.0gを秤量(W1(g))し、円筒ろ紙(例えば、No.86R、サイズ:内径25mm×外径28mm×全長100mm、東洋ろ紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかけ、メチルエチルケトン500mLを用いて、16時間抽出する。このとき、メチルエチルケトンの抽出サイクルが約4〜5分間に一回となるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を秤量する(W3(g))。そして、下記数式(2)によりトナーのメチルエチルケトンに対する不溶分を算出する。
数式(2):不溶分(質量%)=(W3/W1)×100
本発明に係るトナー粒子の平均粒径は、例えば、体積基準のメジアン径で3〜9μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは3〜8μmの範囲内である。この粒径は、例えば、乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成等によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲内にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散処理を1分間行い、トナー分散液を調製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径とする。
本発明に係るトナー粒子の平均円形度は、転写効率の向上の観点から、例えば、0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.985の範囲内である。
具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にて馴染ませ、超音波分散処理を1分間行って分散させる。その後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出する。各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
本発明のトナーにおいて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される分子量分布を示すクロマトグラムから算出される重量平均分子量(Mw)は、低温定着性と耐熱保管性、画像層の可撓性確保の観点から、9000〜150000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10000〜45000の範囲内である。
すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、測定試料を室温(25℃)において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。また、検出器には屈折率検出器が用いられる。
なお、本発明のトナーに含有される結着樹脂の重量平均分子量(Mw)についても同様の方法で測定することができる。
本発明のトナーの軟化点は、低温定着性の観点から、例えば、70〜120℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは80〜110℃の範囲内である。
具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らに均し、12時間以上放置する。その後、この試料を、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点とする。
本発明のトナーのガラス転移点は、例えば、40〜70℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは40〜60℃の範囲内である。
具体的には、試料3.0mgを小数点以下二桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、示差走査カロリメーター「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃の範囲内、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、昇温−降温−昇温の温度制御を行い、その2回目の昇温におけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移温度とする。
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂として、主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有する。また、トナー母体粒子は、例えば、離型剤、着色剤、荷電制御剤、界面活性剤等、その他の内添剤等を含有していても良い。
本発明に係る結着樹脂は、少なくとも、主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有し、さらに、ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂を含有することが好ましい。また、本発明に係る結着樹脂は、従来結着樹脂として使用可能な公知の材料をさらに含有していても良い。
主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂とは、複数のビニル系樹脂ユニットがウレタン結合及びウレア結合で連結された構造を有するものである。このような構造を有することにより、極性の高いウレタン結合・ウレア結合部が分子鎖中に偏りなく配置されることから、分子鎖全体の軟包装材用基材への親和性が向上する。主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂の重量平均分子量としては、10000〜500000の範囲内であることが好ましく、50000〜250000の範囲内であることがより好ましい。
結着樹脂は、さらに、ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂を含有することが好ましい。ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂の含有量としては、例えば、結着樹脂全体に対して50〜95質量%の範囲内であることが好ましく、70〜95質量%の範囲内であることがより好ましい。50質量%以上であると、上記した主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂がトナー中へ取り込まれやすくなり、トナーの帯電均一性が向上するため、ハーフトーン画像再現性を向上させことができる。95質量%以下であると、上記した主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂の含有量が相対的に多くなるため、基材への接着性を向上させることができる。
着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
着色剤の含有割合は、例えば、結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは4〜15質量部の範囲内である。
離型剤としては、特に限定されるものではなく、公知の種々のワックスを用いることができる。例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックス等が挙げられる。
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、例えば、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部の範囲内とされる。
トナーとしての帯電性能、流動性、クリーニング性等を向上させる観点から、トナー母体粒子の表面に、公知の無機微粒子、有機微粒子、滑剤等を外添剤として添加することができる。これらの外添剤としては、種々のものを組み合わせて使用しても良い。
なお、無機微粒子の個数平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真を用いて算出することができる。より具体的には、走査型電子顕微鏡にてトナー試料の3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置LUZEX(登録商標) AP(株式会社ニレコ製)にて、当該写真画像のトナー粒子表面に存在する外添剤について2値化処理を施し、外添剤1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を個数平均一次粒子径とする。
本発明のトナーを製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられるが、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、乳化凝集法による製造方法、及びエステル伸長法による製造方法が好ましい。
乳化凝集法による静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂微粒子が分散されてなる水系媒体中に凝集剤を添加し、結着樹脂微粒子を凝集させる工程を有し、結着樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であって主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有することを特徴とする。
(1−1)水系媒体中に結着樹脂微粒子が分散された分散液を調製する結着樹脂微粒子分散液調製工程、
(1−2)水系媒体中で結着樹脂微粒子を凝集させて、トナー母体粒子を得るための凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程、
(1−3)熱エネルギーにより熟成させて、トナー母体粒子の形状を調整する熟成工程、
(1−4)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(1−5)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程、
から構成され、必要に応じて、
(1−6)乾燥処理されたトナー粒子母体に外添剤を添加する外添剤添加工程
を加えることができる。
結着樹脂微粒子分散液調製工程においては、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートの反応生成物であって主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を水系媒体中に分散させて、分散液を調製する。
当該ビニル系樹脂としては、上記ビニル系ポリオール及び上記ポリイソシアネートを用いて、例えば、乳化重合法、転相乳化法等、従来公知の方法で調製することができる。
なお、体積基準のメジアン径は、「UPA−150」(マイクロトラック社製)を用いて測定したものである。
分散剤としては、例えば、公知の種々のカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤を使用することができる。
凝集粒子形成工程においては、結着樹脂微粒子の凝集と並行して融着が行われても良い。結着樹脂微粒子を凝集、融着する具体的な方法としては、水系媒体中に凝集剤を臨界凝集濃度以上となるよう添加し、次いで、結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ、これら混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することによって、結着樹脂微粒子等を凝集させると同時に融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長させる。
凝集粒子の体積基準のメジアン径は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)によって測定することができる。
上記凝集粒子形成工程における加熱温度の制御によりある程度トナーにおけるトナー粒子の形状の均一化を図ることができるが、さらなる形状の均一化を図るために、熟成工程を行うことが好ましい。
洗浄工程及び乾燥工程は、公知の種々の方法を採用して行うことができる。
外添剤添加工程は、乾燥処理したトナー母体粒子に必要に応じて外添剤を添加、混合することにより、トナー粒子を調製する工程である。
乾燥工程までの工程を経て作製されたトナー母体粒子は、そのままトナー粒子として使用することが可能であるが、トナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、外添剤を添加することが好ましい。外添剤としては、例えば、上記したものが用いられる。
エステル伸長法による製造方法は、少なくとも、活性水素基含有化合物、及び活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するビニル系樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて油相を調製する工程(油相調製工程)と、油相を水系媒体中に分散させて乳化分散液を調製する工程(分散液調製工程)と、乳化分散液中で活性水素基含有化合物とビニル系樹脂とを反応させ、有機溶媒を除去する工程(反応工程)と、を有し、ビニル系樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする。
油相調製工程においては、少なくとも、活性水素基含有化合物、及び活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するビニル系樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて油相を調製する。
分散液調製工程においては、調製した油相を水系媒体中に分散させて乳化分散液を調製する。
高速せん断式分散機を使用する場合、回転数については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1000〜30000rpmの範囲内が好ましく、5000〜20000rpmの範囲内がより好ましい。分散時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、バッチ方式の場合は、例えば、0.1〜60分間が好ましい。分散時の温度としては、例えば、0〜80℃の範囲内(加圧下)が好ましく、10〜40℃の範囲内がより好ましい。
市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M株式会社製)、ユニダインDS−101、DS−l02(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
分散剤を使用した場合には、当該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、反応後、洗浄除去することがトナーの帯電面から好ましい。
反応工程においては、調製した乳化分散液中で活性水素基含有化合物とビニル系樹脂とを伸長及び/又は架橋反応させ、有機溶媒を除去する。
分級操作は液中で、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子又は粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
各工程で用いられた分散剤は、できるだけ取り除くことが好ましいが、上記分級操作と同時に行うことが好ましい。
具体的手段としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等がある。これらの処理に用いられる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明のトナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して静電荷像現像用二成分現像剤(以下、二成分現像剤ともいう。)として使用しても良い。
キャリアとしては、例えば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、これらの中ではフェライト粒子を用いることが好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリア等を用いても良い。
キャリアとしては、例えば、体積平均粒径が15〜100μmの範囲内のものが好ましく、25〜80μmの範囲内のものがより好ましい。
スチレン79質量部、アクリル酸n−ブチル19質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.0質量部、n−オクチルメルカプタン2.2質量部及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、4質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、ビニルポリオール1−1を得た。
得られたビニルポリオール1−1は、重量平均分子量9500、ガラス転移温度(Tg)55℃であった。
得られた結着樹脂1−1は、重量平均分子量99000であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装着した反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、ポリエステルポリオールを合成した。
得られたポリエステルポリオールは、重量平均分子量9600、ガラス転移温度(Tg)55℃であった。
得られた結着樹脂1−2は、重量平均分子量100000であった。
まず、特開2003−043747号公報を参考に下記構造を有する開始剤1を合成した。
C5H11−O−CO−NH−N=N−NH−CO−O−SO3Na
スチレン 78質量部
n−ブチルアクリレート 19質量部
メタクリル酸 3質量部
エステルワックス「エレクトールWEP−3」(日本油脂社製)
31質量部
過硫酸カリウム 1.75質量部
純水 41質量部
スチレン 70質量部
n−ブチルアクリレート 26質量部
メタクリル酸 4重量部
n−オクチルメルカプタン 1.36質量部
過硫酸カリウム 0.3質量部
上記調製した開始剤1 2.0質量部
純水 35.85質量部
スチレン79質量部、アクリル酸n−ブチル20質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル1.0質量部、n−オクチルメルカプタン1.5質量部、及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、3質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、ビニルポリオール1−4を得た。
得られたビニルポリオール1−4は、重量平均分子量16500、ガラス転移温度(Tg)54℃であった。
得られた結着樹脂1−4は、重量平均分子量150000であった。
スチレン40質量部、メタクリル酸メチル35質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル23質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.0質量部、n−オクチルメルカプタン2.2質量部、及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、4質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、ビニルポリオール1−5を得た。
得られたビニルポリオール1−5は、重量平均分子量9400、ガラス転移温度(Tg)67℃であった。
得られた結着樹脂1−5は、重量平均分子量96000であった。
スチレン79質量部、アクリル酸n−ブチル20質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル1.0質量部、n−オクチルメルカプタン0.5質量部、及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、3質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、ビニルポリオール1−6を得た。
得られたビニルポリオール1−6は、重量平均分子量20000、ガラス転移温度(Tg)55℃であった。
得られた結着樹脂1−6は、重量平均分子量170000であった。
スチレン40質量部、メタクリル酸メチル35質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル23質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.0質量部、n−オクチルメルカプタン2.5質量部、及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、4質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、ビニルポリオール1−7を得た。
得られたビニルポリオール1−7は、重量平均分子量8000、ガラス転移温度(Tg)66℃であった。
得られた結着樹脂1−7は、重量平均分子量80000であった。
スチレン79質量部、アクリル酸n−ブチル19質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.0質量部、n−オクチルメルカプタン2.2質量部、及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、4質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、カレンズMOI(昭和電工株式会社製)10質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部、及びキシレン溶媒10質量部を均一に溶解させた溶液を750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、結着樹脂1−8を得た。
得られた結着樹脂1−8は、重量平均分子量18000であった。
スチレン75質量部、アクリル酸n−ブチル21質量部、メタクリル酸4質量部、n−オクチルメルカプタン3.2質量部、及びキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、5質量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解させた。これを、内温190℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応器に750mL/時間で連続的に供給して重合させた後、キシレン溶媒を除去し、非晶性ビニル樹脂である結着樹脂2−1を得た。
得られた結着樹脂2−1は、重量平均分子量5000、ガラス転移温度(Tg)54℃であった。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を3.7質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−2を調製した。
調製した結着樹脂2−2は、重量平均分子量3100であった。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を3.6質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−3を調製した。
調製した結着樹脂2−3は、重量平均分子量2900であった。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を2.2質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−4を調製した。
調製した結着樹脂2−4は、重量平均分子量9500であった。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を2.05質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−5を調製した。
調製した結着樹脂2−5は、重量平均分子量11000であった。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を0.5質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−6を調製した。
調製した結着樹脂2−6は、重量平均分子量30000であった。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱伝対を装着した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物をモル比で85/15、イソフタル酸とアジピン酸をモル比で80/20とし、ヒドロキシ基とカルボキシ基のモル比OH/COOHが1.3となるように仕込んだ。これを、500質量ppmのチタンテトライソプロポキシドとともに、常圧、230℃で8時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧下で4時間反応させた。その後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、結着樹脂2−7を得た。
撹拌棒及び温度計を装着した反応容器に、水683質量部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王製)10質量部、メタクリル酸メチル176質量部、アクリル酸ブチル18質量部、過硫酸アンモニウム1質量部、及びエチレングリコールジメタクリレート2質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。これを加熱して、内温を65℃まで昇温し、10時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液を30質量部加え、75℃で5時間熟成させて架橋構造を有する結着樹脂2−8の分散液を得た。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を3.65質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−9を調製した。
調製した結着樹脂2−9は、重量平均分子量3000であった。
上記結着樹脂2−1の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を2.1質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂2−10を調製した。
調製した結着樹脂2−10は、重量平均分子量10000であった。
ステンレスビーカーに、以下のモノマー及び離型剤を投入し、内温を85℃に昇温して溶融させた。
スチレン 78質量部
n−ブチルアクリレート 19質量部
メタクリル酸 3質量部
エステルワックス「エレクトールWEP−3」(日本油脂社製)
31質量部
過硫酸カリウム 1.75質量部
純水 41質量部
スチレン 70質量部
n−ブチルアクリレート 26質量部
メタクリル酸 4重量部
n−オクチルメルカプタン 1.36質量部
過硫酸カリウム 1.89質量部
純水 35.85質量部
得られた結着樹脂3−1分散液の分散粒子の体積基準のメジアン径は210nmであった。また、分散液中の樹脂成分のガラス転移点(Tg)は46℃、重量平均分子量は18000であった。
100質量部の上記結着樹脂2−7を、400質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に溶解させ、あらかじめ調製した0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部と混合した。これを撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散した。その後、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去し、固形分を30%に調整して、結着樹脂3−2分散液を調製した。
調製した結着樹脂3−2分散液の分散粒子の体積基準のメジアン径は160nmであった。
(水相の調製)
水285質量部、結着樹脂3−1分散液30質量部、48.5質量%のドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル80質量部を混合撹拌し、乳白色の水相を得た。
撹拌棒及び温度計を装着した反応容器内に、イソホロンジアミン170質量部とメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、アミン化合物を調製した。得られたアミン化合物のアミン価は418であった。
水を1200質量部、カーボンブラック(Printex35、デクサ社製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH(25℃換算)=9.5〕を540質量部、上記調製した結着樹脂2−1を200質量部、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、2本ロールを用いて150℃で30分間混練後、圧延冷却して、パルペライザーで粉砕し、マスターバッチを調製した。
撹拌棒及び温度計を装着した容器内に、上記調製した結着樹脂2−1を378質量部、パラフィンワックス(FNP0090、日本精鑞株式会社製、融点89℃)を110質量部、帯電制御剤(CCA、サリチル酸金属錯体E−84、オリエント化学工業株式会社製)を22質量部、酢酸エチルを947質量部仕込んだ。撹拌下、80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器内に、上記調製したマスターバッチを500質量部、酢酸エチルを500質量部仕込み、1時間混合し、原料溶解液を得た。
上記油相の入った容器内に、上記調製した水相を1200質量部加え、TKホモミキサーで、回転数13000rpmで20分間混合し、乳化スラリー(乳化分散液)を得た。
分散スラリーを固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した後、40℃で24時間乾燥させることにより、黒色のトナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加した。これを「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により回転翼周速35mm/sec、32℃の条件下で20分間混合した。その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー1を調製した。
得られたトナー1の体積平均粒径(Dv)は、5.3μmであった。また、上記した方法により、得られたトナー1のメチルエチルケトンに対する不溶分(MEK不溶分)を測定したところ、38質量%であった。また、得られたトナー1の重量平均分子量は、35000であった。
上記トナー1の調製において、表II及び表IIIに記載のとおりの樹脂組成としてトナー母体粒子を調製した以外は同様にして、トナー2〜5、7〜23、29を調製した。
上記トナー1の調製において、結着樹脂1−1の代わりに結着樹脂1−4を使用し、各結着樹脂の全体に対する添加量が表IIIに記載のとおりとなるように変更し、アミン化合物の添加量を2.0質量部から3.0質量部に変更した以外は同様にして、トナー24を調製した。
上記トナー1の調製において、結着樹脂1−1の代わりに結着樹脂1−6を使用し、各結着樹脂の全体に対する添加量が表IIIに記載のとおりとなるように変更し、アミン化合物の添加量を2.0質量部から3.0質量部に変更した以外は同様にして、トナー25を調製した。
上記トナー1の調製において、結着樹脂1−1の代わりに結着樹脂1−5を使用し、各結着樹脂の全体に対する添加量が表IIに記載のとおりとなるように変更し、アミン化合物の添加量を2.0質量部から1.6質量部に変更した以外は同様にして、トナー26を調製した。
上記トナー1の調製において、結着樹脂1−1の代わりに結着樹脂1−7を使用し、各結着樹脂の全体に対する添加量が表IIIに記載のとおりとなるように変更し、アミン化合物の添加量を2.0質量部から1.6質量部に変更した以外は同様にして、トナー27を調製した。
(着色剤分散液の調製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解させて調製した溶液を撹拌させておき、当該溶液中に、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行い、着色剤分散液を調製した。
カーボンブラックの粒径をマイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ、質量平均粒径で110nmであった。
離型剤:フィッシャートロプシュワックス「FNP−0090」(融点89℃、日本精蝋社製)200質量部を95℃に加温し溶解させた。これを、さらにアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが3質量%の濃度となるようイオン交換水800質量部に溶解された界面活性剤水溶液に投入した後、超音波ホモジナイザーを用いて分散処理を行った。固形分濃度は20質量%に調整した。これにより、水系媒体中に離型剤微粒子が分散された離型剤分散液を調製した。体積基準のメジアン径をマイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ、190nmであった。
48.8質量部の上記調製した結着樹脂1−1と、2.0質量部の上記調製したアミン化合物とを、200質量部の酢酸エチルに溶解させ、あらかじめ調製した0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液300量部と混合した。これを撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散した。その後、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去し、固形分量が30質量%の結着樹脂1−1分散液を調製した。
調製した結着樹脂1−1分散液の分散粒子の体積基準のメジアン径は180nmであった。
上記結着樹脂3−2分散液の調製において、結着樹脂2−7の代わりに結着樹脂2−1を用いた以外は同様にして、結着樹脂2−1分散液を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を装着した反応容器に下記成分を投入し、液温を30℃に調整した。その後、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH(25℃換算)を10.0に調整した。
上記調製した結着樹脂1−1分散液 128質量部
上記調製した結着樹脂2−1分散液 1024質量部
イオン交換水 272質量部
上記調製した着色剤分散液 80質量部
上記調製した離型剤分散液 160質量部
得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加した。これを「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により回転翼周速35mm/sec、32℃の条件下で20分間混合した。その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー6を調製した。
得られたトナー6の重量平均分子量は、21000であった。
上記トナー6の調製において、表IIIに記載のとおりの樹脂組成としてトナー母体粒子を調製した以外は同様にして、トナー28、30を調製した。
上記トナー6の調製において、結着樹脂1−1の代わりに結着樹脂2−8を使用し、各結着樹脂の全体に対する添加量が表IIIに記載のとおりとなるように変更した以外は同様にして、トナー31を調製した。
上記のようにして調製した各トナーについて、基材接着性、画像可撓性、トナー耐熱保管性、耐候性及びハーフトーン画像再現性の各評価を行った。評価結果を表IVに示す。
得られた印刷物を1日放置後、印刷面に1mm間隔で10×10のマス目をカッターで切り、セロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときのトナー画像層の外観の状態を目視判定した。その判定結果を下記基準に基づいて評価した。評価結果が「◎」、「○」又は「△」である場合を合格とした。なお、マス目を切る際はフィルム基材を傷つけずにトナー画像層のみをカッターで切るものとする。
○:マス目の70%以上90%未満がフィルム基材上に残った
△:マス目の50%以上70%未満がフィルム基材上に残った
×:マス目の50%未満がフィルム基材上に残った
上記得られた印刷物のうち、二軸延伸ポリプロピレンフィルムに印刷したものを画像形成時の搬送方向に400%まで引き延ばし、トナー画像層の剥離・破壊状態を目視で確認し、下記基準に基づいて評価した。評価結果が「◎」、「○」又は「△」である場合を合格とした。
○:トナー画像層に軽微で不連続な剥がれがある
△:トナー画像層に不連続な破損が観察される
×:トナー画像層に連続した破損が観察される
上記調製したトナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(セイシン企業製)を用いて室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に0.5時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながら載せて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー及びノブナットで固定した。送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)(トナー凝集率)を測定した。なお、トナー凝集率は下記式により算出される値である。
トナー凝集率(%)=[篩上の残存トナー質量(g)/0.5(g)]×100
○:トナー凝集率が10%以上15%未満(トナーの耐熱保管性が良好)
△:トナー凝集率が15%以上20%未満(トナーの耐熱保管性がやや悪いが、使用可能)
×:トナー凝集率が20%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
上記得られた印刷物のうち、二軸延伸ポリプロピレンフィルムに印刷したものを、40℃、湿度95%RHの環境下で16時間放置した後、室温で8時間保持する。これを3サイクル繰り返した後、トナー画像層側を内側にして荷重1kg/cm2でフィルム基材を折り曲げ、折り曲げた部分を軽く拭き取った後のトナー画像層の破壊状態を目視で確認し、下記基準に従って評価した。評価結果が「◎」、「○」又は「△」である場合を合格とした。
○:トナー画像層の折れ目の一部に剥離・クラックの発生あり
△:トナー画像層の折れ目に従った線状の剥離、折れ目に起因するクラックの発生あり
×:トナー画像層に大きな剥離、クラックの発生あり
現像剤1〜31のそれぞれを用いて、評価機にて上記二軸延伸ポリプロピレンフィルムにハーフトーンチャートを出力し、この画像の画像濃度を感光体の軸方向に5点測定し、画像濃度のばらつきを求めた。画像濃度は、画像濃度計(Macbeth RD914)を用いて測定した。画像濃度のばらつきは、5点の測定値のうち、最大の値と最小の値の差を算出し、5点の平均値に対する上記差の割合(%)として算出した。画像濃度のばらつきから、下記評価基準に基づいて評価した。「◎」、「○」又は「△」である場合を合格とした。
○:画像濃度のばらつきが10%以上15%未満(良好)
△:画像濃度のばらつきが15%以上20%未満
×:画像濃度のばらつきが20%以上
Claims (10)
- 結着樹脂を含有するトナー母体粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
前記結着樹脂が、主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物に由来する骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂の含有量が、前記結着樹脂全体に対して5〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ウレタン結合及びウレア結合を有しないビニル系樹脂の重量平均分子量が、3000〜10000の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
- メチルエチルケトンに対する不溶分が、20〜60質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- メチルエチルケトンに対する不溶分が、25〜40質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー母体粒子が、コア・シェル構造を有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 結着樹脂微粒子が分散されてなる水系媒体中に凝集剤を添加し、前記結着樹脂微粒子を凝集させる工程を有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であって主鎖中にウレタン結合及びウレア結合の一方又は両方を有するビニル系樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 少なくとも、活性水素基含有化合物、及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するビニル系樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて油相を調製する工程と、
前記油相を水系媒体中に分散させて乳化分散液を調製する工程と、
前記乳化分散液中で前記活性水素基含有化合物と前記ビニル系樹脂とを反応させ、有機溶媒を除去する工程と、を有し、
前記ビニル系樹脂が、少なくともビニル系ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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