JP2019111808A - 積層体、該積層体からなる光学基材、および該光学基材を備えた光学物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学シート同士を、接着層を介して接合した積層体を備えた光学物品において、高い密着性を有し、かつ耐衝撃性に優れる光学物品を提供する。【解決手段】 第一光学シート、及び第二光学シートが接着層を介して直接的、又は間接的に接合された積層構造を有する積層体であって、下記の(1)、及び(2)の少なくとも一方の特性を満足する積層体。(1)前記第一光学シートの厚みが、前記第二光学シートの厚みの1.10倍以上5.00倍以下である。(2)前記第一光学シートの延伸倍率が、前記第二光学シートの延伸倍率の1.10倍以上5.00倍以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な積層体、該積層体からなる光学基材、および該光学基材を備えた光学物品に関する。詳しくは、光学シート同士を、接着層を介して接合した新規な積層体、該積層体からなる光学基材、および該光学基材を備えた光学物品に関する。
近年、防眩性を有するサングラスなどに、透明で優れた耐衝撃性を有するポリカーボネートを用いた光学物品の需要が急速に高まっている。また、ポリアミド、例えば、シクロヘキサンのような脂環族基を分子内に有する脂環族ポリアミドを用いた光学物品は、耐熱性に優れると共に、複屈折率が小さいため、色むらが生じ難いという利点がある。さらには、眼鏡レンズのような光学物品においては、ポリアミドからなるフレームが使用されているが、ポリアミドを主成分とするレンズはフレームからブリードアウトする可塑剤に対して、影響を受けにくいという利点もある。
そして、このようなプラスチック製サングラス(光学物品)においては、フォトクロミック化合物と組み合わせることによって、周囲の明るさに応じて透過率が変化することにより防眩性を調節できるプラスチック製フォトクロミックサングラスが急速に人気を得ている。また、スキーのゴーグルのように防眩性を備えたものとするために、偏光フィルム等を備えた光学物品等の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、2枚のポリカーボネートシートの間にフォトクロミック層が積層されている光学積層体が開示されている。また、特許文献2には、2枚のポリカーボネートの間に偏光層が積層されている光学積層体が開示されている。
さらに、脂環族ポリアミドからなるシート、偏光フィルム、及び脂環族ポリアミドからなるシートを、各シート間に、両末端に水酸基を有するプレポリマーを含む主剤と、イソシアネート基と有する化合物を含む副剤とを反応させて得られる2液タイプのウレタン系樹脂接着剤を介在させて接合する方法が知られている(特許文献3、4参照)。
通常、前記のように製造した積層体等は、熱曲げ加工した後、得られた加工品の表面に、さらに射出成型により樹脂層が積層されて光学物品となる。
前記方法で得られた光学物品は、それぞれフォトクロミック特性、偏光性、および両方の特性を備えた優れた製品となる。しかしながら、上記方法等で得られた積層体は、積層体における密着強度が低いという点で改善の余地があった。
そこで、本発明者等は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂と、ポリイソシアネート基を有する化合物(分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物、以下、単にイソシアネート化合物とする場合もある)とを組み合わせた接着性組成物が、ポリカーボネートからなるシート同士、又はそれらシートと偏光フィルム等を強固に接着できることを見出した(特許文献5〜10参照)。なお、該末端非反応性ウレタンウレア樹脂とは、ポリマー鎖の末端がイソシアネート基、又はイソシアネート基と反応しうる基でない、いわゆるend−capされたものを指す。
これら特許文献5〜10の方法に従えば、仮定ではあるが、該末端非反応性ウレタンウレア樹脂におけるウレア結合(−R−NH−CO−NH−)と該イソシアネート化合物のイソシアネート基とが熱や湿気の存在下で反応し、橋架け構造を形成することにより、より強固にシート同士を密着できるものと考えられる。
日本国特許第4661017号公報 日本国特許第2130732号公報 日本国特許第4739950号公報 日本国特許第4764350号公報 国際公開WO2012/018070号パンフレット 国際公開WO2013/099640号パンフレット 特開2014−113761号公報 国際公開WO2017/115874号パンフレット 特開2016−161838号公報 特開2016−169363号公報
特に、特許文献5〜10の記載に従えば、密着性のよい積層体得られるため、その積層体を使用した光学基材、および光学物品も優れた特性を有するものが得られる。
しかしながら、上記方法等で得られた光学物品では、以下の点で改善の余地があることが分かった。つまり、上記方法で得られた積層体を備えた光学物品においては、衝撃性が低下する場合があった。該光学物品は、様々な用途で使用されるため、最外層側から加わる力に対して、(衝撃)強度がより高くなる光学物品が望まれている。この衝撃強度の向上は、衝撃が直接加わる面の面積(最表面の面積)が広い場合、例えば、該面積が35cm以上の場合に特に望まれている。
したがって、本発明の目的は、光学シート同士を、接着層を介して接合した積層体を備えた光学物品において、高い密着性を有し、かつ衝撃強度の高い光学物品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、積層体における密着性を維持したまま、衝撃強度を向上させる方法を様々検討した。衝撃性を向上させるためには、単純に光学シートの厚みを厚くすることが考えられる。しかしながら、単に、光学シートのみを厚くすると、2次加工、例えば、眼鏡レンズにする場合には、上に凸面を有する光学基材にするが、所望の曲率に合せ難いなど、その加工が難しくなる場合があった。また、光学基材の全厚みが厚くなると、該2次加工後の光学基材の裏面側(下側の下面)に熱可塑性樹脂を射出成型する際に、熱可塑性樹脂の流路が狭くなるため、加工が難しくなる場合があった。
その結果、光学シートの厚み、特に、接着層を介して接合される光学シート同士の厚みを検討したところ、一方の光学シート(第一光学シート)の厚みを厚くし、かつ、反対側の光学シート(第二光学シート)の厚みを該第一光学シートに対して、特定の厚み(特定の薄さ)とし、得られる積層体の厚みを制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。さらには、一方の光学シート(第一光学シート)の延伸倍率を、反対側の光学シート(第二光学シート)の延伸倍率よりも、大きくすることによっても、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、以下の積層体である。
第一光学シート、及び第二光学シートが接着層を介して直接的、又は間接的に接合された積層構造を有する積層体であって、下記の(1)、及び(2)の少なくとも一方の特性を満足する積層体。
(1)前記第一光学シートの厚みが、前記第二光学シートの厚みの1.10倍以上5.00倍以下である。
(2)前記第一光学シートの延伸倍率が、前記第二光学シートの延伸倍率の1.10倍以上5.00倍以下である。
本発明の積層体は、前記(1)のみの特性を満足してもよいし、前記(2)のみの特性を満足してもよいし。さらには、前記(1)、及び(2)の両方の特性を満足してもよい。
なお、第一光学シート、及び第二光学シートが接着層を介して直接的に接合されたとは、第一光学シートと第二光学シートとが接着層で直接的に接合された積層体を指す。ただし、該接着層は、複数層からなる多層としてもよい。
一方、第一光学シート、及び第二光学シートが接着層を介して間接的に接合されたとは、接着層の間に他の層・フィルム等を含む場合を指す。具体的には、第一光学シートと前記第二光学シートとの間に偏光フィルムを有し、該第一光学シートと該偏光フィルムとが第一接着層を介して接合され、該第二光学シートと該偏光フィルムとが第二接着層を介して接合されてなるような場合を指す。この時、第一接着層、及び第二接着層は、複数層からなる多層としてもよい。
また、本発明おいては、成型性に優れ、かつ耐衝撃性により優れた積層体(光学基材・光学物品)とするためには、前記第一光学シートの厚みが、350μm以上700μm以下であることが好ましい。
さらには、より耐衝撃性に優れ、より成型性にも優れた外観良好な積層体(光学基材)とするためには、前記(1)、及び(2)の特性の両方を満足する積層体であることが好ましい。
本発明の積層体は、上面が前記第一光学シートからなり、下面が前記第二光学シートからなる、上に凸型の光学基材とした場合に、優れた効果を発揮する。なお、上面(第一光学シート側)側から衝撃が加わる場合に、特に優れた効果を発揮する。
そして、該光学基材の前記第二光学シートからなる下面に、光学部材が積層されてなる光学物品も同様の効果を発揮する。その中でも、特に好適なのが、第一光学シートの最表面の面積が35cm以上であるとなる大型の光学物品とした場合である。
本発明の方法によれば、光学シート同士を、接着層を介して接合した密着性の高い積層体を得ることができる。しかも、該積層体自体の衝撃強度を高くすることができる。そのため、該積層体からなる光学基材、および該光学基材を備えた光学物品において、密着性に優れ、衝撃強度の優れたものを製造できる。さらには、該光学基材、および光学物品の生産性を向上することができる。
実施例1における積層体の層構成を示す断面図 実施例13における積層体の層構成を示す断面図 実施例2における積層体の層構成を示す断面図 実施例14における積層体の層構成を示す断面図
<積層体>
本発明の積層体は、光学シート同士を、接着剤を介して直接的、又は間接的に接合した積層体において、一方の光学シートの厚みを他方の光学シートの厚みに対して特定の範囲で厚くしたものである。具体的には、第一光学シート、及び第二光学シートが接着層を介して接合された積層構造を有する積層体である。そして、その積層体が、以下の(1)、及び(2)の少なくとも一方の特性を満足する。
(1)該第一光学シートの厚みが、該第二光学シートの厚みの1.10倍以上5.00倍以下となる。
(2)該第一光学シートの延伸倍率が、該第二光学シートの延伸倍率の1.10倍以上5.00倍以下となる。
<第一、及び第二光学シート>
本発明において、第一、及び第二光学シートは、特に制限されるものではなく、通常の光学物品に使用される公知の材料を使用できる。これら材料については、特許文献5〜8に記載されているものが使用できる。
該材料を具体的に例示すれば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、セルロース、アクリル、ウレタン系樹脂、ポリオレフィンなどが挙げられる。その中でも、接着性が良好で射出成形法に対する適用性が高いという理由からポリカーボネート、脂環族ポリアミドが挙げられる。なお、該脂環族ポリアミドは、脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミドなどを含有するコポリアミドであってもよく、また、脂環族ジアミン及び脂環族ジカルボン酸から選択された少なくとも一種を構成成分とするホモ又はコポリアミドなどが挙げられる。
第一、及び第二光学シートは、異なる樹脂(材料)からなるシートであってもよいし、同じ樹脂(材料)からなるシートであってもよい。中でも、上に凸型とする2次加工、および、射出成型により下面に光学部材を積層する場合には、同じ樹脂(材料)からなることが好ましい。
第一、及び第二光学シートは、光学物品に使用可能な透過性を有する材料から形成されるものであればよく、着色されたシートであってもよい。着色に関しては、本発明の積層体を作製した後に第一光学シートを着色することもできる。なお、当然のことではあるが、着色されていない透明なシートを使用することもできる。
第一、及び第二光学シートは、得られる積層体をレンズ・ゴーグル等の用途に使用する場合には、外側に第一光学シートが配置されることが好ましい。すなわち、該積層体を上に凸型の光学基材に加工した際、上側(外側)に配置されるのが、第一光学シートであることが好ましい。通常、眼鏡レンズ・ゴーグルの場合、目に近い内側(第二光学シートが配置される側)ではなく、外側(第一光学シートが配置される側)から衝撃が加わる場合が多い。そのため、第一光学シートが上側(外側)に配置されることが好ましい。すなわち、(1)第二光学シートよりも厚みが厚い第一光学シート、又は(2)第二光学シートよりも延伸倍率が大きい第一光学シートを上側(外側)に配置することが好ましい。
第一、及び第二光学シートの大きさ(面積)は、特に制限されるものではないが、本発明の積層体においては、35cm以上となることが好ましい。すなわち、少なくとも第一光学シートの大きさが35cm以上の場合には、該積層体を備えた光学物品において、外部からの衝撃が加わる確率が高くなる。さらには、上に凸型の形状となる光学基材、および光学物品においては、表面積が大きくなればなるほど湾曲状態の影響を受け、衝撃強度が低下する場合がある。そのため、第一光学シートの面積(光学基材の第一光学シート側の表面積、光学物品における第一光学シート側の表面積)は、35cm以上であることが好ましく、50cm以上であることがさらに好ましい。また、第一光学シートの面積の上限は、特に制限されるものではないが、積層体の一般的な用途を考慮すると500cmである。なお、第二光学シートの面積は、特に制限されるものではなく、積層体の用途に応じて適宜決定すればよい。ただし、一般的な積層体の用途を考慮すると、第二光学シートの面積は、第一光学シートの面積と同じであることが好ましい。
<第一、および第二光学シートの厚み 特性(1)>
前記積層体の特徴は、前記第一光学シートの厚みを、前記第二光学シートの厚みの1.10〜5.00倍とした点にある。前記第一光学シートの厚みを前記範囲とすることにより、得られる積層体、光学基材、および光学物品の耐衝撃性(衝撃強度)を高めることができる。加えて、積層体からなる上に凸型形状を有する光学基材、および該光学基材を備えた光学物品を製造する際に、生産性よく製造できる。厚みの比が前記範囲を満足する場合、前記第一光学シート、及び前記第二光学シートは、無延伸シートであっても、延伸シートであってもよい。そして、厚みの比が前記範囲を満足すれば、下記に詳述する延伸倍率の比は、特性(2)を満足してもよいし、前記特性(2)を満足しなくてもよい。
前記第一光学シートの厚みが、前記第二光学シートの厚みの1.10倍未満の場合には、衝撃強度の改良効果が少ないため好ましくない。一方、5.00倍を超える場合には、光学基材の生産性が低下したり(第一、及び第二光学シートにずれが生じ易くなる)、該光学基材の第二光学シート面に射出成型により光学部材を積層して光学物品とする際、不良品の発生割合が高くなる。耐衝撃性、光学基材・光学物品等の生産性を考慮すると、第一光学シートの厚みは、第二光学シートの厚みの1.15〜4.00倍であることがより好ましく、1.40〜2.50倍であることがさらに好ましい。
また、第一光学シートの厚みは、第二光学シートとの厚みの1.10〜5.00倍となる範囲であれば、特に制限されるものではない。中でも、得られる積層体の用途が広がり、しかも、積層体、光学基材、および光学物品の衝撃強度の向上、並びにそれらの生産性を向上するためには、第一光学シートの厚みは、350μm以上700μm以下であることが好ましく、350〜600μmであることがより好ましく、380μm〜500μmであることがさらに好ましい。
一方、第二光学シートの厚みは、前記第一光学シートの厚みに合わせて、70μm以上636(700/1.10)μm以下であることが好ましく、70μm以上545(600/1.10)μm以下であることがより好ましく、76μm以上454(500/1.10)μmであることがさらに好ましい。
<第一、および第二光学シートの延伸倍率 特性(2)>
前記積層体の特徴は、前記第一光学シートの延伸倍率を、前記第二光学シートの延伸倍率の1.10〜5.00倍とした点にある。前記第一光学シートの延伸倍率を前記範囲とすることにより、得られる積層体、光学基材、および光学物品の耐衝撃性(衝撃強度)を高めることができる。加えて、積層体からなる上に凸型形状を有する光学基材、および該光学基材を備えた光学物品を製造する際に、生産性よく製造できる。さらに、該凸方形状の光学基材において、上面側に第一光学シートが配置されることにより、光学歪を抑制することもできる。延伸倍率の比が前記範囲を満足する場合、厚みの比は、前記特性(1)を満足してもよいし、前記特性(1)を満足しなくてもよい。
本発明においては、光学シートの延伸は、2軸延伸であっても、1軸延伸であってもよい。2軸延伸の延伸倍率は、延伸前のシートの面積を1とした時、縦(MD;機械方向)・横(TD;MDに対して垂直な方向)に延伸したシートの面積に等しいものとする。1軸延伸の延伸倍率は、延伸前のシートの縦方向(MD)の長さを1としたとき、縦方向(MD)に延伸したシートの長さに等しいものとする。そして、無延伸のシートは、延伸倍率が1として考える。
本発明においては、2軸延伸、又は1軸延伸されたいずれの光学シートを使用することもできるが、入手のし易さ、光学シート自体の生産性等を考慮すると、1軸延伸されたシート使用することが好ましい。また、本発明においては、第一、および第二光学シートのいずれも、延伸シートを使用することができる。ただし、光学シートの入手のし易さ、取り扱い易さ、得られる積層体の生産性等を考慮すると、第二光学シートは、無延伸シート(延伸倍率1)を使用することが好ましい。第二光学シートが無延伸シートである場合、第一光学シートの延伸倍率は、1.10〜5.00倍でなければならい。
前記第一光学シートの延伸倍率が、前記第二光学シートの延伸倍率の1.10倍未満の場合には、衝撃強度の改良効果が少ないため好ましくない。一方、5.00倍を超える場合には、ある程度の厚みを有する第一光学シートを製造すること自体が困難となる。さらには、熱がかかると第一光学シートの収縮率が大きいため、積層体・光学基材・光学物品が変形し易くなり、外観不良が生じるため好ましくない。特に、該光学基材の第二光学シート面に射出成型により光学部材を積層して光学物品とする際、不良品の発生割合が高くなる。耐衝撃性、光学基材・光学物品等の生産性を考慮すると、第一光学シートの延伸倍率は、第二光学シートの延伸倍率の1.15〜4.00倍であることがより好ましく、1.20〜2.50倍であることがさらに好ましい。
<第一、および第二光学シートの厚み、及び延伸倍率 特性(1)、及び(2)>
本発明の積層体は、前記の通り、以下の(1)の特性、又は(2)の特性の何れか一方を有することが必須である。中でも、以下の特性(1)、及び(2)の両方を満足することが最も好ましい。
特性(1);前記第一光学シートの厚みが、前記第二光学シートの厚みの1.10〜5.00倍である。
特性(2);前記第一光学シートの延伸倍率が、前記第二光学シートの延伸倍率の1.10〜5.00倍である。
本発明の積層体が、前記特性(1)、及び(2)の両方の特性を満足することにより、光学歪の抑制、耐衝撃性の向上、及び成型性に優れ外観良好なものとなる。その結果、同じく、該積層体を使用した光学物品、光学基材もそれらの効果を有するものとなる。なお、特性(1)、及び特性(2)の両方を満足する場合も、好ましい厚み倍率、好ましい延伸倍率の倍率は、<第一、および第二光学シートの厚み 特性(1)>、<第一、および第二光学シートの延伸倍率 特性(2)>で説明した好適な範囲と、同じ理由で同じ範囲である。
<接着層>
本発明の積層体においては、前記の通り、第一光学シート、および第二光学シートを、接着層を介して接合したものである。
<接着層の厚み>
接着層の厚みは、特に制限されるものではないが、光学シート同士の密着性、並びに、光学基材および光学部材の成型性を考慮すると、接着層1層の厚みは2.5〜100μmであることが好ましく、5〜60μmであることがより好ましく、10〜60μmであることがさらに好ましい。この厚みは、接着層が多層であったり、前記第一、および第二光学シート以外のシート(例えば、偏光フィルム)をそれらの間に介することにより、接着層が複数層形成される場合には、それら全接着層の合計厚みが5〜200μmとすることが好ましく、10〜200μmとすることがより好ましく、20〜150μmとすることがさらに好ましく、20〜100μmとすることが特に好ましい。
<接着層の層構成>
本発明において、接着層は、接合する光学シートに応じて、単層とすることもできし、多層とすることもできる。多層とする場合には、光学シートとの接合性がよい第1a接着層を直接光学シート上に積層し、その上に、主の接着層を形成する第1b接着層のような構成とすることができる。多層の場合であっても、接着層のみからなる場合には、第一光学シートと第二光学シートとは、接着層を介して直接的に接合しているものである。
<接着層の材質(材料)接着性組成物>
本発明において、接着層を構成する材料(接着性組成物)は、特に制限されるものではないが、積層体における光学シート同士の密着性を高めるためには、ウレタン樹脂を主成分とすることが好ましい。前記ウレタン樹脂は、分子内にウレタン結合を有する樹脂であり、具体的には、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール化合物とを反応させて得られる公知のものが使用される。その中でもジアミン、トリアミン等の鎖延長剤を反応させて得られるウレタンウレア樹脂であることが好適である。また、ジアミンあるいはトリアミン鎖延長剤として用いることにより、ウレタン樹脂中にウレア結合(−R−NH−CO−NH−)が導入され、ウレタンウレア樹脂となる。そして、ウレタンウレア樹脂の中でも、ポリマー鎖の末端がイソシアネート基、又はイソシアネート基と反応しうる基でない、いわゆるend−capされた、末端非反応性ウレタンウレア樹脂であることが好ましい。この末端非反応性ウレタンウレア樹脂は、例えば、特許文献5〜10に記載のものを使用することができる。
末端非反応性ウレタンウレア樹脂の中でも、ウレア結合の量がウレタンウレア分子中に4〜120個、特に6〜40個含まれるものが好ましく、数平均分子量が5千〜10万、特に1万〜6万のものが好ましく、分子量分布(Mw/Mn)が1.6〜2.4であるものを使用することが好ましい。また、該末端非反応性ウレタンウレア樹脂の末端には、ヒンダードアミンのようなラジカル捕捉機能を有する構造であることが好ましい。
該接着層は、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂からのみ形成されることもできる。ただし、より接着性を高めるためには、接着層を構成する少なくとも一部の層、より好ましくは、接着層の中で厚みが最も厚くなる主層が、該末端非反応性ウレタンウレア樹脂と、分子内に少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを含む接着性組成物から形成されることが好ましい。
該ポリイソシアネート化合物を使用する場合、末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物(以下、単に(A)成分とする場合もある)を4.0〜20質量部とすることが好ましい。(A)成分の使用量は、より好ましくは6〜17質量部であり、最も好ましくは9〜15質量部である。
該ポリイソシアネート化合物としては、
少なくとも1種類の、2級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(以下、単に(A1)成分とする場合もある)を用いることが好ましい。(A1)成分を用いることにより、本発明の第一光学シート、及び第二光学シートを、高強度で密着させることが出来る。
また、(A1)成分と併用して、少なくとも1種類の、炭素数が4〜40であるポリイソシアネート化合物(A2)(以下、単に(A2)成分とする場合もある)を使用することがより好ましい。当然のことながら、前記(A2)成分は、前記(A1)成分を含まない、ポリイソシアネート化合物である。
前記(A1)成分と前記(A2)成分を併用することにより、本発明の第一光学シート、及び第二光学シートの密着性をより高めることが出来る。特に、第一光学シート、及び第二光学シートがポリアミドの場合、更には本発明の積層体に偏光フィルムを積層した場合に、より安定した密着性を得ることが可能となる。
前記(A1)成分としては、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート化合物)などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。中でも、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物を使用することが好ましい。
前記(A2)成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット化合物、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物、およびヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物を使用することが好ましい。
該(A)成分を使用する場合、接合する光学シートの材質の種類、及び下記に詳述する偏光フィルムを介在させる場合等に応じて、前記(A1)成分単独にするか、前記(A1)成分、および前記(A2)成分との併用にすべきかを決定すればよい。前記(A1)成分、および前記(A2)成分との併用する場合、前記(A1)成分を100質量部としたとき、前記(A2)成分を10〜500質量部とすることが好ましい。
これら(A)成分を使用する場合、積層体を製造する際に、(A)成分のイソシアネート基が製造時に存在する湿気、熱等により反応し、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂のウレア結合部と橋架け構造を形成するため、光学シート同士の密着性を向上できるものと考えられる。
本発明おいては、第一光学シート、および第二光学シートの材質の違いによって、最適な接着層が異なる。次に、これら好適な積層体の構成について説明する。
<積層体の構成、好適な接着層の層構成、接着性組成物>
本発明においては、第一光学シート、および第二光学シートの材質によって、接着層の層構成、該層を形成する接着剤組成物の組成を最適化することが好ましい。ポリカーボネートを使用した場合、および脂環族ポリアミドを使用した場合について説明する。
<図1:ポリカーボネート;積層体の構成、好適な接着層の層構成、接着性組成物>
本発明において、光学シートがポリカーボネートである場合には、以下のような層構成とすることが好ましい。すなわち、先ず、ポリカーボネートシート上に、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂からなる第1a接着層を積層し、該第1a接着層上に、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および前記ポリイソシアネート化合物(A)を含む接着性組成物からなる主接着層(第1b接着層)を形成することが好ましい。
そして、第一光学シート、および第二光学シート共に、ポリカーボネートからなる場合には、図1に示す構成とすることが好ましい。図1を参考に説明すると、本積層体1は、 第一光学シート2/第1a接着層4/主接着層5/第1a接着層4/第二光学シート3の順で積層された積層体とすることが好ましい。この場合、第1a接着層4/主接着層5/第1a接着層4部分は、全て接着層である。そのため、第一光学シートと第二光学シートとは、接着層を介して直接的に接合しているものである。他の例示の場合においても、多層の接着層からなる場合には、直接的に第一光学シートと第二光学シートとが接合しているものと見なす。
図1で示される積層体1において、第1a接着層4は、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂から形成されることが好ましい。この層には、前記ポリイソシアネート化合物(A)を含む接着性組成物を使用してもよいが、ポリカーボネート製の光学シートとの密着性を考慮すると、第1a接着層4は、前記(A)成分を含まない接着性組成物から形成されることが好ましい。
図1で示される積層体1において、主接着層5は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および前記(A)成分を含む接着性組成物から形成されることが好ましい。この場合、該接着性組成物は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対して、4.0〜20質量部の(A)成分を含むことが好ましい。そして、前記(A)成分は、2級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(前記(A1)成分)、必要に応じて、炭素数が4〜40であるポリイソシアネート化合物(A2)(前記(A1)成分を除く。すなわち、前記(A2)成分)を含むことが好ましい。さらに、この場合、前記(A)成分は、前記(A1)成分100質量部としたとき、前記(A2)成分を10〜500質量部含むことが好ましく、さらに10〜250質量部含むことが好ましい。このような組成を満足する接着性組成物を使用することにより、ポリカーボネートシートからなる光学シート同士の密着性を高めることができる。
また、該主接着層5は、下記に詳述するフォトクロミック化合物、染料等を含むことができる。この場合、主接着層5を形成する接着性組成物にフォトクロミック化合物等を含有させればよい。フォトクロミック化合物を使用する場合には、接着性組成物中の樹脂成分100質量部に対して、フォトクロミック化合物を0.01〜20質量部とすることが好ましい。
この場合、第1a接着層4/主接着層5/第1a接着層4の3つの層が接着層となり、この3つの層からなる接着層が、6〜200μmとすることが好ましく、10〜200μmとすることがより好ましく、20〜150μmとすることがさらに好ましく、20〜100μmとすることが特に好ましい。また、第1a接着層と主接着層5との厚みの比は、主接着層5の厚みを1としたとき、第1a接着層が、0.1〜0.5となることが好ましい。
<図2:脂環族ポリアミド;積層体の構成、好適な接着層の層構成、接着性組成物>
本発明において、光学シートが脂環族ポリアミドである場合には、以下のような層構成とすることが好ましい。すなわち、先ず、脂環族ポリアミド上に、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および前記ポリイソシアネート化合物(A)を含む接着性組成物からなる主接着層を形成することが好ましい。
そして、第一光学シート、および第二光学シート共に、脂環族ポリアミドからなる場合には、図2に示す構成とすることが好ましい。図2を参考に説明すると、本積層体1は、 第一光学シート2/主接着層5/第二光学シート3の順で積層された積層体とすることが好ましい。
図2で示される積層体1において、ポリカーボネートを使用した場合と異なる点は、第1a接着層を設けない点ある。この場合、主接着層5は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および前記(A)成分を含む接着性組成物から形成されることが好ましい。この場合、該接着性組成物は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対して、4.0〜20質量部の(A)成分を含むことが好ましい。そして、前記(A)成分は、2級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(前記(A1)成分)、および炭素数が4〜40であるポリイソシアネート化合物(A2)((前記(A1)成分を除く。すなわち、前記(A2)成分)を含むことが好ましい。さらに、この場合、前記(A)成分は、前記(A1)成分100質量部としたとき、前記(A2)成分を10〜500質量部含むことが好ましく、さらに10〜250質量部含むことが好ましい。このような組成を満足する接着性組成物を使用することにより、脂環族ポリアミドからなる光学シート同士の密着性を高めることができる。
また、該主接着層5は、下記に詳述するフォトクロミック化合物、染料等を含むことができる。この場合、主接着層5を形成する接着性組成物にフォトクロミック化合物等を含有させればよい。フォトクロミック化合物を使用する場合には、接着性組成物中の樹脂成分100質量部に対して、フォトクロミック化合物を0.01〜20質量部とすることが好ましい。
この場合、主接着層5が接着層となり、この接着層が、厚みが2.5〜100μmであることが好ましく、5〜60μmであることがより好ましく、10〜60μmであることがさらに好ましい。
次に、光学シート同士の間に、偏光フィルムのような機能性シートを配置した場合について説明する。
<偏光フィルムを備えた積層体>
本発明においては、前記第一光学シートと前記第二光学シートとの間に偏光フィルムを有し、該第一光学シートと該偏光フィルムとが第一接着層を介して接合され、該第二光学シートと該偏光フィルムとが第二接着層を介して接合される積層体の構造をとってもよい。この場合、第一接着層と第二接着層との間に、接着層ではない偏光フィルムを備えていることになる。そのため、この場合には、第一光学シートと第二光学シートとが接着層を介して間接的に接合されたものとなる。接着層中(多層の接着層の場合には、層と層との間)に、接着層ではない他の層・フィルム・シートを備える場合には、第一光学シートと第二光学シートとが接着層を介して間接的に接合されたものと見なす。
この場合、前記第一接着層と前記第二接着層との合計厚みが5〜200μmとすることが好ましく、10〜200μmとすることがより好ましく、20〜150μmとすることがさらに好ましく、20〜100μmとすることが特に好ましい。さらに、この場合、前記第一接着層がフォトクロミック化合物を含むことが好ましい。
<偏光フィルム;偏光フィルムを備えた積層体>
偏光フィルムとしては、公知の、市販のシートが使用できる。偏光フィルムの厚みは、10〜100μmのものが好適に使用できる。偏光フィルムは、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質で染色されたポリビニルアルコールが延伸され、硼酸等の架橋剤で処理されたてなるものである。該偏光フィルムは、その機能、接着性を高めるためには、セルローストリアセテートシートフィルムが両面に積層されているものであってもよい。該セルローストリアセテートシートフィルムは、その厚さは20〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。
また、該偏光フィルムは、偏光フィルムに含まれる水分量の調整や、偏光フィルムの寸法安定性のために、本発明の積層体を作製する前に、40〜100℃の範囲で5秒〜30分程度の加熱処理を実施したものを使用することもできる。
なお、このような偏光フィルムを備えた場合であっても、光学シートの材質によって、最適な接着層が異なる。次に、これら好適な積層体の構成について説明する。偏光フィルムを備え、光学シートがポリカーボネートからなる場合、および脂環族ポリアミドからなる場合について説明する。
<図3;ポリカーボネート 偏光フィルムを備えた積層体>
本発明において、偏光フィルムを備え、光学シートがポリカーボネートである場合には、以下のような層構成とすることが好ましい。すなわち、先ず、ポリカーボネートシート上に、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂からなる第1a接着層を積層し、該第1a接着層上に、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および前記ポリイソシアネート化合物(A)を含む接着性組成物からなる主接着層を形成することが好ましい。
そして、第一光学シート、および第二光学シート共に、ポリカーボネートからなる場合には、図3に示す構成とすることが好ましい。図3を参考に説明すると、本積層体1は、 第一光学シート2/第1a接着層4/主接着層5/偏光フィルム6/主接着層5/第1a接着層4/第二光学シート3の順で積層された積層体とすることが好ましい。
図3において、第1a接着剤層、および主接着層を形成する接着剤組成物については、図1の偏光フィルムを備えていない積層体(前記、<ポリカーボネート;積層体の構成、好適な接着層の層構成、接着性組成物>で説明したもの、以下、この説明を、単に、「図1の説明」とする場合もある)で説明したものと同じものを使用することができる。
この場合、第一光学シート2側の第1a接着層4/主接着層5が第一接着層7となり、第二光学シート3側の主接着層5/第1a接着層4が第二接着層8となる。第一接着層7、および第二接着層8の合計厚みが5〜200μmとすることが好ましく、10〜200μmとすることがより好ましく、20〜150μmとすることがさらに好ましく、20〜100μmとすることが特に好ましい。なお、この場合、第1a接着層と主接着層5との厚みの比は、「図1の説明」と同じである。
また、積層体1にフォトクロミック特性を付与したり、および染色等を施す場合には、第一光学シート2側の主接着層5に、下記に詳述するフォトクロミック化合物、染料等を含ませることが好ましい。この場合、フォトクロミック化合物の使用量は、「図1の説明」と同じである。
<図4;ポリカーボネート 偏光フィルムを備えた積層体>
本発明において、偏光フィルムを備え、光学シートが脂環族ポリアミドである場合には、以下のような層構成とすることが好ましい。すなわち、光学シートが脂環族ポリアミドである場合には、以下のような層構成とすることが好ましい。すなわち、先ず、脂環族ポリアミド上に、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および前記ポリイソシアネート化合物(A)を含む接着性組成物からなる主接着層を形成することが好ましい。
そして、第一光学シート、および第二光学シート共に、脂環族ポリアミドからなる場合には、図4に示す構成とすることが好ましい。図4を参考に説明すると、本積層体1は、第一光学シート2/主接着層5/偏光フィルム6/主接着層5/第二光学シート3の順で積層された積層体とすることが好ましい。
図4において、主接着剤層5を形成する接着剤組成物については、図2の偏光フィルムを備えていない積層体(前記、<脂環族ポリアミド;積層体の構成、好適な接着層の層構成、接着性組成物>で説明したもの、以下、この説明を、単に、「図2の説明」とする場合もある)で説明したものと同じものを使用することができる。
この場合、第一光学シート2側の主接着層5が第一接着層7となり、第二光学シート3側の主接着層5が第二接着層8となる。第一接着層7、および第二接着層8の合計厚みが5〜200μmとすることが好ましく、10〜200μmとすることがより好ましく、20〜150μmとすることがさらに好ましく、20〜100μmとすることが特に好ましい。
また、積層体1にフォトクロミック特性を付与したり、および染色等を施す場合には、第一光学シート2側の主接着層5に、下記に詳述するフォトクロミック化合物、染料等を含ませることが好ましい。この場合、フォトクロミック化合物の使用量は、「図2の説明」と同じである。
以上、基本的な積層体の構成等について説明した。次に、該積層体が含む、様々な成分について説明する。つまり、接着層を形成する接着性組成物が含んでもよい配合剤について説明する。
<接着性組成物におけるその他の配合成分>
<フォトクロミック化合物>
本発明において、接着層を形成する接着性組成物は、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、(A)成分以外にその他の成分を含むことができる。中でも、得られる積層体の機能を高めるために、フォトクロミック化合物を含むことが好ましい。フォトクロミック化合物を含むことにより、日光が照射された場合には色が付き、室内においては透明となる、サングラスを製造することができる。本発明の接着性組成物からなる接着層は、フォトクロ化合物が運動する適度な空間を有することができ、接着性と併せて優れたフォトクロミック特性を発揮できる。
前記フォトクロミック化合物としては、例えばクロメン化合物、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物などの公知のフォトクロミック化合物を使用することができる。これらは、単独使用でもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記のフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物およびクロメン化合物としては、例えば特開平2−28154号公報、特開昭62−288830号公報、WO94/22850号パンフレット、WO96/14596号パンフレットなどに記載されている化合物を挙げることができる。
これらのフォトクロミック化合物の中でも、発色濃度、初期着色、耐久性、退色速度などのフォトクロミック特性の観点から、インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン骨格を有するクロメン化合物を1種類以上用いることがより好ましい。これらクロメン化合物中でもその分子量が540以上の化合物は、発色濃度および退色速度に特に優れるためさらに好適である。
<フォトクロミック化合物以外の色素>
該接着性組成物には、公知の蛍光染料、染料、顔料、フォトクロミック化合物等が挙げられる。色素を配合する場合、その量は、使用する用途に応じて適宜決定すればよい。通常であれば、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、および(A)成分の合計量100質量部に対して、色素を0.1〜20.0質量部とすることが好ましく、0.5〜10.0質量部とすることがより好ましく、1.0〜7.0質量部とすることがさらに好ましい。
具体的な色素としては、550〜600nmの範囲に吸収ピークを有する色素を使用することもできる。この550〜600nmの範囲に吸収ピークを有する色素を使用することにより、得られる積層体の防眩性をより向上させることができる。より具体的には、ニトロ系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、スレン系化合物、ポルフィリン系化合物、希土類金属化合物などが挙げられる。その中でも、防眩性と視認性の兼ね合いから、ポルフィリン系化合物、希土類系化合物が好ましい。更には、プラスチック材料中への分散安定性の観点から、ポルフィリン系化合物が最も好ましい。
<色素以外の他の成分>
<その他の成分>
さらに、本発明の接着性組成物には、製膜性(積層体の生産性向上)のために、有機溶媒、水、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、香料、可塑剤等の添加剤を添加しても良い。添加するこれら添加剤としては、公知の化合物が何ら制限なく使用される。また、これら添加剤を配合することにより、接着性組成物がフォトクロミック化合物を含む場合には、該フォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上を発揮する。
接着層の成形のし易さを考慮すると、該接着性組成物は、有機溶媒を含むことが好ましい。ただし、この有機溶媒は、接着層となる際に除去されることが好ましい。光学シートの接着性組成物を塗布した際の塗布層の平滑性、又は平滑な接着層を形成するためには、前記有機溶媒は、90℃未満の沸点を有する有機溶媒と、90℃以上の沸点を有する有機溶剤を混合して用いることが好適である。このような組み合わせの有機溶媒を使用することにより、上記平滑性に加え、有機溶媒の除去が容易となり、乾燥速度を速めることもできる。沸点が90℃未満、90℃以上の有機溶媒の配合割合は、使用する他の成分に応じて適宜決定すればよい。中でも、優れた効果を発揮するためには、全有機溶媒量を100質量%としたとき、沸点が90℃未満の有機溶媒が20〜80質量%、沸点が90℃以上の有機溶媒が80〜20質量%とすることが好ましい。
また、有機溶媒を使用する場合の配合量は、前記したような有機溶媒を配合したことによる効果の観点から、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対して、5〜900質量部、特に100〜750質量部とすることが好ましく、150〜400質量部とすることが最も好ましい。
その他、界面活性剤を具体的に例示すれば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の何れも使用できる。界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。界面活性剤の添加量は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対し、0.001〜5質量部の範囲が好ましい。
また、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、フェノール系ラジカル補足剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を好適に使用できる。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤は、2種以上を混合して使用しても良い。さらにこれらの添加剤の使用に当たっては、界面活性剤と酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤を併用して使用しても良い。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤それぞれの添加量は、末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対し、0.001〜20質量部の範囲が好ましい。
<接着性組成物の製造方法>
該接着性組成物は、前記末端非反応性ウレタンウレア樹脂、前記ポリイソシアネート化合物(A)、および必要に応じて配合されるその他の成分を混合することにより製造できる。各成分を混合する順序は、特に制限されるものではない。
例えば、有機溶媒を使用しない場合、各成分を溶融混練して接着性組成物としペレット化することも可能であり、そのままシート成型することも可能である。また、有機溶媒を使用する場合には、各成分を有機溶媒に溶かすことで接着性組成物を得ることができる。
<接着層の形成方法、及び該接着層を使用した積層体の形成方法>
本発明においては、以下の方法で接着層を介して光学シートが接合された積層体を製造できる。例えば、前記方法で準備した接着性組成物を混錬し、均一な状態の接着性シートを一旦作製した後、該接着性シートを光学シート同士の間に配置して、該光学シート同士を圧接することにより、接着層を介して光学シートが接合された積層体を製造できる。また、有機溶媒を含む接着性組成物を使用した場合には、光学シート上に、一旦、接着性組成物を塗布して塗布層を形成し、該塗布層から有機溶媒を除去して接着層とし、該接着層上に他の光学シートを配置して圧接することにより、積層体を得ることもできる。
ポリカーボネート等を光学シートとして使用する場合には、先ず、上記方法により、第一、および第二光学シート上に第1a接着層を積層したものを準備しておく。次いで、別に、ポリオレフィンフィルム等を使用して主接着層を準備する。そして、第一、および第二光学シート上の第1a接着層の間に、該第1a接着層と該主接着層とが重なるように配置して、光学シート圧接することにより、積層体を得ることができる。
また、偏光フィルムを介在させる場合には、前記方法を利用して、所望の層構成となる積層体を製造すればよい。
なお、以上の積層体を製造する方法については、特許文献5〜10に記載された方法を採用することができる。
<好適な積層体の厚み>
以上、本発明の積層体について説明したが、本発明の積層体をさらに二次加工、例えば、曲げ加工等を行う場合には、総厚み(第一、第二光学シート、接着層、必要に応じて介在させる偏光フィルム、第一接着層、および第二接着層を含む全厚み)が以下の厚みであることが好ましい。具体的には、得られた積層体を曲げ加工性、及び曲げ加工した積層体の裏面、もしくは表面に熱可塑性樹脂を射出成形する時の成型性等の観点から、該積層体の総厚は、425〜1500μmであることが好ましく、450〜1400μmであることがより好ましく、500〜950μmであることがさらに好ましく、600〜710μmであることが特に好ましい。積層体の総厚みは、使用する第一光学シート、第二光学シート、接着層、必要に応じて介在させる偏光フィルム、第一接着層、および第二接着層の厚みで調整すればよい。ただし、第一光学シートの厚みが、第二光学シートの厚みの1.10倍以上5.00倍以下とならなければならない。
<光学基材>
以上の方法で得られた積層体は、曲げ加工を施してレンズ状の曲面形状(上に凸型の形状)に加工することもできる。この際、上側の面になるのは第一光学シート、または第二光学シートのいずれでも構わないが、上側の面が第一光学シートとなるようにすることがより好ましい。前記積層体を曲げ加工する方法としては、例えば、熱プレス加工、加圧加工、減圧吸引加工などが挙げられる。曲げ加工する際の温度は、前記積層体に使用している光学シートの種類によって適宜決定されるが、100℃から150℃で実施することが好ましい。
この光学基材の第一光学シート、または/及び第二光学シートからなる最上面には、保護フィルムが積層されていてもよい。
<光学物品>
本発明において、該光学基材は、第一光学シート上、もしくは第二光学シート上に、該第一光学シート、もしくは該第二光学シートと同じ材質の光学部材を射出成型して一体化することにより、光学物品として用いることもできる。より好ましくは、該第二光学シート上に、該第二光学シートと同じ材質の光学部材を射出成型して一体化した光学物品である。例えば、第二光学シートが脂環族ポリアミドであれば、脂環族ポリアミドを射出成型により該第二光学シートに積層すればよい。
一体化する方法としては、前記光学基材を金型内に装着し、光学物品を構成するための材質を射出成型する方法が挙げられる。この時、金型と接する面は、第一光学シート、もしくは第二光学シートのいずれでも構わないが、第一光学シートを金型と接する方がより好ましい。
得られた光学物品は、使用する用途に応じて、その片面、もしくは両面にハードコート処理、撥水処理、防曇処理、反射防止膜等の公知の方法で後加工することができる。
前記方法で得られた光学物品は、前記第一光学シートの面積(保護フィルムが張り付けられた面の面積)が35cm以上であることが好ましい。すなわち、ゴーグルのような一眼レンズ用に使用する光学物品とすることが好ましい。該面積が大きくなることにより、上に凸型の光学物品において、第一光学シート側からの衝撃に対して、曲面の形状が大きく影響するようになる。面積が大きくなればなるほど、第一光学シート側からの衝撃に対して、破断され易くなる。そのため、本発明は、上記面積の第一光学シートを備えた光学物品に対して優れた効果を発揮する。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<末端非反応性ウレタンウレア樹脂の製造(1)>
〔ウレタンウレア樹脂(U1)の製造〕
(ウレタンプレポリマーの製造)
翼径135mmのマックスブレンド翼、邪魔板を備える内径260mm、高さ280mm、仕込用量10Lの反応容器に、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を接続した。マックスブレンド翼は100rpmで撹拌した。
この反応容器に、数平均分子量800のポリカーボネートジオール1770g、イソホロンジイソシアネート700g、トルエン500gを仕込み、窒素雰囲気下、100℃で7時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成した。反応の終点は、イソシアネート基の逆滴定法により確認した。
(ウレタンウレア樹脂(U1)の製造:末端非反応)
ウレタンプレポリマー反応終了後、反応液を0℃付近まで冷却し、イソプロピルアルコール1430g、ジエチルケトン2670gに溶解させた後、液温を0℃に保持した。次いで、鎖延長剤であるビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン171gとジエチルケトン145gの混合溶液を30分以内に滴下し、0℃で1時間反応させた。その後さらに、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン42gを滴下し、0℃で1時間反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂(U1)のジエチルケトン溶液を得た。得られたポリウレタンウレア樹脂(U1)は、数平均分子量が19,000であり、重量平均分子量が41,000であり、多分散度が2.16であり、軟化点が105℃(軟化開始温度;約80℃)であり、動粘度が15,000cStであった。また、ポリウレタンウレア樹脂(U1)の溶液は、固形分の濃度(ポリウレタンウレア樹脂(U1)のの濃度)が36質量%であった。
<評価方法>
上記ウレタンウレア樹脂(U1)の、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、軟化点、及び動粘度については以下の方法によって測定した。
(数平均分子量、重量平均分子量、及び多分散度)
数平均分子量、重量平均分子量、及び多分散度に関しては、本文中に記載の方法に分析を実施した。
すなわち、ポリエチレンオキシド換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用いて、カラム:Shodex KD−806M(昭和電工株式会社製)を2本直列接続、溶離液:LiBr(10mmol/L)/DMF溶液、流速:1ml/min、検出器:RI検出器、ポリウレタンウレア樹脂(U1)試料溶液:1.0%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液の条件にて測定し、日本ウォーターズ株式会社製GPC解析ソフト『Empower Personal GPC Option』を用いて算出した。また、多分散度は、重量平均分子量/数平均分子量で算出される値であり、上記方法によって求められた数平均分子量、及び重量平均分子量より算出した。
(耐熱性;軟化点)
ウレタンウレア樹脂溶液(U1)を、ステンレスの容器に流し込み、40℃で10時間、60℃で10時間、さらに真空乾燥機にて60℃で12時間乾燥させることにより、厚み1mmの試験片を作製した。得られた試験片を、熱機械測定装置(セイコーインスツルメント社製、TMA120C)を用い、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:30〜200℃、プローブ:先端径0.5mmの針入プローブの条件にて軟化点を測定した。
(動粘度)
ウレタンウレア樹脂(U1)溶液約10gを、キャノンフェンスケ粘度計(#600)に入れ、このキャノンフェンスケ粘度計(柴田科学株式会社製)を25℃±0.1℃に制御した恒温水槽に15分浸した後、動粘度を測定した。
〔接着性組成物1の調製〕
ウレタンウレア樹脂(U1)の溶液1000g(固形分濃度36質量%)、フォトクロミック化合物5.7g(PC1/PC2/PC3=4.0/1.0/0.7g)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物 43.2g、さらに酸化防止剤としてエチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート] 3.6g、界面活性剤としてDOW CORNING TORAY L−7001 0.5gを添加し、室温で攪拌・混合を行い、接着性組成物1を得た。
PC1:下記式で示される化合物
Figure 2019111808
PC2:下記式で示される化合物
Figure 2019111808
PC3:下記式で示される化合物
Figure 2019111808
〔接着性組成物2〜3の調整〕
表1に示すフォトクロミック化合物、ポリイソシアネート化合物((A)成分)、酸化防止剤を使用した以外は、接着性組成物1と同様にして調合を行い、接着性組成物2〜3を得た。表1に示した(A)成分、酸化防止剤を下記に示した。
Figure 2019111808
〔ポリイソシアネート化合物(A)〕
(A1)2級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
(A1−1)4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物。
(A2)分子内の炭素数が4〜40である、2級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A1)以外のポリイソシアネート化合物
(A2−1)ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(旭化成製、製品名『デュラネート 24A−100』)。
〔酸化防止剤〕
・HP1; エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]。
<末端非反応性ウレタンウレア樹脂の製造(2)>
〔ウレタンウレア樹脂(U2)の製造〕
(ウレタンプレポリマーの製造)
翼径135mmのマックスブレンド翼、邪魔板を備える内径260mm、高さ280mm、仕込用量10Lの反応容器に、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を接続した。マックスブレンド翼は100rpmで撹拌した。
この反応容器に、数平均分子量1000のポリカーボネートジオール800g、イソホロンジイソシアネート350g、トルエン250gを仕込み、窒素雰囲気下、110℃で7時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成した。反応の終点は、イソシアネート基の逆滴定法により確認した。
(ウレタンウレア樹脂(U2)の製造;末端非反応)
ウレタンプレポリマー反応終了後、反応液を20℃付近まで冷却し、プロピレングリコール−モノメチルエーテル5000gに溶解させた後、液温を20℃に保持した。次いで、鎖延長剤であるイソホロンジアミン121.5gを30分以内に滴下し、20℃で1時間反応させた。その後さらに、n−ブチルアミン9gを滴下し、20℃で1時間反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂(U2)のプロピレングリコール−モノメチルエーテル溶液を得た。得られたポリウレタンウレア樹脂(U2)は、数平均分子量が49,000であり、重量平均分子量が89,000であり、多分散度が1.82であり、軟化点が175℃(軟化開始温度;約155℃)であり、動粘度が2,500cStであった。また、ポリウレタンウレア樹脂(U2)の溶液は、固形分の濃度(ウレタンウレア樹脂(U2)の濃度)が20質量%であった。
〔第1a接着層用接着剤の調製〕
ウレタンウレア樹脂(U2)の溶液1000g(固形分濃度20質量%)に、界面活性剤としてDOW CORNING TORAY L−7001 0.7gを添加し、室温で攪拌・混合を行い、第1a接着層用接着剤を得た。
〔偏光フィルム〕
ポリビニルアルコールフィルムを二色性染料で染色し、延伸、更にホウ酸で架橋させた、視感透過率は39.2%、偏光度は99.5%、a*が−0.3、b*が0.2、及び厚み30μmである偏光フィルム。
実施例1
(i)積層体の作製
第一光学シートとしての厚み350μmのポリカーボネートシート(無延伸)に、第1a接着層用接着剤を、コーター(テスター産業製)を用いて塗工し、乾燥温度80℃で5分間乾燥させることにより、膜厚5μmの接着層(第1a接着層)を積層した。次いで、PET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に、フォトクロミック組成物1を塗布し、110℃で10分間乾燥させた後膜厚40μmのフォトクロミック層を作製し、このフォトクロミック層を前述の接着層(第1a接着層)と貼り合わせ、接着層付き第一光学シートを作製した。
別途、第二光学シートとしての厚み300μmのポリカーボネートシート(無延伸)に、第1a接着層用接着剤を、コーター(テスター産業製)を用いて塗工し、乾燥温度80℃で5分間乾燥させることにより、膜厚5μmの接着層(第1a接着層)を積層し、接着層付き第二光学シートを作製した。次いで、接着層付き第一光学シートからPET製フィルムを剥離し、むき出しになったフォトクロミック層と、接着層付き第二光学シートの接着層とを貼り合わせた。
この積層体を、40℃、真空下で24時間静置した後、110℃で60分加熱処理し、次いで60℃、100%RHで24時間の加湿処理を行い、最後に40℃、真空下で24時間静置することにより、目的のフォトクロミック特性を有する積層体(総厚700μm)を得た。
得られたフォトクロミック特性を有する積層体は、剥離強度は200N/25mmであり、またフォトクロミック特性に関しては視感透過率15.0%、退色速度45秒、耐久性93%であった。剥離強度、フォトクロミック特性の評価は、以下の方法により実施した。
〔積層体の評価方法〕
(剥離強度)
得られたフォトクロミック特性を有する積層体を、25×100mmの接着部分を有する試験片とし、試験機(オートグラフAGS−500NX、島津製作所製)に装着し、クロスヘッドスピード100mm/minで引張り試験を行うことで剥離強度を測定した。
剥離強度は、上記サイズに切り出した試験片を、25℃に設定した恒温槽内で10分放置した後に測定した。
(フォトクロミック特性)
得られたフォトクロミック特性を有する積層体を試料とし、これに、(株)浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃、積層シート表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm、245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、フォトクロミック特性を有する積層体のフォトクロミック特性を測定した。
1)視感透過率:120秒間照射して発色させた後、(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディレクターMCPD1000)により、視感透過率を測定した。この値が小さいほど、フォトクロミック性が優れていると言える。
2)退色速度〔t1/2(sec.)〕:120秒間照射後、光の照射をとめたときに、試料の前記最大波長における吸光度が〔ε(120)−ε(0)〕の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
3)耐久性(%)=〔(A96/A0)×100〕:光照射による発色の耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られた積層体をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25により96時間促進劣化させた。その後、前記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度(A0)および試験後の発色濃度(A96)を測定し、〔(A96)/A0〕×100〕の値を残存率(%)とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
(ii)光学基材の作製
(i)で得られたフォトクロミック特性を有する積層体の両表面に、ポリエチレン層とポリプロピレン層とからなる2層(合計厚み80μm)の保護フィルムを貼り付けた後、トムソン刃(両刃、刃角42°)を用い、横軸160mm、縦軸90mmの長方形の積層体を作製した。得られた長方形の積層体を、減圧吸引加工(熱曲げ加工)により、球面形状への曲げ加工を実施し、光学基材を得た。減圧吸引加工は、凹型の横軸6カーブ、縦軸4カーブの金型を150℃雰囲気中に設置し、凹型の金型に空けた4箇所の穴から、真空ポンプにて減圧吸引を行うことにより実施した。加工時間は、約2分間実施し、金型から取り外すことで球面形状に加工された積層体を得た。なお、上記金型に対して、積層体の第一光学シート側を接触させて曲げ加工を実施した。
得られた光学基材は、横軸6.0カーブ、縦軸4.0カーブであった。カーブ値は、以下の方法により測定した。
〔光学基材の評価方法〕
(カーブ値)
得られた光学基材の横軸、及び縦軸のカーブ値を、レンズカーブ計を用いて測定した。
(iii)光学物品の作製
(ii)で得られた光学基材の両面に存在する保護フィルムを両面共に剥がした後、射出成型機の金型の凹面に前記光学基材を設置し、100℃に加熱した。射出成型機に120℃、5時間の予備加熱を行ったポリカーボネート樹脂のペレット(帝人化成製パンライト)を充填し、300℃、60rpmで加熱溶融し、射出圧力14000N/cmで光学基材を設置した金型に射出することで、ポリカーボネート樹脂と一体化した光学物品(3mm厚)を製造した。
得られた光学物品に対し、株式会社トクヤマ製プライマー液「TS−56−PL1」をディップコートで0.5μm積層し、次いで株式会社トクヤマ製ハードコート液「TS−56−S7」をディップコートで2.0μm積層することで、ハードコート層付き光学物品を得た。
得られたハードコート付き光学物品は、フォトクロミック特性に関しては視感透過率14.8、退色速度45秒、耐久性93%であり、外観は10/10、耐衝撃性は8/10であった。フォトクロミック特性の評価は、前述の積層体と同じ方法で実施した。また、外観、及び耐衝撃性に関しては、以下の方法で実施した。
〔光学物品の評価方法〕
(外観)
(iii)で得られたハードコート層付き光学物品を10枚準備し、目視により外観を評価した。射出成型時に発生する、ポリカーボネート樹脂の流れ模様(歪)や、使用した光学基材の光学シートの剥離などの異常がみられる光学物品を不良とした。光学物品を10枚準備したため、同じ評価を10回繰り返し、評価結果は「合格レンズ数/10」で表記した。
(耐衝撃性)
(iii)で得られたハードコート層付き光学物品を10枚準備し、以下の方法で耐衝撃性を評価した。重量500gのミサイル型円筒形鉄柱(ANSI規格 Z87.1記載)を、127cmの高さから(3)で得られたハードコート層付き光学物品の凸面に対して落下させ、レンズに貫通、ひび、割れ(レンズが2つ以上の破片に分裂)、凹面側表面の欠けなどの不良が発生するかどうかを確認した。単に、ミサイル型円筒形鉄柱があたり、レンズ表面が凹んだだけものは合格とした。光学物品を10枚準備したため、同じ評価を10回繰り返し、評価結果は「合格レンズ数/10」で表記した。
実施例2
(i)積層体の作製
第一光学シートとしての厚み350μmの延伸ポリカーボネートシート(2倍延伸)に、第1a接着層用接着剤を、コーター(テスター産業製)を用いて塗工し、乾燥温度80℃で5分間乾燥させることにより、膜厚5μmの接着層(第1a接着層)を積層した。次いで、PET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に、接着層用組成物2を塗布し、110℃で10分間乾燥させた後膜厚40μmのフォトクロミック層を作製し、このフォトクロミック層を前述の第1a接着層と貼り合わせ、接着層付き第一光学シートを作製した。
別途、第二光学シートとしての厚み300μmのポリカーボネートシート(無延伸)に、第1a接着層用接着剤を、コーター(テスター産業製)を用いて塗工し、乾燥温度80℃で5分間乾燥させることにより、膜厚5μmの接着層(第1a接着層)を積層した。次いで、PET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に、接着層用組成物3を塗布し、110℃で10分間乾燥させた後膜厚40μmの接着層を作製し、この接着層を前述の第1a接着層と貼り合わせ、接着層付き第二光学シートを作製した。
次いで、接着層付き第一光学シートからPET製フィルムを剥離し、むき出しになったフォトクロミック層と偏光フィルムを貼り合せ、更に偏光フィルムのもう一方の面に、接着層付き第二光学シートからPET製フィルムを剥離し、むき出しになった接着層を貼り合せた。
この積層体を、40℃、真空下で24時間静置した後、110℃で60分加熱処理し、次いで60℃、100%RHで24時間の加湿処理を行い、最後に40℃、真空下で24時間静置することにより、目的のフォトクロミック特性、及び偏光特性を有する積層体(総厚770μm)を得た。
得られた積層体は、剥離強度は150N/25mmであり、またフォトクロミック特性に関しては視感透過率11.0、退色速度45秒、耐久性93%であり、視感透過率(発色前)が39.0%であり、偏光度(発色前)が99.4%あった。剥離強度、フォトクロミック特性の評価は、実施例1と同様な方法により実施した。視感透過率(発色前)、及び偏光度(発色前)は、以下の方法により測定した。
〔視感透過率(発色前)〕
得られた積層体を試料とし、島津製作所製紫外可視分光光度計UV−2550を用いて、積層体の紫外線照射前の視感透過率を測定した。
〔偏光度(発色前)〕
得られた積層体を試料とし、島津製作所製紫外可視分光光度計UV−2550を用いて、単体透過率(Ts)、平行透過率(Tp)および直交透過率(Tc)を測定し、偏光度(P)を次式により求めた。
偏光度(P)(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお、上記Ts、TpおよびTcは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定し、視感度補正を行ったY値である。
(ii)光学基材の作製
表4に示す光学基材を作製する際の凸面側の表裏の向きを調整した以外は、実施例1と同様の方法で光学基材を作製した。その結果を、表4に示す。
(iii)光学物品の作製
表5に示すプラスチック樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光学物品を作製した。視感透過率(発色前)、及び偏光度(発色前)に関しては、積層体と同様にして評価した。その結果を、表5に示す。
実施例3〜17、比較例1
表2に示す第一光学シート、第二光学シート、接着性組成物、第1a接着層用接着剤、及び偏光フィルムを採用した以外は、偏光フィルムを使用しない場合は実施例1、偏光フィルムを使用する場合は実施例2と同様の方法で積層体を作製した。その結果を、表3に示す。延伸した光学シートを使用した場合には、延伸の記載と、その延伸倍率を表2に記載した。延伸の記載がないものは無延伸の光学シートである。
Figure 2019111808
Figure 2019111808
また、表4に示す光学基材を作製する際の凸面側の表裏の向きを調整した以外は、実施例1と同様の方法で光学基材を作製した。その結果を、表4に示す。横軸6.0、縦軸4.0に近いものが良好な成型性を有している積層体と見なすことができる。
Figure 2019111808
更に、表5に示すプラスチック樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光学物品を作製した。その結果を、表5に示す。
Figure 2019111808
上記実施例1〜17から明らかなように、第一光学シートの厚みが第二光学シートの厚みの1.10倍以上5.00倍以下、及び/又は第一光学シートの延伸倍率が第二光学シートの延伸倍率の1.10倍以上5.00倍以下である本発明の積層体を使用した光学物品は、良好な耐衝撃性を有し、更に優れたフォトクロミック特性を有していることが分かる(表5参照)。一方、比較例1に示すように、第一光学シートの厚みが、該第二光学シートの厚みの1.00倍である場合には、耐衝撃性が不十分であった(表5参照)。
1 積層体
2 第一光学シート
3 第二光学シート
4 接着力向上接着層(第1a接着層)
5 主接着層
6 偏光フィルム
7 第一接着層
8 第二接着層

Claims (14)

  1. 第一光学シート、及び第二光学シートが接着層を介して直接的、又は間接的に接合された積層構造を有する積層体であって、下記の(1)、及び(2)の少なくとも一方の特性を満足する積層体。
    (1)前記第一光学シートの厚みが、前記第二光学シートの厚みの1.10倍以上5.00倍以下である。
    (2)前記第一光学シートの延伸倍率が、前記第二光学シートの延伸倍率の1.10倍以上5.00倍以下である。
  2. 前記第一光学シートの厚みが、350μm以上700μm以下である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記(1)、及び(2)の特性の両方を満足する請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記接着層がフォトクロミック化合物を含む請求項1〜3の何れかに記載の積層体。
  5. 前記接着層が、
    末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対し、イソシアネート基を少なくとも2つ有するポリイソシアネート化合物(A)を4.0〜20質量部含む接着性組成物から形成される層を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
  6. 前記第一光学シートと前記第二光学シートとの間に偏光フィルムを有し、
    該第一光学シートと該偏光フィルムとが第一接着層を介して接合され、
    該第二光学シートと該偏光フィルムとが第二接着層を介して接合されてなる
    請求項1〜3の何れかに記載の積層体。
  7. 前記第一接着層がフォトクロミック化合物を含む請求項6に記載の積層体。
  8. 前記第一接着層、および前記第二接着層が、
    末端非反応性ウレタンウレア樹脂100質量部に対し、イソシアネート基を少なくとも2つ有するポリイソシアネート化合物(A)を4.0〜20質量部含み、
    前記ポリイソシアネート化合物(A)が、
    2級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A1)100質量部としたとき、
    炭素数が4〜40であるポリイソシアネート化合物(A2)(ただし、前記ポリイソシアネート化合物(A1)は除く)が10〜500質量部となる
    接着性組成物から形成される層を少なくとも含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の積層体。
  9. 前記第一光学シート、および前記第二光学シートが、脂環族ポリアミド、又ポリカーボネートからなることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の積層体。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の積層体であって、積層体の層厚みが425〜1500μmである積層体。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の積層体からなる上に凸型の光学基材であり、
    上面が前記第一光学シートからなり、下面が前記第二光学シートからなる光学基材。
  12. 請求項11に記載の光学基材の前記第二光学シートからなる下面に、光学部材が積層されてなる光学物品。
  13. 第一光学シートの最表面の面積が35cm以上である請求項12に記載の光学物品。
  14. 請求項12、又は13に記載の光学物品を製造する方法であって、
    前記光学基材の前記第二光学シートからなる下面に、射出成型により光学部材を積層する光学物品の製造方法。
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