JP2019112402A - 農業用組成物、粒剤および徐放性粒剤 - Google Patents

農業用組成物、粒剤および徐放性粒剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は徐放性に優れた農業用組成物の提供を目的とする。【解決手段】カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂と層状ケイ酸塩、および農薬活性成分または肥料を含有することを特徴とする農業用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、農業用組成物、粒剤および徐放性粒剤に関し、詳細には農薬活性成分または肥料を含有する農業用組成物、この農業用組成物を含有し、農業に用いられる粒剤、およびこの粒剤からなる徐放性粒剤に関する。
環境や安全性への配慮、農家の省力化のため、農薬や肥料の使用量の低減、および散布回数の低減が求められている。かかる課題に対しては農薬活性成分や肥料の徐放化が効果的であり、それによって薬効の長期間持続や適量使用が可能となる。
散布した農薬から農薬活性成分や肥料を徐々に溶出させる徐放化技術としては、ポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性高分子化合物と、金属アルコキシドなどの無機化合物とから形成された有機・無機複合体、および農薬活性成分を含有する徐放性農薬組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる有機・無機複合体では、特定化合物の重縮合物である無機高分子の三次元網目中にPVAの分子鎖が絡み合ったセミIPN(相互侵入高分子網目)構造が形成されており、農薬活性成分はそのマトリックス中に閉じ込められ、これが水中におかれると、かかるマトリックスから農薬活性成分が水中に溶出することにより徐放性が得られるというものである。このとき、PVAは吸水・膨潤によってセミIPNの三次元網目を拡げ、農薬活性成分の溶出を助けているものと推測される。
しかしながら、かかるセミIPNの三次元網目は剛直で柔軟性に乏しいので、PVAの吸水・膨潤によってかかる網目が広げられたとしても、その程度はわずかであると推測される。したがって、かかる従来の徐放性農薬組成物では、農薬活性成分の徐放性の点で、更なる改善の余地があった。
農薬活性成分の徐放性を更に改善するために、PVA系樹脂の架橋物を含有する徐放性農薬組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−199630号公報 特開2012−6881号公報
しかしながら、上記特許文献2の開示技術においても徐放性効果は充分ではなく、更なる改善が望まれるものである。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、徐放性に優れた農業用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の実情に鑑みて鋭意研究した結果、カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂と層状ケイ酸塩、および農薬活性成分または肥料を含有する農業用組成物が徐放性に優れることを見出した。
すなわち、本発明の農業用組成物は、カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂と層状ケイ酸塩、および農薬活性成分または肥料を含有することを特徴とするものである。
本発明の農業用組成物は、カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂と層状ケイ酸塩との相互作用によって、含有される農薬活性成分または肥料の徐放性に優れた効果を有すると推測される。以下、推測されるメカニズムについて詳細に記載する。層状ケイ酸塩は、SiO4四面体が3個の酸素原子を互いに共有して連なる、二次元的な平らな層状構造を持つ。SiO4の形成する層表面は負電荷を帯びており、層間には陽イオンを抱えることができる。層状ケイ酸塩と水が接触すると層間に水分子が侵入して層状ケイ酸塩の層間は広がり、膨潤する。しかし、本発明においては、層状ケイ酸塩の層間陽イオンとカチオン性基含有ポリビニルアルコールのカチオン性基がカチオン交換をおこすことで、層状ケイ酸塩の層間への水分子の侵入を抑制して、層状ケイ酸塩の膨潤を抑制することが可能になっていると推測される。ゆえに、本発明の農業用組成物に徐放性を付与することができたと推測される。
本発明の農業用組成物を含有する粒剤は、農薬活性成分または肥料の徐放性がより優れた徐放性粒剤となり得る。
なお、本発明において「農業」とは、土地を利用して有用な植物を育成し、生産物を得る活動のことであり、本発明における「農業」には、野菜、観賞用の花、果物、庭木などを栽培する園芸農業、木材を生産する林業が含まれる。
本発明の農業用組成物は、農薬活性成分または肥料の徐放性が優れており、特に粒剤を形成することにより優れた徐放性粒剤となり得る。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
本発明の農業用組成物は、カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコール系樹脂をPVA系樹脂とも表記する。)と層状ケイ酸塩、農薬活性成分または肥料を含有することを特徴とする。
<カチオン性基含有PVA系樹脂>
本発明で用いるカチオン性基含有PVA系樹脂は、カチオン性基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合体をケン化することによって得られるものであり、ケン化度相当のビニルアルコール単位と、未ケン化部分のビニルエステル系単量体由来の構造単位と、カチオン性の構造単位を有するものである。
カチオン性基含有PVA系樹脂中のカチオン性基の含有量は0.01〜20モル%、さらには0.1〜10モル%、特には0.5〜5モル%であることが好ましく、かかる含有量が少なすぎると効果が小さくなる傾向があり、逆に多すぎると水溶性成分が多くなりすぎ、製造が困難になる傾向がある。
かかる含有量は、1H-NMRにより測定される。
本発明で用いられるカチオン性基含有PVA系樹脂の平均重合度(JISK6726に準拠)は100〜4000、さらには300〜3000、特には800〜2000が好ましく、かかる平均重合度が小さすぎると成形物(造粒物)が脆くなる傾向があり、逆に大きすぎると成形物(造粒物)の製造困難となる傾向がある。
また、かかるカチオン性基含有PVA系樹脂のケン化度(JISK6726に準拠)は50〜100モル%、さらには70〜99.9モル%、特には80〜99.8モル%、殊には85〜91モル%が好ましく、かかるケン化度が小さすぎると水への溶解が困難となる傾向がある。
上記のカチオン性基としては、アミノ基、イミノ基、グアニジノ基、4級アンモニウム塩基などがあり、好ましくは4級アンモニウム塩基である。
上記の4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(メタアクリルアミド)−アンモニウムクロライド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミン、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられ、中でもジアリルジメチルアンモニウムクロライドが本発明の効果が顕著に発揮される点で好ましい。
また、ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、中でも、経済性が高い点で、酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、カチオン性基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体の他にも共重合可能な不飽和単量体を共重合しても良く、かかる不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のビニル基とエポキシ基を有する単量体;トリアリルオキシエチレン、ジアリルマレアート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル基を2個以上有する単量体;酢酸アリル、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル等のアリルエステル系単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルクロトナート等のアセトアセトキシアルキルクロトナート;2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキル部分がC1〜C10アルキル基であり、好ましくはC1〜C6アルキル基);(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;エチレンスルホン酸等のオレフィン系単量体;ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン、1,3又は2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3等のジエン系単量体;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、グリセリンモノアリルエーテル等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類、およびそのアシル化物などの誘導体;1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパンなどのヒドロキシメチルビニリデンジアセテート類;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類、その塩又はモノ若しくはジアルキルエステル;アクリロニトリル等のニトリル類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、AMPS等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などの化合物、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ヒドロキシメチルビニリデンジアセテートが挙げられる。ヒドロキシメチルビニリデンジアセテートの具体的な例としては、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等が挙げられる。
また、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、グリセリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等のジオールを有する化合物などが挙げられる。これらの単量体は、単独でも2種以上を併用してもよい。
カチオン性基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体の共重合体を得るためには、従来の公知の重合方法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、又はエマルジョン重合のいずれをも採用し得るが、工業的にはメタノールやトルエン等を用いる溶液重合が好ましい。
また、重合時における各成分(単量体)の仕込み方法としては一括、分割、連続滴下等が挙げられ、適宜選択すればよい。連鎖移動剤を共存させて重合する場合は所定の変性量になるように重合系の酢酸ビニルの反応率に応じて連鎖移動剤を添加することにより、反応系の連鎖移動剤量が酢酸ビニルに対し、あまり変化しないようにすることが好ましい。
かくしてカチオン性単量体とビニルエステル系単量体の共重合体が得られるのであるが、かかる共重合体のケン化物を得る方法としては、通常公知の方法、即ちビニルエステル系共重合体をケン化する方法が挙げられる。具体的なケン化方法としては、アルカリケン化又は酸ケン化のいずれも採用できるが、工業的にはメタノール溶媒で水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシドを触媒とした加メタノール分解が最も有利である。
また、ケン化後に更に変性することもでき、例えば、得られたPVA系樹脂をアセト酢酸エステル化、アセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、オキシアルキレン化する方法等が挙げられる。
<層状ケイ酸塩>
本発明で使用する層状ケイ酸塩は、水に不溶であり、層表面は水中で負電荷を有し、層間に陽イオンを抱えており、かつかかる陽イオンがカチオンと交換するものが好ましく、例えば、スメクタイト、バーミキュライト、およびカオリン、膨潤性雲母などが挙げられる。
前記のスメクタイトは下記一般式(1):
(ただし、XはK、Na、1/2Caおよび1/2Mgから成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、Fe、Mn、Ni、Zn、Li、AlおよびCrから成る群より選ばれる1種以上であり、ZはSiおよびAlから成る群より選ばれる1種以上である。なお、HOは層間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオンおよび相対湿度に応じて著しく変動する。)で表される、天然または合成されたものである。該スメクタイトの具体例としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトおよびベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記バーミキュライトとしては、3八面体型と2八面体型とがあり、下記一般式(2):
(式中、M1はNaなどのアルカリ金属、M2はMgなどのアルカリ土類金属で、M1とM2とは交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=3.5〜5である)で表わされる天然または合成バーミキュライトがあげられる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記カオリンとしては、天然または合成されたカオリナイト、ディッカライト、ハロイサイト、これらの置換体、誘導体などがあげられる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記の膨潤性雲母は下記一般式(3):
(ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、BaおよびSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、Fe、Ni、Mn、AlおよびLiから成る群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、FeおよびBから成る群より選ばれる1種以上である。)で表される、天然または合成されたものである。これらは、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、および水と該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有するものであり、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テニオライト、リチウム型四ケイ素雲母およびナトリウム型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライトと似通った構造を有するものもあり、この様なバーミキュライト相当品等も使用し得る。該バーミキュライト相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記一般式(4):
(ただし、MはNaおよびMg等のアルカリまたはアルカリ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる層状ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に規則正しく積み重なった純度の高いものが望ましいが、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合った、いわゆる混合層鉱物のものも使用されうる。層状ケイ酸塩は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの内で、好ましくはスメクタイトおよびカオリンであり、さらに好ましくは、スメクタイトである。スメクタイトのなかでも特に好ましくは、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトであり、入手性の観点から、最も好ましくはベントナイトである。
<農薬活性成分>
本発明で用いられる農薬活性成分としては、例えば、カーバメイト系化合物、合成ピレスロイド系化合物、有機リン系化合物、有機塩素系化合物などの殺虫剤;N−ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤、カルボキシアミド系化合物、ジカルボキシイミド系化合物、ポリハロアルキルチオ系化合物、硫黄系化合物などの殺菌剤;スルホニル尿素系化合物、トリアジン系化合物、ジニトロアニリン系化合物などの除草剤などが挙げられる。
これら農薬活性成分の中から1種を単独でまたは2種以上を併せて用いることができる。
<肥料>
本発明で用いられる肥料しては、例えば、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム(石灰)、マグネシウムなどが挙げられる。これら肥料の中から1種を単独でまたは2種以上を併せて用いることができる。
また、農薬活性成分と肥料とを併せて用いてもよい。
<農業用組成物>
本発明の農業用組成物は、カチオン性基含有PVA系樹脂と層状ケイ酸塩、および農薬活性成分または肥料を含有する組成物である。
本発明の農業用組成物において、層状ケイ酸塩の含有量は、カチオン性基含有PVA系樹脂100重量部に対して、通常、50〜10000重量部、好ましくは50〜5000重量部、さらに好ましくは50〜2000重量部、特に好ましくは50〜1000重量部、最も好ましくは50〜500重量部である。かかる層状ケイ酸塩の含有量が多すぎると膨潤しやすくなり農薬活性成分の放出が速くなりすぎる傾向があり、少なすぎると農薬活性成分の放出が起こりにくくなり徐放性が低下する傾向がある。
また、農薬活性成分または肥料の含有量は、カチオン性基含有PVA系樹脂100重量に対して、好ましくは1〜10000重量部、特に好ましくは1〜7000重量部、更に好ましくは1〜5000重量部である。かかる含有量が多すぎると農薬活性成分または肥料の放出量が増加しすぎる傾向があり、少なすぎると農薬活性成分または肥料の効果が充分に得られない傾向がある。
また、本発明においては、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーとしては、前記層状ケイ酸塩を除く公知の無機フィラーを適宜用いてもよく、例えば、軽石、珪砂、炭酸カルシウム、ゼオライト、パーライト、珪藻土などが挙げられる。中でも、造粒のしやすさの点から炭酸カルシウムが好ましい。
無機フィラーを含有する場合、無機フィラーの含有量は、カチオン性基含有PVA系樹脂100重量に対して、好ましくは10〜10000重量部、特に好ましくは50〜8000重量部、更に好ましくは100〜6000重量部である。無機フィラーの含有量が上記の範囲内である場合には、相互作用が大きくなり、農薬活性成分または肥料の徐放性がより良好なものとなる。
本発明の農業用組成物は、結合剤、崩壊剤、分散剤、吸収剤、その他成分を必要に応じて含有していてもよく、その含有量は、通常、農業用組成物全体に対して、5重量%以下である。
結合剤としては、例えば、PVA系樹脂、でんぷん類、アラビアゴム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、リグニンスルホン酸塩類、PEG(ポリエチレングリコール)、流動パラフィンなどが挙げられる。なお、本発明のカチオンPVA系樹脂は結合剤として用いることもできる。
崩壊剤としては、例えば、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、食塩、その他カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの塩化物などが挙げられる。
分散剤としては、例えば、アニオン系、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
吸収剤としては、例えば、ホワイトカーボン、含水ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、無水芒硝、微結晶セルロース、プラスチック、塩化ビニルなどが挙げられる。
その他成分として、例えば、水やメタノール、塩化メチレン、その他の高沸点溶剤、潤滑剤、安定剤などが挙げられる。
農薬活性成分または肥料と、カチオン性基含有PVA系樹脂と、層状ケイ酸塩と、場合により無機フィラー、結合剤、崩壊剤、分散剤、吸収剤、その他成分との合計量、即ち農業用組成物全体に対して、カチオン性基含有PVA系樹脂の含有量は、好ましくは0.1〜50重量%、特に好ましくは0.2〜30重量%、更に好ましくは0.3〜20重量%である。カチオン性基含有PVA系樹脂の含有量が少なすぎると徐放性が低下する傾向があり、多すぎると成形が困難になる傾向がある。
<農業用組成物の形状>
本発明の農業用組成物の形状としては、フィルム状、粒状などの形状が挙げられる。
フィルム状(シート状)の農業用組成物の厚さは、通常、1〜10000μmであり、特に10〜8000μm、更に100〜5000μmであることが好ましい。
フィルム状(シート状)の農業用組成物は、製造方法が特に限定されず、例えば、カチオン変性PVA系樹脂、層状ケイ酸塩、農薬活性成分または肥料、必要に応じてその他の配合成分を含有する水性液を基板上に流延し、加熱して水を蒸発させる方法により製造することができる。加熱温度条件は、通常、0〜180℃であり、特に5〜150℃、更に10〜120℃が好ましい。
かかる方法で得られたフィルム状(シート状)の農業用組成物は、所望の大きさに裁断されて使用される。
<粒剤>
本発明の農業用組成物の形状としては粒状が好ましく、以下に、本発明の農業用組成物を含有し、形状が粒状である粒剤について詳細に説明する。
本発明の農業用組成物を含有する粒剤は、球状、円柱状などの形状で用いられる。
粒剤が球状である場合は、直径が、通常、100〜12000μmであり、特に200〜10000μm、更に300〜7000μmであるものが好ましく用いられる。
粒剤が円柱状である場合は、直径が、通常、100〜2000μmであり、特に200〜1500μm、更に300〜1000μmであるものが好ましく用いられる。また、円柱の高さが、通常、100〜12000μmであり、特に200〜10000μm、更に300〜7000μmであるものが好ましく用いられる。なお、本明細書における「円柱」には、正円柱のみならず、楕円柱も含まれる。
これら、球状の直径、円柱状の直径または高さが大きすぎると散布性が低下する傾向があり、小さすぎると飛散して人体内に吸入され、人体に悪影響が出易くなる傾向がある。
本発明の農業用組成物を含有する粒剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば下記の方法が挙げられる。
(i)カチオン性基含有PVA系樹脂粉末と、層状ケイ酸塩、農薬活性成分または肥料とを混合し、溶媒を添加して成型(造粒)、乾燥する方法
(ii)カチオン性基含有PVA系樹脂粉末と、層状ケイ酸塩、農薬活性成分または肥料とを混合し、成型(造粒)、乾燥する方法
(iii)カチオン性基含有PVA系樹脂溶液と層状ケイ酸塩と農薬活性成分または肥料とを混合して成型(造粒)、乾燥する方法
(iv)カチオン性基含有PVA系樹脂、農薬活性成分または肥料、層状ケイ酸塩のそれぞれを粉末状で混合し、溶媒と結合剤を加えて成型(造粒)、乾燥する方法
これらの方法の中でも、加工の容易さの理由から(iii)および(iv)の方法が特に好ましい。
以下に本発明の粒剤の製造方法について詳細に説明する。
本発明の粒剤は、各種成分を秤量し、それを篩過/粉砕し、均一に混合して混合粉末を得、得られた混合粉末は、乾燥状態のまま打錠する直接粉末圧縮法により、または湿式造粒法もしくは乾式造粒法により、造粒して粒剤を製造することができる。
各種成分を溶液として用いる場合には、水、溶剤、または水および溶剤を含有する混合溶媒が用いられる。溶剤としては、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数1〜6のアルコールが挙げられ、好ましくはイソプロピルアルコールが用いられる。かかる溶剤は水との混合溶媒であってもよく、有効成分の性質によって、適宜選択することができる。中でもPVA系樹脂の溶解性の点から水を用いることが好ましい。
また、造粒の際にも溶媒を配合することができ、同様に水、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数1〜6のアルコールなどの溶剤、または水および前述の溶剤を含有する混合溶媒が使用される。中でもPVA系樹脂の溶解性の点から水が好ましい。
上記のカチオン性基含有PVA系樹脂溶液の濃度は、好ましくは1〜50重量%であり、特に好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。
カチオン性基含有PVA系樹脂溶液の濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎカチオン性基含有PVA系樹脂の溶解が困難となる傾向があり、低すぎると水分量が多すぎ成形(造粒)が困難となる傾向がある。
粒剤の成形には、粒剤の製造に用いられる何れの造粒機も用いることができる。例えば、押出造粒機(例えば、筒井理化学器械株式会社製ミクロ顆粒製造機、ダルトン社製バスケットリューザー)、撹拌造粒機(例えば、GemPharmaMachineries社製「RapidMixerGranulator」、株式会社パウレック製「バーチカルグラニュレーター」)、流動層造粒機(例えば、株式会社パウレック製「転動流動コーティング装置−MP−01」)、噴霧冷却造粒機、乾式造粒機などを用いることができる。
本発明の農業用組成物は、上記の造粒のあと、乾燥することにより完成する。乾燥には、例えば、流動層乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の温度としては、例えば、0〜180℃、好ましくは5〜150℃、特に好ましくは10〜120℃であり、乾燥の時間としては、例えば、1分〜3時間、好ましくは5分〜2時間である。
以上の造粒、乾燥の各工程を経て、本発明の農業用組成物を含有する粒剤が得られる。
本発明の粒剤は、農薬活性成分または肥料の徐放性に優れており、徐放性粒剤と換言することもできる。
なお、本発明の粒剤は、造粒後、目的に合わせて公知の方法で適宜大きさを調節してもよく、公知の方法として例えば粉砕・整粒などがある。
例えば、本発明の粒剤の粉砕後の粒径は、通常0.01〜10000μmであり、好ましくは0.1〜8000μmであり、より好ましくは1〜5000μmであり、さらに好ましくは1〜2000μmである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「%」、「部」とあるのは、重量基準を意味する。
<カチオン性基含有PVA系樹脂の調製>
還流冷却機、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応缶に、メタノール20部、酢酸ビニル100部、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの65%水溶液0.7部を仕込み、開始剤としてアセチルパーオキサイドを用い、窒素気流下で加熱還流させ重合を開始した。ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの65%水溶液2.7部を重合開始直後から5時間かけて滴下し、重合率71%となった時点で重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼンを投入し、重合を終了した。続いてメタノール蒸気を吹き込む方法により、未反応モノマーを系外に除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度32%に調整して、ニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を、共重合体の酢酸ビニル単体に対して20ミリモルとなる量を加えてケン化を行った。生成した固形物を濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的物であるカチオン性基含有PVA系樹脂を得た。得られたカチオン性基含有PVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニルの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、88モル%であり、平均重合度は1600であった。また、カチオン性基の含有量は1H-NMRで測定して算出したところ1モル%であった。
[実施例1]
<粒状農業用組成物(粒剤)の調製>
農薬のモデル物質としてビスフェノールAを5部、上記で得られたカチオン性基含有PVA系樹脂を20部、層状ケイ酸塩としてベントナイト(ネオライト興産社製、WK−5)を22.5部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(ネオライト興産社製、粒剤用炭カル)を52.5部、ポリエチレン製の袋に入れて、3分間振り混ぜた。
ミルに上記の粉体混合物100部を入れ、結合剤としてポリビニルアルコール(重合度600、ケン化度88モル%、未変性)の5%水溶液35部を加えてミルで混合し、湿式押出造粒機(筒井理化学器械株式会社製「BENCHTOP GRANULATOR」)を用いて押出造粒し、粒剤を得た。得られた粒剤を80℃で1時間乾燥することにより粒状農業用組成物(粒剤)を得た。得られた粒剤について下記の溶出率測定を行なった。その結果を表1に示す。
<溶出率測定>
粒剤0.5部を脱イオン水250mL中にいれて浸水させた。25℃で保管し、1日後、3日後、7日後の各時点で、上澄み液を1000μL取り出し、フィルターにかけて下記測定条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてビスフェノールAの溶出率(%)を測定した。
(HPLC測定条)
装置:AgilentHP−1100シリーズ
カラム:C18ODS
カラム温度:40℃
移動相:水/CHCN=95/5(0min) 50/50(5min)
50/50(6min) 95/5(7min) 95/5(20min)
流量:1mL/min
注入量:10μL
検出器:PDA(200, 225nm)
[比較例1]
<粒状農業用組成物(粒剤)の調製>
農薬のモデル物質としてビスフェノールAを5部、カチオン性基含有PVA系樹脂に代えてPVA系樹脂(重合度2400、ケン化度88モル%、未変性)を20部、層状ケイ酸塩としてベントナイト(ネオライト興産社製、WK−5)を22.5部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(ネオライト興産社製、粒剤用炭カル)を52.5部、ポリエチレン製の袋に入れて、3分間振り混ぜた。
ミルに上記の粉体混合物100部を入れ、結合剤としてポリビニルアルコール(重合度600、ケン化度88モル%、未変性)の5%水溶液35部を加えてミルで混合し、湿式押出造粒機(筒井理化学器械株式会社製「BENCHTOP GRANULATOR」)を用いて押出造粒し、粒剤を得た。得られた粒剤を80℃で1時間乾燥することにより粒状農業用組成物(粒剤)を得た。得られた粒剤について、実施例1と同様に、溶出率測定を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例2]
<粒状農業用組成物(粒剤)の調製>
農薬のモデル物質としてビスフェノールAを5部、カチオン性基含有PVA系樹脂を加えず、層状ケイ酸塩としてベントナイト(ネオライト興産社製、WK−5)を28.5部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(ネオライト興産社製、粒剤用炭カル)を66.5部、ポリエチレン製の袋に入れて、3分間振り混ぜた。
ミルに上記の粉体混合物100部を入れ、結合剤としてポリビニルアルコール(重合度600、ケン化度88モル%、未変性)の5%水溶液30部を加えてミルで混合し、湿式押出造粒機(筒井理化学器械株式会社製「BENCHTOP GRANULATOR」)を用いて押出造粒し、粒剤を得た。得られた粒剤を80℃で1時間乾燥することにより粒状農業用組成物(粒剤)を得た。得られた粒剤について、実施例1と同様に、溶出率測定を行なった。その結果を表1に示す。
表1に示すように、カチオン性基含有PVA系樹脂を用いた実施例1では、未変性のPVA系樹脂を用いた比較例1、およびPVA系樹脂を用いなかった比較例2に比して、ビスフェノールAの溶出率が低いことから、優れた徐放性粒剤であることが分かる。
[実施例2]
<粒状農業用組成物(粒剤)の調製>
農薬のモデル物質としてビスフェノールAを5部、層状ケイ酸塩としてベントナイト(ネオライト興産社製、WK−5)を2部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(ネオライト興産社製、粒剤用炭カル)を91部、ポリエチレン製の袋に入れて、3分間振り混ぜた。
ミルに上記の粉体混合物を入れ、上記で得られたカチオン性基含有PVA系樹脂の7%水溶液を28.6部加えてミルで混合し、湿式押出造粒機(筒井理化学器械株式会社製「BENCHTOP GRANULATOR」)を用いて押出造粒し、粒剤を得た。得られた粒剤を80℃で1時間乾燥することにより粒状農業用組成物(粒剤)を得た。得られた粒剤について下記の溶出率測定を行なった。その結果を表2に示す。
<溶出率測定>
粒剤0.5部を脱イオン水250mL中にいれて浸水させた。25℃で保管し、2時間後、1日後、7日後の各時点で、上澄み液を1000μL取り出し、フィルターにかけて下記測定条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてビスフェノールAの溶出率(%)を測定した。
(HPLC測定条)
装置:AgilentHP−1100シリーズ
カラム:C18ODS
カラム温度:40℃
移動相:水/CH3CN=95/5(0min) 50/50(5min)
50/50(6min) 95/5(7min) 95/5(20min)
流量:1mL/min
注入量:10μL
検出器:PDA(200, 225nm)
[比較例3]
<粒状農業用組成物(粒剤)の調製>
農薬のモデル物質としてビスフェノールAを5部、層状ケイ酸塩としてベントナイト(ネオライト興産社製、WK−5)を2部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(ネオライト興産社製、粒剤用炭カル)を91部、ポリエチレン製の袋に入れて、3分間振り混ぜた。
ミルに上記の粉体混合物を入れ、カチオン性基含有PVA系樹脂に代えてPVA系樹脂(重合度1700、ケン化度88モル%、未変性)の7%水溶液を28.6部加えてミルで混合し、湿式押出造粒機(筒井理化学器械株式会社製「BENCHTOP GRANULATOR」)を用いて押出造粒し、粒剤を得た。得られた粒剤を80℃で1時間乾燥することにより粒状農業用組成物(粒剤)を得た。得られた粒剤について、実施例2と同様に、溶出率測定を行なった。その結果を表2に示す。
[比較例4]
<粒状農業用組成物(粒剤)の調製>
農薬のモデル物質としてビスフェノールAを5部、層状ケイ酸塩としてベントナイト(ネオライト興産社製、WK−5)を2部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(ネオライト興産社製、粒剤用炭カル)を93部、ポリエチレン製の袋に入れて、3分間振り混ぜた。
ミルに上記の粉体混合物を入れ、水を適量加えてミルで混合し、湿式押出造粒機(筒井理化学器械株式会社製「BENCHTOP GRANULATOR」)を用いて押出造粒し、粒剤を得た。得られた粒剤を80℃で1時間乾燥することにより粒状農業用組成物(粒剤)を得た。得られた粒剤について、実施例2と同様に、溶出率測定を行なった。その結果を表2に示す。
表2に示すように、カチオン性基含有PVA系樹脂を用いた実施例2では、粒剤の製造方法を変えたとしても、未変性のPVA系樹脂を用いた比較例3、およびPVA系樹脂を用いなかった比較例4に比して、ビスフェノールAの溶出率が低いことから、優れた徐放性粒剤であることが分かる。
本発明の農業用組成物、粒剤および徐放性粒剤は、農薬活性成分または肥料の徐放性に優れるので、園芸農業や林業などの農業に好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂と層状ケイ酸塩、および農薬活性成分または肥料を含有することを特徴とする農業用組成物。
  2. 前記カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、農業用組成物全体に対して、0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の農業用組成物。
  3. 前記カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂が、4級アンモニウム塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の農業用組成物。
  4. 前記カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂と前記層状ケイ酸塩の含有比率(カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂/層状ケイ酸塩)が重量基準にて0.01〜2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の農業用組成物。
  5. さらに無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農業用組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の農業用組成物を含有することを特徴とする粒剤。
  7. 請求項6に記載の粒剤からなることを特徴とする徐放性粒剤。
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