JP2019112337A - 色素沈着抑制用の外用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
項1. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、及びニコチン酸ベンジルを含有する、色素沈着抑制用の外用組成物。
項2. ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを0.01〜10重量%含む、項1に記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
項3. ニコチン酸ベンジルを0.01〜10重量%含む、項1又は2に記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
項4. 乳化製剤である、項1〜3のいずれかに記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
項5. 油中水型の乳化製剤である、項1〜4のいずれかに記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
項6. 内出血後の色素沈着の抑制に使用される、項1〜5のいずれかに記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
本発明の外用組成物は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含有する。ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、アポラートナトリウムとも称されることがあり、下記式に示すモノマーがラジカル重合した高分子化合物である。また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、CAS登録番号「25053−27−4」としても知られている化合物である。
本発明の外用組成物は、ニコチン酸ベンジルを含有する。ニコチン酸ベンジルとは、血行促進作用、細胞賦活作用等が知られている公知の化合物である。
ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは親水性であるのに対し、ニコチン酸ベンジルは親油性であるので、本発明の外用組成物は、両成分を安定に含有するために、乳化製剤であることが好ましい。本発明の外用組成物を乳化製剤にする場合、油相の基剤成分、及び水相の基剤成分が使用される。以下、各基剤成分について説明する。
油相の基剤成分としては、例えば、液状油、固形油、高級アルコール等の油性基剤が含まれる。
液状油とは、25℃において液状の形態を保つ油である。本発明で使用される液状油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナツツ油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油;オレイン酸、インステアリン酸等の脂肪酸;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジバラメトキシケイヒ酸−モノエチルへキサン酸グリセリル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコン油;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等が挙げられる。
固形油とは、25℃において固形の形態を保つ油である。本発明で使用される固形油としては、通常化粧料や外用医薬品等に用いられるものであればよく、例えば、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン、セラックロウ、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ワセリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、セレシンワックス、固形パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等の固形油が挙げられる。
高級アルコールとは、1分子中の炭素原子数が6個以上の1価アルコールである。本発明で使用される高級アルコールにおける1分子中の炭素原子数について、6以上であればよいが、好ましくは6〜34、更に好ましくは14〜22が挙げられる。
本発明の外用組成物を乳化製剤にする場合、水相の基剤成分として水が含まれる。発明の外用組成物を乳化製剤にする場場合、水の含有量について、乳化製剤の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、更に好ましくは50〜70重量%が挙げられる。
本発明の外用組成物を乳化製剤にする場合、乳化形態を形成するためにノニオン性界面活性剤が含まれていることが好ましい。
本発明の外用組成物を油中水型の乳化製剤にする場合、主に使用されるノニオン性界面活性剤(HLB値が2〜8程度)としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の外用組成物を水中油型の乳化製剤にする場合、主に使用されるノニオン性界面活性剤(HLB値が8〜17程度)としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、レシチン誘導体等が挙げられる。
本発明の外用組成物には、保湿性の付与等のために、必要に応じて多価アルコールが含まれていてもよい。
本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ビタミン類(レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロールリノレン酸エステル等)、清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)等が挙げられる。
本発明の外用組成物は、前述するように乳化製剤であることが好ましい。本発明の外用組成物を乳化製剤にする場合、油中水型又は水中油型のいずれの乳化タイプであってもよいが、好ましくは油中水型が挙げられる
本発明の外用組成物は、その製剤形態に応じた公知の手法で製造することができる。例えば、本発明の外用組成物を乳化製剤にする場合であれば、含有させる成分を水溶性成分と油性成分に分けて、水溶性成分を含む水相と、油性成分を含む油相とを調製し、これらを公知の手法に従って乳化させればよい。
本発明の外用組成物は、色素沈着の抑制(予防や改善等)を目的に、色素沈着抑制が求められる皮膚部位に適用して使用される。
1.油中水型乳化製剤の製造
表1に示す組成の油中水型乳化製剤(クリーム剤)を調製した。具体的な製造方法は、以下の通りである。油性成分、界面活性剤、高級アルコール、及び液状油を混合し、80℃で加熱溶解することにより、油相原料を調製した。また、別途、水性成分、多価アルコール、及び水性基剤を混合し、80℃で加熱溶解することにより、水相原料を調製した。80℃に加熱した油相原料に対して、80℃に加熱した油相原料をディスパーをかけながら徐々に添加して乳化を行った。その後、撹拌しながら35℃まで冷却することにより、油中水型乳化製剤を得た。
実施例1の油中水型乳化製剤の内出血の治療効果を評価した。具体的には、被験者が打ち身によって内出血(脹脛の青あざ2cm2程度、及び膝裏の青あざ1cm2程度)を発症した直後から、7日間にわたって、1日2回の頻度で、1回当たり約0.1g(ニコチン酸ベンジル量:約0.042mg/cm2)の油中水型乳化製剤を内出血の患部に塗布した。油中水型乳化製剤の塗布前、塗布開始から4日後、7日後及び12日後に、内出血の患部を皮膚評価デバイス(ANTERA 3D、ガデリウス・メディカル株式会社製)を用いて撮影し、カラーイメージの像、及び画像処理によってメラニンを可視化した像を得た。また、メラニンを可視化した像から、図1及び2に示す点線の円の領域内の変動値を算出した。当該変動値は値が小さい程、患部と正常皮膚部位との色むらが小さいことを表している。変動値は領域内の色素沈着性の均一性情報を数値化したものであり、「0」に近いほどメラニン量が少なく肌の色合いが均一で良いことを示す。
Claims (6)
- ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、及びニコチン酸ベンジルを含有する、色素沈着抑制用の外用組成物。
- ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを0.01〜10重量%含む、請求項1に記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
- ニコチン酸ベンジルを0.01〜10重量%含む、請求項1又は2に記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
- 乳化製剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
- 油中水型の乳化製剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
- 内出血後の色素沈着の抑制に使用される、請求項1〜5のいずれかに記載の色素沈着抑制用の外用組成物。
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