JP2019112401A - アンジオテンシン変換酵素阻害化合物 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019112401A
JP2019112401A JP2018238938A JP2018238938A JP2019112401A JP 2019112401 A JP2019112401 A JP 2019112401A JP 2018238938 A JP2018238938 A JP 2018238938A JP 2018238938 A JP2018238938 A JP 2018238938A JP 2019112401 A JP2019112401 A JP 2019112401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
residue
ace
amino acid
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018238938A
Other languages
English (en)
Inventor
孝二 岡元
Koji Okamoto
孝二 岡元
登志也 畠中
Toshiya Hatanaka
登志也 畠中
優貴 吉水
Yuki Yoshimizu
優貴 吉水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuoka Foods Co Ltd
VITAL RESOURCES APPLIED LABORATORY Inc
Original Assignee
Fukuoka Foods Co Ltd
VITAL RESOURCES APPLIED LABORATORY Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukuoka Foods Co Ltd, VITAL RESOURCES APPLIED LABORATORY Inc filed Critical Fukuoka Foods Co Ltd
Publication of JP2019112401A publication Critical patent/JP2019112401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】医薬品,健康食品,化粧品,これらのいずれか又は複数の用途で用いられるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害化合物の提供。【解決手段】分子量が100から2,000未満である、エラスチンの分解物若しくはこれに相当する化学的に合成された化合物であって、以下のいずれかのアミノ酸配列で示されるACE阻害化合物。(VAPGVG)n1[n1は1〜4の整数];VAPGVGVAPGVG;n2A[n2は2〜8の整数];X1X2P[X1又はX2=I,C,M,D,N,E,Q,H,K,F,Y,Wのいずれかで表されるアミノ酸];GX3X4[X3又はX4=A,I,S,T,C,M,D,N,E,Q,H,K,R,F,Y,Wのいずれかで表されるアミノ酸];X5AA[X5=V,I,T,C,M,N,E,H,R,F,Y,Wのいずれかで表されるアミノ酸]【選択図】図1

Description

本発明は,アンジオテンシン変換酵素阻害化合物に関する。
アンジオテンシン変換酵素(以下,「ACE」)は,不活性体であるアンジオテンシンIを,活性体であるアンジオテンシンIIに変換する反応を触媒する酵素である。
ACEの基本的な機能としては,この一連の変換を通じて血圧の制御を行うことである。すなわち,ACE阻害は,昇圧作用を有するアンジオテンシンIIの生成を抑制するとともに,ブラジキニン分解抑制による一酸化窒素の増加を介して末梢血管を拡張する。これらの作用によりACE阻害は,血圧を下げる効果を示すため,ACE阻害作用を有する化合物は,主として降圧剤の有効成分として用いられる。このACE阻害作用を有する化合物の一つとしてエラスチンが知られている。
エラスチンは,哺乳類,鳥類,魚類,爬虫類,両生類などの脊椎動物に広く分布し,特にこれらの動物の血管,靭帯,皮膚,肺,子宮などの組織の弾性機能を担う不溶性のタンパク質である。エラスチンは,アルカリ等の分解により,水溶性エラスチンが分解物として得られ,これがACE阻害作用を有することが知られている(特許文献1,2)。
国際公開第2006/046626号パンフレット 特許第6083085号公報
特許文献1には,分子量が約10,000〜30,000もしくは30,000〜300,000を有する高分子量水溶性エラスチンにかかる発明等が開示されており,本願発明者により完成された発明でもある。
特許文献2には,分子量が2,000〜20,000もしくは5,000〜50,000を有するエラスターゼ加水分解物にかかる発明等が開示されている。
これら先行技術は,アルカリ加水分解により得られる,所定の分子量を有する水溶性エラスチンがACE阻害作用を有し,種々の用途に用いられる点において有用である。
しかるに先行技術においては,比較的分子量が大きいことから,薬剤ないし食品等の有用成分として使用を行う場合,やや取り扱いが難しいという課題を有する。加えて,特許文献2に関する技術については,実施例等の結果を見れば,分子量が2,000〜20,000もしくは5,000〜50,000を有するエラスターゼ加水分解物ではACE阻害作用がそれほど強いものではなく,水溶性エラスチンとして発明の本質をとらえていないと発明者は考えたものである。
上記事情を背景として本発明では,水溶性エラスチンの有用成分に関する研究をさらに深化させるとともに,これにより得られた知見を用いた水溶性エラスチンの有用成分等の提供を課題とする。
発明者は,驚くべきことに,水溶性エラスチンのうち,分子量2,000に満たない分解物が,ACE阻害作用に優れることを見出し,発明を完成させたものである。合わせて,かかる知見から,ACE阻害作用を有する低分子ペプチドに関する発明を完成させたものである。
本発明は,以下の構成からなる。
本発明の第一の構成は,エラスチンの分解物もしくはこれに相当する化学的に合成された化合物であって,分子量が100から2,000未満であることを特徴とするACE阻害化合物である。
本発明の第二の構成は,さらに分子量が,100から1,000以下である第一の構成に記載のACE阻害化合物である。
本発明の第三の構成は,第一の構成に記載される化合物が,下記化1から3のいずれかのアミノ酸配列で表されるACE阻害化合物である。
n1は,1から4の整数。
で表される配列から連続して選択される2から7の配列。
n2は,2から8の整数。
本発明の第四の構成は,前記化1において,n1が1又は2で表される第三の構成に記載のACE阻害化合物である。
本発明の第五の構成は,化合物番号11から18,もしくは化合物番号22から28のいずれかで表される第二の構成に記載のACE阻害化合物である。
本発明の第六の構成は,第三から第五の構成に示されるACE阻害化合物の誘導体であって,下記化4から6のいずれかで表されるACE阻害化合物である。
(X1又はX2=I, C, M, D, N, E, Q, H, K, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
(X3又はX4=A, I, S, T, C, M, D, N, E, Q, H, K, R, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
(X5=V, I, T, C, M, N, E, H, R, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
本発明の第七の構成は,医薬品,健康食品,化粧品,これらのいずれか又は複数の用途で用いられる第一から第六の構成に記載のACE阻害化合物である。
本発明により,水溶性エラスチンに関する新たな知見が得られ,これに伴う有用な化合物の提供が可能となった。
トロポエラスチンの配列を示した図 各試験サンプルを用いてACE阻害実験を行った結果を示した図 各試験サンプルを用いてACE阻害実験を行った結果を示した図
本発明のACE阻害化合物について説明を行う。
本発明のACE阻害化合物は,図1に示されるエラスチン配列(トロポエラスチン,配列番号1)の分解物もしくはこれに相当する化学的に合成された化合物であって,分子量が100から2,000未満であり,より好ましくは分子量が100から1,000未満であることを特徴とする。
また,本発明のACE阻害化合物の別の態様として,エラスチン分解物の誘導体化合物(1又は2つのアミノ酸置換化合物)であり,分子量が100から500未満の化合物である。
本発明のACE阻害化合物について,エラスチンを分解して製造する場合は,公知の方法を用いて製造することができる(特許文献1)。
すなわち,豚,馬,牛,羊などの哺乳動物から得られる大動脈血管などの生体組織を原料として用いるが,鳥類の動脈血管や魚類の動脈球などの生体組織を原料として用いても良い。まずこれらの生体組織をホモジナイズ等することにより細分化する。続いて,細分化試料についてアルカリ性溶液等を用いてコラーゲン等の除去を行い,不溶性エラスチンを得る。さらに,不溶性エラスチンについて,酸もしくはアルカリ等により加水分解処理を行い,この処理溶液について分離作業を行い,水溶性エラスチンを得ることができる。この分離作業の際に,膜分離やゲルろ過によるカラム精製などを行い,100から2,000未満の分子量の画分を得ることができる。
本発明のACE阻害化合物(エラスチン分解物の誘導体化合物を含む)については,化学的に合成することもできる。すなわち,本発明のACE阻害化合物は,ペプチドとして構成されていることから,ペプチド合成装置などにより化学合成することができる。
本発明のACE阻害化合物について,下記化1から3のいずれかのアミノ酸配列で表される化合物を用いることが好ましい。これにより,ACE阻害化合物の化学的合成が容易になり,本発明のACE阻害化合物を高純度かつ再現性高く得ることができる効果を有する。
なお,これら化1から3で示される具体的な化合物は図2の化合物番号1から10および図3の化合物番号19から21に例示される化合物であり,また,これらの化合物は,アミノ酸の一文字表記で表され,左側がN末端,右側がC末端である。
n1は,1から4の整数。
で表される配列(配列番号3)から連続して選択される2から7の配列。
n2は,2から8の整数。
前記化1においては,n1が1又は2(n1=1が配列番号6,n1=2が配列番号3で表される化合物)で表されるACE阻害化合物とすることが好ましい。これにより,分子量を1,000未満とすることができ,化合物としての取り扱いにより優れる効果を有する。加えて,より優れたACE阻害作用を期待することができ,化合物としての性能を向上させる効果を有する。
前記化2においては,12のアミノ酸残基で示される配列のうち,連続して選択される任意の2から7のアミノ酸配列を用いる。また,このうち,図2において示される化合物番号2から10で表される化合物を用いることが好ましい。これにより,より優れたACE阻害作用を期待することができ,化合物としての性能を向上させる効果を有する。
前記化3においては,n2が4で表されるACE阻害化合物(化合物番号19,もしくは配列番号8)とすることが好ましい。これにより,より優れたACE阻害作用を期待することができ,化合物としての性能を向上させる効果を有する。
また,化1ないし化3で表される化合物を,化合物番号6,10,もしくは化合物番号20のいずれかとすることが好ましい。これにより,分子量を400未満としつつ,より優れたACE阻害作用を期待することができ,化合物としての取扱性ならびに性能を向上させる効果を有する。
本発明の第六の構成は,第三から第五の構成に示されるACE阻害化合物の誘導体であって,下記化4から6のいずれかで表されるACE阻害化合物である。
すなわち,下記化4から6のいずれかで表されるACE阻害化合物は,化1ないし化3で表されるエラスチン由来のACE阻害化合物(化合物番号6,10,20)を用いて,これらのアミノ酸配列が置換されたエラスチン由来の複数の化合物(化合物番号11から18および22から28)がACE阻害活性を示すことから,アミノ酸配列における置換可能部位を特定することにより,発明者らにより見い出された化合物である。
なお,当然のことではあるが,これら化4から6の化合物は,誘導体化合物であることから,図2ないし図3に示される化合物群(化合物番号6,10,11から18,20,22から28)は含まれないものである。
(X1又はX2=I, C, M, D, N, E, Q, H, K, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
(X3又はX4=A, I, S, T, C, M, D, N, E, Q, H, K, R, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
(X5=V, I, T, C, M, N, E, H, R, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
本発明のACE阻害化合物は,上記のとおりの化学構造を有するものであるが,これに限定する趣旨ではない。
すなわち,上記で示された化学構造を有する化合物によりACE阻害作用を発揮するという本発明の趣旨に鑑み,化合物そのものがACE阻害作用を発揮する場合に加え,体内における様々な代謝を受けて本発明の化合物構造となりACE阻害作用を発揮する,いわゆるDDS化された化合物を含んでもかまわない。この意味において,本発明のACE阻害化合物は,部分的な化学的修飾を受けていてもよい。
本発明のACE阻害化合物は,ACE阻害作用を発揮しうる限り特に限定する必要はなく種々の用途で用いることができる。このような用途として,例えば,医薬品,健康食品,化粧品,これらのいずれか又は複数の用途で用いることができる。
本発明のACE阻害化合物について,実験例を用いてさらに説明を行う。
<<エラスチン由来のオリゴペプチドによるACE阻害試験>>
<実験概要>
ACE活性試験は,Nakanoらの方法(Nakano et al, Biosci. Biotechnol. Biochem., 70, 1118-1126 (2006))の方法に基づき,基質(Hippuryl-His-Leu)からACEにより分解されるジペプチドをオルトフタルアルデヒドにより蛍光化した後,反応物の蛍光強度を測定することで実施した。ACE活性阻害は試験溶液を加えない未処置溶液(コントロール:C)の活性を100%とした場合の相対活性をもとに評価した。
<実験方法>
化合物を0.1M HEPES緩衝液(pH8.3)にて終濃度が80μM及び320μMになるように濃度調製し,試験溶液(試験サンプル:S)とした。0.1M HEPES緩衝液(pH8.3)(未処置溶液)または試験溶液を96穴マイクロプレートに25μl加え,20mU/ml ACE溶液を25μl加えて37℃で5分間インキュベートした。8mM Hippuryl-His-Leu溶液を25μl加え,37℃で30分間反応した。その後,0.1M水酸化ナトリウム溶液を25μl加えて反応停止し,1%オルトフタルアルデヒド溶液を25μl加え,室温で20分間放置した。さらに,0.1M塩酸を25μl入れて室温で10分間放置し,マイクロプレートリーダーで蛍光強度(励起波長:355nm,蛍光波長:460nm)を測定した。なおブランク(B)は20mU/ml ACEの代わりにPBSを用いて同様に試験した。
以下の算出式を基に,ACE阻害率(%)を算出した。
ACE活性(%)=(S蛍光強度) − (SB蛍光強度) / (C蛍光強度) − CB蛍光強度)x100
ACE阻害率(%)= 100 − ACE活性(%)
S : 試験サンプル, SB : 試験サンプルブランク, C : コントロール, CB : コントロールブランク
各試験サンプルについては下記の由来である。図1にブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンの全アミノ酸配列(シグナルペプチド26残基が除かれた1番目のGly残基から744番目のLys残基までの配列,配列番号1)を示す。なお,シグナルペプチドを含む図1の配列全体は,配列番号9として示す。
1.化合物番号1〜18については下記の由来である。
(1) 化合物番号1から10については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の492番目のVal残基から515番目のGly残基のVAPGVG繰り返し配列(VAPGVGVAPGVGVAPGVGVAPGVG)由来に含まれる。
(2) 化合物番号11については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の249番目のGly残基から251番目のPro残基,283番目のGly残基から285番目のPro残基,306番目のGly残基から308番目のPro残基,468番目のGly残基から470番目のPro残基,531番目のGly残基から533番目のPro残基由来のGAP配列である。
(3) 化合物番号12については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の370番目のVal残基から372番目のPro残基,659番目のVal残基から661番目のPro残基由来のVSP配列である。
(4) 化合物番号13については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の421番目のLeu残基から423番目のPro残基,698番目のLeu残基から700番目のPro残基由来のLSP配列である。
(5) 化合物番号14については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の21番目のGly残基から23番目のGly残基,24番目のGly残基から26番目のGly残基,48番目のGly残基から50番目のGly残基,52番目のGly残基から54番目のGly残基,86番目のGly残基から88番目のGly残基,95番目のGly残基から97番目のGly残基,485番目のGly残基から487番目のGly残基,641番目のGly残基から643番目のGly残基,646番目のGly残基から648番目のGly残基,674番目のGly残基から676番目のGly残基,699番目のGly残基から671番目のGly残基由来のGLG配列である。
(6) 化合物番号15については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の213番目のGly残基から215番目のGly残基,311番目のGly残基から313番目のGly残基,487番目のGly残基から489番目のGly残基,523番目のGly残基から525番目のGly残基由来のGPG配列である。
(7) 化合物番号16については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の586番目のGly残基から588番目のLeu残基由来のGPL配列である。
(8) 化合物番号17については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の682番目のThr残基から684番目のPro残基由来のTRP配列である。
(9) 化合物番号18については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の692番目のPro残基から694番目のPro残基由来のPRP配列である。
2.化合物番号19〜28については下記の由来である。
(1) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の72番目のAsp残基から81番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24及び26の化合物配列が含まれる。
(2) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の234番目のGln残基から246番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24及び25の化合物配列が含まれる。
(3) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の285番目のPro残基から295番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24及び27の化合物配列が含まれる。
(4) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の372番目のPro残基から383番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24及び27の化合物配列が含まれる。
(5) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の423番目のPro残基から434番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24,25及び27の化合物配列が含まれる。
(6) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の471番目のPro残基から482番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24及び27の化合物配列が含まれる。
(7) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の533番目のPro残基から544番目のAla残基間の配列に,化合物番号20,21,23,24及び27の化合物配列が含まれる。
(8) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の588番目のLeu残基から594番目のAla残基間の配列に,化合物番号20,21,22及び24の化合物配列が含まれる。
(9) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の622番目のPro残基から632番目のAla残基間の配列に,化合物番号20,21,24及び27の化合物配列が含まれる。
(10) ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の661番目のPro残基から668番目のAla残基間の配列に,化合物番号19,20,21,24及び27の化合物配列が含まれる。
(11) 化合物番号28については,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の218番目のGly残基から220番目のAla残基,298番目のGly残基から300番目のAla残基,418番目のGly残基から420番目のAla残基,437番目のGly残基から439番目のAla残基,597番目のGly 残基から599番目のAla残基,671番目のGly残基から673番目のAla残基由来のGAA配列である。
<実験結果>
1.結果を図2及び3に示す。
(1) 検討を行った化合物番号1から28の全てにおいてACE阻害効果を有する化合物であることが分かった。化合物の濃度が80μMのときのACE阻害率は1〜99%を示し,化合物の濃度が320μMのときのACE阻害率は12〜99%を示した。
(2) 特に,化合物番号6,12,13,16,17及び22においては,いずれも100%近いACE阻害効果を示し,また分子量はいずれも400に満たないものであることから,ACE阻害能を有する比較的小さい分子量の化合物であることが分かった。
2.これらの結果より,下記が考えられる。
(1) 化合物番号4のVAPGVG,化合物番号1のVAPGVGVAPGVG(VAPGVGの2回繰り返し)のいずれもACE阻害活性を示すことから,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の492番目のVal残基から515番目のGly残基のVAPGVG繰り返し配列中にあるVAPGVGVAPGVGVAPGVG (VAPGVGの3回繰り返し:分子量1460)及びVAPGVGVAPGVGVAPGVGVAPGVG (VAPGVGの4回繰り返し:分子量1940)もACE阻害活性を有することが推認された。
(2) 化合物番号19〜21のAAAA(Aの4回繰り返し),AAA(Aの3回繰り返し),AA(Aの2回繰り返し)のいずれもACE阻害活性を示すことから,ブタ由来のエラスチン前駆体であるトロポエラスチンのアミノ酸残基の234番目のGln残基から246番目のAla残基間に含まれるAAAAAAAA(Aの8回繰り返し),285番目のPro残基から295番目のAla残基間に含まれるAAAAAAA(Aの7回繰り返し),471番目のPro残基から482番目のAla残基間に含まれるAAAAA (Aの5回繰り返し)などAの5回から8回繰り返しのペプチドもACE阻害活性を有することが推認された。
(3) 化合物番号6のVAPが100%近いACE阻害効果を有し,そのVAPのVがGに置き換わっている化合物番号11のGAP,そのVAPのAがSに置き換わっている化合物番号12のVSP,そのVAPのVと AがそれぞれLとSに置き換わっている化合物番号13のLSP,そのVAPのVと AがそれぞれTとRに置き換わっている化合物番号17のTRP,そのVAPのVと AがそれぞれPとRに置き換わっている化合物番号18のPRPのいずれも高いACE阻害効果を示していることより,VAPのVをXに,AをZに置き換えたX1X2P(X1又はX2=I, C, M, D, N, E, Q, H, K, F, Y, W)もACE阻害活性を有することが推認された。
(4) 化合物番号10,14,15及び16のそれぞれのGVG,GLG(GVGのVがLに置き換わったもの),GPG(GVGのVがPに置き換わったもの)及びGPL(GVGのVとGがそれぞれPとLに置き換わったもの)がACE阻害活性を示していることより,GVGのVをX3に,GをX4に置き換えたG X3X4(X3又はX4=A, I, S, T, C, M, D, N, E, Q, H, K, R, F, Y, W)もACE阻害活性を有することが推認された。
(5) 化合物番号20,22,23,24,25,26,27及び28のそれぞれのAAA, LAA(AAAのAがLに置き換わったもの), SAA(AAAのAがSに置き換わったもの), KAA(AAAのAがKに置き換わったもの), QAA(AAAのAがQに置き換わったもの), DAA(AAAのAがDに置き換わったもの), PAA(AAAのAがPに置き換わったもの), GAA(AAAのAがGに置き換わったもの)がACE阻害活性を示すことより,AAAのAをX5に置き換えたX5AA(X5=V, I, T, C, M, N, E, H, R, F, Y, W)もACE阻害活性を示すことが推認された。

Claims (7)

  1. エラスチンの分解物もしくはこれに相当する化学的に合成された化合物であって,分子量が100から2,000未満であることを特徴とするACE阻害化合物。
  2. さらに分子量が,100から1,000以下である請求項1に記載のACE阻害化合物。
  3. 前記請求項1に記載される化合物が,下記化1から3のいずれかのアミノ酸配列で表されるACE阻害化合物。
    n1は,1から4の整数。

    で表される配列から連続して選択される2から7の配列。

    n2は,2から8の整数。
  4. 前記化1において,n1が1又は2で表される請求項3に記載のACE阻害化合物。
  5. 化合物番号11から18,もしくは化合物番号22から28のいずれかで表される請求項2に記載のACE阻害化合物。
  6. 請求項3から5に示されるACE阻害化合物の誘導体であって,下記化4から6のいずれかで表されるACE阻害化合物。

    (X1又はX2=I, C, M, D, N, E, Q, H, K, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)

    (X3又はX4=A, I, S, T, C, M, D, N, E, Q, H, K, R, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)

    (X5=V, I, T, C, M, N, E, H, R, F, Y, Wのいずれかで表されるアミノ酸)
  7. 医薬品,健康食品,化粧品,これらのいずれか又は複数の用途で用いられる請求項1から6のいずれかに記載のACE阻害化合物。


JP2018238938A 2017-12-22 2018-12-20 アンジオテンシン変換酵素阻害化合物 Pending JP2019112401A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246202 2017-12-22
JP2017246202 2017-12-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019112401A true JP2019112401A (ja) 2019-07-11

Family

ID=67222338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018238938A Pending JP2019112401A (ja) 2017-12-22 2018-12-20 アンジオテンシン変換酵素阻害化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019112401A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111647089A (zh) * 2020-06-30 2020-09-11 安徽九川生物科技有限公司 一种重组类人弹性蛋白及其组合物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5944324A (ja) * 1982-09-04 1984-03-12 Agency Of Ind Science & Technol アンジオテンシン転換酵素阻害剤
JPH04202198A (ja) * 1990-11-29 1992-07-22 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 新規ペプチド、その製造法及び用途
JPH0687886A (ja) * 1990-02-27 1994-03-29 Agency Of Ind Science & Technol 新規オリゴペプチド、アンジオテンシン変換酵素阻害 剤及び血圧降下剤
JP2002506041A (ja) * 1998-03-13 2002-02-26 コネクティブ・ティシュー・イメージニアリング・エルエルシー ペプチド組成物及び製剤並びにその使用
JP2005512982A (ja) * 2001-10-31 2005-05-12 アボット・ラボラトリーズ 抗血管新生作用を有するジ−、トリ−及びテトラ−ペプチド
JP2010222300A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Nagoya Univ 機能性ペプチドを表すルールの抽出法、機能性ペプチドの設計法及び調製法、ポリペプチド又はポリペプチド含有組成物の評価法、並びに機能性ペプチド
JP2012056879A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Kyushu Institute Of Technology アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびその用途

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5944324A (ja) * 1982-09-04 1984-03-12 Agency Of Ind Science & Technol アンジオテンシン転換酵素阻害剤
JPH0687886A (ja) * 1990-02-27 1994-03-29 Agency Of Ind Science & Technol 新規オリゴペプチド、アンジオテンシン変換酵素阻害 剤及び血圧降下剤
JPH04202198A (ja) * 1990-11-29 1992-07-22 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 新規ペプチド、その製造法及び用途
JP2002506041A (ja) * 1998-03-13 2002-02-26 コネクティブ・ティシュー・イメージニアリング・エルエルシー ペプチド組成物及び製剤並びにその使用
JP2005512982A (ja) * 2001-10-31 2005-05-12 アボット・ラボラトリーズ 抗血管新生作用を有するジ−、トリ−及びテトラ−ペプチド
JP2010222300A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Nagoya Univ 機能性ペプチドを表すルールの抽出法、機能性ペプチドの設計法及び調製法、ポリペプチド又はポリペプチド含有組成物の評価法、並びに機能性ペプチド
JP2012056879A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Kyushu Institute Of Technology アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびその用途

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"ARB, ACE-I 腫瘍抑制効果", 日本臨床, vol. Vol. 64 (増刊号5), JPN6023012232, pages 512 - 517, ISSN: 0005023942 *
SIEGMUND REISSMANN ET AL.: "PEPTIDE INHIBITORS OF THE ANGIOTENSIN CONVERTING ENZYME WITH NONPROTEINOGENIC AMINO ACIDS", COLLECTION OF CZECHOSLOVAK CHEMICAL COMMUNICATIONS, vol. 53, JPN6022044794, 1988, pages 2591 - 2598, ISSN: 0005023941 *
TAO JING ET AL.: "Rational Design of Angiotensin-I-Converting Enzyme Inhibitory Peptides by Integrating in silico Mode", CHEMMEDCHEM, vol. 8, JPN6022044793, 2013, pages 1057 - 1066, ISSN: 0005023940 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111647089A (zh) * 2020-06-30 2020-09-11 安徽九川生物科技有限公司 一种重组类人弹性蛋白及其组合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Forghani et al. Purification and characterization of angiotensin converting enzyme-inhibitory peptides derived from Stichopus horrens: Stability study against the ACE and inhibition kinetics
KR101115557B1 (ko) 생체내 비분해성 펩티드, 안지오텐신 변환효소 저해제,의약 및 기능성 식품
US20060057668A1 (en) Antimicrobial polypeptide and utilization thereof
KR20200122292A (ko) 재조합 콜라겐 및 엘라스틴 분자, 및 그의 용도
Pokora et al. An attractive way of egg white protein by-product use for producing of novel anti-hypertensive peptides
CN103987724A (zh) Dpp-4抑制剂
JP6066222B2 (ja) 抗菌ペプチド及びその利用
Lee et al. Myostatin inhibitory region of fish (Paralichthys olivaceus) myostatin-1 propeptide
JP2019112401A (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害化合物
JP2010202578A (ja) 皮膚改善剤、血管機能改善剤、並びにこれらを含む医薬組成物、食品、飼料及び化粧品
Zhang et al. Rational design and synthesis of Oreoch-2 analogues as efficient broad-spectrum antimicrobial peptides
Katsuma et al. Development of des-fatty acyl-polymyxin B decapeptide analogs with Pseudomonas aeruginosa-specific antimicrobial activity
KR20150036167A (ko) 앤지오텐신 변환 효소 저해 디펩티드
JP6864539B2 (ja) コラーゲン、ゼラチンおよびコラーゲン加水分解物に含まれるGly−X−Y配列量の測定方法、およびX−Y配列量の測定方法
JPH10509589A (ja) プロテアーゼ阻害剤および他の生物活性物質の新しい系
Tomita et al. Structure–activity relationship study on polyglutamine binding peptide QBP1
ATMA et al. The hydroxyproline content of fish bone gelatin from Indonesian Pangasius catfish by enzymatic hydrolysis for producing the bioactive peptide
JP2003284551A (ja) アンジオテンシンi変換酵素阻害剤
CN114096265A (zh) 衰老进程抑制剂和包含其的食品或饮品
CN110540577A (zh) 一种具有降血压作用的鸭源多肽及其应用
JP2001261698A (ja) アンジオテンシンi変換酵素阻害剤およびその製造法
Maeda et al. Angiotensin I converting enzyme-inhibiting peptides purified from elastase-degraded elastin prepared from pig aorta
CN110396123A (zh) 鸭肉蛋白源具有ace抑制活性肽ysyvp及用途
Varela et al. World Journal of Engineering Research and Technology
US20220305090A1 (en) Hair growing agent and food or beverage product comprising same

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181227

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221024

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230927