JP2019111476A - 分離膜及び分離膜の製造方法 - Google Patents

分離膜及び分離膜の製造方法 Download PDF

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Hiroki Sakaemura
弘希 栄村
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皓一 高田
小林 敦
Atsushi Kobayashi
敦 小林
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Abstract

【課題】長時間のろ過運転を行っても透過性能と除去性能とを維持可能である、分離膜及びその製造方法を提供する。【解決手段】ポリマーを主成分とする分離膜であって、上記分離膜の厚み方向において、孔径変化率αiが−0.1〜0.1を満たす領域の集合である領域Aと、該領域Aに接する領域Bと、を有し、上記領域Aの平均孔径RAと、上記領域Bの平均孔径RBとが、RA<RBの関係を満たし、上記領域Bが、上記領域Aとの界面を起点とする、傾斜構造を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、分離膜及び分離膜の製造方法に関する。
分離膜は、河川や海水、下廃水から濁質やイオンを取り除き、工業用水や飲料水を製造するための水処理用膜、人工腎臓や血漿分離等の医療用膜、果汁濃縮等の食品・飲料工業用膜、炭酸ガス等を分離するガス分離用膜等、幅広い分野で使用されている。
例えば、特許文献1及び2並びに非特許文献1では、ポリマーと気孔形成剤とからなる樹脂組成物を有機溶媒中に浸漬し、浸漬水からなる凝固液中に吐出して相分離させることで、分離膜を得る技術が開示されている。
また特許文献3に記載の技術では、膜の厚み方向に均一な構造を有する分離膜が得られる。
特許第5780319号公報 特許第4757396号公報 特開2003−001074号公報
Guillen、外3名、Ind.Eng.Chem.Res.、2011年、第50巻、第7号、p.3798−3817
しかしながら特許文献1及び2並びに非特許文献1に開示された、表面に緻密層を有し内部に向かって孔径が大きくなる非対称構造の分離膜は、表面での目詰まりが起こりやすく、長時間ろ過運転における透過性能の低下が問題視されていた。
また特許文献3に開示された、表面から内部まで孔径が均一な対称構造の分離膜は、除去性能が高い一方で透過性能は低く、さらには限界ろ過膜及び精密ろ過膜として使用し得る孔径を実現できていないのが現状であった。
そこで本発明は、長時間のろ過運転を行っても透過性能と除去性能とを維持可能である、分離膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記特徴を有する分離膜が、長時間ろ過運転時の透過性能及び除去性能の低下を顕著に抑制可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリマーを主成分とする分離膜であって、上記分離膜の厚み方向において、孔径変化率αが−0.1〜0.1を満たす領域の集合である領域Aと、該領域Aに接する領域Bと、を有し、上記領域Aの平均孔径Rと、上記領域Bの平均孔径Rとが、R<Rの関係を満たし、上記領域Bが、上記領域Aとの界面を起点とする、傾斜構造を有することを特徴とする、分離膜を提供する。
本発明によれば、長時間に亘るろ過運転においても、透過性能と除去性能とを両立可能な、分離膜を提供することができる。
領域A、領域B及び領域Cを有する分離膜の模式図である。 領域A、領域B及び領域Cを有する分離膜の厚み方向における孔径変化の例を示した模式図である。 実施例1で得られた分離膜の厚み方向における各領域の平均孔径の変化を示したグラフである。
本発明の分離膜は、ポリマーを主成分とし、その厚み方向において、孔径変化率αが−0.1〜0.1を満たす領域の集合である領域Aと、該領域Aのろ過上流側にある領域である領域Bと、を有し、上記領域Aの平均孔径Rと、上記領域Bの平均孔径Rとが、R<Rの関係を満たし、上記領域Bが、上記領域Aとの界面を起点とする、傾斜構造を有することを特徴とする。
(分離膜の原料となる樹脂組成物)
本発明の分離膜は、ポリマーを主成分とする。ここで「ポリマー」とは、分子量が1万を超える化合物をいい、「ポリマーを主成分とする」とは、分離膜の全成分中において、質量的に最も多く含有される成分がポリマーであることをいう。
本発明の分離膜は、例えば、原料となる樹脂組成物を吐出口金から吐出して形成することができる。上記の樹脂組成物は、下記(1)記載のポリマー以外に、下記(2)〜(4)に示した成分を含んでいても構わない。
(1)ポリマー
分離膜の原料となる樹脂組成物が含有するポリマーとしては、例えば、セルロースエステル、ポリビニルフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ナイロン、ポリエステル、ポリアリレーンスルフィド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン又はポリプロピレン等が挙げられる。
ポリマーは、親水性ポリマーであることが好ましい。ここで「親水性ポリマー」とは、親水基を有するポリマーであって、かつ、そのポリマーの皮膜の水との接触角が、60°以下となるものをいう。また「親水基」とは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基又はアミド基をいう。親水性ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、セルロースエステル又はポリエステル等が挙げられるが、ポリエステル、ポリアミド又はセルロースエステルが好ましい。ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6又はナイロン11等が挙げられる。セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等のセルロースエステル、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
GPC測定により算出されるポリマーの重量平均分子量(Mw)は、5万〜25万であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5万以上であることで、分離膜の製造時にセルロースエステルを溶融する際の熱分解が抑制され、かつ、分離膜の膜強度が十分なものとなる。一方で、重量平均分子量(Mw)が25万以下であることで、溶融粘度が過度に高くならず、安定した溶融製膜が可能となる。
分離膜のポリマーの含有量は、分離膜の全成分を100質量%としたときに、70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。分離膜のポリマーの含有量が70%以上であることで、分離膜の膜強度が十分なものとなる。
またポリマーの含有量は、製膜用の原料を構成する成分の全体を100質量%としたときに、15〜90質量%が好ましい。含有量が15質量%以上であることで、分離膜の膜強度が良好なものとなる。一方で、含有量が90質量%以下であることで、分離膜の熱可塑性及び透過性能が良好なものとなる。含有量は25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。また、含有量は70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
(2)構造形成剤
本発明の分離膜の原料となる樹脂組成物は、構造形成剤を含有していても構わない。
ここで「構造形成剤」とは、分離膜の形成後に、溶媒で溶出又は分解可能である化合物をいう。構造形成剤は、分離膜が含有するポリマーを溶解しない溶媒に溶解することが好ましい。
構造形成剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(以下、「PVP」)、PVP/酢酸ビニル共重合体若しくはPVP/メタクリル酸メチル共重合体等のPVPをベースとする共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエステル系化合物、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール若しくはポリエチレングリコール脂肪酸エステル等のポリアルキレングリコール系化合物、グリセリン脂肪酸エステル若しくはジグリセリン脂肪酸エステル等のグリセリン系化合物、クエン酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合物若しくはジピン酸エステル等の脂肪酸エステル系化合物又はカプロラクトン系化合物、あるいは、それらの誘導体等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール系化合物の重量平均分子量(Mw)は、400〜4,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が400〜4,000の範囲にあることで、製膜工程において糸切れなどが生じることなく、円滑に樹脂成形体を得ることができる。
構造形成剤は、得られた分離膜中に残存しても構わないし、分離膜から溶出させても構わない。分離膜から構造形成剤を溶出させた場合、構造形成剤の跡が膜中の細孔となることがあり、その結果として分離膜の透過性能が向上する場合がある。
構造形成剤の含有量は、製膜用の原料となる樹脂組成物の全成分を100質量%としたときに、10〜85質量%が好ましい。
含有量が10質量%以上であることで、得られる分離膜の透過性能が向上する。一方で、含有量が85質量%以下であることで、得られる分離膜の膜強度が向上する。
(3)酸化防止剤
本発明の分離膜の原料となる樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。樹脂組成物が酸化防止剤を含有することで、分離膜の製造時にポリマーを溶融する際の熱分解が抑制され、その結果として得られる分離膜の膜強度が向上し、分離膜の着色が抑制される。
酸化防止剤としては、リン系の酸化防止剤が好ましく、ペンタエリスリトール系化合物がより好ましい。ペンタエリスリトール系化合物としては、例えば、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
酸化防止剤は、樹脂組成物の全成分を100質量%としたときに、0.005〜0.500質量%が好ましい。酸化防止剤の含有量が0.005〜0.500質量%の範囲にあることで、樹脂組成物調製工程において、均一な樹脂組成物を得ることができる。
(4)添加剤
本発明の分離膜の原料となる樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(2)〜(3)に記載した以外の添加剤を含有していても構わない。
添加剤としては、例えば、セルロースエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリビニル化合物、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスルホン若しくはポリエーテルスルホン等の樹脂、有機滑剤、結晶核剤、有機粒子、無機粒子、末端封鎖剤、鎖延長剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、制電剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、抗酸化剤、イオン交換剤、消泡剤、着色顔料、蛍光増白剤又は染料等が挙げられる。
(分離膜の形状)
本発明の分離膜の形状は特に限定されないが、中空を有する糸状、すなわち中空糸状の形状を有する分離膜(以下、「中空糸膜」)、又は、平面状の形状を有する分離膜(以下、「平膜」)が好ましい。中でも、中空糸膜はモジュールに高効率に充填可能であり、モジュールの単位体積当たりの有効膜面積を大きくできるため、より好ましい。
分離膜が中空糸膜である場合、モジュールに充填した際の有効膜面積と、膜強度を両立させる観点から、中空糸膜の外径が50〜2500μmであることが好ましく、100〜2000μmであることがより好ましく、200〜1500μmであることがさらに好ましく、300〜1000μmであることがさらに好ましい。
また分離膜が中空糸膜である場合、中空部を流れる流体の圧損と、座屈圧との関係から、中空糸膜の中空率が15〜70%であることが好ましく、20〜65%であることがより好ましく、25〜60%であることがさらに好ましい。
中空糸膜の外径や中空率を上記範囲に調整する方法としては、例えば、中空糸膜を製造する際の吐出口金の孔の形状、又は、巻取速度/吐出速度で表されるドラフト比の変更が挙げられる。
(断面膜構造)
本発明の分離膜は、均一な多孔構造を有する、領域Aを有する。領域Aは、膜の厚み方向における孔径変化率αの値によって、分離膜の他の領域である領域Bや領域Cと区別される。孔径変化率αの算出のためには、分離膜の孔径を算出する必要がある。図1及び図2に、領域A、領域B及び領域Cを有する、分離膜の模式図を示す。
分離膜の孔径の算出方法としては、まず、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率10,000〜100,000で、分離膜の厚み方向の断面を観察する。
分離膜の一方の表面から、分離膜の厚み方向に順に、5μm間隔に等分割した各領域1〜nを設定する(図1参照)。設定した各領域のそれぞれにおいて、無作為に選択した30個の孔の孔径を算出し、その30の値の算術平均を、各領域における平均孔径r〜rとする。
ここで各孔の孔径rは、孔の面積を画像処理により測定し、同面積の真円の孔を仮定して、下記式より算出した。
r=(4×A/π)0.5
A:孔の面積
各領域の平均孔径の変化率αは、下記式で定義される。
α=(r−ri+1)/r
領域Aは、平均孔径の最も小さい領域から連続して、αが−0.1〜0.1を満たすすべての領域の集合、と定義される(図2参照)。そして、この領域Aに接し、上記一方の表面までの領域が、領域Bと定義される(図2参照)。
領域Aを構成する各領域のαの値は、−0.05〜0.05であることが好ましい。αの値が−0.05〜0.05の範囲にあることで、分離膜の除去性能が良好なものとなる。
領域Aの厚みは、10〜500μmであることが好ましい。領域Aの厚みが10〜500μmの範囲にあることで、分離膜の透過性能が良好なものとなる。
領域Aの平均孔径Rは、設定した領域1〜nにおいて、領域Aと判断された領域j〜kのそれぞれにおける、平均孔径r〜rの算術平均である(図1参照)。分離膜に良好な透過性能と除去性能とを付与するため、分離機能層としての役割を担う領域Aの平均孔径Rは、1〜1000nmであることが好ましい。
本発明の分離膜は、領域Bの平均孔径Rよりも、領域Aの平均孔径Rが小さいことを特徴とする(図2参照)。領域Bの平均孔径Rは、設定した領域1〜nにおいて領域j〜kが領域Aと判断された場合、平均孔径r〜rj−1の算術平均である。良好な透過性能と除去性能を有するため、領域Bの平均孔径Rは、1〜3000nmであることが好ましい。
さらに本発明の分離膜は、その領域Bが、上記領域Aとの界面を起点とする、傾斜構造を有することを特徴とする(図2参照)。ここで「傾斜構造」とは、設定した領域1〜nにおいて、3つ以上の同符号のαが連続する部分をいう。
本発明の分離膜における領域Bは、目詰まりの原因となる粗大物質が領域Aに到達することを防ぎ、プレフィルターとしての役割を担うことができる。本発明の分離膜が領域Bを有することで、長時間ろ過を行っても、高い透過性能を維持することができる。
分離膜の透過性能をより高めるため、Rに対するRの比率は、0.5以下であることが好ましく、領域Bの厚みに対する領域Aの厚みの比率は、1以下であることが好ましい。
本発明の分離膜は、その厚み方向において、領域Bの反対側に、さらに領域Aに接する領域Cを有することが好ましい(図1及び図2参照)。領域Cの平均孔径Rは、設定した領域1〜nにおいて領域j〜kが領域Aと判断された場合、孔径rk+1〜rの算術平均である。領域Aの平均孔径Rよりも、領域Cの平均孔径Rが大きいことで、例えば、ろ過下流側表面の表面開孔率が向上し、分離膜が良好な透過性能を発揮することができる。
本発明の分離膜良好な透過性能と除去性能とを発揮するため、領域Aは、共連続構造を有することが好ましい。ここで「共連続構造」とは、分離膜の孔の径の幅の、10〜100倍の長さを一辺とする正方形の視野で撮影された顕微鏡画像をフーリエ変換して得られる、横軸が端数、縦軸が強度からなるグラフ曲線において、ピーク半値幅を(a)、ピークの極大波数を(b)とするとき、0<(a)/(b)<1.5を満たす構造である。
(膜強度)
本発明の分離膜は、長手方向の引張に対する膜強度を発輝するために、長手方向の破断強度は6MPa以上であることが好ましく、10MPa以上であることがより好ましい。破断強度が6MPa以上であることにより、分離膜のモジュール化及び使用する際の糸切れを抑制することができる。
(製造方法)
本発明の分離膜の製造方法は、
(1)15〜90質量%のポリマーと、10〜85質量%の構造形成剤とを溶融混練して、樹脂組成物を調製する、樹脂組成物調製工程と、
(2)上記樹脂組成物を吐出口金から吐出して、樹脂成形体を形成する、製膜工程と、
(3)上記ポリマーに対する溶解度パラメータ距離Dが、25以下の溶媒S1を、上記樹脂成形体に含浸させる、第一の含浸工程と、
(4)上記溶媒S1よりも上記Dが大きく、かつ、該Dが35以下の溶媒S2を、上記樹脂成形体に含浸させる、第二の含浸工程と、を備えることを特徴とする。
次に、本発明の分離膜の製造方法を、分離膜が中空状の形状を有する中空糸膜の場合を例に具体的に説明する。
樹脂組成物調製工程は、15〜90質量%のポリマーと、10〜85質量%の構造形成剤とを溶融混練して、樹脂組成物を調製する工程である。樹脂組成物は必要に応じて、上記した酸化防止剤又は添加剤を含有しても構わない。
ポリマーと構造形成剤とを溶融混練する装置としては、例えば、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー又は単軸若しくは二軸押出機等の混合機が挙げられる。中でも、構造形成剤の分散性を良好にするため、二軸押出機が好ましく、水分や低分子量物等の揮発物を除去するため、ベント孔付きの二軸押出機がより好ましい。
得られた樹脂組成物は、一旦ペレット化し、再度溶融させてから製膜工程に供してもかまわないし、直接、製膜工程における吐出口金に導いてもかまわない。なお樹脂組成物を一旦ペレット化した場合には、ペレットを乾燥して、水分量を200ppm(質量基準)以下としてから製膜工程に供することが好ましい。
製膜工程は、樹脂組成物調製工程で得られた樹脂組成物を、中央部に気体の流路を配した二重環状ノズルを有する吐出口金から空気中に吐出して、冷却装置により冷却して樹脂成形体を形成する工程である。
形成された樹脂成形体は、ポリマーの高配向化により膜強度を向上させるため、延伸工程において延伸することが好ましい。樹脂成形体は、一旦巻き取り、再度巻き出してから延伸工程に供しても構わないし、直接延伸工程に供しても構わない。延伸の方法としては、例えば、延伸前の樹脂成形体を加熱ロール上で搬送しながら延伸する温度まで昇温し、ロール間の周速差を用いて延伸する方法、又は、乾熱オーブン若しくは熱水や溶媒等の加熱液体中を搬送しながら延伸する温度まで昇温し、ロール間の周速差を用いて延伸する方法が挙げられる。また延伸は1段で行っても構わないし、2段以上の多段で行っても構わない。
樹脂成形体を延伸する温度は、40〜180℃が好ましく、60〜160℃がより好ましく、80〜140℃がさらに好ましい。また合計の延伸倍率は、1.2〜5.0倍が好ましく、1.4〜4.5倍がより好ましく、1.6〜4.0倍がさらに好ましい。樹脂成形体を延伸する温度、及び、合計の延伸倍率が上記の範囲内であることで、樹脂成形体中のポリマーの配向を高めることができる。
第一の含浸工程は、原料であるポリマーに対する溶解度パラメータ距離Dが、25以下の溶媒S1を、上記樹脂成形体に含浸させる工程である。
また、第二の含浸工程は、第一の含浸工程を経た樹脂成形体を、溶媒S1よりもDが大きく、かつ、該Dが35以下の溶媒S2を、上記樹脂成形体に含浸させる工程である。
上記第一及び第二の含浸工程のそれぞれにおいて、原料であるポリマーと適度な親和性を有する溶媒又は混合溶媒を選択し用いることで、ポリマーの極度な膨潤や可塑化が抑制され、上記樹脂成形体が分離膜として好適な多孔構造となる。
ここで、分離膜の原料となるポリマーと、溶媒との親和性は、3次元ハンセン溶解度パラメータによって見積もることができる(非特許文献1)。より具体的には、下記式(1)で表される溶解度パラメータ距離(D)が小さいほど、ポリマーに対する溶媒の親和性が高いことを示す。
Figure 2019111476
ここで、δAd、δAp及びδAhは、ポリマーの溶解度パラメータの分散項、極性項及び水素結合項であり、δBd、δBp及びδBhは、溶媒又は混合溶媒の溶解度パラメータの分散項、極性項及び水素結合項である。
混合溶媒の溶解度パラメータ(δMixture)については、式(2)により求めることができる。
Figure 2019111476
ここで、φ、δは成分iの体積分率と溶解度パラメータであり、分散項、極性項及び水素結合項のそれぞれに成り立つ。ここで「成分iの体積分率」とは、混合前の全成分の体積の和に対する混合前の成分iの体積の比率をいう。
本発明において、第一の浸漬工程で用いられる溶媒S1のDは25以下であることが好ましく、5〜20であることがさらに好ましい。
溶媒S1のDが25以下であることで、ポリマーが十分に可塑化され、樹脂成形体の相分離が進行するため、多孔構造が得ることができる。一方で、溶媒S1のDが5以上であることで、分離膜の形状を維持しつつ、領域B及び領域Cの平均孔径が大きい断面構造を得ることができる。
本発明の分離膜の製造方法においては、上記の浸漬工程の後に行われる第二の浸漬工程で用いられる溶媒S2のDは、第一の浸漬工程で用いられる溶媒のDよりも大きく、かつ、35以下である。これら第一及び第二の浸漬工程を行うことで、領域Bと領域Aとを有する分離膜を得ることができ、得られた分離膜は極めて良好な除去性能を発揮する。
得られた分離膜はそのままでも使用しても構わないが、使用前に、例えば、アルコール含有水溶液又はアルカリ水溶液等によって分離膜の表面を親水化させることが好ましい。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
[測定及び評価方法]
(1)ポリマーの重量平均分子量(Mw)
ポリマーの濃度が0.15質量%となるようにテトラヒドロフランに完全に溶解させ、GPC測定用試料とした。この試料を用い、以下の条件の下、Waters2690でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム : TSK gel GMHHR−H(東ソー製)を2本連結
検出器 : Waters2410 示差屈折計RI
移動層溶媒 : テトラヒドロフラン
流速 : 1.0mL/分
注入量 : 200μL
(2)分離膜の厚み方向における断面の観察と孔径測定
分離膜を液体窒素で凍結した後、分離膜の厚み方向の断面が露出するように、応力を加えることにより(適宜カミソリ又はミクロトーム等を用いて)割断した。露出した分離膜の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率10,000〜100,000で観察した。分離膜の一方の表面から、分離膜の厚み方向に順に、5μm間隔に等分割した各領域それぞれにおいて、無作為に選択した30個の孔の孔径を算出し、その30の値の算術平均を、各領域における孔径r〜rとした。
ここで、各孔の孔径rは、孔の面積を画像処理により測定し、同面積の真円の孔を仮定して、下記式より算出した。
r=(4×A/π)0.5
A:孔の面積
(3)分離膜の厚み(μm)
上記(2)の分離膜の厚み方向の断面を、光学顕微鏡により観察して撮影し、分離膜の厚みを算出した。より具体的には、無作為に選択した10箇所の厚みを測定し、その算術平均を、分離膜の厚みとした。
(4)中空糸膜の外径及び内径(μm)
上記(2)の分離膜の厚み方向の断面を、光学顕微鏡により観察して撮影し、中空糸膜の外径R及び内径Rを算出した。より具体的には、無作為に選択した10箇所の外径及び内径を測定し、それぞれの算術平均を、中空糸膜の外径R及び内径Rとした。
(5)空隙率(MPa)
中空糸膜の糸長L(cm)を測定後、25℃で8時間、真空乾燥させた中空糸膜の質量M(g)を測定した。中空糸膜の密度ρは、上記(4)で測定した外径Rμm及び内径Rμmの値を用いて、下記式(3)より算出した。
Figure 2019111476
また空隙率ε(%)は、下記式(4)より算出した。
Figure 2019111476
ここでρは、ポリマーの密度である。
(6)破断強度(MPa)
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(テンシロン UCT−100 (オリエンテック社))を用いて、分離膜の長軸方向の破断強度を測定した。具体的には、試料長100mm、引張速度100mm/分の条件にて測定を行い、引張強さから破断強度(MPa)を算出した。なお測定回数は5回とし、それらの値の算術平均を破断強度とした。
(7)膜透過流束(m/m/h)
中空状の形状を有する分離膜、すなわち中空糸膜1本からなる有効長さ100mmの小型モジュールを作製した。この小型モジュールに、温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件で、30分間にわたって蒸溜水を送液し、得られた透過水量(m)を測定し、これを単位時間(h)及び単位膜面積(m)当たりの数値に換算し、さらに圧力(50kPa)換算して、純水の透過性能(単位=m/m/h)とした。
(8)分画粒子径(nm)
中空糸膜の除去性能は、ポリスチレンラテックス(以下、「Pst」)粒子の阻止率に基づき、以下の方法で評価した。Pst粒子は、200nm、84nm、33nm及び21nmのものをそれぞれ使用した。
Pst粒子の20ppm懸濁液について、クロスフローろ過、原水と透過水との粒子濃度(波長222nmの吸光度)を測定し、阻止率を算出した。次に阻止率−粒子径カーブを描き、阻止率が90%となるPst粒子径を、分画粒子径とした。
[ポリマー(A)]
セルロースエステル(A1)
セルロースアセテートプロピオネート(CAP482 (イーストマンケミカルジャパン株式会社))
ナイロン(A2)
ナイロン6(アミラン (東レ株式会社))
[構造形成剤(B)]
構造形成剤(B1)
ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)600
構造形成剤(B2)
PVP/酢酸ビニル共重合体(Kollidon VA 64 (BASFジャパン株式会社))
構造形成剤(B3)
PVP、(Luviskol K 17 (BASFジャパン株式会社))
[酸化防止剤(C)]
酸化防止剤(C1)
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(実施例1)
セルロースエステル(A1)25.0質量%と、構造形成剤(B1)5.0質量%、構造形成剤(B2)69.9質量%及び酸化防止剤(C1)0.1質量%を二軸押出機にて220℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し220℃で溶融、混練した後に、紡糸温度220℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、体積分率が65のアセトン水溶液に10秒浸漬し、さらに、体積分率が45のアセトン水溶液に20分浸漬し、水に1時間以上浸漬して、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1と図3に示した。図3の分離膜の厚み方向における各領域の平均孔径の変化を示したグラフより、得られた分離膜が領域A、B及びCを有することがわかる。
(実施例2)
ナイロン6(A2)25.0質量%と、構造形成剤(B3)75.0質量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し240℃で溶融、混練した後に、紡糸温度230℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、スルホランに10秒浸漬し、さらに、体積分率が20のスルホラン水溶液に20分浸漬し、水に1時間以上浸漬して、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1に示した。
(実施例3)
セルロースエステル(A1)25.0質量%と、構造形成剤(B1)5.0質量%、構造形成剤(B2)69.9質量%及び酸化防止剤(C1)0.1質量%を二軸押出機にて220℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し220℃で溶融、混練した後に、紡糸温度220℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、体積分率が60のアセトン水溶液に10秒浸漬し、さらに、体積分率が45のアセトン水溶液に20分浸漬し、水に1時間以上浸漬して、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1に示した。
(実施例4)
セルロースエステル(A1)25.0質量%と、構造形成剤(B1)5.0質量%、構造形成剤(B2)69.9質量%及び酸化防止剤(C1)0.1質量%を二軸押出機にて220℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し220℃で溶融、混練した後に、紡糸温度220℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、体積分率が65のアセトン水溶液に5秒浸漬し、さらに、体積分率が45のアセトン水溶液に20分浸漬し、水に1時間以上浸漬して、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1に示した。
(実施例5)
ナイロン6(A2)25.0質量%と、構造形成剤(B3)75.0質量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し240℃で溶融、混練した後に、紡糸温度230℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、体積分率が80のスルホラン水溶液に10秒浸漬し、さらに、体積分率が20のスルホラン水溶液に20分浸漬し、水に1時間以上浸漬して、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1に示した。
(実施例6)
ナイロン6(A2)25.0質量%と、構造形成剤(B3)75.0質量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し240℃で溶融、混練した後に、紡糸温度230℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、スルホランに5秒浸漬し、さらに、体積分率が20のスルホラン水溶液に20分浸漬し、水に1時間以上浸漬して、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1に示した。
(比較例1)
セルロースエステル(A1)25.0質量%と、構造形成剤(B1)5.0質量%、構造形成剤(B2)69.9質量%及び酸化防止剤(C1)0.1質量%を二軸押出機にて220℃で溶融混練し、均質化した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を80℃で8時間、真空乾燥を行った。
乾燥させた樹脂組成物を二軸押出機に供給し220℃で溶融、混練した後に、紡糸温度220℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10g/分の条件で、口金孔(二重円管タイプ、吐出孔径8.3mm、スリット巾1.1mm)を1ホール有する口金の外側環状部より下方に紡出した。この紡出した樹脂成形体を、冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、ドラフト比が60となるようにワインダーで巻き取った。この樹脂成形体を、体積分率が45のアセトン水溶液に20分浸漬し、構造形成剤を溶出させた。得られた分離膜の物性を表1に示した。
Figure 2019111476
実施例1及び2ともに比較例1よりも高い透過性能を示しながら、同等の除去性能を発輝している。比較例1が有さない実施例1及び2の領域Bが、透過性能の向上に寄与している。平均孔径R対する平均孔径Rの比が小さいと、膜透過流束が小さい(実施例1及び3、実施例2及び5参照)。また、領域Bに対する領域Aの膜厚大きくても、膜透過流束が小さい(実施例1及び4、実施例2及び6参照)。
本発明の分離膜は、長時間ろ過においても透過性能と除去性能を両立可能な分離膜である。本発明の分離膜は、海水、かん水、下水若しくは排水等から工業用水又は飲料水等を製造するための水処理用膜、人工腎臓や血漿分離等の医療用膜、果汁濃縮等の食品・飲料工業用膜、排気ガス若しくは炭酸ガス等を分離するガス分離膜、あるいは、燃料電池セパレータ等の電子工業用膜等に用いることができる。上記水処理用膜としては、例えば、精密濾過膜又は限外濾過膜等に好ましく用いることができる。

Claims (14)

  1. ポリマーを主成分とする分離膜であって、
    前記分離膜の厚み方向において、孔径変化率αが−0.1〜0.1を満たす領域の集合である領域Aと、
    該領域Aに接する領域Bと、を有し、
    前記領域Aの平均孔径Rと、前記領域Bの平均孔径Rとが、R<Rの関係を満たし、
    前記領域Bが、前記領域Aとの界面を起点とする傾斜構造を有する、分離膜。
  2. 前記Rが、1〜1000nmである、請求項1記載の分離膜。
  3. 前記Rが、1〜3000nmである、請求項1記載の分離膜。
  4. 前記領域Aの厚みが、10〜500μmである、請求項1〜3のいずれか一項記載の分離膜。
  5. 前記領域Bに対する前記領域Aの厚みの比率が、1以下である、請求項1〜4のいずれか一項記載の分離膜。
  6. 前記Rに対する前記Rの比率が、0.5以下である、請求項1〜5のいずれか一項記載の分離膜。
  7. 前記領域Aが、共連続構造を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の分離膜。
  8. 前記ポリマーが親水性ポリマーである請求項1〜7のいずれか一項記載の分離膜。
  9. 前記ポリマーがセルロースエステル及び/又はナイロンである、請求項1〜8のいずれか一項記載の分離膜。
  10. 中空状の形状を有する、請求項1〜9のいずれか一項記載の分離膜。
  11. 前記分離膜の厚み方向において、前記領域Bの反対側に、さらに前記領域Aに接する領域Cを有し、
    前記Rと、前記領域Cの平均孔径Rとが、R<Rの関係を満たす、請求項1〜10のいずれか一項記載の分離膜。
  12. 破断強度が6MPa以上である、請求項1〜11のいずれか一項記載の分離膜。
  13. (1)15〜90質量%のポリマーと、10〜85質量%の構造形成剤とを溶融混練して、樹脂組成物を調製する、樹脂組成物調製工程と、
    (2)前記樹脂組成物を吐出口金から吐出して、樹脂成形体を形成する、製膜工程と、
    (3)前記ポリマーに対する溶解度パラメータ距離Dが、25以下の溶媒S1を、前記分離膜に含浸させる、第一の含浸工程と、
    (4)前記溶媒S1よりも前記Dが大きく、かつ、該Dが35以下の溶媒S2を、前記分離膜に含浸させる、第二の含浸工程と、を備える、分離膜の製造方法。
  14. (1)15〜90質量%のポリマーと、10〜85質量%の構造形成剤とを溶融混練して、樹脂組成物を調製する、樹脂組成物調製工程と、
    (2)前記樹脂組成物を吐出口金から吐出して、樹脂成形体を形成する、製膜工程と、
    (3)前記樹脂成形体を延伸する、延伸工程と、
    (4)前記ポリマーに対する溶解度パラメータ距離Dが、25以下の溶媒S1を、前記樹脂成形体に含浸させる、第一の含浸工程と、
    (5)前記溶媒S1よりも前記Dが大きく、かつ、該Dが35以下の溶媒S2を、前記分離膜に含浸させる、第二の含浸工程と、を備える、分離膜の製造方法。
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