JP2019112089A - 二重構造容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなり、且つ延伸ブロー成形により製造された二重構造容器において、口部での耐衝撃性、寸法変化、さらには嵌合性が改善された二重構造容器を提供する。【解決手段】外容器10と、外容器10内に挿入されて保持された内袋容器20とからなり、外容器10の内面と内袋容器20の外面との間に空気を導入する空気導入口15を設けた二重構造容器30において、外容器10は、非延伸部である非結晶化口部11と、延伸部である胴部13及び底部14とを備え、内袋容器20は、非延伸部である結晶化口部21と、延伸部である袋状部23とを備え、結晶化口部21は外容器10の非晶化口部に嵌合固定されていることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、二重構造容器に関するものであり、より詳細には、外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなる二重構造容器に関する。
従来、内袋容器と外容器とからなる二重構造を有している二重構造容器は、例えばエアレスボトルとして、醤油等の調味液が収容される容器として実用されている。かかるエアレスボトルは、逆止弁付のキャップと組み合わせで使用されるものであり、外容器であるボトルの胴部壁を外部からスクイズして凹ませることにより、内袋容器に充填されている内容物がキャップに形成されている注出路から排出され、ボトルの胴部壁の押圧を停止することにより内容物の排出を終了させると、逆止弁の作用により、空気は内袋容器には導入されず、キャップの注出路とは異なる流路を通って、内袋容器と外容器との間の空間に導入されることとなる。これにより、内袋容器は、内容物が排出された分だけ収縮することとなり、内容物を排出する毎に、内袋容器が収縮していく。このような方法により内容物が排出されるエアレスボトルでは、内容物を小出しできると共に、内容物が充填されている内袋容器への空気の侵入が有効に防止されるため、内容物の酸化劣化を有効に回避でき、内容物の鮮度を長期間にわたって保持できるという利点がある。
ところで、上記のような二重構造容器の製法としては、外容器用の樹脂と内袋容器用の樹脂として、互いに接着性を有していない樹脂を選択し、これらの樹脂を用いてのダイレクトブロー成形により容器の形態に賦形するという方法が主流であった。即ち、この方法は、上記の樹脂を用いての溶融押出により、二重構造のパイプを成形し、このパイプの下端部をピンチオフした後、ブロー流体を吹き込むことによりボトルの形態に賦形するという手法である。しかしながら、かかる方法では、溶融押出成形からボトル成形までの行程が一挙に行われることから多数個取りが難しく、生産性が低いという問題があった。また、外容器に関して、強度が低いという問題もあった。
このため、最近では、延伸ブロー成形により、二重構造容器を製造する方法が検討されている。
この方法としては、大きく分けて、プリフォーム−イン−ボトル法とスタックプリフォームが知られている。
プリフォーム−イン−ボトル法は、例えば特許文献1に記載されているように、予め、公知の延伸ブロー成形により外容器を成形し、この外容器内に、試験管形状の内袋用プリフォームを挿入し、この状態で内袋用プリフォーム内にブロー流体を供給してブロー成形を行うという手法である。この方法では、外容器がブロー型として機能し、内袋用プリフォームが袋状の容器形状に賦形されることとなる。つまり、この方法では、外容器についての延伸ブロー成形と内袋容器の延伸ブロー成形とが逐次行われる。
また、スタックプリフォーム法は、例えば特許文献2に記載されているように、外容器用プリフォームと内袋用プリフォームとを射出成形により成形し、内袋用プリフォームを外容器用プリフォーム内に挿入して、外容器用プリフォームと内袋用プリフォームとが重なったスタックプリフォームを形成し、このスタックプリフォームをブロー型内に保持し、スタックプリフォーム内部の内袋用プリフォーム内にブロー流体を供給して延伸ブロー成形を行うという手法である。つまり、この方法は、外容器用プリフォームは、内袋用プリフォームの膨張によって容器の形態に賦形されるものであり、外容器についての延伸ブロー成形と内袋容器の延伸ブロー成形とが同時に行われる。
上記のような延伸ブロー成形で得られる二重構造容器は、何れも、内袋容器の口部(非延伸部)が外容器の口部(非延伸部)に嵌合固定された状態で保持されるのであるが、このような口部には、逆止弁付のキャップなどが螺子固定或いは密着する突起、或いは容器もしくはプリフォームの搬送などのために利用されるサポートリングなどが設けられ、さらに耐熱性を付与する場合、結晶化処理される。
しかしながら、二重構造容器では、通常の容器と異なり、外容器と内袋容器との間に空気を導入するための空気導入口が外容器の口部に形成され、また二重構造となっていることから内袋、外容器の口部のそれぞれの厚みは比較的薄肉に設計される傾向にあるため、耐衝撃性(落下強度)が低いという問題がある。特に口部を結晶化させると材料の衝撃強度が低下するので、その傾向が顕著である。即ち、落下等に際して、外容器の口部に設けられている空気導入口部分等に応力が集中してしまい、この部分からの割れなどが発生し易くなっている。
また、ブロー成形に際して、エアレス容器では内袋の収縮性確保の観点から、内袋口部近傍までしっかりと加熱して延伸成形すなわち薄肉化することが必要となるが、その際には外容器口部近傍も意図せず同時に加熱されてしまうため、外容器の空気導入口の近傍部分での寸法変化が生じ易いという問題もある。このような寸法変化は、キャップとの密着性或いはシール性を損ない、キャップに設けられている逆止弁の機能を損なうおそれがある。
さらに、内袋と外容器の口部の両方を結晶化させた場合には、結晶化によって材料の柔軟性が低下するため、内袋容器の口部と外容器の口部との嵌合性が低く、両者の密着性が低く、内容器の口部が外容器の口部に、しっかりと、ガタツキなく固定することが困難となったり、場合によっては、両者の間に隙間が発生し、空気導入口以外の部分から空気が漏洩することもある。
特許第3201417号 特開2016−210181号公報
従って、本発明の目的は、外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなり、且つ延伸ブロー成形により製造された二重構造容器において、口部での耐衝撃性、寸法変化、さらには嵌合性が改善された二重構造容器を提供することにある。
本発明によれば、外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなり、前記外容器の内面と前記内袋容器の外面との間に空気を導入する空気導入口を設けた二重構造容器において、
前記外容器は、非延伸部である非結晶化口部と、延伸部である胴部及び底部とを備え、
前記内袋容器は、非延伸部である結晶化口部と、延伸部である袋状部とを備え、該結晶化口部は前記外容器の非晶化口部に嵌合固定されていることを特徴とする二重構造容器が提供される。
本発明の二重構造容器では、
(1)前記外容器の非結晶化口部の内面と前記内袋容器の結晶化口部の外面との間には、空隙が形成されていること、
(2)前記空気導入口は、前記外容器の非結晶化口部に形成されていること、
(3)前記空隙は、前記空気導入口に連通していること、
が好適である。
本発明の二重構造容器は、延伸ブロー成形法により得られるものであるが、内袋容器の口部のみが結晶化されており、空気導入口が形成されている外容器の口部が結晶化されていない点に重要な特徴を有する。
即ち、本発明の二重構造容器では、内袋容器の口部が結晶化されて結晶化口部となっていることにより耐熱性が付与され、例えば、内容物を熱間充填により内袋容器内に充填した場合においても、その熱変形が有効に防止されている。また、外容器の口部は、結晶化されておらず、非結晶化口部となっている。このため、柔軟性が高く、耐衝撃性に優れており、例えば落下衝撃に際して、空気導入口部分への応力集中が緩和され、この部分からの割れが有効に防止されている。さらに、このような非結晶化口部が有する柔軟性は、内袋容器の硬い結晶化口部との嵌合性の向上をもたらし、内袋容器の結晶化口部をガタツキなく、がっちりと嵌合固定することができる。さらに、このような嵌合性の向上は、外容器の口部(非結晶化口部)と内袋容器の口部(結晶化口部)との間の密着性向上をもたらし、空気導入口以外の部分からの空気の漏洩を有効に防止することもできる。
さらには、本発明では、外容器の口部と内袋容器の口部との間に空気導入口に連通する空隙を設けておくことにより、ブロー成形に際しての外容器の口部、特に空気導入口近傍部分での寸法変化を有効に抑制することもできる。
本発明の二重構造容器の概略側断面図。 図1の二重構造容器における要部拡大側断面図。 図1の二重構造容器における要部拡大側面図。 図1の二重構造容器の成形に使用される外容器用プリフォーム(4a)、内袋容器用プリフォーム(4b)及びスタックプリフォーム(4c)を示す概略側断面図。
図1〜図3を参照して、本発明の二重構造容器は全体として30で示されており、外容器10と、外容器10の内部に収容されている内袋容器20とから構成されている。
図1において、外容器10は、非延伸部分である容器口部11と、それぞれブロー延伸により賦形された肩部12、胴部13及び底部14とから形成されている。
肩部12は、容器口部11の下端に連なっており、下方にいくにしたがい拡径している部分であり、胴部13は、上記の肩部12に連なる筒状部分であり、その下端は、底部14によって閉じられている。
尚、図1において、胴部13は、直胴形状を有しているが、実際は、スクイズ操作をし易いように、その中央部分が凹んだ形態を有している。
かかる外容器10の口部11は、結晶化されていない部分であり、従って、この口部11を、以下、非結晶化口部と呼ぶことがある。この非結晶化口部11の外面には、空気導入口15が形成さており、空気導入口15の下方には、キャップの下端が当接して空気の漏洩を抑止するリング状突起16、さらに下方には、プリフォームやボトルを搬送する際や、打栓キャップを装着する際の荷重受けに利用するサポートリング17が形成されている。また、キャップが打栓式ではなく螺子式の場合には、リング状突起16の上方に図示していない螺条が形成される。
一方、内袋容器20は、非延伸部分である容器口部21(図1及び2においてハッチングで示されている部分)と、ブロー延伸によって薄肉化された袋状部23(通常、その厚みは200μm以下である)とからなっている。この袋状部23は、成形直後の段階においては、前述した外容器10の肩部12の下方部分から胴部13及び底部の内面に密着した状態にある。
かかる内袋容器20の口部21は、結晶化されている部分であり、従って、以下、結晶化口部と呼ぶことがある。
かかる内袋容器20は、図1から理解されるように、外容器10内に挿入され、その結晶化口部21が、外容器10の非結晶化口部21内の空気導入口15よりも上方部分で嵌合固定されている。さらに、この結晶化口部21の上端には、ストッパーとなる周状突起25が設けられており、内袋容器20が、外容器10内に深く入り込まないように設計されている。
本発明の二重構造容器30では、上記で説明したように、内袋容器20の口部21が結晶化されている結晶化口部となっていると同時に、外容器10の口部11が結晶化されていない非結晶化口部となっている。
即ち、内袋容器20の口部(結晶化口部)21は、耐熱性に優れており、ブロー成形時の加熱に際しての熱変形が有効に防止されている。また、内袋容器20(袋状部22)内に内容物を熱間充填する際の熱変形も有効に防止されている。
一方、外容器10の口部(非結晶化口部)11は、柔軟性に富んでおり、耐衝撃性に優れている。例えば、この二重構造容器30に落下衝撃が加わったとき、外容器10の非結晶化口部の空気導入口15近傍部分への応力集中が有効に緩和され、これにより、空気導入口15の近傍部分からの割れの発生等を有効に回避することができる。
また、内袋容器20の口部21が結晶化により剛性が高められていると同時に、外容器10の口部11が結晶化されておらず、柔軟性に富んだ部分となっているため、内袋容器20の口部21と外容器10の口部11との嵌合性が向上しており、この結果、内袋容器20の口部21をガタツキなく、しっかりと保持することができる。さらに、このような嵌合性の向上により、内袋容器20の口部21と外容器10の口部11との嵌合部の間に高い密着性が確保され、従って、空気導入口15以外の部分からの空気の漏洩を有効に防止でき、スクイズ操作による内袋20の袋状部23からの排出を効果的に行うことができる。
上述した本発明の二重構造容器30においては、特に図2に明瞭に示されているように、外容器10の非結晶化口部11の内面と内袋容器20の結晶化口部21の外面との間には、空気導入口15に連通する空隙27が形成されていることが好適である。
このような空隙27は、空気導入口15に連通するように、これら口部11、21の間の全周にわたって形成されているものであり、これにより、スクイズ操作による内容物の排出後の空気導入口15からの空気の導入がスムーズに行われ、内袋容器20の袋状部23の外容器10の内面から剥離させ、両者の間に空気層を容易に形成することが可能となると同時に、ブロー成形時における加熱による外容器10の外面の熱変形、特にリング状突起16やサポートリング17の熱変形を有効に回避することができる。
即ち、ブロー成形に際しては、ヒーター等を使ってプリフォームの外側から加熱するだけでなく、加熱された鉄芯等を用いてプリフォームの内側からも積極的に加熱されるが、袋状部23の薄肉化のために、内袋容器20を形成する樹脂のガラス転移点以上融点未満の範囲において、可及的に高い温度に加熱されるため、外容器10の非結晶化口部11の内面と内袋容器20の結晶化口部21の外面との接触面積が大きいと、外容器10の非結晶化口部11の外面が熱変形し、場合によっては部分的に結晶化したり、熱によってひずみが緩和されることによって、寸法変化を生じるおそれがある。然るに、上記のような空隙27を設けておくことにより、この空隙27が断熱層となり、非結晶化口部11の外面の熱変形を有効に回避することができる。
本発明において、上述した外容器10は、ブロー成形可能な熱可塑性樹脂により形成されており、このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下のものを例示することができる。
オレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体など;
エチレン・ビニル系共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等;
スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等;
ビニル系樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等;
ポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等;
ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等;
ポリカーボネート樹脂;
ポリフエニレンオキサイド樹脂;
生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸など;
勿論、成形性が損なわれない限り、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を使用することもできる。
また、二重構造容器30においては、外容器1と内袋容器3との間に空気が流入する構造となっているため、上記の外容器10には水分及びガスバリア性は必ずしも必要ではなく、水分及びガスバリア性の低いポリ乳酸も外容器10の形成に好適に使用することができる。さらに、高いバリア性が要求されていないため、エチレン・ビニルアルコール樹脂等のガスバリア樹脂による中間層を敢えて形成する必要もない。
しかるに、本発明において、好適に使用される熱可塑性樹脂は、外容器10の胴部13をスクイズして凹ませたとき、速やかに原形に復帰し得るような強度を確保できるという点で、ポリエステル樹脂、特にPETである。
さらに、内袋容器20は、外容器1と同様、ブロー成形可能な熱可塑性樹脂により形成される。
二重構造容器30では、内容物の排出に際して、内袋容器20の袋状部23と外容器10の胴部13との間に空気層を形成することが必要であるため、通常、内袋容器20形成用の熱可塑性樹脂としては、外容器10に対して速やかに剥離し得るようなものが好適に使用されるが、例えば、流動パラフィンのようなスリップ剤を配合することにより、内袋容器20を形成する熱可塑性樹脂が、外容器10を形成している熱可塑性樹脂と同種であっても何ら差し支えなく、特に、ブロー延伸条件の設定が容易であることから、内袋容器20形成用の熱可塑性樹脂と外容器10を形成している熱可塑性樹脂とが同種であることが好ましく、例えば、内袋容器20もPETのようなポリエステル樹脂で形成されていることが最適である。
本発明の二重構造容器30は、外容器10の口部11が結晶化されておらず、且つ内袋容器20の口部21が結晶化されていることから、スタックプリフォーム法或いはプリフォーム−イン−ボトル法により製造される。
上記のスタックプリフォーム法は、外容器用の樹脂を用いての射出成形により得られた第1のプリフォーム(外容器用プリフォーム)と、内袋容器用の樹脂を用いての射出成形により得られた第2のプリフォーム(内袋容器用プリフォーム)を使用し、第2のプリフォームを第1のプリフォーム内に挿入して多重構造のスタックプリフォームを形成し、このスタックプリフォームについて二軸延伸ブロー成形を行うという方法である。
上記のスタック法を説明するための図4において、図1〜3の二重構造容器30を成形するためのスタックプリフォームは、全体として50で示されており(図4(c)参照)、何れも試験管形状を有している第1のプリフォーム51(図4(a)参照)と第2のプリフォーム53(図4(b)参照)とから形成される。
即ち、第1のプリフォーム51が外容器成形用のプリフォーム、第2のプリフォーム53が内袋容器成形用のプリフォームであり、第2のプリフォーム53を第1のプリフォーム内に挿入して嵌合保持することにより、ブロー延伸工程に供されるスタックプリフォーム50が組み合立てられる。
図4から理解されるように、第1のプリフォーム51及び第2のプリフォーム53は、何れも外容器10の口部11(非結晶化口部)及び内袋容器20の口部21(結晶化口部)に相当する部分を有している。即ち、これらの部分は、何れも延伸成形されない部分であり、第1のプリフォーム51の口部11は、リング状突起16、サポートリング17及び射出成形時あるいは後加工により形成された空気導入口15を有しており、第2のプリフォーム53の口部21の上端には、ストッパーとなる周状突起25を有している。
また、第1のプリフォーム51の口部11の下方部分の下端が閉じられた筒状部51aが延伸成形される部分であり、ブロー延伸により、外容器10の肩部12、胴部13及び底部14の形態に賦形される。
さらに、第2のプリフォーム53の口部21の下方部分の下端が閉じられた筒状部53aが延伸成形される部分であり、ブロー延伸により、内袋容器20の袋状部23の形態に賦形される。
尚、第2のプリフォーム53の口部21は、第1のプリフォーム51内に挿入したときに、図2に示されているような空隙27を形成するために、その下方部分が縮径された形態となっている。
上記の第1のプリフォーム51及び第2のプリフォーム53は、何れも外容器形成用の樹脂或いは内袋容器形成用の樹脂を用いての射出成形により成形されるが、第2のプリフォーム53の口部21は、成形後の加熱により、結晶化され、例えば密度法による結晶化度が20%以上、より好ましくは30%以上となるように結晶化される。
上記の第1のプリフォーム51内に、第2のプリフォーム53を挿入することによって図4(c)に示す形態のスタックプリフォーム50を組み立て、ブロー金型内に配置し、所定の治具で口部11,21を含む部分を固定し、赤外線ヒーターや高周波加熱等で加熱した鉄芯等により、この第1のプリフォーム51及び第2のプリフォーム53を、それぞれ、延伸成形可能な温度(プリフォームを形成している樹脂のガラス転移点温度以上、融点未満)に加熱し、このスタックプリフォーム50(第2のプリフォーム53)内に、ストレッチロッド(図示せず)を挿入して一軸方向に延伸し、さらに、エア等のブロー流体を供給し、周方向に膨張させることにより、図1〜3に示す形態の二重構造容器30が得られる。即ち、第2のプリフォーム53の筒状部53aの膨張にともない、第1のプリフォーム51の筒状部51aが押し広げられて膨張し、それぞれ、容器の形態に賦形されることとなる。
本発明においては、既に述べたように、第2のプリフォーム53(内袋容器20を形成するためのプリフォーム)の口部21が結晶化されて耐熱性及び剛性が付与されているが、第1のプリフォーム51(外容器10を形成するためのプリフォーム)の口部11は結晶化されておらず、従って柔軟性が高い。このため、図4(c)に示すように、第2のプリフォーム53を第1のプリフォーム51内に挿入した時、非晶質の口部11(非結晶化口部)と結晶質の口部21(結晶化口部)との嵌合性が高く、これら口部11、21との密着性を確保することができ、第2のプリフォーム21をガタツキなく、しっかりと保持することができる。従って、第1のプリフォーム51と第2のプリフォーム53とにより組み合立てられたスタックプリフォーム50を用いての延伸ブロー成形を、成形不良を生じることなく、安定して行うことができる。
また、延伸ブロー成形においては、結晶化されている口部21と結晶化されていない口部11との間に空隙27が形成されているため、この空隙が断熱層として機能し、高温に加熱されている口部21から口部11への伝熱を有効に抑制する。従って、この延伸ブロー成形により、結晶化されていない口部11の熱変形、特に空気導入口15の近傍部分の熱変形或いはリング状突起16やサポートリング17の熱変形は有効に抑制されている。
尚、図4では、スタックプリフォーム法により説明したが、プリフォーム−イン−ボトル法についても、基本的には全く同様であり、上述した本発明の利点を享受することができる。
即ち、プリフォーム−イン−ボトル法では、結晶化されていない口部11を有する外容器10を、内袋容器20とは全く別個の延伸ブロー成形により、予め成形しておく。このようにして成形された外容器10内に、前述した結晶化された口部21を有する第2のプリフォーム53を挿入し、この第2のプリフォーム53内にストレッチロッドの挿入及びブロー流体の供給による2軸延伸ブロー成形を行うことにより、図1〜図3に示す形態の二重構造容器30を得ることができる。この場合、外容器10が、内袋容器20をブロー成形する際の成形型として機能することとなる。
上述した本発明においては、外容器10の口部11が結晶化されておらず、内袋容器20の口部21のみが結晶化されているという本発明の特徴が損なわれない限りにおいて、種々の設計変更が可能である。
例えば、図1〜3の例では、内袋容器20の口部21の上端にストッパーとなる周状突起25が設けられているが、この周状突起25よりも上方に口部21を延長させ、延長された部分に、キャップ装着用の螺条を設けることもできる。この場合、外容器10の口部11の外周面にリング状突起16は設けられず、サポートリング17のみが設けられることとなる。
上記のようにして製造された本発明の二重構造容器10は、内袋容器20の袋状部23に内容物を収容した後、この外容器10の口部11に、それ自体公知の逆止弁付キャップを装着して使用に供される。
このような本発明の二重構造容器10では、内袋容器20(袋状部23)に充填された内容物は、例えば、外容器10の胴部13をスクイズ(押圧)することにより、押圧されて凹んだ分ずつ排出されていき、内容物が排出されて内袋容器20の袋状部23が減容するが、その分空気導入口7から空隙27を通って袋状部23と外容器10の胴部13の内面との間に空気が導入されて空気層が形成されるため、その後の内容物の排出も有効に行われる。
10:外容器
11:外容器の口部(非結晶化口部)
13:外容器の胴部
15:空気導入口
16:リング状突起
17:サポートリング
20:内袋容器
21:内袋容器の口部(結晶化口部)
23:袋状部
25:周状突起
27:空隙
30:二重構造容器
50:スタックプリフォーム
51:第1のプリフォーム(外容器形成用プリフォーム)
53:第2のプリフォーム(内袋容器形成用プリフォーム)

Claims (4)

  1. 外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなり、前記外容器の内面と前記内袋容器の外面との間に空気を導入する空気導入口を設けた二重構造容器において、
    前記外容器は、非延伸部である非結晶化口部と、延伸部である胴部及び底部とを備え、
    前記内袋容器は、非延伸部である結晶化口部と、延伸部である袋状部とを備え、該結晶化口部は前記外容器の非晶化口部に嵌合固定されていることを特徴とする二重構造容器。
  2. 前記外容器の非結晶化口部の内面と前記内袋容器の結晶化口部の外面との間には、空隙が形成されている請求項1に記載の二重構造容器。
  3. 前記空気導入口は、前記外容器の非結晶化口部に形成されている請求項1または2に記載の二重構造容器。
  4. 前記空隙は、前記空気導入口に連通している請求項1〜3に記載の二重構造容器。
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