JP2019108429A - インクジェット記録用白色インク - Google Patents
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Abstract
Description
70≦L*≦100・・・式(1)
−3.5≦a*≦1.0・・・式(2)
−5.0≦b*≦1.5・・・式(3)
記録媒体(セイコーエプソン株式会社製「エプソン純正写真用紙<光沢>」)の表面に対し、duty100%のソリッド画像を記録する。分光光度計(X−Rite社製「Spectrolino」)を用い、以下に示す測定条件で、記録媒体に記録されたインクの明度(L*)及び色度(a*,b*)を測定する。
光源:D50
観測視野:2°
濃度測定条件:DIN NBフィルター
White Base:absolute
フィルター:No
測定モード:Reflectance
duty(インクの付与量)は、下記式で表される。下記式において、「実記録ドット数」は、単位面積当たりの実記録ドット数を意味する。dutyが100%であるとは、画素に対する単色インクの付与量が最大であることを意味する。
duty(単位:%)={(実記録ドット数)/(画像解像度)}×100
本実施形態に係る白色インクは、水性媒体と、樹脂粒子と、白色顔料粒子と、分散剤とを含む。複数の樹脂粒子及び複数の白色顔料粒子は、水性媒体に分散されている。白色インクは、必要に応じて添加剤をさらに含んでもよい。
水性媒体は、水を含有することが好ましい。水は、純水又は超純水であることが好ましく、より好ましくは滅菌処理された純水又は超純水である。滅菌処理された純水又は超純水を使用すれば、白色インクにおいてカビ及びバクテリアが発生することを長期にわたって防止できる。純水は、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、及び蒸留水からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。滅菌処理は、例えば、紫外線照射、及び過酸化水素添加からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
樹脂粒子は、記録媒体上で結着樹脂として機能する。詳しくは、樹脂粒子は、白色顔料粒子を記録媒体上に保持する。樹脂粒子を含まれる樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂、アクリル酸系樹脂、ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、白色インク中での樹脂粒子の分散性を向上させる観点から、酸性の官能基を有する樹脂(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂等)が好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレン系モノマー由来の繰返し単位と、アクリル酸系モノマー由来の繰返し単位とを含む。
白色顔料粒子は、白色顔料粒子分散体として白色インク中に分散される。白色顔料粒子の密度は、3.0g/cm3以下であり、2.7g/cm3以下であることが好ましい。白色顔料粒子の密度が3.0g/cm3以下であると、白色顔料粒子が白色インク中で沈降しにくく分散性に優れるため、白色インクは保存安定性に優れる。
分散剤は、白色インク中で白色顔料粒子とともに白色顔料粒子分散体を形成し、白色顔料粒子を分散させる。分散剤は、アニオン性樹脂と、非水溶性非極性樹脂とを含む。分散剤は、白色顔料粒子と白色顔料粒子分散体を形成することで、白色インク中で白色顔料粒子を分散させる。被覆構造は、白色顔料粒子の表面が非水溶性非極性樹脂で被覆され、さらにアニオン性樹脂で被覆される構造である。被覆構造は、後述する転相乳化法により形成することができる。
アニオン性樹脂は、アニオン性官能基を有する樹脂である。アニオン性官能基としては、例えば、酸性の官能基(より具体的には、カルボキシル基又はスルホ基等)の金属塩(より具体的には、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等)又はアンモニウム塩が挙げられる。アニオン性樹脂としては、例えば、中和型樹脂(より具体的には、中和型のアクリル酸系樹脂等)が挙げられる。中和型のアクリル酸系樹脂としては、例えば、アンモニウムイオン中和型アクリル酸系樹脂又はアルカリ金属イオン中和型アクリル酸系樹脂(より具体的には、ナトリウムイオン中和型アクリル酸系樹脂又はカリウムイオン中和型アクリル酸系樹脂等)が挙げられる。アンモニウムイオン中和型アクリル酸系樹脂では、アクリル酸系モノマー由来の繰返し単位(より具体的には、アクリル酸由来の繰返し単位又はアクリル酸の誘導体由来の繰返し単位)がカルボキシル基のアンモニウム塩を有する。なお、中和型樹脂では、複数の酸性の官能基のうちの一部が塩となっていてもよい。
カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」(4.6mmI.D.×15cmのセミミクロカラム)
カラム本数:3本
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
サンプル注入量:10μL
測定温度:40℃
検出器:IR検出器
非水溶性非極性樹脂は、極性官能基を含む繰返し単位及び親水性の繰返し単位の合計含有量が、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である樹脂群を指す。極性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基等が挙げられる。極性官能基を含む繰返し単位としては、例えば、アリルアミン、アリルアルコール、(メタ)アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル等の極性モノマーに由来する繰返し単位が挙げられる。親水性の繰返し単位としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド等の親水性モノマーに由来する繰返し単位が挙げられる。例えば、非水溶性非極性樹脂は、エチレン、プロピレン、スチレン、4−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、ブタジエン、N−フェニルマレイミド等の非極性化合物を含むモノマーの重合体である。非水溶性非極性樹脂とアニオン性樹脂とは、共に白色顔料粒子の被覆構造を形成する性質を有する。非水溶性非極性樹脂は、アニオン性樹脂に比べ高い疎水性を有する。非水溶性非極性樹脂は、白色インク中において水性媒体に比べ白色顔料粒子及びアニオン性樹脂との親和性が高い。非水溶性非極性樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレン系モノマー由来の繰返し単位と、アクリル酸系モノマー由来の繰返し単位とを含む。
添加剤としては、例えば、浸透剤、界面活性剤、多価アルコール、pH調整剤、又はその他の添加剤が挙げられる。
浸透剤は、記録媒体に対する白色インクの浸透性を高めることができる。記録媒体の画像形成面に対する白色インクの濡れ性を高めることができるからである。浸透剤は、アルカンジオールとグリコールエーテル類とからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。白色インクにおける浸透剤の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
界面活性剤は、記録媒体に対する白色インクの浸透性を高めることができる。記録媒体の印字面に対する白色インクの濡れ性を高めることができるからである。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又は両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤のうち、ノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤は、アセチレングリコール型界面活性剤とポリシロキサン型界面活性剤とからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。白色インクにおける界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
多価アルコールは、白色インクの乾燥を抑制できるため、記録ヘッドが目詰まりを起こすことを防止できる。白色インクにおける多価アルコールの含有量は、0.1質量%以上30.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20.0質量%以下であることがより好ましい。
pH調整剤は、白色インクのpHを調整することができる。白色インクにおけるpH調整剤の含有量は、0.01質量%以上10.00質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。pH調整剤は、第三級アミンであることが好ましい。
白色インクは、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び酸素吸収剤からなる群より選択される少なくとも1つをさらに含有してもよい。定着剤としては、例えば、水溶性ロジンが挙げられる。防黴剤としては、例えば、安息香酸ナトリウムが挙げられる。安息香酸ナトリウムは、防腐剤としても機能し得る。酸化防止剤としては、例えば、アロハネート類が挙げられる。
白色インクは、転相乳化法により作製することができる。まず、白色顔料粒子分散液を調製する。詳しくは、白色顔料粒子と、アニオン性樹脂と、非水溶性非極性樹脂と、有機溶媒とを混合して、混合液を調製する。有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトンが挙げられる。混合液に水性溶媒を添加して、有機溶媒から水性溶媒に転相する。その結果、水性溶媒中に有機溶媒の液滴が分散した分散液を調製する。分散液を減圧条件下にして分散液から有機溶媒を除去し、白色顔料粒子分散液を得る。白色顔料粒子と、アニオン性樹脂と、非水溶性非極性樹脂と、有機溶媒とを含む有機溶媒の液滴から、徐々に有機溶媒が除去される過程で、液滴中で親和性のある物質が互いに近接することで、最終的に白色インク中で白色顔料粒子分散体が形成される。
<白色顔料粒子分散液A−1の製造>
白色顔料粒子としての炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製「Gerton50」)60質量部と、アニオン性樹脂としてのアンモニウムイオン中和型アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンUC−3920」、酸価240mgKOH/g、質量平均分子量Mw15,500)20質量部と、非水溶性非極性樹脂としてのスチレン−アクリル酸系樹脂(東亜合成株式会社製「レセダGP―210S」)20質量部とを有機溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)100質量部に溶解させて、溶液を得た。次いで溶液にイオン交換水300質量部をさらに添加して転相させた。次いで、減圧条件にてMEKの脱溶媒を行った。その結果、白色顔料粒子分散液A−1を得た。白色顔料粒子分散液A−1の固形分濃度は35質量%であった。白色顔料粒子分散液A−1に含まれる白色顔料粒子分散体A−1の体積平均粒子径は300nmであり、白色顔料粒子分散体A−1の多分散指数は0.30であった。なお、白色顔料粒子分散体A−1の体積平均粒子径及び多分散指数は、実施形態で述べた方法で求めた。以下、同様である。
白色顔料粒子としての炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製「Gerton50」)の代わりにタルク(日本タルク株式会社製「ナノエースD−600」)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液A−2を調製した。白色顔料粒子分散液A−2の固形分濃度は35質量%であった。白色顔料粒子分散液A−2に含まれる白色顔料粒子分散体A−2の体積平均粒子径は750nmであり、白色顔料粒子分散体A−2の多分散指数は0.35であった。
白色顔料粒子としての炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製「Gerton50」)の代わりにカオリン(林化成株式会社製「ASPG−90」)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液A−3を調製した。白色顔料粒子分散液A−3の固形分濃度は36質量%であり、あった。白色顔料粒子分散液A−3に含まれる白色顔料粒子分散体A−3の体積平均粒子径は200nmであり、白色顔料粒子分散体A−3の多分散指数は0.11であった。
アニオン性樹脂としてのアンモニウムイオン中和型アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンUC−3920」、酸価240mgKOH/g、質量平均分子量Mw15、500)の代わりにアンモニウムイオン中和型アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンU−3000」、酸価74mgKOH/g、質量平均分子量Mw10,000)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液A−4を調製した。白色顔料粒子分散液A−4の固形分濃度は34質量%であった。白色顔料粒子分散液A−4に含まれる白色顔料粒子分散体A−4の体積平均粒子径は550nmであり、白色顔料粒子分散体A−4の多分散指数は0.32であった。
非水溶性非極性樹脂としてのスチレン−アクリル酸系樹脂(東亜合成株式会社製「レセダGP―210S」)の代わりにアクリル酸系樹脂(東亜合成株式会社製「アロン(登録商標)NW−400」)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液A−5を調製した。白色顔料粒子分散液A−5の固形分濃度は34質量%であった。白色顔料粒子分散液A−5に含まれる白色顔料粒子分散体A−5の体積平均粒子径は270nmであり、白色顔料粒子分散体A−5の多分散指数は0.30であった。
白色顔料粒子としての炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製「Gerton50」)の代わりに酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−100AQ」)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液B−1を調製した。白色顔料粒子分散液B−1の固形分濃度は36質量%であった。白色顔料粒子分散液B−1に含まれる白色顔料粒子分散体B−1の体積平均粒子径は250nmであり、白色顔料粒子分散体B−1の多分散指数は0.28であった。
アニオン性樹脂としてのアンモニウムイオン中和型アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンUC−3920」、酸価240mgKOH/g、質量平均分子量Mw15、500)の代わりにアクリル酸樹脂(星光PMC株式会社製「VS−1057」、酸価40mgKOH/g、質量平均分子量Mw19,000)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液B−2を調製した。白色顔料粒子分散液B−2の固形分濃度は35質量%であった。白色顔料粒子分散液B−2に含まれる白色顔料粒子分散体B−2の体積平均粒子径は500nmであり、白色顔料粒子分散体B−2の多分散指数は0.32であった。
アニオン性樹脂としてのアンモニウムイオン中和型アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンUC−3920」、酸価240mgKOH/g、質量平均分子量Mw15、500)の代わりにアクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンU−3000」、酸価108mgKOH/g、質量平均分子量Mw4,600)を用いた以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液B−3を調製した。白色顔料粒子分散液B−3の固形分濃度は35質量%であった。白色顔料粒子分散液B−3に含まれる白色顔料粒子分散体B−3の体積平均粒子径は280nmであり、白色顔料粒子分散体B−3の多分散指数は0.29であった。
アニオン性樹脂としてのアンモニウムイオン中和型アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「アルフォンUC−3920」、酸価240mgKOH/g、質量平均分子量Mw15,500)を添加しなかった以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液B−4を調製した。白色顔料粒子分散液B−4では、転相時に溶媒相が分散せずに白色顔料粒子分散体B−4を得ることができなかった。このため、比較例4に係る白色インクは、調製することができず、白色度、隠蔽性、吐出安定性、及び保存安定性を評価できなかった。
非水溶性非極性樹脂としてのスチレン−アクリル酸樹脂(東亜合成株式会社製「レセダGP―210S」)を添加しなかった以外は、白色顔料粒子分散液A−1と同様の製造方法により白色顔料粒子分散液B−5を調製した。白色顔料粒子分散液B−5の固形分濃度は34質量%であり、あった。白色顔料粒子分散液B−5に含まれる白色顔料粒子分散体B−5の体積平均粒子径は320nmであり、白色顔料粒子分散体B−5の多分散指数は0.30であった。
測定結果を表1に示す。
<白色インクWA−1の製造>
白色顔料粒子分散液A−1(25質量部)に対し樹脂粒子としてのスチレンアクリル酸樹脂エマルション(東亜合成株式会社製「アロン(登録商標)NW−7060」)(10質量部)を配合し、固形分5質量%とした。次いで、プロピレングリコール(ナカライテスク株式会社製の試薬特級品)(15質量部)と、ソルビトール(ナカライテスク株式会社製の試薬特級品)(10質量部)と、適量の界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)104」)と、適量のイオン交換水とを添加して希釈した。その結果、白色インクWA−1を得た。白色インクWA−1の白色顔料の濃度は5質量%であり、25℃での粘度が4mPa・sであり、25℃での白色インク表面張力が35mN/mであった。25℃でのインクの表面張力が35mN/mとなるように、界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)104」)の配合量を調整した。より具体的には、界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)104」)の配合量を約0.05質量部とした。
白色顔料粒子分散液A−1の代わりに白色顔料粒子分散液A−2〜A−5、B−1〜B−3及びB−5の何れかを用いた以外は、白色インクWA−1と同様の製造方法によりそれぞれ白色インクWA−2〜WA−5、WB−1〜WB−3及びWB−5を得た。表1に白色インクの測定結果を示す。なお、白色顔料粒子欄の「体積平均粒子径」は、白色顔料粒子分散体の体積平均粒子径を示す。
<白色度の評価>
まず、白色インク(より具体的には、白色インクWA−1〜WA−5及びWB−1〜WB−3及びWB−5のそれぞれ)を、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製「PX−045a」)専用のカートリッジのインク室に充填した。次に、カートリッジをインクジェットプリンターに装着した。続いて、インクジェットプリンターを用いて、duty100%のソリッド画像をOHPフィルム(スリーエムジャパン株式会社のインクジェット用OHPフィルム)に形成した。得られた印刷物を、黒色台紙(OD値:2.0)の上に配置した。その後、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて、下記測定条件で、OHPフィルムに記録されたインクの明度(L*)を測定した。
(測定条件)
光源:D50
観測視野:2°
(白色度の評価基準)
評価A(良好):白色インクの明度(L*)が70以上である。
評価B(不良):白色インクの明度(L*)が70未満である。
上述の<白色度の評価>で得られた印刷物を用いて、隠蔽率を評価した。詳しくは、まず、印刷物を紫外可視分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製「U−3010」)のサンプル室にセットした。次に、印刷物の画像形成部に可視領域の単色光(波長:400nm以上800nm、波長間隔:1nm)を入射して、それぞれの波長を有する入射光が印刷物の画像形成部を透過する割合(透過率T(単位:%))を測定した。その後、入射光の波長400nm、500nm、600nm、700nm、及び800nmにおける印刷物の画像形成部の透過率Tから、透過率の平均値を算出した。得られた平均値を隠蔽率(単位:%)とした。
(隠蔽率の評価基準)
評価A(良好):隠蔽率が10%以下である。
評価B(不良):隠蔽率が10%超である。
白色インク(より具体的には、白色インクWA−1〜WA−5、WB−1〜WB−3及びWB−5のそれぞれ)をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製「PX−045a」)専用のカートリッジのインク室に充填した。次に、カートリッジをインクジェットプリンターに装着した。続いて、インクジェットプリンターを用いて、duty100%のソリッド画像をOHPフィルム(スリーエムジャパン株式会社のインクジェット用OHPフィルム)に形成した。このような画像をOHPフィルム30枚に連続して形成した。次いで、ノズルチェックパターンを作成し、インクジェットヘッドの全ノズル本数のうち、インク液滴が吐出されなかった個数(ノズル抜け本数)をカウントした。得られたカウント数から、下記評価基準に基づいて、白色インクの吐出安定性を評価した。
(吐出安定性の評価基準)
評価A(良好):ノズル抜け本数が10本未満である。
評価B(不良):ノズル抜け本数が10本以上である。
まず、イオン交換水を用いて、白色インク(より具体的には、白色インクWA−1〜WA−5、WB−1〜WB−3及びWB−5のそれぞれ)を10倍に希釈した。得られた希釈液をセルに入れて、紫外可視分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製「U−3010」)のサンプル室にセットした。希釈液に可視光(波長:500nm)を入射して、入射光が希釈液に吸収される割合(吸光度Abs)を測定した。測定された吸光度Absを保存前の吸光度とした。
保存安定度(単位:%)={(保存後の吸光度)/(保存前の吸光度)}×100
(保存安定性の評価基準)
評価A(良好):保存安定度が60%以上である。
評価B(不良):保存安定度が60%未満である。
表2に、白色インク(より具体的には、白色インクWA−1〜WA−5及びWB−1〜WB−5のそれぞれ)の評価結果を示す。
Claims (4)
- 水性媒体と、樹脂粒子と、白色顔料粒子と、分散剤とを含むインクジェット記録用白色インクであって、
前記白色顔料粒子の密度は、3.0g/cm3以下であり、
前記分散剤は、アニオン性樹脂と、非水溶性非極性樹脂とを含み、
前記白色顔料粒子は、白色顔料粒子分散体として分散され、
前記白色顔料粒子分散体は、前記白色顔料粒子の表面が、前記非水溶性非極性樹脂で被覆されており、さらに前記アニオン性樹脂で被覆されており、
前記アニオン性樹脂の酸価が50mgKOH/g以上であり、
前記アニオン性樹脂の質量平均分子量が10,000以上である、インクジェット記録用白色インク。 - 前記白色顔料粒子は、炭酸カルシウム、タルク、マイカ及びカオリンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載のインクジェット記録用白色インク。
- 前記アニオン性樹脂はアンモニウムイオン中和型アクリル酸系樹脂であり、前記非水溶性非極性樹脂はスチレン−アクリル酸系樹脂である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用白色インク。
- 前記白色顔料粒子分散体の体積平均粒子径は、250nm以上800nm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録用白色インク。
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